JP2004126224A - 補給用現像剤及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ブラック現像剤の劣化が少なく、現像を長時間繰り返し行っても安定して良好な画像を得ることを可能とした補給用現像剤及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】ブラック用補給用現像剤中にキャリアを含み、その他の補給用現像剤中にキャリアを含まないフルカラー補給用現像剤において、該ブラック用補給用現像剤中のトナーとキャリアの質量比が、キャリア1部に対してトナー1〜30部の配合割合で含有し、該キャリアの体積平均粒径が15〜60μmであり、該トナー粒子の重量平均粒径が3.0〜10.5μmであり、ブラックトナー粒子の重量平均粒径が、他の色のトナー粒子以上で、かつブラックトナーの外添剤の表面被覆率が、他の色のトナーより大きいことを特徴とする補給用現像剤に関する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられるトナーとキャリアを有する現像剤を用いる所謂二成分現像方法によって静電潜像を現像するフルカラー画像形成装置及びこれに用いられる補給用現像剤に関し、より詳細には、劣化キャリアを順次回収しフレッシュなキャリアを補給していく現像方式(以後、オートリフレッシュ現像方式と略すことがある)を用いて静電潜像を現像する画像形成方法及びオートリフレッシュ現像方式を用いない静電潜像を現像する画像形成方法とを併用したフルカラー画像形成装置及び、これに用いられる補給用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真装置としての例えば複写機においては、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤で現像を行う現像装置が多用されている。このような現像装置において、トナーは現像動作によって消費されていく一方、キャリアは消費されずに現像装置内に残る。従って、キャリアにおいては、現像装置内でトナーとともに撹拌されることにより、表面の樹脂コート層の剥がれ、および表面へのトナーの粘着、遊離外添剤の付着といった事態が生じる。また、トナーにおいては、トナー表面の外添剤が、長期にわたる現像機内の攪拌によりトナー内部に埋め込まれ、その機能を十分に果たせなくなる。そのため、現像剤の帯電能が徐々に劣化していくことになる。その結果、フルカラー画像においては画像濃度が変動したり、かぶり、飛散等が発生してしまい、この問題は未だに十分に改善されていない。
【0003】
そこで、例えば、上記の現像剤を定期的に交換することが行われている。
【0004】
しかし、現像剤を定期的に交換する場合、交換直前のキャリアは交換当初のキャリアと比較して機能が大幅に低下しており、これによってキャリアの交換当初と交換直前とで画質が大幅に変化することになる。また、定期的な現像剤の交換作業は、現像装置内から古い現像剤を抜き取って未使用の現像剤を充填するものであって、めんどうであるとともに、このときに現像装置内のトナーが舞い上がるので不衛生である。さらには、定期的なサービスマン等による新たな現像剤の交換により、ランニングコストのアップにつながっている。そこで、このような不都合を解消するために、現像装置内のキャリアを徐々に回収する一方、未使用のキャリアを徐々に補給する方式の現像装置が先に提案されている。
【0005】
上記の現像方式の現像装置の代表的なものとしては、現像剤補給装置から現像装置へ徐々に未使用のキャリアを補給する一方、この補給によって過剰となった現像装置内の古い現像剤を現像剤廃棄口からオーバーフローによって排出させ、現像剤回収容器に回収するものが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。このような現像装置では、現像剤の帯電能は、現像装置に未使用のキャリアが充填されたときからある一定の使用時間を経過するまでの間、劣化していくものの、その後は、未使用のキャリアが徐々に補給され、古い現像剤が徐々に排出されることにより、安定してほぼ一定となる。また、現像剤回収容器は、回収された現像剤で一杯になったときに交換すればよく、キャリアの劣化に応じた定期的な交換作業が不要になる。また、このような現像方式は、本体構成が複雑になるものの、現像剤回収容器のみの交換作業においてはトナーの舞い上がりも生じ難いといった利点を有するものとなっている。さらには、定期的なサービスマン等による新たな現像剤の交換回数が減り、ランニングコストを低減することが出来る。
【0006】
しかし、トナー補給装置とは別にキャリア補給装置を具備した現像方式では、キャリア、トナーそれぞれ独立に補給量を制御しなければならず、制御が複雑になるばかりではなく、装置をコンパクト化することができない。また、補給用現像剤中にキャリアを含有させる方法においては、近年の高画質化の要請に伴い、トナーとキャリアの小粒径化が進み、現像剤の流動性が悪くなってきているため、以下のような問題が生じやすい。すなわち、トナーとキャリアの小粒径化に伴い、上述の現像方式において、補給用現像剤収容容器からトナーとともに現像槽内に流入するキャリアの補給量は、必ずしも一定ではなく、一時的に多量あるいは少量のキャリアが現像槽内に補給される場合がある。例えば、トナーおよびキャリアを補給用現像剤収容容器に充填する場合に、トナーの飛散を防止すべく先にキャリアを充填し次いでトナーを充填した場合、あるいはその逆に充填した場合には、キャリアが補給用現像剤収容容器の端部に集中する。このような場合には、駆動手段により容器を回転、あるいは、容器内をオーガ等により攪拌・搬送しても、キャリアとトナーが混合しにくく、補給用現像剤収容容器内においてキャリアの分布が一様でなくなり、補給用現像剤が現像槽内に適量ではなく多量あるいは少量のキャリアが供給される。
【0007】
また、補給用現像剤中にキャリアが均一に分散している状態で、補給用現像剤収容容器に充填したとしても、補給用現像剤収容容器の運搬中に振動が作用した場合、容器から補給用現像剤を排出する際の回転等の駆動手段により、トナーとの比重差によってキャリアが補給用現像剤収容容器の内壁や下部に集中する。このような場合には、補給用現像剤収容容器内において、キャリアの分布が一様でなくなり、補給用現像剤が現像槽内に適量ではなく多量あるいは少量のキャリアが供給されこととなる。
【0008】
現像槽内のキャリア量が増減すると、現像槽内のトナー濃度を基準値に維持することができなくなる。さらには、オートリフレッシュ現像方式において、現像槽内のキャリア量が増減すると、補給用現像剤からのフレッシュなキャリアと現像槽内の長期使用により劣化したキャリアとの入れ換えがスムーズに行えない。その結果、オートリフレッシュ現像方式であっても、現像槽内のトナーの帯電量変化を抑制して画像濃度を安定化することができない。さらには、画像の白地部分にカブリを生じたり、画像均一性、階調性が悪化、トナー飛散による機内汚染が生じ、画質の低下を招く問題がある。
【0009】
一方近年、フルカラー複写機の大幅な普及に伴い市場における新たなユーザーニーズとしては、フルカラー複写機やプリンター等に白黒機兼務型の機能が要求されつつある。つまりはオフィス環境において、フルカラー複写機・プリンターでも、白黒画像(特に文字画像)をとる割合は非常に多い。そのため、フルカラー複写機・プリンターであっても、通常一般白黒機と同様の白黒画像のランニングコスト、スピード及び安定な画像品質を維持しつつ、なお、鮮明高画質なフルカラー画像を得ることが可能な複写機・プリンターが要求されてきているのである。
【0010】
しかし、フルカラー複写機・プリンターにおいて、白黒画像をとる割合が多いので、カラー現像剤よりも早くブラック現像剤が劣化してしまう。そのため、カラー現像剤にくらべて、ブラック現像剤の交換回数の頻度が高い。
【0011】
以上述べたように、上記オフィス環境であっても、本体を大型化せず、かつ本体コストを上げずに、ブラック現像剤のランニングコストを低減することができる現像剤及び画像形成装置が待ち望まれている。
【0012】
【特許文献1】
特公平2−21591号公報
【特許文献2】
特公平1−43301号公報
【特許文献3】
特開平3−145678号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ブラック現像剤の劣化が少なく、現像を長時間繰り返し行っても安定して良好な画像を得ることを可能とした補給用現像剤及び画像形成装置を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、良好なフルカラー画像と共に、安定したモノクロ画像の形成も行われる、補給用現像剤及び画像形成方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、装置を小型化し、装置コストを低減可能でありながら、ブラック現像剤の現像剤劣化を大幅に抑制することで長期にわたり安定した、細線再現性、ハイライト階調性に優れたモノクロ画像及び高画質なフルカラー画像を提供でき、更に、大幅にランニングコストを低減することができる補給用現像剤及び画像形成装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に述べたオフィス環境において、フルカラー複写機・プリンターでも、白黒画像(特に文字画像)をとる割合は非常に多いというニーズに対して、フルカラー複写機・プリンターであっても、本体装置がコンパクト(小型)でありながら、通常一般白黒機と同様の白黒画像紙のランニングコスト、スピード及び安定な品質を維持しつつ、なお、鮮明高画質はフルカラー画像を得ることが可能な補給用現像剤及び画像形成装置を鋭意検討を行った。
【0017】
その結果、ブラックの画像形成方法のみオートリフレッシュ現像方式を用いたフルカラー画像形成装置において、補給用現像剤中にキャリアを含むブラック用の補給用現像剤のトナーが、補給用現像剤中にキャリアを含まない他の色用の補給用現像剤のトナーよりも、トナーの外添剤の表面被覆率が大きく、かつブラックトナー粒子の重量平均粒径を、カラー用のトナー粒子以上にすることにより、小粒径トナーとキャリアを組み合わせて、高画質化を達成すると共に、上記目的を達成するに至った。
【0018】
即ち、本発明は、ブラック用補給用現像剤中にキャリアを含み、その他の色の補給用現像剤中にキャリアを含まないフルカラー画像形成用補給用現像剤において、該ブラック用補給用現像剤中のトナーとキャリアの質量比が、キャリア1部に対してトナー1〜30部の配合割合で含有し、該キャリアの体積平均粒径(D50)が15〜60μmであり、該トナー粒子の重量平均粒径が3.0〜10.5μmであり、ブラックトナーの重量平均粒径が、他の色のトナー以上で、かつブラックトナーの外添剤の表面被覆率が、他の色のトナーより大きいことを特徴とするフルカラー画像形成用補給用現像剤に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
先に述べたオフィス環境においては、ブラックトナー単独での使用回数が多く、必然的にトナー消費も多くなるため、本体寿命に対して、カラー現像剤の寿命は満足できるにもかかわらず、ブラック現像剤は大幅に寿命が短くなってしまう。すなわち、カラー現像剤の現像剤交換間隔に対して、ブラック現像剤交換間隔が非常に短いため、サービスマン等による現像剤交換が多く、ランニングコストアップとなる。そのため、今後求められるであろう汎用のフルカラー複写機におけるブラック現像剤には、優れた画質及び耐久安定性といった2つの性能が要求される。また、フルカラー画像を形成する場合に、ブラック現像剤の現像性、転写性がカラー現像剤に比べて悪くなり、飛散、転写むら、カラーバランス、画質等に問題が発生すると、黒色が目立ちやすく、良好なフルカラー画像が得られなくなるため、このようなフルカラー画像形成装置に使用されるブラック現像剤としては、長期にわたり安定した帯電性能、転写性をもち、良好な画像特性のものが要求される。
【0020】
そのために、本発明において、本体装置のコンパクト化を考慮しつつ、ブラック及びカラー現像剤の寿命のバランスを図るため、ブラック現像剤の画像形成ユニットのみをオートリフレッシュ現像方式とした。こうすることで、本体装置がコンパクトでありながら、長期にわたってブラック現像剤の劣化のない現像装置が可能となり、カラー現像剤とブラック現像剤の寿命のバランスを図ることができる。
【0021】
しかし、その結果、現像剤の劣化防止と帯電安定性の両方の効果を両立させるべく、オートリフレッシュ現像方式に対応したブラック現像剤と、オートリフレッシュ現像方式を用いないカラー現像剤において、個々の現像方式に対応し、かつ2つの現像方式を併用したフルカラー画像形成方法に対応した、ブラック現像剤とカラー現像剤の最適化がポイントとなった。
【0022】
そのため、本発明者らは、さらに、上記構成の画像形成方法に対する現像剤の最適化を鋭意検討を行った。
【0023】
その結果、上記の2つの現像方式を併用したフルカラー画像形成方法において、オートリフレッシュ現像方法に用いるブラック用補給用現像剤は、以下の特性の考慮及び堅持することが重要であることを見出した。
【0024】
▲1▼補給用現像剤収容容器中でのキャリアの偏析がなく、キャリア濃度が安定した状態で、現像槽に補給するために、トナーの流動性を高くする必要がある。
▲2▼劣化したキャリア、フレッシュキャリアに対して変化の小さい帯電を有する。
一方、それに対して、カラー補給用現像剤は、以下の特性を考慮及び堅持することが重要であることを見出した。
▲3▼オートリフレッシュ現像方式を用いていないカラー現像剤のトナーにおいては、過度の外添剤を添加すると、外添剤蓄積により、キャリアの帯電付与能低下が顕著となる。
▲4▼カラートナーに、外添剤が多く添加されていると、OHPの投影像に透明性が得られず、かげりが生じ、鮮明なものが得られなくなってしまう。
【0025】
上記特性(▲1▼〜▲4▼)を元に、鋭意検討を行った結果、先に述べたオフィス環境において、良好な画像を形成するには、オートリフレッシュ現像方式を用いたブラック用補給用現像剤中のブラックトナーの外添剤の表面被覆率を、カラー用補給用現像剤中のカラートナーよりも大きくし、かつブラックトナー粒子の重量平均粒径を、カラー用のトナー粒子以上にすることが、有効であることを知見した。
【0026】
本発明におけるトナーの外添剤の表面被覆率は、下式より算出し得られた値と定義する。
(トナーの外添剤の被覆率)=(トナー粒子100質量部に対して添加した外添剤の総質量部)/St
St(=6/(D4・ρt)):トナー粒子を真球と仮定した際の重量平均粒径(D4)から算出した単位体積当たりの比表面積
ρt:トナー粒子の真比重
【0027】
<トナー粒子の真比重の測定方法>
本発明におけるトナーの真比重は、トルーデンサー(セイシン企業製)を用いて、JISのZ2504に従い測定した。
【0028】
上記の補給用現像剤及び現像方法の構成にすることにより、先に述べたオフィス環境において、ブラック現像剤の高耐久性と高画質化及びフルカラー画像の高画質化の両立を図ることが可能となった。
【0029】
ブラックトナーの外添剤の表面被覆率は、カラートナーの外添剤の表面被覆率よりも0.05〜2.0(質量部/(m/cm))、さらに好ましくは0.1〜1.5大きいことが好ましい。
【0030】
2.0よりも大きく、トナーの凝集性に差がありすぎると、転写性に大きな差が生じ、転写の飛び散りや転写むらにより画像欠陥を生じやすい。0.05より小さい場合、▲1▼〜▲4▼を両立することが困難となり、本発明の目的を達成することは難しい。
【0031】
ブラックトナーの外添剤の好ましい表面被覆率は、0.5〜3.5であり、さらに好ましくは0.8〜2.0である。
【0032】
ブラックトナーの外添剤の表面被覆率が3.5より大きいと、長期にわたり使用した場合、現像槽でのトナーから遊離した外添剤の蓄積が生じやすくなり、オートリフレッシュ現像方式といえども、キャリア表面が外添剤で汚染され、好適な帯電特性を維持できないため画像欠陥を生じやすい。さらには、遊離した外添剤は現像時に静電荷像担持体表面上に飛びやすく、静電荷像担持体への外添剤融着やクリーニング不良等の原因にもなりやすい。
【0033】
ブラックトナーの外添剤の表面被覆率が0.5より小さいと、トナーの流動性が低すぎ、▲1▼、▲2▼を満たすことが出来ない。
【0034】
本発明に好適なブラック用補給用現像剤のブラックトナーの外添剤添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.2〜5質量部、好ましくは0.3〜3質量部、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。
【0035】
0.2質量部より少ないと、トナーの流動性が低すぎ、▲1▼、▲2▼を満たすことが出来ない。
【0036】
また逆に5質量部よりも多いと、長期にわたり使用した場合、現像槽でのトナーから遊離した外添剤の蓄積が生じやすくなり、オートリフレッシュ現像方式といえども、キャリア表面が外添剤で汚染され、好適な帯電特性を維持できないため画像欠陥を生じやすい。さらには、遊離した外添剤は現像時に静電荷像担持体表面上に飛びやすく、静電荷像担持体への外添剤融着やクリーニング不良等の原因にもなりやすい。
【0037】
一方、本発明のカラー用補給現像剤のカラートナーの好適な外添剤添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.15〜4質量部、好ましくは0.2〜2.5質量部、さらに好ましくは0.3〜1.9重量部である。
【0038】
0.15質量部より少ないと、トナーの流動性が低下し、帯電の立ち上がりが著しく悪化する、あるいは、帯電の環境安定性が悪化しやすい。
【0039】
また逆に4質量部よりも多いと、長期にわたり使用した場合,トナーから遊離した外添剤の蓄積が生じやすくなり、キャリア表面が外添剤で汚染され、好適な帯電特性を維持できないため画像欠陥を生じやすい。また、遊離した外添剤は現像時に静電荷像担持体表面上に飛びやすく、静電荷像担持体への外添剤融着やクリーニング不良等の原因にもなりやすい。さらに、外添剤が多く含有されていると、OHPの投影像にかげりが生じ、鮮明なカラー画像が得られなくなってしまう。
【0040】
次に、トナー粒子に外添される外添剤について説明する。
【0041】
本発明に使用される外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粉体;ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン等の有機微粉体の流動化付与剤が外添されていることが好適である。トナーに対して上述した流動化付与剤を外添することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー粒子相互の間に微粉体が存在することとなる。そのため、▲1▼、▲2▼より流動性が重要であるブラック用補給用現像剤において、トナーに好適な流動性を付与するのに適している。さらには、現像剤の帯電立ち上がり性、環境安定性、流動性、転写性などが向上され、さらに現像剤の寿命も向上する。
【0042】
上述した微粉体の個数平均粒径は3〜100nmであることが好ましい。平均粒径が100nmを超えると流動性向上の効果が少なくなり、現像時、転写時の不良等により画質を低下させてしまう場合がある。また3nmより小さいと、耐久時の流動性維持が困難となる。
【0043】
これらの流動化付与剤の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m/g以上、特に50〜400m/gの範囲のものが良好である。
【0044】
また好ましくは、これら流動化付与剤は、2種類以上添加することが好ましく、かつ、その添加量を上記のように規定することで、得られるトナーの帯電性・環境安定性・流動性などを向上させることができる。
【0045】
トナーが負帯電性トナーである場合には、先に述べた流動化付与剤は、少なくとも1種類はシリカであり、もう1種類は酸化チタンを用いることが好ましい。つまり、シリカは、アルミナや酸化チタン等の流動化剤より負帯電性が高いため、トナー母体との密着性が高く、遊離する外添剤がすくなくなる。そのため、静電荷像担持体上のフィルミングや、帯電部材の汚染を抑制することができる。その反面、トナーの環境特性が低下しやすく、高湿下でのトナーの帯電量の低下、低湿下でのトナーの帯電量の増加が生じやすい。また、酸化チタンは、帯電立ち上がり性、チャージアップの防止、環境安定性、及び帯電分布の均一化をすることができる。その反面、長期使用時に現像槽において蓄積しやすく、現像剤の帯電能低下を生じやすい。
【0046】
そのため、シリカ、酸化チタンの少なくとも2種類を併用することで、両方の特性を加味した相乗的効果を得ることが出来るので、より好ましい。
【0047】
本発明において好ましいシリカ、酸化チタンの比率は、シリカ:酸化チタン=1.0:2.0〜2.0:1.0であり、シリカ、酸化チタン両方の特性を加味した相乗的効果を有効に得ることが出来る。
【0048】
また、該流動化付与剤は高湿下での帯電性を維持するために、疎水化処理されていることが好ましい。その疎水化処理の例を下記に示す。
【0049】
疎水化処理剤の一つとしてシランカップリング剤が挙げられ、その量は、シリカ100質量部に対して、1〜40質量部、好ましくは2〜35質量部を用いるのが良い。処理量が1〜40質量部であると耐湿性が向上し凝集体が発生しにくい。
【0050】
また、別の疎水化処理剤の一つとしてシリコーンオイルが挙げられる。
【0051】
各種トナー特性付与を目的として、他の外添剤を加えることができる。外添剤は、トナー粒子に添加した時の耐久性の点から、トナーの重量平均粒径の1/5以下の粒径であることが好ましい。これら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、研磨剤、滑剤、荷電制御粒子等が用いられる。
【0052】
研磨剤としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化クロム等の金属酸化物;窒化ケイ素等の窒化物;炭化ケイ素の炭化物;及び硫酸カルシウム,硫酸バリウム及び炭酸カルシウム等の金属塩が挙げられる。
【0053】
滑剤としては、例えばフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末;及びステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩が挙げられる。
【0054】
荷電制御性粒子としては、例えば酸化錫、酸化亜鉛及び酸化アルミニウム等の金属酸化物;及びカーボンブラックが挙げられる。
【0055】
これら外添剤の平均粒径の測定は、外添剤を透過電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の粒子径を測定して、平均粒径を求める。
【0056】
次に本発明の補給用現像剤、二成分系現像剤に用いられるトナーについて説明する。
【0057】
本発明に係るトナーは、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と外添剤とからなる。本発明に係るトナー粒子は重量平均粒径が3.0〜10.5μmであり、4.5〜8.5μmであることが好ましい。
【0058】
トナー粒子の重量平均粒径(D4)が10.5μmを超えると、静電荷像を現像するトナーが大きくなるために、静電荷像に忠実な現像が行われにくく、また、静電的な転写を行うとトナーが飛び散りやすくなる。また、トナー粒子の重量平均粒径を3.0μm未満とした場合には、トナーの流動性が悪化し、補給用現像剤の補給用現像剤収容容器からの排出性が低下する傾向がある。
【0059】
トナーの粒径の測定には、例えばコールターカウンターを使用する方法を挙げることができる。
【0060】
また、ブラック用補給用現像剤収容容器中でのキャリアの偏析がなく、キャリア濃度が安定した状態で、現像槽に補給するために、ブラックトナーの流動性をより高めることが好ましい。そのため、良好なカラー画像を得つつ、ブラックトナーの流動性を高めるために、ブラック用補給用現像剤のトナー粒子の重量平均粒径が、カラー用補給用現像剤のトナー粒子よりも、0.5〜1.5μm大きくすることが好ましい。
【0061】
0.5μmより小さい場合には、外添剤量で適正化しても、ブラック用補給用現像剤収容容器中でのキャリアの偏析が環境変動により生じやすくなり、キャリア濃度が不安定な状態で、現像槽に補給されることがある。また、1.5μmより大きい場合には、外添剤量を適正化しても、カラートナーとの特性に差が生じやすくなり、フルカラー画像での転写飛び散り、ハイライト階調再現性の低下等の画像劣化が生じやすくなる。
【0062】
トナー粒子に使用される結着樹脂としては、下記に例示される樹脂の使用が可能である。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂等が使用できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。
【0063】
また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0064】
スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていても良く、さらに架橋されている樹脂と架橋されていない樹脂との混合樹脂でも良い。
【0065】
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよい。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
【0066】
架橋剤の添加量としては、上述した結着樹脂の製造に用いられる重合性単量体100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましい。
【0067】
トナー粒子は荷電制御剤を含有しても良い。
【0068】
トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては下記物質が挙げられる。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、さらにモノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物が好ましく用いられる。さらに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のそれらのフェノール誘導体類;尿素誘導体;含金属サリチル酸系化合物;含金属ナフトエ酸化合物;ホウ素化合物;4級アンモニウム塩;カリックスアレーン;ケイ素化合物;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−メタクリル酸共重合体;スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体;及びノンメタルカルボン酸系化合物が挙げられる。
【0069】
トナー粒子を正荷電性に制御するものとしては下記物質が上げられる。例えば、アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物および有機染料特に塩基性染料とその塩が知られており、ベンジルジメチル−ヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシル−トリメチルアンモニウムクロライド、ニグロシン塩基、ニグロシンヒドロクロライド、サフラニンY及びクリスタルバイオレット等が挙げられる。なおこれら染料は、着色剤としても用いることができる。
【0070】
これら荷電制御剤は、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができ、荷電制御剤の添加量は、トナーの結着樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜4質量部使用するのが良い。
【0071】
本発明に用いられるトナー粒子の着色剤は、以下に例示される着色剤の使用が可能である。
【0072】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物等に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168又は180が好適に用いられる。さらにC.I.ソルベントイエロー93、162、163等の染料を併用しても良い。
【0073】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221又は254等が好適に用いられる。
【0074】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0075】
黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体、上に示したイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用され得る。
【0076】
これらの着色剤は、単独又は混合して、更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー粒子中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0077】
また、本発明に係るトナー粒子はワックスを含有することも好ましい形態であり、その含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、さらには0.2〜15質量部が好ましい。
【0078】
結着樹脂、着色剤およびワックスを有する混合物を溶融混練後、冷却し粉砕、分級してトナー粒子を得る粉砕法によってトナーを製造する場合においては、ワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜10質量部、より好ましくは2〜7質量部使用するのが好ましい。
【0079】
重合性単量体と着色剤及びワックスを有する混合物を重合させることにより、直接的にトナー粒子を得る重合法によってトナーを製造する場合、ワックスの添加量は、重合性単量体又は、重合性単量体の重合によって合成された樹脂100質量部に対し2〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部使用するのが好ましい。
【0080】
本発明においては、カラートナーよりもブラックトナーの方が、外添剤の添加量が多く、トナー表面に対する被覆率が高い。そのため、ワックスを含有するトナーであっても、補給用現像剤収容容器中でのトナーとキャリアの凝集、あるいは、キャリアへのトナーのスペントを防止するのに有効である。
【0081】
さらには、通常、ワックスは、結着樹脂より極性が低いため、水系媒体中での重合方法を行う重合法ではトナー粒子内部に多量のワックスを内包化させ易いため、粉砕法と比較し、多量のワックスを用いることが可能となる。よって重合法でトナーを製造した場合には、より良好なオフセット防止効果が得られる。
【0082】
さらには、オートリフレッシュ現像方式用の補給用現像剤を収容した容器中で、トナー同士あるいはトナーとキャリアの凝集塊が生成しにくく、容器からの排出性がすぐれているため、本発明に重合法で製造したワックス含有トナーが好ましい。
【0083】
ワックスの配合量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合、耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、ドラム融着やスリーブ融着を起こしやすく、特に重合法によってトナーを製造した場合には粒度分布の広いトナー粒子が生成する傾向にある。
【0084】
次に本発明に用いられるトナー粒子を製造するための方法について説明する。本発明に用いられるトナー粒子は、公知の粉砕法及び重合法を用いて製造することが可能である。
【0085】
本発明のトナー粒子の平均円形度は、0.960以上であることが好ましく、より好ましくは0.970以上である。具体的には、本発明に用いられるトナー粒子としては、円形度が大きく(形状が均一)、粒度分布がシャープとなる重合法を用いて製造された重合トナー粒子が、本発明の補給用現像剤の排出性をさらに向上させるのに好ましい。特に粉砕トナーを用いたキャリアを含む補給用現像剤は、トナーの形状及び粒度分布より空隙率が大きくなるため、流動性不良を生じ、キャリアの偏析が生じやすくなる。また、補給用現像剤収容容器の容量を大きくする必要があり、画像形成装置を小型化しにくくなる。
【0086】
粉砕トナー粒子の製造方法においては、結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料、染料又は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、得られた混合物を加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練することにより、樹脂成分を互いに相溶させた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解させ;得られた混練物を冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナー粒子を得ることができる。
【0087】
さらに必要に応じてトナー粒子と所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に用いられるトナーを得ることができる。
【0088】
重合トナー粒子の製造方法は、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法や、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法や、予め一次極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いトナー粒子を製造することが可能である。
【0089】
この中でも、重合性モノマー、着色剤及びワックスを少なくとも含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する懸濁重合方法が好ましい。
【0090】
また、一旦得られた重合トナー粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させる所謂シード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0091】
次に本発明の補給用現像剤、2成分現像剤に用いられるキャリアについて説明する。
【0092】
本発明に好適に用いられるキャリアとしては、補給用現像剤中にキャリアを含むオートリフレッシュ用補給用現像剤において、補給用現像剤収容容器中でのキャリアの偏析の防止及び分散性の向上を目的に、キャリアの真比重をコントロールすることが好ましい。つまり、補給用現像剤中にキャリアを含むオートリフレッシュ用補給用現像剤が、キャリアとトナーを重量比でキャリア1部に対してトナー1〜30部の配合割合で含有し、用いるキャリアは、真比重が2.5〜4.5、好ましくは3.0〜4.0を満たす構成である。
【0093】
上記の構成によれば、キャリアの真比重が2.5〜4.5であるために、トナーとキャリアとの比重差が小さく、下記問題点を解決することができる。
【0094】
例えば、真比重が4.5を超える場合、補給用現像剤中にキャリアが均一に分散している状態で、補給用現像剤収容容器に充填したとしても、補給用現像剤収容容器の運搬中に振動が作用した場合、容器から補給用現像剤を排出する際の回転等の駆動手段により、トナーとの比重差によってキャリアが補給用現像剤収容容器の内壁や下部に集中しやすい。このような場合には、補給用現像剤収容容器内においてもキャリアの分布が一様でなくなり、補給用現像剤が現像槽内に適量ではなく多量あるいは少量のキャリアが供給される。
【0095】
そのため、オートリフレッシュ現像方式において、現像槽内の現像剤量が増減すると、補給用現像剤からのフレッシュなキャリアと現像槽内の長期使用により劣化したキャリアとの入れ換えがスムーズに行えない。その結果、オートリフレッシュ現像方式であっても、現像槽内のトナーの帯電量変化を抑制して画像濃度を安定化することができない。さらには、画像の白地部分にカブリを生じたり、画像均一性、階調性が悪化、トナー飛散による機内汚染が生じ、画質の低下を招く問題がある。
【0096】
真比重が2.5より小さい場合には、キャリア中の磁性体含有量を実質少なくすることにより達成されるため、所望の磁化を得ることができない。
【0097】
さらには、本発明に用いられるキャリアは、適度に真比重が小さいため、現像剤を現像剤層厚規制部材で現像スリーブ上に所定の層厚にする際に、或いは、現像器内での現像剤の撹拌の際に現像剤にかかる負荷が小さい。そのため、現像剤を長期にわたり使用した場合には、キャリア及びトナーが劣化しにくいため、カブリ、トナー飛散等の現像性の低下が生じにくい。
【0098】
本発明に用いられるキャリアとしては、真比重が2.5〜4.5であれば良く、その種類、製造方法に何ら特別な制約は無い。
【0099】
本発明に用いられるキャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き酸性金属、それらの合金、それらの酸化物及びフェライト、結着樹脂・金属酸化物・磁性金属酸化物等から構成される磁性微粒子分散型樹脂キャリアが使用できる。
【0100】
本発明に用いられるキャリアとしては、下記の理由から、軽金属含有フェライトキャリア及び磁性微粒子分散型樹脂キャリアが好適に用いられる。従来の現像方式に用いられているCu−Zn、Ni−Znなどの組成からなる軽金属を含有しないフェライト粒子は真比重が4.9程度であるため、被覆構造を考慮してキャリア真比重を4.5以下にすることが必要である。軽金属含有フェライトキャリア及び磁性微粒子分散型樹脂キャリアは、重金属を含むフェライトキャリアなどに比べ任意に真比重を小さくすることが可能であり本発明のキャリアとしては好適に用いることができる。さらに非磁性金属酸化物及びマグネタイトを含有した重合法磁性微粒子分散型樹脂キャリアは、磁気特性や抵抗を任意にコントロールでき、粒子に形状的な歪みが少なく、シャープな粒度分布が達成でき、粒子強度が高い球状にすることが比較的容易であり、流動性に優れている。そのため、本発明のキャリアを含む補給用現像剤のキャリアの偏析が生じにくく、また排出性をさらに向上させるのに好ましい。特に重合法磁性微粒子分散型樹脂キャリアは、トナーの形状及び粒度分布より空隙率が小さくなるため、補給用現像剤収容容器の容量を小さくすることができ、画造形性装置を小型化しやすい。また、粒子サイズや抵抗も広範囲に制御できることから、現像スリーブ又はスリーブ内の磁石の回転数が大きい高速複写機や高速レーザービームプリンタ等に適し特に好ましい。
【0101】
本発明のキャリアは、体積平均粒径(D50)として15〜60μm、さらに好ましくは20〜45μmが本発明を好適に発現せしめる構成である。60μmより大きい場合、トナーに均一かつ良好な帯電を与えることが不充分となり、潜像を忠実に再現させることが困難となるばかりか、カブリやトナー飛散の原因となる。逆に15μmより小さい場合、静電荷像担持体へのキャリア付着が激しくなる。
【0102】
<キャリアの真比重の測定方法>
本発明におけるキャリアの真比重は、トルーデンサー(セイシン企業製)を用いて、JISのZ2504に従い測定した。
【0103】
<キャリア粒径の測定方法>
キャリアの体積平均粒径(D50)の測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いて、フィードエア圧力3bar,吸引圧力0.1barの条件で測定した。
【0104】
補給用現像剤から上記キャリア物性を測定する場合には、コンタミノンN(界面活性剤)が1%含まれるイオン交換水にて現像剤を洗浄しトナーとキャリアを分離した後、上記測定を行う。
【0105】
本発明において、キャリアの比抵抗は、1×10から1×1016Ω・cmであり、より好ましくは1×1011から1×1015Ω・cmであることが良い。
【0106】
キャリアの比抵抗が1×10Ω・cm未満であると、現像バイアスがキャリアを介して注入し感光体表面へのキャリア付着を起こし易くなる。これにより感光体に傷を生じさせたり、直接紙上に転写されたりして画像欠陥を起こし易くなる。さらに、現像バイアスが、キャリアを介してリークし、感光体ドラム上に描かれた静電潜像を乱してしまうことがある。
【0107】
キャリアの比抵抗が1×1016Ω・cmを超えると、エッジ強調のきつい画像が形成され易く、さらに、キャリア表面の電荷がリークしづらくなるため、チャージアップ現象による画像濃度の低下や、新たに補給されたトナーへの帯電付与ができなくなくなることによるカブリ及び飛散などを起こしてしまうことがある。さらに、現像器内壁等の物質と帯電してしまい、本来与えられるべきトナーの帯電量が不均一になってしまうこともある。その他、静電気的な外添剤付着など、画像欠陥を引き起こしやすい。
【0108】
キャリアの比抵抗の測定は、真空理工(株)社製の粉体用絶縁抵抗測定器を用いて測定した。測定条件は、23℃,60%条件下に24時間以上放置したキャリアを直径20mm(0.283cm)の測定セル中にいれ、11.8kPa(120g/cm)の荷重電極で挟み、厚みを2mmとし、印加電圧を500Vで測定した。
【0109】
本発明における好適に使用できる強磁性体は、前述した様に鉄粉、フェライト、マグネタイトが用いられるが、フェライトあるいはマグネタイトが好ましい。鉄粉キャリアは樹脂をコートしても、コアの比抵抗が低いために、特に本発明に好適な、現像スリーブに交流電界を印加した場合、静電荷像の電荷がキャリアを通してリークしてしまい、静電荷像を乱すことから画像欠陥を生じる場合が多々あり、あまり好ましくない。
【0110】
本発明において、キャリアに好適に使用できる強磁性体としては、下記式(1)又は(2)で表される磁性を有するマグネタイト及びフェライト等の金属化合物粒子が挙げられる。
MO・Fe      ・・・(1)
M・Fe       ・・・(2)
(式中、Mは3価、2価又は1価の金属イオンを示す。)
【0111】
Mとしては、Be、Mg、Ca、Rb、Sr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Pb及びLiが挙げられ、これらは、単独あるいは複数で用いることができる。
【0112】
本発明に好適に用いることができる軽金属含有フェライトキャリアについて述べる。本発明において特に好ましくはLi、Be、Mg、K、Ca、Sr及びRbからなる軽金属を含有する軽金属含有フェライトキャリアが好ましい。これらは、単独あるいは複数で用いることが真比重を制御しやすく好ましいが、Mn、Kをはじめとするその他の金属と併用して用いて、後述のキャリアの表面被覆処理するための樹脂含有量で調整しても良い。
【0113】
上記の磁性を有する金属化合物粒子の具体的化合物としては、例えば、Ca−Mg−Fe系フェライト、Li−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Ca−Be−Fe系フェライト、Mn−Mg−Sr−Fe系フェライト、Li−Mg−Fe系フェライト及びLi−Rb−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物が挙げられる。
【0114】
上記軽金属含有フェライトに含有させる軽金属とFeとの比率はモル%で5:95〜55:45、好ましくは35:65〜55:45の範囲にあるのが適している。この比率よりもFeが少ない場合、所望の磁化を得ることができず、静電荷像担持体へのキャリア付着が生じやすくなり、画像不良を招きやすくなる。また比率が大きい場合、所望の真比重を得ることは難しくなる。
【0115】
一般に重金属含有フェライトキャリアは比重が大きく、さらに大きな飽和磁化を有しているために磁気ブラシが剛直になることから、キャリアスペントやトナーの外添剤劣化といった現像剤の劣化が大きくなり易くかつ、トナー像に磁気ブラシのはきめを生じる場合もあるので好ましくない。
【0116】
フェライト粒子の製造方法は、公知の方法を採用することができる。例えば、粉砕されたフェライト組成物をバインダー、水、分散剤、有機溶剤等を混合し、スプレードライヤー法や流動造粒法を用いて粒子を形成した後、ロータリーキルンや回分式焼成炉で700〜1400℃、好ましくは800〜1200℃の範囲の温度で焼成し、次いで、篩分分級して粒度分布を制御してキャリア用の芯材粒子とする方法を挙げることができる。また、焼成段階における酸素分圧を制御したり、焼成後の粒子表面に酸化・還元処理を追加するなどして、芯材粒子の比抵抗を制御することが好ましい。
【0117】
芯材用のフェライト粒子は、粒子表面の結晶成長度や凹凸の制御又は粒子密度の制御のために他の金属酸化物を少量添加してもよい。他の金属酸化物とは、周期律表のIA,IIA,IIIA,IVA,VA,IIIB及びVB族に属する元素1種以上の酸化物、例えば、BaO,Al,TiO,SiO,SnO及びBiなどを挙げることができる。
【0118】
さらに、帯電促進剤として、CuO,ZnO等の従来公知の重金属の酸化物を添加しても良い。他の金属酸化物添加量は、フェライト成分100質量部に対し、総量で0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の範囲にあることが好ましい。上記添加量が0.01質量部を下回ると、結晶成長が低くなり易く、粒子強度が低下しやすくなる。他方、10質量部を超えると、組成の均一性が失われ、フェライト組成物以外の酸化物の生成や、酸化物とヘマタイトとの反応による非磁性体又は弱磁性体の生成物が生じ易くなり、結果として、感光体へのキャリア付着が発生するといった欠点を生ずる。
【0119】
次に、本発明に最も好適に用いられる磁性微粒子分散型キャリアについて説明する。
【0120】
キャリアコアに用いる金属化合物粒子としては、上記の磁性を有する金属化合物粒子と下記の非磁性の金属化合物粒子とを混合して用いても良い。
【0121】
非磁性の金属化合物粒子としては、例えば、Al、SiO、CaO、TiO、V、CrO、MnO、α−Fe、CoO、NiO、CuO、SnO、ZnO、SrO、Y及びZrOが挙げられる。この場合、1種類の金属化合物粒子を用いることもできるが、とくに好ましくは少なくとも2種以上の金属化合物粒子を混合して用いるのが良い。その場合には、比重や形状が類似している粒子を用いるのが結着樹脂との密着性及びキャリアコア粒子の強度を高めるためにより好ましい。
【0122】
組み合わせの具体例としては、例えば、マグネタイトとヘマタイト、マグネタイトとγ−Fe、マグネタイトとSiO、マグネタイトとAl、マグネタイトとTiO、マグネタイトとCa−Mn−Fe系フェライト、マグネタイトとCa−MgFe系フェライトが好ましく用いることができる。中でもマグネタイトとヘマタイトの組み合わせが特に好ましく用いることができる。
【0123】
上記の磁性を示す金属化合物粒子を単独で使用する場合、又は非磁性の金属化合物粒子と混合して使用する場合、磁性を示す金属化合物粒子の個数平均粒径は、キャリアコアの個数平均粒径によっても変わるが、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μmであることが良い。
【0124】
磁性を示す金属化合物粒子の個数平均粒径が0.02μm未満の場合には、好ましい磁気特性を得られがたくなる。磁性を示す金属化合物粒子の個数平均粒径が2μmを超える場合には、造粒不均一により、強度の高い好ましい粒径のキャリアが得られがたくなる。
【0125】
磁性を有する金属化合物粒子と非磁性の化合物粒子とを混合して用いる場合、非磁性の金属化合物粒子の個数平均粒径は、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜3μmであることが良い。
【0126】
上記金属酸化物粒子の個数平均粒径は、日立製作所(株)製の透過型電子顕微鏡H−800により5000〜20000倍に拡大した写真画像を用い、ランダムに粒径0.01μm以上の粒子を300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもって金属化合物粒径として測定し、平均化処理して個数平均粒径を算出した。
【0127】
結着樹脂に分散されている金属化合物粒子の比抵抗は、磁性を有する金属化合物粒子の比抵抗が1×10Ω・cm以上の範囲のものが好ましく、特に、磁性を有する金属化合物粒子と非磁性の金属化合物粒子とを混合して用いる場合には、磁性を有する金属化合物粒子の比抵抗が1×10Ω・cm以上の範囲が好ましく、他方の非磁性の金属化合物粒子は磁性金属化合物粒子よりも高い比抵抗を有するものを用いることが好ましく、好ましくは、本発明に用いる非磁性の金属化合物粒子の比抵抗は1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×1010Ω・cm以上のものが良い。
【0128】
磁性を有する金属化合物粒子の比抵抗が1×10Ω・cm未満であると、含有量を減量しても所望の高比抵抗が得られ難く、電荷注入を招き、画質の劣化や、キャリア付着を招きやすい。また、磁性を有する金属化合物粒子と非磁性の金属化合物粒子とを混合して用いる場合には、非磁性の金属化合物粒子の比抵抗が1×10Ω・cm未満であると、磁性キャリアコアの比抵抗が低くなり、本発明の効果が得られにくくなる。
【0129】
本発明において、磁性を有する金属化合物粒子及び非磁性の金属化合物粒子の比抵抗の測定方法は、前述したキャリアの比抵抗の測定方法に準じて行う。
【0130】
本発明のキャリアコアにおいて、金属化合物粒子の含有量は、磁性微粒子分散型キャリアコアに対して、好ましくは80〜95質量%であることが良い。
【0131】
金属化合物粒子の含有量が80質量%未満であると、帯電性が不安定になりやすく、特に低温低湿環境下においてキャリアが帯電し、その残留電荷が残存し易くなるために、微粉トナーや外添剤が磁性微粒子分散型キャリア粒子表面に付着し易くなる。金属化合物粒子の含有量が95質量%を超えると、磁性微粒子分散型キャリア強度が低下して、耐久による磁性微粒子分散型キャリアの割れなどの問題を生じ易くなる。さらに、本発明を実施するための最大の目的である真比重が得られにくくなる。
【0132】
本発明に用いられる磁性微粒子分散型キャリアコア粒子の結着樹脂としては、熱硬化性樹脂であり、一部または全部が3次元的に架橋されている樹脂であることが好ましい。このことにより、分散する金属化合物粒子を強固に結着できるため、磁性微粒子分散型キャリアコアの強度を高めることができ、多数枚の複写においても金属化合物粒子の脱離が起こり難く、さらに、被覆樹脂を、より良好に被覆することができる。
【0133】
キャリアコアを得る方法としては、特に以下に記載する方法に限定されるものではないが、本発明においては、モノマーと溶媒が均一に分散又は溶解されているような溶液中から、モノマーを重合させることにより粒子を生成する重合法の製造方法、特に、磁性微粒子分散型キャリアコア粒子中に分散する金属酸化物に、親油化処理を施すことにより、粒度分布のシャープな、微粉の少ない磁性体分散型樹脂キャリアコアを得る方法が、好適に用いられる。
【0134】
本発明においては、高画質化を達成するために重量平均粒径が3.0〜10.5μmの小粒径トナーと組み合わせて用いられる磁性微粒子分散型キャリアの場合、キャリア粒径もトナーの粒径に応じて小粒径化することが好ましく、上述した製造方法ではキャリア粒径を小粒径化させても平均粒径に関係なく微粉の少ないキャリアを製造できることから特に好ましい。
【0135】
キャリアコア粒子の結着樹脂に使用されるモノマーとしては、ラジカルの重合性モノマーを用いることができる。例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレンの如きスチレン誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ベンジルの如きメタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、β−クロルエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルエーテル、p−クロルフェニルエーテル、p−ブロムフェニルエーテル、p−ニトロフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテルの如きビニルエーテル;ブタジエンの如きジエン化合物を挙げることができる。
【0136】
これらのモノマーは単独または混合して使用することができ、好ましい特性が得られるような好適な重合体組成を選択することができる。
【0137】
前述したように、キャリアコア粒子の結着樹脂は3次元的に架橋されていることが好ましいが、結着樹脂を3次元的に架橋させるための架橋剤としては、重合性の2重結合を一分子当たり2個以上有する架橋剤を使用することが好ましい。このような架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールアクロキシジメタクリレート、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド及びジビニルスルホンが挙げられる。これらは、2種類以上を適宜混合して使用しても良い。架橋剤は、重合性混合物にあらかじめ混合しておくこともできるし、必要に応じて適宜重合の途中で添加することもできる。
【0138】
その他のキャリアコア粒子の結着樹脂のモノマーとして、エポキシ樹脂の出発原料としてなるビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂のフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂の尿素とアルデヒド類;メラミンとアルデヒド類が挙げられる。
【0139】
もっとも好ましい結着樹脂は、フェノール系樹脂である。その出発原料としては、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシル、p−tert−ブチルフェノールの如きフェノール化合物、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、フルフラールの如きアルデヒド化合物が挙げられる。特にフェノールとホルマリンの組み合わせが好ましい。
【0140】
これらのフェノール樹脂又はメラミン樹脂を用いる場合には、硬化触媒として塩基性触媒を用いることができる。塩基性触媒として通常のレゾール樹脂製造に使用される種々のものを用いることができる。具体的にはアンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアミン類を挙げることができる。
【0141】
本発明において、キャリアコアに含有される金属化合物粒子は、親油化処理されていることがキャリア粒子の粒度分布をシャープにすること及び金属化合物粒子のキャリアからの脱離を防止する上で好ましい。親油化処理された金属化合物粒子を分散させたキャリアコア粒子を形成する場合、モノマーと溶媒が均一に分散又は溶解している液中から重合反応が進むと同時に溶液に不溶化した粒子が生成する。そのときに金属酸化物が粒子内部で均一に、かつ高密度に取り込まれる作用と粒子同士の凝集を防止し粒度分布をシャープ化する作用があると考えられる。
【0142】
親油化処理は、エポキシ基、アミノ基及びメルカプト基から選ばれた、1種又は2種以上の官能基を有する有機化合物や、それらの混合物である親油化処理剤で処理されていることが好ましい。特に、本発明の吸着水分量の範囲を容易に達成し、帯電付与能が安定したキャリアを得るためには、エポキシ基が好ましく用いられる。
【0143】
金属化合物粒子は、金属化合物粒子100質量部当り好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜6質量部の親油化処理剤で処理されているのが磁性金属酸化物粒子の親油性及び疎水性を高める上で好ましい。
【0144】
本発明方法は連続法又はバッチ法のいずれでも行うことができるが、通常はバッチ法を採用する。
【0145】
本発明に用いられるキャリアは、樹脂、カップリング剤によって被覆されていることが、帯電安定性や環境安定性をもたせる上で好ましい。
【0146】
本発明におけるキャリアは、芯材表面に樹脂を被覆してなるが、該樹脂としては、マトリックス樹脂として使用できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン等のポリビニル系樹脂及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル,ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等の公知の樹脂があげられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0147】
本発明においては、これらの樹脂の中でも、フッ素系樹脂及び/またはシリコーン樹脂を少なくとも使用することが好ましい。前記樹脂として、フッ素系樹脂及び/又はシリコーン樹脂を使用すると、トナーや外添剤によるキャリア汚染(インパクション)を防止できる効果が高い点で有利である。
【0148】
中でもシリコーン樹脂は、コアとの密着性やスペント防止の観点から、好ましく用いられる。シリコーン樹脂は、単独で用いることもできるが、被覆層の強度を高め好ましい帯電に制御するために、カップリング剤と併用して用いることが好ましい。更に、前述のカップリング剤は、その一部が、樹脂をコートする前に、キャリアコア表面に処理される、いわゆるプライマー剤として用いられることが好ましく、その後の被覆層が共有結合を伴った、より密着性の高い状態で形成することができる。
【0149】
カップリング剤としては、アミノシランを用いると良い。その結果、ポジ帯電性を持ったアミノ基をキャリア表面に導入でき、良好にトナーに負帯電特性を付与できる。更に、アミノ基の存在は、磁性体分散型樹脂キャリアの場合、金属化合物に好ましく処理されている親油化処理剤と、シリコーン樹脂の両者を活性化させるため、シリコーン樹脂のキャリアコアとの密着性を更に高め、同時に樹脂の硬化を促進することで、より強固な被覆層を形成することができる。
【0150】
被覆層の被覆処理時は、30から80℃の温度下において、減圧状態で被覆することが好ましい。
【0151】
その理由は明確ではないが、下記に記載するものと予想される。
【0152】
(1)被覆段階で適度の反応が進行し、キャリアコア表面に被覆材が均一に、また平滑に被覆される。
(2)焼き付け工程において、少なくとも160℃以下での低温処理が可能となり、樹脂の過度な架橋を防止し、被覆層の耐久性を高められる。
【0153】
本発明に用いられるキャリアにおいて、先に述べた好ましい真比重、比抵抗、電気的物性の観点からは、フェライトキャリアの前記樹脂による被覆量としては0.1〜25質量%、好ましくは0.5%〜10%であることが好ましい。また、磁性体分散型樹脂キャリアの場合は、前記樹脂による被覆量としては0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%であることが好ましい。それぞれ下限未満であると、表面凹凸の芯材を使用した場合に樹脂被覆層から芯材が露出しやすくなり、現像性に悪影響を及ぼす場合があり、また、それぞれ上限を超えると現像剤としての電気抵抗が高くなる傾向があり、階調性悪化やエッジ効果の発生等の画質悪化が誘発される。
【0154】
樹脂被覆層には樹脂粒子及び/又は導電性粒子を分散することができる。前記樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。その中でも、硬度を上げることが比較的容易な熱硬化性樹脂が好適であり、また、トナーに負帯電性を付与するためには、窒素原子を含有する樹脂粒子を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0155】
樹脂粒子の平均粒径は、例えば0.1〜2μmの範囲が好ましく、0.2〜1μmの範囲がより好ましい。平均粒径が0.1μm未満であると、樹脂被覆層における樹脂粒子の分散性が非常に悪く、2μmを超えると、樹脂被覆層から樹脂粒子が脱落し易く、本来の効果を発揮しなくなることがある。
【0156】
前記導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子などを使用できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性などの点からカーボンブラック粒子が好適である。カーボンブラックの種類には特に制限はないが、DBP吸油量が50〜250ml/100gの範囲のカーボンブラックが製造安定性の上から特に優れている。
【0157】
樹脂被覆層の形成方法には特に制限はない。例えば、架橋性樹脂粒子等の前記樹脂粒子及び/又は前記導電性粒子、並びにマトリックス樹脂としてのスチレンアクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を溶剤中に含む樹脂被覆層形成用液を用いる方法などが挙げられる。具体的には、キャリア芯材を樹脂被覆層形成用液に浸漬する浸漬法、樹脂被覆層形成用液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用液と混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。次に本発明の二成分系現像剤及び補給用現像剤に用いられるトナーについて説明する。
【0158】
本発明に用いられるの補給用現像剤及び二成分系現像剤は、上記のキャリア及びトナーを有するものである。
【0159】
本発明において、トナーとキャリアとを混合して補給用現像剤を調製する場合、キャリアとトナーを重量比でキャリア1質量部に対してトナー1〜30質量部の配合割合にすると良好な結果が得られる。この割合の範囲内であれば、現像槽のキャリアの帯電付与能を効率よく安定化することができる。
【0160】
本発明において、トナーとキャリアとを混合して現像槽内の二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満の場合には、画像濃度が低くなりやすく、15質量%を超える場合には、カブリや機内飛散を生じやすく、現像剤の耐用寿命も低下しやすい。
【0161】
本発明の補給用現像剤及び画像形成装置は、いかなるシステムでも用いることができ、例えば、高速システム用現像剤、オイルレス定着用現像剤、クリーナーレス用現像剤等、公知の現像方法に適用可能である。
【0162】
本発明の補給用現像剤及び画像形成方法は、例えば図1に示すような現像手段を有する画像形成装置を用い現像を行うことができる。
【0163】
図1は、ロータリー回転方式の各色毎にロータリー現像ユニットを有する現像器交換体13及び中間転写体45を搭載した電子写真方式のフルカラー画像形成装置の一例の概略構成図である。静電潜像担持体1は、帯電装置15によりその表面を負極性に一様に帯電される。次に露光装置14により、一色目、例えばイエロー画像に対応する像露光がなされ、静電潜像担持体1の表面にはイエロー画像に対応する静電潜像が形成される。
【0164】
現像器交換体13は回転移動式の構成であり、概略構成図を図3に示す。前記イエロー画像に対応する静電潜像の先端が現像位置に到達する以前に、イエロー現像器が静電潜像担持体1に対向し、その後磁気ブラシが静電潜像を摺擦して、前記静電潜像担持体上にイエロートナー像を形成する。
【0165】
図2は、図1、3の現像器2、3、4および5の概略構成図である。
【0166】
なお、オートリフレッシュ現像方式を用いないカラー用現像器2,3,4については、34〜39の現像剤回収機能部を有していない。
【0167】
現像に用いられる各現像器には、図2に示すように、例えば、現像剤担持体としての現像スリーブ6、マグネットローラ8、規制部材7、現像剤搬送スクリュー10、11、図示されていないスクレーパ等が設けられている。
【0168】
図1,2,3を用いて現像器内の現像剤が現像されるまでの搬送されていく流れを説明する。現像スリーブ6は固定したマグネットローラ8を内包し、静電潜像担持体1の周面との間に所定の現像間隔を保ち駆動回転される。なお、現像スリーブ6と静電潜像担持体1とは接触している場合もある。規制部材7は剛性かつ磁性を有し、現像スリーブ6に対し現像剤が介在しない状態で所定の荷重をもって圧接されるものや、現像スリーブ6との間に所定の間隔を保って配されるもの等、種々のものがある。一対の現像剤搬送スクリュー10、11は、スクリュー構造を持ち、互いに逆方向に現像剤を搬送循環させて、トナーとキャリアを十分撹拌混合した上、現像剤として現像スリーブ6に送る作用をするものである。マグネットローラ8は、例えば、N極およびS極を交互に等間隔に配置した等磁力の4極の磁石から構成されるもの、6極の磁石から構成されるもの、或いは、スクレーパに接する部分において反発磁界を形成し、現像剤の剥離を容易にするために、1極欠落させて5極とし、前記現像スリーブ6内で固定した状態で内包させたものであっても良い。
【0169】
上記一対の現像剤搬送スクリュー10、11は、互いに相反する方向に回転する撹拌部材を兼ねる部材であって、補給用現像剤収容容器(図3: 2a、3a、4a、5a)から補給用現像剤収容装置9のスクリューの推力によって、補給される補給用現像剤を搬送すると共に、トナーとキャリアとの混合作用によって、摩擦帯電がなされた均質な二成分の現像剤とされ、現像スリーブ6の周面上にその二成分系現像剤を層状に付着する。
【0170】
現像スリーブ6の表面の現像剤は、マグネットローラ8の磁極に対向して設けた規制部材7により、均一な層を形成する。均一に形成された現像剤層は、現像領域において、静電潜像担持体1の周面上の潜像を現像し、トナー像を形成する。
【0171】
そして、このトナー像は、転写装置40で中間転写体45に転写されることになる。
【0172】
上記のイエローのコピーサイクルが終了すると、イエロートナーの転写を終えた静電潜像担持体1は、その後、必要に応じてクリーニング前処理が施された後、除電装置で除電され、クリーニング装置18により表面に残ったイエロートナーが掻き取られる。
【0173】
そして、現像装置13が回転し、順次現像器3、4、5が静電潜像担持体1に対抗するように切り替わり、上記の同様のコピーサイクルで、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が中間転写体45に転写されることとなる。
【0174】
上記の各コピーサイクルが実行されると、各色成分別のトナー像は、転写装置40により中間転写体45の同位置へ転写されることになり、各色成分別のトナーが重ねられることで完成したひとつのトナー像を形成することになる。一方、給紙トレイ25に収容された用紙または透明シート等の転写材12は、送り出しローラ28により1枚ずつレジストレーションローラー25に給紙され、中間転写体45に同期して転写材12を中間転写体45と転写ローラ43との間に搬送する。搬送された転写材12は、転写ローラ43により中間転写体45のトナー像が転写された後、剥離フィンガー44により中間転写体45から分離され、搬送ベルト20により定着装置21へ導入される。そして、転写材12へのトナー像の定着が行われた後、外部へ排出されることで、1回のコピーモードが終了することになる。
【0175】
また、転写材にトナー像を転写した中間転写体45は、その表面を図示されていない除電装置で除電した後、クリーニング装置23で表面クリーニングが行われ、次のコピーサイクルを待つことになる。
【0176】
上記のような複写動作が繰り返されると、図2の現像器内の現像槽17内に収納されている現像剤中のトナーは徐々に消費され、キャリアに対するトナーの比率、すなわちトナー濃度が低下していく。このトナー濃度の変化は、現像槽17に設けられた図示しないトナー濃度センサによりトナー濃度が現像に必要な適性範囲内に常に入るようにフィードバック制御される。
【0177】
上記制御により、補給用現像剤収容容器から補給用現像剤が補給用現像剤収容装置9に排出され、ついで、スクリューの推進力によって補給用現像剤収容装置9の補給口から、補給用現像剤が現像器内の現像槽17に供給される。
【0178】
また、オートリフレッシュ現像方式を用いたブラック用現像器5においては、本発明のトナーとキャリアを混合した補給用現像剤が、補給用現像剤収容容器5aから、補給用現像剤収容装置9の補給口をえて、ブラック用現像器5に補給される。
【0179】
次に、図1に示した回転移動する現像器交換体13内の回転移動を利用した、ブラック用現像器5からの過剰になった現像剤の排出について図2,3を用いて説明する。
【0180】
回転移動方式を採用したロータリー現像ユニットを有する現像器交換体13を具備するフルカラー画像形成装置において、現像器2、3、4、5は、現像器交換体13の内部で回転移動し、現像時、静電潜像担持体1に対向する位置に回転移動して現像を行い、非現像時は静電潜像担持体1に対向していない位置に回転移動する。
【0181】
現像器5が静電潜像担持体1に対向し、現像動作を行っている位置で、過剰になった現像剤(劣化したキャリア)は、現像器5に設けられた現像器側現像剤排出口34から溢出され、回転動作により、中間現像剤回収部37、現像剤回収オーガ36を移動し、ロータリー回転方式現像装置の回転中心軸に設けられた現像剤回収容器39に排出される。
【0182】
本発明における現像方法は、具体的には、現像スリーブに交流電圧を印加して、現像領域に交番電界を形成しつつ、磁気ブラシが静電潜像担持体1に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像スリーブ6と静電潜像担持体1の距離(S−D間距離)は、100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁極Sからの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0183】
交番電界のピーク間の電圧は300〜3000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、交番電界を形成するための交流バイアスの波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形が挙げられる。ときにトナー像の形成速度の変化に対応するためには、非連続の交流バイアス電圧を有する現像バイアス電圧(断続的な交番重畳電圧)を現像スリーブに印加して現像を行うことが好ましい。印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、3000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0184】
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、静電潜像担持体の一次帯電を低めることができるために静電潜像担持体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが200V以下、より好ましくは150V以下が良い。コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように100〜400Vが好ましく用いられる。
【0185】
また、周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、静電潜像担持体に接触したトナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与えられずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超えると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0186】
本発明において現像方法で重要なことは、十分な画像濃度を出しドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために、現像スリーブ6上の磁気ブラシの静電潜像担持体1との接触幅(現像当接部)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像当接部が3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になる。
【0187】
現像当接部の調整方法としては、規制部材7と現像スリーブ6との距離を調整したり、現像スリーブ6と静電潜像担持体1との距離(S−D間距離)を調整することで当接幅を適宜調整する方法がある。
【0188】
静電潜像担持体の構成としては、通常の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体と同じで良く、例えば、アルミニウム、SUS等の導電性基体の上に、順に導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、必要に応じて電荷注入層を設ける構成の感光体が挙げられる。導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層は、通常の感光体に用いられるもので良い。感光体の最表面層として、例えば電荷注入層あるいは保護層を用いてもよい。
【0189】
本発明の補給用現像剤を用いることで現像装置内での現像剤にかかるシェアが小さく、多数枚の複写においてもキャリアへのトナーあるいは外添剤等のスペントが抑制できる。さらにはオートリフレッシュ用の補給用現像剤中からのキャリア補給量が少なくとも、画質低下を押さえることが出来るなどの本発明の効果が十分に発揮できる。
【0190】
本発明のオートリフレッシュ現像方式の補給用現像剤及び二成分系現像剤を用いる画像形成方法として、本発明により、現像槽内における現像剤量の増減によって現像槽内のキャリア濃度が基準値から大きく変化することを防止しでき、現像槽内のキャリア交換がスムーズに行え、トナー濃度を高い精度で安定して制御することができ、長期使用においても、トナー飛散が無く、現像器内でのトナーの帯電量が安定であり、画増均一性、階調性に優れ、カブリがない効果をより有効に発揮できるクリーナーレスシステムの一例について図4を用いて説明する。
【0191】
帯電ローラー15aを静電潜像担持体1の表面に接触させ、静電潜像担持体1を帯電する。帯電ローラー15aには、図示されないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されている。帯電された静電潜像担持体1に、図示されない露光装置によりレーザ光Lを照射することにより、デジタルな静電潜像を形成する。静電潜像担持体1上に形成された静電潜像は、マグネットローラ8を内包し、図示されないバイアス印加装置によって現像バイアスを印加されている現像スリーブ6に担持された二成分系現像剤T中のトナーTaによって、現像される。
【0192】
現像器Pは、隔壁17により現像剤室R、撹拌室Rに区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュー10、11が設置されている。撹拌室Rの上方には、補給用現像剤118を収容した補給用現像剤収容室Rが設置され、補給用現像剤収容室Rの下部には補給用現像剤補給口120が設けられている。
【0193】
現像剤搬送スクリュー11は回転することによって、現像剤室R内の現像剤を撹拌しながら現像スリーブ6の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁17には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられており、スクリュー11によって現像剤室Rの一方に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁117の開口を通って撹拌室Rに送り込まれ、現像剤搬送スクリュー10に受け渡される。スクリュー10の回転方向はスクリュー11と逆で、撹拌室R内の現像剤、現像剤室Rから受け渡された現像剤及び補給用現像剤収容室Rから補給された補給用現像剤を撹拌、混合しながら、スクリュー10とは逆方向に撹拌室R内を搬送し、隔壁117の他方の開口を通って現像剤室Rに送り込む。
【0194】
静電潜像担持体1上に形成された静電潜像を現像するには、現像剤室R内の現像剤Tがマグネットローラ8の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ6の表面に担持される。
【0195】
現像スリーブ6上に担持された現像剤は、現像スリーブ6の回転にともない規制部材7に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層に規制された後、現像スリーブ6と静電潜像担持体1とが対向した現像領域に至る。マグネットローラ8の現像領域に対応した部位には、磁極(現像極)Nが位置されており、現像極Nが現像領域に現像磁界を形成し、この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現像剤の磁気ブラシが形成される。そして磁気ブラシが静電潜像担持体1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに付着しているトナーおよび現像スリーブ6の表面に付着しているトナーが、静電潜像担持体1上の静電潜像の領域に転移して付着し、静電潜像が現像されトナー像が形成される。
【0196】
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ6の回転にともない現像器P内に戻され、スクリュー11により現像スリーブ6から剥ぎ取られ、現像剤室Rおよび撹拌室R内に落下して回収される。
【0197】
上記の現像により現像器P内の現像剤TのT/C比(トナーとキャリアの混合比)が減ったら、補給用現像剤収容室Rから補給用現像剤18を現像で消費された量に見あった量で撹拌室Rに補給し、現像剤19のT/Cが所定量に保たれる。現像器4内の現像剤19のT/C比の検知には、コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサを使用する。該トナー濃度検知センサは、図示されないコイルを内部に有している。
【0198】
現像スリーブ6の下方に配置され、現像スリーブ6上の現像剤Tの層厚を規制する規制部材7は、アルミニウム又はSUS316の如き非磁性材料で作製される非磁性ブレード7が挙げられる。ブレード7の端部と現像スリーブ6面との距離は150〜800μmが好ましく、特に好ましくは250〜700μmである。この距離が150μmより小さいと、キャリアが凝集してこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためにはこの距離は150μm以上が好ましい。800μmより大きいと現像スリーブ11上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行いにくく、静電潜像担持体1へのキャリアの付着が多くなると共に現像剤の循環、規制部材7による現像規制が弱まりトナーのトリボが低下しカブリやすくなる。
【0199】
この磁性キャリア層は、現像スリーブ6が矢印方向に回転駆動されても磁気力・重力に基づく拘束力と現像スリーブ6の移動方向への搬送力との釣合いによってスリーブ表面から離れるに従って動きが遅くなる。重力の影響により落下するものである。
【0200】
また、現像されたトナー像は、搬送されてくる転写材(記録材)12上へ、バイアス印加手段26により転写バイアス印加されている転写手段である転写ブレード27により転写され、転写材上に転写されたトナー像は、図示されていない定着装置により転写材に定着される。転写工程において、転写材に転写されずに静電潜像担持体1上に残った転写残トナーは、帯電工程において、帯電を調整され、現像時に回収される。
【0201】
図5は、本発明の補給用現像剤及び二成分系現像剤を用いる画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図を示す。図5に於けるフルカラー画像形成装置は、各色の画像形成を各色毎の静電潜像担持体を用いて行うタンデム方式が用いられる。
【0202】
図5におけるフルカラー画像形成装置は、静電荷像担持体上に残存した転写残トナーを回収し貯蔵するための独立したクリーニング手段を有さず、現像手段がトナー像を転写材上に転写した後に静電潜像担持体に残留したトナーを回収する現像同時クリーニング方法を行っているものである。
【0203】
フルカラー画像形成装置本体には、図4のクリーナーレスシステムの構成を有する第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設されている。Pdのみ、オートリフレッシュ現像方式を用いた画像形成ユニットであり、図1〜3で説明した現像剤排出口34から現像剤回収容器39の機能を有する現像剤回収部85を有している。Pa〜Pdは、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0204】
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
【0205】
第1の画像形成ユニットPaは、静電潜像担持体としての直径30mmの静電潜像担持体61aを具備し、この静電潜像担持体61aは矢印a方向へ回転移動される。帯電手段としての一次帯電装置62aは、直径16mmのスリーブの表面に形成された帯電用磁気ブラシが静電潜像担持体61aの表面に接触するように配置されている。レーザ光67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている静電潜像担持体61aに静電潜像を形成するために、図示されていない露光装置により照射される。静電潜像担持体61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー像を形成するための現像手段としての現像器63aは、カラートナーを保持している。
【0206】
転写手段としての転写ブレード64aは、静電潜像担持体61aの表面に形成されたカラートナー像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材(記録材)の面に転写する。この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
【0207】
第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電装置62aによって静電潜像担持体61aを均一に一次帯電した後、露光装置67aにより静電潜像担持体に静電潜像を形成し、現像器63aで静電潜像をカラートナーを用いて現像し、この現像されたトナー像を第1の転写部(静電潜像担持体と転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベルト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって転写材の表面に転写する。
【0208】
現像によりトナーが消費され、T/C比が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定する図示されていないトナー濃度検知センサで検知し、消費されたトナー量に応じて、補給用現像剤収容容器99a図示されていない排出手段により、本発明の補給用現像剤が補給用現像剤収容装置66aに排出され、ついで、補給用現像剤装置66aのスクリューの推進力によって補給口から、補給用現像剤が現像器内の現像槽に供給される。なお、図示されていないトナー濃度検知センサはコイルを内部に有している。
【0209】
さらに、本発明のトナーとキャリアを混合したブラック用補給用現像剤は、補給用現像剤収容容器99dから、補給用現像剤収容装置9の補給口をえて、現像器Pdに補給する。過剰になった現像剤は、現像器回収部85より排出される。
【0210】
本画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成で、現像器に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。
【0211】
例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4のオートリフレッシュ現像方式を用いた画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行われる。
【0212】
この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着装置70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0213】
定着装置70は、例えば、一対の直径40mmの定着ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有している。
【0214】
転写材上に転写された未定着のカラートナー像は、この定着装置70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。
【0215】
図5において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、駆動ローラ80によって矢印e方向に移動するものである。他に、転写ベルトクリーニング装置79、ベルト従動ローラ81、ベルト除電器82を有し、一対のレジストローラ83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するためのものである。
【0216】
転写手段としては、転写材担持体の裏面側に当接する転写ブレードに代えて、ローラ状の転写ローラの如き転写材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能である。
【0217】
さらに、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることが、より好ましい。
【0218】
【実施例】
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0219】
<1>トナーの製造:
トナーの製造例1(重合ブラックトナーA−1)
イオン交換水710質量部に、0.1M−NaPO水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl水溶液68質量部を徐々に添加し、Ca(POを含む水系媒体を得た。
【0220】
一方、
・スチレン                        165質量部
・n−ブチルアクリレート                  35質量部
・カーボンブラック(着色剤)(平均一次粒径30nm、比表面積150m/g、DBP吸油量48mg/100g             10質量部
・ジアルキルサリチル酸金属化合物(荷電制御剤)        5質量部
・飽和ポリエステル(極性樹脂)               10質量部
・エステルワックス(融点70℃)              50質量部
【0221】
上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、11000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0222】
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて11000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解した後、ろ過、水洗、乾燥をして、重量平均粒径7.8μmのブラックトナー粒子を得た。
【0223】
得られたブラックトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(平均一次粒径 30nm)を0.70質量部、疎水性酸化チタン(平均一次粒径 50nm)を0.70質量部外添し、重合ブラックトナーA−1を得た。
【0224】
(トナー粒子の平均円形度の測定方法)
本発明において「平均円形度」とは、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度の値は小さな値となる。具体的な測定方法としては、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用い、容器中に予め不純固形物などを除去した水100〜150ml中に界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5g程度加える。これに試料を分散し、超音波分散機で5分間分散処理を行い、分散濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置により円形度を測定する。円形度は下式により得られるものである。
円形度=L/L
(L:粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長、L:粒子の投影像の周囲長)
トナーの製造例2(重合ブラックトナーA−2〜A−7)
【0225】
トナーの製造例1で疎水性シリカ微粉体、疎水性酸化チタンの添加量を表1のようにしたことを除いては、トナーの製造例1と同様にして、表1のような重合ブラックトナーA−1〜A−7を得た。
【0226】
トナーの製造例3(重合ブラックトナーB−1〜B−3)
トナーの製造例1でリン酸カルシウム水系媒体の添加量を調整し、トナーの粒径を変え、疎水性シリカ微粉体、疎水性酸化チタンの添加量を表1のようにしたことを除いては、トナーの製造例1と同様にして、表1のような重合ブラックトナーB−1〜B−3を得た。
【0227】
トナーの製造例4(重合ブラックトナーC−1〜C−5)
トナーの製造例1でリン酸カルシウム水系媒体の添加量を調整し、トナーの粒径を変え、疎水性シリカ微粉体、疎水性酸化チタンの添加量を表1のようにしたことを除いては、トナーの製造例1と同様にして、表1のような重合ブラックトナーC−1〜C−5を得た。
【0228】
トナーの製造例5(重合シアントナーA)
トナー粒子の製造例1で用いたカーボンブラックに代えてC.I.ピグメントブルーを15質量部用い、リン酸カルシウム水系媒体の添加量を調整し、トナーの粒径を変え、疎水性シリカ微粉体、疎水性酸化チタンの添加量を表1のようにしたことを除いては、トナーの製造例1と同様にして、表1のような重合シアントナーAを得た。
【0229】
トナーの製造例6(重合シアントナーB〜E)
トナーの製造例5でリン酸カルシウム水系媒体の添加量を調整し、トナーの粒径を変え、疎水性シリカ微粉体、疎水性酸化チタンの添加量を表1のようにしたことを除いては、トナーの製造例5と同様にして、表1のような重合シアントナーB〜Eを得た。
【0230】
トナーの製造例7(重合マゼンタトナーA)
トナーの製造例5で用いたC.I.ピグメントブルーに代えてキナクリドンを8質量部用いたことを除いては、トナーの製造例5と同様にして、表1のような重合マゼンタトナーAを得た。
【0231】
トナーの製造例8(重合イエロートナーA)
トナーの製造例5で用いたC.I.ピグメントブルーに代えてピグメントイエローを6.5質量部用いたことを除いては、トナーの製造例5と同様にして、表1のような重合イエロートナーAを得た。
【0232】
トナーの製造例9(粉砕ブラックトナーA)
・ポリエステル樹脂(プロポキシ化ビスフェノールAとフマール酸との縮合ポリマー;酸価10.8mgKOH/g)            100質量部
・3トナーの製造例4で用いたカーボンブラック         5質量部
・ジアルキルサリチル酸のアルミニウム化合物          5質量部
・低分子量ポリプロピレン                   5質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合し、ベント口を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて溶融混練を行った。この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕して1mmのメッシュパスの粗砕物を得た。さらに、機械式粉砕にて微粉砕を行った後、多分割分級機(エルボウジェット)により、分級を行いブラックトナー粒子を得た。
【0233】
このブラックトナー粒子に、疎水性シリカ微粉体、疎水性酸化チタンを表1のように添加し、表1のような粉砕ブラックトナーを得た。
【0234】
トナーの製造例10(粉砕シアントナー)
トナーの製造例9で用いたカーボンブラックに代えて、C.I.ピグメントブルー15:3を用い、粉砕条件を変えて粒径を調整し、疎水性シリカ微粉体、疎水性酸化チタンを表1のように添加したことを除いては、トナー粒子の製造例9と同様にして、表1のような粉砕シアントナーAを得た。
【0235】
トナーの製造例11(粉砕マゼンタトナー)
トナーの製造例10で用いたC.I.ピグメントブルー15:3に代えてキナクリドンを用いたことを除いては、トナーの製造例10と同様にして、表1のような粉砕マゼンタトナーを得た。
【0236】
トナーの製造例12(粉砕イエロートナー)
トナーの製造例10で用いたC.I.ピグメントブルー15:3に代えてピグメントイエロー93を用いたことを除いては、トナーの製造例10と同様にして、表1のような粉砕イエロートナーAを得た。
【0237】
トナーの製造例13(粉砕ブラックトナーB)
トナーの製造例9で用いた機械式粉砕に代えて、ジェットミルにて微粉砕を行い、平均円形度を変えたことを除いては、トナーの製造例9と同様にして、表1のような粉砕ブラックトナーBを得た。
【0238】
以下に、トナー粒径の測定の具体例を示す。
【0239】
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述したコールターカウンターマルチサイザーにより17μmまたは100μm等の適宜トナーサイズに合わせたアパチャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した重量平均粒径をコンピュータ処理により求めた。
【0240】
【表1】
Figure 2004126224
【0241】
<2>磁性キャリアの製造:
<磁性キャリア1−aの製造>
・フェノール(ヒドロキシベンゼン)              50質量部
・37質量%のホルマリン水溶液                80質量部
・水                             50質量部
・シラン系カップリング剤で表面処理された
マグネタイト微粒子                    320質量部
(50%粒径0.25μm、体積抵抗値3×10Ωcm)
・シラン系カップリング剤で表面処理された
α−Fe微粒子                     80質量部
(50%粒径0.35μm、体積抵抗値6×10Ωcm)
・25質量%のアンモニア水                  15質量部
上記材料を四ツ口フラスコに入れ、撹拌混合しながら50分間で85℃まで昇温保持し、120分間反応・硬化させた。その後30℃まで冷却し500質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いでこれを減圧下(665Pa=5mmHg)160℃で24時間乾燥して、フェノール樹脂をバインダー樹脂とする磁性キャリアコア(A)を得た。
【0242】
得られた磁性キャリアコア(A)の表面に、下記一般式(6)で表されるγ−アミノプロピルトリメトキシシランの3質量%メタノール溶液を塗布した。
【0243】
【外1】
Figure 2004126224
【0244】
磁性キャリアコア(A)の表面は、0.12質量%γ−アミノプロピルトリメトキシシランで処理されていた。塗布中は、磁性キャリアコア(A)に剪断応力を連続して印加しながら、塗布しつつメタノールを揮発させた。
【0245】
上記処理機内のシランカップリング剤で処理された磁性キャリアコア(A)を50℃で撹拌しながら、シリコーン樹脂SR2410(東レダウコーニング(株)製)を、シリコーン樹脂固形分として20%になるようトルエンで希釈した後、減圧下で添加して、0.5質量%の樹脂被覆を行った。
【0246】
以後、窒素ガスの雰囲気下で2時間撹拌しつつ、トルエンを揮発させた後、窒素ガスによる雰囲気下で140℃,2時間熱処理を行い、凝集をほぐした後、200メッシュ(75μmの目開き)以上の粗粒を除去し、キャリア1−aを得た。
【0247】
得られたキャリア1−aの個数平均粒径は35μm、体積抵抗値は7×1013Ωcm、真比重は3.69であった。
【0248】
<キャリア1−b〜1−gの製造>
磁性キャリアコア製造時の攪拌条件を変えて、コアの粒径をかえたことを除いては、キャリア1−aの製造と同様に行い、表2のようなキャリア1−b〜1−gを得た。
【0249】
<キャリア2−aの製造>
・テレフタル酸無水トリメリット酸/プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAの誘導体からなるポリエステル樹脂   150質量部
・製造例1使用のマグネタイト                500質量部
・4級アンモニウム塩化合物                   5質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級した後、0.02μmのスチレン/メチルメタクリレート共重合樹脂粒子を、ハイブリタイザー(奈良機械社製)で乾式コートしてキャリア2を得た。キャリア2−aの物性値を表2に示す。
【0250】
<キャリア2−b〜2−gの製造>
キャリア2−aの製造において、真比重を調整する目的で、樹脂とマグネタイトの比率を調整した以外は同様にして、キャリア2−b〜2−fを得た。得られたキャリア2−b〜2−fの物性値を表2に示す。
【0251】
<軽金属含有フェライトキャリアの製造>
Mn−Mg−Srフェライト粒子………………………………………100部
(体積平均粒径=35μm、真比重=4.5)
トルエン………………………………………………………………………10部
ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)……………………………  2部
PMMA樹脂をトルエンで希釈してMn−Mg−Srフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れ、120℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去して、フェライト粒子表面上に被膜を形成して軽金属含有フェライトキャリアを得た。得られた軽金属含有フェライトキャリアの物性値を表2に示す。
【0252】
<重金属含有フェライトキャリアの製造>
軽金属含有フェライトキャリアの製造において、フェライト粒子をMn−Mg−Fe組成のフェライトコア(個数平均粒径=35μm、真比重4.9)を使用する以外は同様にして、個数平均粒径36μm、体積抵抗値3×1011Ωcm、真比重4.85の重金属含有フェライトキャリアを得た。えられた重金属含有フェライトキャリアの物性値を表2に示す。
【0253】
【表2】
Figure 2004126224
【0254】
<実施例1>
キャリア1−aと重合ブラックトナーA−1、重合シアントナーA、重合マゼンタトナーA、重合イエロートナーAを全質量に対するトナーの割合が8質量%となるようにそれぞれ混合し、それぞれ4色の二成分系現像剤、及びキャリア1−aと重合ブラックトナーA−1で、全質量に対するトナーの割合が85質量%となるよう均一にそれぞれ混合したブラック補給用現像剤を製造した。
【0255】
得られた4色の二成分系現像剤及び補給用現像剤(シアン、マゼンタ、イエローはトナーのみ)を市販の複写機CLC500(キヤノン社製)を、ブラックのみオートリフレッシュ現像方式の図3の現像器交換体を備えた図1の中間転写体を有する画像形成装置に改造し、A4ブラック・画像DUTY5%のモノクロオリジナル画像及びA4各色画像DUTY5%のフルカラーオリジナル画像を9枚:1枚の割合で30万枚画出しし、帯電安定性、トナー飛散、カブリ、画像均一性、細線再現性に関して評価を行った。また、ブラック補給用現像剤収容容器の補給口からの補給用現像剤のキャリア濃度安定性の評価を行った。評価環境は、25.0℃/60%RHにて行った。結果を表3、4に示す。それぞれの測定条件及び評価基準を以下に示す。また現像槽中の2成分現像剤の帯電量の推移を図6に示す。
【0256】
〔キャリア濃度の安定性〕
1000枚ごとに補給用現像剤収容容器の補給口から、5gの補給用現像剤を採取し、これをコンタミノンN(界面活性剤)が1%含まれるイオン交換水にて洗浄し、トナーとキャリアを分離、乾燥、調湿(25.0℃/60%RH)することにより、補給用現像剤中のキャリア濃度を測定した。
(評価基準)
A:キャリア濃度変化推移の標準偏差が1未満
B:キャリア濃度変化推移の1〜2未満
C:キャリア濃度変化推移の2〜3未満
D:キャリア濃度変化推移の3以上
【0257】
〔帯電安定性〕
帯電安定性は、各色現像槽の現像スリーブ上の2成分現像剤を、カラーは、5000枚画出しごとに、ブラックは、2万枚ごとに0.3g採取し、摩擦帯電量を測定し、摩擦帯電量変化から帯電安定性を評価した。評価は、スタート剤の帯電量と2成分現像剤採取時の帯電量の変化幅を%で表わし、以下の評価基準で行った。
(評価基準)
A:帯電量の最大変化幅が0%〜10%未満
B:帯電量の最大変化幅が10%〜15%未満
C:帯電量の最大変化幅が15%以上
摩擦帯電量は以下のように測定した。
【0258】
採取した2成分現像剤0.3gを、底部に625メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器に入れ、吸引機で吸引し、吸引前後の質量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
Q(mC/kg)=C×(W1×W2)−1×100
(式中、W1は吸引前の2成分現像剤の質量であり、W2は2成分現像剤のトナー濃度(%)であり、Cはコンデンサーに蓄積された電位である。)
また、2成分現像剤のトナー濃度は、補給用現像剤のキャリア濃度の測定と同様に求めた。
【0259】
〔トナー飛散〕
トナー飛散は、30万枚画出し終了後、各現像器を取り出し、空回転機にセットする。現像器のスリーブ真下を中心にA4の紙を置き、10分間の空回転を行い、紙上に落ちたトナーの質量を測定し、以下の基準により評価した。
(評価基準)
A:4mg未満
B:4mg〜7mg未満
C:7mg〜10mg未満
D:10mg以上
【0260】
〔カブリ〕
カブリに関しては、30万枚画出し終了後、反射濃度計(densitometer TC6MC:(有)東京電色技術センター)を用いて、白紙の反射濃度、及び複写機で画出ししたの紙の非画像部の反射濃度を測定し、両者の反射濃度の差を白紙の反射濃度を基準とし、4色の中でカブリが最も悪いものを下記評価基準に基づいて示した。
(評価基準)
A:0.6%未満
B:0.6〜1.1%未満
C:1.1〜1.6%未満
D:1.6〜2.1%未満
E:2.1〜4.1%未満
F:4.1%以上
【0261】
〔画像均一性・画質〕
30万枚画出し終了後、単色ベタ画像及び4色ハーフトーン画像重ね合わせ画像をプリントアウトし、その画像均一性を目視で評価した。
◎:均一画像で画像ムラが確認できないレベル
○:若干の画像ムラが確認できるが、実用上全く問題ないレベル
△:画像ムラが確認できるが、実用上可能なレベル
×:画像ムラが著しく発生
なお、実施例2、比較例1以降で、マゼンタ及びイエロー現像剤を用いない場合には、画像均一性・画質評価は、ブラック、シアンの単色ベタ画像及び2色ハーフトーン画像重ね合わせ画像をプリントアウトし、その画像均一性を目視で評価した。
【0262】
〔ブラック細線再現性〕
細線再現性は次に示すような方法によって測定を行った。すなわち、正確に幅100μmとした細線のオリジナル原稿を、適正なる複写条件でコピーした画像を測定用サンプルとし、測定装置として、ルーゼックス450粒子アナライザーを用いて、拡大したモニター画像から、インジケーターによって線幅の測定を行う。この時、線幅の測定位置はトナーの細線画像の幅方向に凹凸があるため、凹凸の平均的線幅をもって測定点とする。これより、細線再現性の値(%)は、下記式によって算出する。
(測定より求めた複写画像の線幅)/(オリジナルの線幅)×100
【0263】
<実施例2〜4>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を重合ブラックトナーA−2〜4に代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。各評価において表3,4が示すように、全ての項目において、若干悪化した。これは、ブラックトナーとカラートナーの外添剤表面被覆率に差が縮まるに従って、“発明の実施の形態”で示した▲1▼〜▲4▼全てを若干満たすことができなかったためであると考えられる。
【0264】
<比較例1>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を重合ブラックトナーA−5に代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。各評価において表3、4が示すように、全ての項目において悪化した。これは、ブラックトナーとカラートナーの外添剤表面被覆率に差が無いために、“発明の実施の形態”で示した▲1▼〜▲4▼全てを満たすことができなかったためであると考えられる。
【0265】
<実施例5〜6>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を重合ブラックトナーA−6〜A−7に、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。各評価において表3、4が示すように、画像均一性・画質及び細線再現性が若干悪化した。これは、ブラックトナーとカラートナーの外添剤表面被覆率に差が広がるに従って、ブラックトナーとカラートナーの転写性に若干差が生じたためであると考えられる。
【0266】
<実施例7>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を重合ブラックトナーB−1に、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。各評価において表3,4が示すように、すべての項目において、若干悪化した。これは、ブラックトナーとカラートナーの粒径に差が無いために、ブラックトナーの流動性が若干悪く、補給用現像剤収容容器からの補給用現像剤の排出がわずかに悪くなったためと推定される。
【0267】
<比較例2>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を重合ブラックトナーB−2に、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、全ての評価項目において、悪化した。これは、ブラックトナーとカラートナーの外添剤表面被覆率に差が無く、また粒径差が無いために、“発明の実施の形態”で示した▲1▼〜▲4▼全てを満たすことができなかったためであると考えられる。
【0268】
<比較例3>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を重合ブラックトナーB−3に、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、全ての評価項目において、悪化した。これは、ブラックトナーが、カラートナーよりも粒径が小さく、“発明の実施の形態”で示した▲1▼〜▲4▼全てを満たすことができなかったためであると考えられる。
【0269】
<実施例8〜11>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を重合ブラックトナーC−1〜C−4に代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、各評価において、良好な結果が得られた。各評価において表3、4が示すように、画像均一性・画質及び細線再現性が若干悪化した。これは、ブラックトナーとカラートナーの粒径に差が広がるに従って、ブラックトナーとカラートナーとの特性に差が生じ、フルカラー画像での転写飛び散り、ハイライト階調再現性の低下等の画像劣化が若干生じたためと考えられる。
【0270】
<比較例4>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を重合ブラックトナーC−5に代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3、4が示すように、画像均一性・画質及び細線再現性が悪化した。これは、ブラックトナーの粒径が大きいために、静電荷像に忠実な現像が行われにくく、また、静電的な転写を行うとトナーが飛び散りやすいためであると考えられる。
【0271】
<実施例12〜14>
実施例1において、重合シアントナーAを重合シアントナーB〜Dに代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。各評価において、表3、4が示すような結果が得られた。シアントナーの粒径が小さくなるにつれて、帯電安定性、カブリ等が若干悪化した。これは、シアントナーの粒径が小さくなるに従って、シアン現像剤の流動性が悪化し、トナーの帯電立ち上がり性等が若干悪化したためによると考えられる。
【0272】
<比較例5>
実施例1において、重合シアントナーAを重合シアントナーEに代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3、4が示すように、全ての評価項目において、悪化した。これは、シアントナーの粒径が小さいために、シアン現像剤の流動性が悪化し、トナーの帯電立ち上がり性等が悪化したためによると考えられる。また、ブラックトナーとシアントナーの粒径の差が大きいために、転写性等の特性に大きな差が生じたためによるものと考えられる。
【0273】
<実施例15、16>
実施例1において、キャリア1−aをキャリア1−bまたは1−cに代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、キャリアの粒径が大きくなるに従って、全ての項目において若干悪化した。これは、キャリアの粒径が大きくなるに従って、トナーに均一かつ良好な帯電を与えることが若干不十分となったことによると考えられる。
【0274】
<比較例6>
実施例1において、キャリア1−aをキャリア1−dに代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った表3,4が示すように、キャリアの粒径が大きくなるに従って、全ての項目において悪化した。これは、キャリアの粒径が大きすぎるために、トナーに均一かつ良好な帯電を与えることが不十分となり、潜像を忠実に再現できることが困難となったばかりか、カブリや飛散の原因となったと推定される。
【0275】
<実施例17、18>
実施例1において、キャリア1−aをキャリア1−eまたは1−fに代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、画像均一性・画質が若干悪化した。これは、キャリアの粒径が小さくなるに従って、静電荷像担持体へのキャリア付着が若干生じやすくなり、画質がわずかに悪化したためと考えられる。
【0276】
<比較例7>
実施例1において、キャリア1−aをキャリア1−gに代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、画像均一性・画質が悪化した。これは、キャリアの粒径が小さすぎるために、静電荷像担持体へのキャリア付着が激しくなり、画質が悪化したためと考えられる。
【0277】
<実施例19〜22>
実施例1において、キャリア1−aをキャリア2−a〜2−dに代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、各評価において、良好な結果が得られた。実施例22において、若干画像均一性・画質が悪化した。これは、キャリアの比重を小さくするために、キャリア中の磁性体含有量を少なくしているため、静電荷像担持体へのキャリア付着が生じ、画質が若干悪化したためと考えられる。
【0278】
<実施例23〜25>
実施例1において、キャリア1−aをキャリア2−e〜2−gに代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、各評価において、良好な結果が得られた。実施例25において、全ての項目において若干悪化した。これは、キャリアの比重が大きいために、ブラック用補給用現像剤中のキャリアが、トナーとの比重差により補給用現像剤収容容器中で若干偏析し、安定したキャリア濃度で現像槽に補給できないため、帯電安定性が若干悪化したためと推定される。
【0279】
<実施例26>
実施例1において、キャリア1−aをキャリア3に代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、各評価において、良好な結果が得られた。
【0280】
<実施例27>
実施例1において、キャリア1−aをキャリア4に代え、重合マゼンタトナーと重合イエロートナーを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、全ての項目において若干悪化した。これは、キャリアの比重が大きいために、ブラック用補給用現像剤中のキャリアが、トナーとの比重差により補給用現像剤収容容器中で若干偏析し、安定したキャリア濃度で現像槽に補給できないため、帯電安定性が若干悪化したためと推定される。
【0281】
<実施例28>
実施例1において、重合ブラックトナーA−1を粉砕ブラックトナーAに、重合シアントナーAの代わりに粉砕シアントナーAに、重合マゼンタトナーを粉砕マゼンタトナーに、重合イエロートナーを粉砕イエロートナーに代えたことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。表3,4が示すように、各評価において、良好な結果が得られた。
【0282】
<実施例29>
実施例28において、粉砕ブラックトナーAを粉砕ブラックトナーBに代えたことを除いては、実施例28と同様に評価を行った。表3,4が示すように、全ての評価項目において、若干悪化した。これは、ブラックトナーの平均円形度が小さいために、ブラック補給用現像剤の補給用現像剤収容容器からの排出性が若干低下し、帯電安定性がわずかに悪化したためであると推定される。
【0283】
<実施例30>
市販の複写機CP2120(キヤノン社製)を、図4の現像器を備え、ブラックのみオートリフレッシュ現像方式の用いた図5の画像形成装置に改造し、実施例1と同様の2成分現像剤、補給用現像剤を用いて30万枚画出しし、実施例1と同様に評価を行った。結果を表3,4示す。各評価において、良好な結果が得られた。
【0284】
【表3】
Figure 2004126224
【0285】
【表4】
Figure 2004126224
【0286】
【発明の効果】
本発明の補給用現像剤及び画像形成装置により、良好なフルカラー画像と共に、安定したモノクロ画像の形成することができる。また、装置を小型化し、装置コストを低減を可能とし、ブラック現像剤の現像剤劣化は大幅に抑制することでき、長期にわたり安定した、細線再現性、ハイライト階調性に優れたモノクロ画像及び高画質なカラー画像を提供できる。更には、大幅にランニングコストを低減することができる補給用現像剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータリー回転方式の現像装置、中間転写体を備えた画像形成装置の構成図である。
【図2】現像装置の現像器の断面図である。
【図3】現像装置の拡大構成図である。
【図4】クリーナーレスシステムに使用される現像装置の構成図である。
【図5】タンデム方式の画像形成装置の構成図である。
【図6】実施例1及び比較例1の帯電量の現状率の推移を示す図である。
【符号の説明】
L レーザ光
Pa〜Pd 画像形成ユニット
R1 現像剤室
R2 撹拌室
R3 補給用現像剤収容室
T 二成分現像剤
Ta トナー
1 静電潜像担持体
2、3、4、5 現像器
2a、3a、4a、5a、99a、99d 補給用現像剤収容容器
6 現像スリーブ
7 規制部材
8 マグネットローラ
9、66a 補給用現像剤収容装置
10 現像剤搬送スクリュー
11 現像剤搬送スクリュー
12 転写材
13 現像器交換体
14 露光装置
15 帯電装置
15a 帯電ローラ
16 除電装置
17 現像槽
18 クリーニング装置
20 搬送ベルト
21、70 定着装置
23 クリーニング装置
25 一度レジストレーションローラー
26 給送トレイ
28 送出ローラ
34 現像器側現像剤排出口
36 現像剤回収オーガ
53 現像剤回収容器
61a 静電潜像担持体
62a 一次帯電器
63a 現像器
64a、127 転写ブレード
67a レーザー光
68 転写材担持体
71 定着ローラ
72 加圧ローラ
75 加熱手段
76 加熱手段
79 転写ベルトクリーニング装置
81 ベルト従動ローラ
82 ベルト除電器
83 レジストローラ
85 現像器回収部
117 隔壁
118 補給用現像剤
120 補給用現像剤補給口

Claims (9)

  1. ブラック用補給用現像剤中にキャリアを含み、その他の色の補給用現像剤中にキャリアを含まないフルカラー画像形成用補給用現像剤であって、該ブラック用補給用現像剤中のトナーとキャリアの質量比が、キャリア1部に対してトナー1〜30部の配合割合で含有し、該キャリアの体積平均粒径(D50)が15〜60μmであり、該トナー粒子の重量平均粒径が3.0〜10.5μmであり、ブラックトナーの重量平均粒径が、他の色のトナー以上で、かつブラックトナーの外添剤の表面被覆率が、他の色のトナーより大きいことを特徴とするフルカラー画像形成用補給用現像剤。
  2. 前記キャリアの真比重が2.5乃至4.5であることを特徴とする請求1記載の補給用現像剤。
  3. 前記トナーにおいて、トナー粒子に対して、少なくともシリカ及び/または酸化チタンを含む、2種類以上の外添剤を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の補給用現像剤。
  4. 前記トナーが、ワックスを結着樹脂100質量部に対して2〜30質量部含有しているトナーであること特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の補給用現像剤。
  5. 前記トナーの平均円形度が0.960以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の補給用現像剤。
  6. 前記キャリアが、体積平均粒径(D50)20〜45μmの磁性微粒子分散型キャリアであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の補給用現像剤。
  7. 単一の静電荷像担持体上にそれぞれ異なった色のトナー像を形成する複数の移動可能な像形成ユニットと、単一の露光位置と単一の転写位置より構成される像形成位置と、前記複数の像形成ユニットを円環状に配置した像形成ユニット群と、前記複数の像形成ユニットのそれぞれを、前記単一の像形成位置に順次移動せしめるため前記像形成ユニット群全体を回転移動させる移動手段とをなし、中間転写体を介して、又は、介さずに転写材上に異なる色のトナー像を、位置を合わせて重ねて転写し、カラー像形成する画像形成装置において、ブラック用補給用現像剤中にキャリアを含み、その他の補給用現像剤中にキャリアを含まないことを特徴とする画像形成装置。
  8. 複数の静電荷像担持体上に順次形成される複数の色のトナー画像を、中間転写体を介さずに順次転写材に転写させる画像形成方法、または、無端状に走行する中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を転写材に一括して二次転写する中間転写体を用いた画像形成装置において、ブラック用補給用現像剤中にキャリアを含み、その他の補給用現像剤中にキャリアを含まないことを特徴とする画像形成装置。
  9. 上記補給用現像剤が、請求項1乃至6のいずれかに記載の補給用現像剤であることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
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