JP2011204795A - 金属端子付き電子部品及びその実装方法、並びにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々のリフロー条件にも耐えうる金属端子付き電子部品を提供すること。
【解決手段】セラミックコンデンサ1は、セラミック焼成体11と端子電極13とを有するコンデンサ素子3と、屈曲部5sを一端側に有する金属端子5と、金属端子5の一端側が端子電極13から張り出すように金属端子5をコンデンサ素子3に接合する接合部7とを備える。接合部7は、熱硬化性樹脂を含むはんだペースト27に含まれていたはんだによって端子電極13と金属端子5とを接合するはんだ接合部21と、はんだペースト27に含まれていた樹脂によってコンデンサ素子3と金属端子5とを接合する樹脂接合部23と、はんだ接合部21と樹脂接合部23との間の遷移領域を構成するはんだ樹脂混在部25とを有し、樹脂接合部23が、端子電極13の下面13bを覆うようになっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属端子付き電子部品及びその実装方法、並びにその製造方法に関するものである。
従来、コンデンサ等からなる電子部品本体を基板から浮かせて表面実装できるようにした金属端子付きの電子部品が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の電子部品は、両端に端子電極が設けられた電子部品本体と、各端子電極にはんだと導電性接着剤との両方で接合された金属端子とを備えている。このような電子部品では、はんだだけでなく導電性接着剤によっても端子電極と金属端子とが接合されていることから、かかる電子部品を基板に実装する際のリフロー工程において、はんだの軟化による金属端子からの電子部品本体の脱落や電子部品本体と端子部材との間での位置ずれ等の発生が低減されている。
特開2000−124062号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電子部品では、電子部品を実装する基板の面に対して直交する方向に広がる端子電極の面と金属端子の面との間を導電性接着剤等で接合しているに過ぎないため、リフロー条件によっては、電子部品本体と金属端子との間の接合が必ずしも確実でない場合があった。このような電子部品にあっては、種々のリフロー条件への対応が求められる場合があり、各種異なるリフロー条件であっても、電子部品本体の脱落や電子部品本体と端子部材との位置ズレ等の発生を確実に低減することが求められる。
本発明は、種々のリフロー条件にも耐えうる金属端子付き電子部品及びその実装方法、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る金属端子付き電子部品は、電子部品素体と当該電子部品素体の端面を覆うように当該端面に設けられた端子電極とを有する電子部品本体と、電子部品本体を外部部材に取り付けるための取付け部を一端側に有する金属端子と、端面に直交する方向から見て金属端子の少なくとも一端側が端子電極から張り出すように金属端子を電子部品本体に接合する接合部と、を備え、接合部は、樹脂含有はんだから形成されており、且つ、樹脂含有はんだに含まれていたはんだによって端子電極と金属端子とを接合するはんだ接合部と、樹脂含有はんだに含まれていた樹脂によって電子部品本体と金属端子とを接合する樹脂接合部と、はんだ接合部と樹脂接合部との間の遷移領域を構成するはんだ樹脂混在部とを有し、樹脂接合部は、端子電極の表面のうち一端側の面を覆っていることを特徴としている。
本発明に係る金属端子付き電子部品では、金属端子を電子部品本体に接合する接合部が樹脂含有はんだから形成されている。そして、この接合部のはんだ接合部は、樹脂含有はんだに含まれていたはんだによって端子電極と金属端子とを接合し、接合部の樹脂接合部は、端子電極の表面のうち一端側の面を覆うように、樹脂含有はんだに含まれていた樹脂によって電子部品本体と金属端子とを接合している。この場合、この金属端子付き電子部品を基板上に実装するためリフロー工程で加熱した際、はんだ接合部が軟化したとしても、端子電極の一端側の面を覆うように形成された樹脂接合部が、端子電極と金属端子との間を接合するだけでなく、端子電極の一端側の面を支えるように作用するので、電子部品本体と金属端子との間の物理的な接続状態が確実に維持され、より強固な接合強度を得ることができる。従って、この金属端子付き電子部品によれば、種々のリフロー条件下においても、電子部品本体の脱落や電子部品本体と端子部材との位置ズレ等の発生を低減することができ、種々のリフロー条件にも耐えうることが可能となる。
上記金属端子付き電子部品によれば、樹脂接合部が端子電極の一端側の面を覆うように形成される一方、端子電極を含む電子部品本体の他端側に樹脂接合部が回り込まないようになっている。このため、樹脂接合部が端子電極の他端側に回り込むような構成を備えた部品に比べ、金属端子付き電子部品を低背化することができる。また、電子部品本体の他端側に樹脂接合部が回り込まないことから、電子部品本体の他端側の表面に、金属端子付き電子部品を基板に実装する際に用いられるマウンタノズルの吸着部分の領域を十分に確保することができる。
本発明に係る金属端子付き電子部品において、端子電極それぞれを覆う樹脂接合部は、互いに離間していてもよい。この場合、端子電極が電子部品素体を被覆する領域を小さくして、電子部品素体の表面の内、端子電極に覆われていない領域を十分に確保し、これにより、電子部品本体にかかる応力をより緩和することができる。
本発明に係る金属端子付き電子部品において、端子電極それぞれを覆う樹脂接合部は、電子部品本体の一端側において互いに連結されていてもよい。この場合、電子部品本体の一端側において樹脂接合部が連結されていることにより、電子部品本体の一端側の表面を支えるように作用するので、電子部品本体と金属端子との間の接続をより強固にすることができる。
本発明に係る金属端子付き電子部品において、樹脂接合部の一端と金属端子の取付け部との距離をt、電子部品本体の他端と取付け部との距離をTとした場合に、金属端子は、0.15≦t/Tの関係が成り立つように電子部品本体に接合されていてもよい。この場合、金属端子付き電子部品を基板等の外部部材に実装した後、外部部材にたわみが発生したとしても、このたわみによる応力を金属端子で緩和することができ、たわみによる電子部品本体と金属端子との間の接合破壊等を抑制することができる。
本発明に係る金属端子付き電子部品において、樹脂含有はんだに含まれる樹脂が熱硬化性樹脂であってもよい。この場合、電子部品本体と金属端子とを接合する樹脂接合部を樹脂含有はんだから比較的簡単に形成させることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂を用いることができる。
本発明に係る金属端子付き電子部品は、電子部品本体を少なくとも二つ備えており、樹脂含有はんだに含まれていた樹脂によって電子部品本体同士を接合する別の樹脂接合部を更に備えているようにしてもよい。この場合、一の電子部品に二つ以上の電子部品本体を搭載することができると共に、これら電子部品本体同士の位置ズレ等を低減することもできる。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る実装方法は、上述したいずれかの金属端子付き電子部品を外部部材に取り付ける実装方法であって、取付け部が外部部材の所定の電極パターン上に位置するように金属端子付き電子部品を外部部材上に配置する工程と、取付け部と電極パターンとを接合するためのはんだを塗布する工程と、はんだを、当該はんだの融点よりも高く且つ樹脂含有はんだに含まれていた樹脂の分解温度よりも低い温度で加熱する工程とを備えていることを特徴としている。この場合、上記同様、種々のリフロー条件下においても、電子部品本体の脱落や電子部品本体と端子部材との位置ズレ等の発生を低減して、電子部品を外部部材に取り付けることができる。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る製造方法は、電子部品素体と当該電子部品素体の端面を覆うように当該端面に設けられた端子電極とを有する電子部品本体を準備する工程と、電子部品本体を外部部材に取り付けるための取付け部を一端側に有する金属端子を準備する工程と、端面に直交する方向から見て金属端子の少なくとも一端側が端子電極から張り出すように電子部品本体と金属端子とを位置決めすると共に端子電極と金属端子との間に樹脂含有はんだを塗布する工程と、樹脂含有はんだを塗布した後、樹脂含有はんだを加熱し、樹脂含有はんだに含まれるはんだを当該加熱により溶融させると共に、樹脂含有はんだに含まれる樹脂を端子電極の表面のうち一端側の面に回り込むように移動させてから当該加熱により硬化させる工程と、を備えていることを特徴としている。
本発明に係る製造方法では、まず、端子電極と金属端子との間に樹脂含有はんだを塗布する。その後、この樹脂含有はんだを加熱し、樹脂含有はんだに含まれるはんだを当該加熱により溶融させると共に、樹脂含有はんだに含まれる樹脂を端子電極の表面のうち一端側の面に回り込むように移動させてから当該加熱により硬化させるようにしている。樹脂含有はんだを用いていることから、はんだと樹脂とを個別に塗布した後に加熱する場合に比べ、電子部品本体と金属端子との接合処理を簡素化させることができる。しかも、樹脂が端子電極の一端側の面に回り込むように移動させてから硬化させているため、当該樹脂が端子電極の一端側の面を支えるように形成される。このため、本製造方法によれば、電子部品本体と金属端子との間の物理的な接続状態を確実に維持できる金属端子付き電子部品を得ることができる。
本発明に係る製造方法において、樹脂含有はんだを加熱する工程では、金属端子の取付け部が下となる状態で樹脂含有はんだを加熱することにより、樹脂含有はんだに含まれる樹脂を端子電極の表面のうち一端側の面に回り込むように移動させてから硬化させるようにしてもよい。この場合、樹脂含有はんだに含まれる樹脂を端子電極の一端側の面に容易に回り込むように移動させることができる。
本発明に係る製造方法において、樹脂含有はんだを塗布する工程では、端子電極と金属端子との間のうち中央から一端側の間に樹脂含有はんだを塗布するようにしてもよい。この場合、樹脂含有はんだを加熱する工程において、樹脂含有はんだに含まれる樹脂が端子電極の他端側の面に回り込むように移動してしまうことを抑制することができる。
本発明によれば、種々のリフロー条件にも耐えうる金属端子付き電子部品及びその実装方法、並びにその製造方法を提供することができる。
金属端子付きセラミックコンデンサの一実施形態を示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 図2におけるIV−IV線断面図である。 金属端子付きセラミックコンデンサの製造方法において、樹脂の塗布工程を示す断面図である。 (a)、(b)は、金属端子付きセラミックコンデンサの製造方法を順に示す側面図である。 金属端子付きセラミックコンデンサの変形例を示す斜視図である。 金属端子付きセラミックコンデンサの別の変形例を示す斜視図である。 金属端子付きセラミックコンデンサの製造方法における樹脂の塗布工程の変形例を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜図4に示されるように、セラミックコンデンサ1は、略直方体形状の積層セラミックコンデンサ素子3(電子部品本体)と、その両端に接合された金属端子5と、金属端子5それぞれをコンデンサ素子3に接合する接合部7とを備えた金属端子付きの電子部品である。本実施形態では、以下、金属端子付きの電子部品として、コンデンサを例にとって説明するが、これに限定されるわけではなく、インダクタやバリスタなどの他の電子部品に金属端子を接合した場合でも同様に適用することができる。
コンデンサ素子3は、略直方体形状のセラミック焼成体11(電子部品素体)と、セラミック焼成体11の両端面11c,11d(図2参照)を覆うように各端面11c,11dに設けられた端子電極13とを備えている。セラミック焼成体11では、誘電体である多層のセラミック誘電体層と金属からなる多層の内部電極とが交互に積層されている。セラミック焼成体11の両端面11c,11dにおいて、内部電極と端子電極13とが接続されることにより、コンデンサが構成される。
金属端子5は、長方形の長板形状の金属からなり、図2に示されるように、前方から見て(側面11eに直交する方向から見て)L字状又は逆L字状になるように一端側(図示下端側)が内側に屈曲されている。金属端子5の一端側に設けられた屈曲部5s(取付け部)が実装基板上の電極パターンにリフローはんだ付けによって取り付けられることにより、実装基板とコンデンサ素子3との電気的接続が図られ、金属端子付きセラミックコンデンサ1が実装基板上でコンデンサとして機能する。
接合部7は、コンデンサ素子3と金属端子5とを接合するものであり、図3に示されるように、側方から見て(端面11cに直交する方向から見て)、金属端子5の一端側がコンデンサ素子3の端子電極13から張り出すように金属端子5をコンデンサ素子3に接合する。接合部7は、詳細については後述するが、コンデンサ素子3の端面(端子電極13の端面13c,13d)と金属端子5との間に熱硬化性樹脂を含むはんだペースト(樹脂含有半田)を塗布後、当該はんだペーストを加熱溶融させることによって形成される。
このようにして形成された接合部7は、はんだペーストに含まれていたはんだによって主に形成されるはんだ接合部21と、はんだペーストに含まれていた熱硬化性樹脂によって主に形成される樹脂接合部23と、はんだ接合部21と樹脂接合部23との間の遷移領域を構成するはんだ樹脂混在部25とから基本的に構成される。なお、接合部7が熱硬化性樹脂を含むはんだペーストを溶融させることによって形成されていることから、はんだ接合部21には、熱硬化性樹脂が多少含まれており、樹脂接合部23には、はんだ成分が多少含まれている。
はんだ接合部21は、端子電極13の端面13c又は13dと金属端子5の内側の面との間にそれぞれ位置しており、コンデンサ素子3の端子電極13と金属端子5とを電気的及び機械的に接合する。はんだ接合部21は、図3に示されるように、端子電極13の上面13a側の端部を除く端面13c,13dの大部分を覆うように形成される。はんだ接合部21は、はんだ樹脂混在部25を介して樹脂接合部23と繋がっている。
樹脂接合部23は、図2及び図4に示されるように、セラミック焼成体11にかかるように端子電極13の下面13b(一端側の面)の全面を覆い、金属端子5とコンデンサ素子3(セラミック焼成体11及び端子電極13)とを機械的に接合する。樹脂接合部23は、より詳細には、端子電極13の下面13bの全面と、端子電極13の側面13e,13f(図4参照)の内、下面13b側の部分と、セラミック焼成体11の下面11bの内、端子電極13側の部分と、セラミック焼成体11の側面11e,11f(図4参照)の内、端子電極13側であって且つ下面11b側の部分とを覆っている。
このような樹脂接合部23それぞれは、連結されずに互いに離間して対向するように形成されている。なお、本実施形態では、樹脂接合部23が導電性フィラー等を含まないため非導電性となっており、金属端子5とコンデンサ素子3とを電気的には接合しないようになっているが、樹脂接合部23が導電性フィラー等を含んで構成され、金属端子5とコンデンサ素子3とを電気的に接合するようにしてもよい。
ところで、本実施形態では、図2に示されるように、セラミックコンデンサ1において、接合部7を構成する樹脂接合部23の下端と金属端子5の屈曲部5sとが所定距離、離れるように形成されている。そして、樹脂接合部23の一端(図示下端)と金属端子5の屈曲部5sとの距離をt、コンデンサ素子3の他端(図示上端)と金属端子5の屈曲部5sとの距離をTとしたときに、金属端子5は、以下の式(1)の関係が成り立つようにコンデンサ素子3に接合されている。
0.15≦t/T・・・(1)
このように距離tと距離Tとが式(1)を満たすように金属端子5をコンデンサ素子3に接合することにより、金属端子5の内、コンデンサ素子3に固定されていない非固定部分の長さ(距離tに対応する部分の長さ)を充分に確保することできる。その結果、セラミックコンデンサ1を基板に実装した際、その基板にたわみや曲げが発生したとしても、金属端子5の内、コンデンサ素子3に固定されていない非固定部分で、基板でのたわみ等による応力を緩和し、金属端子5と端子電極13との間にクラックのような接合破壊が発生するのを抑止するようになっている。
ここで、上述した効果を示すため、セラミックコンデンサ1を基板(不図示)に実装後、当該基板に所定の曲げを加えて金属端子5と端子電極13との間にクラックが発生するか否かについて、距離tと距離Tとを変更させて行った曲げ試験及びその結果について説明する。
この曲げ試験では、条件として、試験数を各100個、実装する基板の材質をガラスエポキシ樹脂、基板の厚みを1.6mm、基板の曲げ量を3.0mmとした。その結果、下記の表1に示すように、距離の比t/Tが0.08,0.10及び0.12の場合には、基板の曲げ試験によって一部でクラックが発生したのに対し、距離の比t/Tが0.15以上である0.15及び0.20の場合、基板の曲げ試験ではクラックが発生しなかった。
Figure 2011204795
以上の結果から明らかなように、上述した式(1)を満たすように金属端子5をコンデンサ素子3に接合することにより、金属端子5と端子電極13との間で発生し得るクラックを抑制することができる。上記の曲げ試験では、セラミックコンデンサ1に対する低背化の要求等を考慮し、距離の比t/Tの上限が0.20となっており、クラックの発生抑止と低背化とを両立させる観点からは、距離の比t/Tが以下の式(2)を満たすことが、より好ましい。
0.15≦t/T≦0.20・・・(2)
なお、距離の比t/Tが0.20より大きくても、金属端子5と端子電極13との間で発生し得るクラックを当然、抑制することはできる。
次に、セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。まず、公知の方法により、セラミック焼成体11と端子電極13とを有するコンデンサ素子3を準備する(素子準備工程)。また、屈曲部5sを一端側に有する金属端子5を2つ準備する(端子準備工程)。
続いて、図5に示されるように、金属端子5の屈曲部5sが形成された一端側が、側方から見て(端面13c,13dに直交する方向から見て)、端子電極13から張り出すようにコンデンサ素子3と金属端子5とを位置決めすると共に、端子電極13の端面13cと一方の金属端子5の内面との間及び端子電極13の端面13dと他方の金属端子5の内面との間それぞれに熱硬化性樹脂を含むはんだペースト27を塗布する(塗布工程)。
ここで用いられるはんだペーストは、例えば、特開2001−219294号公報に記載されているように、有機酸と溶剤と熱硬化性樹脂と硬化剤とを含有するフラックスに、粉末はんだを混練したものである。有機酸としては例えばロジンが用いられ、溶剤としては例えばエチルアルコールが用いられ、熱硬化性樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂が用いられ、硬化剤としてはポリアミン又はカルボン酸無水物が用いられる。また、粉末はんだとしては、例えば共晶はんだ(Sn−Pb系、融点183℃)や鉛フリーはんだ(Sn−Ag−Cu系、融点220℃)などを用いることができる。なお、これらの各材料は、公知技術に基づいて、適宜、調整される。
続いて、位置決めされて、且つ、はんだペースト27が所定箇所に塗布されたコンデンサ素子3と金属端子5とを、図6(a)に示されるように、固定部材31で挟み込み、これにより、仮固定する。
続いて、金属端子5の屈曲部5sが下となる状態で、はんだペーストが塗布されたコンデンサ素子3と金属端子5とを、はんだの融点以上となる温度まで加熱し(例えば、240℃〜250℃で10分リフロー)、はんだペーストに含まれるはんだを溶融させる(加熱工程)。これにより、はんだ接合部21が形成され、コンデンサ素子3の端子電極13と金属端子5とが電気的及び機械的に接合される。
また、このはんだペーストの加熱により、図6(b)に示されるように、はんだペーストに含まれる樹脂成分がフラックスと共にその表面張力により端子電極13の下面13b側に回り込むように移動し、その後、熱硬化性樹脂の硬化温度において、熱硬化性樹脂が硬化する(加熱工程)。これにより、樹脂接合部23が形成され、金属端子5とコンデンサ素子3(セラミック焼成体11及び端子電極13)とが機械的に接合される。なお、熱硬化性樹脂の硬化温度は、例えば、はんだの融点と同等又は低い温度であり、上述した加熱に先立ち、それよりも低い温度によるプレヒートを行うことにより、樹脂成分が硬化する前に端子電極13の下面13b側に樹脂成分が充分に回り込むように移動させてから硬化させるようにしてもよい。
以上により、接合部7によってコンデンサ素子3が金属端子5に接合されたセラミックコンデンサ1が完成する。
続いて、セラミックコンデンサ1において、上記樹脂接合部23が形成されたことによる作用効果について、セラミックコンデンサ1の実装方法を例にとって説明する。
基板への実装にあたり、セラミックコンデンサ1は、実装基板上に形成された所定の電極パターン上に屈曲部5sそれぞれが位置するように、実装基板上に配置される(配置工程)。続いて、屈曲部5sと電極パターンとを接合するため、所定の位置にはんだを塗布する(はんだ塗布工程)。はんだが塗布された後、塗布されたはんだの融点よりも高く且つ樹脂接合部23を構成する熱硬化性樹脂の分解温度(例えば300℃以上)よりも低い温度で、セラミックコンデンサ1が配置された実装基板を加熱し、リフローはんだ付けによってセラミックコンデンサ1を基板に実装する。
リフロー工程においては、はんだ接合部21が高温のリフロー温度(例えば230℃〜290℃)に晒され軟化する場合もあり、また溶融してしまう場合もある。ここで、仮に樹脂接合部23が無いとしても、はんだ接合部21の表面張力などにより、金属端子5と端子電極13との位置関係はある程度維持されると考えられる。ところが、このようなはんだ接合部21が溶融した状態では、例えば振動といった外的要因が加わることにより、金属端子5と端子電極13との位置ズレが発生してしまうおそれがあったり、または最悪の場合、コンデンサ素子3の金属端子5からの脱落が発生してしまうおそれがある。
しかしながら、本実施形態にかかるセラミックコンデンサ1では、金属端子5をコンデンサ素子3に接合する接合部7が熱硬化性樹脂を含むはんだペーストから形成されており、この接合部7のはんだ接合部21は、はんだペーストに含まれていたはんだによって端子電極13と金属端子5とを接合し、接合部7の樹脂接合部23は、端子電極13の下面13bを支えるように、はんだペーストに含まれていた熱硬化性樹脂によってコンデンサ素子3と金属端子5とを接合している。
このため、このセラミックコンデンサ1を基板上に実装するためリフロー工程で加熱した際にはんだ接合部21が軟化したとしても、端子電極13の下面13bを覆うように形成された樹脂接合部23が端子電極13と金属端子5との間を接合するだけでなく、端子電極13の下面13bを支えるように作用するので、コンデンサ素子3と金属端子5との間の物理的な接続状態が確実に維持され、より強固な接合強度を得ることができ、その結果、リフロー工程における位置ズレや脱落が確実に抑制されるようになっている。
このような樹脂接合部23の存在により、実装時のリフロー工程において、はんだ接合部21が溶融し更に振動などが加わったとしても、コンデンサ素子3と金属端子5との物理的な接続状態が少なくとも樹脂接合部23によって維持されるので、コンデンサ素子3と金属端子5との間において位置ズレ等が発生する可能性が低減される。従って、セラミックコンデンサ1によれば、種々のリフロー条件下においても、コンデンサ素子3の脱落やコンデンサ素子3と金属端子5との位置ズレ等の発生を低減することができ、種々のリフロー条件にも耐えうることが可能となる。
また、樹脂接合部23を構成する熱硬化性樹脂の分解温度は、通常、実装時のリフロー温度よりも高いので、実装時のリフロー工程中においても樹脂接合部23が分解されず、樹脂接合部23によるコンデンサ素子3と金属端子5との接続状態は喪失されない。よって、本実施形態にかかるセラミックコンデンサ1によれば、熱硬化性樹脂の分解温度までの高温のリフロー温度にも対応することができる。特に、はんだ接合部21を構成するはんだの融点を超えるようなリフロー温度が要求される場合においても、本実施形態にかかるセラミックコンデンサ1の構成であれば、有効である。
また、セラミックコンデンサ1では、樹脂接合部23がコンデンサ素子3の上面(セラミック焼成体11の上面11aや端子電極13の上面13a)に回り込まないようになっているため、樹脂接合部が上面に配置される場合に比べて、セラミックコンデンサ1を低背化することができる。また、樹脂接合部23がコンデンサ素子3の上面に回り込まないようになっているため、セラミックコンデンサ1を基板に実装する際に用いるマウンタノズルの吸着部分の領域を、コンデンサ素子3の上面に十分確保することもできる。
また、セラミックコンデンサ1では、端子電極13それぞれを覆う樹脂接合部23が、互いに離間している。このため、端子電極13がコンデンサ素子3を被覆する領域がそれほど大きくならず、コンデンサ素子3の表面の内、端子電極13に覆われていない領域を十分に確保することができる。このように非被覆領域を十分に確保することにより、セラミックコンデンサ1では、コンデンサ素子3にかかる応力を緩和できるようになっている。
また、セラミックコンデンサ1では、金属端子5が、0.15≦t/Tの関係が成り立つようにコンデンサ素子3に接合されている。このため、セラミックコンデンサ1を基板等の外部部材に実装した後、実装基板にたわみ等による曲げが発生したとしても、曲げによる応力を金属端子で緩和することができ、コンデンサ素子3と金属端子5との間の接合破壊等を効果的に抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、コンデンサ素子3が、互いに独立した二つの樹脂接合部23でその端部を支えられるような構成となっているが、図7に示されるように、端子電極13それぞれを覆う樹脂接合部23がコンデンサ素子3の下面側において互いに連結されるような構成であってもよい。このような構成の場合、コンデンサ素子3の下面側において樹脂接合部23が連結されていることにより、コンデンサ素子3の下面全体を支えるように作用するので、コンデンサ素子3と金属端子5との間の接続をより強固にすることができる。
また、上記実施形態では、コンデンサ素子3が1つの場合で説明したが、図8に示されるように、2つのコンデンサ素子3を上下方向に積層し、熱硬化性樹脂を含む半田ペーストを用いて、これらコンデンサ素子3同士を接合部47によって接合して、セラミックコンデンサ41を得るようにしてもよい。この場合、一の金属端子付き電子部品に二つ以上のコンデンサ素子3を搭載することができ、これらコンデンサ素子3を上述した場合と同様に金属端子5にそれぞれ接合してコンデンサ素子3と金属端子5との位置ズレ等を低減でき、しかも、これらコンデンサ素子3同士の位置ズレ等も接合部47によって低減することができる。
また、上記実施形態における製造方法では、熱硬化性樹脂を含むはんだペーストの塗布工程において、端子電極13の端面13c又は13dと金属端子5の内面との間の大部分に熱硬化性樹脂を含むはんだペースト27を塗布するようにしていたが、図9に示されるように、端子電極13の端面13c又は13dと金属端子5の内面との間のうち中央から一端側(図示下側)の間にのみはんだペースト27を塗布するようにしてもよい。この場合、加熱工程において、はんだペースト27に含まれる熱硬化性樹脂が端子電極13の他端側の面(図1に示す端子電極13の上面側)に回り込むように移動してしまうことを効率的に抑制することができる。
また、上記実施形態では、熱硬化性樹脂として例えばエポキシ樹脂を例にとって説明したが、他の熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹を含有するはんだペーストを用いてもよい。
1,41…セラミックコンデンサ、3…コンデンサ素子、5…金属端子、5s…屈曲部、7…接合部、11…セラミック焼成体、13…端子電極、21…はんだ接合部、23…樹脂接合部、27…はんだペースト、47…接合部。

Claims (10)

  1. 電子部品素体と当該電子部品素体の端面を覆うように当該端面に設けられた端子電極とを有する電子部品本体と、
    前記電子部品本体を外部部材に取り付けるための取付け部を一端側に有する金属端子と、
    前記端面に直交する方向から見て前記金属端子の少なくとも一端側が前記端子電極から張り出すように前記金属端子を前記電子部品本体に接合する接合部と、を備え、
    前記接合部は、樹脂含有はんだから形成されており、且つ、前記樹脂含有はんだに含まれていたはんだによって前記端子電極と前記金属端子とを接合するはんだ接合部と、前記樹脂含有はんだに含まれていた樹脂によって前記電子部品本体と前記金属端子とを接合する樹脂接合部と、前記はんだ接合部と前記樹脂接合部との間の遷移領域を構成するはんだ樹脂混在部とを有し、
    前記樹脂接合部は、前記端子電極の表面のうち一端側の面を覆っていることを特徴とする金属端子付き電子部品。
  2. 前記端子電極それぞれを覆う前記樹脂接合部は、互いに離間していることを特徴とする請求項1に記載の金属端子付き電子部品。
  3. 前記端子電極それぞれを覆う前記樹脂接合部は、前記電子部品本体の一端側において互いに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の金属端子付き電子部品。
  4. 前記樹脂接合部の一端と前記金属端子の前記取付け部との距離をt、前記電子部品本体の他端と前記取付け部との距離をTとした場合に、前記金属端子は、
    0.15≦t/T
    の関係が成り立つように前記電子部品本体に接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属端子付き電子部品。
  5. 前記樹脂含有はんだに含まれる樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属端子付き電子部品。
  6. 前記電子部品本体を少なくとも二つ備えており、
    前記樹脂含有はんだに含まれていた樹脂によって前記電子部品本体同士を接合する別の樹脂接合部を更に備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属端子付き電子部品。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属端子付き電子部品を前記外部部材に取り付ける実装方法であって、
    前記取付け部が前記外部部材の所定の電極パターン上に位置するように前記金属端子付き電子部品を前記外部部材上に配置する工程と、
    前記取付け部と前記電極パターンとを接合するためのはんだを塗布する工程と、
    前記はんだを、前記はんだの融点よりも高く且つ前記樹脂含有はんだに含まれていた樹脂の分解温度よりも低い温度で加熱する工程と、
    を備えていることを特徴とする実装方法。
  8. 電子部品素体と当該電子部品素体の端面を覆うように当該端面に設けられた端子電極とを有する電子部品本体を準備する工程と、
    前記電子部品本体を外部部材に取り付けるための取付け部を一端側に有する金属端子を準備する工程と、
    前記端面に直交する方向から見て前記金属端子の少なくとも一端側が前記端子電極から張り出すように前記電子部品本体と前記金属端子とを位置決めすると共に前記端子電極と前記金属端子との間に樹脂含有はんだを塗布する工程と、
    前記樹脂含有はんだを塗布した後、前記樹脂含有はんだを加熱し、前記樹脂含有はんだに含まれるはんだを当該加熱により溶融させると共に、前記樹脂含有はんだに含まれる樹脂を前記端子電極の表面のうち一端側の面に回り込むように移動させてから当該加熱により硬化させる工程と、
    を備えていることを特徴とする金属端子付き電子部品の製造方法。
  9. 前記樹脂含有はんだを加熱する工程では、前記金属端子の前記取付け部が下となる状態で前記樹脂含有はんだを加熱することにより、前記樹脂含有はんだに含まれる樹脂を前記端子電極の表面のうち一端側の面に回り込むように移動させてから硬化させることを特徴とする請求項8に記載の金属端子付き電子部品の製造方法。
  10. 前記樹脂含有はんだを塗布する工程では、前記端子電極と前記金属端子との間のうち中央から一端側の間に前記樹脂含有はんだを塗布することを特徴とする請求項8又は9に記載の金属端子付き電子部品の製造方法。
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