以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜3を参照して、本実施形態に係る電子部品EC1の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電子部品を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る電子部品の断面構成を説明するための図である。図3は、本実施形態に係る電子部品の断面構成を説明するための図である。
電子部品EC1は、図1〜3に示されるように、複数の積層コンデンサ(本実施形態では、第一及び第二積層コンデンサC1,C2)と、第一金属端子T1と、第二金属端子T2と、を備えている。
第一積層コンデンサC1は、誘電特性を有する第一素体L1と、第一素体L1の外表面に配置される第一端子電極1と、第一素体L1の外表面に配置される第二端子電極2と、を備えている。
第一素体L1は、略直方体状であり、その外表面として、互いに対向する一対の第一端面L1a,L1bと、四つの第一側面L1c〜L1fと、を有する。各第一側面L1c〜L1fは、一対の第一端面L1a,L1b間を連結するように一対の第一端面L1a,L1bの対向方向に延びている。第一側面L1cと第一側面L1dとは互いに対向し、第一側面L1eと第一側面L1fとは互いに対向している。一対の第一側面L1c,L1dは、略長方形状を呈する。一対の第一端面L1a,L1bは、第一側面L1c,L1dの長辺方向で対向し、第一側面L1c,L1dの短辺方向に延びている。一対の第一側面L1e,L1fは、第一側面L1c,L1dの短辺方向で対向し、第一側面L1c,L1dの長辺方向に延びている。
第一素体L1は、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向に複数の絶縁体層が積層されて構成されている。すなわち、第一素体L1では、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向が、複数の絶縁体層の積層方向と一致する。各絶縁体層は、例えば誘電体セラミック(BaTi)O3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系等の誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の第一素体L1では、各絶縁体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
第一端子電極1は、第一素体L1の第一端面L1a側に配置されている。第一端子電極1は、第一端面L1a全面を覆うように、四つの第一側面L1c〜L1fの端部(第一端面L1a側の端部)に亘って形成されている。すなわち、第一端子電極1は、第一端面L1aに配置される第一電極部分1aを有する。
第二端子電極2は、第一素体L1の第一側面L1d側に配置されている。第二端子電極2は、第一側面L1cにおける一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の略中央を、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第二端子電極2は、第一側面L1cに配置される第二電極部分2aを有する。
第一及び第二端子電極1,2は、たとえば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを第一素体L1の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた端子電極の上にめっき層が形成されることもある。第一及び第二端子電極1,2は、第一素体L1の外表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
積層コンデンサC1は、複数の内部電極として、複数の第一内部電極11と、複数の第二内部電極12と、を備えている。第一内部電極11及び第二内部電極12は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、Ni又はCuなど)からなる。第一内部電極11及び第二内部電極12は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
図2及び図3に示されるように、第一内部電極11と第二内部電極12とは、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向(複数の絶縁体層の積層方向)において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、第一内部電極11と第二内部電極12とは、第一素体L1内において、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向に間隔を有して対向するように交互に配置されている。第一内部電極11と第二内部電極12とは、一対の第一側面L1c,L1dに直交するように第一素体L1内に配置されている。
図4を参照して、積層コンデンサC1の内部電極について説明する。図4の(a)は、第一内部電極11を第一側面L1e,L1fの対向方向から見た模式図である。
第一内部電極11は、主電極部11aと、引出電極部11bと、を有している。引出電極部11bは、主電極部11aから第一端面L1aに露出するように延びている。主電極部11aと、引出電極部11bとは、一体的に形成されている。
主電極部11aは、一対の第一端面L1a,L1bの対向方向を長辺方向とし、一対の第一側面L1c,L1dの対向方向を短辺方向とする矩形形状を呈している。引出電極部11bは、主電極部11aの第一端面L1a側の端部から主電極部11aと同じ幅で第一端面L1bに対して延びている。引出電極部11bは、その端が第一端面L1aに露出し、当該露出した端部で第一端子電極1(第一電極部分1a)に接続されている。
第一端子電極1の第一電極部分1aは、引出電極部11bの第一端面L1aに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部11bは、第一電極部分1aに物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第一内部電極11は、第一電極部分に接続されることとなる。
図4の(b)は、第二内部電極12を第一側面L1e,L1fの対向方向から見た模式図である。
第二内部電極12は、主電極部12aと、引出電極部12bと、を有している。引出電極部12bは、主電極部12aから第一側面L1dに露出するように延びている。主電極部12aと、引出電極部12bとは、一体的に形成されている。主電極部12aは、第一内部電極11(主電極部11a)と対向して配置されている(図3参照)。
主電極部12aは、一対の第一端面L1a,L1bの対向方向を長辺方向とし、一対の第一側面L1c,L1dの対向方向を短辺方向とする矩形形状を呈している。引出電極部12bは、主電極部12aの第一側面L1d側の端部から主電極部12aより狭い幅で第一側面L1dまで延びている。引出電極部12bは、その端が第一側面L1dに露出し、当該露出した端部で第二端子電極2(第二電極部分2a)に接続されている。
第二端子電極2の第二電極部分2aは、引出電極部12bの第一側面L1dに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部12bは、第二電極部分2aに物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第二内部電極12は、第二電極部分2aに接続されることとなる。
第二積層コンデンサC2は、誘電特性を有する第二素体L2と、第二素体L2の外表面に配置される第三端子電極3と、第二素体L2の外表面に配置される第四端子電極4と、を備えている。
第二素体L2は、略直方体状であり、その外表面として、互いに対向する一対の第二端面L2a,L2bと、四つの第二側面L2c〜L2fと、を有する。各第二側面L2c〜L2fは、一対の第二端面L2a,L2b間を連結するように一対の第二端面L2a,L2bの対向方向に延びている。第二側面L2cと第二側面L2dとは互いに対向し、第二側面L2eと第二側面L2fとは互いに対向している。一対の第二側面L2c,L2dは、略長方形状を呈する。一対の第二端面L2a,L2bは、第二側面L2c,L2dの長辺方向で対向し、第二側面L2c,L2dの短辺方向に延びている。一対の第二側面L2e,L2fは、第二側面L2c,L2dの短辺方向で対向し、第二側面L2c,L2dの長辺方向に延びている。
第二素体L2は、第一素体L1と同様に、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向に複数の絶縁体層が積層されて構成されている。すなわち、第二素体L2では、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向が、複数の絶縁体層の積層方向と一致する。各絶縁体層は、例えば誘電体セラミック(BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系等の誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の第二素体L2でも、各絶縁体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
第三端子電極3は、第二素体L2の第二端面L2b側に配置されている。第三端子電極3は、第二端面L2b全面を覆うように、四つの第二側面L2c〜L2fの端部(第二端面L2a側の端部)に亘って形成されている。すなわち、第三端子電極3は、第二端面L2bに配置される第三電極部分3aを有する。
第四端子電極4は、第二素体L2の第二側面L2c側に配置されている。第四端子電極4は、第二側面L2cにおける一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の略中央を、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第四端子電極4は、第二側面L2cに配置される第四電極部分4aを有する。
第三及び第四端子電極3,4とも、たとえば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを第二素体L2の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた端子電極の上にめっき層が形成されることもある。第三及び第四端子電極3,4は、第二素体L2の外表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第二積層コンデンサC2は、複数の内部電極として、複数の第三内部電極13と、複数の第四内部電極14と、を備えている。第三内部電極13及び第四内部電極14も、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、Ni又はCuなど)からなる。第三内部電極13及び第四内部電極14は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
図3に示されるように、第三内部電極13と第四内部電極14とは、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向(複数の絶縁体層の積層方向)において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、第三内部電極13と第四内部電極14とは、第二素体L2内において、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向に間隔を有して対向するように交互に配置されている。第三内部電極13と第四内部電極14とは、一対の第二側面L2c,L2dに直交するように第二素体L2内に配置されている。
図4の(c)は、第三内部電極13を第二側面L2e,L2fの対向方向から見た模式図である。
第三内部電極13は、主電極部13aと、引出電極部13bと、を有している。引出電極部13bは、主電極部13aから第二端面L2bに露出するように延びている。主電極部13aと、引出電極部13bとは、一体的に形成されている。
主電極部13aは、一対の第二端面L2a,L2bの対向方向を長辺方向とし、一対の第二側面L2c,L2dの対向方向を短辺方向とする矩形形状を呈している。引出電極部13bは、主電極部13aの第二端面L2b側の端部から主電極部13aと同じ幅で第二端面L2aまで延びている。引出電極部13bは、その端が第二端面L2bに露出し、当該露出した端部で第三端子電極3(第三電極部分3a)に接続されている。
第三端子電極3の第三電極部分3aは、引出電極部13bの第二端面L2bに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部13bは、第三端子電極3に物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第三内部電極13は、第三電極部分3aに接続されることとなる。
図4の(d)は、第四内部電極14を第一側面L1e,L1fの対向方向から見た模式図である。
第四内部電極14は、主電極部14aと、引出電極部14bと、を有している。引出電極部14bは、主電極部14aから第二側面L2cに露出するように延びている。主電極部14aと、引出電極部14bとは、一体的に形成されている。主電極部14aは、第三内部電極13(主電極部13a)と対向している(図3参照)。
第二端子電極2の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅と、第四端子電極4の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅と、は略同等に設定されている。
主電極部14aは、一対の第二端面L2a,L2bの対向方向を長辺方向とし、一対の第二側面L2c,L2dの対向方向を短辺方向とする矩形形状を呈している。引出電極部14bは、主電極部14aの第二側面L2c側の端部から主電極部14aより狭い幅で第二側面L2cまで延びている。引出電極部14bは、その端が第二側面L2cに露出し、当該露出した端部で第四端子電極4(第四電極部分4a)に接続されている。
第四端子電極4の第四電極部分4aは、引出電極部14bの第二側面L2cに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部14bは、第四電極部分4aに物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第四内部電極14は、第四電極部分4aに接続されることとなる。
第一金属端子T1は、第一積層コンデンサC1の第一端面L1aと第二積層コンデンサC2の第二端面L2aとに対向するように配置されている。第一金属端子T1は、第一端子部分T1aと第二端子部分T1bと第三端子部分T1cとを有する。
第一端子部分T1aは、第一端面L1aと第二端面L2aとに対向して位置し、第一端面L1a,L1bの対向方向から見て略矩形状である。第一端子部分T1aには、第一電極部分1aを有する第一端子電極1が接続されている。第一金属端子T1は、第一端子電極1に接続されている。第一金属端子T1と第一端子電極1とは、たとえば、はんだ(不図示)により接続される。
第二端子部分T1bは、他の電子機器Sに接続される。第三端子部分T1cは、第一端子部分T1aと第二端子部分T1bとを連結している。第一端子部分T1aと第二端子部分T1bとは互いに交差する方向(本実施形態では、互いに直交する方向)に、それぞれ延びている。第一端子部分T1a、第二端子部分T1b、及び第三端子部分T1cは、一体的に形成されている。第一金属端子T1は、たとえば、Fe−Ni合金などの金属材料からなる。
第二金属端子T2は、第一積層コンデンサC1の第一端面L1bと第二積層コンデンサC2の第二端面L2bとに対向するように配置されている。第二金属端子T2は、第一金属端子T1とともに第一及び第二積層コンデンサC1,C2を挟むように、第一金属端子T1に対向して配置されている。第二金属端子T2は、第四端子部分T2aと第五端子部分T2bと第六端子部分T2cとを有する。
第四端子部分T2aは、第一端面L1bと第二端面L2bとに対向して位置し、第一端面L1a,L1bの対向方向から見て略矩形状である。第四端子部分T2aには、第三電極部分3aを有する第三端子電極3が接続されている。第二金属端子T2は、第三端子電極3に接続されている。第二金属端子T2と第三端子電極3とは、たとえば、はんだ(不図示)により接続される。
第五端子部分T2bは、他の電子機器Sに接続される。第六端子部分T2cは、第四端子部分T2aと第五端子部分T2bとを連結している。第四端子部分T2aと第五端子部分T2bとは互いに交差する方向(本実施形態では、互いに直交する方向)に、それぞれ延びている。第四端子部分T2a、第五端子部分T2b、及び第六端子部分T2cは、一体に形成されている。第二金属端子T2は、たとえば、Fe−Ni合金などの金属材料からなる。
図1に示されるように、第一積層コンデンサC1は、位置決め部材ST1,ST2によって、固定されている。一対の位置決め部材ST1は、第一端子部分T1aにおける第一積層コンデンサC1に対応する領域及び第一端子電極1と接し、且つ、第一素体L1の第一側面L1e,L1f側に対向するように設けられている。一対の位置決め部材ST2は、第三端子部分T2aにおける第一積層コンデンサC1に対応する領域と接し、且つ、第一素体L1の第一側面L1e,L1f側に対向するように設けられている。
第二積層コンデンサC2は、位置決め部材ST3,ST4によって、固定されている。一対の位置決め部材ST2は、第一端子部分T1aにおける第二積層コンデンサC2に対応する領域と接し、且つ、第二素体L2の側面L2e,L2f側に対向するように設けられている。一対の位置決め部材ST4は、第三端子部分T2aにおける第二積層コンデンサC2に対応する領域及び第三端子電極3と接し、且つ、第二素体L2の側面L2e,L2f側に対向するように設けられている。
電子部品EC1では、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とが、第一側面L1dと第二側面L2cとが対向するように配置されている。第一側面L1dに配置された第二電極部分2aを有する第二端子電極2と、第二側面L2dに配置された第四電極部分4aを有する第四端子電極4と、が接続されている。
電子部品EC1は、第一積層コンデンサC1の第一側面L1dが他の電子機器Sと対向する状態で、他の電子機器Sに実装される。すなわち、第一側面L1dが他の電子機器Sと対向する実装面とされている。
以上のように、本実施形態では、第一金属端子T1が第一電極部分1aを有する第一端子電極1と接続され、第二金属端子T2が第三電極部分3aを有する第三端子電極と接続され、第二電極部分2aを第二端子電極2と第四電極部分4aを第四端子電極4とが互いに接続されているため、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とは、直列接続されている。したがって、図5にも示されるように、電子部品EC1は、第一金属端子T1と第二金属端子T2との間の電流経路として、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とが直列に接続された経路が構成されることとなる。
第一金属端子T1は、第一端面L1aと第二端面L2aとに対向するように配置され、第二金属端子T2は、第一端面L1bと第二端面L2bとに対向するように配置され、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とは、第二端子電極2が配置された第一側面L1dと第四端子電極4が配置された第二側面L2cとが対向するように配置されている。
第一金属端子T1と第二金属端子T2とは、第一積層コンデンサC1の第一端面L1a,L1bの対向方向と、第二積層コンデンサC2の第二端面L2a,L2bの対向方向と、に離間して配置される。第一金属端子T1と第二金属端子T2とが、第一素体L1の長手方向での第一積層コンデンサC1の長さ程度離間して配置される。
よって、本実施形態は、第一積層コンデンサC1の第一端面L1a,L1bの対向方向と、第二積層コンデンサC2の第二端面L2a,L2bの対向方向と、が同一方向になるように第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とが配置された場合に比べ、接続箇所の外部から加えられる力に対する機械的強度が高くなる。即ち、第一金属端子T1と第二金属端子T2とが、第一素体L1の長手方向での第一積層コンデンサC1の長さ及び第二素体L2の長手方向での第二積層コンデンサC2の長さ程度離間して配置された場合に比べ、接続箇所の外部から加えられる力に対する機械的強度が高くなる。
第一積層コンデンサC1の第一端面L1a,L1bの対向方向と、第二積層コンデンサC2の第二端面L2a,L2bの対向方向と、が同一方向になるように第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とが配置された場合、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とは、例えば、第一端面L1bと第二端面L2aとが互いに接する。この場合、電子部品EC1の接続箇所には、第一側面L1c、L1dの対向方向と、第一側面L1e,L1fの対向方向からの加えられた力が作用する。
これに対し、本実施形態のように、第一側面L1dと第二側面L2cとが対向するように第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とが配置された場合、電子部品EC1の接続箇所には、第一側面L1e,L1fの対向方向が作用し、第一側面L1c、L1dの対向方向との力が作用しにくい。したがって、接続箇所に作用する力の方向が規制され、作用する力の方向の数を減らすことができる。よって、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とを直列接続しつつ、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2との接続箇所の機械強度を高めることができる。
第一積層コンデンサC1における内部電極間の距離が、第二積層コンデンサC2における内部電極間の距離よりも長い場合、第一積層コンデンサC1の静電容量は、第二積層コンデンサC2の静電容量より小さくなる。静電容量が互いに異なる積層コンデンサが直列接続されるため、電子部品EC1に高負荷の電圧が印加された場合であっても、耐電圧の低い積層コンデンサから故障することにより、他の積層コンデンサが保護される。よって、電子部品EC1の耐電圧性を高めることができる。
本実施形態では、第四電極部分4aが配置される第二側面L2cに対向する第二側面L2dが、第一及び第二金属端子T1,T2が接続される他の電子機器Sに対向し、他の電子機器Sに実装されている。この場合、第一積層コンデンサC1は、他の電子機器Sから見て、第二積層コンデンサC2の上方に位置することとなる。したがって、電子部品EC1の実装面積が小さい。よって、実装面積を大きくすることなく、電子部品EC1を他の電子機器Sに実装することができる。
本実施形態では、第一内部電極11と第二内部電極12とは、第二電極部分2aが配置された第一側面L1dに直交するように第一素体L1内に配置され、第三内部電極13と第四内部電極14とは、第四電極部分4aが配置された第二側面L2cに直交するように第二素体L2内に配置されている。これにより、第一及び第二積層コンデンサC1,C2における内部電極の積層数が増加した場合でも、第一内部電極11と第二内部電極12との電流経路の長さ及び第三内部電極13と第四内部電極14との電流経路の長さの増加が抑制される。この結果、第一及び第二積層コンデンサC1,C2のESL(等価直列インダクタンス)の増加を抑制することができる。
本実施形態では、第一金属端子T1は、第一端面L1a及び第二端面L2aに対向する第一部分T1aと、他の電子機器Sに接続される第二部分T1bと、第一部分T1aと第二部分T1bとを連結する第三部分T1cとを有している。第二金属端子T2は、第一端面L1b及び第二端面L2bに対向する第四部分T2aと、他の電子機器Sに接続される第五部分T2bと、第四部分と第五部分とを連結する第六部分T2cとを有していている。この場合、第三部分T1c及び第六部分T2cの長さだけ第一及び第二積層コンデンサC1,C2を他の電子機器Sより離間して実装される。このため、第一及び第二積層コンデンサC1,C2に生じる機械的歪みによって発生する電歪振動が他の電子部品へ伝達することを抑制することができ、鳴きの発生を抑制することができる。
次に、図6を参照して、本実施形態の変形例に係る電子部品EC2の構成を説明する。図6は、本実施形態の変形例に係る電子部品の断面構成を説明するための図である。本変形例は、第一及び第二積層コンデンサC1,C2の構成に関して、上述した実施形態と相違する。
電子部品EC2も、図6に示されるように、第一積層コンデンサC1と、第二積層コンデンサC2と、第一金属端子T1と、第二金属端子T2と、を備えている。
第一積層コンデンサC1において、第二端子電極2は、四つの第一側面L1c〜L1fに亘るように第一素体L1に配置されている。第二端子電極2は、第一側面L1dだけでなく、第一側面L1d以外の第一側面L1c,L1e,L1fにも配置されている。第二端子電極2は、各第一側面L1c〜L1fにおける一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の略中央を、一対の第一端面L1a,L1bの対向方向と直交する方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第二端子電極2は、第二電極部分2aと、第二電極部分2aに連続し且つ第一側面L1d以外の第一側面L1c,L1e,L1fにそれぞれ配置される第二電極部分2aを有する。
第二積層コンデンサC2において、第四端子電極4は、四つの第二側面L2c〜L2fに亘るように第二素体L2に配置されている。第四端子電極4は、第二側面L2cだけでなく、第二側面L2c以外の第二側面L2d,L2e,L2fにも配置されている。第四端子電極4は、各第二側面L2c〜L2fにおける一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の略中央を、一対の第二端面L2a,L2bの対向方向と直交する方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第四端子電極4は、第四電極部分4aと、第四電極部分4aに連続し且つ第二側面L2c以外の第二側面L2d,L2e,L2fにそれぞれ配置される第四電極部分4aを有する。
第二端子電極2の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅と、第四端子電極4の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅と、は略同等に設定されている。
本変形例では、第二端子電極2が四つの第一側面L1c〜L1fに位置すると共に、第四端子電極4が四つの第二側面L2c〜L2fに位置している。これにより、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とを接続する際に、第一積層コンデンサC1の第一側面L1c〜L1fの方向性及び第二積層コンデンサC2の第二側面L2c〜L2fの方向性がないため、作業性が向上する。
次に、図7を参照して、本実施形態の変形例に係る電子部品EC3の構成を説明する。図7は、本実施形態の変形例に係る電子部品を示す斜視図である。本変形例は、第二金属端子T2の構成に関して、上述した実施形態と相違する。
電子部品EC3も、図7に示されるように、第一積層コンデンサC1と、第二積層コンデンサC2と、第一金属端子T1と、第二金属端子T2と、を備えている。
本変形例では、第一金属端子T1は、第一積層コンデンサC1の第一端面L1aと第二積層コンデンサC2の第二端面L2aとに対向するように配置されている。第二金属端子T2は、第二積層コンデンサC2の第二端面L2bに対向するように配置されている。即ち、本変形例において、第二金属端子T2は、第一積層コンデンサC1の第一端面L1bに対向していない。
このように構成した場合であっても、第一金属端子T1は、第一端子電極1に接続され、第二金属端子T2は、第四端子電極4に接続されているため、電子部品EC3は、直列回路を構成することができる。第二金属端子T2は、第一金属端子T1とで第二積層コンデンサC2を挟むように、第一金属端子T1に対向して配置されている。よって、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
次に、図8を参照して、本実施形態の変形例に係る電子部品EC4の構成を説明する。図8は、本実施形態の他の変形例に係る電子部品を示す斜視図である。本変形例は、第一及び第二積層コンデンサC1,C2の構成に関して、上述した実施形態と相違する。
電子部品EC4も、図8に示されるように、第一積層コンデンサC1と、第二積層コンデンサC2と、第一金属端子T1と、第二金属端子T2と、を備えている。本変形例では、第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とは、第一金属端子T1及び第二金属端子T2が他の電子機器Sに接する方向と交差するように併置されている。
第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とは、第二電極部分2aを有する第一側面L1dと、第四電極部分4aを有する第二側面L2cとの対向方向が、第一端子部分T1aと、第二端子部分T1bとが離間する方向と交差するように併置されている。
第二端子電極2は、第一素体L1の第一側面L1f側に配置されている。第二端子電極2は、第一側面L1fにおける一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の略中央を、一対の第一側面L1c,L1dの対向方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第二端子電極2は、第一側面L1fに配置される第二電極部分2aを有する。
第四端子電極4は、第二素体L2の第二側面L2e側に配置されている。第四端子電極4は、第二側面L2eにおける一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の略中央を、一対の第二側面L2c,L2dの対向方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第四端子電極4は、第二側面L2eに配置される第四電極部分4aを有する。第二端子電極2の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅と、第四端子電極4の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅と、は略同等に設定されている。
このように構成した場合であっても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の好適な実施形態及び実施形態の変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
内部電極11〜14の数及び形状は、上述した実施形態及び変形例における数及び形状に限られない。第一積層コンデンサC1と第二積層コンデンサC2とにおいて、内部電極11〜14の数が異なっていてもよい。積層コンデンサの数も、二つに限られることなく、三つ以上であってもよい。
第二端子電極2の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅と、第四端子電極4の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅と、は略同等に設定されている場合に限られず、異なっていてもよい。
上述した実施形態において、第一及び第二積層コンデンサC1,C2は、位置決め部材ST1〜ST4によって、固定されている場合を説明したが、これに限定されない。第一及び第二積層コンデンサC1,C2は、第一及び第二金属端子T1,T2に対向して、配置されていればよい。