以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜図3を参照して、本実施形態に係る電子部品EC1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る電子部品を示す斜視図である。図2及び図3は、本実施形態に係る電子部品の断面構成を説明するための図である。
電子部品EC1は、図1〜3に示されるように、複数の積層貫通コンデンサ(本実施形態では、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2)と、第一金属端子T1と、第二金属端子T2と、を備えている。
第一積層貫通コンデンサC1は、誘電特性を有する第一素体L1と、第一素体L1の外表面に配置される第一及び第二信号用端子電極1,2と、第一素体L1の外表面に配置される第一接地用端子電極3と、を備えている。
第一素体L1は、略直方体状であり、その外表面として、互いに対向する一対の第一端面L1a,L1bと、四つの第一側面L1c〜L1fと、を有する。各第一側面L1c〜L1fは、一対の第一端面L1a,L1b間を連結するように一対の第一端面L1a,L1bの対向方向に延びている。第一側面L1cと第一側面L1dとは互いに対向し、第一側面L1eと第一側面L1fとは互いに対向している。一対の第一側面L1c,L1dは、略長方形状を呈する。一対の第一端面L1a,L1bは、第一側面L1c,L1dの長辺方向で対向し、第一側面L1c,L1dの短辺方向に延びている。一対の第一側面L1e,L1fは、第一側面L1c,L1dの短辺方向で対向し、第一側面L1c,L1dの長辺方向に延びている。
第一素体L1は、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向に複数の絶縁体層が積層されて構成されている。すなわち、第一素体L1では、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向が、複数の絶縁体層の積層方向と一致する。各絶縁体層は、例えば誘電体セラミック(BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系等の誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の第一素体L1では、各絶縁体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
第一信号用端子電極1は、第一素体L1の第一端面L1a側に配置されている。第一信号用端子電極1は、第一端面L1a全面を覆うように、四つの第一側面L1c〜L1fの端部(第一端面L1a側の端部)に亘って形成されている。すなわち、第一信号用端子電極1は、第一端面L1aに配置される電極部分1aを有する。第二信号用端子電極2は、第一素体L1の第一端面L1b側に配置されている。第二信号用端子電極2は、第一端面L1b全面を覆うように、四つの第一側面L1c〜L1fの端部(第一端面L1b側の端部)に亘って形成されている。すなわち、第二信号用端子電極2は、第一端面L1bに配置される電極部分2aを有する。第一及び第二信号用端子電極1,2は、一対の第一端面L1a,L1bの対向方向で対向している。
第一接地用端子電極3は、第一素体L1の第一側面L1c側と第一側面L1d側とに配置されている。第一接地用端子電極3は、各第一側面L1c,L1dにおける一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の略中央を、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第一接地用端子電極3は、一対の第一側面L1c,L1dにそれぞれ配置される第一電極部分3a,3bを有する。第一接地用端子電極3の第一電極部分3aの幅(一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の幅)と、第一接地用端子電極3の第一電極部分3bの幅(一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の幅)と、は略同等に設定されている。
第一及び第二信号用端子電極1,2と第一接地用端子電極3とは、たとえば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを第一素体L1の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた端子電極の上にめっき層が形成されることもある。第一及び第二信号用端子電極1,2と第一接地用端子電極3とは、第一素体L1の外表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第一積層貫通コンデンサC1は、図2及び図3に示されるように、複数の内部電極として、複数の第一信号用内部電極11と、複数の第一接地用内部電極13と、を備えている。第一信号用内部電極11及び第一接地用内部電極13は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、Ni又はCuなど)からなる。第一信号用内部電極11及び第一接地用内部電極13は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
第一信号用内部電極11と第一接地用内部電極13とは、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向(複数の絶縁体層の積層方向)において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、第一信号用内部電極11と第一接地用内部電極13とは、第一素体L1内において、一対の第一側面L1e,L1fの対向方向に間隔を有して対向するように交互に配置されている。第一信号用内部電極11と第一接地用内部電極13とは、一対の第一側面L1c,L1dに直交するように第一素体L1内に配置されている。
図4の(a)にも示されるように、第一信号用内部電極11は、主電極部11aと、一対の引出電極部11b,11cと、を有している。引出電極部11bは、主電極部11aから第一端面L1aに露出するように延びている。引出電極部11cは、主電極部11aから第一端面L1bに露出するように延びている。主電極部11aと、引出電極部11b,11cとは、一体的に形成されている。
主電極部11aは、一対の第一端面L1a,L1bの対向方向を長辺方向とし、一対の第一側面L1c,L1dの対向方向を短辺方向とする矩形形状を呈している。引出電極部11bは、主電極部11aの第一端面L1a側の端部から主電極部11aと同じ幅で第一端面L1aまで延びている。引出電極部11bは、その端が第一端面L1aに露出し、当該露出した端部で第一信号用端子電極1(電極部分1a)に接続されている。引出電極部11cは、主電極部11aの第一端面L1b側の端部から主電極部11aと同じ幅で第一端面L1bまで延びている。引出電極部11cは、その端が第一端面L1bに露出し、当該露出した端部で第二信号用端子電極2(電極部分2a)に接続されている。
第一信号用端子電極1は、引出電極部11bの第一端面L1aに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部11bは、第一信号用端子電極1に物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第一信号用内部電極11は、第一信号用端子電極1に接続されることとなる。第二信号用端子電極2は、引出電極部11cの第一端面L1bに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部11cは、第二信号用端子電極2に物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第一信号用内部電極11は、第二信号用端子電極2に接続されることとなる。
図4の(b)にも示されるように、第一接地用内部電極13は、主電極部13aと、一対の引出電極部13b,13cと、を有している。引出電極部13bは、主電極部13aから第一側面L1cに露出するように延びている。引出電極部13cは、主電極部13aから第一側面L1dに露出するように延びている。主電極部13aと、引出電極部13b,13cとは、一体的に形成されている。主電極部13aは、第一信号用内部電極11(主電極部11a)と対向している。
主電極部13aは、一対の第一端面L1a,L1bの対向方向を長辺方向とし、一対の第一側面L1c,L1dの対向方向を短辺方向とする矩形形状を呈している。引出電極部13bは、主電極部13aの第一側面L1c側の端部から主電極部13aより狭い幅で第一側面L1cまで延びている。引出電極部13bは、その端が第一側面L1cに露出し、当該露出した端部で第一接地用端子電極3(第一電極部分3a)に接続されている。引出電極部13cは、主電極部13aの第一側面L1d側の端部から主電極部13aより狭い幅で第一側面L1dまで延びている。引出電極部13cは、その端が第一側面L1dに露出し、当該露出した端部で第一接地用端子電極3(第一電極部分3b)に接続されている。
第一接地用端子電極3の第一電極部分3aは、引出電極部13bの第一側面L1cに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部13bは、第一電極部分3aに物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第一接地用内部電極13は、第一電極部分3aに接続されることとなる。第一接地用端子電極3の第一電極部分3bは、引出電極部13cの第一側面L1dに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部13cは、第一電極部分3bに物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第一接地用内部電極13は、第一電極部分3bに接続されることとなる。
第二積層貫通コンデンサC2は、誘電特性を有する第二素体L2と、第二素体L2の外表面に配置される第三及び第四信号用端子電極21,22と、第二素体L2の外表面に配置される第二接地用端子電極23と、を備えている。
第二素体L2は、略直方体状であり、その外表面として、互いに対向する一対の第二端面L2a,L2bと、四つの第二側面L2c〜L2fと、を有する。各第二側面L2c〜L2fは、一対の第二端面L2a,L2b間を連結するように一対の第二端面L2a,L2bの対向方向に延びている。第二側面L2cと第二側面L2dとは互いに対向し、第二側面L2eと第二側面L2fとは互いに対向している。一対の第二側面L2c,L2dは、略長方形状を呈する。一対の第二端面L2a,L2bは、第二側面L2c,L2dの長辺方向で対向し、第二側面L2c,L2dの短辺方向に延びている。一対の第二側面L2e,L2fは、第二側面L2c,L2dの短辺方向で対向し、第二側面L2c,L2dの長辺方向に延びている。
第二素体L2は、第一素体L1と同様に、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向に複数の絶縁体層が積層されて構成されている。すなわち、第二素体L2では、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向が、複数の絶縁体層の積層方向と一致する。各絶縁体層は、例えば誘電体セラミック(BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系等の誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の第二素体L2でも、各絶縁体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
第三信号用端子電極21は、第二素体L2の第二端面L2a側に配置されている。第三信号用端子電極21は、第二端面L2a全面を覆うように、四つの第二側面L2c〜L2fの端部(第二端面L2a側の端部)に亘って形成されている。すなわち、第三信号用端子電極21は、第二端面L2aに配置される電極部分21aを有する。第四信号用端子電極22は、第二素体L2の第二端面L2b側に配置されている。第四信号用端子電極22は、第二端面L2b全面を覆うように、四つの第二側面L2c〜L2fの端部(第二端面L2b側の端部)に亘って形成されている。すなわち、第四信号用端子電極22は、第二端面L2bに配置される電極部分22aを有する。第三及び第四信号用端子電極21,22は、一対の第二端面L2a,L2bの対向方向で対向している。
第二接地用端子電極23は、第二素体L2の第二側面L2c側と第二側面L2d側とに配置されている。第二接地用端子電極23は、各第二側面L2c,L2dにおける一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の略中央を、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第二接地用端子電極23は、一対の第二側面L2c,L2dにそれぞれ配置される第二電極部分23a,23bを有する。第二接地用端子電極23の第二電極部分23aの幅(一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅)と、第二接地用端子電極23の第二電極部分23bの幅(一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅)と、は略同等に設定されている。第二接地用端子電極23(第二電極部分23a,23b)の上記幅は、第一接地用端子電極3(第一電極部分3a,3b)の上記幅と同等に設定されている。
第三及び第四信号用端子電極21,22と第二接地用端子電極23とも、たとえば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを第二素体L2の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた端子電極の上にめっき層が形成されることもある。第三及び第四信号用端子電極21,22と第二接地用端子電極23とは、第二素体L2の外表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第二積層貫通コンデンサC2は、図2及び図3に示されるように、複数の内部電極として、複数の第二信号用内部電極31と、複数の第二接地用内部電極33と、を備えている。第二信号用内部電極31及び第二接地用内部電極33も、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、Ni又はCuなど)からなる。第二信号用内部電極31及び第二接地用内部電極33は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
第二信号用内部電極31と第二接地用内部電極33とは、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向(複数の絶縁体層の積層方向)において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、第二信号用内部電極31と第二接地用内部電極33とは、第二素体L2内において、一対の第二側面L2e,L2fの対向方向に間隔を有して対向するように交互に配置されている。第二信号用内部電極31と第二接地用内部電極33とは、一対の第二側面L2c,L2dに直交するように第一素体L1内に配置されている。
図5の(a)にも示されるように、第二信号用内部電極31は、主電極部31aと、一対の引出電極部31b,31cと、を有している。引出電極部31bは、主電極部31aから第二端面L2aに露出するように延びている。引出電極部31cは、主電極部31aから第二端面L2bに露出するように延びている。主電極部31aと、引出電極部31b,31cとは、一体的に形成されている。
主電極部31aは、一対の第二端面L2a,L2bの対向方向を長辺方向とし、一対の第二側面L2c,L2dの対向方向を短辺方向とする矩形形状を呈している。引出電極部31bは、主電極部31aの第二端面L2a側の端部から主電極部31aと同じ幅で第二端面L2aまで延びている。引出電極部31bは、その端が第二端面L2aに露出し、当該露出した端部で第三信号用端子電極21(電極部分21a)に接続されている。引出電極部31cは、主電極部31aの第二端面L2b側の端部から主電極部31aと同じ幅で第二端面L2bまで延びている。引出電極部31cは、その端が第二端面L2bに露出し、当該露出した端部で第四信号用端子電極22(電極部分22a)に接続されている。
第三信号用端子電極21は、引出電極部31bの第二端面L2aに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部31bは、第三信号用端子電極21に物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第二信号用内部電極31は、第三信号用端子電極21に接続されることとなる。第四信号用端子電極22は、引出電極部31cの第一端面L1bに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部31cは、第四信号用端子電極22に物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第二信号用内部電極31は、第四信号用端子電極22に接続されることとなる。
図5の(b)にも示されるように、第二接地用内部電極33は、主電極部33aと、一対の引出電極部33b,33cと、を有している。引出電極部33bは、主電極部33aから第二側面L2cに露出するように延びている。引出電極部33cは、主電極部33aから第二側面L2dに露出するように延びている。主電極部33aと、引出電極部33b,33cとは、一体的に形成されている。主電極部33aは、第二信号用内部電極31(主電極部31a)と対向している。
主電極部33aは、一対の第二端面L2a,L2bの対向方向を長辺方向とし、一対の第二側面L2c,L2dの対向方向を短辺方向とする矩形形状を呈している。引出電極部33bは、主電極部33aの第二側面L2c側の端部から主電極部33aより狭い幅で第二側面L2cまで延びている。引出電極部33bは、その端が第二側面L2cに露出し、当該露出した端部で第二接地用端子電極23(第二電極部分23a)に接続されている。引出電極部33cは、主電極部33aの第二側面L2d側の端部から主電極部33aより狭い幅で第二側面L2dまで延びている。引出電極部33cは、その端が第二側面L2dに露出し、当該露出した端部で第二接地用端子電極23(第二電極部分23b)に接続されている。
第二接地用端子電極23の第二電極部分23aは、引出電極部33bの第二側面L2cに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部33bは、第二電極部分23aに物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第二接地用内部電極33は、第二電極部分23aに接続されることとなる。第二接地用端子電極23の第二電極部分23bは、引出電極部33cの第二側面L2dに露出した部分もすべて覆うように形成されており、引出電極部33cは、第二電極部分23bに物理的且つ電気的に接続される。これにより、各第二接地用内部電極33は、第二電極部分23bに接続されることとなる。
第一金属端子T1は、第一積層貫通コンデンサC1の第一端面L1aと第二積層貫通コンデンサC2の第二端面L2aとに対向するように配置されている。第一金属端子T1は、第一信号用端子電極1と第三信号用端子電極21とに接続されている。第一金属端子T1と端子電極1,21とは、たとえば、はんだ(不図示)により接続される。第二金属端子T2は、第一積層貫通コンデンサC1の第一端面L1bと第二積層貫通コンデンサC2の第二端面L2bとに対向するように配置されている。第二金属端子T2は、第一金属端子T1とで第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2を挟むように、第一金属端子T1に対向して配置されている。第二金属端子T2は、第二信号用端子電極2と第四信号用端子電極22とに接続されている。第二金属端子T2と端子電極2,22とは、たとえば、はんだ(不図示)により接続される。第一及び第二金属端子T1,T2は、たとえば、Fe−Ni合金などの金属材料からなる。
第一金属端子T1は、第一端子部分T1aと第二端子部分T1bとを有する。第一端子部分T1aは、第一端面L1aと第二端面L2aとに対向して位置し、第一端子部分T1aには、第一信号用端子電極1の電極部分1aと第三信号用端子電極21電極部分21aとが接続される。第二端子部分T1bは、第一側面L1dに配置された第一電極部分3bと略面一に位置すると共に他の電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品など)EDに接続される。第一端子部分T1aと第二端子部分T1bとは互いに交差する方向(本実施形態では、互いに直交する方向)に、それぞれ延びている。第一端子部分T1aと第二端子部分T1bとは、一体的に形成されている。
第一金属端子T1は、一対の端子部分T1cと一対の端子部分T1dとを有している。一対の端子部分T1cは、第一端子部分T1aにおける第一積層貫通コンデンサC1に対応する領域の両端から、第一端子部分T1aに交差する方向に延びている。一対の端子部分T1dは、第一端子部分T1aにおける第二積層貫通コンデンサC2に対応する領域の両端から、第一端子部分T1aに交差する方向に延びている。すなわち、各端子部分T1c,T1dは、第一金属端子T1と第二金属端子T2との対向方向に延びている。
第二金属端子T2は、第三端子部分T2aと第四端子部分T2bとを有する。第三端子部分T2aは、第一端面L1bと第二端面L2bとに対向して位置し、第三端子部分T2aには、第二信号用端子電極2の電極部分2aと第四信号用端子電極22の電極部分22aとが接続される。第四端子部分T2bは、第一側面L1dに配置された第一電極部分3bと略面一に位置すると共に電子機器EDに接続される。第三端子部分T2aと第四端子部分T2bとは互いに交差する方向(本実施形態では、互いに直交する方向)に、それぞれ延びている。第三端子部分T2aと第四端子部分T2bとは、一体的に形成されている。
第二金属端子T2は、一対の端子部分T2cと一対の端子部分T2dとを有している。一対の端子部分T2cは、第三端子部分T2aにおける第一積層貫通コンデンサC1に対応する領域の両端から、第三端子部分T2aに交差する方向に延びている。一対の端子部分T2dは、第三端子部分T2aにおける第二積層貫通コンデンサC2に対応する領域の両端から、第三端子部分T2aに交差する方向に延びている。すなわち、各端子部分T2c,T2dも、第一金属端子T1と第二金属端子T2との対向方向に延びている。
電子部品EC1では、第一積層貫通コンデンサC1と第二積層貫通コンデンサC2とが、第一側面L1cと第二側面L2dとが対向するように配置されている。第一側面L1cに配置された第一接地用端子電極3の第一電極部分3aと、第二側面L2dに配置された第二接地用端子電極23の第二電極部分23bと、が接続されている。第一電極部分3aと第二電極部分23aとは、たとえば、はんだ(不図示)により接続される。
電子部品EC1は、第一積層貫通コンデンサC1の第一側面L1dが電子機器EDと対向する状態で、電子機器EDに実装される。すなわち、第一側面L1dが電子機器EDと対向する実装面とされている。第一及び第二金属端子T1,T2は、電子機器EDに形成され且つ信号配線に接続されたランド電極に接続され、第一接地用端子電極3の第一電極部分3bは、電子機器EDに形成され且つグランド配線に接続されたグランド電極に接続される。
以上のように、本実施形態では、第一積層貫通コンデンサC1が第一及び第二金属端子T1,T2に接続されていると共に、第二積層貫通コンデンサC2も第一及び第二金属端子T1,T2に接続されている。したがって、図6にも示されるように、第一金属端子T1と第二金属端子T2との間の電流経路として、第一積層貫通コンデンサC1を通る経路と第二積層貫通コンデンサC2を通る経路とが構成されることとなる。第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2は、第一接地用端子電極3の第一電極部分3aと第二接地用端子電極23の第二電極部分23aとが接続されていることから、互いに近づけられて配置される。しかしながら、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2は、第一金属端子T1と第二金属端子T2とに接続されているので、第一積層貫通コンデンサC1にて生じる熱及び第二積層貫通コンデンサC2にて生じる熱は、第一及び第二金属端子T1,T2を通して効率よく放散される。したがって、電子部品EC1では、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2に流すことが可能な電流量が制限されるようなことはなく、大電流化に対応することができる。
本実施形態では、第一積層貫通コンデンサC1の第一側面L1dが実装面とされ、第一積層貫通コンデンサC1と第二積層貫通コンデンサC2とが、第一側面L1cと第二側面L2dとが対向するように配置されている。したがって、第二積層貫通コンデンサC2は、電子機器EDから見て、第一積層貫通コンデンサC1の上方に位置することとなる。この結果、第一積層貫通コンデンサC1と第二積層貫通コンデンサC2とを、実装面積を大きくすることなく、電子機器EDに実装することができる。
本実施形態では、第一接地用端子電極3の第一電極部分3aの幅(一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の幅)と、第一接地用端子電極3の第一電極部分3bの幅(一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の幅)と、が略同等に設定されている。これにより、第一積層貫通コンデンサC1と第二積層貫通コンデンサC2とを接続する際に、第一積層貫通コンデンサC1の一対の第一側面L1c,L1dの方向性がないため、作業性が向上する。
電子機器EDでは、第一信号用内部電極11と第一接地用内部電極13とは、第一側面L1c,L1dに直交するように第一素体L1内に配置され、第二信号用内部電極31と第二接地用内部電極33とは、第二側面L2c,L2dに直交するように第二素体L2内に配置されている。すなわち、第一信号用内部電極11及び第一接地用内部電極13、並びに、第二信号用内部電極31及び第二接地用内部電極33は、実装面(第一側面L1d)に直交するように配置されている。これにより、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2における内部電極11,13,31,33の積層数が増加した場合でも、第一信号用内部電極11と第一接地用内部電極13との電流経路の長さ及び第二信号用内部電極31と第二接地用内部電極33との電流経路の長さの増加が抑制される。この結果、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2のESLの増加を抑制することができる。
電子機器EDでは、第一金属端子T1は、第一端子部分T1aと第二端子部分T1bとを有し、第二金属端子T2は、第三端子部分T2aと第四端子部分T2bとを有している。この場合、電子機器EDの電子機器EDへの実装を容易に実現することができる。
次に、図7〜図9を参照して、本実施形態の変形例に係る電子部品EC2の構成を説明する。図7は、本実施形態の変形例に係る電子部品を示す斜視図である。図8は、本実施形態の変形例に係る電子部品の断面構成を説明するための図である。図9は、第一信号用内部電極及び第一接地用内部電極を示す平面図である。本変形例は、第一積層貫通コンデンサC1の構成に関して、上述した実施形態と相違する。
電子部品EC2は、図7〜図9に示されるように、第一積層貫通コンデンサC1と、第二積層貫通コンデンサC2と、第一金属端子T1と、第二金属端子T2と、を備えている。第一積層貫通コンデンサC1は、第一素体L1と、第一及び第二信号用端子電極1,2と、第一接地用端子電極3と、複数の第一信号用内部電極11と、複数の第一接地用内部電極13と、を備えている。
第一信号用端子電極1は、第一素体L1の第一端面L1a側に配置されている。第一信号用端子電極1は、第一端面L1aにおける一対の第一側面L1e,L1fの対向方向の略中央を、一対の第一側面L1c,L1dの対向方向に沿って横断するように覆っている。第二信号用端子電極2は、第一素体L1の第一端面L1b側に配置されている。第二信号用端子電極2は、第一端面L1bにおける一対の第一側面L1e,L1fの対向方向の略中央を、一対の第一側面L1c,L1dの対向方向に沿って横断するように覆っている。
第一及び第二信号用端子電極1,2の幅(一対の第一側面L1e,L1fの対向方向の幅)は、第二積層貫通コンデンサC2の第三及び第四信号用端子電極21,22の幅(一対の第二側面L2e,L2fの対向方向の幅)よりも狭く設定されている。すなわち、第三及び第四信号用端子電極21,22の上記幅は、第一及び第二信号用端子電極1,2の上記幅よりも広く設定されている。
第一接地用端子電極3(第一電極部分3a,3b)の幅(一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の幅)は、第二積層貫通コンデンサC2の第二接地用端子電極23(第二電極部分23a,23b)の幅(一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅)よりも広く設定されている。すなわち、第二接地用端子電極23の上記幅は、第一接地用端子電極3の上記幅よりも狭く設定されている。
第一信号用内部電極11(主電極部11a及び引出電極部11b,11c)の幅(一対の第一側面L1e,L1fの対向方向の幅)は、第二積層貫通コンデンサC2の第二信号用内部電極31(主電極部31a及び引出電極部31b,31c)の幅(一対の第二側面L2e,L2fの対向方向の幅)よりも狭く設定されている。すなわち、第二信号用内部電極31の上記幅は、第一信号用内部電極11の上記幅よりも広く設定されている。
第一接地用内部電極13の一対の引出電極部13b,13cの幅(一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の幅)は、第二積層貫通コンデンサC2の第二接地用内部電極33の一対の引出電極部33b,33cの幅(一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅)よりも広く設定されている。本変形例では、第一接地用内部電極13の主電極部13aの幅(一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の幅)も、第二積層貫通コンデンサC2の第二接地用内部電極33の主電極部33aの幅(一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅)よりも広く設定されている。
第二信号用内部電極31の上記幅が第一信号用内部電極11の上記幅よりも広く設定されているため、第二積層貫通コンデンサC2は、第一積層貫通コンデンサC1に比して抵抗が低く、大電流が流れやすい。第一接地用内部電極13(一対の引出電極部13b,13c)の上記幅が第二接地用内部電極33(一対の引出電極部33b,33c)の上記幅よりも広く設定されているため、第一積層貫通コンデンサC1は、第二積層貫通コンデンサC2に比して低ESLが実現されている。このように、電子部品EC2では、特性の異なる第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2が第一金属端子T1と第二金属端子T2とに接続されている。
本変形例においても、上述した実施形態と同様に、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2に流すことが可能な電流量が制限されるようなことはなく、大電流化に対応することができる。第一積層貫通コンデンサC1と第二積層貫通コンデンサC2とを、実装面積を大きくすることなく、電子機器EDに実装することができる。
電子部品EC2では、第一側面L1cに配置された第一電極部分3aの幅は、第二側面L2dに配置された第二電極部分23bの幅よりも広く設定されている。これにより、第二接地用端子電極23の第二電極部分23bの位置がずれていても、第一接地用端子電極3と第二接地用端子電極23との接続性を確保することができる。
次に、図10〜図11を参照して、本実施形態の変形例に係る電子部品EC3の構成を説明する。図10は、本実施形態の変形例に係る電子部品を示す斜視図である。図11は、本実施形態の変形例に係る電子部品の断面構成を説明するための図である。本変形例は、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2の構成に関して、上述した実施形態と相違する。
電子部品EC3も、図10〜11に示されるように、第一積層貫通コンデンサC1と、第二積層貫通コンデンサC2と、第一金属端子T1と、第二金属端子T2と、を備えている。
第一積層貫通コンデンサC1において、第一接地用端子電極3は、四つの第一側面L1c〜L1fにわたるように第一素体L1に配置されている。第一接地用端子電極3は、一対の第一側面L1c,L1dだけでなく、第一側面L1c,L1d以外の一対の第一側面L1e,L1fにも配置されている。第一接地用端子電極3は、各第一側面L1c〜L1fにおける一対の第一端面L1a,L1bの対向方向の略中央を、一対の第一端面L1a,L1bの対向方向と直交する方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第一接地用端子電極3は、第一電極部分3a,3bと、第一電極部分3a,3bに連続し且つ一対の第一側面L1e,L1fにそれぞれ配置される第一電極部分3cを有する。
第二積層貫通コンデンサC2において、第二接地用端子電極23は、四つの第二側面L2c〜L2fにわたるように第二素体L2に配置されている。第二接地用端子電極23は、一対の第二側面L2c,L2dだけでなく、第二側面L2c,L2d以外の一対の第二側面L2e,L2fにも配置されている。第二接地用端子電極23は、各第二側面L2c〜L2fにおける一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の略中央を、一対の第二端面L2a,L2bの対向方向と直交する方向に沿って横断するように覆っている。すなわち、第二接地用端子電極23は、第二電極部分23a,23bと、第二電極部分23a,23bに連続し且つ一対の第二側面L2e,L2fにそれぞれ配置される第二電極部分23cを有する。
本変形例では、第一接地用端子電極3が四つの第一側面L1c〜L1fに位置すると共に、第二接地用端子電極23が四つの第二側面L2c〜L2fに位置している。これにより、第一積層貫通コンデンサC1と第二積層貫通コンデンサC2とを接続する際に、第一積層貫通コンデンサC1の第一側面L1c〜L1fの方向性及び第二積層貫通コンデンサC2の第二側面L2c〜L2fの方向性がないため、作業性が向上する。
第一積層貫通コンデンサC1が、第一側面L1e又は第一側面L1fが実装面とされるように配置される場合、第一信号用内部電極11と第一接地用内部電極13とは、第一素体L1内において、実装面と平行となるように配置されることとなる。第二積層貫通コンデンサC2が、第二側面L2e又は第二側面L2fが第一積層貫通コンデンサC1と対向するように配置される場合、第二信号用内部電極31と第二接地用内部電極33とは、第二素体L2内において、実装面と平行となるように配置されることとなる。
第一側面L1c又は第一側面L1dが実装面である場合、第二積層貫通コンデンサC2の第二接地用内部電極33からの電流は、第一積層貫通コンデンサC1において、主に、第一電極部分3a、第一接地用内部電極13、及び第一電極部分3bを通る経路、すなわち第一接地用内部電極13を通る経路を流れる。第一側面L1e又は第一側面L1fが実装面である場合、第二積層貫通コンデンサC2の第二接地用内部電極33からの電流は、第一積層貫通コンデンサC1において、主に、第一電極部分3a、第一電極部分3c、及び第一電極部分3bを通る経路、すなわち第一接地用端子電極3を通る経路を流れる。
第一接地用内部電極13を通る経路の抵抗は、第一接地用端子電極3を通る経路を通る経路の抵抗に比して低い。このため、第一側面L1c又は第一側面L1dが実装面である場合と、第一側面L1e又は第一側面L1fが実装面である場合とで、第一積層貫通コンデンサC1の特性を揃えるために、第一接地用端子電極3を通る経路の抵抗を低くすることが必要とされることがある。たとえば、第一接地用端子電極3の幅(一対の第二端面L2a,L2bの対向方向の幅)を比較的広く設定することにより、第一接地用端子電極3を通る経路の抵抗を低くすることができる。
次に、図12〜図14を参照して、本実施形態の変形例に係る電子部品EC4の構成を説明する。図12は、本実施形態の変形例に係る電子部品を示す斜視図である。図13及び図14は、本実施形態の変形例に係る電子部品の断面構成を説明するための図である。本変形例は、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2の構成に関して、上述した実施形態と相違する。
第一積層貫通コンデンサC1では、一対の第一端面L1a,L1bが、第一側面L1c,L1dの短辺方向で対向し、第一側面L1c,L1dの長辺方向に延びている。一対の第一側面L1e,L1fが、第一側面L1c,L1dの長辺方向で対向し、第一側面L1c,L1dの短辺方向に延びている。第二積層貫通コンデンサC2では、一対の第二端面L2a,L2bが、第二側面L2c,L2dの短辺方向で対向し、第二側面L2c,L2dの長辺方向に延びている。一対の第二側面L2e,L2fが、第二側面L2c,L2dの長辺方向で対向し、第二側面L2c,L2dの短辺方向に延びている。
本変形例では、上述した実施形態などに比して、第一及び第二信号用内部電極11,31を通る電流経路が短いため、第一及び第二積層貫通コンデンサC1,C2のESLを低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
内部電極11,13,31,33の数及び形状は、上述した実施形態及び変形例における数及び形状に限られない。第一積層貫通コンデンサC1と第二積層貫通コンデンサC2とで、内部電極11,13,31,33の数が異なっていてもよい。積層貫通コンデンサの数も、二つに限られることなく、三つ以上であってもよい。
第二積層貫通コンデンサC2において、第二接地用端子電極23は、四つの第二側面L2c〜L2fのうち一つの第二側面、すなわち第一積層貫通コンデンサC1と対向する第二側面に配置されていればよい。たとえば、第二側面L2dが第一積層貫通コンデンサC1と対向する場合、必ずしも第二電極部分23aは必要ない。