以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10を示す概略斜視図である。セラミックコンデンサ10は、チップ部品としてのチップコンデンサ20と、一対の金属端子部30、40とを有する。第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10は、2つのチップコンデンサ20を有するが、セラミックコンデンサ10が有するチップコンデンサ20の数は、複数であれば特に限定されない。
なお、各実施形態の説明では、チップコンデンサ20に金属端子部30、40が取り付けられたセラミックコンデンサを例に説明を行うが、本発明のセラミック電子部品としてはこれに限られず、コンデンサ以外のチップ部品に金属端子部30、40が取り付けられたものであっても良い。また、各実施形態の説明においては、図1〜図25に示すように、チップコンデンサ20の第1側面20cと第2側面20dとを接続する方向(チップ第2辺20hに平行な方向)をX軸方向とし、第1端面20aと第2端面20bとを接続する方向(チップ第3辺20jに平行な方向)をY軸方向とし、第3側面20eと第4側面20fを接続する方向(チップ第1辺20gに平行な方向)をZ軸方向として説明を行う。また、Z軸方向に平行な方向を高さ方向、XY平面に平行な方向を水平方向とする。
チップコンデンサ20は、略直方体形状であり、2つのチップコンデンサ20は、互いに略同一の形状およびサイズを有している。図2に示すように、チップコンデンサ20は、互いに対向する一対のチップ端面を有しており、一対のチップ端面は、第1端面20aと第2端面20bとで構成されている。図1、図2及び図4に示すように、第1端面20a及び第2端面20bは略長方形であり、第1端面20a及び第2端面20bの長方形を構成する4辺のうち、長い方の一対の辺がチップ第1辺20g(図2参照)であり、短い方の一対の辺がチップ第2辺20h(図3参照)である。
チップコンデンサ20は、第1端面20aと第2端面20bとが実装面に対して垂直になるように、言い換えると、第1端面20aと第2端面20bとを繋ぐチップコンデンサ20のチップ第3辺20jが、セラミックコンデンサ10の実装面と平行になるように配置されている。なお、セラミックコンデンサ10の実装面は、後述する金属端子部30、40の実装部38、48が対向するように、セラミックコンデンサ10がハンダ等によって取り付けられる面であり、図1に示すXY平面に平行な面である。
図2に示すチップ第1辺20gの長さL1と、図4に示すチップ第2辺20hとの長さL2とを比較すると、チップ第2辺20hの方がチップ第1辺20gより短い(L1>L2)。チップ第1辺20gとチップ第2辺20hとの長さの比は特に限定されないが、たとえばL2/L1は、0.3〜0.7程度である。
チップコンデンサ20は、図2に示すように、チップ第1辺20gが実装面に対して垂直になり、図4に示すように、チップ第2辺20hが実装面に対して平行になるように配置される。したがって、第1端面20aと第2端面20bとを接続する4つのチップ側面である第1〜第4側面20c〜20fのうち、面積が広く、チップ端面である第1及び第2端面20a、20bにおけるチップ第1辺20gを接続する第1側面20c及び第2側面20dは、実装面に対して垂直に配置されるチップ縦側面である。
また、第1〜第4側面20c〜20fのうち、第1側面20c及び第2側面20dより面積が狭く、第1及び第2端面20a、20bにおけるチップ第2辺20hを接続する第3側面20e及び第4側面20fは、実装面に対して平行に配置される。第3側面20eは、下方の実装部38、48とは反対方向を向くチップ上側面であり、第4側面20fは、実装部38、48の方を向くチップ下側面である。第3側面20eであるチップ上側面は、第4側面20fであるチップ下側面の反対面である。
図1及び図4に示すように、セラミックコンデンサ10に含まれる2つのチップコンデンサ20は、互いのチップ第2辺20hを略同一直線上に揃えて配置される。チップ第1辺20gより短いチップ第2辺20hを同一直線上に並べて配置することにより、セラミックコンデンサ10の実装面積(Z軸方向からの投影面積)を低減できる。
図1、図2及び図4に示すように、チップコンデンサ20の第1端子電極22は、第1端面20aから第1〜第4側面20c〜20fの一部に回り込むように形成されている。したがって、第1端子電極22は、第1端面20aに配置されている部分と、第1側面20c〜第4側面20fに配置されている部分とを有する。ただし、第1端子電極22の形状はこれに限定されず、第1端子電極22は、第1端面20aのみに形成されていてもよい。
また、チップコンデンサ20の第2端子電極24は、第2端面20bから側面20c〜20fの他の一部(第1端子電極22が回り込んでいる部分とは異なる部分)に回り込むように形成されている。したがって、第2端子電極24は、第2端面20bに配置される部分と、第1側面20c〜第4側面20fに配置される部分を有する(図1、図2及び図4参照)。また、第1側面20c〜第4側面20fにおいて、第1端子電極22と第2端子電極24とは所定の距離を隔てて形成されている。ただし、第2端子電極24の形状はこれに限定されず、第2端子電極24は、第2端面20bのみに形成されていてもよい。
チップコンデンサ20の内部構造を模式的に表す図6に示すように、チップコンデンサ20は、内部電極層26と誘電体層28とが積層された積層コンデンサである。内部電極層26は、第1端子電極22に接続しているものと、第2端子電極24に接続しているものとがあり、第1端子電極22に接続する内部電極層26と、第2端子電極24に接続している内部電極層26とが、誘電体層28を挟んで交互に積層されている。
図6に示すように、チップコンデンサ20における積層方向は、図4に示すチップ第2辺20hに平行である。したがって、図6に示す内部電極層26は、実装面に対して垂直に配置される。
チップコンデンサ20における誘電体層28の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムまたはこれらの混合物などの誘電体材料で構成される。各誘電体層28の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。本実施形態では、好ましくは1.0〜5.0μmである。また、誘電体層28は、コンデンサの静電容量を大きくできるチタン酸バリウムを主成分とすることが好ましい。
内部電極層26に含有される導電体材料は特に限定されないが、誘電体層28の構成材料が耐還元性を有する場合には、比較的安価な卑金属を用いることができる。卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。また、内部電極層26は、市販の電極用ペーストを使用して形成してもよい。内部電極層26の厚みは用途等に応じて適宜決定すればよい。
第1及び第2端子電極22、24の材質も特に限定されず、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。第1及び第2端子電極22、24の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。なお、第1及び第2端子電極22、24の表面には、Ni、Cu、Sn等から選ばれる少なくとも1種の金属被膜が形成されていても良い。
チップコンデンサ20の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。チップコンデンサ20は、例えば、縦(L3)1.0〜6.5mm、好ましくは3.2〜5.9mm×横(L1)0.5〜5.5mm、好ましくは1.6〜5.2mm×厚み(L2)0.3〜3.2mm、好ましくは0.8〜2.9mm程度である。複数のチップコンデンサ20を有する場合は、互いに大きさや形状が異なっていてもかまわない。
セラミックコンデンサ10における一対の金属端子部30、40は、一対のチップ端面である第1及び第2端面20a、20bに対応して設けられる。すなわち、一対の金属端子部30、40の一方である第1金属端子部30は、一対の端子電極22、24の一方である第1端子電極22に対応して設けられており、一対の金属端子部30、40の他方である第2金属端子部40は、一対の端子電極22、24の他方である第2端子電極24に対応して設けられている。
第1金属端子部30は、第1端子電極22が形成されるチップ端面である第1端面20aに対向する電極対向部36と、複数のチップコンデンサ20を水平方向に挟んで把持する一対の嵌合アーム部37a、37bと、電極対向部36からチップコンデンサ20側へ延びており少なくとも一部が電極対向部36に対して略垂直である実装部38と、チップ下側面である第4側面20fに接触して、チップコンデンサ20の下方からチップコンデンサ20を支える下部アーム部31b、33bと、を有する。
図2に示すように、電極対向部36は、実装面に垂直であるチップ第1辺20gに略平行な高さ方向の辺である一対の端子第1辺36gと、図3に示すように実装面に平行であるチップ第2辺20hに略平行な水平方向の辺である一対の端子第2辺36ha、36hbとを有する略矩形平板状である。
図4に示すように、実装面に平行である端子第2辺36ha、36hbの長さは、端子第2辺36ha、36hbと平行に配置されるチップ第2辺20hの長さL2を、セラミックコンデンサ10に含まれるチップコンデンサ20の数に相当する回数積算した長さに対して同等であってもよく、僅かに短くてもよく、僅かに長くてもよい。
たとえば、図23に示す第10実施形態に係るセラミックコンデンサ910では、セラミックコンデンサ910がチップコンデンサ20を2つ含んでおり、実装面に平行である端子第2辺936haの長さは、端子第2辺936haと平行に配置されるチップ第2辺20hの長さL2の2倍より短い。
一方、図3に示す第1実施形態では、セラミックコンデンサ10がチップコンデンサを2つ含んでおり、実装面に平行である端子第2辺36ha、36hbの長さは、端子第2辺36ha、36hbと平行に配置されるチップ第2辺20hの長さL2の2倍より僅かに長い。図3及び図12に示すように、金属端子部30、40に対して組み合わせることのできるチップコンデンサの寸法は、1種類に限定されず、金属端子部30、40は、チップ第2辺の長さが異なる複数種類のチップコンデンサに対応して、セラミックコンデンサを構成することが可能である。
電極対向部36は、対向する第1端面20aに形成された第1端子電極22に対して、電気的及び機械的に接続されている。例えば、図4に示す電極対向部36と第1端子電極22との隙間に、はんだや導電性接着剤等の導電性の接合部材を介在させて、電極対向部36と第1端子電極22とを接続することができる。なお、第1金属端子部30と第1端子電極22との電気的な接続が、後述する嵌合アーム部37a、37bや下部アーム部31b、33bと第1端子電極22との接触部分によって達成される場合は、電極対向部36と第1端子電極22とを接続する接合部材として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの非導電性接着剤等を用いてもよい。
また、電極対向部36における第1端面20aに面する部分には、第1貫通孔36bが形成されている。第1貫通孔36bは、セラミックコンデンサ10に含まれる各チップコンデンサ20に対応するように2つ形成されているが、第1貫通孔36bの形状及び数はこれに限定されない。なお、第1貫通孔36bは、下部アーム部31b、33bがその周縁部36caに接続する第2貫通孔36cとは別個に、電極対向部36に形成される貫通孔である。
第1貫通孔36bの周辺の端子内面36e(図4参照)には、電極対向部36と第1端子電極22とを接続する接合部材が設けられている。図1及び図3において点線36faで示すように、電極対向部36においてチップ端面である第1端面20a側を向く端子内面には、第1端面20aとの隙間が接合部材で埋められている接合領域(点線36faの内側)と、第1端面20aとの間に接合部材のない空間を挟む非接合領域(点線36faの外側)とが形成されている。接合領域では、電極対向部36と第1端子電極22とが水平方向に接続されているが、非接合領域では、電極対向部36と第1端子電極22とは水平方向に接続されていない。非接合領域における電極対向部36と第1端面20aとの間の隙間は、接合部材の厚み程度の隙間である。本実施形態では、接合部材の厚みは、後述する突起36aの突出高さなどに応じて決定される。
接合部材は、はんだや導電性接着剤等の導電性の材料で構成されていることが好ましく、たとえばはんだからなる接合部材は、第1貫通孔36bの周縁と第1端子電極22との間にはんだブリッジを形成することにより、電極対向部36と第1端子電極22とを強く接合することができる。
図1に示すように、端子内面の接合領域は、第1貫通孔36bのZ軸方向の両側にそれぞれ位置する初期塗布領域50cに、接合部材50が塗布されることにより形成される。すなわち塗布の後に、電極対向部36の端子外面30f(端子内面とは反対面)から加熱押圧ヘッドを接触させて、チップコンデンサ20の第1端面20aに向けて電極対向部36の端子内面を押し付けて加熱することにより、初期塗布領域50cに塗布されている接合部材が広がり、図1において点線36faで示されるような接合領域が形成される。したがって、接合部材が広がりきれない領域が非接合領域(点線36faの外側)となる。本実施形態において、電極対向部36と第1端子電極22のY軸端面との間では、非接合領域の合計面積が、接合領域の合計面積の1/2よりも大きいが、特に限定されない。
なお、第1貫通孔36bの形状および大きさは特に限定されず、また、電極対向部36には、第1貫通孔36bが形成されていなくてもよい。図1に示すように電極対向部36に第1貫通孔36bが形成されていると、第1貫通孔36bを通して、製造中において端子内面の接合部材の塗布状態を外部から観察することが可能であり、また、製造後において端子内面の接合部材の形成を容易に確認できる。また、第1貫通孔36bを通して、はんだなどの接合部材に含まれる気泡を逃がすことができる。このため、はんだなどの接合部材の量が少なくても接合が安定化する。
また、電極対向部36には、チップコンデンサ20の第1端面20aへ向かって突出し、第1端面20aに接触する複数の突起36aが形成されている。突起36aは、電極対向部36と第1端子電極22との接触面積を低減することにより、チップコンデンサ20で発生した振動が第1金属端子部30を介して実装基板に伝わることを防止し、セラミックコンデンサ10の音鳴きを防止することができる。
また、突起36aを第1貫通孔36bの周辺に形成することにより、はんだ等の接合部材が形成される範囲等を調整することが可能であり、このようなセラミックコンデンサ10は、電極対向部36と第1端子電極22との接合強度を適切な範囲に調整しつつ、音鳴きを防止することができる。なお、セラミックコンデンサ10では、1つの第1貫通孔36bの周りに、4つの突起36aが形成されているが、突起36aの数及び配置は、これに限定されない。
電極対向部36には、下部アーム部31b、33bがそれぞれ接続する周縁部36caを有する2つの第2貫通孔36cが形成されている。第2貫通孔36cは、第1貫通孔36bより実装部38の近くに位置しており、第1貫通孔36bとは異なり、はんだ等の接合部材は設けられていない。
このような第2貫通孔36cが形成されている第1金属端子部30は、チップコンデンサ20を支持する下部アーム部31b、33bの周辺が弾性変形しやすい形状となっているため、セラミックコンデンサ10に生じる応力を緩和する作用や、チップコンデンサ20の振動を吸収する作用を、効果的に奏することができる。したがって、このような第1金属端子部30を有するセラミックコンデンサ10は、音鳴きを好適に防止することが可能であり、また、実装時における実装基板との接合信頼性が良好である。
第2貫通孔36cの形状は特に限定されないが、第2貫通孔36cは、端子第2辺36ha、36hbに平行な方向(X軸方向)である幅方向の開口幅が、第1貫通孔36bより広いことが好ましい。第2貫通孔36cの開口幅を広くすることにより、第1金属端子部30による応力緩和作用や、音鳴き防止効果を、効果的に高めることができる。また、第1貫通孔36bの開口幅を第2貫通孔36cより狭くすることにより、接合部材が広がりすぎることによってチップコンデンサ20と電極対向部36との接合強度が過度に高まることを防止することができるため、このようなセラミックコンデンサ10は、音鳴きを抑制することができる。
電極対向部36において、下部アーム部31b、33bが接続する第2貫通孔36cは、実装部38が接続する下方の端子第2辺36hbに対して、高さ方向に所定の距離を離して形成されており、第2貫通孔36cと端子第2辺36hbの間には、スリット36dが形成されている。スリット36dは、電極対向部36において、実装部38の近くに位置する下部アーム部31b、33bの電極対向部36に対する接続位置(第2貫通孔36cの周縁部下辺)と、実装部38が接続する下方の端子第2辺36hbとの間に形成されている。スリット36dは、端子第2辺36ha、36hbと平行な方向に延びている。スリット36dは、セラミックコンデンサ10を実装基板に実装する際に使用されるはんだが、電極対向部36をはい上がることを防止し、下部アーム部31b、33bや第1端子電極22まで繋がるはんだブリッジを形成することを防止できる。したがって、このようなスリット36dが形成されたセラミックコンデンサ10は、音鳴きを抑制する効果を奏する。
図1及び図2に示すように、第1金属端子部30の下部アーム部は、互いに独立した下部アーム部31b及び下部アーム部33bを有している。下部アーム部31b、33bは、電極対向部36からチップコンデンサ20のチップ側面であって実装部38の方を向く第4側面20f(チップ下側面)に延び、第4側面20fに接触する。下部アーム部31b、33bは、電極対向部36に形成された第2貫通孔36cの周縁部36caに接続している。
図1に示すように、電極対向部36は、チップコンデンサ20の第1端面20aに面しており第1端面20aと重複する高さに位置するプレート本体部36jと、プレート本体部36jより下方に位置しておりプレート本体部36jと実装部38とを接続する端子接続部36kを有する。第2貫通孔36cは、その周縁部がプレート本体部36jと端子接続部36kとに跨るように形成されており、下部アーム部31b、33bは、端子接続部36kから延びている。すなわち、下部アーム部31b、33bの基端は、第2貫通孔36cにおける略矩形の周縁部における下辺に接続しており、下部アーム部31b、33bは、その基端から上方(Z軸正方向)かつ内側(Y軸負方向)へ屈曲しながら延びて、チップコンデンサ20の第4側面20fに接触し、チップコンデンサ20を下方から支持する(図2参照)。したがって、チップコンデンサ20の第1端面20aの下端(下方のチップ第2辺20h)は、下部アーム部31b、33bの基端である第2貫通孔36cの周縁部の下辺より上方に位置する。また、図3に示すように、チップコンデンサ20をY軸正方向から見た場合、第2貫通孔36cを通してセラミックコンデンサ10の側方から、チップコンデンサ20の第1端面20aの下端(下方のチップ第2辺20h)を、視認することができる。
図1に示すように、下部アーム部31bは、1つのチップコンデンサ20の第4側面20fに接触しており、1つのチップコンデンサ20を支持する。下部アーム部33bは、他の1つのチップコンデンサ20の第4側面20fに接触しており、下部アーム部31bとは独立して他の1つのチップコンデンサ20を支持する。第1金属端子部30では、それぞれの下部アーム部31b、33bが、複数ではなく1つのチップコンデンサ20をそれぞれ支持しているため、各チップコンデンサ20の寸法に製造ばらつきがあったとしても、これを確実に支持することができる。
下部アーム部31b、33bの形状は特に限定されないが、下部アーム部31b、33bが端子接続部36kから延びていることにより、これらがプレート本体部36jに接続している場合に比べて、チップコンデンサ20の第1端子電極22と実装基板との伝送経路が短くなる。
実装部38は、電極対向部36における下方(Z軸負方向側)の端子第2辺36hbに接続している。実装部38は、下方の端子第2辺36hbからチップコンデンサ20側(Y軸負方向側)へ延びており、電極対向部36に対して略垂直に曲がっている。なお、実装部38におけるチップコンデンサ20側の表面である実装部38の上面は、チップコンデンサ20を基板に実装する際に使用されるはんだの過度な回り込みを防止する観点から、実装部38の下面より、はんだに対する濡れ性が低いことが好ましい。
セラミックコンデンサ10は、図1及び図2に示すように、実装部38が下方を向く姿勢で実装基板等の実装面に実装されるため、セラミックコンデンサ10では、Z軸方向の長さが、実装時の高さとなる。セラミックコンデンサ10では、実装部38が電極対向部36における一方の端子第2辺36hbに接続しており、上部アーム部31a、33aが他方の端子第2辺36haに接続しているため、Z軸方向の長さに無駄がなく、低背化に対して有利である。
また、実装部38が、電極対向部36における一方の端子第2辺36hbに接続しているため、実装部38が電極対向部36における端子第1辺36gに接続する従来技術に比べてZ軸方向からの投影面積が狭く、実装面積を狭くすることが可能である。また、図1及び図5等に示すように、チップコンデンサ20の第1〜第4側面20c、20d、20e、20fのうち、面積の狭い第3側面20e及び第4側面20fが実装面と平行に配置されるため、チップコンデンサ20を高さ方向に重ねて配置しない構成であっても、実装面積を狭くすることができる。
図1及び図4に示すように、一対の嵌合アーム部37a、37bは、電極対向部36における各端子第1辺36gに接続している。嵌合アーム部37a、37bは、チップ縦側面である第1側面20c又は第2側面20dに接触する。すなわち、図4に示すように、一方の嵌合アーム部37aは、電極対向部36におけるX軸負方向側の端子第1辺36gに接続し、一方の嵌合アーム部37aは、X軸負方向側のチップコンデンサ20におけるX軸負方向側のチップ縦側面である第1側面20cに接触する。これに対して、他方の嵌合アーム部37bは、電極対向部36におけるX軸負正向側の端子第1辺36gに接続し、他方の嵌合アーム部37bは、X軸正方向側のチップコンデンサ20におけるX軸正方向側のチップ縦側面である第2側面20dに接触する。これにより、一対の嵌合アーム部37a、37bは、2つのチップコンデンサ20を水平方向に挟んで把持している。
図2に示すように、嵌合アーム部37aが第1側面20cに接触する接触領域とチップ上側面である第3側面20e(又はチップコンデンサ20の上端)との高さ方向の距離は、嵌合アーム部37aが第1側面20cに接触する接触領域とチップ下側面である第4側面20f(又はチップコンデンサ20の下端)との高さ方向の距離より短い。嵌合アーム部37bと第2側面20dとの接触領域についても同様である。このように嵌合アーム部37a、37bとチップ縦側面との接触領域をチップ上側面である第3側面20eの近くに配置することにより、外部からの衝撃を受けた場合に、チップコンデンサ20が上方に外れる問題を防止することができる。
図1及び図2に示すように、第2金属端子部40は、第2端子電極24が形成されるチップ端面である第2端面20bに対向する電極対向部46と、複数のチップコンデンサ20を水平方向に挟んで把持する一対の嵌合アーム部47a、47bと、電極対向部46からチップコンデンサ20側へ延びており少なくとも一部が電極対向部46に対して略垂直である実装部48と、チップ下側面である第4側面20fに接触してチップコンデンサ20を支える下部アーム部41b、43bと、を有する。
第2金属端子部40の電極対向部46は、第1金属端子部30の電極対向部36と同様に、チップ第1辺20gに略平行な一対の端子第1辺46gと、チップ第2辺20hに略平行な端子第2辺46haとを有しており、電極対向部46には、突起46a、第1貫通孔、第2貫通孔46c及びスリット46dが形成されている。図1に示すように、第2金属端子部40は、第1金属端子部30に対して対称に配置されており、チップコンデンサ20に対する配置が第1金属端子部30とは異なる。しかし、第2金属端子部40は、配置が異なるだけで、第1金属端子部30と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
第1金属端子部30および第2金属端子部40の材質は、導電性を有する金属材料であれば特に限定されず、例えば鉄、ニッケル、銅、銀等若しくはこれらを含む合金を用いることができる。特に、第1及び第2金属端子部30、40の材質をりん青銅とすることが、第1及び第2金属端子部30、40の比抵抗を抑制し、セラミックコンデンサ10のESRを低減する観点から好ましい。
以下に、セラミックコンデンサ10の製造方法について説明する。
積層セラミックチップコンデンサ20の製造方法
積層セラミックチップコンデンサ20の製造では、まず、焼成後に内部電極層26となる電極パターンが形成されたグリーンシート(焼成後に誘電体層28となる)を積層して積層体を作製したのち、得られた積層体を加圧・焼成することによりコンデンサ素体を得る。さらに、コンデンサ素体に第1端子電極22及び第2端子電極24を、端子電極用塗料焼き付け及びめっき等により形成することにより、チップコンデンサ20を得る。積層体の原料となるグリーンシート用塗料や内部電極層用塗料、端子電極の原料並びに積層体及び電極の焼成条件等は特に限定されず、公知の製造方法等を参照して決定することができる。本実施形態においては、誘電体材料としてチタン酸バリウムを主成分とするセラミックグリーンシートを用いた。また、端子電極は、Cuペーストを浸漬、焼付処理することで焼付層を形成し、さらに、Niめっき、Snめっき処理を行なうことで、Cu焼付層/Niめっき層/Snめっき層を形成した。
金属端子部30、40の製造方法
第1金属端子部30の製造では、まず、平板状の金属板材を準備する。金属板材の材質は、導電性を有する金属材料であれば特に限定されず、例えば鉄、ニッケル、銅、銀等若しくはこれらを含む合金を用いることができる。次に、金属板材を機械加工することにより、嵌合アーム部37a、37b、下部アーム部31b、33b、電極対向部36、実装部38等の形状を形成した中間部材を得る。
次に、機械加工により形成された中間部材の表面に、めっきによる金属被膜を形成することにより、第1金属端子部30を得る。めっきに用いる材料としては、特に限定されないが、例えばNi、Sn、Cu等が挙げられる。また、めっき処理の際、実装部38の上面にレジスト処理を施すことにより、めっきが実装部38の上面に付着することを防止することができる。これにより、実装部38の上面と下面のはんだに対する濡れ性に差異を発生させることができる。なお、中間部材全体にめっき処理を施して金属被膜を形成した後、実装部38の上面に形成された金属被膜のみをレーザー剥離等で除去しても、同様の差異を発生させることができる。
なお、第1金属端子部30の製造では、帯状に連続する金属板材から、複数の第1金属端子部30が、互いに連結された状態で形成されてもよい。互いに連結された複数の第1金属端子部30は、チップコンデンサ20との接続前、又はチップコンデンサ20に接続された後に、個片に切断される。
第2金属端子部40の製造方法も、第1金属端子部30と同様である。
セラミックコンデンサ10の組み立て
上述のようにして得られたチップコンデンサ20を2つ準備し、図1に示すように第2側面20dと第1側面20cとが接触するように配列して保持する。そして、第1端子電極22と第2端子電極24に、それぞれ第1金属端子部30と第2金属端子部40を取り付ける。この際、第1及び第2金属端子部30、40には、チップコンデンサ20に対して取り付けられる前に、電極対向部36、46における端子内面に、予めはんだ等の接合部材が塗布される。端子内面に予め接合部材が塗布される初期塗布領域50cは、後に形成される接合領域(点線36faの内側)の内部であって、接合領域より狭い範囲に形成される。
端子内面に接合部材を塗布した第1金属端子部30と第2金属端子部40とを、チップコンデンサ20に取り付けた後、電極対向部36、46の端子外面から加熱押圧ヘッドを接触させて接合部材を溶融させることで、電極対向部36、46と第1及び第2端子電極22、24とを、接合部材で接合する。これにより、第1及び第2金属端子部30、40をチップコンデンサ20の第1端子電極22及び第2端子電極24に電気的及び機械的に接続し、セラミックコンデンサ10を得る。
なお、はんだ等の接合部材は、第1金属端子部30と第2金属端子部40とを、チップコンデンサ20に取り付けた後、第1貫通孔36bを介して端子内面に注入してもよい。なお、必要に応じて、第1及び第2端子電極22、24と、これに係合している嵌合アーム部37a、37b、47a、47b又は下部アーム部31b、33b、41b、43bとを、いずれか又は双方の表面に形成された金属メッキを溶解させることにより、溶着させても良い。
このようにして得られるセラミックコンデンサ10は、セラミックコンデンサ10の高さ方向が、チップコンデンサ20の長辺であるチップ第1辺20gの方向と同じ方向であり、しかも、実装部38、48が端子第2辺36hbからチップコンデンサ20の下方に曲げられて形成されているため、セラミックコンデンサ10における高さ方向からの投影面積が狭い(図4及び図5参照)。したがって、このようなセラミックコンデンサ10は、実装面積を狭くすることができる。
さらに、複数のチップコンデンサ20を実装面に平行な方向に配列し、かつ、チップコンデンサ20の積層方向を実装面と平行な方向にしたことにより、セラミックコンデンサ10の伝送経路が短くなるため、セラミックコンデンサ10は、低ESLを実現できる。
また、セラミックコンデンサ10は、下部アーム部31b、33b、41b、43bによってチップコンデンサ20を下方から支持するとともに、嵌合アーム部37a、37b、47a、47bによって複数のチップコンデンサ20を水平方向から挟んで把持するため、チップコンデンサ20を確実に保持可能で耐衝撃性に優れている。また、チップ第2辺20hを略同一直線上に揃えて配置することにより、チップコンデンサ20の数が増えても高さ方向寸法が変化せず、低背化の点で有利である。
また、セラミックコンデンサ10は、下部アーム部31b、33bが第2貫通孔36cの周縁部に接続していることにより、チップコンデンサ20を支持する下部アーム部31b、33b及び下部アーム部31b、33bを支える電極対向部36、46が、弾性変形しやすい形状となっている。したがって、第1及び第2金属端子部30、40は、セラミックコンデンサ10に生じる応力を緩和する作用や、振動を吸収する作用を、効果的に奏することができる。
また、第2貫通孔36cの周縁部に下部アーム部31b、33bが接続していることにより、セラミックコンデンサ10では、実装面に垂直な方向(Z軸方向)から見た場合、下部アーム部31b、33bを、実装部38に対して重なる位置に配置することが可能である(図5参照)。したがって、セラミックコンデンサ10は、実装部38を広くすることが可能であり、また、小型化の観点で有利である。
また、電極対向部36に第1貫通孔36bが形成されているセラミックコンデンサ10は、例えば第1貫通孔36bにはんだのような接合部材を塗布して第1貫通孔36bの周縁部と第1端子電極22との間に、はんだブリッジを形成させることで、第1及び第2金属端子部30、40とチップコンデンサ20とを、確実に接続することが可能である。また、第1貫通孔36bが形成されていることにより、たとえチップコンデンサ20と第1及び第2金属端子部30、40とを組み立てた後であっても、第1および第2端子電極22、24と電極対向部36、46との間に、はんだ等の接合部材を容易に介在させることができる。また、このような第1貫通孔36bが形成されていることにより、セラミックコンデンサ10は、第1及び第2金属端子部30、40とチップコンデンサ20との接合状態を、外部から容易に視認することができるため、品質のばらつきを低減し、良品率を向上させることが可能である。
第2実施形態
図7と図8は、本発明の第2実施形態に係るセラミックコンデンサ110の正面図と左側面図である。第2実施形態に係るセラミックコンデンサ110は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部130及び第2金属端子部140とを有する。セラミックコンデンサ110は、第1及び第2金属端子部130、140が上部アーム部131、141を有する点を除き、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様である。そのため、セラミックコンデンサ110の説明では、セラミックコンデンサ10との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図7及び図8に示すように、セラミックコンデンサ110の第1金属端子部130は、上部アーム部131を有する。上部アーム部131は、チップ上側面である第3側面20eに接触し、下部アーム部33b、31bとの間にチップコンデンサ20を高さ方向に挟む。図8に示すように、上部アーム部131は、電極対向部36における上側の端子第2辺36haに接続している。
図8に示すように、上部アーム部131は、複数(第2実施形態では2つ)のチップコンデンサ20の第3側面20eに接触し、複数のチップコンデンサ20をまとめて上から支持する。このような上部アーム部131は、セラミックコンデンサ110の高さ方向寸法ばらつきを抑制することができる。なお、第2金属端子部140は、第1金属端子部130に対して対称に配置されているが、第1金属端子部130と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
第2実施形態に係るセラミックコンデンサ110は、上部アーム部131、141を有するため、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部130、140に対して上方へ位置ずれしたり、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部130、140に対して上方へ離脱したりする問題を、確実に防止することができる。また、セラミックコンデンサ110は、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様の効果を奏する。
なお、第1金属端子部130の下部アーム部31b、33bは、1つのチップコンデンサの第4側面20fに接触する下部アーム部31b(第1下部アーム部)と、他の1つのチップコンデンサの第4側面20fに接触する下部アーム部33b(第2下部アーム部)とを有する。このため、第1金属端子部130は、セラミックコンデンサ110に含まれる2つのチップコンデンサ20における高さ方向の寸法が互いに異なっているような場合にでも、各チップコンデンサ20を上部アーム部131と下部アーム部31b、33bの間に確実に把持することができる。第2金属端子部140についても同様である。
第3実施形態
図9と図10は、本発明の第3実施形態に係るセラミックコンデンサ210の正面図と左側面図である。第3実施形態に係るセラミックコンデンサ210は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部230及び第2金属端子部240とを有する。セラミックコンデンサ210は、第1及び第2金属端子部230、240が上部アーム部231a、233a、241aを有する点を除き、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様である。そのため、セラミックコンデンサ210の説明では、セラミックコンデンサ10との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図9及び図10に示すように、セラミックコンデンサ210の第1金属端子部230は、上部アーム部231a、233aを有する。上部アーム部231a、233aは、チップ上側面である第3側面20eに接触し、下部アーム部33b、31bとの間にチップコンデンサ20を高さ方向に挟む。図10に示すように、上部アーム部231a、233aは、電極対向部36における上側の端子第2辺36haに接続している。
図10に示すように、第1金属端子部230は、1つのチップコンデンサ20の第3側面20eに接触する上部アーム部231a(第1上部アーム部)と、他の1つのチップコンデンサ20の第3側面20eに接触する上部アーム部233a(第2上部アーム部)とを有する。一方の上部アーム部231aは1つのチップコンデンサ20を上から押さえ、他方の上部アーム部233aは、一方の上部アーム部231aとは独立して他の1つのチップコンデンサ20を上から支持する。このような上部アーム部231a、233aは、セラミックコンデンサ110に含まれるチップコンデンサ20における高さ方向寸法が互いに異なるような場合であっても、確実にチップコンデンサ20を上方から押さえて、下部アーム部31b、33bとの間に把持することが可能である。なお、第2金属端子部240は、第1金属端子部230に対して対称に配置されているが、第1金属端子部230と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
第3実施形態に係るセラミックコンデンサ210は、上部アーム部231a、233a、241aを有するため、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部230、240に対して上方へ位置ずれしたり、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部230、240に対して上方へ離脱したりする問題を、確実に防止することができる。また、セラミックコンデンサ210は、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様の効果を奏する。
第4実施形態
図11と図12は、本発明の第4実施形態に係るセラミックコンデンサ310の正面図と左側面図である。第4実施形態に係るセラミックコンデンサ310は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部330及び第2金属端子部340とを有する。セラミックコンデンサ310は、第1及び第2金属端子部330、340が、2つのチップコンデンサ20の両方に接触する下部アーム部331、341を有し、第2貫通孔336c及びスリット336dの形状が異なる点を除き、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様である。そのため、セラミックコンデンサ310の説明では、セラミックコンデンサ10との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図11及び図12に示すように、セラミックコンデンサ310の第1金属端子部330は、下部アーム部331と、下部アーム部331が接続する周縁部336caを有する第2貫通孔336cが形成された電極対向部336とを有する。電極対向部336には、1つの第2貫通孔336cと1つのスリット336dが形成されている。また、第2貫通孔336c及びスリット336dは、図3に示す第2貫通孔36c及びスリット36dに比べてX軸方向に長く、X軸方向に関して2つのチップコンデンサ20の双方に重複する位置に配置されている。
図12に示すように、下部アーム部331は、複数(第2実施形態では2つ)のチップコンデンサ20の第4側面20fに接触し、複数のチップコンデンサをまとめて支持する。このような第1金属端子部330は、実装面から下部アーム部331又はチップ下側面である第4側面20fまでの距離が、複数の分離した部分(図3に示す下部アーム部31b、33b)の間でばらつく問題を防止し、セラミックコンデンサ310を実装する際に使用するはんだの、予期しない這い上がりを防止することができる。なお、第2金属端子部340は、第1金属端子部330に対して対称に配置されているが、第1金属端子部330と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
その他、第4実施形態に係るセラミックコンデンサ310は、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様の効果を奏する。
第5実施形態
図13と図14は、本発明の第5実施形態に係るセラミックコンデンサ410の正面図と左側面図である。第5実施形態に係るセラミックコンデンサ410は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部430及び第2金属端子部440とを有する。セラミックコンデンサ410は、第1及び第2金属端子部430、440が上部アーム部431、441を有する点を除き、第4実施形態に係るセラミックコンデンサ310と同様である。そのため、セラミックコンデンサ410の説明では、セラミックコンデンサ310との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図13及び図14に示すように、セラミックコンデンサ410の第1金属端子部430は、上部アーム部431を有する。上部アーム部431は、チップ上側面である第3側面20eに接触し、下部アーム部331との間にチップコンデンサ20を高さ方向に挟む。図14に示すように、上部アーム部431は、電極対向部336における上側の端子第2辺336haに接続している。
図14に示すように、上部アーム部431は、複数(第2実施形態では2つ)のチップコンデンサ20の第3側面20eに接触し、複数のチップコンデンサ20をまとめて上から支持する。このような上部アーム部431は、セラミックコンデンサ410の高さ方向寸法ばらつきを抑制することができる。なお、第2金属端子部440は、第1金属端子部430に対して対称に配置されているが、第1金属端子部430と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
第5実施形態に係るセラミックコンデンサ410は、上部アーム部431、441を有するため、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部430、440に対して上方へ位置ずれしたり、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部430、440に対して上方へ離脱したりする問題を、確実に防止することができる。また、セラミックコンデンサ410は、第4実施形態に係るセラミックコンデンサ310と同様の効果を奏する。
第6実施形態
図15と図16は、本発明の第6実施形態に係るセラミックコンデンサ510の正面図と左側面図である。第6実施形態に係るセラミックコンデンサ510は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部530及び第2金属端子部540とを有する。セラミックコンデンサ510は、第1及び第2金属端子部530、540が上部アーム部531a、533a、541aを有する点を除き、第4実施形態に係るセラミックコンデンサ310と同様である。そのため、セラミックコンデンサ510の説明では、セラミックコンデンサ310との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図15及び図16に示すように、セラミックコンデンサ510の第1金属端子部530は、上部アーム部531a、533aを有する。上部アーム部531a、533aは、チップ上側面である第3側面20eに接触し、下部アーム部331との間にチップコンデンサ20を高さ方向に挟む。図16に示すように、上部アーム部531a、533aは、電極対向部336における上側の端子第2辺336haに接続している。
図16に示すように、第1金属端子部530は、1つのチップコンデンサ20の第3側面20eに接触する上部アーム部531a(第1上部アーム部)と、他の1つのチップコンデンサ20の第3側面20eに接触する上部アーム部533a(第2上部アーム部)とを有する。一方の上部アーム部531aは1つのチップコンデンサ20を上から押さえ、他方の上部アーム部533aは、一方の上部アーム部531aとは独立して他の1つのチップコンデンサ20を上から支持する。このような上部アーム部531a、533aは、セラミックコンデンサ510に含まれるチップコンデンサ20における高さ方向寸法が互いに異なるような場合であっても、確実にチップコンデンサ20を上方から押さえて、下部アーム部331との間に把持することが可能である。なお、第2金属端子部540は、第1金属端子部530に対して対称に配置されているが、第1金属端子部530と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
第6実施形態に係るセラミックコンデンサ510は、上部アーム部531a、533a、541aを有するため、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部530、540に対して上方へ位置ずれしたり、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部530、540に対して上方へ離脱したりする問題を、確実に防止することができる。また、セラミックコンデンサ510は、第4実施形態に係るセラミックコンデンサ310と同様の効果を奏する。
第7実施形態
図17と図18は、本発明の第7実施形態に係るセラミックコンデンサ610の正面図と左側面図である。第7実施形態に係るセラミックコンデンサ610は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部630及び第2金属端子部640とを有する。セラミックコンデンサ610は、第1及び第2金属端子部630、640の電極対向部636、646に切り欠き636cが形成されており、第1及び第2金属端子部630、640が切り欠き636cの周縁部636caに接続する下部アーム部631b、633b、641aを有する点を除き、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様である。そのため、セラミックコンデンサ610の説明では、セラミックコンデンサ10との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図17及び図18に示すように、セラミックコンデンサ610の第1金属端子部630は、電極対向部636と、下部アーム部631b、633bと、実装部38と、嵌合アーム部37a、37bとを有する。電極対向部636には、図1に示す2か所の第2貫通孔36cに対応する位置に、それぞれ切り欠き636cが形成されている。切り欠き636cは、電極対向部636における2つの端子第1辺636gから、電極対向部636におけるY軸中央位置に向かって形成されている。切り欠き636cの周縁部636ca及び端子第1辺636gは、周縁部636caと端子第1辺636gに交わる2か所で、上下方向に途切れている。電極対向部636におけるプレート本体部636jと端子接続部636kとは、2つの切り欠き636cの間の部分で上下に接続されている。
図18に示すように、下部アーム部631b、633bは、切り欠き636cの周縁部636caの下辺に接続しており、端子接続部36kからチップコンデンサの第4側面20fへ向かって延びている。下部アーム部631bは、1つのチップコンデンサ20の第4側面20fに接触しており、1つのチップコンデンサ20を支持する。下部アーム部633bは、他の1つのチップコンデンサ20の第4側面20fに接触しており、下部アーム部631bとは独立して他の1つのチップコンデンサ20を支持する。第1金属端子部630では、それぞれの下部アーム部631b、633bが、複数ではなく1つのチップコンデンサ20をそれぞれ支持しているため、各チップコンデンサ20の寸法に製造ばらつきがあったとしても、これを確実に支持することができる。なお、第1金属端子部630は、電極対向部636の端子第2辺636haに接続される上部アーム部を有しない。
第2金属端子部640は、第1金属端子部630に対して対称に配置されているが、第1金属端子部330と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。その他、第7実施形態に係るセラミックコンデンサ610は、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様の効果を奏する。
第8実施形態
図19と図20は、本発明の第8実施形態に係るセラミックコンデンサ710の正面図と左側面図である。第8実施形態に係るセラミックコンデンサ710は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部730及び第2金属端子部740とを有する。セラミックコンデンサ710は、第1及び第2金属端子部730、740が上部アーム部731、741を有する点を除き、第7実施形態に係るセラミックコンデンサ610と同様である。そのため、セラミックコンデンサ710の説明では、セラミックコンデンサ610との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図19及び図20に示すように、セラミックコンデンサ710の第1金属端子部730は、上部アーム部731を有する。上部アーム部731は、チップ上側面である第3側面20eに接触し、下部アーム部631b、633bとの間にチップコンデンサ20を高さ方向に挟む。図20に示すように、上部アーム部731は、電極対向部636における上側の端子第2辺636haに接続している。
図20に示すように、上部アーム部731は、複数(第2実施形態では2つ)のチップコンデンサ20の第3側面20eに接触し、複数のチップコンデンサをまとめて上から支持する。このような上部アーム部731は、セラミックコンデンサ710の高さ方向寸法ばらつきを抑制することができる。なお、第2金属端子部740は、第1金属端子部730に対して対称に配置されているが、第1金属端子部730と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
第8実施形態に係るセラミックコンデンサ710は、上部アーム部731、741を有するため、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部730、740に対して上方へ位置ずれしたり、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部730、740に対して上方へ離脱したりする問題を、確実に防止することができる。また、セラミックコンデンサ710は、第7実施形態に係るセラミックコンデンサ610と同様の効果を奏する。
第9実施形態
図21と図22は、本発明の第9実施形態に係るセラミックコンデンサ810の正面図と左側面図である。第9実施形態に係るセラミックコンデンサ810は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部830及び第2金属端子部840とを有する。セラミックコンデンサ810は、第1及び第2金属端子部830、840が上部アーム部831a、833a、841aを有する点を除き、第7実施形態に係るセラミックコンデンサ610と同様である。そのため、セラミックコンデンサ810の説明では、セラミックコンデンサ610との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図21及び図22に示すように、セラミックコンデンサ810の第1金属端子部830は、上部アーム部831a、833aを有する。上部アーム部831a、833aは、チップ上側面である第3側面20eに接触し、下部アーム部631b、633bとの間にチップコンデンサ20を高さ方向に挟む。図22に示すように、上部アーム部631a、633aは、電極対向部636における上側の端子第2辺636haに接続している。
図22に示すように、第1金属端子部830は、1つのチップコンデンサ20の第3側面20eに接触する上部アーム部831a(第1上部アーム部)と、他の1つのチップコンデンサ20の第3側面20eに接触する上部アーム部833a(第2上部アーム部)とを有する。一方の上部アーム部831aは1つのチップコンデンサ20を上から押さえ、他方の上部アーム部833aは、一方の上部アーム部831aとは独立して他の1つのチップコンデンサ20を上から支持する。このような上部アーム部831a、833aは、セラミックコンデンサ810に含まれるチップコンデンサにおける高さ方向寸法が互いに異なるような場合であっても、確実にチップコンデンサ20を上方から押さえて、下部アーム部631b、633bとの間に把持することが可能である。なお、第2金属端子部840は、第1金属端子部830に対して対称に配置されているが、第1金属端子部830と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。
第9実施形態に係るセラミックコンデンサ810は、上部アーム部831a、833a、841aを有するため、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部830、840に対して上方へ位置ずれしたり、チップコンデンサ20が第1又は第2金属端子部830、840に対して上方へ離脱したりする問題を、確実に防止することができる。また、セラミックコンデンサ810は、第8実施形態に係るセラミックコンデンサ810と同様の効果を奏する。
第10実施形態
図23と図24は、本発明の第10実施形態に係るセラミックコンデンサ910の左側面図と上面図である。第10実施形態に係るセラミックコンデンサ910は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部930及び第2金属端子部940とを有する。セラミックコンデンサ910は、第1及び第2金属端子部930、940の電極対向部936、946の端子第2辺936haの長さが短いことと、嵌合アーム部937a、937b、947a、947bの形状が異なることを除き、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様である。そのため、セラミックコンデンサ910の説明では、セラミックコンデンサ10との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図23及び図24に示すように、セラミックコンデンサ910の第1金属端子部930は、電極対向部936と、下部アーム部31b、33bと、実装部(図23、図24では不図示)と、嵌合アーム部937a、937bとを有する。電極対向部936の端子第2辺936haの長さは、チップ第2辺20hの長さL2(図4参照)の2倍より短い。そのため、図23に示すように、X軸方向両側の端子第1辺936gは、X軸方向両側のチップ第1辺20gより素子中央側に位置している。
第1金属端子部930における一対の嵌合アーム部937a、937bは、電極対向部936における各端子第1辺936gに接続している。嵌合アーム部937a、37bは、チップ縦側面である第1側面20c又は第2側面20dに接触する。すなわち、図24に示すように、一方の嵌合アーム部937aは、電極対向部936におけるX軸負方向側の端子第1辺936gに接続し、一方の嵌合アーム部937aは、X軸負方向側のチップコンデンサ20におけるX軸負方向側のチップ縦側面である第1側面20cに接触する。これに対して、他方の嵌合アーム部937bは、電極対向部936におけるX軸負正向側の端子第1辺936gに接続し、他方の嵌合アーム部937bは、X軸正方向側のチップコンデンサ20におけるX軸正方向側のチップ縦側面である第2側面20dに接触する。これにより、一対の嵌合アーム部937a、937bは、2つのチップコンデンサ20を水平方向に挟んで把持している。
図24に示すように、嵌合アーム部937a、937bは、端子第1辺936gから電極対向部936に平行に伸びるアーム基部937aa、937baと、アーム基部937aa、937baから屈曲して第1側面20c又は第2側面20dに接触するアーム先端部937ab、937bbと、を有しており、Z軸方向から見て略L字状の形状を有する。嵌合アーム部937a、937bが略L字状の形状を有することにより、チップコンデンサ20のチップ第2辺20h方向の長さL2(図4参照)に製造バラツキがあるような場合でも、第1金属端子部930は確実にチップコンデンサ20を把持することが可能である。
第2金属端子部940は、第1金属端子部930に対して対称に配置されているが、第1金属端子部930と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。その他、第10実施形態に係るセラミックコンデンサ910は、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様の効果を奏する。
第11実施形態
図25は、本発明の第11実施形態に係るセラミックコンデンサ1010の正面図である。第11実施形態に係るセラミックコンデンサ1010は、2つのチップコンデンサ20と、第1金属端子部1030及び第2金属端子部1040とを有する。セラミックコンデンサ1010は、第1及び第2金属端子部1030、1040の嵌合アーム部が、上嵌合アーム部1037a、1047aと下嵌合アーム部1038a、1048aとを有することを除き、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様である。そのため、セラミックコンデンサ1010の説明では、セラミックコンデンサ10との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
図25に示すように、セラミックコンデンサ1010の第1金属端子部1030は、チップ縦側面である第1側面20c(又はチップコンデンサ20)における高さ方向の中央位置よりチップ上側面である第3側面20e側(又はチップコンデンサ20の上端側)で第1側面20cに接触する上嵌合アーム部1037aと、第1側面20c(又はチップコンデンサ20)における高さ方向の中央位置よりチップ下側面である第4側面20f側(又はチップコンデンサ20の下端側)で第1側面20cに接触する下嵌合アーム部1038aと、を有する。上嵌合アーム部1037aと、下嵌合アーム部1038aとは、X軸負方向側の端子第1辺36gに接続しており、X軸正方向側の端子第1辺36gに接続する上嵌合アーム部及び下嵌合アーム部(図25には表れない)と対をなし、それぞれチップコンデンサ20を水平方向に把持する。
第1側面20c(又はチップコンデンサ20)における高さ方向の中央位置には、上嵌合アーム部1037aと下嵌合アーム部1038aのいずれもチップ縦側面である第1側面20cに接触しない非接触領域20caが形成されている。上嵌合アーム部1037aと下嵌合アーム部1038aとを有する第1金属端子部1030は、チップコンデンサ20を上下両方の位置で挟んで把持するため、チップ部品を確実に把持することができる。特に、チップコンデンサ20は、チップ第1辺20gの中央位置(Z軸方向中央位置)におけるX軸方向の厚みL2が厚く、チップ第1辺20gの両端部(Z軸方向両端)へ向かってX軸方向の厚み(L2)が薄くなる湾曲形状を有する場合があるが、第1金属端子部1030は、そのような湾曲形状を有するチップコンデンサ20であっても、確実に把持することができる。
第2金属端子部1040は、第1金属端子部1030に対して対称に配置されているが、第1金属端子部1030と同様の形状を有するため、詳細については説明を省略する。その他、第11実施形態に係るセラミックコンデンサ1010は、第1実施形態に係るセラミックコンデンサ10と同様の効果を奏する。
その他の実施形態
以上のように、本発明を実施形態を挙げて説明してきたが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明には他の多くの変形例が含まれることは言うまでもない。たとえば、図1に示す第1金属端子部30には、突起36a、第1貫通孔36b、第2貫通孔36cおよびスリット36dが全て形成されているが、第1金属端子部としてはこれに限定されず、これらのうち1つ又は複数の部分が形成されていない変形例も、本発明に係る第1金属端子部に含まれる。
また、図1〜図25では、第1金属端子部又は第2金属端子部とチップコンデンサ20とを接続する接合部材については図示していないが、はんだ等の接合部材の形状、大きさ及び種類は、セラミックコンデンサの大きさや、セラミックコンデンサの用途等に応じて、適宜調整される。また、セラミックコンデンサが把持するチップコンデンサ20の数は複数であれば特に限定されず、3つ以上のチップコンデンサ20を把持するものであってもかまわない。