JP2012191007A - 積層コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】ESLを高めることが可能な積層コンデンサを提供すること。
【解決手段】積層コンデンサ1は、素体1と、それぞれ複数の第一及び第二内部電極13,15と、第一及び第二端子電極3,5と、第一接続導体7と、第一貫通導体17と、を備えている。第一接続導体7には、複数の第一内部電極13が接続されている。第一貫通導体17は、複数の絶縁体層11の積層方向に沿って延びるように素体2内に配置され、一端が実装面に対向する主面2aに配置された第一電極部分3aに接続され且つ他端が第一端子電極3に接続されていない。複数の第一内部電極13は、第一貫通導体17が少なくとも一つの第一内部電極13と接続されることにより、第一貫通導体17及び第一接続導体7を通して第一端子電極3と電気的に接続されている。複数の第二内部電極15は、第二端子電極5と電気的に接続されている。
【選択図】図3
【解決手段】積層コンデンサ1は、素体1と、それぞれ複数の第一及び第二内部電極13,15と、第一及び第二端子電極3,5と、第一接続導体7と、第一貫通導体17と、を備えている。第一接続導体7には、複数の第一内部電極13が接続されている。第一貫通導体17は、複数の絶縁体層11の積層方向に沿って延びるように素体2内に配置され、一端が実装面に対向する主面2aに配置された第一電極部分3aに接続され且つ他端が第一端子電極3に接続されていない。複数の第一内部電極13は、第一貫通導体17が少なくとも一つの第一内部電極13と接続されることにより、第一貫通導体17及び第一接続導体7を通して第一端子電極3と電気的に接続されている。複数の第二内部電極15は、第二端子電極5と電気的に接続されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、積層コンデンサに関する。
積層コンデンサとして、複数の絶縁体層が積層されることにより形成された素体と、素体内に配置された複数の第一内部電極と、複数の絶縁体層の積層方向で第一内部電極と対向するように素体内に配置され、第一内部電極と極性が異なる複数の第二内部電極と、素体の外表面に配置され、複数の第一内部電極に接続された第一端子電極と、素体の外表面に配置され、複数の第二内部電極に接続された第二端子電極と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、等価直列インダクタンス(ESL:Equivalent Series Inductance)を高めることが可能な積層コンデンサを提供することを目的とする。
本発明に係る積層コンデンサは、複数の絶縁体層が積層されることにより形成され、外表面として実装面と実装面に対向する主面と実装面と主面とを連結する側面とを有する素体と、素体内に配置された複数の第一内部電極と、複数の絶縁体層の積層方向で第一内部電極と対向するように素体内に配置され、第一内部電極と極性が異なる複数の第二内部電極と、素体の外表面に配置され、主面に配置された第一電極部分と該第一電極部分に連続し且つ側面に配置された第二電極部分とを有する第一端子電極と、素体の外表面に配置された第二端子電極と、素体の外表面に配置され、複数の第一内部電極に接続された第一接続導体と、複数の絶縁体層の積層方向に沿って延びるように素体内に配置され、一端が第一電極部分に接続され且つ他端が第一端子電極と接続されていない第一貫通導体と、を備え、複数の第一内部電極は、第一貫通導体が少なくとも一つの第一内部電極と接続されることにより、第一貫通導体及び第一接続導体を通して第一端子電極と電気的に接続され、複数の第二内部電極は、第二端子電極と電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明に係る積層コンデンサでは、第一貫通導体に接続された第一内部電極が、第一貫通導体と第一端子電極の第一電極部分とを通して第一端子電極の第二電極部分に電気的に接続されている。本発明の積層コンデンサが他の電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品など)に実装された場合、第一貫通導体に接続された第一内部電極と第一端子電極との間において、第一端子電極の第二及び第一電極部分と第一貫通導体とが電流経路を形成することとなる。このため、積層コンデンサにおける電流経路が比較的長くなり、ESLを高めることができる。
第一貫通導体は、複数の第一内部電極のうち最も実装面側に位置する第一内部電極のみに接続されていてもよい。この場合、第一貫通導体に接続された第一内部電極と第一端子電極の第一電極部分との間の距離が長くなり、上述した電流経路がより一層長くなる。この結果、ESLを更に高めることができる。
第二端子電極は、主面に配置された第一電極部分と該第一電極部分に連続し且つ側面に配置された第二電極部分とを有しており、素体の外表面に配置され、複数の第二内部電極に接続された第二接続導体と、複数の絶縁体層の積層方向に沿って延びるように素体内に配置され、一端が第二端子電極の第一電極部分に接続され且つ他端が第二端子電極と接続されていない第二貫通導体と、を更に備え、複数の第二内部電極は、第二貫通導体が少なくとも一つの第二内部電極と接続されることにより、第二貫通導体及び第二接続導体を通して第二端子電極と電気的に接続されていてもよい。この場合、第二貫通導体に接続された第二内部電極が、第二貫通導体と第二端子電極の第一電極部分とを通して第二端子電極の第二電極部分に電気的に接続されている。本発明の積層コンデンサが他の電子機器に実装された場合、第二貫通導体に接続された第二内部電極と第二端子電極との間において、第二端子電極の第二及び第一電極部分と第二貫通導体とが電流経路を形成することとなる。このため、積層コンデンサにおける電流経路がより一層長くなり、ESLを更に高めることができる。
第二貫通導体は、複数の第二内部電極のうち最も実装面側に位置する第二内部電極のみに接続されていてもよい。この場合、第二貫通導体に接続された第二内部電極と第二端子電極の第二電極部分との間の距離が長くなり、上述した電流経路がより一層長くなる。この結果、ESLを更に高めることができる。
本発明に係る積層コンデンサは、複数の絶縁体層が積層されることによって形成され、外表面として互いに対向する第一及び第二主面と第一主面と第二主面とを連結する側面とを有する素体と、素体内に配置された複数の第一内部電極と、複数の絶縁体層の積層方向で第一内部電極と対向するように素体内に配置され、第一内部電極と極性が異なる複数の第二内部電極と、素体の外表面に配置され、第一主面に配置された第一電極部分と該第一電極部分に連続し且つ側面に配置された第二電極部分と該第二電極部分に連続し第二主面に配置された第三電極部分とを有する第一端子電極と、素体の外表面に配置され、第一主面に配置された第一電極部分と該第一電極部分に連続し且つ側面に配置された第二電極部分と該第二電極部分に連続し第二主面に配置された第三電極部分とを有する第二端子電極と、素体の外表面に配置され、複数の第一内部電極に接続された第一接続導体と、素体の外表面に配置され、複数の第二内部電極に接続された第二接続導体と、複数の絶縁体層の積層方向に沿って延びるように素体内に配置され、一端が第一端子電極の第一電極部分に接続され且つ他端が第一端子電極と接続されていない第一貫通導体と、複数の絶縁体層の積層方向に沿って延びるように素体内に配置され、一端が第二端子電極の第三電極部分に接続され且つ他端が第二端子電極と接続されていない第二貫通導体と、を備え、複数の第一内部電極は、第一貫通導体が複数の第一内部電極のうち第二主面側に位置する第一内部電極に接続されることにより、第一貫通導体及び第一接続導体を通して第一端子電極と電気的に接続され、複数の第二内部電極は、第二貫通導体が複数の第二内部電極のうち第一主面側に位置する第二内部電極に接続されることにより、第二貫通導体及び第二接続導体を通して第二端子電極と電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明に係る積層コンデンサでは、第二主面側に位置する第一内部電極が、第一貫通導体と第一端子電極の第一電極部分とを通して第一端子電極の第二電極部分に電気的に接続されている。第一主面側に位置する第二内部電極が、第二貫通導体と第二端子電極の第三電極部分とを通して第二端子電極の第二電極部分に電気的に接続されている。本発明の積層コンデンサが第二主面を実装面として他の電子機器に実装された場合、第二主面側に位置する第一内部電極と第一端子電極との間において、第一端子電極の第二及び第一電極部分と第一貫通導体とが電流経路を形成することとなる。第一主面側に位置する第二内部電極と第二端子電極との間において、第二貫通導体が電流経路を形成することとなる。本発明の積層コンデンサが第一主面を実装面として他の電子機器に実装された場合、第二主面側に位置する第一内部電極と第一端子電極との間において、第一貫通導体が電流経路を形成することとなる。第一主面側に位置する第二内部電極と第二端子電極との間において、第二端子電極の第三及び第二電極部分と第二貫通導体とが電流経路を形成することとなる。したがって、第一主面と第二主面とのいずれの主面を実装面とした場合でも、積層コンデンサにおける電流経路が比較的長くなり、ESLを高めることができる。また、第一主面と第二主面とのいずれの主面を実装面として規定することができるため、積層コンデンサを実装する際の方向性がなくなり、積層コンデンサを容易に実装することができる。
本発明によれば、ESLを高めることが可能な積層コンデンサを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1〜図4を参照して、本実施形態に係る積層コンデンサ1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。図2は、素体の分解斜視図である。図3は、図1におけるIII−III線に沿った断面構成を説明するための図である。図4は、図1におけるIV−IV線に沿った断面構成を説明するための図である。
図1〜図4に示されるように、積層コンデンサ1は、略直方体形状の素体2と、素体2の外表面に配置された複数の外部導体と、を備えている。複数の外部導体は、第一端子電極3、第二端子電極5、第一接続導体7、及び第二接続導体9を含んでいる。
素体2は、図2に示されるように、複数の絶縁体層11が積層されることにより形成されている。絶縁体層11は、誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体からなる。実際の積層コンデンサ1では、各絶縁体層11は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。
素体2は、第一主面2a、第二主面2b、第一側面2c、第二側面2d、第三側面2e、及び第四側面2fを有している。第一及び第二主面2a,2bは、互いに対向しており、略長方形状を呈している。第一及び第二側面2c,2dは、第一及び第二主面2a,2b間を連結するように第一及び第二主面2a,2bの短辺方向に伸びており、互いに対向している。第三及び第四側面2e,2fは、第一及び第二主面2a,2b間を連結するように第一及び第二主面2a,2bの長辺方向に伸びており、互いに対向している。
第一端子電極3は、第一側面2c側に配置されている。第一端子電極3は、第一側面2cの全面を覆い且つその一部が第一主面2a、第二主面2b、第三側面2e、及び第四側面2f上に回り込むように形成されている。これにより、第一端子電極3は、図3に示されるように、第一主面2aに配置された第一電極部分3a、第一側面2cに配置された第二電極部分3b、及び第二主面2bに配置された第三電極部分3cを有することとなる。
第二端子電極5は、第二側面2d側に配置されている。第二端子電極5は、第二側面2dの全面を覆い且つその一部が第一主面2a、第二主面2b、第三側面2e、及び第四側面2f上に回り込むように形成されている。これにより、第二端子電極5は、図3に示されるように、第一主面2aに配置された第一電極部分5a、第二側面2dに配置された第二電極部分5b、及び第二主面2bに配置された第三電極部分5cを有することとなる。
第一接続導体7は、第三側面2eにおける第一及び第二主面2a,2bの長辺方向での中央部に配置されている。第二接続導体9は、第四側面2fにおける第一及び第二主面2a,2bの長辺方向での中央部に配置されている。第一接続導体7と第二接続導体9とは、第一及び第二主面2a,2bの短辺方向(素体2の短手方向)で互いに対向している。
第一端子電極3、第二端子電極5、第一接続導体7、及び第二接続導体9は、導電性金属粉末及びガラスフリットなどを含む導電性ペーストを焼き付けることによって形成されている。第一及び第二端子電極3,5は、積層コンデンサ1の実装の際に、所定の極性に接続される電極である。必要に応じて、形成された第一及び第二端子電極3,5の上にめっき層が形成されることもある。第一及び第二接続導体7,9は、素体2における後述の内部電極のうち同じ極性となる内部電極同士を並列に接続する導体である。第一及び第二接続導体7,9は、他の電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品など)に直接接続されない導体である。
第一端子電極3は、積層コンデンサ1の基板実装の際に例えば+極性(第一極性)に接続される電極である。第二端子電極5は、積層コンデンサ1の基板実装の際に例えば−極性(第二極性)に接続される電極である。第一端子電極3、第二端子電極5、第一接続導体7、及び第二接続導体9は、所定の間隔をあけて離間した状態となっており、素体2の外表面上において互いに電気的に絶縁されている。素体2の第一主面2aには、積層コンデンサ1の実装方向を識別するためのマークMが配置されている。
積層コンデンサ1の実装に用いる基板SUは、図5に示されるように、陽極ランドパターンLP1と、陰極ランドパターンLP2と、を有している。陽極ランドパターンLP1及び陰極ランドパターンLP2は、所定の回路配線に接続されている。積層コンデンサ1の実装構造において、第二主面2bが実装面とされている。
第一端子電極3は、陽極ランドパターンLP1に接合され、第二端子電極5は、陰極ランドパターンLP2に接合される。第一接続導体7及び第二接続導体9は、陽極ランドパターンLP1及び陰極ランドパターンLP2のいずれにも接合されない。すなわち、積層コンデンサ1の実装構造では、第一端子電極3及び第二端子電極5のみが基板SUに対して接合される。
積層コンデンサ1は、図2に示されるように、内部電極として、複数の第一内部電極13と複数の第二内部電極15とを備えている。内部電極(第一内部電極13及び第二内部電極15)は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、NiやCuなど)からなる。内部電極は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。第一内部電極13と第二内部電極15とは、互いに極性が異なる。
第一内部電極13と第二内部電極15とは、第一主面2aと第二主面2bとの対向方向(複数の絶縁体層11の積層方向)において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、第一内部電極13と第二内部電極15とは、素体2内において、第一主面2aと第二主面2bとの対向方向に間隔を有して対向するように交互に配置されている。第一内部電極13と第二内部電極15とは、素体2内に配置されている。
各第一内部電極13は、略矩形形状を呈した主電極部13aと、主電極部13aの一辺から延び第三側面2eに露出する引き出し部13bと、を有している。第一接続導体7は、各引き出し部13bの第三側面2eに露出した部分をすべて覆うように形成されており、図4に示されるように、引き出し部13bは、第一接続導体7に直接的に接続される。これにより、各第一内部電極13は、第一接続導体7を通して互いに電気的に接続されることとなる。
複数の第一内部電極13のうち、最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13のみが第一貫通導体17を通して第一端子電極3に電気的に接続されている。第一貫通導体17は、第一主面2aと第二主面2bとの対向方向(複数の絶縁体層11の積層方向)に沿って延びるように素体2内に配置されている。
第一貫通導体17の一端は、第一主面2aに露出しており、第一電極部分3aに直接的に接続されている。第一貫通導体17の他端は、最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13に直接的に接続されており、第二主面2bには露出していない。すなわち、第一貫通導体17の他端は、素体2内に位置し、第一端子電極3には接続されていない。最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13を除く第一内部電極13には、第一貫通導体17に対応する位置に開口13dが形成されており、第一貫通導体17との電気的絶縁が実現されている。各第二内部電極15にも、第一貫通導体17に対応する位置に開口15dが形成されており、第一貫通導体17との電気的絶縁が実現されている。これにより、最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13を除く第一内部電極13は、第一接続導体7、最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13、及び第一貫通導体17を通して、第一端子電極3(第一電極部分3a)に電気的に接続されることとなる。
第一貫通導体17は、各内部電極13,15と同層となるように各開口13d,15dの内側にそれぞれ配置された複数の導体部分17aと、複数の導体部分17a同士を接続し且つ絶縁体層11を貫通するように配置された複数の導体部分17bと、を有している。第一貫通導体17も、内部電極と同じく、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、NiやCuなど)からなる。第一貫通導体17は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
各第二内部電極15は、略矩形形状を呈すると共に主電極部13aと対向する主電極部15aと、主電極部15aの一辺から延び第四側面2fに露出する引き出し部15bと、を有している。絶縁体層11のうち、第一内部電極13の主電極部13aと第二内部電極15の主電極部15aとに重なる部分は、静電容量成分を実質的に生じさせる領域となる。第二接続導体9は、各引き出し部15bの第四側面2fに露出した部分をすべて覆うように形成されており、図4に示されるように、引き出し部15bは、第二接続導体9に直接的に接続される。これにより、各第二内部電極15は、第二接続導体9を通して互いに電気的に接続されることとなる。
複数の第二内部電極15のうち、最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15のみが第二貫通導体19を通して第二端子電極5に電気的に接続されている。第二貫通導体19は、第一主面2aと第二主面2bとの対向方向(複数の絶縁体層11の積層方向)に沿って延びるように素体2内に配置されている。
第二貫通導体19の一端は、第一主面2aに露出しており、第一電極部分5aに直接的に接続されている。第二貫通導体19の他端は、最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15に直接的に接続されており、第二主面2bには露出していない。すなわち、第二貫通導体19の他端は、素体2内に位置し、第二端子電極5には接続されていない。最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15を除く第二内部電極15には、第二貫通導体19に対応する位置に開口15eが形成されており、第二貫通導体19との電気的絶縁が実現されている。各第一内部電極13にも、第二貫通導体19に対応する位置に開口13eが形成されており、第二貫通導体19との電気的絶縁が実現されている。これにより、最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15を除く第二内部電極15は、第二接続導体9、最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15、及び第二貫通導体19を通して、第二端子電極5(第一電極部分5a)に電気的に接続されることとなる。
第二貫通導体19は、各内部電極13,15と同層となるように各開口13e,15eの内側にそれぞれ配置された複数の導体部分19aと、複数の導体部分19a同士を接続し且つ絶縁体層11を貫通するように配置された複数の導体部分19bと、を有している。第二貫通導体19も、内部電極や第一貫通導体17と同じく、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、NiやCuなど)からなる。第二貫通導体19は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
以上のように、本実施形態では、第一貫通導体17に直接的に接続された第一内部電極13(最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13)が、第一貫通導体17と第一端子電極3の第一電極部分3aとを通して第一端子電極3の第二及び第三電極部分3b,3cに電気的に接続されている。第二貫通導体19に直接的に接続された第二内部電極15(最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15)が、第二貫通導体19と第二端子電極5の第一電極部分5aとを通して第二端子電極5の第二及び第三電極部分5b,5cに電気的に接続されている。
積層コンデンサ1が基板SUに実装された場合、図5に示されるように、第一貫通導体17に直接的に接続された第一内部電極13と第一端子電極3との間において、第一端子電極3の第二及び第一電極部分3b,3aと第一貫通導体17とが電流経路(図中、矢印で示される経路)を形成する。第二貫通導体19に直接的に接続された第二内部電極15と第二端子電極5との間において、第二貫通導体19と第二端子電極5の第一及び第二電極部分5a,5bとが電流経路(図中、矢印で示される経路)を形成する。本実施形態では、積層コンデンサ1は基板SUにはんだ実装されており、図5では、実装の際に形成されるはんだフィレットの図示を省略している。
これらのことから、積層コンデンサ1では、全ての内部電極が対応する内部電極に並列に接続されている従来の積層コンデンサに比して、電流経路が長くなり、ESLを高めることができる。
本実施形態では、第一貫通導体17に直接的に接続された第一内部電極13以外の第一内部電極13が第一接続導体7のみに直接的に接続されている。すなわち、第一貫通導体17に直接的に接続された第一内部電極13以外の第一内部電極13が並列に接続された第一接続導体7が第一端子電極3に直列に接続されることとなる。第二貫通導体19に直接的に接続された第二内部電極15以外の第二内部電極15が第二接続導体9のみに直接的に接続されている。すなわち、第二貫通導体19に直接的に接続された第二内部電極15以外の第二内部電極15が並列に接続された第二接続導体9が第二端子電極5に直列に接続されることとなる。
これらのことから、積層コンデンサ1は、全ての内部電極が対応する内部電極に並列に接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)が高い。
次に、図6及び図7を参照して、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサ1の構成について説明する。図6は、本変形例に係る積層コンデンサの素体の分解斜視図である。図7は、本変形例に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
本変形例に係る積層コンデンサ1は、図1に示された積層コンデンサ1と同じく、素体2、第一端子電極3、第二端子電極5、第一接続導体7、及び第二接続導体9を備えている。本変形例に係る積層コンデンサ1は、積層コンデンサ1の実装方向を識別するためのマークMが配置されていない。
本変形例では、上述した実施形態と同じく、第一内部電極13に関しては、最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13のみが第一貫通導体17を通して第一端子電極3に電気的に接続されている。一方、第二内部電極15に関しては、最も第一主面2a側に位置する第二内部電極15のみが第二貫通導体19を通して第二端子電極5に電気的に接続されている。
第二貫通導体19の一端は、第二主面2bに露出しており、第三電極部分5cに直接的に接続されている。第二貫通導体19の他端は、最も第一主面2a側に位置する第二内部電極15に直接的に接続されており、第一主面2aには露出していない。すなわち、第二貫通導体19の他端は、素体2内に位置し、第二端子電極5には接続されていない。これにより、最も第一主面2a側に位置する第二内部電極15を除く第二内部電極15は、第二接続導体9、最も第一主面2a側に位置する第二内部電極15、及び第二貫通導体19を通して、第二端子電極5(第三電極部分5c)に電気的に接続されることとなる。
以上のように、本変形例では、第一貫通導体17に直接的に接続された第一内部電極13(最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13)が、第一貫通導体17と第一端子電極3の第一電極部分3aとを通して第一端子電極3の第二及び第三電極部分3b,3cに電気的に接続されている。第二貫通導体19に直接的に接続された第二内部電極15(最も第一主面2a側に位置する第二内部電極15)が、第二貫通導体19と第二端子電極5の第三電極部分5cとを通して第二端子電極5の第二電極部分5bに電気的に接続されている。
本変形例に係る積層コンデンサ1が第二主面2bを実装面として基板SUに実装された場合、図8に示されるように、第一貫通導体17に直接的に接続された第一内部電極13と第一端子電極3との間において、第一端子電極3の第二及び第一電極部分3b,3aと第一貫通導体17とが電流経路(図中、矢印で示される経路)を形成する。第二貫通導体19に直接的に接続された第二内部電極15と第二端子電極5との間において、第二貫通導体19が電流経路(図中、矢印で示される経路)を形成する。
本変形例に係る積層コンデンサ1が第一主面2aを実装面として基板SUに実装された場合、図9に示されるように、第一貫通導体17に直接的に接続された第一内部電極13と第一端子電極3との間において、第一貫通導体17が電流経路(図中、矢印で示される経路)を形成する。第二貫通導体19に直接的に接続された第二内部電極15と第二端子電極5との間において、第二貫通導体19と第二端子電極5の第三及び第二電極部分3c,3bとが電流経路(図中、矢印で示される経路)を形成する。図8及び図9でも、実装の際に形成されるはんだフィレットの図示を省略している。
これらのことから、本変形例においても、全ての内部電極が対応する内部電極に並列に接続されている従来の積層コンデンサに比して、電流経路が長くなり、ESLを高めることができる。
本変形例では、第一主面2aと第二主面2bとのいずれの主面を実装面として規定することができるため、積層コンデンサ1を実装する際の方向性がなくなり、積層コンデンサ1を容易に実装することができる。
本変形例に係る積層コンデンサ1は、上述した実施形態と同じく、全ての内部電極が対応する内部電極に並列に接続されている従来の積層コンデンサに比して、ESRが高い。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
図1〜図5に示された実施形態では、複数の第一内部電極13のうち最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13のみが第一貫通導体17に直接的に接続されているが、第一貫通導体17に直接的に接続される第一内部電極13は、最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13のみに限られない。たとえば、最も第一主面2a側に位置する第一内部電極13のみが第一貫通導体17に直接的に接続されていてもよいし、少なくとも二つ以上の第一内部電極13が第一貫通導体17に直接的に接続されていてもよい。
図1〜図5に示された実施形態では、複数の第二内部電極15のうち最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15のみが第二貫通導体19に直接的に接続されているが、第二貫通導体19に直接的に接続される第二内部電極15は、最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15のみに限られない。たとえば、最も第一主面2a側に位置する第二内部電極15のみが第二貫通導体19に直接的に接続されていてもよいし、少なくとも二つ以上の第二内部電極15が第二貫通導体19に直接的に接続されていてもよい。
図1〜図5に示された実施形態では、第一内部電極13及び第二内部電極15のそれぞれに関して、貫通導体17,19を通して端子電極3,5に電気的に接続されている構成が採用されているが、これに限られない。たとえば、第一内部電極13及び第二内部電極15のいずれか一方に関して、貫通導体17,19を通すことなく、全ての内部電極13,15が端子電極3,5に直接的に接続されていてもよい。
ただし、最も第二主面2b側に位置する第一内部電極13のみが第一貫通導体17に直接的に接続されていると共に、最も第二主面2b側に位置する第二内部電極15のみが第二貫通導体19に直接的に接続されていることにより、上述した電流経路を最も長く設定することが可能となり、ESLより一層高めることができる。また、ESRもより一層高めることができる。
図6〜図9に示された変形例でも、貫通導体17,19に直接的に接続される内部電極13,15は、図示した内部電極13,15に限られない。ただし、実装する際の方向性をなくするという観点では、第一貫通導体17に直接的に接続される第一内部電極13と第二貫通導体19に直接的に接続される第二内部電極15とが第一主面2aと第二主面2bとの対向方向(複数の絶縁体層11の積層方向)で対象に配置されていることが好ましい。すなわち、第一貫通導体17に直接的に接続される第一内部電極13と第二貫通導体19に直接的に接続される第二内部電極15とが第一主面2aと第二主面2bとの対向方向(複数の絶縁体層11の積層方向)で対象に配置することにより、第一主面2aと第二主面2bとのいずれの主面を実装面と規定しても、ESL及びESRが略等しくなる。
1…積層コンデンサ、2…素体、2a…第一主面、2b…第二主面、2c〜2f…第一〜第四側面、3…第一端子電極、3a…第一電極部分、3b…第二電極部分、3c…第三電極部分、5…第二端子電極、5a…第一電極部分、5b…第二電極部分、5c…第三電極部分、7…第一接続導体、9…第二接続導体、11…絶縁体層、13…第一内部電極、15…第二内部電極、17…第一貫通導体、19…第二貫通導体、LP1…陽極ランドパターン、LP2…陰極ランドパターン、SU…基板。
Claims (5)
- 複数の絶縁体層が積層されることにより形成され、外表面として実装面と前記実装面に対向する主面と前記実装面と前記主面とを連結する側面とを有する素体と、
前記素体内に配置された複数の第一内部電極と、
前記複数の絶縁体層の積層方向で前記第一内部電極と対向するように前記素体内に配置され、前記第一内部電極と極性が異なる複数の第二内部電極と、
前記素体の前記外表面に配置され、前記主面に配置された第一電極部分と該第一電極部分に連続し且つ前記側面に配置された第二電極部分とを有する第一端子電極と、
前記素体の前記外表面に配置された第二端子電極と、
前記素体の前記外表面に配置され、前記複数の第一内部電極に接続された第一接続導体と、
前記複数の絶縁体層の積層方向に沿って延びるように前記素体内に配置され、一端が前記第一電極部分に接続され且つ他端が前記第一端子電極と接続されていない第一貫通導体と、を備え、
前記複数の第一内部電極は、前記第一貫通導体が少なくとも一つの前記第一内部電極と接続されることにより、前記第一貫通導体及び前記第一接続導体を通して前記第一端子電極と電気的に接続され、
前記複数の第二内部電極は、前記第二端子電極と電気的に接続されていることを特徴とする積層コンデンサ。 - 前記第一貫通導体は、前記複数の第一内部電極のうち最も前記実装面側に位置する第一内部電極のみに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。
- 前記第二端子電極は、前記主面に配置された第一電極部分と該第一電極部分に連続し且つ前記側面に配置された第二電極部分とを有しており、
前記素体の前記外表面に配置され、前記複数の第二内部電極に接続された第二接続導体と、
前記複数の絶縁体層の積層方向に沿って延びるように前記素体内に配置され、一端が前記第二端子電極の前記第一電極部分に接続され且つ他端が前記第二端子電極と接続されていない第二貫通導体と、を更に備え、
前記複数の第二内部電極は、前記第二貫通導体が少なくとも一つの前記第二内部電極と接続されることにより、前記第二貫通導体及び前記第二接続導体を通して前記第二端子電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層コンデンサ。 - 前記第二貫通導体は、前記複数の第二内部電極のうち最も前記実装面側に位置する第二内部電極のみに接続されていることを特徴とする請求項3に記載の積層コンデンサ。
- 複数の絶縁体層が積層されることによって形成され、外表面として互いに対向する第一及び第二主面と前記第一主面と前記第二主面とを連結する側面とを有する素体と、
前記素体内に配置された複数の第一内部電極と、
前記複数の絶縁体層の積層方向で前記第一内部電極と対向するように前記素体内に配置され、前記第一内部電極と極性が異なる複数の第二内部電極と、
前記素体の前記外表面に配置され、前記第一主面に配置された第一電極部分と該第一電極部分に連続し且つ前記側面に配置された第二電極部分と該第二電極部分に連続し前記第二主面に配置された第三電極部分とを有する第一端子電極と、
前記素体の前記外表面に配置され、前記第一主面に配置された第一電極部分と該第一電極部分に連続し且つ前記側面に配置された第二電極部分と該第二電極部分に連続し前記第二主面に配置された第三電極部分とを有する第二端子電極と、
前記素体の前記外表面に配置され、前記複数の第一内部電極に接続された第一接続導体と、
前記素体の前記外表面に配置され、前記複数の第二内部電極に接続された第二接続導体と、
前記複数の絶縁体層の積層方向に沿って延びるように前記素体内に配置され、一端が前記第一端子電極の前記第一電極部分に接続され且つ他端が前記第一端子電極と接続されていない第一貫通導体と、
前記複数の絶縁体層の積層方向に沿って延びるように前記素体内に配置され、一端が前記第二端子電極の前記第三電極部分に接続され且つ他端が前記第二端子電極と接続されていない第二貫通導体と、を備え、
前記複数の第一内部電極は、前記第一貫通導体が前記複数の第一内部電極のうち前記第二主面側に位置する第一内部電極に接続されることにより、前記第一貫通導体及び前記第一接続導体を通して前記第一端子電極と電気的に接続され、
前記複数の第二内部電極は、前記第二貫通導体が前記複数の第二内部電極のうち前記第一主面側に位置する第二内部電極に接続されることにより、前記第二貫通導体及び前記第二接続導体を通して前記第二端子電極と電気的に接続されていることを特徴とする積層コンデンサ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011053268A JP2012191007A (ja) | 2011-03-10 | 2011-03-10 | 積層コンデンサ |
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JP2011053268A JP2012191007A (ja) | 2011-03-10 | 2011-03-10 | 積層コンデンサ |
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JP2011053268A Withdrawn JP2012191007A (ja) | 2011-03-10 | 2011-03-10 | 積層コンデンサ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101867982B1 (ko) * | 2016-07-20 | 2018-06-18 | 삼성전기주식회사 | 커패시터 및 그 실장 기판 |
-
2011
- 2011-03-10 JP JP2011053268A patent/JP2012191007A/ja not_active Withdrawn
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