JP2002198254A - セラミックコンデンサ - Google Patents

セラミックコンデンサ

Info

Publication number
JP2002198254A
JP2002198254A JP2000396186A JP2000396186A JP2002198254A JP 2002198254 A JP2002198254 A JP 2002198254A JP 2000396186 A JP2000396186 A JP 2000396186A JP 2000396186 A JP2000396186 A JP 2000396186A JP 2002198254 A JP2002198254 A JP 2002198254A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic capacitor
terminal
solder
flux
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000396186A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Abe
寿之 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2000396186A priority Critical patent/JP2002198254A/ja
Publication of JP2002198254A publication Critical patent/JP2002198254A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リフロー時の浮動または脱落等の不具合を確実
に阻止し得るセラミックコンデンサを提供する。 【解決手段】 セラミックコンデンサ素子1は、相対す
る両側端面に端子電極11、12を有する。金属端子
2、3は、先端部21、31が端子電極11、12に接
続され、中間部に折り返し部22、32を有し、折り返
し部22、32の後方に外部と接続される端子部23、
33を有する。接合部4、5は、はんだ成分41、51
と、フラックス成分42、52とを含み、金属端子2、
3の先端部21、31と、端子電極11、12との間に
介在し、両者21−11、31−12を接着する。フラ
ックス成分42、52は、接着性樹脂と、硬化剤とを含
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックコンデ
ンサに関する。本発明に係るセラミックコンデンサは、
主に、スイッチング電源用の平滑用コンデンサとして用
いるのに適する。
【0002】
【従来の技術】これまで、スイッチング電源用の平滑用
コンデンサとしては、アルミ電解コンデンサが主流であ
った。しかしながら、小型化、信頼性向上等の市場要求
が強まり、これに対応すべく、小型で高信頼性のセラミ
ックコンデンサの要求が高まっている。
【0003】一般に、電源周辺は高熱を発するため、基
板は放熱性の良いアルミニウム基板が用いられる。しか
しながら、電源周辺では、電源のオン/オフによる温度
変化が大きく、熱膨張率の大きなアルミニウム基板上に
実装したセラミックコンデンサには大きな熱応力が発生
する。この熱応力は、セラミックコンデンサにクラック
を発生させ、ショート不良や、発火等のトラブルを発生
させる原因となる。
【0004】発火等のトラブルを無くするためには、セ
ラミックコンデンサに発生する熱応力を緩和することが
重要である。熱応力を緩和する手段として、実公平5−
46258号公報、特開平4−171911号公報およ
び特開平4−259205号公報等は、セラミックコン
デンサの端子電極に金属板をはんだ付けし、金属板をア
ルミニウム基板上に実装することにより、セラミックコ
ンデンサがアルミニウム基板に直接はんだ付されるのを
防ぐ構造を開示している。
【0005】通常、アルミニウム基板の膨張、収縮によ
る熱応力を充分に吸収するためには、アルミニウム基板
にはんだ付される端子部から、セラミックコンデンサと
の接続部分に至る金属板の脚部分を、できるだけ長くす
る必要がある。しかしながら、従来品では、金属板の脚
を長くすると、必然的にセラミックコンデンサの高さが
高くなる構造であるため、金属板の脚の長さを、基板に
おいて許容される許容高さ内の寸法となるように制限す
る必要がある。
【0006】このため、従来品では、金属板の脚の長さ
を大きくすることができず、電源周辺のような温度変化
の激しい環境下(−55〜125℃)で長期間使用し続
けると、セラミックコンデンサの端部付近にクラックが
発生し、発火する危険性が高く、信頼性に関する重大な
問題があるため十分普及するに至っていない。
【0007】また、従来、金属板は燐青銅、銀、銅、ス
テンレス、アルミニウム、洋白等によって構成してあっ
た。ところが、これらの金属材料は、セラミックコンデ
ンサを構成するセラミック誘電体材料の平均線膨張係数
より著しく大きな平均線膨張係数を持つ。このため、温
度変化の大きな電源周辺部品として用いた場合、セラミ
ックコンデンサ素子と、金属板との間の平均線膨張係数
の相違から、特に、金属板接続部分に大きな応力が加わ
り、セラミックコンデンサの端部付近にクラックが発生
し、導通不良や発火等のトラブルを発生することがあっ
た。
【0008】特開平11ー219847号公報、特開平
11ー233370号公報及び特開平11ー74147
号公報等は、上述した問題点を解決するための手段を開
示している。これらの先行技術文献は、セラミックコン
デンサにおける金属端子構造、金属端子として選定すべ
き材料、セラミックコンデンサ素子及び金属端子の線膨
張係数の相互的関係、及び、セラミックコンデンサ素子
と金属端子との間のはんだ付け条件を開示する。
【0009】これらの開示内容のうち、金属端子構造は
中心的内容をなすものである。金属端子は、セラミック
コンデンサ素子の相対する両側端面に備えられた端子電
極にはんだ付けされる。金属端子のそれぞれは、中間部
に折り返し部を有し、折り返し部の先に外部と接続され
る端子部を有する。
【0010】かかる構造の金属端子は、中間部に設けら
れた折り返し部により、基板等の外部導体と接続される
端子部からセラミックコンデンサ素子の端子電極に接続
された一端までの長さが、中間部に設けられた折り返し
部により拡大される。しかも、折り返し部が一種のスプ
リング作用を奏する。このため、基板の撓みおよび熱膨
張を、確実に吸収し、セラミックコンデンサ素子に生じ
る機械的応力および熱応力を低減し、セラミックコンデ
ンサ素子にクラックが発生するのを阻止することができ
る。従って、アルミニウム基板に実装されることの多い
スイッチング電源用平滑コンデンサとして用いた場合で
も、クラックの発生、それに起因する発火の危険を回避
することができる。
【0011】また、基板の撓みおよび熱膨張を、金属端
子に設けた折り返し部によって吸収し、セラミックコン
デンサ素子に機械的応力および熱応力を生じさせないよ
うにするものであり、折り返しによって、高さ増大を回
避することができる。このため、金属端子について、高
さを増大させずに、基板側端子部からセラミックコンデ
ンサ素子取り付け部までの長さを増大させ、基板の撓み
および熱膨張に対する吸収作用を改善し、セラミックコ
ンデンサ素子に発生する機械的応力、及び、熱応力を低
減することができる。
【0012】上述したセラミックコンデンサにおいて、
セラミックコンデンサ素子の端子電極に、金属端子をは
んだ付け固定するに当っては、主に、ロジン系フラック
スが用いられる。フラックスの主な機能は、セラミック
コンデンサ素子の端子電極、及び、金属端子の表面の酸
化皮膜を除去し、はんだの濡れ性を向上させることにあ
る。ロジンには、アビエチン酸、レボビマル酸等のカル
ボン酸が含まれており、カルボキシル基の働きにより、
はんだ付けされる金属表面の酸化膜を除去する。
【0013】フラックスには、通常、上述したロジンの
外、印刷性の向上及び仮止め強度を得る目的で、溶剤、
可塑剤またはチキソ剤等の各種の添加物が配合される。
例えば、特開平11−121915号公報は、粘性を、
アルコール添加によって調整するタイプのフラックスを
開示している。更に、別のフラックスとして、ミル規格
で規定されているRMA(ハロゲンフリー)系フラック
スも知られている。
【0014】上述したフラックスは、はんだ付け後は、
はんだ付けされた部品の接着に関与せず、はんだ接合
は、はんだ金属の溶融接合によって達成される。従っ
て、はんだ付けされる金属間の接合強度は、はんだ接合
面積に依存する。
【0015】ところが、この種のセラミックコンデンサ
においても、小型化の要求から、はんだ接合面積の狭小
化が急速に進展しつつあり、現段階でも、既に、十分な
はんだ付け強度を確保することが困難になっている。
【0016】また、この種のセラミックコンデンサは、
セラミックコンデンサ素子の端子電極に金属端子をはん
だ付け(通炉)した後、回路基板等に搭載し、再び通炉
する。従って、回路基板へのはんだ付けに当たっては、
端子電極と金属端子とをはんだ付けする高温はんだより
も低い融点を持つ低温はんだを用いてはんだ付けする必
要がある。従来、はんだの融点はPbの含有量によって
調整するのが一般的であった。
【0017】ところが、地球環境保全の立場から、Pb
を含有しないはんだ(Pbフリーはんだ)が要求され、
そのようなはんだ組成の開発が盛んに行われている。し
かし、Pbフリーはんだで、従来の高温はんだに匹敵す
る高温融点のはんだ組成は、現在のところ、実用化され
ていない。理由として、Pbフリーはんだ自体の融点が
220℃前後と、共晶はんだに比較し、約40℃も上昇
するため、Pb以外の代替組成が見つからないからであ
る。
【0018】このため、セラミックコンデンサ素子の端
子電極及び金属端子の間のはんだ付けに用いられるはん
だと、回路基板への実装時に用いられるはんだとの間の
融点差を十分にとることができず、セラミックコンデン
サを回路基板上に実装する際、セラミックコンデンサが
浮動し、または脱落する等の不具合が生じる。
【0019】本発明の他の目的、構成及び利点について
は、添付図面を参照し、更に具体的に説明する。添付図
面は単に例を示すに過ぎない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、小型
化された場合でも、セラミックコンデンサ素子の端子電
極及び金属端子を、十分な接合強度をもって接合し得る
セラミックコンデンサを提供することである。
【0021】本発明のもう一つの課題は、リフロー時の
浮動または脱落等の不具合を確実に阻止し得るセラミッ
クコンデンサを提供することである。
【0022】本発明の更にもう一つの課題は、Pbフリ
ーのはんだ接合を実現し得るセラミックコンデンサを提
供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係るセラミックコンデンサは、少なくと
も1つのセラミックコンデンサ素子と、少なくとも一対
の金属端子と、接合部とを含む。前記セラミックコンデ
ンサ素子は、相対する両側端面に端子電極を有する。前
記金属端子のそれぞれは、先端部が前記端子電極の一つ
に接続され、中間部に折り返し部を有し、前記折り返し
部の後方に外部と接続される端子部を有している。
【0024】前記接合部は、はんだ成分と、フラックス
成分とを含み、前記金属端子の前記先端部と前記端子電
極との間に介在し、両者を接着している。前記フラック
ス成分は、接着性樹脂と、硬化剤とを含有する。
【0025】本発明に係るセラミックコンデンサにおい
て、少なくとも一対備えられる金属端子のそれぞれは、
一端が、コンデンサ素子の端子電極の一つに接続され、
中間部に折り返し部を有し、折り返し部の先に外部と接
続される端子部を有する。かかる構造の金属端子は、中
間部に設けられた折り返し部により、基板等の外部導体
と接続される端子部からセラミックコンデンサ素子の端
子電極に接続された一端までの長さが、中間部に設けら
れた折り返し部により拡大される。しかも、折り返し部
が一種のスプリング作用を奏する。このため、基板の撓
みおよび熱膨張を、確実に吸収し、セラミックコンデン
サ素子に生じる機械的応力および熱応力を低減し、セラ
ミックコンデンサ素子にクラックが発生するのを阻止す
ることができる。従って、アルミニウム基板に実装され
ることの多いスイッチング電源用平滑コンデンサとして
用いた場合でも、クラックの発生、それに起因する発火
の危険を回避することができる。
【0026】また、基板の撓みおよび熱膨張を、金属端
子に設けた折り返し部によって吸収し、セラミックコン
デンサ素子に機械的応力および熱応力を生じさせないよ
うにするものであり、折り返しによって、高さ増大を回
避することができる。このため、金属端子について、高
さを増大させずに、基板側端子部からセラミックコンデ
ンサ素子取り付け部までの長さを増大させ、基板の撓み
および熱膨張に対する吸収作用を改善し、セラミックコ
ンデンサ素子に発生する機械的応力、及び、熱応力を低
減することができる。
【0027】本発明に係るセラミックコンデンサにおい
て、接合部は、はんだ成分と、フラックス成分とを含
み、金属端子の先端部と端子電極との間に介在し、両者
を接着する。ここで、フラックス成分は、接着性樹脂
と、硬化剤とを含有するから、フラックス成分も接着剤
として機能する。即ち、はんだ成分による接合ととも
に、フラックス成分による接合の両接合機能が得られ
る。このため、小型のセラミックコンデンサであって
も、高いはんだ付け強度を確保し得る。
【0028】しかも、このフラックスは洗浄する必要が
なく、そのまま接着はんだ付け用フラックスとして用い
ることができる。従って、フラックス洗浄工程を必要と
せず、製造コストの安価な電子部品装置を得ることがで
きる。
【0029】更に、はんだ成分による接合とともに、フ
ラックス成分による接合の両接合機能が得られるから、
セラミックコンデンサ素子の端子電極及び金属端子の間
のはんだ付けに用いられるはんだ成分と、回路基板への
実装時に用いられるはんだとの間の融点差を十分にとる
ことができない場合であっても、フラックス成分に含ま
れる接着性樹脂及び硬化剤により、所要の接合強度を確
保し、リフロー時に、セラミックコンデンサが回路基板
上で浮動したり、あるいは脱落する等の不具合を回避す
ることができる。
【0030】しかも、セラミックコンデンサ素子の端子
電極及び金属端子の間のはんだ付けに用いられるはんだ
成分と、回路基板への実装時に用いられるはんだとの間
の融点差を十分にとる必要がないので、Pb含有の高温
はんだを用いる必要がなくなくなる。即ち、Pbフリー
が実現できる。
【0031】本発明の他の目的、構成及び利点について
は、添付図面を参照し、更に具体的に説明する。添付図
面は単に例を示すに過ぎない。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るセラミックコ
ンデンサの正面部分断面図、図2は図1に示したセラミ
ックコンデンサの正面断面図である。図1及び図2に図
示されたセラミックコンデンサは、1つのセラミックコ
ンデンサ素子1と、一対の金属端子2、3とを含む。セ
ラミックコンデンサ素子1は、長さ方向において相対す
る両側端面に端子電極11、12を有する。
【0033】セラミックコンデンサ素子1は、セラミッ
ク誘電体基体100の内部に多数(例えば100層)の
内部電極101、102を有する。内部電極101は一
端が端子電極11に接続され、他端が自由端になってい
る。内部電極102は一端が端子電極12に接続され、
他端が自由端になっている。端子電極11、12、内部
電極101、102およびセラミック誘電体基体100
の構成材料およびその製造方法等は周知である。典型的
な例では、セラミックコンデンサ素子1は、鉛系複合ペ
ロブスカイトのセラミック誘電体の内部にAgーPdよ
りなる内部電極101、102を有し、セラミック誘電
体の相対する両側端部にガラスブリットを含んだAgペ
ーストの焼き付け電極でなる端子電極11、12を有す
る。
【0034】好ましくは、内部電極101は、その自由
端と端子電極12との間に、間隔△L1が生じるように
形成する。内部電極102は、その自由端と端子電極1
1との間に、間隔△L2が生じるように形成する。間隔
△L1および△L2は、自由端と端子電極11、12と
の間の最短距離で与えられる。具体的には、間隔△L1
は、端子電極12の内、セラミック誘電体基体100の
表面および裏面に付着されている垂れ部分121の先端
からセラミック誘電体基体100の厚み方向に引かれた
線分S11と、自由端の先端からセラミック誘電体基体
100の厚み方向に引かれた線分S12との間の間隔と
して与えられる。
【0035】間隔△L2は、端子電極11の内、セラミ
ック誘電体基体100の表面および裏面に付着されてい
る垂れ部分111の先端からセラミック誘電体基体10
0の厚み方向に引かれた線分S21と、自由端の先端か
らセラミック誘電体基体100の厚み方向に引かれた線
分S22との間の間隔として与えられる。
【0036】図2において、セラミックコンデンサ素子
1は、内部電極101、102の電極面が水平面と平行
となる横配置となっているが、図2の位置からセラミッ
クコンデンサ素子1を約90度回転させて、内部電極1
01、102の電極面が水平面に対して垂直となる縦配
置としてもよい。
【0037】金属端子2は、一端21が端子電極11に
接続され、中間部に折り返し部22を有し、折り返し部
22の先に、外部と接続される端子部23を有する。金
属端子3も、一端31が端子電極12に接続され、中間
部に折り返し部32を有し、折り返し部32の先に外部
と接続される端子部33を有する。金属端子2、3は電
気抵抗が低く、しかもバネ性に優れた材料によって構成
する。板厚は、限定するものではないが、代表的には
0.1mm程度である。
【0038】図3は金属端子2、3の断面構造の一例を
示す拡大部分断面図である。図示された金属端子2、3
は、例えば、Feが55〜70wt%で、Niが30〜
45wt%の合金で構成された基体200の表面に、N
iめっき膜300及びAgめっき膜400の2層のめっ
き膜を付着させてある。基体200の構成材料として
は、次に述べる金属材料も使用できる。
【0039】アンバー(Fe−Ni合金) 線膨張係数α=1〜2×10-6 42アロイ(登録商標)(Fe58wt%、Ni42w
t%) 線膨張係数α=4〜5×10-6 Ru 線膨張係数α=6.8×10-6 ニモニック80(登録商標) 線膨張係数α=11.7×10-6 Pt 線膨張係数α=9×10-6 Pd 線膨張係数α=10.6×10-6 チタン 線膨張係数α=9×10-6 炭素銅:線膨張係数α=10〜13×10-6 金属端子2、3の一端21、31は、接合部4、5によ
って端子電極11、12に接続されている。接合部4、
5は、はんだ成分41、51と、フラックス成分42、
52とを含み、金属端子2、3の一端21、31と端子
電極11、12との間に介在し、両者21ー11、31
ー12を接着する。フラックス成分42、52は、接着
性樹脂と、硬化剤とを含有する。
【0040】図4は図1及び図2に示したセラミックコ
ンデンサを回路基板上に実装した時の状態を示す部分断
面図である。セラミックコンデンサは、回路基板70の
上に搭載されている。回路基板70の表面には導体パタ
ーン71、72が設けられている。セラミックコンデン
サに備えられた金属端子2の端子部23がはんだ81に
よって導体パターン71にはんだ付けされ、金属端子3
の端子部33がはんだ82によって導体パターン72に
はんだ付けされている。
【0041】図1及び図2を参照して説明したセラミッ
クコンデンサにおいて、金属端子2、3のそれぞれは、
一端21、31が、セラミックコンデンサ素子1の端子
電極11、12に接続され、中間部に折り返し部22、
32を有し、折り返し部22、32の先に外部と接続さ
れる端子部23、33を有する。
【0042】かかる構造の金属端子2、3は、中間部に
設けられた折り返し部22、32により、回路基板70
の導体パターン72と接続される端子部23、33から
セラミックコンデンサ素子1の端子電極11、12に接
続された一端21、31までの長さが、中間部に設けら
れた折り返し部22、32により拡大される。
【0043】しかも、折り返し部22、32が一種のス
プリング作用を奏する。このため、回路基板70の撓み
および熱膨張を、確実に吸収し、セラミックコンデンサ
素子1に生じる機械的応力および熱応力を低減し、セラ
ミックコンデンサ素子1にクラックが発生するのを阻止
することができる。従って、アルミニウム回路基板70
に実装されることの多いスイッチング電源用平滑コンデ
ンサとして用いた場合でも、クラックの発生、それに起
因する発火の危険を回避することができる。
【0044】また、回路基板70の撓みおよび熱膨張
を、金属端子2、3に設けた折り返し部22、32によ
って吸収し、セラミックコンデンサ素子1に機械的応力
および熱応力を生じさせないようにするものであり、折
り返しによって、高さ増大を回避することができる。こ
のため、金属端子2、3について、高さを増大させず
に、回路基板70側端子部23、33からセラミックコ
ンデンサ素子1取り付け部までの長さを増大させ、回路
基板70の撓みおよび熱膨張に対する吸収作用を改善
し、セラミックコンデンサ素子1に発生する機械的応
力、及び、熱応力を低減することができる。
【0045】図1及び図2の実施例において、金属端子
2、3は端子部23、33を有する。端子部23、33
はセラミックコンデンサ素子1の下側に間隔をおいて配
置されている。このような構造であると、端子部23、
33による基板占有面積の増大を抑え、実装面積を最小
にしたコンデンサを得ることができる。
【0046】また、金属端子2の折り返し部22は、第
1の曲げ部221と、第2の曲げ部222とを含んでい
る。第1の曲げ部221では、斜め下方向に折り曲げら
れている。金属端子2は、先端部から第1の曲げ部22
1に至る部分が、端子電極11に接続されている。
【0047】第2の曲げ部222において、端子部23
がセラミックコンデンサ素子1に近付づく方向に折り曲
げられている。金属端子2の端子部23は、セラミック
コンデンサ素子1の下側に間隔G01をおいて配置され
ており、これにより、端子部23による基板占有面積の
増大を抑え、実装面積を最小にしてある。
【0048】同様に、金属端子3の折り返し部32は、
第1の曲げ部321と、第2の曲げ部322とを含んで
いる。第1の曲げ部321では、端面と平行する方向に
折り曲げられている。金属端子3は、先端部から第1の
曲げ部321に至る部分が、端子電極12に接続されて
いる。第2の曲げ部322において、端子部33がセラ
ミックコンデンサ素子1に近付づく方向に折り曲げられ
ている。金属端子3の端子部33は、セラミックコンデ
ンサ素子1の下側に間隔G02をおいて配置されてお
り、これにより、端子部23による基板占有面積の増大
を抑え、実装面積を最小にしてある。
【0049】上記構造によれば、第1の曲げ部221、
321、第2の曲げ部222、322から端子部23、
33に至る部分が、スプリング作用を持つようになり、
そのスプリング作用によって、基板の撓みおよび熱膨張
を吸収することができる。
【0050】更に、内部電極101の自由端と端子電極
12との間に、間隔△L1を生じさせ、内部電極102
の自由端と端子電極11との間に、間隔△L2を生じさ
せている構造の場合、クラックや、破壊等を生じ易い金
属端子と導電性接着剤との界面、および、導電性接着剤
の塗布領域付近に、内部電極101と内部電極102の
重なりが存在しない。このため、クラックによるショー
ト、および、それに起因する発火等を生じる危険性が激
減する。
【0051】図1および図2において、第1の曲げ部2
21、321は、くさび状にで曲げられているが、90
度以外の角度、明確な角度を持たない形状、例えば、円
弧状に曲げてもよい。
【0052】更に、先に例示した平均線膨張係数αを有
する金属材料を用いて、金属端子2、3を構成すると、
−55〜125℃の範囲における温度変化の激しい環境
下で長期間使用し続けても、クラックを発生せず、発火
の危険性もなくなることが解った。従って、頻繁にON
/OFFされ、−55〜125℃の範囲で温度変動を生
じることのあるスイッチング電源において、平滑用コン
デンサとして使用された場合にも、充分な信頼性を確保
することができる。
【0053】本発明に係るセラミックコンデンサは、そ
の極めて重要な特徴点として、接合部4、5が、はんだ
成分41、51と、フラックス成分42、52とを含
み、金属端子2、3の一端21、31と端子電極11、
12との間に介在し、両者を接着する。
【0054】ここで、フラックス成分42、52は、接
着性樹脂と、硬化剤とを含有するから、フラックス成分
42、52も接着剤として機能する。即ち、はんだ成分
41、51による接合とともに、フラックス成分42、
52による接合の両接合機能が得られる。このため、小
型のセラミックコンデンサであっても、高いはんだ付け
強度を確保し得る。また、衝撃や熱ストレスに対し、セ
ラミックコンデンサの剥離、脱落を防ぎ、はんだ接合の
信頼性を向上させることができる。この点、はんだ付け
後に、接着機能を持たない従来のロジン系フラックスと
著しく異なる。
【0055】しかも、このフラックス成分42、52は
洗浄する必要がなく、そのまま接着はんだ付け用フラッ
クスとして用いることができる。従って、フラックス洗
浄工程を必要とせず、製造コストの安価な電子部品装置
を得ることができる。
【0056】更に、はんだ成分41、51による接合と
ともに、フラックス成分42、52による接合の両接合
機能が得られるから、セラミックコンデンサ素子1の端
子電極11、12及び金属端子2、3の間のはんだ付け
に用いられるはんだ成分41、51と、回路基板70へ
の実装時に用いられるはんだ81、82との間の融点差
を十分にとることができない場合であっても、フラック
ス成分42、52に含まれる接着性樹脂及び硬化剤によ
り、所要の接合強度を確保し、セラミックコンデンサが
回路基板70上で浮動したり、あるいは脱落する等の不
具合を回避することができる。
【0057】しかも、セラミックコンデンサ素子1の端
子電極11、12及び金属端子2、3の間のはんだ付け
に用いられるはんだ成分41、51と、回路基板70へ
の実装時に用いられるはんだ81、82との間の融点差
を十分にとる必要がないので、Pb含有の高温はんだを
用いる必要がなくなくなる。即ち、Pbフリーが実現で
きる。
【0058】フラックス成分42、52のために用いら
れるフラックスは、液状またはペーストの形態を採るこ
とができる。このようなフラックスは、印刷、ディスペ
ンサー塗布、スプレー、はけ塗り等の手段によって、セ
ラミックコンデンサ素子1の端子電極11、12または
端子電極2、3に容易に塗布できる。
【0059】フラックス成分42、52において、好ま
しい接着性樹脂は、熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂
の具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポ
リイミド樹脂、シリコン樹脂または変性樹脂またはアク
リル樹脂から選択された少なくとも1種を挙げることが
できる。更に具体的には、ビスフエノールA樹脂、無水
フタル酸等を挙げることができる。例示された樹脂材料
の種類及び配合量は、接着温度帯及び目標とする皮膜硬
度等に応じて選択することができる。また、性状は、液
状、粒状等、任意でよい。
【0060】硬化剤は、接着性樹脂を硬化させるもので
あればよい。好ましくは、カルボン酸を含む。カルボン
酸を含む硬化剤は、熱硬化性樹脂に対する硬化作用のみ
ならず、はんだ付けされる金属表面の酸化膜を除去する
フラックス作用も兼ね備える。用い得るカルボン酸とし
ては、アビエチン酸、コハク酸、ピメリット酸、アジピ
ン酸等を挙げることができる。
【0061】フラックス成分42、52として用いられ
るフラックスは、溶剤、可塑剤及びチキソ剤等を含んで
いてもよい。溶剤は、接着性樹脂の硬化温度及び硬化速
度を調整すると共に、塗布形態に応じて粘度を調整する
ために加えられる。可塑剤及びチキソ剤も、塗布形態に
応じて、粘度を調整するために加えられる。溶剤、可塑
剤及びチキソ剤等は、その使用目的に合うように、配合
量が選択される。フラックスは、接着性樹脂、還元作用
をもたらす有機酸、カルボン酸、溶剤または硬化剤を封
入したマイクロカプセルの形態であってもよい。
【0062】フラックス成分42、52を形成するため
のフラックスは、はんだ成分から独立する成分であって
もよいが、はんだ粉末と混合して、はんだペーストを構
成するために用いることもできる。はんだ粉末は、S
n、Cu、Ag、Sb、Pb、In、Zn及びBiから
選択することができる。Pbフリーのはんだペーストを
得る場合には、はんだ粉末はPb以外のはんだ粉末で構
成する。具体的組成としては、Sn(96.5)/Ag
(3.5)を挙げることができる。はんだ粉末に対する
フラックスの配合量は10wt%〜45wt%の範囲が
適している。
【0063】本発明に係るフラックス成分42、52
は、互いに融点の異なるカルボン酸(アジピン酸とコハ
ク酸)を混合することにより、接着性樹脂(ビスフェノ
ールA)の熱硬化温度を変えることができる。次にこの
点について実施例を参照して説明する。
【0064】実施例1 アジピン酸とコハク酸とを混合してリフロー温度の変更
を試みた。熱硬化性樹脂としてビスフェノールAを用い
た。硬化剤としては、2種類のカルボン酸、具体的に
は、アジピン酸とコハク酸とを用いた。アジピン酸及び
コハク酸はカルボン酸の範疇に含まれる。アジピン酸と
コハク酸とは、融点が互いに異なる。具体的には、アジ
ピン酸の融点は153℃、コハク酸の融点は188℃で
ある。ビスフェノールAとアジピン酸とコハク酸とを、
質量比1:0.5:0.5の割合で配合し、フラックス
を調製した。
【0065】次に、調製したフラックスと、はんだ粉末
とを混合し、はんだペーストを調製した。はんだ粉末と
してはSn−3.5Agを用い、はんだ粉末に対するフ
ラックスの配合量は15質量%とした。以下、このはん
だペーストを、サンプル1と称する。はんだ粉末の組成
はリフロー温度に応じて選択できるもので、他の組成系
でもよい。フラックスの配合量も任意に選択できる。
【0066】実施例2 ビスフェノールAとアジピン酸とを、質量比1:1の割
合で配合し、フラックスを調製した。そして、調製した
フラックスと、はんだ粉末とを混合し、はんだペースト
を調製した。サンプル1と同様に、はんだ粉末としては
Sn−3.5Agを用い、はんだ粉末に対するフラック
スの配合量は15質量%とした。以下、このはんだペー
ストを、サンプル2と称する。
【0067】図5はサンプル1、2を用いて、セラミッ
クコンデンサ素子をはんだ付けした場合について、リフ
ロー温度と部品横押し強度との関係を示す図である。試
験用のセラミックコンデンサ素子として、1005サイ
ズのものを用いた。
【0068】図5において、特性L01はサンプル1を
用いた場合の特性、特性L02は、サンプル2を用いた
場合の特性である。
【0069】図5の特性L01、L02との対比から明
らかなように、セラミックコンデンサ素子をはんだ付け
するに当り、サンプル1を用いると、サンプル2を用い
た場合よりも低いリフロ−温度で同程度の部品横押し強
度を得られる。
【0070】以上述べたように、互いに融点の異なるカ
ルボン酸(アジピン酸とコハク酸)を混合することによ
り、接着性樹脂(ビスフェノールA)の熱硬化温度を変
えることができる。従って、任意のリフロー温度で接着
性樹脂(ビスフェノールA)を硬化できるようになり、
利用するはんだ成分の融点に合わせてリフロー温度を変
更できるようになる。リフロ−温度は一定の値に固定せ
ずに済むようになる。
【0071】更に、混合するカルボン酸の組み合わせ
(アジピン酸及びコハク酸)を変更することによって
も、接着性樹脂(ビスフェノールA)の熱硬化温度を変
えることができ、同様な作用及び効果が得られる。例え
ば、アジピン酸とコハク酸との組み合わせを、アジピン
酸とピメリット酸との組み合わせに変更すると、接着性
樹脂(ビスフェノールA)の熱硬化温度が変わる。
【0072】リフロ−温度は、カルボン酸の混合比の調
整によっても調整することができる。次にこの点につい
て、実験結果を参照して説明する。
【0073】実験1 カルボン酸(アジピン酸とコハク酸)の混合比を調整し
て、リフロー温度の変更を試みた。熱硬化性樹脂として
ビスフェノールAを用いた。硬化剤としては、アジピン
酸とコハク酸とを用いた。ビスフェノールAとアジピン
酸とコハク酸とを、下記の表1に示す配合比(質量%)
で配合し、フラックスを調製した。これらのフラックス
は、アジピン酸の含有率をa(質量%)とし、コハク酸
の含有率をc(質量%)としたとき、 a:c=(100:0)〜(0:100)(但しa+c
=100) の範囲で変化させた。
【0074】次に、調製した各フラックスにはんだ粉末
を混合し、サンプル10〜15を調製した。はんだ粉末
としては、共晶はんだ(Sn63−Pb37)の粉末を
用いた。はんだ粉末に対するフラックスの配合量は15
質量%とした。はんだ粉末の組成はリフロー温度に応じ
て選択できるもので、他の組成系でもよい。フラックス
の配合量も任意に選択できる。
【0075】表1に示すように、サンプル10は、はん
だ付けにおいて端子を良好に接続できた。しかし、サン
プル10は、硬化剤としてアジピン酸しか含んでいない
ので、接着性樹脂(ビスフェノールA)の熱硬化温度を
変えることができず、リフロー温度を変更できない。
【0076】また、サンプル15は、はんだが溶融する
前にフラックスが硬化してしまい、端子を接合できなか
った。
【0077】これに対し、サンプル11〜14は、それ
ぞれ、はんだ付けにおいて端子を良好に接続できた。
【0078】図6は、サンプル10〜14を用いてセラ
ミックコンデンサをはんだ付けした場合について、リフ
ロー温度と部品横押し強度との関係を示す図である。試
験用のセラミックコンデンサとしては、1005サイズ
のものを用いた。図6において、特性L10〜L14
は、それぞれ、サンプル10〜14を用いた場合の特性
である。
【0079】コハク酸の配合率を増大させることによ
り、低いリフロー温度でも、必要な部品横押し強度を確
保することができる。例えば、部品横押し強度として
1.4kg必要であると仮定すると、サンプル12は、
特性L12に示すように、230℃のリフロ−温度を必
要とする。これに対し、サンプル13は、特性L13に
示されるように、サンプル12よりもコハク酸の配合率
を増大させてあるので、210℃のリフロ−温度で済
む。
【0080】以上述べたように、混合するカルボン酸
(アジピン酸とコハク酸)の混合比を変更することによ
り、接着性樹脂(ビスフェノールA)の熱硬化温度を変
えることができる。従って、任意のリフロー温度で接着
性樹脂(ビスフェノールA)を硬化できるようになり、
利用するはんだ成分の融点に合わせてリフロー温度を変
更できるようになる。リフロ−温度は一定の値に固定せ
ずに済むようになる。
【0081】はんだ成分として共晶はんだ(Sn63−
Pb37)を用いる場合、硬化剤としてアジピン酸及び
コハク酸を配合するとき、アジピン酸の含有率a(質量
%)と、コハク酸の含有率c(質量%)とについて、 a:c=(95:5)〜(25:75)(但しa+c=
100) を満たすのが好ましい。
【0082】実験2:フラックスと組み合わせられるは
んだ成分の変更 実験1では、はんだ成分として共晶はんだ(Sn63−
Pb37)を用いている。共晶はんだ(Sn63−Pb
37)の融点は183℃である。この実験4と異なり、
はんだ成分としてSn−3.5Agはんだを用いた実験
(以下実験1と称する)を説明する。Sn−3.5Ag
はんだの融点は217℃であり、共晶はんだ(Sn63
−Pb37)の融点183℃よりもかなり高い。
【0083】ビスフェノールAとアジピン酸とコハク酸
とを、下記の表2に示す配合比(質量%)で配合し、フ
ラックスを調製した。これらのフラックスは、アジピン
酸の含有率をa(質量%)とし、コハク酸の含有率をc
(質量%)としたとき、 a:c=(100:0)〜(0:100)(但しa+c
=100) の範囲で変化させてある。
【0084】次に、調製した各フラックスにはんだ粉末
を混合し、サンプル20〜25を調製した。はんだ粉末
としては、Sn−3.5Agはんだ粉末を用いた。はん
だ粉末に対するフラックスの配合量は15質量%とし
た。
【0085】表2に示すように、サンプル22〜25
は、それぞれ、はんだが溶融する前にフラックスが硬化
してしまい、端子を接合できなかった。
【0086】また、サンプル20、21は、それぞれ、
はんだ付けにおいて端子を良好に接続できた。
【0087】上述した実験1の結果によれば、はんだ成
分としてSn−3.5Agはんだを用いる場合、硬化剤
としてアジピン酸及びコハク酸を配合するとき、アジピ
ン酸の含有率a(質量%)と、コハク酸の含有率c(質
量%)とについて、 a:c=(100:0)〜(95:5)(但しa+c=
100) を満たすのが好ましい。
【0088】また、硬化剤として、互いに熱硬化速度の
異なるカルボン酸を混合すると、接着性樹脂の熱硬化速
度を変えることができる。従って、利用するはんだ成分
に合わせてリフロー時間またはリフロー温度を変更でき
るようになる。例えば、アジピン酸とコハク酸の場合、
コハク酸の熱硬化に必要な熱量は、アジピン酸の熱硬化
に必要な熱量よりも少ないので、コハク酸の熱硬化速度
は、アジピン酸の熱硬化速度よりも速い。従って、硬化
剤としてアジピン酸とコハク酸とを混合すると、接着性
樹脂(ビスフェノールA)の熱硬化速度を変更でき、リ
フロー時間またはリフロー温度を変更できる。他のカル
ボン酸の組み合わせ、例えば、アジピン酸とピメリット
酸の場合も同様である。
【0089】更に、混合するカルボン酸の組み合わせま
たは混合比を変更することによっても、接着性樹脂の熱
硬化速度を変えることができ、同様の作用及び効果が得
られる。
【0090】実施例1、2、実験1、2、及び、その結
果を示す図5、6のデータは、図1、2に示すセラミッ
クコンデンサにおいて、セラミックコンデンサ素子1と
金属端子2、3とを接続する接合部4、5に直接に適用
されるものである。
【0091】本発明に係るセラミックコンデンサは、種
々の態様をとることができる。その具体例を図7〜図1
4に示す。これらの図において、図1および図2に現れ
た構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付
してある。
【0092】まず、図7は本発明に係るセラミックコン
デンサの更に別の実施例を示す正面部分図、図8は図7
に示したセラミックコンデンサの正面断面図である。こ
の実施例に示されたセラミックコンデンサでは、2個の
セラミックコンデンサ素子110、120を備える。セ
ラミックコンデンサ素子110、120は順次に積層さ
れ、端子電極11、12が、接合部4、5によって、並
列に接続されている。金属端子2、3の端子部23、3
3は、セラミックコンデンサ素子110、120の内、
最下層に位置するセラミックコンデンサ素子120の下
側に間隔G01、G02をおいて配置されており、これ
により、端子部23、33による基板占有面積の増大を
抑え、実装面積を最小にしてある。
【0093】金属端子2、3の折り返し部22、32
は、第1の曲げ部221、321と、第2の曲げ部22
2、322とを含む。金属端子2、3のそれぞれは、先
端部から第1の曲げ部221、321に至る部分が、セ
ラミックコンデンサ素子110、120の側端面に形成
された端子電極11、12に接続されている。
【0094】金属端子2、3と端子電極11、12との
接続に用いられる接合部4、5は、はんだ成分41、5
1と、フラックス成分42、52とを含む。フラックス
成分42、52は、接着性樹脂と、硬化剤とを含有す
る。その詳細及び作用効果については、既に述べた通り
である。
【0095】図7および図8に示した実施例によれば、
図1および図2を参照して説明した作用効果のほか、2
つのセラミックコンデンサ素子110、120のそれぞ
れの静電容量値を加算した大きな静電容量が取得でき
る。
【0096】図9は本発明に係るセラミックコンデンサ
の更に別の実施例を示す斜視図、図10は図9に示した
セラミックコンデンサの正面部分断面図である。この実
施例では、金属端子2、3のそれぞれは、先端部から第
1の曲げ部221、321に至る部分が、セラミックコ
ンデンサ素子110の側端面に形成された端子電極1
1、12にのみ接続されている。金属端子2、3と端子
電極11、12との接続に用いられる接合部4、5は、
はんだ成分41、51と、フラックス成分42、52と
を含む。フラックス成分42、52は、接着性樹脂と、
硬化剤とを含有する。その詳細及び作用効果について
は、既に述べた通りである。
【0097】図11は本発明に係るセラミックコンデン
サの更に別の実施例を示す斜視図である。この実施例で
は、金属端子2、3は、折り返し部22、32の幅方向
の中間部に、切り抜き部225、325を有する。この
ような切り抜き部225、325があると、金属端子
2、3からセラミックコンデンサ素子110、120へ
の熱伝導が低下するので、セラミックコンデンサ素子1
10、120における熱応力を緩和できる。また、金属
端子2、3の剛性が低下するので、基板の撓みおよび熱
膨張を吸収するのに適したスプリング作用を得ることが
できる。金属端子2、3と端子電極11、12との接続
に用いられる接合部4、5は、はんだ成分41、51
と、フラックス成分42、52とを含む。フラックス成
分42、52は、接着性樹脂と、硬化剤とを含有する。
その詳細及び作用効果については、既に述べた通りであ
る。
【0098】図12は本発明に係るセラミックコンデン
サの別の実施例を示す斜視図である。この実施例では、
金属端子2は、抜き部24を有する。抜き部は、端子電
極11を取り付けた取り付け部に向き合う。図示されて
いないが、金属端子3も、同様に、抜き部34を有す
る。抜き部34は、端子電極12を取り付けた取り付け
部に向き合う。
【0099】上記構造であると、金属端子2、3を端子
電極11、12に接続する作業において、金属端子2、
3の抜き部24、34を通して、金属端子2、3の取り
付け部を押さえ、端子電極11、12に接触させ、接続
作業を容易に行なうことができる。また、抜き部24、
34を通して、均一な力で取り付け部を端子電極11、
12に接着することができる。金属端子2、3と端子電
極11、12との接続に用いられる接合部4、5は、は
んだ成分41、51と、フラックス成分42、52とを
含む。フラックス成分42、52は、接着性樹脂と、硬
化剤とを含有する。その詳細及び作用効果については、
既に述べた通りである。
【0100】図13は本発明に係るセラミックコンデン
サの別の実施例を示す底面図である。この実施例では、
金属端子2の端子部23は、2つの穴231、232を
有する。同様に、金属端子3の端子部33は、2つの穴
331、332を有する。穴数は任意である。
【0101】図13に図示されたセラミックコンデンサ
を、図4図に示したように、回路基板70に設けられた
導体パターン71、72にはんだ付けする際、端子部2
3、33の穴231、232、331、332に、はん
だ82、81を充填し、セラミックコンデンサを回路基
板70に確実にはんだ付けすることができる。
【0102】金属端子2、3と端子電極11、12との
接続に用いられる接合部4、5は、はんだ成分41、5
1と、フラックス成分42、52とを含む。フラックス
成分42、52は、接着性樹脂と、硬化剤とを含有す
る。その詳細及び作用効果については、既に述べた通り
である。
【0103】図14は本発明に係るセラミックコンデン
サの別の実施例を示す正面断面図である。この実施例で
は、4個のセラミックコンデンサ素子110〜140を
順次に積層する。そして、金属端子2において、先端部
と第1の曲げ部221との間を、接合部4によって、端
子電極11に接続固定する。金属端子3において、先端
部と第1の曲げ部321との間を、接合部5によって、
端子電極12に接続固定する。
【0104】図14に示された実施例によれば、図1〜
図13に示した実施例よりも、更に大きな静電容量を取
得できる。セラミックコンデンサ素子110〜140の
個数は、要求される静電容量に応じて更に増加できる。
【0105】金属端子2、3と端子電極11、12との
接続に用いられる接合部4、5は、はんだ成分41、5
1と、フラックス成分42、52とを含む。フラックス
成分42、52は、接着性樹脂と、硬化剤とを含有す
る。その詳細及び作用効果については、既に述べた通り
である。
【0106】重複説明を回避するため、図示は省略する
けれども、実施例の組み合わせが多数存在することはい
うまでもない。
【0107】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果が得られる。 (a)小型化された場合でも、セラミックコンデンサ素
子の端子電極及び金属端子を、十分な接合強度をもって
接合し得るセラミックコンデンサを提供することができ
る。 (b)セラミックコンデンサ素子の端子電極及び金属端
子の間のはんだ付けに用いられるはんだ成分と、回路基
板への実装時に用いられるはんだとの間の融点差を十分
にとらなくとも、リフロー時に、回路基板上で浮動した
り、あるいは脱落する等の不具合を回避し得るセラミッ
クコンデンサを提供することができる。 (c)Pbフリーのはんだ接合を実現し得るセラミック
コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックコンデンサの正面部分
断面図である。
【図2】図1に示したセラミックコンデンサの正面断面
図である。
【図3】本発明に係るセラミックコンデンサに用いられ
る金属端子の一例を示す拡大断面図である。
【図4】図1及び図2に示したセラミックコンデンサを
回路基板上に実装した時の状態を示す部分断面図であ
る。
【図5】サンプル1、2を用いて、セラミックコンデン
サ素子をはんだ付けした場合について、リフロー温度と
部品横押し強度との関係を示す図である。
【図6】サンプル10〜14を用いてセラミックコンデ
ンサをはんだ付けした場合について、リフロー温度と部
品横押し強度との関係を示す図である。
【図7】本発明に係るセラミックコンデンサの更に別の
実施例を示す正面部分図である。
【図8】図7に示したセラミックコンデンサの正面図で
ある。
【図9】本発明に係るセラミックコンデンサの更に別の
実施例を示す斜視図である。
【図10】図9に示したセラミックコンデンサの正面部
分断面図である。
【図11】本発明に係るセラミックコンデンサの更に別
の実施例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係るセラミックコンデンサの更に別
の実施例を示す斜視図である。
【図13】本発明に係るセラミックコンデンサの更に別
の実施例を示す底面図である。
【図14】本発明に係るセラミックコンデンサの更に別
の実施例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 セラミックコンデンサ素
子 2、3 金属端子 4、5 接合部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのセラミックコンデンサ
    素子と、少なくとも一対の金属端子と、接合部とを含む
    セラミックコンデンサであって、 前記セラミックコンデンサ素子は、相対する両側端面に
    端子電極を有しており、 前記金属端子のそれぞれは、先端部が前記端子電極の一
    つに接続され、中間部に折り返し部を有し、前記折り返
    し部の後方に外部と接続される端子部を有しており、 前記接合部は、はんだ成分と、フラックス成分とを含
    み、前記金属端子の前記先端部と前記端子電極との間に
    介在し、両者を接着しており、 前記フラックス成分は、接着性樹脂と、硬化剤とを含有
    するセラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたセラミックコンデ
    ンサであって、前記接着性樹脂は、熱硬化性樹脂を含む
    セラミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたセラミックコンデ
    ンサであって、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フ
    ェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、変性樹
    脂またはアクリル樹脂から選択された少なくとも1種を
    含むセラミックコンデンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載されたセ
    ラミックコンデンサであって、前記硬化剤は、カルボン
    酸を含むセラミックコンデンサ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載されたセ
    ラミックコンデンサであって、前記硬化剤は、少なくと
    も2種のカルボン酸を含み、前記少なくとも2種のカル
    ボン酸は、互いに異なる融点を有するセラミックコンデ
    ンサ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載されたセラミックコンデ
    ンサであって、前記少なくとも2種のカルボン酸のう
    ち、1種はアジピン酸であり、他の1種はピメリット酸
    であるセラミックコンデンサ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載されたセラミックコンデ
    ンサであって、 前記アジピン酸の含有率をa(質量%)とし、前記ピメ
    リット酸の含有率をb(質量%)としたとき、 a:b=(85:15)〜(95:5) を満たすセラミックコンデンサ。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載されたセラミックコンデ
    ンサであって、前記少なくとも2種のカルボン酸のう
    ち、1種はアジピン酸であり、他の1種はコハク酸であ
    るセラミックコンデンサ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載されたセラミックコンデ
    ンサであって、前記アジピン酸の含有率をa(質量%)
    とし、前記コハク酸の含有率をc(質量%)としたと
    き、 a:c=(95:5)〜(25:75) を満たすセラミックコンデンサ。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の何れかに記載された
    セラミックコンデンサであって、前記はんだ成分は、S
    n、Cu、Ag、Sb、Pb、In、ZnまたはBiか
    ら選択された少なくとも1種を含むセラミックコンデン
    サ。
JP2000396186A 2000-12-26 2000-12-26 セラミックコンデンサ Withdrawn JP2002198254A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000396186A JP2002198254A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 セラミックコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000396186A JP2002198254A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 セラミックコンデンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002198254A true JP2002198254A (ja) 2002-07-12

Family

ID=18861530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000396186A Withdrawn JP2002198254A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 セラミックコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002198254A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2414343A (en) * 2004-05-20 2005-11-23 Tdk Corp A capacitor with lead free soldered terminal leads.
JP2013536587A (ja) * 2010-08-25 2013-09-19 イスパノ・シユイザ 少なくとも1つのセラミック部品を含むプリント回路
KR20150021471A (ko) * 2013-08-20 2015-03-02 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 세라믹 전자부품
KR101577317B1 (ko) 2013-08-20 2015-12-14 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 단자판 부착 전자부품의 제조 방법 및 단자판 부착 전자부품
JP2017063166A (ja) * 2015-09-26 2017-03-30 京セラ株式会社 積層型コンデンサおよびその実装構造体
US10770234B2 (en) 2017-04-04 2020-09-08 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer capacitor
US11527361B2 (en) * 2019-12-27 2022-12-13 Tdk Corporation Electronic component with expansion member for preventing overcurrent

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2414343A (en) * 2004-05-20 2005-11-23 Tdk Corp A capacitor with lead free soldered terminal leads.
US7023686B2 (en) 2004-05-20 2006-04-04 Tdk Corporation High-voltage ceramic capacitor
GB2414343B (en) * 2004-05-20 2008-03-26 Tdk Corp High-voltage ceramic capacitor
JP2013536587A (ja) * 2010-08-25 2013-09-19 イスパノ・シユイザ 少なくとも1つのセラミック部品を含むプリント回路
KR20150021471A (ko) * 2013-08-20 2015-03-02 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 세라믹 전자부품
KR101577317B1 (ko) 2013-08-20 2015-12-14 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 단자판 부착 전자부품의 제조 방법 및 단자판 부착 전자부품
KR101587607B1 (ko) 2013-08-20 2016-01-21 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 세라믹 전자부품
JP2017063166A (ja) * 2015-09-26 2017-03-30 京セラ株式会社 積層型コンデンサおよびその実装構造体
US10770234B2 (en) 2017-04-04 2020-09-08 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer capacitor
US11527361B2 (en) * 2019-12-27 2022-12-13 Tdk Corporation Electronic component with expansion member for preventing overcurrent

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3476464B2 (ja) すずビスマス半田ペーストと,このペーストを利用して,高温特性の改良された接続を形成する方法
JP5964597B2 (ja) 異方性導電性ペーストおよびそれを用いた電子部品の接続方法
JP3206735B2 (ja) セラミックコンデンサ
JP4356581B2 (ja) 電子部品実装方法
JP3206734B2 (ja) セラミックコンデンサ
JP7334285B2 (ja) マルチコンポーネントからなるリードレススタック
EP0999730A2 (en) Lead-free solder process for printed wiring boards
JPH10107420A (ja) 基板と電子部品との組立体および半田付け方法
JP2002198254A (ja) セラミックコンデンサ
JP4605329B2 (ja) セラミックコンデンサ
JP4134976B2 (ja) 半田接合方法
JP4544387B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP4259445B2 (ja) 半田ペーストおよび半田接合方法
JP2002231564A (ja) セラミックコンデンサ
JP2002185130A (ja) 電子回路装置及び電子部品
JPH07118498B2 (ja) 電気的接合部
JP2001062561A (ja) ろう付け方法
JP5827522B2 (ja) 配線基板の接続方法
JP2005297011A (ja) ソルダーペーストおよび半田付け物品
JP4259431B2 (ja) 半田ペーストおよび半田接合方法
JP2001015188A (ja) 気密端子およびその製造方法
JPH0417994A (ja) はんだ組成物
JP2002270464A (ja) セラミックコンデンサ
JP2002164246A (ja) 電子部品
JP5140328B2 (ja) 導電性接着剤を用いて形成された導通接続部およびその導通接続部を用いた回路基板と電子電気機器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304