JP2011195727A - 波長変換粒子、波長変換部材及び発光装置 - Google Patents

波長変換粒子、波長変換部材及び発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐湿性が高く、且つ蛍光体粒子からのアルカリ成分の溶出が生じたとしても長期間に亘って耐湿性が維持される波長変換粒子を提供する。
【解決手段】波長変換粒子7は、蛍光体粒子71と、この蛍光体粒子71の表面を覆うコーティング層72とを備える。前記コーティング層72が第一の層73と、この第一の層73と蛍光体粒子71との間に介在する第二の層74とを、少なくとも有する。前記第一の層73がポリシラザン由来のシリカを含有する。前記第二の層74がAl、Zr、Ti、Y、Nb、Taから選択される少なくとも一種の金属の酸化物を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体粒子の表面を覆うコーティング層を備える波長変換粒子、この波長変換粒子を備える波長変換部材、並びにこの波長変換部材を備える発光装置に関する。
近年、発光ダイオード(LED)の発光効率向上に伴い、LEDを応用した発光装置が普及、拡大しつつある。特に、LED及びLEDからの発光を波長変換する蛍光体が組み合わされた発光装置は、高効率化、小型・薄型化、省電力化が可能であり、且つ白色や電球色など用途に応じた任意の色での発光が可能である等の特長を有する。このためこの種の発光装置は、屋内外用の照明器具、液晶ディスプレイ、携帯電話や携帯情報端末等のバックライト用光源、室内外広告等に利用される表示装置、車載用光源等への利用が期待され、開発が進められている。
このような発光装置においては、蛍光体の水分による劣化が問題となる。このため、従来、蛍光体の耐湿性向上のための検討がなされている。
例えば特許文献1では、雰囲気温度0℃以上20℃以下でシリコンアルコキシド又はその誘導体を加水分解、脱水重合させることで、蛍光体に被膜を形成すること、並びに複数回処理によって、一旦形成された被膜の上に更に別の被膜を形成することが、提案されている。この特許文献1には、シリコンアルコキシド等の加水分解によって形成される被膜によって、蛍光体の耐湿性の向上が図られ、更に複数の被膜が形成されることで、被膜にクラックが発生しても他の被膜によって耐湿性が維持されることが、記載されている。
特許文献2には、蛍光粒子などの発光体粒子に、第一被膜と第二被膜という二層のシリカ膜を順次設け、且つ、第二被膜をポリシラザン由来のシリカ膜とすることが開示されている。この特許文献2には、ポリシラザンはシリカ転化時に質量増加を生じ、体積収縮が小さいため、クラックが生じ難にくいことが記載されている。
特開2008−111080号公報 特許第4023184号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、シリコンアルコキシド等の加水分解によって形成される被膜には硬化収縮が生じやすく、クラックが発生しやすい。複数の被膜が形成されるとしても、実際には全ての被膜においてクラックが生じやすいため、耐湿性の向上は充分ではない。
特許文献2に記載の技術ではポリシラザン由来のシリカ膜によりクラックが抑制されているが、シリカで構成される被膜にはアルカリ成分に対する耐性が低いという問題がある。例えば蛍光体と被膜との間に微量の水分が閉じ込められ、この水分と蛍光体とが反応して蛍光体からアルカリ成分が溶出すると、シリカで構成される被膜はアルカリ成分に侵されて劣化することがある。この場合、外部からの水分の侵入が阻止されなくなってしまい、蛍光体の耐湿性が維持されなくなってしまう。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、耐湿性が高く、且つ蛍光体粒子からのアルカリ成分の溶出が生じたとしても長期間に亘る耐湿性の維持が可能な波長変換粒子を提供することを目的とする。
本発明は、前記波長変換粒子を備える波長変換部材、並びにこの波長変換部材を備える発光装置を提供することも目的とする。
第一の発明に係る波長変換粒子は、蛍光体粒子と、この蛍光体粒子を覆うコーティング層とを備え、前記コーティング層が第一の層と、この第一の層と蛍光体粒子との間に介在する第二の層とを有し、前記第一の層がポリシラザン由来のシリカを含有し、前記第二の層がAl、Zr、Ti、Y、Nb、Taから選択される少なくとも一種の金属の酸化物を含有する。
第一の発明においては、前記蛍光体粒子が、アルカリ土類金属シリケート系蛍光体の粒子であってもよい。
第二の発明に係る波長変換部材は、透光性媒体と、この透光性媒体中に分散されている第一の発明に係る波長変換粒子とを備える。
第三の発明に係る発光装置は、第二の発明に係る波長変換部材を備える。
本発明によれば、耐湿性が高く、且つ蛍光体粒子からのアルカリ成分の溶出が生じたとしても長期間に亘る耐湿性の維持が可能な波長変換粒子が得られる。
本発明によれば、耐湿性及び耐久性が高い波長変換部材、並びに発光装置が得られる。
本発明に係る波長変換粒子の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る発光装置の一例を示す概略断面図である。 同上の発光装置を示す概略分解斜視図である。
[波長変換粒子]
波長変換粒子7は、図1に示されるように、蛍光体粒子71と、この蛍光体粒子71を覆うコーティング層72とを備える。コーティング層72は蛍光体粒子71の全体を覆っている。
蛍光体粒子71としては、アルカリ土類金属シリケート系蛍光体の粒子が挙げられる。アルカリ土類金属シリケート系蛍光体のうち、赤色蛍光体の具体例としてはSrSiO:Eu2+が、緑色蛍光体の具体例としては(Ba,Sr)SiO:Eu2+が、黄色蛍光体の具体例としては(Ca,Sr)SiO:Eu2+が、それぞれ挙げられる。
蛍光体粒子71の平均粒子径が大きい方が、欠陥密度が小さくエネルギ損失が少なくなり、発光効率が高くなる。このため、発光効率の観点からは、蛍光体粒子71の平均粒子径は5μm以上であることが好ましい。この平均粒子径は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置により測定される値である。
コーティング層72は、第一の層73と、この第一の層73と蛍光体粒子71との間に介在する第二の層74とを、少なくとも備える。本実施形態では、第二の層74が蛍光体粒子71の表面上に直接接して積層され、第一の層73が第二の層74の表面上に直接接して積層される。
第二の層74は、Al、Zr、Ti、Y、Nb、Taから選択される少なくとも一種の金属の酸化物を含有する。第二の層74を形成するための原料としては、次の一般式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物並びにその部分加水分解物から選択される、少なくとも一種が挙げられる。
MX4−p…(1)
(式(1)において、pは0〜3の整数、MはAl、Zr、Ti、Y、Nb、Taのいずれかの金属)
上記式(1)中で、Rは置換若しくは非置換の一価の炭化水素基であり、単結合でM原子と結合する。Rが複数ある場合には互いに同一であっても異なっていてもよい。式(1)中のXは、加水分解性基を示し、複数ある場合には互いに同一であっても異なっていてもよい。この加水分解性オルガノ金属化合物は、四官能の化合物であっても、四官能の化合物と三官能以下の化合物との混合物であってもよい。
上記のRは、特に炭素数1〜8の置換若しくは非置換の1価の炭化水素基であることが好ましい。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基とのハロゲン置換炭化水素基;γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等が挙げられる。合成のし易さあるいは入手のし易さの観点からは、Rが炭素数1〜4のアルキル基及びフェニル基から選択されることが好ましい。尚、炭素数3以上のアルキル基は、n−プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状であってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有していてもよい。
一般式(1)中のXの具体例としては、アルコキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基等が挙げられる。すなわち、式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物の具体例としては、pの値が0〜3の整数であるモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキシ金属類、アセトキシ金属類、オキシム金属類、エノキシ金属類、アミノ金属類、アミノキシ金属類、アミド金属類などが挙げられる。
Xは、合成のし易さ或いは入手のし易さの観点からは、アルコキシ基(OR)であることが好ましく、すなわち式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物はアルコキシ金属類であることが好ましい。Xは、特に炭素数1〜8のアルコキシ基であることが好ましい。炭素数1〜8のアルコキシ基中のアルキル基(炭素数1〜8のアルキル基)の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。アルコキシ基中の炭素数が3以上のアルキル基は、n−プロピル基、n−ブチル基等のような直鎖状であってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有してもよい。一般にカップリング剤とよばれるオルガノ金属化合物も、上記のアルコキシ金属類に含まれる。
第二の層74の厚みは、10nm〜200nmの範囲が好ましい。この厚みが10nm以上であれば、第二の層74によってアルカリ分が充分に遮断され、耐湿性が大きく向上する。更に、この厚みが200nm以下であれば、コーティング層72の優れた光透過性が確保されると共に、波長変換粒子7による高い波長変換効率が維持される。
上記のような一般式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物、及びその部分加水分解物は、一種のみが用いられても、複数種が併用されてもよい。
第二の層74を形成する方法の一つとして、ゾルゲルコーティング法が挙げられる。ゾルゲルコーティング法では、まず蛍光体粒子71が液状の媒体中に分散され、撹拌されながら、この溶媒中に加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物とが加えられる。この蛍光体粒子71の表面上で加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物の、加水分解縮合反応が進行する。これにより、蛍光体粒子71の表面上に第二の層74が形成される。
このゾルゲルコーティング法で使用される液状の媒体としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系溶媒;トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、石油ベンジン、ガソリン、ナフサのような炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶媒;およびアセトン、メチルエチルケトンのようなケトン系溶媒が例示される。これらの溶媒は一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
この溶媒は、加水分解縮合反応の進行に必要とされる化学量論量または過剰量の水を含有することが好ましい。水は適宜のタイミングで溶媒中に加えられればよい。例えば式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物が加えられる前の溶媒に水が添加される。或いは式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物と共に水が溶媒に添加される。或いは式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物とは別個に溶媒に水が添加される。
ゾルゲルコーティング法による第二の層74の形成は、次のようになされてもよい。まず溶媒中で式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物が蛍光体粒子71の表面に付着する。この溶媒が留去や濾過などによって除去され、加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物が付着した、蛍光体粒子71が回収される。この蛍光体粒子71が気相または液相の水と接触させられることで、蛍光体粒子71の表面上で加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物の加水分解縮合反応が進行し、第二の層74が形成される。
一方、噴霧乾燥法では、蛍光体粒子71が分散した液状の媒体中に式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物が加えられることで、分散液が得られる。液状の媒体の具体例は、上記ゾルゲルコーティング法における液状の媒体の具体例と同じである。この分散液が噴射されることで、蛍光体粒子71と式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物とを含む液滴が得られる。この液滴が乾燥させられると、蛍光体粒子71の表面に式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物が付着すると共にその加水分解縮合反応が進行し、第二の層74が形成される。
ゾルゲルコーティング法、噴霧乾燥法のいずれにおいても、式(1)に示される加水分解性オルガノ金属化合物又はその部分加水分解物の、加水分解縮合反応を促進する触媒が使用されてもよい。この場合、より低温かつ短時間で第二の層74が形成され得る。
触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸のような酸;水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウムのような塩基;ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸などのカルボン酸の亜鉛塩のようなカルボン酸金属塩;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムイソブトキシドのようなアルミニウムアルコキシドおよびそれらの部分加水分解縮合物;ジイソプロポキシ(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム、n−ブトキシビス(エチルアセトアセタト)アルミニウムのようなアルミニウムキレート化合物;酢酸テトラメチルアンモニウムのような第四級アンモニウム塩;ならびにトリエタノールアミンのようなアミノ化合物が例示される。またそれ自体が金属アルコキシドである触媒量の3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(N−2−アミノエチル)プロピルトリメトキシシランのようなアミノ基含有アルコキシシランが併用されてもよい。触媒はいかなる方法やタイミングで反応系に添加されてもよい。
第二の層74が形成された後、この第二の層74には、加熱処理が施されることが好ましい。加熱温度は特に限定されないが60〜600℃の範囲が好ましく、また加熱時間は特に限定されないが0.5〜3時間の範囲が好ましい。この場合、第二の層74における加水分解縮合反応を更に進行させることができる。
噴霧乾燥法により第二の層74が形成される場合は、上記加熱処理に先立って、第二の層74が常温または60℃までの比較的低い温度で加熱されることが好ましい。ゾルゲルコーティング法により第二の層74が形成される場合は、第二の層74で被覆された蛍光体粒子71が溶媒から濾過によって回収された後に、この第二の層74に上記加熱処理が施されることが好ましい。
第一の層73は、ポリシラザン由来のシリカを含有する。この第一の層73は緻密で水分断性に極めて優れている。しかも第一の層73はポリシラザンから比較的低温で形成され得る。更に、この第一の層73ではLEDの発光波長域での光吸収がなく、或いはLEDの発光波長域での光吸収量が少ない。このため第一の層73は、蛍光体粒子71の水蒸気ガスバリアのために適している。
第一の層73の形成に使用されるポリシラザンは、例えば下記の一般式で表される構造単位を含む。この一般式中のR,R,Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、或いはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキル、アミノ基、アルコキシ基、又は金属原子を表わす。
Figure 2011195727
第一の層73への特に高い水蒸気バリア性の付与、並びに第一の層73の耐熱・耐光性の向上のためには、ポリシラザンが、上記一般式におけるR,R,Rが全て水素であるペルヒドロポリシラザンであることが好ましい。
ポリシラザンの平均分子量は特に制限されないが、例えば100〜50000の範囲とされ、特に500〜20000の範囲が好ましい。この平均分子量は、GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)により測定される重量平均分子量の値である。ポリシラザンの平均分子量が小さすぎると、第一の層73の形成時に溶媒とともにポリシラザンが蒸発しやすくなり、第一の層73の形成に使用されるポリシラザンの量が低下してしまう可能性がある。一方、ポリシラザンの平均分子量が大きすぎると、ポリシラザンがゲル化しやすくなり、ポリシラザンの取り扱い性が悪くなると共に、第一の層73の緻密化が難しくなる。
第一の層73の厚みは、10〜1000nmの範囲が好ましい。この厚みが10nm以上であることで、第一の層73による水分の遮断性が特に高くなり、波長変換粒子7の耐湿性が特に向上する。また、この厚みが1000nm以下であることで、第一の層73の光透過性が特に高くなり、波長変換粒子7の波長変換効率が特に高くなる。更に、第一の層73の厚みが50〜200nmの範囲であれば、前記作用が特に効果的に発揮される。
第一の層73は、例えば溶媒中にポリシラザンが分散されて分散液が調製され、この分散液が第二の層74の表面上に付着させられ、この分散液から溶媒が揮発させられると共に、第二の層74の表面上に残留するポリシラザンがシリカに転化させられることで、形成される。
第一の層73の形成に使用される溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;ハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭化水素;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類などが、挙げられる。好ましい溶媒の更に具体的な具体例として、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、塩化エチレン、塩化エチリデン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、1,2−ジオキシエタン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;ペンタンヘキサン、イソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素等が、挙げられる。特に好ましい溶媒は、取り扱いやすさおよび溶液の安定性から、ブチルエーテル及びキシレンなどである。
これらの溶媒は一種のみが使用され、或いはポリシラザンの溶解度や溶媒の蒸発速度の調節などのために二種以上が併用される。
分散液中のポリシラザンの固形分濃度は、第一の層73の形成のために採用されるコーティング方法の種類などに応じ、作業性の向上などが考慮されて、決定される。ポリシラザンの最適な固形分濃度は、ポリシラザンの平均分子量、分子量分布、構造等によっても異なるので、適宜に決定される。好ましくはポリシラザンの固形分濃度が0.5〜30質量%の範囲で調整されることが推奨される。
ポリシラザンのシリカへの転化時には、この転化を促進させる触媒が使用されてもよい。この触媒としては、塩基性触媒、金属イオン触媒などが好ましい。
塩基性触媒の具体例としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n−エキシルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ピリジン、アンモニア水等のアルカリ類などが、挙げられる。このうち、特に反応性および取り扱い性の観点からは、トリエチルアミンやアンモニア水などが好ましい。塩基性触媒は、蛍光体粒子71に被覆される前のポリシラザン溶液を含有する分散液中に予め加えられていてもよい。ポリシラザンで被覆された蛍光体粒子71が、塩基性触媒が分散された水溶液などに浸漬されてもよい。ポリシラザンで被覆された蛍光体粒子71が、塩基性触媒を含有する水溶液の蒸気に曝露されてもよい。
金属イオン触媒の具体例としては、Pt、Ni、Pdなどの後周期遷移金属のイオンが挙げられる。このうち、特に反応性および取り扱い性の観点からは、Pdイオンが好ましい。金属イオン触媒は、蛍光体粒子71に被覆される前のポリシラザン溶液を含有する分散液中に予め加えられていてもよい。ポリシラザンで被覆された蛍光体粒子71が、金属イオン触媒が分散された水溶液などに浸漬されてもよい。
ポリシラザンを使用した第一の層73の形成方法は特に限定されないが、具体例として次に示す溶液法及び噴霧乾燥法が挙げられる。
溶液法では、まず溶媒中に、第二の層74で覆われた蛍光体粒子71が分散される。この溶媒としては、上記で説明されている溶媒が使用され得る。この溶媒が攪拌されている状態で、この溶媒中にポリシラザンが加えられ、更に必要に応じて触媒も加えられる。これにより、第二の層74で覆われた蛍光体粒子71とポリシラザンとを含有する分散液が得られる。この分散液中で第二の層74がポリシラザンで被覆されると共にこのポリシラザンがシリカに転化することで、第一の層73が形成される。
噴霧乾燥法では、まず溶液法の場合と同様の手法により、第二の層74で覆われた蛍光体粒子71とポリシラザンとを含有する分散液が調製される。この分散液がスプレードライ装置などで噴霧されて、第二の層74で覆われた蛍光体粒子71とポリシラザンとを含む液滴が得られる。この液滴が乾燥させられると、第二の層74の表面にポリシラザンが付着すると共にそのシリカへの転化が進行し、第一の層73が形成される。
第一の層73が形成された後、この第一の層73には加熱処理や加湿加熱処理などが施されることで、第一の層73におけるポリシラザンからのシリカへの転化が更に進行されることが好ましい。この場合、第一の層73が更に緻密化し、波長変換粒子7の耐湿性が更に向上する。
加熱処理における加熱温度は特に限定されないが60〜600℃の範囲が好ましい。ポリシラザンからシリカへの転化は通常400℃以上で進行するが、触媒が使用されている場合は、加熱温度は130〜250℃あるいはそれ以下の温度でもよい。加熱時間は特に限定されないが0.5〜3時間の範囲が好ましい。この加熱処理により、第一の層73におけるポリシラザンからのシリカへの転化が更に進行される。加熱処理時の雰囲気は、酸素中、空気中、不活性ガス等のいずれであってもよい。特に空気中で加熱処理が施されることが好ましく、この場合、ポリシラザンの酸化、あるいは空気中に共存する水蒸気による加水分解が進行し、低い加熱温度でSi−O結合あるいはSi−N結合を主体とする強靱な第一の層73の形成が可能となる。
噴霧乾燥法により第一の層73が形成される場合は、加熱処理に先立って、第一の層73が常温または60℃までの比較的低い温度で加熱されることが好ましい。溶液法により第一の層73が形成される場合は、第一の層73が形成された蛍光体粒子71が溶媒から濾過によって回収された後に、この第一の層73に加熱処理が施されることが好ましい。
加湿加熱処理における圧力は特に限定されないが、1〜3気圧が現実的に適当である。加湿加熱処理時の雰囲気の相対湿度は特に限定されないが、60〜100%RHが好ましい。雰囲気温度は室温以上で効果的であるが、室温〜150℃の範囲が好ましい。処理時間は特に限定されないが、10分〜3日が現実的に適当である。
上記のような加熱処理や加湿加熱処理は、一方のみが施されてもよく、両方ともに施されてもよい。
このようにして形成される第一の層73は、ポリシラザンに由来するシランから形成されるため、通常は窒素を原子百分率で0.05%以上含有する。第一の層73が充分に緻密化するためには、第一の層73における窒素の原子百分率が5%以下であることが好ましく、特に3%以下であることが好ましい。
このようにして得られる波長変換粒子7は、緻密でバリア性の高い第一の層73を有するため、水分の透過が抑制され、このため水分による蛍光体粒子71の劣化が抑制される。この第一の層73を僅かに水分が透過したり、或いは波長変換粒子7中に僅かに水分が閉じ込められていたりすることで、蛍光体粒子71と水分とが僅かに反応してアルカリ成分が溶出したとしても、蛍光体粒子71と第一の層73との間には耐アルカリ性の高い第二の層74が介在しているため、第一の層73がアルカリ成分によって侵されにくくなる。特に蛍光体粒子71がアルカリ土類金属シリケート系蛍光体の粒子である場合には、水分と反応すると蛍光体粒子71からアルカリ成分が溶出しやすくなるが、このような場合であっても、第一の層73がアルカリ成分によって侵されにくくなる。これにより、長期に亘って波長変換粒子7の高い耐湿性が維持される。更に、第一の層73が第二の層74に直接積層される場合には、第一の層73が第二の層74の表面上の全体に亘って、高い均一性をもって形成されやすくなり、しかも第一の層73と第二の層74との間の密着性が高くなって、第一の層73が剥離しにくくなる。
このように、第一の層73と第二の層74とを備えるコーティング層72は外部からの水分の侵入を抑制し、僅かに水分が侵入したとしても、それに起因するコーティング層72の劣化が抑制される。このため、波長変換粒子7の耐湿性及び耐久性が著しく向上する。
更に、第一の層73は上記のとおり低温で形成され得る。第一の層73が低温で形成されることで、コーティング層72の形成時における、熱履歴によるコーティング層72でのクラックの発生が抑制され、波長変換粒子7の耐湿性及び耐久性が更に向上する。
[波長変換部材]
波長変換部材70は、上記波長変換粒子7が、透光性媒体に分散されることで、構成される。
透光性媒体の屈折率は、蛍光体粒子71の屈折率よりも小さいことが好ましい。透光性媒体としてシロキサン結合を有するケイ素化合物やガラスが例示できる。これらの材質は耐熱性および耐光性(青色〜紫外線等の短波長の光に対する耐久性)に優れるため、蛍光体粒子71の励起光が一般的な青色光や紫外光である場合に励起光による透光性媒体の劣化が抑制される。ケイ素化合物の例としてはシリコーン樹脂、オルガノシロキサンの加水分解縮合物や、縮合物を公知の重合手法(ヒドロシリル化などの付加重合、ラジカル重合など)で架橋させて形成される複合樹脂が挙げられる。透光性媒体73として、例えば、アクリル樹脂、有機成分と無機成分とがnmレベルもしくは分子レベルで混合、結合されている有機・無機ハイブリッド材料などが採用されてもよい。
波長変換部材70中の波長変換粒子7の含有量は、波長変換粒子7及び透明媒体の種類、波長変換部材70の寸法、波長変換部材70に要求される波長変換能等を考慮して適宜決定されるが、例えば5質量%〜30質量%の範囲とされる。
この波長変換部材70に光を入射して透過させると、この光の波長が波長変換粒子7によって変換される。
この波長変換部材70では、波長変換粒子7のコーティング層72における第一の層73の屈折率と透光性媒体の屈折率は近似していることが好ましい。この場合、波長変換粒子7と透光性媒体との界面における光の反射が抑制され、蛍光体粒子71への励起光の入射効率及び蛍光体粒子71からの変換光の取り出し効率が更に向上する。両者の屈折率差は0〜0.3の範囲であることが好ましく、特に屈折率差が0(両者の屈折率が同一)であることが好ましい。
[発光装置]
発光装置1は、図2,3に示されるように、LEDチップ10、実装基板20、光学部材60、封止部50、並びに上述のように構成される波長変換部材(色変換部材)70を備える。
LEDチップ10は実装基板20に実装されている。実装基板20は平面視矩形板状である。実装基板20の厚み方向に面する第一の表面上にLEDチップ10への給電用の導体パターン23,23が形成され、この実装基板20の第一の表面上にLEDチップ10が実装されている。LEDチップ10と導体パターン23,23とはボンディングワイヤ14で電気的に接続されている。
光学部材60はドーム状の部材であり、実装基板20の第一の表面上の固着されている。この光学部材60と実装基板20との間に、LEDチップ10が収容されている。LEDチップ10から放射された光の配向が、光学部材60によって制御されるようになっている。
封止部50は透光性の封止材料から形成される。封止部50は光学部材60と実装基板20とで囲まれた空間に充填されている。この封止部50により、LEDチップ10およびボンディングワイヤ14が封止されている。
波長変換部材(色変換部材)70は、光学部材60を包囲するようにドーム状に形成されている。光学部材60と波長変換部材70との間には、空気などの気体が充実する空隙80が介在している。実装基板20の第一の表面上には、光学部材60の外周を包囲する環状の堰部27が形成されている。堰部27は第一の表面上から突出するように形成される。このため、光学部材60が実装基板20に固着される際に、光学部材60と実装基板20とで囲まれた空間から封止材料が溢れ出ようとしても、この封止材料が堰部27によって堰き止められる。
LEDチップ10は、例えば青色光を放射するGaN系の青色LEDチップである。この青色LEDチップでは、結晶成長用基板として、サファイア基板よりも格子定数や結晶構造がGaNに近く且つ導電性を有するn形のSiC基板が用いられる。このSiC基板上に、例えばダブルへテロ構造を有する発光部が形成される。発光部は、たとえばGaN系化合物半導体材料などを原料として、エピタキシャル成長法(例えば、MOVPE法など)などで形成される。このLEDチップ10は、その実装基板20の第一の表面と対向する表面上にカソード電極を備え、それとは反対側の表面上にアノード電極を備える。このカソード電極およびアノード電極は、例えばNi膜とAu膜との積層膜により構成される。カソード電極およびアノード電極の材料は特に制限されず、良好なオーミック特性が得られる材料であればよく、例えばAlなどであってもよい。
LEDチップ10の構造は上記構造に限定されない。例えば、結晶成長用基板上にエピタキシャル成長により発光部などが形成された後、発光部を支持するSi基板などの支持基板が発光部に固着され、更にその後、結晶成長用基板が除去されることで、LEDチップ10が形成されてもよい。
実装基板20は矩形板状の伝熱板21と配線基板22とで構成される。伝熱板21は熱伝導性材料から形成される。この伝熱板21にLEDチップ10が実装される。配線基板22は例えば矩形板状のフレキシブルプリント配線板である。配線基板22は伝熱板21上に例えばポリオレフィン系の固着シート29を介して固着される。配線基板22の中央部には、伝熱板21におけるLEDチップ10の実装位置を露出させる矩形状の窓孔24が形成されている。この窓孔24の内側で、LEDチップ10が後述のサブマウント部材30を介して伝熱板21に実装される。したがって、LEDチップ10で発生した熱は配線基板22を介さずにサブマウント部材30および伝熱板21へ伝導する。
配線基板22は、ポリイミドフィルムからなる絶縁性基材22aと、この絶縁性基材22a上に形成された、LEDチップ10への給電用の一対の導体パターン23,23とを備える。更に配線基板22は、各導体パターン23,23を覆うと共に絶縁性基材22a上の導体パターン23,23が形成されていない部位を覆う保護層26を備える。保護層26は例えば光反射性を有する白色系のレジスト(樹脂)から形成される。この場合、LEDチップ10から配線基板22に向けて光が放射されても、保護層26で光が反射されることで配線基板22における光の吸収が抑制される。これにより、LEDチップ10から外部への光取り出し効率が向上し、発光装置の光出力が向上する。尚、各導体パターン23,23は、絶縁性基材22aの外周形状の半分よりもやや小さな外周形状に形成されている。絶縁性基材22aはFR4基板、FR5基板、紙フェノール樹脂基板などから形成されてもよい。
各導体パターン23,23は、平面視矩形状の端子部23aを二つずつ備える。この端子部23aは配線基板22の窓孔24の近傍に位置し、この端子部23aにボンディングワイヤ14が接続される。各導体パターン23,23は、更平面視円形状の外部接続用電極部23bを一つずつ備える。この外部接続用電極部23bは、配線基板22の外周付近に位置している。なお、導体パターン23,23は、例えばCu膜とNi膜とAu膜との積層膜により構成される。
保護層26は、この保護層26から各導体パターン23,23が部分的に露出するようにパターニングされている。配線基板22の窓孔24の近傍で、各導体パターン23,23における端子部23aが保護層26から露出している。更に、配線基板22の外周付近で、各導体パターン23,23における外部接続用電極部23bが保護層26から露出している。
LEDチップ10は、上述の通りサブマウント部材30を介して伝熱板21に搭載されている。サブマウント部材30は、LEDチップ10と伝熱板21との線膨張率の差に起因してLEDチップ10に働く応力を緩和する。サブマウント部材30は、LEDチップ10のチップサイズよりも大きなサイズの矩形板状に形成されている。
サブマウント部材30は、上記応力を緩和する機能だけでなく、LEDチップ10で発生した熱を伝熱板21におけるLEDチップ10のチップサイズよりも広い範囲に伝導させる熱伝導機能をも有している。本実施形態における発光装置1では、LEDチップ10がサブマウント部材30を介して伝熱板21に搭載されているので、LEDチップ10で発生した熱がサブマウント部材30および伝熱板21を介して効率良く放熱されるとともに、LEDチップ10と伝熱板21との線膨張率差に起因してLEDチップ10に働く応力が緩和される。
サブマウント部材30は、例えば熱伝導率が比較的高く且つ絶縁性を有するAlNから形成される。
LEDチップ10のカソード電極がサブマウント部材30上に重ねられ、このカソード電極が、カソード電極と接続される電極パターン(図示せず)および金属細線(例えば、金細線、アルミニウム細線など)からなるボンディングワイヤ14を介して、二つの導体パターン23のうちの一方と電気的に接続される。LEDチップ10は、ボンディングワイヤ14を介して、カソード電極に接続されていない導体パターン23と電気的に接続されている。
LEDチップ10とサブマウント部材30との接合には、例えば、SnPb、AuSn、SnAgCuなどの半田や、銀ペーストなどが用いられる。特にAuSn、SnAgCuなどの鉛フリー半田が用いられることが好ましい。サブマウント部材30がCuから形成され、LEDチップ10とサブマウント部材30との接合にAuSnが用いられる場合には、サブマウント部材30およびLEDチップ10における互いに接合される面に、あらかじめAuまたはAgからなる金属層を形成する前処理が施されることが好ましい。サブマウント部材30と伝熱板21との接合には、例えば、AuSn、SnAgCuなどの鉛フリー半田が用いられることが好ましい。サブマウント部材30と伝熱板21との接合にAuSnが用いられる場合には、伝熱板21におけるサブマウント部材30と接合される面に、あらかじめAuまたはAgからなる金属層を形成する前処理が施されることが好ましい。
サブマウント部材30の材料はAlNに限らず、線膨張率が結晶成長用基板の材料である6H−SiCに比較的近く且つ熱伝導率が比較的高い材料であればよい。例えば、サブマウント部材30の材料として複合SiC、Si、Cu、CuWなどが採用されてもよい。なお、サブマウント部材30は、上述の熱伝導機能を有しているため、伝熱板21におけるLEDチップ10に対向する面の面積は、LEDチップ10における伝熱板21と対向する面の面積よりも、十分に大きいことが望ましい。
本実施形態における発光装置1では、伝熱板21の厚み方向に面するLEDチップ10側の表面から、保護層26の厚み方向に面するLEDチップ10側の表面までの寸法よりも、伝熱板21における前記表面から、サブマウント部材30の厚み方向に面するLEDチップ10側の表面までの寸法の方が、大きくなっている。このような位置関係となるように、サブマウント部材30の厚み寸法が設定されている。このため、LEDチップ10から放射された光が、配線基板22の窓孔24の内側を通って配線基板22に吸収されることが、抑制される。これによりLEDチップ10から外部への光取り出し効率が更に向上し、発光装置の光出力が更に向上する。
なお、サブマウント部材30の厚み方向に面するLEDチップ10側の表面における、LEDチップ10が配置される位置の周囲に、LEDチップ10から放射された光を反射する反射膜が形成されてもよい。この場合、LEDチップ10から放射された光がサブマウント部材30に吸収されることが防止される。これによりLEDチップ10から外部への光取り出し効率が更に向上し、発光装置の光出力が更に向上する。反射膜は、例えば、Ni膜とAg膜との積層膜により構成される。
上述の封止部50を形成するための材料である封止材料としては、シリコーン樹脂が挙げられる。シリコーン樹脂に限らず、例えば、アクリル樹脂や、ガラスなどが用いられてもよい。
光学部材60は、光透過性を有する材料(例えば、シリコーン樹脂、ガラスなど)から形成された成形品であってドーム状に形成されている。特に光学部材60がシリコーン樹脂の成形品であれば、光学部材60と封止部50との屈折率差および線膨張率差が低減され得る。
光学部材60の光出射面60b(LEDチップ10とは反対側に面する表面)は、光入射面60a(LEDチップ10側に面する表面)から光学部材60内へ入射した光が、光出射面60bと空隙80との境界で全反射しないような、凸曲面状に形成されている。光学部材60は、LEDチップ10と光軸が一致するように配置されている。したがって、LEDチップ10から放射され光学部材60の光入射面60aに入射された光は、光出射面60bと気体層80との境界で全反射されることなく波長変換部材70まで到達しやすくなり、発光装置からの発光の全光束が増大する。なお、光学部材60は、位置によらず法線方向に沿って肉厚が一様となるように形成されている。
波長変換部材70は、その光入射面70a(LEDチップ10側に面する表面)が、光学部材60の光出射面60bに沿った形状に形成されている。したがって、光学部材60の光出射面60bの位置によらず法線方向における当該光学部材60の光出射面60bと波長変換部材70との間の距離が略一定値となっている。なお、波長変換部材70は、位置によらず法線方向に沿った肉厚が一様となるように成形されている。また、波長変換部材70は、実装基板20に対して、例えば接着剤(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)などで固着される。
白色光を発光する発光装置1を構成する場合において、LEDチップ10が上記のように青色LEDチップである場合には、波長変換部材70を構成する波長変換粒子7の蛍光体粒子71として、例えば赤色蛍光体粒子71と緑色蛍光体粒子71とが併用される。この場合、LEDチップ10から波長変換されずに放射される青色光と、波長変換部材70の赤色蛍光体粒子71および緑色蛍光体粒子71で波長変換された光とが、波長変換部材70の光出射面70b(LEDチップ10とは反対側に面する表面)を通して放射される。これにより、発光装置1から白色光が出射される。発光装置1から白色光が出射されるための、蛍光体粒子71の選定の仕方は、前記の例に限られない。例えば黄色蛍光体粒子71と緑色蛍光体粒子71と橙色蛍光体粒子71とが併用され、或いは黄緑色蛍光体粒子71と橙色蛍光体粒子71とが併用されることで、発光装置1から白色光が出射されてもよい。
また、LEDチップ10として紫外光を放射する紫外LEDチップが用いられ、蛍光体粒子71として赤色蛍光体粒子71、緑色蛍光体粒子71および青色蛍光体粒子71が併用されることで、発光装置1から白色光が出射されてもよい。
このように構成される発光装置1では、波長変換部材70の耐湿性、耐久性が高いことから、長期に亘って安定した動作が可能となる。
[実施例1]
(赤色の波長変換粒子の作製)
反応容器内で2−プロパノール(和光純薬社製)500質量部に、イオン交換水6質量部を加え、均一に混合した。この反応容器内に更に蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm)10質量部を加えて分散させた。
次に反応容器を氷浴に浸して0℃前後に保ちながら、反応容器内にアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬社製)50質量部を加え、反応容器の内容物を1時間攪拌した。その後、反応容器を室温に戻して反応容器の内容物をさらに2時間攪拌した。これにより、反応容器内で、蛍光体粒子71が分散するスラリーを調製した。
得られたスラリーから固形分を遠心濾過にて分離し、この固形分を2−プロパノール(和光純薬社製)20質量部を用いて3回洗浄した後、この固形分を回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した。これにより、蛍光体粒子71の表面上にアルミニウム酸化物からなる第二の層74を形成した。この第二の層74を有する10質量部の蛍光体粒子71を、キシレン(和光純薬株式会社製)100質量部中に分散させて、懸濁液を調製した。
ペルヒドロポリシラザン(AZマテリアル株式会社製、品番NL−110−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラザンを含むキシレン溶液)20質量部と脱水キシレン(和光純薬株式会社製)10質量部を混合して混合液を調製した。この混合液を、前記懸濁液に滴下した。その後、懸濁液を12時間攪拌した後、遠心ろ過にて固形分を分離し、回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、更に250℃で1時間加熱乾燥した。これにより、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でAl、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
尚、X線光電子分光分析にあたっては、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製の型式ESCALAB220−XLを用い、波長変換粒子7を1mm角の分析エリアに分画して、X線を照射し分析を行った。深さ方向分析にあたっては、アルゴンイオン照射によるスパッタリングで試料表面を切削した後に深部における分析を行い、特定深さにおける元素濃度(atm.%)を算出した。
(緑色の波長変換粒子の作製)
赤色の波長変換粒子7の作製の場合において、蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でAl、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
[実施例2]
(赤色の波長変換粒子の作製)
まず、実施例1の場合と同じ方法及び条件により、第二の層74を有する蛍光体粒子71を得た。この第二の層74を有する10質量部の蛍光体粒子71を、キシレン(和光純薬株式会社製)100部中に分散させて、懸濁液を調製した。
ペルヒドロポリシラザン(AZマテリアル株式会社製、品番NL−110−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラザンを含むキシレン溶液)20質量部と、トリエチルアミン(和光純薬社製)0.5質量部と、脱水キシレン(和光純薬株式会社製)10質量部を混合して混合液を調製した。この混合液を、前記懸濁液に滴下した。その後、懸濁液を12時間攪拌した後、遠心ろ過にて固形分を分離し、回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、更に250℃で1時間加熱乾燥した。これにより、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でAl、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
(緑色の波長変換粒子の作製)
赤色の波長変換粒子7の作製の場合において、蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でAl、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
[実施例3]
(赤色の波長変換粒子の作製)
反応容器内でn−ブタノール(和光純薬社製)500質量部に、イオン交換水6質量部を加え、均一に混合した。この反応容器内に更に蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm)10質量部を加えて分散させた。
次に反応容器を氷浴に浸して0℃前後に保ちながら、反応容器内にジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(関東化学株式会社製)50質量部を加え、反応容器の内容物を1時間攪拌した。その後、反応容器を室温に戻して反応容器の内容物をさらに2時間攪拌した。これにより、反応容器内で、蛍光体粒子71が分散するスラリーを調製した。
得られたスラリーから固形分を遠心濾過にて分離し、この固形分をn−ブタノール(和光純薬社製)20質量部を用いて3回洗浄した後、この固形分を回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した。これにより、蛍光体粒子71の表面上にジルコニウム酸化物からなる第二の層74を形成した。この第二の層74を有する10質量部の蛍光体粒子71を、キシレン(和光純薬株式会社製)100部中に分散させて、懸濁液を調製した。
ペルヒドロポリシラザン(AZマテリアル株式会社製、品番NL−110−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラザンを含むキシレン溶液)20質量部と脱水キシレン(和光純薬株式会社製)10質量部を混合して混合液を調製した。この混合液を、前記懸濁液に滴下した。その後、懸濁液を12時間攪拌した後、遠心ろ過にて固形分を分離し、回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、更に250℃で1時間加熱乾燥した。これにより、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でZr、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でZr、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
[実施例4]
(赤色の波長変換粒子の作製)
まず、実施例3の場合と同じ方法及び条件により、第二の層74を有する蛍光体粒子71を得た。この第二の層74を有する10質量部の蛍光体粒子71を、キシレン(和光純薬株式会社製)100部中に分散させて、懸濁液を調製した。
ペルヒドロポリシラザン(AZマテリアル株式会社製、品番NL−110−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラザンを含むキシレン溶液)20質量部と、トリエチルアミン(和光純薬社製)0.5質量部と、脱水キシレン(和光純薬株式会社製)10質量部を混合して混合液を調製した。この混合液を、前記懸濁液に滴下した。その後、懸濁液を12時間攪拌した後、遠心ろ過にて固形分を分離し、回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、更に250℃で1時間加熱乾燥した。これにより、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でZr、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でZr、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
[実施例5]
(赤色の波長変換粒子の作製)
反応容器内でn−ブタノール(和光純薬社製)500質量部に、イオン交換水6質量部を加え、均一に混合した。この反応容器内に更に蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm)10質量部を加えて分散させた。
次に反応容器を氷浴に浸して0℃前後に保ちながら、反応容器内にチタンテトラ−n−ブトキシド(関東化学株式会社製)50質量部を加え、反応容器の内容物を1時間攪拌した。その後、反応容器を室温に戻して反応容器の内容物をさらに2時間攪拌した。これにより、反応容器内で、蛍光体粒子71が分散するスラリーを調製した。
得られたスラリーから固形分を遠心濾過にて分離し、この固形分をn−ブタノール(和光純薬社製)20質量部を用いて3回洗浄した後、この固形分を回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した。これにより、蛍光体粒子71の表面上にチタン酸化物からなる第二の層74を形成した。この第二の層74を有する10質量部の蛍光体粒子71を、キシレン(和光純薬株式会社製)100部中に分散させて、懸濁液を調製した。
ペルヒドロポリシラザン(AZマテリアル株式会社製、品番NL−110−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラザンを含むキシレン溶液)20質量部と脱水キシレン(和光純薬株式会社製)10質量部を混合して混合液を調製した。この混合液を、前記懸濁液に滴下した。その後、懸濁液を12時間攪拌した後、遠心ろ過にて固形分を分離し、回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、更に250℃で1時間加熱乾燥した。これにより、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でTi、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でTi、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
[実施例6]
(赤色の波長変換粒子の作製)
まず、実施例5の場合と同じ方法及び条件により、第二の層74を有する蛍光体粒子71を得た。この第二の層74を有する10質量部の蛍光体粒子71を、キシレン(和光純薬株式会社製)100部中に分散させて、懸濁液を調製した。
ペルヒドロポリシラザン(AZマテリアル株式会社製、品番NL−110−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラザンを含むキシレン溶液)20質量部と、トリエチルアミン(和光純薬社製)0.5質量部と、脱水キシレン(和光純薬株式会社製)10質量部を混合して混合液を調製した。この混合液を、前記懸濁液に滴下した。その後、懸濁液を12時間攪拌した後、遠心ろ過にて固形分を分離し、回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、更に250℃で1時間加熱乾燥した。これにより、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でTi、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
この波長変換粒子7のコーティング層72についてX線光電子分光分析(ESCA)の深さ方向分析をおこなったところ、内奥側でTi、Oが主体の組成が検出され、外層側でSi、Oが主体の組成が検出された。
[比較例1]
未処理の蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm、並びに(Ba,Sr)SiO:Eu2+、平均粒子径12μm)を、そのまま赤色の波長変換粒子7、及び緑色の波長変換粒子7とした。
[比較例2]
(赤色の波長変換粒子の作製)
反応容器内で2−プロパノール(和光純薬社製)500質量部に、イオン交換水6質量部を加え、均一に混合した。この反応容器内に更に蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm)10質量部を加えて分散させた。
テトラエトキシシラン20質量部と0.1N−塩酸水溶液1.0質量部とを、2−プロパノール200質量部に溶解することで、アルコキシシラン溶液を得た。
上記反応容器の内容物を攪拌しながら、この反応容器に上記アルコキシシラン溶液を加えることで、反応容器内で、蛍光体粒子71が分散するスラリーを調製した。
得られたスラリーから固形分を遠心濾過にて分離し、この固形分を2−プロパノール(和光純薬社製)20質量部を用いて3回洗浄した後、この固形分を回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、250℃で1時間乾燥して、波長変換粒子7を得た。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
[比較例3]
(赤色の波長変換粒子の作製)
キシレン(和光純薬株式会社製)100質量部中に、蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm)10質量部を分散させて、懸濁液を調製した。
ペルヒドロポリシラザン(AZマテリアル株式会社製、品番NL−110−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラザンを含むキシレン溶液)20質量部と、トリエチルアミン(和光純薬社製)0.5質量部と、脱水キシレン(和光純薬株式会社製)10質量部を混合して混合液を調製した。この混合液を、前記懸濁液に滴下した。その後、懸濁液を12時間攪拌した後、遠心ろ過にて固形分を分離し、回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、更に250℃で1時間加熱乾燥した。これにより、波長変換粒子7を得た。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
[比較例4]
(赤色の波長変換粒子の作製)
反応容器内で2−プロパノール(和光純薬社製)500質量部に、イオン交換水6質量部を加え、均一に混合した。この反応容器内に更に蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm)10質量部を加えて分散させた。
次に反応容器を氷浴に浸して0℃前後に保ちながら、反応容器内にアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬社製)50質量部を加え、反応容器の内容物を1時間攪拌した。その後、反応容器を室温に戻して反応容器の内容物をさらに2時間攪拌した。これにより、反応容器内で、蛍光体粒子71が分散するスラリーを調製した。
得られたスラリーから固形分を遠心濾過にて分離し、この固形分を2−プロパノール(和光純薬社製)20質量部を用いて3回洗浄した後、この固形分を回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、更に250℃で1時間加熱乾燥した。これにより、波長変換粒子7を得た。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
[比較例5]
(赤色の波長変換粒子の作製)
反応容器内で2−プロパノール(和光純薬社製)200質量部に、イオン交換水5質量部を加え、均一に混合した。この反応容器内に更に蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm)10質量部を加えて分散させた。
テトラエトキシシラン20質量部と0.1N−塩酸水溶液1.0質量部とを、2−プロパノール200質量部に溶解することで、アルコキシシラン溶液を得た。
上記反応容器の内容物を攪拌しながら、この反応容器に上記アルコキシシラン溶液を加えることで、反応容器内で、蛍光体粒子71が分散するスラリーを調製した。
得られたスラリーから固形分を遠心濾過にて分離し、この固形分を2−プロパノール(和光純薬社製)20質量部を用いて3回洗浄した後、この固形分を回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、250℃で1時間乾燥した。これにより、シリカからなる被膜を備える蛍光体粒子71を得た。
別の反応容器内で、n−ブタノール(和光純薬社製)500質量部に、イオン交換水6質量部を加えて、均一に混合した後、更にこの反応容器内にシリカからなる被膜を備える10質量部の蛍光体粒子71を加えて分散させ、分散液を調製した。
次に反応容器を氷浴に浸して0℃前後に保ちながら、反応容器内にアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬社製)50質量部を加え、反応容器の内容物を1時間攪拌した。その後、反応容器を室温に戻して反応容器の内容物をさらに2時間攪拌した。これにより、反応容器内で、蛍光体粒子71が分散するスラリーを調製した。
得られたスラリーから固形分を遠心濾過にて分離し、この固形分を2−プロパノール(和光純薬社製)20質量部を用いて3回洗浄した後、この固形分を回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、250℃で1時間加熱乾燥することで、波長変換粒子7を得た。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
[比較例6]
(赤色の波長変換粒子の作製)
反応容器内で2−プロパノール(和光純薬社製)500質量部に、イオン交換水6質量部を加え、均一に混合した。この反応容器内に更に蛍光体粒子71(SrSiO:Eu2+、平均粒子径12μm)10質量部を加えて分散させた。
次に反応容器を氷浴に浸して0℃前後に保ちながら、反応容器内にアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬社製)50質量部を加え、反応容器の内容物を1時間攪拌した。その後、反応容器を室温に戻して反応容器の内容物をさらに2時間攪拌した。これにより、反応容器内で、蛍光体粒子71が分散するスラリーを調製した。
得られたスラリーから固形分を遠心濾過にて分離し、この固形分を2−プロパノール(和光純薬社製)20質量部を用いて3回洗浄した後、この固形分を回収した。この固形分を80℃で4時間減圧乾燥した後、250℃で1時間乾燥して、波長変換粒子7を得た。
(緑色の波長変換粒子の作製)
蛍光体粒子71を、平均粒子径12μmの(Ba,Sr)SiO:Eu2+に変更した。それ以外は赤色の波長変換粒子7の作製時と同じ方法及び条件で、波長変換粒子7を得た。
[波長変換部材及び発光装置の作製、並びに評価]
波長変換部材70を作製するにあたっては、透光性媒体73として屈折率が1.4のシリコーン樹脂を使用した。そして、各実施例及び比較例で得られた緑色の波長変換粒子7を6質量%、赤色の波長変換粒子7を6質量%、前記シリコーン樹脂を88質量%含有する組成物を、プレスにより成形して、厚み2mmのドーム状の波長変換部材70を得た。
この波長変換部材70を用いて、発光装置1を作製した。発光装置1としては、上述の図4に示す構造を有する発光装置1を作製した。LEDチップ10として発光ピーク波長が460nmの青色LEDチップを使用した。
この発光装置1を通電させ、発光装置1から放射される全光束の初期値を測定した。次に、この発光装置1を温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気中で、1000時間断続通電(30分点灯、30分消灯のサイクル)させて信頼性加速試験を行った後、試験後の発光装置1から放射される全光束を測定した。
その結果を下記表1に示す。尚、表1に示す全光束維持率の値は、全光束の初期値に対する、信頼性加速試験後の全光束の値の百分率である。
Figure 2011195727
1 発光装置
7 波長変換粒子
70 波長変換部材
71 蛍光体粒子
72 コーティング層
73 第一の層
74 第二の層

Claims (4)

  1. 蛍光体粒子と、この蛍光体粒子の表面を覆うコーティング層とを備え、
    前記コーティング層が第一の層と、この第一の層と蛍光体粒子との間に介在する第二の層とを有し、
    前記第一の層がポリシラザン由来のシリカを含有し、
    前記第二の層がAl、Zr、Ti、Y、Nb、Taから選択される少なくとも一種の金属の酸化物を含有する波長変換粒子。
  2. 前記蛍光体粒子が、アルカリ土類金属シリケート系蛍光体の粒子である請求項1に記載の波長変換粒子。
  3. 透光性媒体と、この透光性媒体中に分散されている請求項1又は2に記載の波長変換粒子とを備える波長変換部材。
  4. 請求項3に記載の波長変換部材を備える発光装置。
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