JP2011195371A - 熱cvd装置における断熱体 - Google Patents

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巖生 杉本
Kazuyuki Hiraoka
和志 平岡
浩二 ▲高▼鍋
Koji Takanabe
Toshio Takitani
俊夫 滝谷
Koji Kira
浩司 吉良
Maki Harada
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Abstract

【課題】カーボンナノチューブの品質が劣化するのを抑制し得る熱CVD装置における断熱体を提供する。
【解決手段】熱CVD法によりカーボンナノチューブを基板の表面に形成するための加熱室13の内壁面に配置される断熱体21を、底壁部2a側に配置される底壁断熱部22と、上壁部2b側に配置される上壁断熱部23と、側壁部2cおよび区画壁3に沿って配置される側壁断熱部24とから構成するとともに、これら各断熱部22〜24として、金属製の薄い遮蔽板25を所定間隔おきに多数並置することにより構成したもの。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱CVD装置における断熱体に関するものである。
従来、カーボンナノチューブを形成する装置としては、炭化水素を分解してカーボンナノチューブを生成する化学的気相成長装置、所謂、熱CVD装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この熱CVD装置においては、基板の表面にカーボンナノチューブを生成させる成膜室が具備されており、この成膜室には、ロードロック室からの基板を保持する基板ホルダーと、この基板ホルダーに保持された基板に炭素含有ガスおよび水素ガスを導くためのガス供給管と、成膜室内を加熱する加熱手段とが具備されている。すなわち、成膜室においては、メタンやアセチレンなどの原料ガスを導入するとともに加熱して当該原料ガスを分解させることにより、カーボンナノチューブを基板上に成長させていた。
ところで、この種の成膜室、すなわち加熱室においては、内部に加熱手段を設ける場合があり、このような場合、内壁面に断熱材を設けることにより、熱効率の向上が図られる。そして、通常、断熱材としては、二酸化ケイ素(シリカ)や酸化アルミニウム(アルミナ)などの耐火材が用いられている。
特開2002−115072号公報
しかし、断熱材として、二酸化ケイ素や酸化アルミニウムを用いた場合、真空下では、これらに含まれている不純物が発生し、生成するカーボンナノチューブの品質を劣化させるという問題が生じる。
そこで、本発明は、カーボンナノチューブの品質が劣化するのを抑制し得る熱CVD装置における断熱体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る熱CVD装置における断熱体は、加熱室の内壁面に複数の金属製の遮蔽板を所定間隔おきに並置したものである。
また、請求項2に係る熱CVD装置における断熱体は、請求項1に記載の断熱体において、底壁面側に配置される遮蔽板を積み重ね方式にて支持したものである。
また、請求項3に係る熱CVD装置における断熱体は、請求項1または請求項2に記載の断熱体において、側壁面側に配置される遮蔽板を吊り下げ方式にて支持したものである。
また、請求項4に係る熱CVD装置における断熱体は、請求項1乃至3のいずれかに記載の断熱体において、上壁面側に配置される遮蔽板を積み重ね方式および吊り下げ方式にて支持したものである。
また、請求項5に係る熱CVD装置における断熱体は、請求項1乃至4のいずれかに記載の断熱体において、遮蔽板の厚さを、数μm〜1mmの範囲内としたものである。
また、請求項6に係る熱CVD装置における断熱体は、請求項1乃至5のいずれかに記載の断熱体において、遮蔽板としてステンレス鋼を用いるとともに、その表面に不動態膜を形成したものである。
さらに、請求項7に係る熱CVD装置における断熱体は、請求項1乃至6のいずれかに記載の断熱体において、不動態膜として、二酸化ケイ素または酸化アルミニウムを用いたものである。
上記各発明によると、加熱室内に配置される断熱体を、複数の金属製遮蔽板を所定間隔おきに並置させることにより構成したので、例えば従来の二酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどの不純物を含む耐火材に比べると、真空下での不純物の発生を抑制することができ、したがって基板の表面に形成されるカーボンナノチューブの品質が低下するのを防止することができる。
本発明の実施例における熱CVD装置の概略構成を示す模式的斜視図である。 同熱CVD装置の要部断面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図2のC部拡大断面図である。 同実施例における断熱体の原理を説明するための放射伝熱系を示す図である。 同実施例における発熱体温度に対する外壁温度と遮蔽板の枚数との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施例における熱CVD装置の要部断面図である。 図8のD−D断面図である。 図8のE部拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る熱CVD装置における断熱体について、具体的に示した実施例に基づき説明する。
本実施例においては、カーボンナノチューブ形成用の熱CVD装置について説明する。
そして、本実施例においては、カーボンナノチューブを形成する基板として、ステンレス製の薄鋼板、すなわちステンレス鋼板(薄板材の一例であり、例えば箔材の場合は20〜300μm程度の厚さのものが用いられ、ステンレス箔ということもできる。また、板材である場合には、300μm〜数mm程度の厚さのものが用いられる。)を用いるようにしたもので、しかも、このステンレス鋼板としては、所定幅で長いもの、つまり帯状のものが用いられる。したがって、このステンレス鋼板はロールに巻き付けられており、カーボンナノチューブの形成に際しては、このロールから引き出されて連続的にカーボンナノチューブが形成されるとともに、このカーボンナノチューブが形成されたステンレス鋼板は、やはり、ロールに巻き取るようにされている。すなわち、一方の巻出しロールからステンレス鋼板を引き出し、この引き出されたステンレス鋼板の表面にカーボンナノチューブを形成(生成)した後、このカーボンナノチューブが形成されたステンレス鋼板を他方の巻取りロールに巻き取るようにされている。
以下、上述した帯状のステンレス鋼板(以下、主として、基板と称す)の表面に、カーボンナノチューブを形成するための熱CVD装置について説明する。
この熱CVD装置には、図1に示すように、炉本体2内にカーボンナノチューブを形成するための細長い処理用空間部が設けられて成る加熱炉1が具備されており、この炉本体2内に設けられた処理用空間部は、所定間隔おきに配置された区画壁3により、複数の、例えば5つの部屋に区画されて(仕切られて)いる。
すなわち、この炉本体2内には、ステンレス鋼板つまり基板Kが巻き取られた巻出しロール16が配置される基板供給室11と、この巻出しロール16から引き出された基板Kを導きその表面に前処理を施すための前処理室12と、この前処理室12で前処理が施された基板Kを導きその表面にカーボンナノチューブを形成するための加熱室(反応室または成膜室ともいえる)13と、この加熱室13でカーボンナノチューブが形成された基板Kを導き後処理を施すための後処理室14と、この後処理室14で後処理が施された基板Kを巻き取るための巻取りロール17が配置された基板回収室(製品回収室ということもできる)15とが具備されている。上記各ロール16,17の回転軸心は水平方向にされており、したがって加熱室13内に引き込まれる(案内される)基板Kは水平面内を移動するとともに、基板Kの表面にカーボンナノチューブを形成するようにされている。なお、以下の説明において、基板Kの移動方向aを前後方向と称する(下手側が前側、上手側が後側である)とともに、移動方向aと直交する水平方向を左右方向と称する。
上記前処理室12では、基板Kの表面、特にカーボンナノチューブを形成する表面(カーボンナノチューブの生成面であり、後述するが、ここでは下面である)の洗浄、不動態膜の塗布、カーボンナノチューブ生成用の触媒微粒子、具体的には、鉄の微粒子(金属微粒子)の塗布が行われる。洗浄については、アルカリ洗浄、UVオゾン洗浄が用いられる。また、不動態膜の塗布方法としては、ロールコータ、LPDが用いられる。触媒微粒子の塗布方法としては、スパッタ、真空蒸着、ロールコータなどが用いられる。
また、後処理室14では、基板Kの冷却と、基板Kの表面、すなわち下面に形成されたカーボンナノチューブの検査とが行われる。
そして、基板回収室15では、基板Kの上面(裏面)に保護フィルムが貼り付けられ、この保護フィルムが貼り付けられたステンレス鋼板である基板Kが巻取りロール17に巻き取られる。なお、基板Kの上面に保護フィルムを貼り付けるようにしているのは、基板Kを巻き取った際に、その外側に巻き取られる基板Kに形成されたカーボンナノチューブを保護するためである。
上述したように、炉本体2内には、区画壁3により5つの部屋が形成されており、当然ながら、各区画壁3には、基板Kを通過させ得る連通用開口部(スリットともいう)3aがそれぞれ形成されている。
ところで、上記加熱室13においては、熱CVD法により、カーボンナノチューブが形成(生成)されるが、当然に、内部は所定の真空度(負圧状態)に維持されるとともに、カーボンナノチューブの生成用ガスつまり原料ガスGが供給されており、またこの原料ガスGが隣接する部屋に漏れないように考慮されている。例えば、加熱室13においては、窒素ガスなどの不活性ガスNと一緒に原料ガスGが下方から供給されるとともに上方から排出されて(引き抜かれて)いる。なお、この加熱室13以外の部屋、すなわち基板供給室11、前処理室12、後処理室14および製品回収室15についても、窒素ガスなどの不活性ガスNが下方から供給されるとともに上方から排出されて(引き抜かれて)、大気が入り込まないようにされている。
次に、加熱室13について詳しく説明する。
図2〜図4に示すように、この加熱室13を形成する底壁部2aの中心位置には、カーボンを含む原料ガス(例えば、アセチレンガスが用いられる)Gを供給するガス供給口5が設けられるとともに、加熱室13を形成する上壁部2bには、ガスを排出するガス排出口6が設けられ、また当該加熱室13を形成する内壁面側には本発明に係る断熱体21が配置されている。なお、図1は熱CVD装置の概略構成を示し、その内部が分かるように、手前側の側壁部および断熱体21については省略している。また、図示しないが、加熱室13には、当該加熱室13内の空気を排気して所定の減圧下にするための排気装置(真空装置でもある)が接続されている。
そして、加熱室13内の上方位置(基板の上方位置)には当該加熱室13内を加熱するための複数本の円柱形状(または棒状)の発熱体32よりなる加熱装置31が設けられている。また、発熱体32としては非金属の抵抗発熱体が用いられ、具体的には、炭化ケイ素、ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、ジルコニア、黒鉛などが用いられる。
また、加熱室13の底壁部2aと基板Kとの間には、原料ガス(例えば、アセチレン、メタン、ブタンなどの低級炭化水素ガスである)Gを基板Kに導くための側面視がホッパー形状(逆台形状)のガス案内用ダクト体33が設けられている。そして、このガス案内用ダクト体33の高さ方向中間位置、より具体的には、基板Kと底壁断熱部22との中間位置に、ガスを分散させるための邪魔板(ガス分散板ともいう)34が複数本の支柱部材35により水平に支持されている。なお、支柱部材35は図2にだけ示す。また、図示しないが、上記ガス案内用ダクト体33の周囲の底壁部2a、例えば底壁部2aの四方にガス排出口が設けられている。
次に、上記断熱体21の構成について詳しく説明する。
この断熱体21は、図2〜図4に示すように、加熱室13の全側壁面に、つまり、底壁部2a側および上壁部2b側および四方の側壁部2c,3側に配置されている。すなわち、断熱体21は、底壁部2a側に配置される底壁断熱部22と、上壁部2b側に配置される上壁断熱部23と、側壁部2cおよび区画壁3に沿って配置される側壁断熱部24とから構成され、またこれらの断熱部22〜24としては、金属製の薄い遮蔽板25が所定間隔おきに多数並置されることにより構成されたものである。
この遮蔽板25は、具体的には、厚さが数μm〜1mmの範囲の金属製板材(金属箔ともいえる)例えばステンレス箔が用いられるとともに、その表面には、二酸化ケイ素(SiO)または酸化アルミニウム(Al)などの不動態膜がコーティングされて、その表面は鏡面にされている。
そして、上記底壁断熱部22に配置される遮蔽板25については、積み重ね方式にて設けられるとともに、側壁断熱部24に配置される遮蔽板25については、吊り下げ方式にて支持され、また上壁断熱部23に配置される遮蔽板25については、積み重ね方式と吊り下げ方式の両方が用いられている。
以下、吊り下げ方式について説明する。
すなわち、側壁部2cおよび区画壁3から水平方向の吊り下げ棒26が左右および上下に適当な間隔を有して複数本(例えば、上側列に左右3箇所にて、下方列に左右2箇所にて)突設されるとともに、図5に示すように、これらの吊り下げ棒26に遮蔽板25がスペーサ27を介して所定間隔おきで多数並置されている。
次に、積み重ね方式について説明する。
すなわち、底壁部2aに設けられた支持材28上に、やはり、スペーサ(図示せず)を介して、水平方向の遮蔽板25が多数積み重ねられることにより設けられる。この遮蔽板25の平面視形状は加熱室13の全体を覆い得るような矩形状にされており、また加熱室13の底壁部2aに設けられたガス供給口5に対応する位置(中央位置)で、ガス案内用通路として管体7が設けられている。なお、上記各遮蔽板25については、一枚もの、または分割構造であってもよい。
次に、上壁断熱部23について説明する。
この上壁断熱部23は、底壁断熱部22と同様の積み重ね方式と、側壁断熱部24と同様の吊り下げ方式とが用いられている。すなわち、発熱体32の上方に配置されるとともに加熱室13の略全体を覆い得るような矩形状にされた上側断熱本体部23aと、この上側断熱本体部23aの下方位置で且つ発熱体32の周囲に配置される4つの上側断熱側方部23bとから構成され、上側断熱本体部23aが積み重ね方式にされるとともに、上側断熱側方部23bが吊り下げ方式にされている。したがって、上側断熱本体部23aの遮蔽板25を下方から支持する支持部材(図示せず)が設けられるとともに、上側断熱側方部23bの遮蔽板25を吊持する水平方向の吊り下げ棒29が側壁断熱部24の場合と同様に適所に複数本設けられている。勿論、これら上側断熱本体部23aおよび上側断熱側方部23bについても、それぞれ最適な断熱効果が得られる大きさの遮蔽板25がスペーサ(図示せず)を介して所定枚数重ねられまたは並置されることにより構成されている。
ここで、並置すべき遮蔽板の枚数の求め方について説明しておく。
図6に示すように、外壁に相当する2枚のカバー(添字:a,zで示す)と、これら両カバーの間に配置されるn枚の遮蔽板(添字:1,・・・,i,・・・nで示す)とからなる互いに平行な(n+2)個の平面間における放射熱交換を考える。
但し、カバー同士の放射率ε=εは等しく、また遮蔽板同士の放射率ε=・・・=ε=・・・=εも等しいものとする。
隣り合う2平面間の放射熱交換熱流密度をqとすると、下記(1)式が成立する。
Figure 2011195371
ここで、上記(1)式の最初の式と最後の式との各辺同士を加えて変形すると、下記(2)式が得られる。
Figure 2011195371
また、上記(1)式より下記(3)式が得られる。
Figure 2011195371
この(3)式を上記(2)式に代入すると、下記(4)式が得られる。
Figure 2011195371
ここで、F(筆記体)は、面aと面zとの等価熱交換係数である。
Figure 2011195371
また、下記(6)式および(7)式が成立するため、(5)式から下記(8)式が得られる。
Figure 2011195371
上記(8)式から遮蔽板の枚数(n)を求めると、下記(9)式のようになる。
Figure 2011195371
(9)式に基づき得られる遮蔽板の枚数とカバー温度(外壁温度)との関係をグラフに示すと、図7のようになる。図7中、破線は発熱体の温度が800℃の場合を示し、実線は発熱体の温度が1000℃の場合を示す。
但し、真空容器の外側温度が25℃、真空容器の外壁であるカバーの放射率が0.8、遮蔽板であるステンレス箔の放射率が0.2、ステファンボルツマン定数が1.356×10−12とした場合である。
図7から、例えば発熱体温度が800℃である場合、カバー温度を75℃にしようとすると、遮蔽板が15枚必要となることが分かる。
次に、前処理室12での工程について説明する。
この前処理室12内では、基板Kが洗浄された後、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの不動態膜が塗布され、さらにこの不動態膜の上面に、金属例えば鉄(Fe)の触媒微粒子が塗布される。勿論、図示しないが、この前処理室12内には、基板Kの洗浄手段、不動態膜の塗布手段、および金属例えば鉄(Fe)の触媒微粒子の塗布手段が設けられている。
ところで、基板Kとして、厚さが20〜300μm以下に圧延加工されてコイル状に巻き取られたステンレス箔が用いられており、このような基板Kには、コイルの巻き方向に引張りの残留応力が存在するため、触媒の微粒化および熱CVD時に、残留応力の開放により、基板Kに反りが発生する。このような反りの発生を防止するために、コイル巻き方向で張力を付加する機構、具体的には、巻出しロールと巻取りロールとの間で張力を発生させて(例えば、両ロールの回転速度を異ならせることにより張力を発生させる。具体的には、一方のモータで引っ張り、他方のモータにブレーキ機能を発揮させればよい。)基板Kを引っ張るようにしてもよい。また、巻取りロール側に錘を設けて引っ張るようにしてもよい。
上記加熱室13以外の他の処理室、すなわち基板供給室11、前処理室12、後処理室14および製品回収室15については詳しくは説明しなかったが、これら各室11,12,14,15についても減圧状態にされるとともに、加熱室13に空気などのカーボンナノチューブの形成に悪影響を及ぼすガスが流入するのを防止するために、図1に示すように、それぞれの底壁部2aには窒素ガスなどの不活性ガスを供給するためのガス供給口5′が設けられるとともに、上壁部2bには、ガス放出口(ガス排出口でもある)6′が設けられている。
次に、上記熱CVD装置により、カーボンナノチューブを形成する方法を簡単に説明しておく。
まず、巻出しロール16から基板Kを引き出し、前処理室12、加熱室13および後処理室14における各区画壁3の連通用開口部3aを挿通させ、その先端を巻取りロール17に巻き取らせる。このとき、基板Kには張力が付与されて真っ直ぐな水平面となるようにされている。
そして、前処理室12内では基板Kの洗浄が行われた後、不動態膜が下面全体に亘って塗布され、この不動態膜の表面に鉄の微粒子が塗布(付着)される。なお、この触媒微粒子の塗布範囲については、少なくとも、カーボンナノチューブの形成面(生成面)であればよい。
この前処理が済むと、基板Kは所定長さ分だけ、つまりカーボンナノチューブが形成される長さ分だけ、巻取りロール17により巻き取られる。したがって、前処理室12で前処理が行われた部分が、順次、加熱室13内に移動される。
この加熱室13では、排気装置(図示せず)により、所定の減圧下に、例えば数Pa〜1000Paの範囲に、具体的には、上述したように数十Pa〜数百Paに維持される。
そして、加熱装置31、すなわち発熱体32により、基板Kの温度を所定温度例えば700〜800℃に加熱するとともに、加熱室13の外壁温度が80℃またはそれ以下(好ましくは、50℃以下)となるようにする。
上記温度になると、ガス供給口5より原料ガスとしてアセチレンガス(C)を供給して所定の反応を行わせることにより、基板K下面に、カーボンナノチューブを生成(成長)させる。
そして、所定時間が経過して所定高さのカーボンナノチューブが得られると、同じく、所定長さだけ移動されて、このカーボンナノチューブが形成された基板Kが後処理室14内に移動される。
この後処理室14内では、基板Kの冷却と検査とが行われる。
この後処理が済むと、基板Kは製品回収室15内に移動されて、その上面に保護フィルムが貼り付けられるとともに、巻取りロール17に巻き取られる。すなわち、カーボンナノチューブが形成された基板Kが製品として回収されることになる。なお、カーボンナノチューブが形成された基板Kが全て巻取りロール17に巻き取られると、外部に取り出されることになる。
上記熱CVD装置の構成によると、基板を加熱室内に導くとともに原料ガスを導入してその表面にカーボンナノチューブを形成する際に、巻出しロールに巻き取られた基板を巻取りロールに巻き取るようにするとともに、その途中の基板の表面にカーボンナノチューブを形成するようにしたので、所定長さ毎ではあるが連続的に、基板にカーボンナノチューブを形成することができ、したがって完全なバッチ式にカーボンナノチューブを形成する場合に比べて、効率良くカーボンナノチューブを形成することができる。
また、基板を、カーボンナノチューブを形成する面を下向きにした状態で、加熱室内に原料ガスを供給するとともに、加熱室内に設けられたガス案内用ダクト体により、当該原料ガスを基板の下面(表面)に導くようにしたので、原料ガスを基板表面に均一に導くことができる。
また、発熱体を基板のカーボンナノチューブの形成面とは反対の上面側に配置したので、原料ガスによる反応がスムーズに行われる。この理由は、発熱体が直接基板を温めるとともにガスが発熱体と反対の面から供給されるため、ガスは基板に真っ先に供給されてその極近傍でガス分解が生じるからである。なお、ガスが発熱体を通過した場合には、その近傍でガス分解されて温度が高温から低温に変化する箇所で煤が生成し易くなると同時に、基板に供給される炭素が少なくなってしまう。
さらに、加熱室内に配置される断熱体を、複数の金属製遮蔽板(正確には、薄い金属板または金属箔)を所定間隔おきに並置させることにより構成したので、例えば従来の二酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどの不純物を含む耐火材に比べて真空下での不純物の発生を抑制することができ、したがって基板の表面に形成されるカーボンナノチューブの品質が低下するのを防止することができる。
ところで、上記実施例に係る断熱体では、加熱室13の内壁面毎に、板状の遮蔽板25を複数枚重ねるとともに並置するものとして説明したが、例えば図8〜図10に示すように、底壁断熱部22および側壁断熱部24を一体化した、つまり、箱型で且つ上面が開放された有底容器形状にした容器型遮蔽板41を複数重ねたものを用いてもよい。勿論、図10に示すように、これら容器型遮蔽板41同士の間には、スペーサ42が配置される。
さらに、上記実施例に係る上壁断熱部23については、発熱体32の左右の支持部分だけを、従来の二酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどの断熱材により支持するようにしてもよい。この場合、断熱材は一部に使用されるだけであり、内壁面全体に亘って用いられるものに比べて、不純物の発生は極めて僅かとなるため、カーボンナノチューブの品質に殆ど悪影響を与えることはない。
K 基板
1 加熱炉
2 炉本体
2a 底壁部
2b 上壁部
2c 側壁部
3 区画壁
11 基板供給室
12 前処理室
13 加熱室
14 後処理室
15 基板回収室
16 巻出しロール
17 巻取りロール
21 断熱体
22 底壁断熱部
23 上壁断熱部
24 側壁断熱部
25 遮蔽板
26 吊り下げ棒
27 スペーサ
29 吊り下げ棒
31 加熱装置
32 発熱体
33 ガス案内用ダクト体
41 容器型遮蔽板
42 スペーサ

Claims (7)

  1. 加熱室の内壁面に複数の金属製の遮蔽板を所定間隔おきに並置して成ることを特徴とする熱CVD装置における断熱体。
  2. 底壁面側に配置される遮蔽板を積み重ね方式にて支持したことを特徴とする請求項1に記載の熱CVD装置における断熱体。
  3. 側壁面側に配置される遮蔽板を吊り下げ方式にて支持したことを特徴とする請求項1に記載の熱CVD装置における断熱体。
  4. 上壁面側に配置される遮蔽板を積み重ね方式および吊り下げ方式にて支持したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱CVD装置における断熱体。
  5. 遮蔽板の厚さを、数μm〜1mmの範囲内としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱CVD装置における断熱体。
  6. 遮蔽板としてステンレス鋼を用いるとともに、その表面に不動態膜を形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱CVD装置における断熱体。
  7. 不動態膜として、二酸化ケイ素または酸化アルミニウムを用いたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱CVD装置における断熱体。
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