JP2005048273A - Cvd装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッシベーション膜の成膜に高コストを要する。
【解決手段】処理容器1内に収容され被処理体3が配置される載置面を有するサセプタ2と、サセプタ2の載置面の上部空間に原料ガスを供給するガス供給手段4と、原料ガスの供給位置とサセプタ2との間の空間に配置されたフィラメント5と、フィラメント5を加熱する加熱手段と、フィラメント5のサセプタ2側に配置された断熱板6と、処理容器1内を排気する排気手段9とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CVD(Chemical Vapor Deposition)により被処理体の表面に成膜を行うCVD装置に関する。
近年、フラットパネルディスプレイの一つとして、軽量でバックライトを必要としないエレクトロルミネッセント素子(以下、「EL素子」という。)を用いたデバイスが注目を集めている。EL素子は、無機EL素子と有機EL素子とに分類される。無機EL素子は、駆動のために比較的高電圧を必要とするのに対し、有機EL素子は、10V前後の低電圧で数百〜数万cd/m2という極めて高い輝度が得られるので、EL素子の中では有機EL素子が主流となっている。
有機EL素子は、図5に示すように、透光性を有する基板1001と、基板1001上に順次積層された陽極1002、正孔注入層1003、正孔輸送層1004、発光層1005、電子注入層1006、陰極1007からなる積層構造体1008とを有する。基板1001には、例えば透明なガラス、石英、サファイアまたは有機フィルムが用いられる。陽極1002には、例えばインジウム錫酸化物(ITO)が用いられる。正孔注入層1003、正孔輸送層1004、発光層1005、電子注入層1006は、有機化合物で形成される。陰極1007には、電子の放出エネルギが小さい、アルカリ金属やアルカリ土類金属などを基本とした反応性の高い合金が用いられる。
図5に示した有機EL素子では、積層構造体1008が大気にさらされるため、特に陰極1007が大気に含まれる水分により酸化され、発光特性が劣化してしまう。そこで、図6に示すように、積層構造体1008の表面をSi34などからなるパッシベーション膜1009で覆い、大気から積層構造体1008を遮断する技術が提案されている。パッシベーション膜1009の成膜には、従来はプラズマCVD法が用いられていた。プラズマCVD法とは、成膜用の原料ガスを導入した処理容器内に高周波電磁界を印加してプラズマを形成し、プラズマにより原料ガスを分解し、低基板温度で成膜を行う技術である(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、プラズマCVD法を用いるには、プラズマを生成するために高価な装置を用いなければならない。最も低価格で実現できる平行平板方式でも、平行平板間に高周波電力を印加する電源と、電源と負荷とのインピーダンス整合をとる負荷整合器とが必要になる。このような高価な装置を用いてパッシベーション膜1009を形成すると、パッシベーション膜1009を有する有機EL素子の製造コストが上昇し、製品の競争力が低下するという問題があった。
また、プラズマCVD法を用いると、成膜の初期にプラズマの高速電子が、パッシベーション膜1009の下層にダメージを与えるという問題があった。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特開2000−223264号公報
したがって、解決しようとする課題は、パッシベーション膜の成膜に高コストを要することである。
また、他の課題は、パッシベーション膜を成膜する際に、基板がダメージを受けることである。
このような課題を解決するために、本発明のCVD装置は、処理容器内に収容され被処理体が配置される載置面を有するサセプタと、このサセプタの載置面の上部空間に原料ガスを供給するガス供給手段と、このガス供給手段の近傍に配置された被加熱体と、この被加熱体を加熱する加熱手段と、被加熱体のサセプタ側に配置された第1の断熱板と、処理容器内を排気する排気手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、被加熱体は、原料ガスの供給位置とサセプタとの間の空間に配置されてもよい。
また、被加熱体は、サセプタの載置面の略全域を覆うように配線され、第1の断熱板は、サセプタの載置面の略全域を覆うように配置され、第1の断熱板には、被加熱体の直下を避けて第1の貫通孔が複数形成されている構成としてもよい。
また、ガス供給手段は、サセプタの載置面に対向する底部に第2の貫通孔が複数形成されたシャワーヘッドを有していてもよい。
さらに、被加熱体のシャワーヘッド側に配置された第2の断熱板を設け、この第2の断熱板には、被加熱体の直上および第1の貫通孔の直上を避けて第3の貫通孔が複数形成されている構成としてもよい。
また、上述したCVD装置は、被加熱体および第1の断熱板をサセプタの載置面の上部空間で移動させる移動手段を備えていてもよい。
ここで、ガス供給手段は、原料ガスを被加熱体へ導くノズルを有し、移動手段は、ノズルを被加熱体および第1の断熱材と共に移動させるものであってもよい。
さらに、被加熱体を第1の断熱板と共に挟む第2の断熱板を設け、移動手段は、第2の断熱板を被加熱体および第1の断熱材と共に移動させるものであってもよい。
一方、第1の断熱板は、セラミックス、中でも、ポーラスセラミックスで形成されるものであってもよいし、互いに離間して対向配置された複数の金属板からなるものであってもよい。第2の断熱板についても同様である。
また、被加熱体は、例えばフィラメントであってもよい。また、被加熱体はまた、金属製であってもよく、例えばW、Ta、MoおよびPtのいずれか1つを含むものであってもよい。
また、被処理体は、有機EL基板であってもよい。
本発明のCVD装置は、加熱された被加熱体で原料ガスを分解して原子状または分子状のラジカルを生成し、これをサセプタに配置された被処理体の表面で反応させて薄膜を堆積させるものである。よって、本発明によれば、プラズマを用いることなく、パッシベーション膜の成膜を行うことができる。
本発明のCVD装置における励起源は、被加熱体とその加熱手段とからなる簡単な構成であるから、本発明のCVD装置は、プラズマCVD装置よりも低価格で実現できる。よって、パッシベーション膜を有する被処理体の製造コストを従来より低減し、製品の競争力を高めることができる。
また、本発明では、被加熱体のサセプタ側に配置された第1の断熱板により、被加熱体の熱の輻射を遮り、サセプタ上の被処理体が必要以上に加熱されることを防止できる。上述したように、本発明ではプラズマも用いないので、被処理体が受けるダメージを従来より低減できる。
また、第1の断熱板に第1の貫通孔を形成することにより、この第1の貫通孔を介してラジカルを被処理体表面に供給することができる。この際、第1の貫通孔を被加熱体の直下を避けて形成することにより、被加熱体の熱が輻射により直接被処理体に伝達されることを阻止し、被処理体の高温化を抑制することができる。
また、シャワーヘッドを用いることにより、原料ガスが広範囲に均一に供給される。さらに、被加熱体および第1の断熱板を、サセプタの載置面の略全域を覆うように配置することにより、原料ガスから生成されたラジカルが、サセプタに配置された被処理体の表面全域に均一に供給される。よって、被処理体が大面積の有機EL基板であっても、その表面全域に均一にパッシベーション膜を成膜することができる。
また、被加熱体のシャワーヘッド側に第2の断熱板を配置し、この第2の断熱板に被加熱体の直上を避けて第3の貫通孔を形成することにより、シャワーヘッドからの原料ガスを2枚の断熱板の間の空間に導入することができるとともに、被加熱体の熱が輻射により直接シャワーヘッドに伝達されることを阻止できる。さらに、第3の貫通孔を第1の断熱板に形成された第1の貫通孔の直上を避けて形成することにより、被加熱体に接触することなく通過する原料ガスを低減し、効率のよい成膜が可能となる。
一方、被加熱体および第1の断熱板をサセプタの上部空間で移動させることにより、原料ガスから生成されたラジカルが広範囲に均一に供給される。よって、サセプタに配置された被処理体が大面積の有機EL基板であっても、その表面全域に均一にパッシベーション膜を成膜することが可能となる。
また、原料ガスを被加熱体に導くノズルを設け、このノズルを被加熱体および第1の断熱板と共に移動させることにより、原料ガスから効率よくラジカルを生成し、ひいては効率のよい成膜が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、構成部材の位置関係を説明するために上下方向の概念を用いるが、この上下方向の概念は絶対的な上下方向を意味するものではなく、サセプタの載置面を基準にした相対的なものである。例えば、サセプタの載置面が鉛直方向を向いている場合には、鉛直方向が「上方向」となる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るCVD装置の構成を示す図である。
このCVD装置は、上部と下部が閉塞された筒状の処理容器1を有している。処理容器1の平面形状は方形でも円形でもよいが、ここでは方形とする。
処理容器1の内部には、サセプタ2が収容されている。サセプタ2の上面には、被処理体として有機EL基板3が載置される。よって、サセプタ2の上面を載置面と呼ぶ。サセプタ2にはヒータ2Aが内蔵されている。ヒータ2Aは、スイッチ2Cを介して例えば直流電源2Bに接続されている。ヒータ2Aに流れる電流を調整することにより、サセプタ2に載置された有機EL基板3をCVDに適した所望の温度(例えば、100℃以下)に加熱することができる。
CVD装置はまた、サセプタ2の載置面の上部空間にCVDの原料ガスを供給するガス供給装置4を有している。ガス供給装4は、ガス供給源41A,41Bと、マスフローコントローラ(MFC)42A,42Bと、バルブ43A,43Bと、ガス導入管44と、バルブ45と、ガス導入管46と、シャワーヘッド47とから構成されている。シャワーヘッド47は、高さが低い平面視方形の箱体からなり、上面47Aにはガス導入管46が接続されるガス導入口47Dが形成され、下面(底部)47Cには貫通孔(第2の貫通孔)47Eが複数形成されている。このようなシャワーヘッド47が、サセプタ2の載置面の上部空間に配置されている。シャワーヘッド47のガス導入口47Dから導入された原料ガスは、シャワーヘッド47の内部空間で広がり、複数の貫通孔47Eを介して処理容器1に供給される。このときサセプタ2の載置面に平行な面内に均一に原料ガスが供給されるように、シャワーヘッド47の貫通孔47Eが配置される。
処理容器1の下部には排気口8が設けられ、排気口8には真空ポンプ(排気手段)9が接続されている。真空ポンプ9を駆動して真空排気することにより、処理容器1の内部をCVDに適した所望の真空度(例えば、0.133〜101333Pa、望ましくは、0.133〜1330Pa)に維持することができる。
また、処理容器1の内部には、シャワーヘッド47の下面47Cとサセプタ2の載置面との間の空間(特に、シャワーヘッド47の下面47Cの近傍)に、被加熱体として高融点金属からなるフィラメント5が配置されている。さらに、フィラメント5の上側すなわちシャワーヘッド47側には断熱板(第2の断熱板)6が配置され、フィラメント5の下側すなわちサセプタ2側には断熱板(第1の断熱板)7が配置されている。
図2は、フィラメント5および断熱板6,7の一構成例を示す透視平面図である。
処理容器1の向かい合う側壁に2本の支持棒5A,5Bが渡されており、支持棒5Aと5Bとの間にサセプタ2の載置面から離間して、フィラメント5が複数本取り付けられている。フィラメント5のそれぞれはジグザグに折り曲げられている。フィラメント5のそれぞれが延在する方向の長さ(支持棒5A,5B間の間隔)は、サセプタ2の載置面の同じ方向の長さよりも大きく、複数のフィラメント5が並ぶ方向の長さもまた、サセプタ2の載置面の同じ方向の長さよりも大きい。言い換えれば、複数のフィラメント5は、サセプタ2の載置面の略全域を覆うように配線されている。
フィラメント5は、W、Ta、MoおよびPtのうちのいずれかで形成されている。フィラメント5はまた、スイッチ5Dを介して直流電源(加熱手段)5Cに接続されている。なお、フィラメント5は、支持棒5A,5Bと電気的に絶縁されている。スイッチ5Dを閉じ、フィラメント5に電流を流すと、フィラメント5が加熱される。フィラメント5に流す電流を調整し、フィラメント5の温度を例えば1500〜2000℃にすると、原料ガスを構成する分子がフィラメント5の金属表面で解離吸着、離脱という反応経路を経由して、原子状または分子状のラジカルに分解される。上記分子の化学結合を切るには、数eV(数十kcal/mol、温度に換算して数万度)の解離エネルギを要するが、上記の反応経路を経由することにより、実効的な解離エネルギを大幅に低減できる。これをフィラメント5による触媒作用という。
断熱板6,7は、全フィラメント5を上下から挟むように配置されている。本実施の形態では、サセプタ2の載置面の略全域を覆うようにフィラメント5を配線しているので、これに対応して断熱板6,7もまた載置面の略全域を覆うように配置される。断熱板6,7は、例えばポーラスセラミックスなど、熱伝導率が低い材料で形成される。または、真空の中空をもつ金属板など、熱が伝わりにくい構造を有していてもよい。本実施の形態では、断熱板6,7は真空排気された処理容器1内に配置されるので、単に互いに離間して対向配置された複数の金属板からなる多層構造を有するものであってもよい。
断熱板6,7には、それぞれ原料ガスが通過する貫通孔6A,7Aが複数形成されている。ここで、貫通孔6A,7Aは、フィラメント5の直上または直下を避けて形成されている。より望ましくは、フィラメント5から貫通孔6A,7Aを介してシャワーヘッド47またはサセプタ2が見えないようにするとよい。このような構成は、例えば、3層以上の金属板多層構造を有する断熱板を用意し、各層に形成される貫通孔が直線上に並ばないように配置すれば実現できる。上述したような構成にすることにより、フィラメント5の熱が輻射により、シャワーヘッド47またはサセプタ2に直接伝達されることを阻止できる。その結果、特に、サセプタ2に載置される有機EL基板3の高温化を抑制できる。また、貫通孔6A,7Aは、それぞれ貫通孔7A,6Aの直上または直下を避けて形成される。すなわち、貫通孔(第3の貫通孔)6Aの対向位置に貫通孔(第1の貫通孔)7Aは存在しない。これにより、フィラメント5に接触することなく断熱板6,7間を通過する原料ガスを低減し、原料ガスを効率よくラジカルに分解することができる。
次に、本実施の形態に係るCVD装置を用いて、有機EL基板3の表面にパッシベーション膜を成膜する方法について説明する。ここでは、パッシベーション膜としてSi34を成膜する例を示す。
図5に示した構成の有機EL基板3をサセプタ2の載置面に置き、ヒータ2Aにより有機EL基板3を100℃以下の温度に加熱する。この状態で、処理容器1の内部の圧力を0.133〜1330Paの真空度に維持しつつ、ガス供給装置4のシャワーヘッド47から原料ガスとしてSiH4系ガスとN2ガスとの混合ガスを処理容器1の内部に導入するとともに、フィラメント5に電流を流して1500〜2000℃の温度に加熱する。
原料ガスがフィラメント5上側の断熱板6に複数形成された貫通孔6Aを通り、加熱されたフィラメント5に接触すると、フィラメント5の金属表面で解離吸着、離脱という反応経路を経由して原料ガスが分解され、SiHxラジカル(x=1,2,3)やNラジカルが生成される。これらのラジカルがフィラメント5下側の断熱板7に複数形成された貫通孔7Aを通り、有機EL基板3の表面に到達すると、そこで化学反応を起こし、Si34からなるパッシベーション膜が成膜される。
このように、本実施の形態に係るCVD装置によれば、主にフィラメント5とそれを加熱する電源5Cという極めて簡単な構成で、パッシベーション膜の成膜を行うことができる。このCVD装置はプラズマCVD装置よりも低価格で実現できる。よって、パッシベーション膜を有する有機EL素子の製造コストを従来より低減し、製品の競争力を高めることができる。
また、このCVD装置によれば、パッシベーション膜の成膜にプラズマを用いないので、有機EL基板3の基板1001が受けるダメージを従来より低減することができる。
また、シャワーヘッド47を用いることにより、原料ガスが広範囲に均一に供給される。さらに、フィラメント5および断熱板7を、サセプタ2の載置面の略全域を覆うように配置することにより、原料ガスから生成されたラジカルが、サセプタ2上の有機EL基板3の表面全域に均一に供給される。よって、大面積の有機EL基板であっても、その表面全域に均一にパッシベーション膜を成膜することができる。
なお、原料ガスを変えることにより、様々な組成のパッシベーション膜を成膜することができる。例えば、SiO2からなるパッシベーション膜を成膜するには、SiH4系ガスとO2ガスとの混合ガスを用いればよい。SiOCからなるパッシベーション膜を成膜するには、DMSガス(Dimethylsilane:Si(CH3)22)とO2ガスと不活性ガスとの混合ガス、または、DMDMOSガス(Dimethyldimethoxysilane:Si(CH3)2(OCH3)2)と不活性ガスとの混合ガス、または、TEOSガス(Tetraethoxysilane:Si(OC25)4)と不活性ガスとの混合ガスを用いればよい。SiONからなるパッシベーション膜を成膜するには、DMSガスとN2ガスと不活性ガスとの混合ガス、または、DMSガスとNH3ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いればよい。
また、原料ガスの切り換えを行うことにより、組成が異なる薄膜が積層されたパッシベーション膜を成膜することができる。例えば、SiH4系ガスとN2ガスとの混合ガスと、SiH4系ガスとO2ガスとの混合ガスとを交互に切り換えることにより、Si34とSiO2とが交互に積層されたパッシベーション膜を成膜することもできる。これにより、Si34の膜中の原子の移動遮断性および水分遮断性に優れているという特徴と、SiO2のクラックが生じにくいという特徴とを兼ね備えたパッシベーション膜にすることができる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るCVD装置の構成を示す図である。この図では、図1に示した部材と同一部材に対しては、図1と同一符号で示している。図4は、本実施の形態におけるフィラメントおよびそれを挟む2枚の断熱板の一構成例を示す斜視図である。
このCVD装置には、駆動装置112によりサセプタ2の載置面に平行な平面上を二次元的に移動する可動板111が、処理容器101の外部に設けられている。可動板111に対向する処理容器101の側壁には開口101Aが設けられている。開口101Aの周囲と可動板113との間はベローズ113で接続されており、処理容器101内の気密性が確保されている。
可動板111には、2本の支持棒105A,105Bが上下に固定されている。支持棒105A,105Bは、処理容器101の開口101Aを通り、サセプタ2の載置面に対して平行な方向に延在している。支持棒105A,105Bの先端部には、ジグザグに折り曲げられたフィラメント105が、サセプタ2の載置面に対して垂直に立てた状態で取り付けられている。支持棒105A,105Bとフィラメント105とは、電気的に絶縁されている。フィラメント105は、スイッチ105Dを介して直流電源(加熱手段)105Cに接続されている。
支持棒105Aの先端部上面には断熱板(第2の断熱板)106が取り付けられ、支持棒105Bの先端部下面には断熱板(第1の断熱板)107が取り付けられている。この結果、フィラメント105が上下方向から2枚の断熱板106,107により挟まれた構造になる。
可動板111にはまた、CVDの原料ガスをフィラメント105へ導くガス供給装置のノズル104が固定されている。ノズル104の先端部は、フィラメント105の近傍に配置され、そこから供給される原料ガスがフィラメント105の略全面に広がって吹き付けられるように構成されている。
このような構成を有しているので、駆動装置112により可動板111を移動させると、フィラメント105と断熱板106,107とノズル104とが一体となって、サセプタ2の載置面の上部空間を載置面と平行に二次元的に移動する。よって、処理容器1内を所定の真空度に維持した状態で、可動板111を移動させながら、加熱されたフィラメント105に向けてノズル104から原料ガスを吹き付けることにより、原料ガスから生成されたラジカルが広範囲に均一に供給される。よって、サセプタ2に載置された有機EL基板3がたとえ大面積のものであっても、その表面全域に均一にパッシベーション膜を成膜することが可能となる。
本実施の形態の変形例として、載置面が円形のサセプタ2を用意し、そのサセプタ2をその軸線を中心に回転させ、フィラメント105と断熱板106,107とノズル104との一体構造をサセプタ2の載置面の中心部から半径方向に周縁部まで移動させるようにしても、サセプタ2に載置された大面積の有機EL基板2の表面全域に均一にパッシベーション膜を成膜することができる。
以上のように、原料ガスをフィラメント105に導くノズル104をフィラメント105と共に移動させることにより、原料ガスから効率よくラジカルを生成し、ひいては効率のよい成膜が可能となる。
以上の実施の形態では、有機EL基板3の表面にパッシベーション膜を成膜する例を説明したが、LCDや半導体デバイスの製造プロセスにおける成膜工程にも利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るCVD装置の構成を示す図である。 フィラメントおよびそれを挟む2枚の断熱板の一構成例を示す透視平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCVD装置の構成を示す図である。 フィラメントおよびそれを挟む2枚の断熱板の一構成例を示す斜視図である。 一般的な有機EL素子の一構成例を示す断面図である。 一般的な有機EL素子の他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1,101…処理容器、2…サセプタ、2A…ヒータ、2B…直流電源、2C…スイッチ、3…有機EL基板、4…ガス供給装置、5,105…フィラメント、5A,5B,105A,105B…支持棒、5C,105C…直流電源、5D,105D…スイッチ、6,7,106,107…断熱板、6A,7A…貫通孔、8…排気口、9…真空ポンプ、41A,41B…ガス供給源、42A,42B…マスフローコントローラ、43A,43B,45…バルブ、44,46…ガス導入管、47…シャワーヘッド、47A…上面、47B…接続部、47C…下面、47D…ガス導入口、47E…貫通孔、101A…開口、104…ノズル、111…可動板、112…駆動装置、113…ベローズ。

Claims (11)

  1. 処理容器内に収容され、被処理体が配置される載置面を有するサセプタと、
    このサセプタの載置面の上部空間に原料ガスを供給するガス供給手段と、
    このガス供給手段の近傍に配置された被加熱体と、
    この被加熱体を加熱する加熱手段と、
    前記被加熱体の前記サセプタ側に配置された第1の断熱板と、
    前記処理容器内を排気する排気手段と
    を備えたことを特徴とするCVD装置。
  2. 請求項1に記載されたCVD装置において、
    前記被加熱体は、前記サセプタの載置面の略全域を覆うように配線され、
    前記第1の断熱板は、前記サセプタの載置面の略全域を覆うように配置され、前記第1の断熱板には、前記被加熱体の直下を避けて第1の貫通孔が複数形成されていることを特徴とするCVD装置。
  3. 請求項2に記載されたCVD装置において、
    前記ガス供給手段は、前記サセプタの載置面に対向する底部に第2の貫通孔が複数形成されたシャワーヘッドを有することを特徴とするCVD装置。
  4. 請求項3に記載されたCVD装置において、
    前記被加熱体の前記シャワーヘッド側に配置された第2の断熱板を備え、
    この第2の断熱板には、前記被加熱体の直上および前記第1の貫通孔の直上を避けて第3の貫通孔が複数形成されていることを特徴とするCVD装置。
  5. 請求項1に記載されたCVD装置において、
    前記被加熱体および前記第1の断熱板を前記サセプタの載置面の上部空間で移動させる移動手段を備えたことを特徴とするCVD装置。
  6. 請求項5に記載されたCVD装置において、
    前記ガス供給手段は、前記原料ガスを前記被加熱体へ導くノズルを有し、
    前記移動手段は、前記ノズルを前記被加熱体および前記第1の断熱材と共に移動させることを特徴とするCVD装置。
  7. 請求項5または6に記載されたCVD装置において、
    前記被加熱体を前記第1の断熱板と共に挟む第2の断熱板を備え、
    前記移動手段は、前記第2の断熱板を前記被加熱体および前記第1の断熱材と共に移動させることを特徴とするCVD装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載されたCVD装置において、
    前記第1の断熱板は、ポーラスセラミックスで形成されていることを特徴とするCVD装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載されたCVD装置において、
    前記第1の断熱板は、互いに離間して対向配置された複数の金属板からなることを特徴とするCVD装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載されたCVD装置において、
    前記被加熱体は、W、Ta、MoおよびPtのいずれか1つを含むことを特徴とするCVD装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載されたCVD装置において、
    前記被処理体は、有機EL基板であることを特徴とするCVD装置。
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