JP2010009779A - プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び有機電子デバイス - Google Patents

プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び有機電子デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2010009779A
JP2010009779A JP2008164733A JP2008164733A JP2010009779A JP 2010009779 A JP2010009779 A JP 2010009779A JP 2008164733 A JP2008164733 A JP 2008164733A JP 2008164733 A JP2008164733 A JP 2008164733A JP 2010009779 A JP2010009779 A JP 2010009779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
organic film
plasma
etching
plasma processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008164733A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuki Moyama
和基 茂山
Tomohiko Eomo
知彦 江面
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2008164733A priority Critical patent/JP2010009779A/ja
Priority to KR1020090022102A priority patent/KR20100002079A/ko
Priority to US12/407,933 priority patent/US20090314635A1/en
Publication of JP2010009779A publication Critical patent/JP2010009779A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/44Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating
    • C23C16/50Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating using electric discharges
    • C23C16/511Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating using electric discharges using microwave discharges
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • H01J37/32192Microwave generated discharge
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32431Constructional details of the reactor
    • H01J37/3244Gas supply means
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/20Changing the shape of the active layer in the devices, e.g. patterning
    • H10K71/231Changing the shape of the active layer in the devices, e.g. patterning by etching of existing layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】有機膜のエッチング速度及び陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させる。
【解決手段】基板GのITO上には、有機膜、メタル電極(陰極膜)が形成される。プラズマ処理装置20は、メタル電極をマスクとして、有機膜と化学反応させるための特定の処理ガス又は有機膜をスパッタするための特定の不活性ガスの少なくともいずれかのガスをガス供給源365から処理容器内に導入する。プラズマ処理装置20は、また、導入されたガスを励起させるためのエネルギーとしてマイクロ波発生器355からマイクロ波を投入する。プラズマ処理装置20は、投入されたマイクロ波の電界エネルギーを用いて、前記導入されたガスからプラズマを生成し、生成されたプラズマを用いて有機膜をエッチングする。
【選択図】図4

Description

本発明は、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関し、特に、基板上に形成された有機膜をエッチングするためのプラズマ処理装置及びプラズマ処理に関する。
有機EL素子は、ガラス基板上にパターン化された陽極層(アノード)に有機層、陰極層(カソード)を順に積層することにより形成される。有機膜をサンドイッチした陽極及び陰極に外部から数Vの電圧を印加すると、陰極側から有機層に電子が注入され、陽極側から有機層にホールが注入される。電子とホールの注入により有機分子は励起状態になるが、電子とホールが再結合したとき、励起有機分子は再び基底状態に戻り、その過程で余分なエネルギーが光として放出される。
上記原理から有機EL素子を自発光させるためには、電源から電極に電圧を印加するための配線が必要となる。そこで、有機層を成膜後、有機膜に配線用のパターンニングを施す。このとき、陰極層をマスクとして有機膜をエッチングするため、有機膜をエッチングする間、極力、陰極層をエッチングさせないために有機膜と陰極層とのエッチング選択比が重要となる。それとともに有機膜のエッチング速度を高めてスループットを向上させることが望まれる。
そこで、従来からエッチング速度を向上させるために様々な提案がされている(たとえば、特許文献1参照)。前記文献では、平行平板型プラズマ処理装置において、被処理体を載置した下部電極にプラズマ形成用の高周波電力とイオン引き込み用の高周波電力を別々に印加する。これによれば、ウエハにより近いところでプラズマが生成されるので、エッチングレートを上昇させることができる。また、プラズマエッチングに必要なプラズマ生成機能とイオン引き込み機能とを独立して制御することにより、高い微細加工が可能となる。
特開2007−180358号公報
しかしながら、前記文献では、下部電極にイオン引き込み用の高周波電力を印加するため、単に陰極膜をマスクとした有機膜のエッチングに用いると、有機膜だけでなく陰極膜のエッチング速度も上昇させてしまう。特に、陰極膜が銀Agにて形成されている場合には、有機膜より陰極膜の方が速くエッチングされてしまう場合も生じる。
そこで、上記課題に対処するために、本発明は、特定の処理ガス又は特定の不活性ガスを導入することにより、有機膜のエッチング速度及び陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供する。
具体的には、上記課題に対処するために、本発明のある態様によれば、内部にて基板上の有機膜にプラズマを用いたエッチング処理が施される処理容器と、前記有機膜上の陰極膜をマスクとして、前記有機膜と化学反応させるための特定の処理ガス又は前記有機膜をスパッタするための特定の不活性ガスの少なくともいずれかのガスを前記処理容器内に導入するガス供給源と、前記ガス供給源から導入されたガスからプラズマを生成するためのエネルギーを投入するエネルギー源と、を備えたプラズマ処理装置が提供される。
これによれば、陰極膜をマスクとして、前記有機膜と化学反応させるための特定の処理ガス又は前記有機膜をスパッタするための特定の不活性ガスが処理容器内に導入される。特定の処理ガスとしては、有機膜を化学反応によりエッチング可能なガスとして、たとえば、窒素ガス(N)又は酸素ガス(O)が導入されてもよい。
特に、窒素ガスは、陰極膜を腐食させる懸念がなく、有機膜と化学反応することにより有機膜を化学的にエッチングする。有機膜の化学的なエッチングは、窒素ガスから生成されたプラズマ中の主にNラジカルが、有機膜Cと化学反応することにより進行する。これにより生じた反応生成物HCNは、気体となって処理容器の外部に排気される。一方、窒素ガスと陰極膜との化学反応では、窒化物が生成され、その窒化物は陰極膜上に堆積する。この結果、マスクとして機能する陰極膜に対する有機膜の選択比を高くして、陰極膜を過度にエッチングすることなく有機膜に所望のパターンニングのエッチング処理を実行することができる。
特定の不活性ガスとしては、有機膜をスパッタによりエッチング可能なガスとして、たとえば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス又はキセノンガスが導入されてもよい。特に、ヘリウムガスに代表される軽元素が好ましい。これにより、スパッタによる陰極へのダメージを抑えて、有機膜を物理的にエッチングすることができる。特に、軽元素の不活性ガスと窒素等の特定の処理ガスとの組み合わせにより、化学的エッチング及び物理的エッチングの両観点から、有機膜のエッチング速度を向上させ、かつ陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させることができる。
基板を載置するサセプタに約0.125〜約0.5(W/cm)の高周波電力を高周印加してもよい。前記エネルギー源は、5〜20(mTorr)の圧力に保持された前記処理容器の内部にマイクロ波を投入してもよい。
これによれば、プラズマの生成及び拡散を助長するプロセス条件を設定することにより、有機膜のエッチング速度及び陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させることができる。
また、上記課題に対処するために、本発明の他の態様によれば、基板上に形成された有機膜上の陰極膜をマスクとして、前記有機膜と化学反応させるための特定の処理ガス又は前記有機膜をスパッタするための特定の不活性ガスの少なくともいずれかのガスを処理容器内に導入し、前記導入されたガスを励起させるためのエネルギーを投入し、前記投入されたエネルギーを用いて前記ガスからプラズマを生成し、生成されたプラズマを用いて前記有機膜をエッチングするプラズマ処理方法が提供される。
また、上記課題に対処するために、本発明の他の態様によれば、前記プラズマ処理装置を用いてエッチング処理された有機膜のパターニング部分に電極との配線を形成した有機電子デバイスが提供される。
これによれば、有機膜のエッチング速度を高めることにより、有機電子デバイスの生産性を向上させることができる。また、陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を高めることにより、陰極層(メタル電極)のエッチングを抑制して、有機膜のエッチングを促進することができる。
以上説明したように、本発明によれば特定の処理ガス又は特定の不活性ガスを導入することにより、有機膜のエッチング速度及び陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させることができる。
発明を実施するための形態
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。また、本明細書中、1mTorrは(10−3×101325/760)Pa、1sccmは(10−6/60)m/secとする。
まず、本発明の一実施形態について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、有機EL電子デバイス製造工程を示す。図2は、図1の各工程を実行するクラスタ型の基板処理システム10を模式的に示す。
最初に、図1(a)に示したように、ガラス基板(以下、基板Gと称呼する)が有機成膜装置内に搬入される。基板Gには、陽極として機能するITO(インジウムスズ酸化物:ITO:Indium Tin Oxide)500が予めパターニングされている。図2に示したように、基板GはロードロックモジュールLLMからクリーニング処理室CMにてクリーニングされた後、有機成膜装置PM1に搬入される。
有機成膜装置PM1は、蒸着法によりITO500上に有機膜510を6層連続成膜する(図1(b))。具体的には、図3に示したように、ITO500上にホール注入層(第1層)、ホール輸送層(第2層)、青発光層(第3層)、緑発光層(第4層)、赤発光層(第5層)、電子輸送層(第6層)が形成される。
つぎに、基板Gは、プロセスモジュールPM4に搬送される。プロセスモジュールPM4では、スパッタにより電子注入層を成膜後、パターンマスクを使用して銀Agの陰極膜(メタル電極520)を成膜する(図1(c))。次に、基板Gは、プロセスモジュールPM2に搬送され、同モジュールにてメタル電極520をマスクとして有機層をドライエッチングする(図1(d))。
つぎに、基板Gは、再びプロセスモジュールPM4に搬入される。プロセスモジュールPM4は、パターンマスクを使用したスパッタリングにより、前工程にてエッチングされた有機膜510のパターニング部分に電極間を接続する配線部分を成膜する(図1(e))。次いで、基板Gは、プロセスモジュールPM3に搬送され、同モジュールにてCVD(Chemical Vapor Deposition:気相成長法)により封止膜530を成膜する(図1(f))。封止膜530は、有機素子を外部の水分や酸素から保護する。
製造された有機EL電子デバイスは、有機膜510を陽極(ITO500)及び陰極(メタル電極520)にてサンドイッチした構造をしている。陽極及び陰極間に外部から数Vの電圧を印加すると、メタル電極520側から有機膜510に電子が注入され、ITO500側から有機膜510にホールが注入される。この電子とホールの注入により有機分子は励起状態になるが、電子とホールが再結合したとき、励起有機分子は再び基底状態に戻り、その過程で放出される光により有機EL素子は自発光する。
(有機膜のエッチング工程)
つぎに、図1(d)に示した有機膜のドライエッチング処理についてさらに詳しく説明する。本実施形態のエッチング処理は、図4に示したプラズマ処理装置20(図2のプロセスモジュールPM2に設置)を用いて実行される。プラズマ処理装置20は、ラジアルラインスロットアンテナRLSA(Radial Line Slot Antenna)を有するプラズマ処理装置である。プラズマ処理装置20は、天井面が開口された円筒状の処理容器300を有している。天井面の開口には、シャワープレート305が嵌め込まれている。処理容器300とシャワープレート305とは、処理容器300の内壁の段差部とシャワープレート305の下面外周部との間に配設されたOリング310により密閉され、これにより、プラズマ処理を施す処理室Uが形成されている。たとえば、処理容器300はアルミニウム等の金属からなり、シャワープレート305はアルミニウム等の金属または誘電体からなり、電気的に接地されている。
処理容器300の底部には、ウエハWを載置するサセプタ(載置台)315が絶縁体320を介して設置されている。サセプタ315には、整合器325aを介して高周波電源325bが接続されていて、高周波電源325bから出力された高周波電力により処理容器300の内部に所定のバイアス電圧を印加するようになっている。また、サセプタ315には、コイル330aを介して高圧直流電源330bが接続されていて、高圧直流電源330bから出力された直流電圧により基板Gを静電吸着するようになっている。また、サセプタ315の内部には、ウエハWを冷却するために冷却水を供給する冷却ジャケット335が設けられている。
シャワープレート305は、その上部にてカバープレート340により覆われている。カバープレート340の上面には、ラジアルラインスロットアンテナ345が設けられている。ラジアルラインスロットアンテナ345は、多数の図示しないスロットが形成されたディスク上のスロット板345aとスロット板345を保持するディスク上のアンテナ本体345bとスロット板345aとアンテナ本体345bとの間に設けられ、アルミナ(Al)などの誘電体から形成される遅波板345cとから構成されている。ラジアルラインスロットアンテナ345には、同軸導波管350を介して外部にマイクロ波発生器355が設置されている。
処理容器300には、真空ポンプ(図示せず)が取り付けられていて、ガス排出管360を介して処理容器300内のガスを排出することにより、処理室Uを所望の真空度まで減圧するようになっている。
ガス供給源365は、複数のバルブV、複数のマスフローコントローラMFC、ヘリウム(He)ガス供給源365a及び窒素(N)ガス供給源365bから構成されている。ガス供給源365は、各バルブVの開閉および各マスフローコントローラMFCの開度をそれぞれ制御することにより、所望の濃度のガスを処理容器300の内部に供給するようになっている。
このようにして、ヘリウムガスが、第1の流路370aを通って、シャワープレート305を貫通するガス導入管375から処理室Uの上方に供給され、窒素ガスが、第2の流路370bを通って一体型ガスパイプ380から第1のガスより下方に供給される。かかる構成によれば、マイクロ波発生器355からスロットおよびシャワープレート305を介して処理室U内に入射されたマイクロ波により、ヘリウムガス及び窒素ガスが解離、電離し、これにより、プラズマが生成される。プラズマ中のヘリウムイオンHは有機膜510をアタックし、プラズマ中の窒素イオンNや窒素ラジカルHは、有機膜510と化学反応することにより、有機膜510は物理的及び化学的にエッチングされる。反応生成物HCNは、気体となってガス排出管419から排気される。
(エッチング速度及びエッチング選択比)
本実施形態のプラズマ処理装置20では、前述したように、高周波電源412bからサセプタ411にイオン引き込み用の高周波電力を印加してヘリウムイオンHeによる物理的なエッチング速度を上昇させる。このため、有機膜510だけでなくマスクとして機能するメタル電極520のエッチング速度も上昇する可能性がある。そこで、有機膜510のエッチング速度を上昇させながら、メタル電極520が必要以上にエッチングされないようなプロセス条件を特定することが重要になる。
(物理エッチング:バイアスパワー依存性)
そこで、発明者は、メタル電極520の一例として銀を選択するとともに、有機膜510の一例としてAlq(tris(8−hydroxyquinoline)aluminum:キノリノールアルミ錯体)を選択し、各材料のガス種によるバイアス依存性を比較した。その結果を図5に示す。ガス種にはアルゴンガスAr、及びヘリウムガスHeを用いた。
プロセス条件は、以下のとおりである。
マイクロ波パワー:2kW(約0.52W/cm) 天板面積:3870(cm)(351mmφ)
バイアスパワー(高周波電力):50〜200W(約0.125〜約0.5W/cm
処理容器内圧力:5mTorr
サセプタと天板とのギャップ:110mm
サセプタ温度:20℃
処理時間:60s
ガスは、アルゴンガスと窒素ガスとの混合ガスをAr/N=120/30sccmだけ導入する場合と、ヘリウムガスと窒素ガスとの混合ガスをHe/N=120/15sccmだけ導入する場合とを比較した。図5(a)は、エッチング値のバイアスパワー依存性を示し、図5(b)は、Alq3/Ag選択比のバイアスパワー依存性を示す。
図5(a)の結果から、バイアスパワーが50〜200W(約0.125〜約0.5W/cm)の範囲では、AlqをヘリウムのイオンHeでスパッタする方が、AlqをアルゴンのイオンArでスパッタするよりエッチング値が大きいことがわかる。反対に、同バイアスパワーの範囲では、銀AgをアルゴンのイオンArでスパッタする方が、銀AgをヘリウムのイオンHeでスパッタするよりエッチング値が大きい。この結果から、バイアスパワーが50〜200Wの範囲では、ヘリウムガスは、アルゴンガスより有機膜のエッチング速度が高く、かつ、陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比が高いことが立証された。
次に、図5(b)の結果から、アルゴンガスの場合、バイアスパワーが約75W(約0.19W/cm)以下ではAlqが銀Agより速くエッチングされるのに対し、ヘリウムガスの場合、バイアスパワーが約150W以下ではAlqが銀Agより速くエッチングされることがわかる。また、ヘリウムガスは、アルゴンガスより銀Agに対するAlqのエッチング選択比が高い。以上の結果から、エッチングガスに軽元素の不活性ガスであるヘリウムガスを用いるほうが、ヘリウムガスより重いアルゴンガスを用いるより銀Agに対するAlqの選択比を向上させ、かつAlqのエッチング速度も向上することが証明された。
また、図5(a)の結果から、ヘリウムガスの場合、バイアスパワーが50〜125W(約0.125〜約0.313W/cm)程度の範囲ではAlqのエッチング値が銀のエッチング値より大きくなるため、バイアスパワーが50〜200Wの範囲のうち、この領域をプロセスの条件とすることがより好ましいことがわかる。また、図5(b)から、バイアスパワーが150W(約375W/cm)以上になると、ヘリウムのAlq/Agの選択比が1より小さくなることがわかる。この結果から、ヘリウムガスを用いた場合であっても、バイアスパワーは、150W(約0.375W/cm)以下がよく、125W(約0.313W/cm)以下であればより好ましい。
(物理エッチング:圧力依存性)
次に、発明者は、銀及びAlqのガス種による圧力依存性を比較した。その結果を図6に示す。この場合にも、ガス種はアルゴンガス及びヘリウムガスを用いた。
プロセス条件は、以下のとおりである。
マイクロ波パワー:2kW(約0.52W/cm
バイアスパワー:200W(約0.50W/cm
処理容器内圧力:5〜20mTorr
サセプタと天板とのギャップ:110mm
サセプタ温度:20℃
処理時間:60s
ガスは、アルゴンガスと窒素ガスとの混合ガスをAr/N=120/30sccmだけ導入する場合と、ヘリウムガスと窒素ガスとの混合ガスをHe/N=120/15sccmだけ導入する場合とを比較した。図6(a)は、エッチング値の圧力依存性を示し、図6(b)は、Alq3/Ag選択比の圧力依存性を示す。
図6(a)の結果から、圧力が5〜20mTorrの範囲では、銀AgをアルゴンのイオンArでアタックする方が、ヘリウムのイオンHeでアタックよりエッチング値が大きいことがわかる。反対に、同圧力範囲では、AlqをヘリウムのイオンHeでスパッタする方が、AlqをアルゴンのイオンArでスパッタするよりエッチング値が大きい。この結果から、ヘリウムガスは、アルゴンガスより有機膜のエッチング速度が高く、かつ、陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比が高いことが立証された。
次に、図6(b)の結果から、圧力が5〜20mTorrの範囲では、ヘリウムガスの方がアルゴンガスより、銀Agに対するAlqの選択比が高い。以上の結果から、圧力が5〜20mTorrの範囲では、エッチングガスに軽元素の不活性ガスであるヘリウムガスを用いるほうが、ヘリウムガスより重いアルゴンガスを用いるより銀Agに対するAlqの選択比を向上させ、かつAlqのエッチング速度も向上することが証明された。
特に、プラズマ処理装置20では、マイクロ波のエネルギーを用いて、処理容器の天井に設置された誘電体窓付近にてプラズマが生成される。生成されたプラズマは、基板に向かって下方に拡散し、基板まで到達したプラズマによって所望の処理が実行される。よって、圧力が5〜20mTorrの範囲では、処理容器内に存在する分子に衝突せずに基板まで到達するプラズマの拡散量は比較的大きい。この結果、この範囲の圧力では基板直上のプラズマ密度は高くなる。しかしながら、圧力が5mTorr以下になると、イオンが処理容器内に存在する分子に衝突せずに基板まで到達した場合の衝突力が大きくなり、基板へのダメージが大きいため、処理容器内の圧力を5〜20mTorrに保持することが好ましい。
(物理エッチング)
以上の実験結果は、図7(a)に示した物理エッチングの観点から次のように考察される。高周波電源412bから印加される高周波電力によりITO500の表面がマイナスに帯電すると、拡散プラズマ中のイオンが有機膜510や銀のメタル電極520に向かって加速し、これらの膜に衝突して膜中の物質をたたき飛ばし、これにより、各膜が物理的にエッチングされる。この物理エッチングでは、供給される不活性ガスのうち、重いガスのほうが膜への衝突力が大きいため、エッチング速度は上昇する。以上から、銀のメタル電極520では、エッチング速度はアルゴンガスを供給した方がアルゴンガスより軽いヘリウムガスを供給するより上昇する。
一方、Alq(有機膜510)では、逆に、エッチング速度はヘリウムイオンを供給した方がアルゴンイオンを供給するより大きくなる。これは、化学エッチングの観点から次のように考察される。
有機膜510及びメタル電極520の化学エッチングについて、図8の実験結果を参照しながら説明する。図8は、3種類の不活性ガス(ヘリウムガス、アルゴンガス、キセノンガス)を用いて有機膜510をエッチングしたときの有機膜510及びメタル電極520の状態を示した電子顕微鏡の写真である。
プロセス条件は、以下のとおりである。
マイクロ波パワー:2kW(約0.52W/cm
バイアスパワー:0kW(バイアス無し)
処理容器内圧力:20mTorr
サセプタと天板とのギャップ:110mm
処理時間:60s×5
ガス:図8右写真の場合 ヘリウムと窒素の混合ガスHe/N=70/35sccm
図8中央写真の場合 アルゴンと窒素の混合ガスAr/N=70/35sccm
図8左写真の場合 キセノンと窒素の混合ガスXe/N=70/35sccm
サセプタ温度:図8右写真の場合 60℃より大きい
図8中央写真の場合 43℃より小さい
図8左写真の場合 48〜54℃
なお、図8の上部写真(3枚 500μm)は、図7(b)の枠XA付近を示していて、左側には有機膜510及びメタル電極520が積層された状態が示され、その右側にはガス種による有機膜のエッチング状態が示されている。図8の下部写真(3枚 50μm)は、図7(b)の枠XB付近を示した拡大図である。図8右写真に示したヘリウムガスと窒素ガスとの混合ガスでは、メタル電極520の右側の有機膜510はほぼエッチングされ、存在しない。図8中央写真に示したアルゴンガスと窒素ガスとの混合ガスでは、メタル電極520の右側に有機膜510が存在しない領域があるが、その領域を隔てたさらに右側に有機膜510が目視できる。図8左写真に示したキセノンガスと窒素ガスとの混合ガスでは、メタル電極520の右側に隣接して有機膜510が目視できる。この写真から、窒素ガスと混合させる3種類の上記不活性ガスでは、ヘリウムガス、アルゴンガス、キセノンガスの順に有機膜510のエッチング速度が上昇することがわかる。この結果を、図7(b)に示す。
(化学エッチング)
以上の実験結果は、図7(b)に示した化学エッチングの観点から次のように考察される。たとえば、窒素ガスが、メタル電極520と化学反応すると、窒化銀AgNとなってメタル電極520上に堆積する。よって、メタル電極520は、窒素ガスにより腐食されない。
一方、Cにて表される有機膜510は、窒素ガスから生成されたプラズマ中の主にNラジカルと化学反応することによりエッチングされ、これにより生じた反応生成物HCNは、気体となって処理容器の外部に排気される。
特に、上記写真でヘリウムガス、アルゴンガス、キセノンガスの順に有機膜510のエッチング速度が上昇していたように、有機膜510との化学反応を促進させるためには、不活性ガスのうち軽元素であるほどよい。その理由を説明する。図9は、不活性ガスの各元素に対するイオン化エネルギーを示す。これによれば、軽元素になるほどイオン化エネルギーは大きくなる。これは、軽元素になるほど原子中の電子と原子核とが分離するために必要なエネルギーが大きくなることを示している。すなわち、不活性ガスのうち、ヘリウム原子が最も電子を放出するために必要なエネルギーが大きいことになる。換言すれば、不活性ガスから電子が放出された場合、電子の持つエネルギーが最も大きいのはヘリウム原子である。このため、窒素ガスに混合させる不活性ガスとしてヘリウムガスを選択すると、マイクロ波のエネルギーを用いてヘリウムガスからプラズマが生成され、プラズマ中の電子が、窒素ガスを最も効率よく分解し、窒素ガスと有機膜との化学反応を最も促進させることができる。この論理から、図9を参照すれば、軽元素になるほど電子エネルギー(電子温度)が大きいため、窒素ガスと有機膜との化学反応が促進され、有機膜のエッチング速度が上昇する。反対に、重元素になるほど電子エネルギー(電子温度)が小さいため、窒素ガスと有機膜との化学反応が促進されず、有機膜のエッチング速度が低下する。
よって、図7(b)に示したように、不活性ガスのうち、ヘリウムガス、アルゴンガス、キセノンガスの順に、有機膜510のエッチング速度が高くなる。以上に説明した、物理エッチング及び化学エッチングの結果、窒素ガスに混入させる不活性ガスは、軽元素であるほど有機膜510のエッチング速度及びメタル電極520に対する有機膜510のエッチング選択比を高めることができる。
以上の考察から、発明者は、物理エッチングと化学エッチングとの両観点から、特定の処理ガス又は特定の不活性ガスの少なくともいずれかを選択することにより、マスクとして機能するメタル電極520に対して有機膜510の選択比を高くするとともに、有機膜510のエッチング速度を向上させることができた。
なお、特定の不活性ガスとしては、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス又はキセノンガスの少なくともいずれかが導入されてもよい。特に、ヘリウムガスに代表される軽元素が導入されるのが好ましいのは前述したとおりである。これによれば、軽元素は軽いため、スパッタによる膜へのダメージを抑えることができ、かつ、電子エネルギー(電子温度)が大きいため、有機膜510のエッチング速度及びメタル電極520(陰極膜)に対する有機膜510のエッチング選択比を向上させることができる。よって、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスの順に有機膜510のエッチング速度及びメタル電極520に対する有機膜510のエッチング選択比を高めることができる。
また、特定の処理ガスとしては、窒素ガス又は酸素ガスのいずれかが好ましい。窒素ガスは、前述したように、メタル電極520(陰極膜)を腐食する懸念がなく好ましい。酸素ガスを選択する場合、メタル電極520に銀Agを用いるとメタル電極520が酸化され腐食されるため、アルミニウムAlにてメタル電極520を形成する必要がある。アルミニウムであれば、酸素との化学反応により生成される物質はAlであるため、安定した状態でアルミニウムに堆積される。
有機膜のエッチング速度及び陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比をより向上させることができるためには、5〜20(mTorr)の圧力に保持された処理容器の内部にマイクロ波を投入し、基板を載置するサセプタに約0.125〜約0.5(W/cm)の高周波電力を印加することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、処理容器内に特定の処理ガス又は特定の不活性ガスを導入することにより、有機膜のエッチング速度及び陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させることができる。
(変形例)
図1(d)に示した有機膜のドライエッチング処理は、図4に示したRLSAプラズマ処理装置20に限られず、たとえば、図10のCMEP(Cellular Microwave Excitation Plasma)型のプラズマ処理装置20を用いて実行してもよい。
CMEP型のプラズマ処理装置20は、処理容器410を有し、その内部には基板Gを載置するためのサセプタ411(載置台)が設けられている。サセプタ411の内部には、給電部411a及びヒータ411bが設けられている。給電部411aには、整合器412aを介して高周波電源412bが接続され、高周波電源412bから出力される高周波電力により処理容器410の内部に所定のバイアス電圧を印加するとともに、コイル413aを介して高圧直流電源413bが接続され、高圧直流電源413bから出力された直流電圧により基板Gを静電吸着する。ヒータ411bには、交流電源414が接続されていて、交流電源414から出力された交流電圧により基板Gを所定の温度に保持する。
処理容器410の底面は筒状に開口され、ベローズ415及び昇降プレート416により密閉されている。サセプタ411は、昇降プレート416及び筒体417と一体となって昇降することにより処理プロセスに応じた高さに調整される。サセプタ411の周囲には、処理室Uのガスの流れを調整するバッフル板418が設けられている。なお、処理容器410には、真空ポンプ(図示せず)が取り付けられていて、ガス排出管419を介して処理容器410内のガスを排出することにより、処理室Uを所望の真空度まで減圧する。
蓋体420には、蓋本体421、6本の導波管433、スロットアンテナ430、及び、誘電体窓(複数枚の誘電体パーツ431)が設けられている。6本の導波管433は、その断面形状が矩形状であり、蓋本体421の内部にて平行に並べて設けられていて、その内部は、誘電部材434で充填されている。
蓋体420の天板のサイズは、1090mm×866mmであり、サセプタ411のサイズは、980mm×790mmである。CMEP型のプラズマ処理装置20にて処理される基板Gのサイズは、たとえば、730mm×920mmである。
各導波管433の上部には可動部435が昇降自在に挿入されていて、可動部435の上面には昇降機構436が設けられている。昇降機構436は、可動部435を昇降移動させ、これにより、導波管433の高さを任意に変える。
スロットアンテナ430には、各導波管433の下面にてスロット437(開口)が設けられている。誘電体窓は、タイル状に形成された39枚の誘電体パーツ431から構成されている。各誘電体パーツ431は、石英ガラス、AlN、Al、サファイア、SiN、セラミックスなどの誘電材料から形成されている。各誘電体パーツ431には、基板Gとの対向面に凹凸が形成されている。
39枚の誘電体パーツ31は、格子状に形成された、非磁性金属体の梁426に支持されている。梁426の下面には、複数の支持体427を介して複数のガスパイプ428が天井面全体に均等につり下げられている。ガスパイプ428は、アルミナなどの誘電体から形成される。
ガス供給源443は、複数のバルブV、複数のマスフローコントローラMFC、ヘリウムガス供給源443a及び窒素ガス供給源443bから構成されている。ガス供給源443は、各バルブVの開閉及び各マスフローコントローラMFCの開度をそれぞれ制御することにより、所望の濃度のガスを処理容器410の内部に供給する。
ヘリウムガス供給源443aは、第1の流路442aを介してガス導入管429aから処理容器内にヘリウムガスを導入する。窒素ガス供給源443bは、第2の流路442bを介してガス導入管429bから処理容器内に窒素ガスを導入する。冷却水供給源445から供給された冷却水は、冷却水配管444を循環し、これにより蓋体420の温度を調整する。
以上に説明した構成により、マイクロ波発生器から出力されたマイクロ波は、各導波管433及びスロット437を介して各誘電体パーツ431を透過し、処理室U内に投入される。このマイクロ波の電界エネルギーにより、ヘリウムガス及び窒素ガスが解離、電離し、これにより、プラズマが生成される。プラズマ中のヘリウムイオンHは有機膜510をアタックし、プラズマ中の窒素イオンNや窒素ラジカルHは、有機膜510と化学反応することにより、有機膜510は物理的及び化学的にエッチングされる。反応生成物HCNは、気体となってガス排出管419から排気される。
以上説明した変形例に係るプラズマ処理装置20によっても、処理容器内に特定の処理ガス又は特定の不活性ガスを導入することにより、有機膜のエッチング速度及び陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させることができる。
基板Gのサイズは、730mm×920mm以上であってもよく、たとえば、730mm×920mm(チャンバ内の寸法:1000mm×1190mm)のG4.5基板サイズや、1100mm×1300mm(チャンバ内の寸法:1470mm×1590mm)のG5基板サイズであってもよい。また、素子が形成される被処理体は、上記サイズの基板Gに限られず、たとえば200mmや300mmのシリコンウエハであってもよい。
上記実施形態において、各部の動作はお互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。そして、このように置き換えることにより、プラズマ処理装置の実施形態をプラズマ処理方法の実施形態とすることができる。また、前記プラズマ処理方法を用いてエッチングされた有機膜のパターニング部分に電極との配線を形成した有機電子デバイスを製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、上記実施形態では、物理エッチング及び化学エッチングの両観点を融合させてエッチング速度及びエッチング選択比について考察した。しかしながら、本発明はこれに限られず、たとえば、有機膜をスパッタするための特定の不活性ガスのみを処理容器内に導入することにより、物理エッチングの観点のみから有機膜のエッチング速度を向上させ、かつ陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させることが可能な不活性ガスを選択することも可能である。
同様に、有機膜と化学反応させるための特定の処理ガスのみを処理容器内に導入することにより、化学エッチングの観点のみから有機膜のエッチング速度を向上させ、かつ陰極膜に対する有機膜のエッチング選択比を向上させることが可能な処理ガスを選択することも可能である。
また、本発明にかかるプラズマ処理方法を用いて製造する有機電子デバイスは、有機EL素子に限られず、たとえば、成膜材料に主に液体の有機金属を用い、気化させた成膜材料を500〜700℃に加熱された被処理体上で分解させることにより、被処理体上に薄膜を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)により形成された有機金属素子も含む。さらに、本発明にかかるプラズマ処理方法を用いて製造する有機電子デバイスは、有機トランジスタ、有機FET(Field Effect Transistor)、有機太陽電池などの有機素子も含む。
また、本発明にかかる封止膜の構造体を用いて素子を封止した有機EL電子デバイスとしては、有機発光ダイオードが挙げられる。
また、本発明にかかるプラズマ処理装置としては、本実施形態に示した複数枚の誘電体を有するCMEP(Cellular Microwave Excitation Plasma)方式やRLSA(Radial Line Slot Antenna)方式、ECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン)方式のマイクロ波プラズマ処理装置に限られず、誘導結合型(ICP:Inductive Coupling Plasma)プラズマ処理装置や容量結合型のプラズマ処理装置など、基板上に形成された有機膜上の陰極膜をマスクとして、有機膜にプラズマを用いたエッチング処理を施す種々のプラズマ処理装置に使用することができる。
したがって、処理容器内に導入されるガスを解離又は電離させるために必要なエネルギーは、マイクロ波に限られず、たとえば、高周波であってもよい。
本発明の一実施形態にかかる有機EL電子デバイス製造工程図である。 同実施形態にかかるクラスタ型の基板処理システムの模式図である。 同実施形態により製造された有機EL電子デバイスである。 同実施形態にかかるRLSAプラズマ処理装置の縦断面図である。 同実施形態にかかるガス種によるバイアス依存性を比較したグラフである。 同実施形態にかかるガス種による圧力依存性を比較したグラフである。 図7(a)は有機膜及び陰極の物理エッチングを説明するための図であり、図7(b)は有機膜及び陰極の化学エッチングを説明するための図である。 ガス種毎の有機膜及び陰極のエッチング状態を示した電子顕微鏡の写真である。 不活性ガスのイオン化エネルギーを示した表である。 変形例にかかるCMEPプラズマ処理装置の縦断面図である。
符号の説明
10 基板処理システム
20 プラズマ処理装置
325b,412b 高周波電源
300,410 処理容器
365,443 ガス供給源
500 ITO
510 有機膜
520 メタル電極
530 封止膜
G 基板
PM1 有機成膜装置
PM2〜PM4 プロセスモジュール

Claims (9)

  1. 内部にて基板上の有機膜にプラズマを用いたエッチング処理が施される処理容器と、
    前記有機膜上の陰極膜をマスクとして、前記有機膜と化学反応させるための特定の処理ガス又は前記有機膜をスパッタするための特定の不活性ガスの少なくともいずれかのガスを前記処理容器内に導入するガス供給源と、
    前記ガス供給源から導入されたガスからプラズマを生成するためのエネルギーを投入するエネルギー源と、を備えたプラズマ処理装置。
  2. 前記ガス供給源は、前記特定の処理ガスとして窒素ガス又は酸素ガスのいずれかを導入する請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  3. 前記ガス供給源は、前記特定の不活性ガスとしてヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス又はキセノンガスの少なくともいずれかを導入する請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  4. 基板を載置するサセプタに約0.125〜約0.5(W/cm)の高周波電力を印加する高周波電源を備える請求項1〜3のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  5. 前記エネルギー源は、5〜20(mTorr)の圧力に保持された前記処理容器の内部にマイクロ波を投入する請求項1〜4のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  6. 基板上に形成された有機膜上の陰極膜をマスクとして、前記有機膜と化学反応させるための特定の処理ガス又は前記有機膜をスパッタするための特定の不活性ガスの少なくともいずれかのガスを処理容器内に導入し、
    前記導入されたガスを励起させるためのエネルギーを投入し、
    前記投入されたエネルギーを用いて前記ガスからプラズマを生成し、生成されたプラズマを用いて前記有機膜をエッチングするプラズマ処理方法。
  7. 前記処理ガスとして窒素ガス又は酸素ガスのいずれかを導入する請求項6に記載されたプラズマ処理方法。
  8. 前記不活性ガスとしてヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス又はキセノンガスの少なくともいずれかを導入する請求項6又は請求項7のいずれかに記載されたプラズマ処理方法。
  9. 前記請求項1〜5のいずれかに記載されたプラズマ処理装置を用いてエッチングされた有機膜のパターニング部分に電極との配線を形成した有機電子デバイス。
JP2008164733A 2008-06-24 2008-06-24 プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び有機電子デバイス Pending JP2010009779A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008164733A JP2010009779A (ja) 2008-06-24 2008-06-24 プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び有機電子デバイス
KR1020090022102A KR20100002079A (ko) 2008-06-24 2009-03-16 플라즈마 처리 장치, 플라즈마 처리 방법 및 유기 전자 디바이스
US12/407,933 US20090314635A1 (en) 2008-06-24 2009-03-20 Plasma processing apparatus, plasma processing method, and organic electron device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008164733A JP2010009779A (ja) 2008-06-24 2008-06-24 プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び有機電子デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010009779A true JP2010009779A (ja) 2010-01-14

Family

ID=41430118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008164733A Pending JP2010009779A (ja) 2008-06-24 2008-06-24 プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び有機電子デバイス

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20090314635A1 (ja)
JP (1) JP2010009779A (ja)
KR (1) KR20100002079A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011067900A1 (ja) 2009-12-03 2011-06-09 パナソニック株式会社 電源システムおよび蓄電池の充電制御方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8808562B2 (en) * 2011-09-12 2014-08-19 Tokyo Electron Limited Dry metal etching method
WO2017179907A1 (ko) * 2016-04-12 2017-10-19 주식회사 엘지화학 봉지 필름

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500919A (ja) * 2003-07-22 2007-01-18 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 有機電子デバイス製造の際の有機層の除去方法およびその方法によって形成される有機電子デバイス
JP2007220360A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Tokyo Electron Ltd 発光素子、発光素子の製造方法および基板処理装置
JP2007242436A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Seiko Epson Corp 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2010003797A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Rohm Co Ltd 有機el素子及び有機el素子の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500919A (ja) * 2003-07-22 2007-01-18 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 有機電子デバイス製造の際の有機層の除去方法およびその方法によって形成される有機電子デバイス
JP2007220360A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Tokyo Electron Ltd 発光素子、発光素子の製造方法および基板処理装置
JP2007242436A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Seiko Epson Corp 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2010003797A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Rohm Co Ltd 有機el素子及び有機el素子の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011067900A1 (ja) 2009-12-03 2011-06-09 パナソニック株式会社 電源システムおよび蓄電池の充電制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20090314635A1 (en) 2009-12-24
KR20100002079A (ko) 2010-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI795589B (zh) 處理微電子工件的方法、以及處理基板的方法
JP5179730B2 (ja) プラズマエッチング装置
US10734201B2 (en) Substrate processing apparatus
WO2013175897A1 (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
KR20070086761A (ko) 에칭 방법 및 에칭 장치
KR20110110087A (ko) 마이크로파 플라즈마 내에서 유전체 층을 산출하기 위한 수단 및 방법
CN107424900A (zh) 加强等离子体处理系统中的等离子体增强蚀刻
KR20150097416A (ko) 반도체 장치의 제조 방법
JP2007043149A5 (ja)
KR102049146B1 (ko) 플라즈마 에칭 방법, 플라즈마 에칭 장치, 및 기판 탑재대
KR20070011463A (ko) 전자 장치용 기판 및 그 처리 방법
JP5941653B2 (ja) シリコン窒化膜の成膜方法及びシリコン窒化膜の成膜装置
KR20140130111A (ko) 반도체 장치의 제조 방법 및 컴퓨터 기록 매체
TWI621732B (zh) 密封膜之形成方法及密封膜製造裝置
KR100897176B1 (ko) 유도 결합형 플라즈마 처리 장치
JP2020119918A (ja) 膜をエッチングする方法
US20090203219A1 (en) Plasma etching method, plasma etching apparatus and computer-readable storage medium
JP2010009779A (ja) プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び有機電子デバイス
KR102332886B1 (ko) 반도체 디바이스를 제조하는 방법
KR20230124008A (ko) 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
KR20170135709A (ko) 자기 저항 소자의 제조 방법 및 자기 저항 소자의 제조 시스템
JP2008010683A (ja) マイクロ波プラズマ処理装置
KR20040096380A (ko) 산화 금속막 증착 챔버의 세정 방법 및 이를 수행하기위한 증착 장치
JP3373468B2 (ja) 半導体製造装置
KR20200012749A (ko) 에칭 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100624

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100824