JP5586492B2 - 熱cvd装置および蒸着膜の形成方法 - Google Patents
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Description
上記ガス加熱手段が、上記加熱室内に導入する原料ガスに交番磁界を与える交番磁界発生用コイルと、上記交番磁界が与えられた原料ガスに電磁波を照射する電磁波発生用コイルとを備え、上記原料ガスに上記電磁波の電磁エネルギーを吸収させることで当該原料ガスを加熱するものである。
上記加熱室内に導入する原料ガスに交番磁界発生用コイルで交番磁界を与えるとともに、上記交番磁界が与えられた原料ガスに電磁波発生用コイルで電磁波を照射して、上記原料ガスに上記電磁波の電磁エネルギーを吸収させることで当該原料ガスを加熱する方法である。
本実施例における熱CVD装置は、概略的には、カーボンナノチューブを基板の表面に形成するものである。この基板として、ステンレス製の帯状鋼材、すなわちステンレス箔(20〜300μm程度の厚さ)またはステンレス鋼板(300μm〜数mm程度の厚さ)の薄いものが用いられる。このステンレス箔または薄いステンレス鋼板(以下では単に基板という)は、熱CVD装置のロールに巻き付けられており、カーボンナノチューブの形成に際して、このロールから引き出されて連続的にカーボンナノチューブが形成されるとともに、他方のロールに巻き取るようにされている。すなわち、一方の巻出しロールから基板を引き出し、この引き出された基板の表面にカーボンナノチューブを形成した後、このカーボンナノチューブが形成された基板を他方の巻取りロールに巻き取るようにされている。
この熱CVD装置には、図1に示すように、炉本体2内にカーボンナノチューブを形成するための細長い処理用空間部が設けられて成る加熱炉1が具備されており、この炉本体2内に設けられた処理用空間部は、所定間隔おきに配置された区画壁3により、複数の、例えば5つの部屋に区画されて(仕切られて)いる。
そして、基板回収室15では、基板Kの裏面(上面)に保護フィルムが貼り付けられ、この保護フィルムが貼り付けられた基板Kが巻取りロール17に巻き取られる。なお、基板Kの上面に保護フィルムを貼り付けるようにしているのは、基板Kを巻き取った際に、その外側に巻き取られる基板Kに形成されたカーボンナノチューブを保護するためである。
すなわち、図2に示すように、この加熱室13は、当該加熱室13内の空気を排気して所定の減圧下にするための排気装置(図示しない)と、内壁面に貼り付けられた所定厚さの断熱材4と、底壁部2aの中心位置から下方に接続されて原料ガスGおよび不活性ガスNを加熱室13内に導入するガス導入管(ガス導入手段の一例である)5と、このガス導入管5を通過する原料ガスGを加熱するためのガス加熱装置(ガス加熱手段の一例である)9と、上記ガス導入管5で加熱室13内に導入された原料ガスGを基板Kに供給するガス案内用ダクト23と、このガス案内用ダクト23から基板Kに供給する原料ガスGを整流するための整流板26と、基板Kを加熱するための複数本の円柱形状(または棒状)の発熱体22よりなる基板加熱装置21と、基板Kに供給された後の原料ガスGおよび加熱室13内の不活性ガスNを排出するガス排出口7とを有する。
この前処理室12内では、基板Kが洗浄された後、シリカ、アルミナなどの不動態膜が塗布され、さらにこの不動態膜の上から、金属例えば鉄(Fe)の触媒微粒子が塗布される。勿論、図示しないが、この前処理室12内には、基板Kの洗浄手段、不動態膜の塗布手段、および金属例えば鉄(Fe)の触媒微粒子の塗布手段が設けられており、これら塗布手段はマスク等を有しない簡易な構造であるから、不動態膜および触媒微粒子は基板Kの全面に塗布される。
この減圧値としては、数Pa〜1000Paの範囲に維持される。例えば、数十Pa〜数百Paに維持される。なお、減圧範囲の下限である数Paは、カーボンナノチューブの形成レート(成膜レートである)を保つための限界値であり、上限である1000Paは煤、タールの抑制という面での限界値である。また、加熱炉1内の構成部材としては、煤、タールなどの生成が促進しないように、非金属の材料が用いられている。
次に、上記熱CVD装置により、基板Kにカーボンナノチューブを形成する方法について説明する。
そして、基板加熱装置21、すなわち発熱体22により、基板Kの温度を所定温度、例えば700〜800℃に加熱する。
そして、所定時間が経過して所定高さのカーボンナノチューブが得られると、同じく、所定長さだけ移動されて、このカーボンナノチューブが形成された基板Kが後処理室14内に移動される。
この後処理が済むと、基板Kは製品回収室15内に移動されて、その上面に保護フィルムが貼り付けられるとともに、巻取りロール17に巻き取られる。すなわち、カーボンナノチューブが形成された基板Kが製品として回収されることになる。なお、カーボンナノチューブが形成された基板Kが全て巻取りロール17に巻き取られると、外部に取り出されることになる。
N 不活性ガス
K 基板
3a 連通用開口部
4 断熱材
5 ガス導入管
7 ガス排出口
13 加熱室
21 基板加熱装置
23 ガス案内用ダクト
26 整流板
31 電磁波発生用コイル
32 高周波電源
33 交番磁界発生用コイル
36 直流電源
Claims (3)
- ガス加熱手段で加熱された原料ガスを加熱室内に導入し、熱化学気相成長法により加熱室内の基板に蒸着させる熱CVD装置であって、
上記ガス加熱手段が、上記加熱室内に導入する原料ガスに交番磁界を与える交番磁界発生用コイルと、上記交番磁界が与えられた原料ガスに電磁波を照射する電磁波発生用コイルとを備え、上記原料ガスに上記電磁波の電磁エネルギーを吸収させることで当該原料ガスを加熱することを特徴とする熱CVD装置。 - 電磁波発生用コイルの軸心に、原料ガスを加熱室内に導入するガス導入手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の熱CVD装置。
- 加熱された原料ガスを加熱室内に導入し、熱化学気相成長法により加熱室内の基板に蒸着させる蒸着膜の形成方法であって、
上記加熱室内に導入する原料ガスに交番磁界発生用コイルで交番磁界を与えるとともに、上記交番磁界が与えられた原料ガスに電磁波発生用コイルで電磁波を照射して、上記原料ガスに上記電磁波の電磁エネルギーを吸収させることで当該原料ガスを加熱することを特徴とする蒸着膜の形成方法。
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