JP2011194371A - シアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有害な重金属類の溶出を抑制または防止することができるシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法を提供する。
【解決手段】シアンで汚染されたシアン汚染土壌10に鉄系不溶化剤12を混合してシアン汚染土壌10中のシアンを不溶化・安定化処理する方法であって、鉄系不溶化剤12に加えて、アルカリ系または還元鉄系の薬剤14をシアン汚染土壌10に混合する。この場合、薬剤14と鉄系不溶化剤12とをあらかじめ混合し、これをシアン汚染土壌10に混合する。薬剤14と鉄系不溶化剤12とを別々にシアン汚染土壌10に混合してもよい。
【選択図】図1
【解決手段】シアンで汚染されたシアン汚染土壌10に鉄系不溶化剤12を混合してシアン汚染土壌10中のシアンを不溶化・安定化処理する方法であって、鉄系不溶化剤12に加えて、アルカリ系または還元鉄系の薬剤14をシアン汚染土壌10に混合する。この場合、薬剤14と鉄系不溶化剤12とをあらかじめ混合し、これをシアン汚染土壌10に混合する。薬剤14と鉄系不溶化剤12とを別々にシアン汚染土壌10に混合してもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、シアンで汚染された土壌を不溶化・安定化処理するシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法に関するものである。
従来、シアンで汚染されたシアン汚染土壌中のシアンの不溶化処理方法として、鉄系不溶化剤を用いた処理方法が知られており、既に実用化されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
この鉄系不溶化剤を用いた処理方法は、具体的には、粉体または液体の鉄系不溶化剤を、バックホウ、土質改良機、スタビライザーといった混合機で土壌と撹拌混合し、土壌中の遊離シアンと鉄とによる難溶性塩を生成することによって不溶化し、土壌からのシアンおよびその化合物の溶出抑制を行なうものである。
ところで、上記の従来の特許文献1等の鉄系不溶化剤を用いた処理方法は、不溶化処理後の土壌のpHが低下するため、日本の一般的な土壌において微量に含まれていると考えられる鉛、ひ素、カドミウム、六価クロム等の有害な重金属類がイオン化し、土壌から溶出することが懸念される。このため、シアン汚染土壌の不溶化処理に伴い、有害な重金属類の溶出を抑制または防止することができる技術の開発が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、有害な重金属類の溶出を抑制または防止することができるシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係るシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法は、シアンで汚染されたシアン汚染土壌に鉄系不溶化剤を混合して前記シアン汚染土壌中のシアンを不溶化・安定化処理する方法であって、前記鉄系不溶化剤に加えて、アルカリ系または還元鉄系の薬剤を前記シアン汚染土壌に混合することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法は、上述した請求項1において、前記薬剤と前記鉄系不溶化剤とをあらかじめ混合し、これを前記シアン汚染土壌に混合することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法は、上述した請求項1において、前記薬剤と前記鉄系不溶化剤とを別々に前記シアン汚染土壌に混合することを特徴とする。
本発明によれば、シアンで汚染されたシアン汚染土壌に鉄系不溶化剤を混合して前記シアン汚染土壌中のシアンを不溶化・安定化処理する方法であって、前記鉄系不溶化剤に加えて、アルカリ系または還元鉄系の薬剤を前記シアン汚染土壌に混合するので、シアンおよびその化合物と鉄とによる難溶性塩を生成し、土壌中の重金属類の結晶化を促進するとともに、鉄系不溶化剤を単独で使用した場合よりも土壌のpHの低下を抑制する。したがって、土壌からのシアンおよびその化合物の溶出抑制を行なってその不溶化を強固にすると同時に、土壌中の有害な重金属類がpHの低下によりイオン化し土壌中から溶出することを抑制または防止することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係るシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本発明に係るシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法は、シアンで汚染されたシアン汚染土壌10に対し鉄系不溶化剤12を混合して不溶化処理を行う際に、マグネシウム系あるいはカルシウム系等のアルカリ系、または還元鉄系の薬剤14を、鉄系不溶化剤12にあらかじめ混合しておくというものである。そして、この薬剤14が混合された鉄系不溶化剤12を土壌10に添加して、バックホウ、土質改良機、スタビライザーなどの混合機を用いてこの土壌10と撹拌混合する。
鉄系不溶化剤12は、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、塩化第2鉄などの鉄塩またはその混合物を用いた粉体または液体により構成することができる。この鉄系不溶化剤12は、土壌10中の遊離シアンと鉄とによる難溶性塩を生成することによって不溶化し、土壌10からのシアンおよびその化合物の溶出を抑制する作用を有するものである。
薬剤14は、マグネシウム系あるいはカルシウム系等のアルカリ系、または還元鉄系の薬剤である。この薬剤14は、土壌10中のシアンや土壌10中に元々含有される鉛、ひ素、カドミウム、六価クロム等の有害な重金属類と反応して、マグネシウムやカルシウムのシアン化合物を生成する作用や重金属類を結晶化させる作用等を有し、その不溶化を強固にする。薬剤14は、土壌10中の上記の重金属類の溶出を抑制する至適pHに調整しておくことが好ましい。
上記の構成によれば、シアン汚染土壌10に鉄系不溶化剤12が混合されると、シアンおよびその化合物と鉄とによる難溶性塩を土壌10中で生成する。また、薬剤14が混合されると、マグネシウムやカルシウムのシアン化合物を生成する一方で、土壌10中の重金属類の結晶化を促進するとともに、鉄系不溶化剤12を単独で使用した場合よりも土壌10のpHの低下を抑制する。
したがって、土壌10からのシアンおよびその化合物の溶出抑制を行なってその不溶化を強固にすると同時に、土壌10中に元々含有される鉛、ひ素、カドミウム、六価クロム等の有害な重金属類がpHの低下によりイオン化し土壌10中から溶出することを抑制または防止することができる。
上記の実施の形態においては、薬剤14を鉄系不溶化剤12にあらかじめ混合しておく場合について説明したが、このようにする代わりに、薬剤14と鉄系不溶化剤12とを別々にシアン汚染土壌10に混合しても構わない。
つまり、図2に示すように、鉄系不溶化剤12をシアン汚染土壌10に添加混合する一方で、薬剤14を粉体または液体の状態で土壌10に添加混合する。この場合、薬剤14を先に土壌10に混合してもよいし、鉄系不溶化剤12を先に土壌10に混合してもよい。この混合は、バックホウ、土質改良機、スタビライザーなどの混合機を用いた撹拌混合により行うことができる。
また、本発明は、シアンと上記のような重金属類とによる複合汚染の土壌に対しても適用可能であり、この複合汚染の土壌の不溶化・安定化処理において重金属類の溶出を抑制または防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、シアンで汚染されたシアン汚染土壌に鉄系不溶化剤を混合して前記シアン汚染土壌中のシアンを不溶化・安定化処理する方法であって、前記鉄系不溶化剤に加えて、アルカリ系または還元鉄系の薬剤を前記シアン汚染土壌に混合するので、シアンおよびその化合物と鉄とによる難溶性塩を生成し、土壌中の重金属類の結晶化を促進するとともに、鉄系不溶化剤を単独で使用した場合よりも土壌のpHの低下を抑制する。したがって、土壌からのシアンおよびその化合物の溶出抑制を行なってその不溶化を強固にすると同時に、土壌中の有害な重金属類がpHの低下によりイオン化し土壌中から溶出することを抑制または防止することができる。
以上のように、本発明に係るシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法は、シアンで汚染された土壌の不溶化・安定化処理に有用であり、特に、有害な重金属類の溶出を抑制または防止するのに適している。
10 シアン汚染土壌
12 鉄系不溶化剤
14 アルカリ系または還元鉄系の薬剤
12 鉄系不溶化剤
14 アルカリ系または還元鉄系の薬剤
Claims (3)
- シアンで汚染されたシアン汚染土壌に鉄系不溶化剤を混合して前記シアン汚染土壌中のシアンを不溶化・安定化処理する方法であって、
前記鉄系不溶化剤に加えて、アルカリ系または還元鉄系の薬剤を前記シアン汚染土壌に混合することを特徴とするシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法。 - 前記薬剤と前記鉄系不溶化剤とをあらかじめ混合し、これを前記シアン汚染土壌に混合することを特徴とする請求項1に記載のシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法。
- 前記薬剤と前記鉄系不溶化剤とを別々に前記シアン汚染土壌に混合することを特徴とする請求項1に記載のシアン汚染土壌の不溶化・安定化処理方法。
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