JP2014034016A - シアン汚染地盤の不溶化処理方法 - Google Patents

シアン汚染地盤の不溶化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シアン化合物に汚染されたシアン汚染土壌地盤について、その汚染源となるシアン化合物に対する十分な不溶化効果を得る。
【解決手段】
本発明は、汚染地盤Gに含まれるシアンを不溶化する不溶化処理方法であり、嫌気処理と、不溶化材注入処理とを行うことを特徴としている。嫌気処理は、注入井戸21を通じて汚染地盤Gに栄養材X1を注入することで地盤Gの嫌気性微生物を活性化し、地盤Gを嫌気性にする処理である。不溶化材注入処理は、水溶性鉄塩を含有する不溶化材を、嫌気性とされた汚染地盤Gに、注入井戸21を通じて注入する処理である。
【選択図】図6

Description

本発明は、地盤の汚染原因となるシアンを不溶化することで、シアンの溶出を抑制する不溶化処理方法に関する。
シアン化合物には生物に対して毒性を示すものがあり、このシアン化合物で汚染された土壌地盤を無害化する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された技術では、シアン化合物を分解する微生物を活性化させることで、シアン汚染土壌地盤を無害化している。
また、特許文献2に記載された技術では、カドミウム等の重金属に汚染された土壌地盤を無害化するに際し、嫌気性微生物の栄養材とともに硫酸塩を土壌地盤に注入している。この技術では、硫酸イオンを土壌中地盤中に拡散させるとともに、この硫酸イオン由来の硫化物イオンを土壌中地盤中の重金属と反応させることで、汚染源である重金属を不溶化している。また、栄養材を与えることで嫌気性微生物を活性化させ、土壌地盤を還元状態にして重金属を不溶化し易くしている。
特開2010−235796号公報 特開2009−125624号公報
特許文献1に記載の技術では、微生物によってシアン化合物を分解させているので、無害化処理が終了するまでに長い期間を必要とするという問題点があった。また、特許文献2に記載の技術をシアン汚染土壌地盤の無害化に適用する場合、十分な不溶化効果が得られ難いという問題点があった。
例えば、シアンの不溶化には第一鉄イオンと反応させればよいという知見があることから、特許文献2に記載の技術に基づき、硫酸第一鉄と栄養材とを水に溶いて汚染土壌地盤に注入することが考えられる。しかしながら、第一鉄イオンは土壌地盤で速やかに酸化されて第二鉄として析出し、注入井戸の近傍に留まってしまう。これにより、浸透性の高い硫酸イオンのみが土壌地盤に拡散されることとなり、第一鉄イオンによるシアンの不溶化効果が得られ難くなってしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シアン汚染土壌地盤について、その汚染源となるシアン化合物に対する十分な不溶化効果を得ることにある。
前述の目的を達成するため、本発明は、汚染地盤に含まれるシアンを不溶化する不溶化処理方法であって、前記汚染地盤に栄養材を注入することで前記地盤中の嫌気性微生物を活性化し、前記地盤を嫌気性にする嫌気処理と、水溶性鉄塩を含有する不溶化材を、嫌気性の前記汚染地盤に注入する不溶化材注入処理とを行うことを特徴とする。
本発明によれば、嫌気性微生物によって嫌気性とされた土壌地盤に不溶化材が注入されるので、水溶性鉄塩に含まれる鉄イオンの酸化が抑制され、この鉄イオンを土壌地盤における広い範囲に拡散させることができる。これにより、シアンを鉄イオンと容易に反応させることができ、シアンの不溶化効果を高めることができる。
前述の不溶化処理方法において、前記栄養材が、グルコン酸及びグルコン酸誘導体の少なくとも一方を主成分として含有している場合には、他の種類の栄養材を用いた場合よりも、嫌気性微生物の活性化の度合いを高めることができ、嫌気状態を早期に形成できる。
前述の不溶化処理方法において、前記水溶性鉄塩を、硫酸第一鉄、塩酸第一鉄、硝酸第一鉄、リン酸第一鉄、酢酸第一鉄、シュウ酸第一鉄、トリフルオロメタンスルホン酸鉄、乳酸鉄、グルコン酸鉄、及び、クエン酸鉄から選ばれる一種又は複数種類とした場合には、第一鉄イオンの状態で土壌中地盤中を拡散させることができる。
前述の不溶化処理方法において、前記嫌気処理と前記不溶化材注入処理との間に、前記嫌気処理後における地盤の嫌気度合いを測定する嫌気度測定を行う場合には、鉄イオンの酸化を防止することができ、土壌地盤での拡散をより確実に行うことができる。
前述の不溶化処理方法において、前記嫌気度測定にて、前記嫌気処理後の地盤における溶存酸素を測定する場合には、溶存酸素の測定という簡易な方法で嫌気性か否かを容易に判断できる。
本発明によれば、シアン汚染土壌地盤の汚染源であるシアン化合物について、十分な不溶化効果を得ることができる。
試験対象とした試験区を説明する図である。 試験装置を説明する図である。 第1試験区(水道水)での試験結果を説明する図である。 第2試験区(硫酸第一鉄のみ)での試験結果を説明する図である。 第3試験区(硫酸第一鉄+栄養材)での試験結果を説明する図である。 シアン汚染地盤の浄化方法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、汚染土壌地盤を嫌気性にすることと、鉄イオンの拡散性との関係を確認する拡散性確認試験について説明する。
図1に示すように、この拡散性確認試験では3種類の試験区を用いた。すなわち、第1試験区は対照区、第2試験区は硫酸第一鉄のみを添加した比較例、第3試験区は硫酸第一鉄と嫌気性微生物の栄養材とを添加した本発明の試験例である。なお、各試験区については、後で詳しく説明する。
この拡散性確認試験では、図2に示す試験装置10を用いた。この試験装置10は、通水液容器11と、チューブポンプ12と、第1チューブ13と、カラム群14と、第2チューブ15と、第3チューブ16と、排液管17とを有している。
通水液容器11は、各種の通水液を貯留する容器である。この例では三角フラスコを例示したが、通水液を貯留できればどのような形態であってもよい。また、通水液とは、カラム群14を構成する各カラム14a〜14cに通水される液体である。この通水液には、例えば、土壌汚染地盤作製用の初期通水液、シアン不溶化用の不溶化通水液(不溶化材のみを含有したもの、栄養材と不溶化材を含有したもの)がある。これらの通水液についても後で詳しく説明する。
チューブポンプ12は、第1チューブ13の途中に取り付けられたポンプである。そして、第1チューブ13は、例えばシリコンチューブであり、一端が通水液容器11の内部に挿入され、他端がカラム群14(第1カラム14a)に接続されている。そして、チューブポンプ12の動作により、通水液容器11に貯留された通水液がカラム群14に供給される。
カラム群14は、第1カラム14a、第2カラム14b、第3カラム14cからなる3本のカラムを有している。各カラム14a〜14cは円筒形状であり、試験対象となる試験の土壌が内部に充填されるとともに両端が栓で封止されている。各カラム14a〜14cは樹脂製であり、内径が5cm、長さが30cmである。そして、土試験土壌は20cmの長さに亘って充填密度1.6g/cmとなるように充填した。具体的には、容積が392cmの内部空間に対し、重量が628gの砂質土を充填した。
なお、砂質土は、沿岸域に近い場所から採取した含水率が10〜15%のものを用いた。この砂質土は、pH3〜4程度の酸性土であったため、重曹により中和したものを用いた。
また、図示は省略したが、栓にはガラス管が挿通されており、このガラス管を介して各チューブ13,15,16が取り付けられている。そして、第1カラム14aの上流端には、第1チューブ13の他端が接続されている。
第2チューブ15は、第1カラム14aの下流端と第2カラム14bの上流端とを連通する管状部材であり、例えばシリコンチューブで作製されている。この第2チューブ15の途中には第1三方弁15aが設けられている。第1三方弁15aの操作により、第1カラム14aから流れてくる通水液を、第2カラム14b側へ流すことと、第1サンプリング管15bから排出させることを選択できる。
第3チューブ16は、第2カラム14bの下流端と第3カラム14cの上流端とを連通する管状部材であり、第2チューブ15と同様に作製されている。この第3チューブ16の途中には第2三方弁16aが設けられており、第2カラム14bから流れてくる通水液を第2カラム14b側、或いは、第2サンプリング管16b側へと選択的に流すことができる。
排液管17は、第3カラム14cの下流端を塞ぐ栓を貫通する状態に設けられており、第3カラム14cを流れてきた通水液を排出する部分である。この排液管17は、例えばガラス管で作製されている。
この試験装置10では、通水液容器11に貯留された通水液を、第1カラム14a、第2カラム14b、第3カラム14cの順に通水させることができる。そして、第1カラム14aを通過した通水液を、第1三方弁15aを介して第1サンプリング管15bからサンプリングすることができる。また、第2カラム14bを通過した通水液を、第2三方弁16aを介して第2サンプリング管16bから、第3カラム14cを通過した通水液を排液管17から、それぞれサンプリングすることができる。
次に、通水液の種類と各試験区について説明する。通水液は、初期の通水に用いる初期通水液と、不溶化処理時の通水に用いる不溶化通水液とに大別される。
初期通水液は、各カラム14a〜14cに充填された土壌試験土をシアン化合物で汚染したり、土壌試験土に生息する嫌気性微生物に栄養を供給したりするために用いられる。本実施形態では、試験区1(対照区)及び試験区2(比較例)の初期通水液として、フェロシアン含有水を用いた。このフェロシアン含有水は、水道水1Lあたり45mgのフェロシアン化カリウム(K[Fe(CN)])を溶解することで作製した。このフェロシアン含有水においてシアン濃度は20mg/Lとなる。また、試験区3(試験例)の初期通水液として、栄養材入りのフェロシアン含有水を用いた。この栄養材入りのフェロシアン含有水は、水道水1Lあたり45mgのフェロシアン化カリウムを溶解し、さらに濃度が0.2%となるようにグルコン酸ソーダ(栄養材)を溶解することで作製した。
不溶化通水液は、カラム内の土壌試験土を汚染しているシアン化合物を不溶化するために用いられる。この不溶化通水液としては水溶性の2価鉄塩が用いられる。例えば、硫酸第一鉄、塩酸第一鉄、硝酸第一鉄、リン酸第一鉄、酢酸第一鉄、シュウ酸第一鉄、トリフルオロメタンスルホン酸鉄、乳酸鉄、グルコン酸鉄、及び、クエン酸鉄が好適に用いられる。そして、これらの中から一種又は複数種類の化合物を選択して水に溶解することで、不溶化通水液が作製される。
本実施形態では、試験区2の不溶化通水液として硫酸第一鉄水溶液を用いた。具体的には濃度が0.5%となるように硫酸第一鉄を水道水に溶解した液を用いた。また、試験区23の不溶化通水液として、栄養材入りの硫酸第一鉄水溶液を用いた。この栄養材入り硫酸第一鉄水溶液は、濃度が0.5%となるように硫酸第一鉄を水道水に溶解した硫酸第一鉄水溶液に、濃度が0.2%となるようにグルコン酸ソーダを溶解することで作製した。なお、対照区の試験区1については、不溶化成分(水溶性鉄塩)を含有しない水道水を用いた。
次に、拡散性確認試験の手順について説明する。この拡散性確認試験では、まず初期通水液を各カラム14a〜14cに通水させ、各カラム14a〜14cの土壌試験土をシアン化合物で汚染させる。すなわち、試験区1,2については、フェロシアン含有水を1〜2mL/分程度の通水速度で、1000mL通水させた。試験区3については、栄養材入りのフェロシアン含有水を上記と同様に通水させた。
そして、試験区3については、栄養材入りのフェロシアン含有水を通水させた後、1週間ほど放置した。これは、土壌試験土に存在する嫌気性微生物を活性化させるためである。すなわち、この放置期間において嫌気性微生物は、グルコン酸ソーダを水素供与体及び炭素源として活性化され、土壌試験土を嫌気状態にする。本実施形態では1週間(7日間)放置して土壌試験土を嫌気状態にした。なお、嫌気状態とは、土壌中土中の溶存酸素が通常よりも低い所定値以下になった状態を意味する。本実施形態では、土中土壌中の溶存酸素が0.5mg/L以下の状態を嫌気状態とした。このような嫌気状態は、溶存酸素計(JIS K 102 32 溶存酸素測定方法,隔膜電極法)によって確認できる。
初期通水液の通水後、不溶化通水液等の通水を行った。すなわち、試験区1については水道水を通水させ、試験区2については硫酸第一鉄水溶液を通水させた。また、試験区3については栄養材入りの硫酸第一鉄水溶液を通水させた。ここでの通水は10回に分けて行った。すなわち、1回あたりの通水量を100mLとし、この通水処理を10回行うことで通水総量を1000mLとした。
その際、通水液をサンプリングして分析に供した。サンプリングは、第1サンプリング管15b、第2サンプリング管16b、排液管17のそれぞれから行った。すなわち、第1サンプリング管15bからは、第1カラム14aから排出された通水液をサンプリングした。同様に、第2サンプリング管16bからは、第2カラム14bから排出された通水液をサンプリングし、排液管17からは、第3カラム14cから排出された通水液をサンプリングした。なお、サンプリングは10回の通水処理のそれぞれにおいて行った。
このようにしてサンプリングされた通水液に対し、シアン分析と、pH測定と、溶存鉄分析とを行った。
シアン分析は、共立理化学研究所の商品名「パックテスト」(登録商標)を用いて行った。詳しくは、「全シアン(WA−CNT)用試薬;蒸留とピクリン酸法」を用いて行った。サンプリングした通水液は、まず、負の影響を与える残留塩素を除去するため、残留塩素除去剤(LR−C10−RA)を添加して蒸留した。なお、蒸留物は水酸化ナトリウムに吸収して回収した。次に、全シアン用パックテスト(WA−CNT試薬)の試薬R−1を入れて蒸留し、蒸留物は水酸化ナトリウムに吸収して回収した。そして、回収液に蒸留水を添加して25mLにした後、R−2試薬を添加して発色させた。吸光光度計(UV−160A、島津製作所製)を用い、波長を520nmに設定して、発色後の液体の吸光度を測定した。
pHの測定はガラス電極を用いて行い、溶存鉄分析は原子吸光法によって行った。溶存鉄分析について補足すると、サンプリングした通水液を1mL採取し、1Nの塩酸を0.1mL添加して鉄の沈殿を防止した。その後、原子吸光光度計を用いて溶存鉄の測定を行った。
以下、試験結果について説明する。ここで、図3は、対照区である第1試験区(水道水)での試験結果を説明する図である。図4は、比較例である第2試験区(硫酸第一鉄水溶液)での試験結果を説明する図である。図5は、比較例である第3試験区(栄養材入りの硫酸第一鉄水溶液)での試験結果を説明する図である。
これらの図において、(a)はシアン濃度の推移を、(b)はpHの推移を、(c)は溶存鉄濃度の推移をそれぞれ示している。また、図中「1本目」とは第1カラム14aから排出された通水液を、「2本目」とは第2カラム14bから排出された通水液を、「3本目」とは第3カラム14cから排出された通水液をそれぞれ示している。
まず、シアン濃度の試験結果について説明する。図3(a)に示すように、対照区である試験区1では、水道水100mLを通水させた際の各カラムのシアン濃度は4.8〜5.6mg/Lであった。そして、水道水100mL200mLを通水させた際のシアン濃度が6.0〜7.1mLといずれのカラムにおいても最も高かった。その後は、通水を重ねるごとにシアン濃度が低下していった。
濃度の低下度合いに関し、第1カラム14aから排出された通水液が最も顕著で、1000mL通液後のシアン濃度は0.64mg/Lであった。濃度の低下度合いが2番目に大きかったのが第2カラム14bから排出された通水液であった。この通水液における1000mL通液後のシアン濃度は1.5mg/Lであった。そして、第3カラム14cから排出された通水液は濃度の低下度合いが最も小さく、1000mL通液後のシアン濃度は3.8mg/Lであった。
図4(a)に示すように、比較例である試験区2では、不溶化通水液(硫酸第一鉄水溶液)を100mL通水させた際のシアン濃度が最も高く、3.2〜4.8mg/Lであった。その後、不溶化通水液の通水を重ねる毎にシアン濃度は低下した。例えば、500mL通液後のシアン濃度は、第1カラム14aからの通水液で0.41mg/L、第2カラム14bからの通水液で2.1mg/L、第3カラム14cからの通水液で0.69mg/Lであった。また、1000mL通液後のシアン濃度は、第1カラム14aからの通水液で0.16mg/L、第2カラム14bからの通水液で0.68mg/L、第3カラム14cからの通水液で0.16mg/Lであった。
図5(a)に示すように、本発明の試験例である試験区3では、栄養材入りの不溶化通水液(硫酸第一鉄水溶液+グルコン酸ソーダ)を100mL通水させた際のシアン濃度が最も高く、第1カラム14aからの通水液で5.32mg/L、第2カラム14bからの通水液で5.89mg/L、第3カラム14cからの通水液で1.53mg/Lであった。そして、栄養材入りの不溶化通水液を200mL通水させたところ、シアン濃度が急激に減少し、第1カラム14aからの通水液で0.23mg/L、第2カラム14bからの通水液で0.25mg/L、第3カラム14cからの通水液で0.31mg/Lになった。その後は、低い濃度を維持していた。例えば、第1カラム14aや第2カラム14bからの通水液で0.05〜0.17mg/L、第3カラム14cからの通水液で0.05〜0.15mg/Lであった。
次に、pHの測定結果について説明する。図3(b)に示すように、試験区1では、水道水の通水に拘わらずpHは概ね一定であった。例えば、第1カラム14aからの通水液では、400mL通水時点のpHが7.7、1000mL通水時点のpHが8.7になったものの概ねpH8.2〜8.3の範囲に収まっていた。また、第2カラム14bからの通水液ではpH8.6〜8.8の範囲に、第3カラム14cからの通水液ではpH8.2〜8.4の範囲に収まっていた。
図4(b)、図5(b)に示すように、試験区2,3では、第1カラム14aから排出された通水液のpHが低下したものの、その最低値はpH6.3〜6.4であった。そして、他のカラムから排出された通水液は概ねpH7.5〜8.5の範囲に収まっていた。通水液のpHに関しては、若干低下するケースもあったものの、概ね中性域(pH6〜8)であったといえる。
次に、溶存鉄濃度の試験結果について説明する。図3(c)に示すように、試験区1において、第1カラム14aの通水液における溶存鉄濃度は、通水を重ねる毎に減少する傾向か見られた。例えば、水道水を200mL通水させた際の溶存鉄濃度が1.4mg/L、400mL通水させた際の溶存鉄濃度が2.1mg/Lであったが、800〜1000mL通水させた際の溶存鉄濃度が0.3mg/Lであった。同様に、第2カラム14bの通水液では、水道水を100mL通水させた際の溶存鉄濃度が27mg/Lであったが、200〜300mL通水させると溶存鉄濃度が3mg/Lに低下し、700〜1000mL通水させると溶存鉄濃度が1mg/L以下にまで低下した。
なお、第3カラム14cに関し、通水液における溶存鉄濃度は、200mL通水時に0.2mg/Lまで低下したものの、全体的に5〜20mg/Lと高かった。第1,2カラム14a,14bの溶存鉄濃度は十分に低いことから、第3カラム14cに充填された試験土(砂質土)に対する中和が不十分であり、試験土由来の溶存鉄が検出されたと考えられる。
図4(c)に示すように、試験区2では、第1カラム14aからの通水液に関し、通水量が600mL以上になると溶存鉄濃度が急激に上昇する傾向が見られた。一方で、第2カラム14b及び第3カラム14cからの通水液に関しては、通水を重ねる毎に溶存鉄濃度が低下する傾向が見られた。
例えば、第1カラム14aの通水液では、500mL通水させた際の溶存鉄濃度が0.15mg/Lであったが、600mL通水させると溶存鉄濃度が9mg/Lに増加し、700mL通水させると溶存鉄濃度が64mg/Lに増加した。その後も溶存鉄濃度は増加し、1000mL通水させると801mg/Lに達した。一方、第2カラム14bの通水液では、100〜200mL通水させた際の溶存鉄濃度が6mg/Lであったが、400mL通水させると溶存鉄濃度が1mg/Lまで低下した。そして、通水量が600mL以上になると、溶存鉄濃度が0.15mg/Lまで低下した。同様に、第3カラム14cの通水液では、100〜200mL通水させた際の溶存鉄濃度が24〜22mg/Lであったが、300mL通水させると溶存鉄濃度が11mg/Lまで低下し、500mL通水させると溶存鉄濃度が4mg/Lまで低下した。その後も、通水量が増える程に溶存鉄濃度が低下し、1000mL通水させた際の溶存鉄濃度は0.15mg/Lであった。
図5(c)に示すように、試験区3では、程度に差はあるものの、通水量が増える毎に溶存鉄濃度も増える傾向が確認された。今回の試験では、第2カラム14bついて溶存鉄濃度が微増であったものの、第1,3カラムについて溶存鉄濃度の増加が顕著であった。
例えば、第2カラム14bの通水液では、100mL通水させた際の溶存鉄濃度が7mg/Lであった。その後、溶存鉄濃度は多少増加して12〜14mg/Lを維持していた。これに対し、第1カラム14aの通水液では、100mL通水させた際の溶存鉄濃度が17mg/Lであったが、通水を重ねる毎に濃度が増し、1000mL通水させた際の溶存鉄濃度は1253mg/Lであった。また、第3カラム14cの通水液では、200mL通水させた際の溶存鉄濃度が0.2mg/Lであったが、通水を重ねる毎に濃度が増し、1000mL通水させた際の溶存鉄濃度は9mg/Lであった。
以上の試験結果について考察する。栄養材(グルコン酸ソーダ)を事前に供給し、土壌試験土を嫌気状態にした試験区3では、嫌気状態にすることなく土壌試験土に不溶化溶液(硫酸第一鉄水溶液)を供給した試験区2よりもシアン濃度が早期にかつ急速に低下することが確認された。また、溶存鉄の移動性に関し、試験区3では、下流側である第2カラム14bや第3カラム14cにおいて、試験区2よりも溶存鉄の濃度が高いことが確認された。
ここで、シアン濃度の低下は、土壌中試験土中のシアン化合物に溶存鉄が反応してシアンが不溶化されることで生じる。このため、通水液における溶存鉄濃度が高いほど、シアンの不溶化能力が高いといえる。この点、試験区3では、第1カラム14aの通水液は、栄養材入り不溶化通水液の通水に伴って、液中の溶存鉄濃度が急激に上昇した。また、第2カラム14bや第3カラム14cの通水液でも、通水に伴う溶存鉄濃度の上昇が確認された。
なお、溶存鉄は、通水液が酸性になると移動性が向上するが、今回の試験において各試験区におけるpHは中性域(pH6〜8)であった。このため、通水液のpHによって溶存性鉄の移動性が向上したものでなく、嫌気性の土壌試験土がによって還元雰囲気になったことで溶存鉄の移動性が向上したと考えられる。
一方、比較例の試験区2では、シアン濃度の低下は緩慢であった。また、通水液の溶存鉄濃度に関し、第1カラム14aの通水液では通水量が500mLを超えると濃度の上昇が確認されたが、第2カラム14bや第3カラム14cの通水液では濃度の上昇は確認されなかった。
以上より、事前に嫌気状態にした地盤(土壌試験土)に不溶化通水液を通水することで、溶存鉄を地盤土壌の広い範囲に行き渡らせることができ、シアンの不溶化範囲を従来よりも拡げることができるといえる。
次に、以上の試験結果に基づくシアン汚染地盤土壌のシアン不溶化処理について説明する。ここで、図6は、不溶化処理を説明する図である。
図6(a)に示すように、この不溶化処理では、まず嫌気処理を行う。この嫌気処理では、シアン汚染地盤Gに注水井戸21を設け、この注水井戸21に嫌気性微生物の栄養材X1を注入する。例えば、濃度0.2%のグルコン酸ソーダ水溶液を注水井戸21に注入する。そして、図6(b)に示すように、不溶化範囲G1の嫌気性微生物が活性化し、土壌が嫌気性になるまで放置する。
地盤Gにおける嫌気度合いを測定するためには、例えば地盤土壌中の溶存酸素を測定すればよい(嫌気度測定)。例えば、不溶化範囲G1のから土土壌を採取し、溶存酸素計で溶存酸素を測定する。そして、採取土土壌中の溶存酸素が判断基準値(0.5mg/L)以下になっていれば、嫌気状態と判断する。なお、事前に予備実験をし、嫌気性となるまでに必要な放置期間を求めておき、その放置期間に亘って放置してもよい。
不溶化範囲G1土壌が嫌気性になったならば、不溶化材注入処理を行う。図6(c)に示すように、この不溶化材注入処理では、栄養材入りの不溶化材X2を注入井戸から注入する。例えば、濃度0.5%の硫酸第一鉄水溶液に、濃度0.2%となるようにグルコン酸ソーダを溶解したものを、不溶化材X2として注入する。これにより、第一鉄イオンが地盤土壌中を拡散するが、不溶化範囲G1の土壌地盤が嫌気性であるため、第一鉄イオンはその多くが第一鉄イオンのまま(すなわち酸化されずに)拡散される。その結果、第一鉄イオンを広い範囲に拡散させることができ、地盤Gの汚染源である土壌中のシアンを不溶化できる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
嫌気性微生物の栄養材に関し、前述の実施形態ではグルコン酸ソーダを例示したが、これに限定されるものではない。嫌気性微生物を活性化させるためには、水素の供給が不可欠であることから、水素供与体として機能する素材であれば、嫌気性微生物の栄養材として使用できる。
特に、栄養材としてグルコン酸及びグルコン酸誘導体を用いた場合には、嫌気性微生物によって速やかに分解及び吸収されるので、他の種類の栄養材を用いた場合よりも、嫌気性微生物の活性化の度合いを高めることができ、嫌気状態を早期に形成できる。なお、グルコン酸誘導体としては、例えば、グルコン酸塩、グルコン酸アミド、グルコン酸エステル、グルコン酸無水物等がある。
また、不溶化材に関し、前述の実施形態では栄養材入りの不溶化材X2を例示したが、これに限定されるものではない。嫌気処理で土壌地盤が嫌気性になっているので、栄養材の入っていない不溶化材(例えば、硫酸第一鉄水溶液や塩化第一鉄水溶液)を注入井戸21に注入してもよい。
また、嫌気度測定に関し、前述の実施形態では汚染地盤G(土壌採取土)の溶存酸素を測定するようにしたが、これに限定されない。例えば、嫌気性微生物の量を測定してもよいし、酸化還元電位を測定してもよい。
10…試験装置,11…通水液容器,12…チューブポンプ,13…第1チューブ,14…カラム群,14a…第1カラム,14b…第2カラム,14c…第3カラム,15…第2チューブ,15a…第1三方弁,15b…第1サンプリング管,16…第3チューブ,16a…第2三方弁,16b…第2サンプリング管,17…排液管,21…注水井戸,X1…嫌気性微生物の栄養材,X2…不溶化材,G…シアン汚染地盤,G1…不溶化範囲

Claims (5)

  1. 汚染地盤に含まれるシアンを不溶化する不溶化処理方法であって、
    前記汚染地盤に栄養材を注入することで前記地盤中の嫌気性微生物を活性化し、前記地盤を嫌気性にする嫌気処理と、
    水溶性鉄塩を含有する不溶化材を、嫌気性の前記汚染地盤に注入する不溶化材注入処理とを行うことを特徴とするシアン汚染地盤の不溶化処理方法。
  2. 前記栄養材は、グルコン酸及びグルコン酸誘導体の少なくとも一方を主成分として含有していることを特徴とする請求項1に記載のシアン汚染地盤の不溶化処理方法。
  3. 前記水溶性鉄塩は、硫酸第一鉄、塩酸第一鉄、硝酸第一鉄、リン酸第一鉄、酢酸第一鉄、シュウ酸第一鉄、トリフルオロメタンスルホン酸鉄、乳酸鉄、グルコン酸鉄、及び、クエン酸鉄から選ばれる一種又は複数種類であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシアン汚染地盤の不溶化処理方法。
  4. 前記嫌気処理と前記不溶化材注入処理との間に、前記嫌気処理後における地盤の嫌気度合いを測定する嫌気度測定を行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のシアン汚染地盤の不溶化処理方法。
  5. 前記嫌気度測定では、前記嫌気処理後の地盤における溶存酸素を測定することを特徴とする請求項4に記載のシアン汚染地盤の不溶化処理方法。
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