JP2015123381A - 水処理薬剤及び水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】好気処理をより効率的に行うことができる水処理薬剤、及び、これを用いた水処理方法を提供する。
【解決手段】有機性排水を好気処理する際に有機性排水に添加する水処理薬剤であって、鉄イオン、マンガンイオン、銅イオン、亜鉛イオン及びモリブデンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種のイオンを水中で生じる少なくとも一種の化学種と、上記イオンとキレート化合物を形成しうる少なくとも一種のキレート剤と、を含む、水処理薬剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理薬剤及び水処理方法に関する。
従来、有機性排水を好気的条件下で生物処理する技術が知られている。このような好気処理において用いられる好気性細菌は、代謝活動等を行うための栄養源として、窒素やリンのほか、鉄、マグネシウム、カルシウム等の微量元素を必要とする。微量元素は通常、有機性排水中に含まれているが、化学工場由来の排水のように微量元素が乏しい排水を処理する場合には、好気性細菌にとって十分量の微量元素を確保するために、微量元素を含む水処理薬剤を人為的に添加することがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−317871号公報
ここで、有機性排水中の微量元素は、水中の溶存酸素によって酸化されて不溶化し、又は難溶性の金属塩を形成し、好気性細菌が利用できなくなる傾向がある。このため、好気処理の効率向上のために人為的に微量元素を添加した場合でも、所期の効果を十分に得られないことがある。従って、添加による所期の効果を得られる水処理薬剤が求められている。
そこで本発明は、好気処理をより効率的に行うことができる水処理薬剤、及び、これを用いた水処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の水処理薬剤、及び、水処理方法を提供する。
[1]有機性排水を好気処理する際に有機性排水に添加する水処理薬剤であって、鉄イオン、マンガンイオン、銅イオン、亜鉛イオン及びモリブデンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種のイオンを水中で生じる少なくとも一種の化学種と、上記イオンとキレート化合物を形成しうる少なくとも一種のキレート剤と、を含む、水処理薬剤。
[2]有機性排水を好気処理する際に有機性排水に添加する水処理薬剤であって、鉄イオン、マンガンイオン、銅イオン、亜鉛イオン及びモリブデンイオンを水中で生じる少なくとも一種の化学種と、上記イオンとキレート化合物を形成しうる少なくとも一種のキレート剤と、を含む、水処理薬剤。
[3]ホウ素原子を含むイオンを水中で生じる化学種を更に含む、[1]又は[2]の水処理薬剤。
[4]キレート剤は、アミノカルボン酸類、ホスホン酸類、オキシカルボン酸類、カルボン酸類、天然由来の高分子有機酸類及びアミン類からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物群に属する化合物である、[1]〜[3]のいずれか一つの水処理薬剤。
[5]キレート剤は、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ビス(o−アミノフェノキシド)エタン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、イミノ二酢酸、エチドロン酸、グルコン酸、クエン酸、フルボ酸、18−クラウン−6、サイクレン、フェナントロリン及びポルフィリン、並びにこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、[1]〜[3]のいずれか一つの水処理薬剤。
[6]少なくとも一種の菌体を含む、[1]〜[5]のいずれか一つの水処理薬剤。
[7]菌体は、Bacillus属、Pseudomonas属、Acinetobacter属、Corynebacterium属、Enterobacter属、Zoogloea属、Flavobacterium属、Blastomonas属、Enhydrobacter属、Microbacterium属、Mycobacterium属、Oligotropha属、Staphylococcus属、Thermomonas属及びXanthomonas属、Nitrosomonas属、Nitorosococcus属、Nitrosospira属、Nitrobacter属、Nitrospira属からなる群より選ばれる少なくとも一種の属に属する菌体である、[6]の水処理薬剤。
[8][1]〜[7]のいずれか一つの水処理薬剤を有機性排水に添加して有機性排水を好気処理する、水処理方法。
本発明によれば、好気処理をより効率的に行うことができる水処理薬剤、及び、これを用いた水処理方法を提供することができる。
従来、当業者の間では、有機性排水にキレート剤を添加すると、好気性細菌に取り込まれるべき微量元素がキレート剤に捕捉されてしまい、好気性細菌の生育に悪影響が出ると考えられていた。しかしながら、本発明ではこの通念に反し、有機性排水にキレート剤を添加する。本発明者らが今回見出した知見によれば、上記効果が奏される理由として、以下のことが推測される。
すなわち、キレート剤の添加によって、水処理薬剤中の化学種の溶解性、及び、各種金属イオンの水中での安定性が向上する。ここで、従来キレート剤が添加されていない場合は、時間が経つにつれて一部の金属イオンが溶存酸素(原水中の酸素、及び、生物処理槽内の曝気による酸素等)によって酸化されて不溶化し、又は難溶性の金属塩を形成し、好気性細菌が利用できない形態となってしまうところ、キレート剤が添加されていると、金属イオンがキレート剤に捕捉されてキレート化合物を形成し、溶存酸素に酸化されにくくなる。そして、キレート化合物が好気性細菌に対して金属イオンを徐々に供給する供給源として働く。つまり、キレート剤及びフリーの金属イオンと、これらが互いに結合したキレート化合物との間に化学的平衡状態が成立し、キレート剤を仲介として、金属イオンの水中での安定性と好気性細菌への供給とがうまく調節されていると考えられる。
微量元素、及び、キレート剤の効果を確認するためのグラフである。 各微量元素が欠けた場合の効果を確認するためのグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<水処理薬剤>
本実施形態の水処理薬剤は、有機性排水を好気処理する際に有機性排水に添加されるものであり、少なくとも一種の化学種と、少なくとも一種のキレート剤とを含むものである。水処理薬剤は、例えば活性汚泥が収容された生物処理槽内に添加されて使用される。
(化学種)
化学種は、好気性細菌の代謝活動等に必要な微量元素を供給するものであって、鉄イオン、マンガンイオン、銅イオン、亜鉛イオン及びモリブデンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種のイオンを水中で生じるものである。本明細書において「化学種」とは、単体及び化合物を指し、「化合物」には二種以上の原子が互いに共有結合又は配位結合等をしてなる化合物のほか、塩や水和物等も含まれるものとする。
化学種としては、有機性排水に溶解(電離)して金属原子を含むイオンを生じるものを用いる。水中で電離する必要性の観点から、水溶性の高い塩であることが好ましい。例えば、化学種として、当該金属の硫酸塩(硫酸第一鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン)が挙げられる。モリブデンイオンは、本明細書ではモリブデン酸イオンを含む概念であり、これを生じる化学種としてはモリブデン酸ナトリウムが挙げられる。
好気性細菌に効率的に微量元素を供給する観点から、化学種は、鉄イオン、マンガンイオン、銅イオン、亜鉛イオン及びモリブデンイオンの五種類全てを水中で生じる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。また、これらのイオンのうちのいずれか四種類を水中で生じる少なくとも一種の化合物を含んでいてもよく、いずれか三種類を水中で生じる少なくとも一種の化合物を含んでいてもよく、いずれか二種類を水中で生じる少なくとも一種の化合物を含んでいてもよい。
水処理薬剤は、好気性細菌の生育を良好にする観点から、ホウ素原子を含むイオンを水中で生じる化学種を更に含むことが好ましい。この化学種としては、例えばホウ酸が挙げられる。
水処理薬剤に含まれる化学種相互の好ましい量は、好気性細菌に対する栄養バランスや有機性排水中に不足しがちな成分の種類等を考慮して任意に決めることができる。例えば、各元素のイオンのモル比として、鉄:マンガン:銅:亜鉛:モリブデン:ホウ素=100:10〜200:5〜100:1〜25:1〜25:10〜200であることが好ましく、100:20〜80:10〜40:3〜10:3〜10:20〜80であることがより好ましい。ただし、水処理薬剤を添加する有機性排水に既にこれらの金属イオンが含まれており本実施形態の水処理薬剤添加による濃度増加が10%未満となる元素や、排水規制上の制限などにより無添加が望ましい元素は、添加しないことも好ましい。
水処理薬剤に含まれる化学種としては、上記のほか、好気性細菌の栄養源となりうるナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の他のイオンを生じる化学種を更に含んでいてもよい。
(キレート剤)
水処理薬剤は、上記各イオンの少なくとも一種にキレートしてキレート化合物を形成しうる少なくとも一種のキレート剤を含む。ここで、「キレート剤」とは、複数の配位座を有する配位子(多座配位子)を指し、「キレート化合物」とは、イオンにキレート剤が配位して形成される錯体を指す。
キレート剤としては、上記各イオンに対してキレート可能な点、及び、水溶性の観点から、アミノカルボン酸類、ホスホン酸類、オキシカルボン酸類、カルボン酸類、天然由来の高分子有機酸類及びアミン類からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物群に属する化合物であることが好ましい。
また、キレート剤としては、具体的には、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ビス(o−アミノフェノキシド)エタン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、イミノ二酢酸、エチドロン酸、グルコン酸、クエン酸、フルボ酸、18−クラウン−6、サイクレン、フェナントロリン及びポルフィリン等が好ましい。また、水溶性を高める観点から、これらの塩を用いることも好ましい。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記イオンの全体(ホウ素を含む場合はホウ素も考慮する)とキレート剤との配合割合は、モル比として1:0.2〜3であることが好ましく、1:1〜3であることが好ましい。ここで、キレート剤のモル比の値のうち、0.2〜1の範囲については、有機性排水中にアンモニアイオン等が存在すればそれらがキレート剤の代わりに上記イオンと錯体を形成するので、キレート剤を当量以上入れる必要性が低くなることを考慮したものである。また、キレート剤のモル比の値のうち、1〜3の範囲については、量的に余裕をもってキレートを形成するためには当量〜3倍程度のモル比が望ましいことを考慮したものである。
(菌体)
水処理薬剤は、少なくとも一種の菌体を含んでいることが好ましい。菌体としては、有機性排水に一般に含まれている好気性細菌であることが好ましく、これにより生物処理を行う好気性細菌を補うことができる。菌体としては、Bacillus(バシラス)属、Pseudomonas(シュードモナス)属、Acinetobacter(アシネトバクター)属、Corynebacterium(コリネバクテリウム)属、Enterobacter(エンテロバクター)属、Zoogloea(ズーグレア)属、Flavobacterium(フラボバクテリウム)属、Blastomonas(ブラストモナス)属、Enhydrobacter(エンヒドロバクター)属、Microbacterium(ミクロバクテリウム)属、Mycobacterium(ミコバクテリウム)属、Oligotropha(オリゴトロファ)属、Staphylococcus(スタフィロコッカス)属、Thermomonas(サーモモナス)属及びXanthomonas(キサントモナス)属、Nitrosomonas(ニトロソモナス)属、Nitorosococcus(ニトロソコッカス)属、Nitrosospira(ニトロソスピラ)属、Nitrobacter(ニトロバクター)属、Nitrospira(ニトロスピラ)属等に属する菌体が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
これらの好気性細菌は、生物処理槽内に生育し、例えば、有機性排水を活性汚泥法で処理する場合における活性汚泥を形成していることが好ましい。
<水処理方法>
本実施形態の水処理方法は、上記水処理薬剤を有機性排水に添加して有機性排水を好気処理する。好気処理を行う設備であればどのような設備にでも実施可能であるが、例えば、活性汚泥が収容された生物処理槽内に水処理薬剤を添加する。このとき、水処理薬剤は粉末状で添加してもよく、溶液状としてタンクに蓄えた後、これを滴下する方法で添加してもよい。
<作用効果>
以上説明した水処理薬剤又は水処理方法によれば、各種微量元素が所期のとおり好気性細菌の栄養源となるため、好気性細菌の性状及び有機性排水の処理性が改善され、好気処理をより効率的に行うことができる。この作用効果について、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、キレート剤の添加によって、水処理薬剤中の化学種の溶解性、及び、各種金属イオンの水中での安定性が向上する。ここで、従来キレート剤が添加されていない場合は、時間が経つにつれて一部の金属イオンが溶存酸素(原水中の酸素、及び、生物処理槽内の曝気による酸素等)によって酸化されて不溶化し、又は難溶性の金属塩を形成し、好気性細菌が利用できない形態となってしまうところ、キレート剤が添加されていると、金属イオンがキレート剤に捕捉されてキレート化合物を形成し、溶存酸素に酸化されにくくなる。そして、キレート化合物が好気性細菌に対して金属イオンを徐々に供給する供給源として働く。つまり、キレート剤及びフリーの金属イオンと、これらが互いに結合したキレート化合物との間に化学的平衡状態が成立し、キレート剤を仲介として、金属イオンの水中での安定性と好気性細菌への供給とがうまく調節されていると考えられる。
また、本実施形態において、生物処理槽の後工程に固液分離槽(沈殿槽、膜分離槽等)が設けられ固液分離を行う場合にあっては、固液分離性も向上する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において適宜変更した実施形態とすることが可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<微量元素、及び、キレート剤の効果>
蒸留水、ミネラルウォーター及びリン酸水素二アンモニウム水溶液を混合し、オートクレーブで殺菌した(120℃、20分)。その後、混合液を複数の三角フラスコに分注し、表1に示した組成となるように、各三角フラスコにグルコース水、浄化槽汚泥、及び、各種薬剤を添加し、25℃で振盪培養した。ここで、混合液、グルコース水、浄化槽汚泥及び各種薬剤の性状、並びに、振盪培養の条件は次のとおりである。
・混合液:蒸留水900mL、ミネラルウォーター「富士山のおいしい水」(アサヒ飲料社製;Mg2+=2.4mg/L、Ca2+=8.5mg/Lを含有)100mL、リン酸水素二アンモニウム水溶液(20g/L)3mLの比率で混合したもの。
・グルコース水:1.5wt%グルコース水溶液。
・浄化槽汚泥:浄化槽から採取した汚泥。
・各種薬剤:エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸・鉄ナトリウム塩・三水和物、硫酸第一鉄・七水和物(FeSO・7HO)、硫酸マンガン・一水和物(MnSO・HO)、硫酸銅・五水和物(CuSO・5HO)、硫酸亜鉛・七水和物(ZnSO・7HO)、モリブデン酸ナトリウム・二水和物(MoONa・2HO)、及び、ホウ酸(B(OH))の各水溶液。いずれも100mg/L。
上記調製後、pHが5.0〜9.0の範囲を外れている場合は、硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液でpHが5.0〜9.0となるように調整した。
・培養液量:323mL
・振盪速度:100rpm
Figure 2015123381
培養開始後、0.5日後、3日後、6日後、13日後、26日後、40日後に培養液の一部を取り出し、培養液中の懸濁物質を0.45μmフィルターで濾過し、溶存有機炭素(DOC)の濃度をTOC計((株)島津製作所製、全有機炭素計:TOC−V SCN)で測定した。この測定は、「JIS K−0102 工場排水試験方法」に準じ、燃焼酸化−赤外線式TOC分析法で実施した。結果を表2及び図1に示す。
Figure 2015123381
これらの結果から、キレート剤のみを添加した場合は好気処理に影響しないこと(比較例1と比較例2の対比)、微量元素の添加によって好気処理が効率的に進むこと(比較例1と比較例3の対比)、及び、微量元素とキレート剤との両方を添加すると好気処理が一層効率的に進むこと(比較例2又は比較例3と実施例1との対比)がわかる。すなわち、微量元素とキレート剤とが相乗的な効果を発揮していると考えられる。
<各微量元素が欠けた場合の効果>
蒸留水、ミネラルウォーター及びリン酸水素二アンモニウム水溶液を混合し、オートクレーブで殺菌した(120℃、20分)。その後、混合液を複数の三角フラスコに分注し、表3に示した組成となるように、各三角フラスコにアニリン水、浄化槽汚泥、及び、各種薬剤を添加し、25℃で振盪培養した。ここで、混合液、アニリン水、浄化槽汚泥及び各種薬剤の性状、並びに、振盪培養の条件は次のとおりである。
・混合液:蒸留水900mL、ミネラルウォーター「富士山のおいしい水」(アサヒ飲料社製;Mg2+=2.4mg/L、Ca2+=8.5mg/Lを含有)100mL、リン酸水素二アンモニウム水溶液(20g/L)3mLの比率で混合したもの。
・アニリン水:1.0wt%アニリン水溶液。
・浄化槽汚泥:浄化槽から採取した汚泥。
・各種薬剤:エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸・鉄ナトリウム塩・三水和物、硫酸第一鉄・七水和物(FeSO・7HO)、硫酸マンガン・一水和物(MnSO・HO)、硫酸銅・五水和物(CuSO・5HO)、硫酸亜鉛・七水和物(ZnSO・7HO)、モリブデン酸ナトリウム・二水和物(MoONa・2HO)、及び、ホウ酸(B(OH))の各水溶液。いずれも100mg/L。
上記調製後、pHが5.0〜9.0の範囲を外れている場合は、硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液でpHが5.0〜9.0となるように調整した。
・培養液量:328mL
・振盪速度:100rpm
Figure 2015123381
培養開始後、0.5日後、2日後、7日後、14日後、23日後、29日後、36日後、43日後、56日後、70日後に培養液の一部を取り出し、培養液中の懸濁物質を0.45μmフィルターで濾過し、溶存有機炭素(DOC)の濃度をTOC計((株)島津製作所製、全有機炭素計:TOC−V SCN)で測定した。この測定は、「JIS K−0102 工場排水試験方法」に準じ、燃焼酸化−赤外線式TOC分析法で実施した。結果を表4及び図2に示す。
Figure 2015123381
これらの結果によれば、鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、又はホウ素の原子を含む各種イオンのいずれか一つが欠けると好気処理の効率が悪くなっていることから、いずれのイオンも好気処理に対して促進効果を有していることがわかる。
本発明は、有機性排水を好気的条件下で生物処理する場面(すなわち好気処理の場面)で利用することができる。

Claims (8)

  1. 有機性排水を好気処理する際に前記有機性排水に添加する水処理薬剤であって、
    鉄イオン、マンガンイオン、銅イオン、亜鉛イオン及びモリブデンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種のイオンを水中で生じる少なくとも一種の化学種と、
    前記イオンとキレート化合物を形成しうる少なくとも一種のキレート剤と、を含む、水処理薬剤。
  2. 有機性排水を好気処理する際に前記有機性排水に添加する水処理薬剤であって、
    鉄イオン、マンガンイオン、銅イオン、亜鉛イオン及びモリブデンイオンを水中で生じる少なくとも一種の化学種と、
    前記イオンとキレート化合物を形成しうる少なくとも一種のキレート剤と、を含む、水処理薬剤。
  3. ホウ素原子を含むイオンを水中で生じる化学種を更に含む、請求項1又は2記載の水処理薬剤。
  4. 前記キレート剤は、アミノカルボン酸類、ホスホン酸類、オキシカルボン酸類、カルボン酸類、天然由来の高分子有機酸類及びアミン類からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物群に属する化合物である、請求項1〜3のいずれか一項記載の水処理薬剤。
  5. 前記キレート剤は、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ビス(o−アミノフェノキシド)エタン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、イミノ二酢酸、エチドロン酸、グルコン酸、クエン酸、フルボ酸、18−クラウン−6、サイクレン、フェナントロリン及びポルフィリン、並びにこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項1〜3のいずれか一項記載の水処理薬剤。
  6. 少なくとも一種の菌体を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の水処理薬剤。
  7. 前記菌体は、Bacillus属、Pseudomonas属、Acinetobacter属、Corynebacterium属、Enterobacter属、Zoogloea属、Flavobacterium属、Blastomonas属、Enhydrobacter属、Microbacterium属、Mycobacterium属、Oligotropha属、Staphylococcus属、Thermomonas属及びXanthomonas属、Nitrosomonas属、Nitorosococcus属、Nitrosospira属、Nitrobacter属、Nitrospira属からなる群より選ばれる少なくとも一種の属に属する菌体である、請求項6記載の水処理薬剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載の水処理薬剤を前記有機性排水に添加して前記有機性排水を好気処理する、水処理方法。
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