JP6226719B2 - 廃水の処理方法 - Google Patents
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〔式(1)中、R1は、炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基またはベンジル基を表す。〕
〔式(2)中、R1は、炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す。〕
また、前記含窒素化合物の添加量を、廃水中における含窒素化合物の濃度が0.5〜200mg/Lとなるようにすることが挙げられる。さらに、前記廃水中のシアン成分を不溶化する工程後に、不溶化したシアン化合物を固液分離する工程を設けることや、シアン含有廃水中に、石炭、コークス、活性炭又は粘土鉱物のいずれかが含まれるように構成することが挙げられる。
まず、以下に、本発明の処理方法で使用する薬剤について説明する。
本発明者らは、本発明の目的を達成できる薬剤について鋭意検討の結果、シアン含有廃水に、有機含窒素化合物、好ましくは、炭素数が5以上であり、かつ、廃水中でカチオンを生じる有機含窒素化合物を添加して、シアン含有廃水中のシアン成分と共存させた場合に、廃水中のシアン成分を不溶化させることができ、さらに、不溶化したシアン化合物は、廃水中の懸濁性物質とともに容易に固液分離されることがわかった。このため、このような有機含窒素化合物を、廃水中のSS分を除去するために一般的に用いられている沈殿槽内に添加すれば、シアン含有廃水中のシアン成分を除去することが可能になる。
〔式(1)中、R1は、炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基またはベンジル基を表す。〕
より具体的なものとしては、R1が、C4H9、C8H17、C10H21、C12H25などであり、かつ、R2、R3およびR4が、それぞれ独立に、CH3、C4H9、C10H21、C8H17、ベンジル基などである構造のものが挙げられる。
〔式(2)中、R1は、炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す。〕
より具体的なものとしては、R1がC12H25などである構造のものが挙げられる。
本発明者らは、上記した有機含窒素化合物(以下、単に「有機含窒素化合物」とも呼ぶ)を用い、実際にシアン含有廃水に適用して処理を行った結果、当該化合物をより効率的に利用できる方法を見出して本発明を達成した。
本発明で使用する廃水中の第一鉄イオン(Fe2+)を生じさせるための第一鉄塩としては、例えば、塩化鉄(II)、硫酸鉄(II)、硝酸鉄(II)などが挙げられる。これらは単一で加えてもよいし、混合して加えてもよい。先にも述べたように、これらの第一鉄塩を沈殿槽に廃水を導入前の段階で、或いは沈殿槽内にシアン含有廃水を導入すると同時に添加することで、沈殿槽内で第一鉄イオンを生じ、沈殿処理が行われる間に、生じた第一鉄イオンFe2+は、廃水中のシアン化物イオンと反応して、そのほとんどが、確実に錯イオン(フェロシアン化物イオン)となったものと考えられる。
先述したように、上記したような第一鉄塩と、廃水中のシアン化物イオンとから生成したフェロシアン化物イオンは、例えば、テトラアルキルアンモニウム化合物などの有機含窒素化合物と反応して不溶化するが、廃水中に、第一銅イオンCu+が共存していると不溶化が促進されて、難溶性の金属錯塩として析出させることができるようになる。この際に使用する第一銅イオンCu+を生じさせることができる第一銅塩としては、例えば、塩化銅、硫酸銅などが挙げられる。これらは1つを用いてもよいし、2つ以上を混合して用いてもよい。
上記したように、本発明の処理方法では、廃液中の全シアン成分を、容易に且つ確実に不溶化させることができ、不溶化したシアン化合物は廃水中の懸濁物質に容易に吸着するので、その後に、これらの懸濁物質や不溶化したシアン成分を固液分離することで、効率よく、しかも確実に安全な状態で廃液中の全シアン成分を除去することが可能なる。上記した懸濁物質および不溶化したシアン化合物を固液分離する方法としては、一般に使用されている、例えば、重力沈降を利用した沈殿や、加圧浮上、ろ過、遠心分離などの方法をいずれも用いることができる。また、固液分離の前に、一般に使用されている、例えば、ポリ塩化アルミ(PAC)などの無機凝集剤や、ポリアクリルアミドなどの有機高分子凝集剤を使用してもよい。
<有機含窒素化合物と併用する金属イオンについての検討>
(模擬廃水)
シアンを含有しない工場廃水を用い、該廃水に、12.5mg/L(5mg−CN/L)のシアン化カリウムおよび35.4mg/L(15mg−CN/L)のフェロシアン化カリウムをそれぞれ添加し、廃水中の全シアン濃度が略20mg/Lになるように調整した。そして、これを模擬廃水とした。
まず、300mLの各ビーカーに、上記で用意した模擬廃水を200mLずつ入れた。次に、それぞれのビーカーに、前記一般式(1)中のR1〜R4が表1に示したそれぞれである薬剤、或いは前記一般式(2)中のR1が表1に示した薬剤と、これと共に廃水中でFe2+又はCu+を生じる塩化第一鉄又は塩化第一銅を加えて、下記のようにして処理を行った。すなわち、模擬廃水に、表1に示した薬剤をそれぞれの濃度になるように添加し、60分間、室温で撹拌しながら処理を行った。その後、5Cのろ紙で濾過した。このようにして得られたろ液を検水として、JIS K0102に規定される方法で、全シアンの濃度を測定し、薬剤の効果についての評価を行った。なお、各処理の開始時におけるpHは、6以上になるように調整した。
(模擬廃水)
シアンを含有しない工場排水を用い、該廃水に、70.6mg/L(25mg−CN/L)のシアン化カリウムおよび59mg/L(25mg−CN/L)のフェロシアン化カリウムをそれぞれ添加し、廃水中の全シアン濃度が50mg/Lになるように調整した。そして、これを模擬廃水とした。
まず、上記で用意した模擬廃水を20L用意した。次に、10Lの模擬沈殿槽に、上記模擬廃水を100ml/分で通水し、沈殿槽の前段または後段に表2に示した薬剤を所定の濃度になるように添加して、その処理水を固液分離する処理を行った。すなわち、実施例では、沈殿槽に導入する前の段階で模擬廃水に塩化第一鉄を添加し、その後に沈殿槽に送水して沈殿槽で処理した後、先の試験例1で使用したと同様の有機含窒素化合物と塩化第一銅とを表1に示した濃度で添加して処理を行った。沈殿槽での処理は、60分間、室温で撹拌しながら処理を行った。有機含窒素化合物と塩化第一銅の添加を、実施例1と2では、沈殿槽から流出した廃水に添加し、その後に流出廃水について固液分離を行って5Aのろ紙でろ過した。また、実施例3と4では、沈殿槽での処理を60分間とし、有機含窒素化合物と塩化第一銅の添加を、沈殿槽での処理の開始から30分後に行い、その後に固液分離を行った。比較例では、沈殿槽に模擬廃水を導入した後の段階で模擬廃水に、塩化第一鉄と有機含窒素化合物と塩化第一銅とを一緒に添加し、その後に沈殿槽に送水して、沈殿槽で、60分間、室温で撹拌しながら処理を行い、その後に固液分離を行った。
Claims (4)
- シアン含有廃水に第一鉄塩と含窒素化合物と第一銅塩とを添加して、シアン含有廃水中のシアン成分を不溶化して除去するシアン含有廃水の処理方法であって、
上記含窒素化合物が有機含窒素化合物であり、
前記有機含窒素化合物が、下記一般式(1)で表されるテトラアルキルアンモニウム化合物または下記一般式(2)で表されるピリジニウム塩から選ばれるいずれかの化合物であり、
沈殿槽にシアン含有廃水を導入する前の段階で或いは導入すると同時に第一鉄塩を添加して、その後に有機含窒素化合物と第一銅塩とを添加して、処理対象とするシアン含有廃水中にさらにこれらの成分を共存させて廃水中のシアン成分を不溶化する工程を有することを特徴とするシアン含有廃水の処理方法。
〔式(1)中、R 1 は、炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基またはベンジル基を表す。〕
〔式(2)中、R 1 は、炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す。〕 - 前記含窒素化合物の添加量を、廃水中における含窒素化合物の濃度が0.5〜200mg/Lとなるようにする請求項1に記載のシアン含有廃水の処理方法。
- 前記廃水中のシアン成分を不溶化する工程後に、不溶化したシアン化合物を固液分離する工程を設ける請求項1又は2に記載のシアン含有廃水の処理方法。
- 前記シアン含有廃水中に、石炭、コークス、活性炭又は粘土鉱物のいずれかが含まれるように構成する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシアン含有廃水の処理方法。
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