JP2019214020A - Cod成分を含む廃水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]酸化処理工程後の活性炭による吸着工程を不要にできるCOD成分を含む廃水の処理方法であって、酸化処理工程に先立って行う凝集剤による凝集処理工程で、被処理水に無機凝集剤を添加して処理した後に、さらに被処理水に有機凝集剤を添加して処理し、かつ、前記無機凝集剤を添加する際に活性炭を添加して無機凝集剤と活性炭とを共存させて処理することを特徴とするCOD成分を含む廃水の処理方法。
[2]前記無機凝集剤が、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム及び塩化アルミニウムを含むアルミ系凝集剤、及び/又は、硫酸第二鉄、塩化第二鉄及びポリ硫酸鉄を含む鉄系凝集剤からなる群から選択される少なくともいずれかであること;
[3]前記活性炭が、平均粒径が200μm以下で、比表面積が800〜2000m2/gの粉末であり、該粉末を水に分散させて添加すること;
[4]前記酸化処理工程での処理が、酸素系酸化剤と金属触媒とで生じるヒドロキシラジカルを利用した酸化促進処理であって、かつ、前記酸素系酸化剤の使用量に対する前記活性炭添加量の比が、0.5〜20であること;
[5]前記酸化処理工程での処理が、オゾンを利用した酸化促進処理であること;
[6]前記酸化処理工程での処理の後、さらに、被処理水に有機凝集剤を添加して凝集処理すること;
[7]前記活性炭の添加量が、COD成分に対して、1〜10倍であること;が挙げられる。
本発明のCOD成分を含む廃水の処理方法は、図1に示したように、その基本フローは、図4に示した従来技術と同様に、凝集剤による凝集処理工程後に、促進酸化処理等の酸化処理を行ってCOD成分を分解するが、図4に示した従来の処理フローで必須としていた最終の活性炭吸着工程を不要にできるという顕著な効果を奏する。
本発明の処理方法は、COD成分を含む各種の廃水にいずれも適用できる。例えば、全CODとして20〜1500mg/L、溶解性CODとして20〜1000mg/Lである廃水の浄化処理に適用した場合に、より大きな効果が得られる。このような性状を示す被処理水としては、下記に挙げるような各種の廃水等が挙げられる。具体的には、例えば、埋立場浸出汚水、天然ガス精製廃水、し尿生物処理水、家畜糞尿含有水、屠殺場排水、パルプ製造廃水、コーヒー・お茶等飲料製造廃水、製糖廃水、醤油・味噌製造等醸造廃水、廃糖蜜(グルタミン酸製造、イースト製造、その他発酵微生物産生品製造等)廃水、石油精製廃水、石炭化学廃水、コークス炉ガス凝縮水(安水)、石油化学廃水、熱分解工程廃水、塩析廃液、蒸留釜残廃液、無電解メッキ廃水、水溶性研磨・圧延油廃水、金属表面処理脱脂廃水(精密機械加工から鉄鋼・自動車製造まで)、写真現像排水、フォトレジスト排水、油脂化学・界面活性剤製造廃水等が挙げられる。
本発明の処理方法では、酸化処理工程に先立って行う凝集剤による凝集処理工程で、まず、廃水に無機凝集剤を添加して処理した後に、さらに廃水に有機凝集剤を添加して処理を行う。そして、無機凝集剤を添加する際に活性炭を添加して、無機凝集剤と活性炭とを共存させて処理することを特徴とする。まず、凝集処理工程で用いる薬剤について説明する。
本発明で使用する無機凝集剤としては、廃水中の懸濁物質(SS)の処理に用いられている従来公知のものをいずれも使用することができる。具体的には、アルミ系凝集剤や鉄系凝集剤等を用いることができる。アルミ系凝集剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム及び塩化アルミニウム等が挙げられる。また、鉄系凝集剤としては、硫酸第二鉄、塩化第二鉄及びポリ硫酸鉄等が挙げられる。これらの中から1種以上を適宜に選択して使用することができる。添加量は、廃水中の汚濁物質の濃度に応じて適宜に決定すればよいが、例えば、50〜1000mg/Lの範囲で添加すればよい。
本発明の処理方法では、上記した無機凝集剤を添加する際に活性炭を添加して、無機凝集剤と活性炭とを共存させて凝集処理を行う。ここで、「無機凝集剤を添加する際に活性炭を添加」との規定は、無機凝集剤を添加すると同時に活性炭を添加して処理しても、無機凝集剤を添加するよりも前に活性炭を添加して処理しても、無機凝集剤を添加後に活性炭を添加してもよいことを意味しており、いずれにしても、無機凝集剤と活性炭とを共存させて凝集処理を行う状態にすればよいことを意味する。特に、無機凝集剤を添加すると同時に活性炭を添加するか、無機凝集剤を添加するよりも前に活性炭を添加する構成として凝集処理することが好ましい。使用する活性炭としては、廃水・排水処理用として従来より使用されている活性炭をいずれも使用できる。例えば、木質、石炭、やし殻を原料として得られた、平均粒径が200μm以下の粉末活性炭を使用することが好ましい。より好ましくは、平均粒径が1〜150μm、さらに好ましくは、平均粒径が1〜100μm程度の粉体を用いるとよい。例えば、150μm pass≧90%、75μm pass≧90%として市販されている製品をいずれも使用できる。比表面積が800〜2000m2/gの粉末状の活性炭を使用することが好ましい。
本発明で使用する有機凝集剤としては、廃水中の懸濁物質(SS)の処理に用いられている従来公知の高分子凝集剤をいずれも使用することができる。アニオン系、カチオン系、両性のいずれであってもよい。アニオン系高分子凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド系、アニオン性ポリアクリルアミド系、ポリアクリルアミドの部分加水分解物等が挙げられる。カチオン系高分子凝集剤としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、アミド基、ニトリル基、アミン塩酸塩、ホルムアルデヒド基などを含むポリビニルアミジン等が挙げられる。両性の高分子凝集剤としては、例えば、ジメチルアミノメチルアクリレートの四級化物とアクリルアミドとアクリル酸との共重合物、ジメチルアミノメチルメタクリレートの四級化物とアクリルアミドとアクリル酸との共重合物等が挙げられる。
本発明のCOD成分を含む廃水の処理方法では、図1に示した概略のフロー図のように処理を行う。図1に示したように、まず、被処理水である原水に、無機凝集剤と活性炭粉末とを添加し、撹拌しながら凝集処理を行う。この結果、汚濁物質の一部が吸着した活性炭と、無機凝集剤とを含む凝集物が沈降する。次に、被処理水に高分子凝集剤である有機凝集剤を添加し、凝集処理を行う。この結果、被処理水中の汚濁物質が凝集・沈降して沈殿物として除去される。そして、固液分離して得られた上澄水は、次の酸化分解工程における被処理水となる。
本発明の処理方法は、上記した活性炭を利用した凝集剤による凝集処理を、酸化処理工程に先立って行うことを特徴とする。次に行う酸化処理工程での処理は、従来公知の方法でよく、例えば、酸素系酸化剤と金属触媒とで生じるヒドロキシ(OH)ラジカルを利用した化学酸化促進処理や、オゾンを利用したオゾン酸化促進処理などの従来公知の方法がいずれも使用できる。以下、化学酸化促進処理を代表例として説明する。上記した化学酸化促進処理で使用する酸素系酸化剤としては、金属触媒と反応してOHラジカルを生成するものであればその種類を問わない。具体的には、過酸化水素、オゾン等が挙げられるが、中でも過酸化水素を使用することが好ましい。その使用量としては、被処理水中の有機物の量や酸素系酸化剤の種類にもよるが、例えば、被処理水1リットルに対して、100〜550mg程度とすることが好ましい。金属触媒としては、被処理水中で鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオンの少なくともいずれかを生じるものが好ましく使用できる。これらは、過酸化水素等の酸素系酸化剤と反応してOHラジカルを生成する。具体的なものとしては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化ニッケル、塩化コバルト等が使用できる。これらの中でも鉄系の触媒が好ましい。その使用量としては、酸素系酸化剤の種類や量にもよるが、酸素系酸化剤と金属触媒との質量比が、1:2〜7となるようにして処理を行うことが好ましい。
廃水200mLをビーカーに分取した。この廃水は、製鉄所の圧延工程からでた、溶解性COD濃度が37mg/Lのものである。この廃水を処理対象の原水とし、酸化処理工程に先立って行う凝集剤による凝集処理工程で、以下の処理を行った。分取した上記廃水中に、活性炭粉末(平均粒径が13μm)が50mg/L、ポリ塩化アルミニウム(PAC)が148mg/Lとなるようにそれぞれ添加し、硫酸によってpH7に調整しながら15分間撹拌した。上記において、活性炭粉末とPACは、ほぼ同時に添加した。続いて、この被処理水中に、2mg/Lとなるようにポリアクリルアミド高分子凝集剤KEA−735(商品名、日鉄住金環境社製)を加えて1分間撹拌して、廃水中の汚濁物質を、処理に使用した活性炭及び凝集剤とともに凝集させた。次に、生成した凝集・沈殿物を固液分離工程で除去し、上澄水を得た。
実施例1で使用したと同様の廃水200mLをビーカーに分取した。その中に、ポリ塩化アルミニウムを148mg/L添加し、硫酸によってpH7に調整しながら15分間撹拌した。次に、実施例で使用したと同様の高分子凝集剤を2mg/Lとなるように加えて1分間撹拌し、懸濁物質を凝集させた。次に、生成した凝集・沈殿物を固液分離工程で除去し、上澄水を得た。
実施例1で使用したと同様の廃水200mLをビーカーに分取した。その中に、活性炭粉末(平均粒径が13μm)を900mg/L添加し、7.5分間撹拌した。その後、ポリ塩化アルミニウムを148mg/L添加し、硫酸によってpH7に調整しながら7.5分間撹拌し、懸濁物質を凝集させた。次に、生成した凝集・沈殿物を固液分離工程で除去し、上澄水を得た。
実施例2〜8では、実施例1で使用したと同様の廃水200mLに対して、実施例1の凝集処理工程で使用した活性炭及び酸化処理に使用する薬剤の量をそれぞれ表2のように変えた以外は同様にして、処理を行った。酸化処理に使用する薬剤の量は、酸化剤である過酸化水素の量で示した。過酸化水素の使用量に応じて金属触媒としての塩化第二鉄の使用量を決定した。また、比較例3では、無機凝集剤の添加の際に活性炭を添加することなく処理を行った。比較例4では、活性炭を大量に使用して凝集処理を行い、酸化処理をせずに処理をした。処理の際に、すべて、最終的に得られる処理水(上澄水)の溶解性COD濃度が11mg/Lとなるように、薬剤の添加量を調整した。表2に、使用した酸化剤の使用量に対する活性炭の使用量の比と、それぞれの処理で発生したスラッジ(SS)の量を示した。そして、図2及び図3に、発生したスラッジ(SS)量と、使用した酸化剤の使用量に対する活性炭の使用量の比の関係を示した。
Claims (7)
- 酸化処理工程後の活性炭による吸着工程を不要にできるCOD成分を含む廃水の処理方法であって、酸化処理工程に先立って行う凝集剤による凝集処理工程で、被処理水に無機凝集剤を添加して処理した後に、さらに被処理水に有機凝集剤を添加して処理し、かつ、前記無機凝集剤を添加する際に活性炭を添加して無機凝集剤と活性炭とを共存させて処理することを特徴とするCOD成分を含む廃水の処理方法。
- 前記無機凝集剤が、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム及び塩化アルミニウムを含むアルミ系凝集剤、及び/又は、硫酸第二鉄、塩化第二鉄及びポリ硫酸鉄を含む鉄系凝集剤からなる群から選択される少なくともいずれかである請求項1に記載のCOD成分を含む廃水の処理方法。
- 前記活性炭が、平均粒径が200μm以下で、比表面積が800〜2000m2/gの粉末であり、該粉末を水に分散させて添加する請求項1又は2に記載のCOD成分を含む廃水の処理方法。
- 前記酸化処理工程での処理が、酸素系酸化剤と金属触媒とで生じるヒドロキシラジカルを利用した酸化促進処理であって、かつ、前記酸素系酸化剤の使用量に対する前記活性炭添加量の比が、0.5〜20である請求項1〜3のいずれか1項に記載のCOD成分を含む廃水の処理方法。
- 前記酸化処理工程での処理が、オゾンを利用した酸化促進処理である請求項1〜3のいずれか1項に記載のCOD成分を含む廃水の処理方法。
- 前記酸化処理工程での処理の後、さらに、被処理水に有機凝集剤を添加して凝集処理する請求項1〜5のいずれか1項に記載のCOD成分を含む廃水の処理方法。
- 前記活性炭の添加量が、COD成分に対して、1〜10倍である請求項1〜6のいずれか1項に記載のCOD成分を含む廃水の処理方法。
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