JP2011168634A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)エポキシ樹脂:100質量部、(B)アミン系硬化剤:[(A)成分中のエポキシ基のモル量/(B)成分中のエポキシ基と反応性を有する基のモル量]が0.7〜1.2となる量、(C)平均粒径が0.1〜2μmかつ最大粒径が24μm以下の無機充填剤:50〜300質量部、及び(D)平均粒径が0.1〜10μmかつ最大粒径が24μm以下であり、シリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆してなるシリコーン微粒子:1〜20質量部を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、100〜200Paの減圧下で100℃、30分加熱した後の減少量が3質量%以下であり、表面張力が25mN/m以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
請求項1:
(A)(A−1)常温で液体であり、25℃における粘度が1〜100Pa・sであるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及び下記構造式(i)〜(iii)
で示されるエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂−1:(A)成分中50〜99質量%、及び
(A−2)下記構造式、
で示される、常温で液体であり、25℃における粘度が10〜200mPa・sであるエポキシ含有化合物から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂−2:(A)成分中1〜50質量%
からなるエポキシ樹脂:100質量部、
(B)アミン系硬化剤:[(A)成分中のエポキシ基のモル量/(B)成分中のエポキシ基と反応性を有する基のモル量]が0.7〜1.2となる量、
(C)平均粒径が0.1〜2μmかつ最大粒径が24μm以下の無機充填剤:50〜300質量部、及び
(D)平均粒径が0.1〜10μmかつ最大粒径が24μm以下であり、シリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆してなるシリコーン微粒子:1〜20質量部
を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、
100〜200Paの減圧下で100℃、30分加熱した後の減少量が3質量%以下であり、表面張力が25mN/m以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
請求項2:
上記(A−1)成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び下記構造式(i)〜(iii)
で示されるエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
請求項3:
上記(B)アミン系硬化剤が、下記式(1)、(2)、(3)及び(4)
で示される化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
請求項4:
請求項1乃至3のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル材として封止した半導体装置。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂、
(B)アミン系硬化剤、
(C)平均粒径が0.1〜2μmかつ最大粒径が24μm以下の無機充填剤、及び
(D)平均粒径が0.1〜10μmかつ最大粒径が24μm以下であり、シリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆してなるシリコーン微粒子
を必須成分とし、100〜200Paの減圧下で100℃、30分後の加熱減量が3質量%以下であり、表面張力が25mN/m以上である。
(A)成分のエポキシ樹脂は、下記の(A−1)エポキシ樹脂−1及び(A−2)エポキシ樹脂−2からなるものである。
(A)成分を構成する(A−1)成分のエポキシ樹脂−1としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及び下記構造式(i)〜(iii)
で示されるエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である。これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び上記構造式で示されるエポキシ樹脂が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化剤は、アミン系硬化剤であり、下記一般式(1)〜(4)で表される少なくとも1種の芳香族アミン化合物であることが好ましい。
無機充填剤(C)としては、公知各種の無機充填剤を使用することができる。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化アルミ、窒化ケイ素、マグネシア、マグネシウムシリケート、アルミニウム等が挙げられる。中でも真球状の溶融シリカが、組成物の粘度が低くなるので好ましい。
本発明の組成物には、硬化物の応力を低減する目的で、シリコーン微粒子を配合する。公知の液体のシリコーンオイルや液体のシリコーン系化合物を添加する処方を用いると、樹脂組成物の表面張力が低下し、真空下において発泡する。これらに対してシリコーン微粒子を配合した場合は、真空下においても発泡することなく、かつ得られた硬化物は温度サイクル性に優れている。
本発明の組成物には、硬化物の応力を低減する目的で、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン等の可撓性樹脂、硬化促進剤、シランカップリング剤、カーボンブラック等の顔料、染料、酸化防止剤等を、本発明の目的を阻害しない範囲で配合することができる。
本発明の組成物は、上記(A)〜(D)成分、及び、所望により上記その他の成分を同時又は別々に、必要により加熱処理を加えながら攪拌、溶解、混合、分散させることで調製される。これらの操作に用いる装置は特に限定されないが、攪拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。また、これらの装置を適宜組み合わせて組成物を調製してもよい。
組成物の調製
表1及び表2に示す各質量部の各成分を、表1及び表2記載の配合量で、3本ロールで均一に混練りすることにより組成物(実施例1〜9、比較例1〜9)を得た。表1及び表2において、各成分は以下の通りである。
A−1−1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:RE303S−L、日本化薬(株)製)
A−1−2:下記式で示される3官能型エポキシ樹脂(商品名:エピコート630H、ジャパンエポキシレジン(株)製)
A−2−1:下記式で示されるエポキシ樹脂
A−2−2:下記式で示されるエポキシ樹脂
A−2−3:フェニルグリシジルエーテル(商品名:PGE−H、日本化薬(株)製)
A−2−4:t−ブチルフェニルグリシジルエーテル(商品名:EX−146、ナガセケムテックス(株)製)
B−1:3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(商品名:カヤハードAA、日本化薬(株)製)
B−2:3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(商品名:C−300S、日本化薬(株)製)
C:最大粒径24μm以下で、平均粒径2.0μmの球状シリカ((株)アドマテックス製)をシランカップリング剤(商品名:KBM403、信越化学工業(株)製)で表面処理したもの。
D−1:KMP600−24C(平均粒径4μm、最大粒径24μm、信越化学工業(株)製。)
D−2:KMP605−24C(平均粒径2μm、最大粒径24μm、信越化学工業(株)製。)
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM403、信越化学工業(株)製)
シリコーンエポキシ共重合体:
シリコーンオイルB(商品名:X−22−163C、信越化学工業(株)製)
(1)粘度
各組成物について、JIS Z8803に準じ、測定温度25℃、E型粘度計を用いて、試料をセットして2分後の値を測定した。
30mm×30mmのFR−4基板に、ポリイミド(PI)膜コートした10mm×10mmのシリコンチップが、ギャップサイズが約50μmとなるように設置されたフリップチップ型半導体装置のギャップに、各樹脂組成物を滴下して侵入させ、150℃で3時間硬化させた後、ボイドの有無をC−SAM(SONIX社製)で確認した。
上面の直径2mm、下面の直径5mm、高さ3mmの円錐台形状のポリテトラフルオロエチレン製の型に各樹脂組成物を注入し、この上にポリイミド(PI)膜コートしたシリコンチップを載せ、150℃で3時間硬化させた。硬化後、ポリテトラフルオロエチレン製の型を外して得られた試験片を一定の速度(1mm/秒)で押すことによって、剪断接着力を測定し、初期値とした。更に、硬化させた試験片をプレッシャークッカーテスター(PCT、121℃/2.1atm)中で336時間保持した後、同様に接着力を測定した。いずれの場合も試験片の個数は5個で行い、その平均値を接着力として表記した。表1及び表2において、「0」は剥離したことを示す。
組成物を150℃、3時間加熱して硬化し、該硬化物を、常温まで冷却して、5mm×5mm×15mmの試験片を切り出して、TMA(熱機械分析装置)により5℃/分の速度で昇温した際の値を測定した。上記ガラス転移温度の測定において、20〜50℃の温度範囲でCTE−1を、200〜230℃の温度範囲でCTE−2を求めた。
図1に示すペンダントドロップ法により100℃の表面張力γを協和界面科学社製PD−Vを用いて測定した。表面張力γは、下記式に従って算出した。
γ=Δρgde 2×1/H
(式中、Δρは密度差、gは重力定数、1/Hはds/deから求める補正係数を表す。deは懸滴の最大径、dsは懸滴最下端からdeだけ上昇した位置における懸滴径を表す。)
減圧できる熱オーブンを用いて、100±3℃、常圧及び200Paに設定し、30分後の加熱減量を測定した。
30mm×30mmのFR−4基板に、ポリイミド(PI)膜コートした10mm×10mmのシリコンチップが、ギャップサイズが約50μmとなるように設置されたフリップチップ型半導体装置を真空下にさらし、そのギャップに、真空中で各樹脂組成物を滴下しのち減圧させて侵入させ、150℃で3時間硬化させた後、ボイドの有無をC−SAM(SONIX社製)で確認した。
スライドガラス上に各樹脂組成物を滴下し、それを真空チャンバー内の100℃のホットプレート上に置き、200Paに減圧し、5分間観察して発泡するか確認を行った。1つ泡が発生した場合を発泡有りとした。
半導体装置の作製
32mm×32mm×0.4mmのBT樹脂基板上に、10mm×10mm×0.6mmのシリコンチップを60μmスペーサで固定し、チップとBT樹脂基板の隙間に樹脂を塗布した後、120℃、0.5時間又は165℃、3時間の条件で硬化させ、FCBGA半導体パッケージを作った。
熱衝撃テスト
上記方法で得られた試験用半導体装置を、30℃/65%RHの条件下に192時間置いて、最高温度265℃に設定したIRリフロー炉に5回通した後、−65℃で30分、150℃で30分を1サイクルとし、250、500、750、及び1000サイクル後のクラックをクラックが観察されたチップの割合(%)を求めた。
2 懸滴
Claims (4)
- (A)(A−1)常温で液体であり、25℃における粘度が1〜100Pa・sであるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及び下記構造式(i)〜(iii)
で示されるエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂−1:(A)成分中50〜99質量%、及び
(A−2)下記構造式、
で示される、常温で液体であり、25℃における粘度が0.01〜10Pa・sであるエポキシ含有化合物から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂−2:(A)成分中1〜50質量%
からなるエポキシ樹脂:100質量部、
(B)アミン系硬化剤:[(A)成分中のエポキシ基のモル量/(B)成分中のエポキシ基と反応性を有する基のモル量]が0.7〜1.2となる量、
(C)平均粒径が0.1〜2μmかつ最大粒径が24μm以下の無機充填剤:50〜300質量部、及び
(D)平均粒径が0.1〜10μmかつ最大粒径が24μm以下であり、シリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆してなるシリコーン微粒子:1〜20質量部
を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、
100〜200Paの減圧下で100℃、30分加熱した後の減少量が3質量%以下であり、表面張力が25mN/m以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至3のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル材として封止した半導体装置。
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