JP2007284471A - 液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 芳香族アミンを硬化剤とするアミン硬化系エポキシ樹脂は、各種基材に対する接着性が高い為、基板やチップとの界面剥離に対する耐久性が優れており、信頼性の高いパッケージが得られる。よって、フラックス性能を持ちノーフロー法に対応したアミン硬化系エポキシ樹脂を開発する。又、半田材料の鉛フリー化に伴い、半田接続温度が240〜270℃の高温度領域でもフラックス性能を保持し、アミン硬化系エポキシ樹脂に適したフラックスを選定する。
【解決手段】 (A)液状エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、及び(C)還元糖を(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して0.1〜20質量部、(D)無機質充填剤を(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して50〜900質量部、を含有してなる液状エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、信頼性、作業性に優れ、半導体装置の製造工程が簡略化可能な半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置に関する。
近年、半導体パッケージの小型化、薄型化および軽量化に伴い、半導体チップの高密度化が著しく、高密度半導体チップの代表的実装法として、フリップチップ実装が広く行なわれている。フリップチップ実装の代表的工法として、半導体チップの半田電極と実装基板回路上の半田バンプ又は半田ランドを直接半田接合するC4プロセスが挙げられるが、これは半田接合後に、半田接続部の保護の為、半導体チップと実装基板との隙間をエポキシ樹脂で封止するものである。
C4プロセスによるフリップチップ実装では、従来、キャピラリフロー法によって樹脂封止が行なわれているが、1)フラックスによる半田濡れ性改善処理、2)半田接続、3)フラックス洗浄、4)液状封止樹脂の毛細管現象による注入、5)樹脂硬化と工程が多く、樹脂の注入にも時間が掛かるため、生産性が低い問題がある。更に、半田電極の微細化、狭ピッチ化に伴い、フラックスの洗浄除去性が悪くなっており、フラックス残渣による封止樹脂の濡れ不良やフラックス残渣中のイオン性不純物による半導体パッケージの信頼性低下といった問題があり、フラックスに関する技術的課題は多い。
キャピラリフロー法に関するこれら問題の対策法として、直接実装基板上にフラックス成分を配合した封止樹脂を塗布し、半田電極を具備した半導体チップをその上に搭載し、リフローによって半田接続と樹脂封止を同時に行なうノーフロー法が提案された(特許文献1)。しかしながら、フラックス成分には比較的酸性度の強い有機カルボン酸を使用しており、半導体回路の腐蝕原因となるものであり、フラックス成分に問題があった。
ノーフロー法に対応し、フラックス性能を兼ね備えた樹脂は種〃提案されており、例えば、フラックス性能を持つ硬化剤を使用し、特にフラックス成分を配合しないものとして、フェノール樹脂を硬化剤としたもの(特許文献2)、フェノール系カルボン酸を硬化剤としたもの(特許文献3)、酸無水物を硬化剤としたもの(特許文献4,5)、カルボン酸を硬化剤としたもの(特許文献6)、芳香族ヒドラジドを硬化剤としたもの(特許文献7)がある。
又、別にフラックス成分を配合するものとしては、フェノール系又は酸無水物系にフラックス成分としてカルボン酸(ブロックカルボン酸を含む)を配合するものが、ほとんどであり(例えば特許文献8,9,10)、アミン系樹脂でフラックス性能を持ち、ノーフロー法に対応したものは十分に提案されていない。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
米国特許5128746号公報 公開2002−232123号公報 公開2003−128874号公報 公開2001−329048号公報 公開2003−160639号公報 公開2002−293883号公報 公開2004−303874号公報 公開2002−190497号公報 公開2003−82064号公報 公開2001−223227号公報
一般的に、芳香族アミンを硬化剤とするアミン硬化系エポキシ樹脂は、フェノール硬化系樹脂や酸無水物硬化系樹脂と比べ、各種基材に対する接着性が高い為、基板やチップとの界面剥離に対する耐久性が優れており、信頼性の高いパッケージが得られる。よって、フラックス性能を持ちノーフロー法に対応したアミン硬化系樹脂の開発が急務となっている。しかしながら、アミン硬化系樹脂に、従来フラックス成分として使用されているカルボン酸を配合した場合、ポットライフが著しく劣化する問題がある、又、半田材料の鉛フリー化に伴い、半田接続温度が従来より高くなっており、240〜270℃の高温度領域でもフラックス性能を保持し、アミン硬化系樹脂に適したフラックスの選定が重要課題となっている。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、還元糖をアミン系硬化剤を使用したエポキシ樹脂組成物に配合する事で、良好なフラックス性能及び良好なポットライフ特性を兼ね備え、ノーフロー法に適した半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られることを突き止め、本発明の完成に至った。
従って、本発明は、
(A)液状エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、及び(C)還元糖を(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して0.1〜20質量部、及び(D)無機質充填剤を(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して50〜900質量部を含有してなる液状エポキシ樹脂組成物により達成される。
更に、上記液状エポキシ樹脂組成物がフリップチップ型半導体の封止に使用される液状エポキシ樹脂組成物である。又、上記液状エポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル封止材としたフリップチップ型半導体装置を提供する。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、作業性、半田接続性、接着性に優れたアミン系硬化の液状エポキシ樹脂組成物の為、高生産性のノーフロー法によるフリップチップ型半導体装置の製造に好適に使用可能であり、信頼性の高い半導体装置の製造が可能である。
以下本発明の実施形態について説明する。本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、還元糖及び無機充填剤を必須成分として含有している。
[(A)液状エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂としては、一分子あたり2個以上のエポキシ基を持ち、常温で液状のものであればよく、従来から公知のものを全て使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等がエポキシ樹脂として挙げられる。 特に、耐熱性や耐湿性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂として用いるのが好ましい。
又、エポキシ樹脂には、その合成過程で使用するエピクロルヒドリン由来の塩素が少量含まれるが、エポキシ樹脂における全塩素含有量は1500ppm以下とすることが好ましく、特に1000ppm以下とすることが好ましい。又、エポキシ樹脂に同重量のイオン交換水を加え、100℃、20時間の条件で抽出処理を行った後の水中塩素濃度が10ppm以下であることが好ましい。以上述べたエポキシ樹脂は、1種単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
[(B)アミン系硬化剤]
本発明に使用するアミン系硬化剤として、芳香族アミン、脂肪族アミン、ポリアミドアミン、イミダゾール類、グアニジン類等が挙げられるが、接着性、耐環境試験における信頼性の観点から、芳香族アミンを使用するのが好ましい。
本発明に使用する芳香族アミン系硬化剤としては、例えば、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン等の芳香族アミンであることが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いても差し支えない。
上記芳香族アミン系硬化剤において、常温で固体である場合、固形のまま配合することもできるが、固形まま配合すると樹脂粘度が上昇し、作業性が著しく悪くなる為、あらかじめエポキシ樹脂又は液状の芳香族アミンと溶融混合することが好ましい。エポキシ樹脂に溶融混合する場合は、後述する指定の配合量で、70〜150℃の温度範囲で1時間〜2時間溶融混合することが望ましい。混合温度が70℃未満であると芳香族アミン系硬化剤が十分に相溶しにくくなるおそれがあり、150℃を超える温度であるとエポキシ樹脂と反応して粘度上昇するおそれがある。また、混合時間が1時間未満であると芳香族アミン系硬化剤が十分に相溶せず、粘度上昇を招くおそれがあり、2時間を超えるとエポキシ樹脂と反応し、粘度上昇するおそれがある。液状の芳香族アミンと溶融混合する場合も、70〜150℃の温度範囲で1時間〜2時間溶融混合することが望ましい。
なお、本発明に用いられる芳香族アミン系硬化剤の総配合量は、液状エポキシ樹脂と芳香族アミン系硬化剤との当量比〔(A)液状エポキシ樹脂のエポキシ当量/(B)芳香族アミン系硬化剤のアミン当量〕を0.7以上1.1以下、好ましくは0.8以上1.0以下にすることが好ましい。又、低応力化剤として下記の(E)成分が含まれる場合には、(E)成分がシリコーン変性エポキシ樹脂の場合、(A)成分と(E)成分のエポキシ総量と、(B)成分のアミンとの当量比、[(A)成分のエポキシ当量+(E)成分のエポキシ当量]/[(B)成分のアミン当量]が0.7〜1.1、好ましくは0.8〜1.0である。又、(E)成分がシリコーン変性フェノール樹脂の場合、(A)成分のエポキシ当量と、(B)成分のアミン及び(E)成分のフェノール量との合計当量比、[(A)成分のエポキシ当量]/[(B)成分のアミン当量+(E)成分のフェノール性水酸基当量]が0.7〜1.1、好ましくは0.8〜1.0である。当量比が0.7未満では未反応のアミノ基或いはフェノール性水酸基が残存し、ガラス転移温度の低下となり、また密着性が低下するおそれがある。逆に1.1を超えると、フラックス性能の低下の恐れや、硬化物が硬く脆くなり、リフロー時にクラックが発生する恐れがある。
[(C)フラックス成分]
本発明に使用する還元糖は、アルデヒド基またはケトン基の還元性基が遊離またはヘミアセタール型で存在する糖類であり、全ての単糖類及び一部の二糖類が属する。還元糖としては、例えば、(単糖類)グルコース、フルクトース、ガラクトース、プシコース、マンノース、アロース、タガトース、リボース、デオキシリボース、キシロース、アラビノース、(二糖類)マルトース、ラクトースが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら、還元糖は単独あるいは2種以上併用して使用する。
還元糖の配合量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)アミン系硬化剤の合計量100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。配合量が0.1質量部未満であると、十分なフラックス性能が得られず、20質量部を超えると、ガラス転移温度の低下や接着性の低下の恐れがある。
還元糖は、粉砕処理後、固形のまま配合することもできるが、配合量によっては樹脂粘度が大きく上昇し、作業性が著しく悪くなる為、あらかじめ液状エポキシ樹脂又は液状の芳香族アミンと溶融混合することが好ましい。エポキシ樹脂又は液状の芳香族アミンに溶融混合する場合は、70〜150℃の温度範囲で1時間〜2時間溶融混合することが望ましい。
[(D)無機質充填剤]
本発明のエポキシ樹脂組成物には、膨張係数を小さくするために、従来から公知の各種無機充填材を添加することができる。無機充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、酸化チタン、シリカチタニア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、マグネシア、マグネシウムシリケート、アルミニウム等を挙げることができ、これらは1種単独あるいは2種類以上組み合せて使用することができる。特に、真球状の溶融シリカが低粘度化のため望ましい。
無機質充填剤は、樹脂と無機質充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメルカプトシランなどのシランカップリング剤を用いることが好ましい。ここで表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
この場合の無機質充填剤の配合量としては、エポキシ樹脂100重量部に対して50〜900重量部で配合することが好ましく、より好ましくは100〜500重量部の範囲で配合する。50重量部未満では、膨張係数が大きく、冷熱試験においてクラックの発生を誘発させるおそれがある。900重量部を超えると、粘度が高くなり、ボイドが発生しやすくなる恐れや無機質充填剤による半田接続性の低下の恐れがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、下記成分を配合することができる。
[(E)低応力化剤]
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、応力を低下させる目的で、シリコーンパウダー、シリコーンゴム、シリコーンオイル、又は熱可塑性樹脂(液状のポリブタジエンゴム、アクリルコアシェル樹脂等)等を配合してもよいが、下記一般式(1)〜(4)で示されるアルケニル基含有エポキシ樹脂又はアルケニル基含有フェノール樹脂のアルケニル基と下記平均組成式(5)で示される1分子中の珪素原子の数が10〜400であり、SiH基の数が1〜5であるオルガノポリシロキサンのSiH基との付加反応により得られる共重合体であるシリコーン変性エポキシ樹脂及び/又はシリコーン変性フェノール樹脂を配合することが好ましい。
Figure 2007284471
Figure 2007284471
Figure 2007284471
Figure 2007284471

但し、Rは水素原子、或いは
Figure 2007284471
である。また、 Rは水素原子、或いはメチル基。 Xは水素原子、或いは臭素原子。nは0乃至50の整数、好ましくは1乃至20の整数。mは1乃至5の整数、特に好ましくは1である。
SiO(4−a−b)/2 (5)
(但し、式中Rは置換又は非置換の一価の炭化水素基、aは0.01〜0.1、bは1.8〜2.2、1.81≦a+b≦2.3である。)
なお、Rの一価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したフロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基を挙げることができる。上記のアルケニル基含有樹脂とオルガノポリシロキサンとを反応させることにより得られる共重合体を得る方法としては公知の方法が採用される。
上記共重合体としては、中でも下記構造(6)のシリコーン変性エポキシ樹脂が望ましい。
Figure 2007284471
上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、Rは−CHCHCH−、−OCH−CH(OH)−CH−O−CHCHCH−又は−O−CHCHCH−から選択される基である。Lは8〜398、好ましくは18〜198の整数、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数である。)
上記Rの炭素数1〜6、好ましくは1〜3の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基などが挙げられ、これらの中でもメチル基が好ましい。上記Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記p及びqは各々1〜10、好ましくはp及びqは各々1〜5の整数である。p及び又はqが10を超えると硬化樹脂が硬くなり過ぎて、耐クラック性や接着性が劣化し、樹脂の信頼性が大きく損なわれる恐れがあるので好ましくない。
上記Lは8〜398、好ましくは18〜198の整数であり、Lが8未満では応力を緩和するポリシロキサン部の割合が少なくなり低応力化の効果が十分得られなくなるので好ましくなく、398を越えると分散性が低下し分離し易くなり樹脂の品質が安定しないばかりか、低応力化の効果が十分得られなくなる為好ましくない。また、(E)成分のシリコーンの割合は、エポキシ樹脂組成物中への分散性、相溶性及び封止樹脂の応力低下性能との関係で(E)成分中に10〜95%とすることが好ましい。
上記共重合体であるシリコーン変性樹脂の配合量は、(A)成分の液状エポキシ樹脂100重量部に対して0〜20重量部、特には2〜15重量部含まれるように配合することで応力をより一層低下させることができる。
[その他添加剤]
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、イオントラップ剤、カーボンブラックなどの顔料、染料、その他の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて配合することができる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、例えば、液状エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、フェニレンジアミン、必要に応じて無機質充填剤及びその他の添加剤等を同時に又は別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶解、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。またこれら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
なお、本発明において、封止材として用いる液状エポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃において1,000Pa・s以下、特に500Pa・s以下のものが好ましい。また、この組成物の成形方法、成形条件は、常法とすることができるが、好ましくは、先に100〜120℃、0.5時間以上、その後150〜175℃、0.5時間以上の条件で熱オーブンキュアを行う。100〜120℃での加熱が0.5時間未満では、硬化後にボイドが発生する場合がある。また150〜175℃での加熱が0.5時間未満では、十分な硬化物特性が得られない場合がある。この場合、キュアの時間は加熱温度に応じて適宜選定される。
ここで、本発明に用いるフリップチップ型半導体装置としては、例えば図1に示したように、通常、有機基板1の配線パターン面に複数個のバンプ2を介して半導体チップ3が搭載されているものであり、上記有機基板1と半導体チップ3との隙間(バンプ2間の隙間)にアンダーフィル材4が充填されたものとすることができるが、本発明の封止材は、特にアンダーフィル材として使用する場合に有効である。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いる場合、その硬化物のガラス転移温度以下の膨張係数が20〜40ppm/℃であることが好ましい。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。又、特にことわらない限り、%、部はそれぞれ質量%、質量部を示す。
[実施例1〜4、比較例1〜4]
エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、フラックス、シリコーン変性エポキシ樹脂、球状シリカ、シランカップリング剤、カーボンブラックを表1に示した組成で配合してプラネタリーミキサーで均一に混練し、次に三本ロールで固形原料を十分に混合分散し、得られた混合物を真空脱泡処理して液状エポキシ樹脂組成物を得た。尚、アビエチン酸以外の還元糖及び比較用フラックス剤は固形のまま、アビエチン酸は液状エポキシ樹脂に予め溶融配合した後、他成分と混合調製した。
各実施例、比較例の液状エポキシ樹脂組成物の組成を表1に示す。表1中の数値は質量部を示す。
Figure 2007284471
(A)液状エポキシ樹脂
エポキシ樹脂(a) ビスフェノールF型エポキシ樹脂:RE303S−L(日本化薬(株)製、エポキシ当量:170)
エポキシ樹脂(b) 下記式(7)で示される3官能型エポキシ樹脂:エピコート630H(ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:101)
Figure 2007284471
(B)硬化剤
芳香族アミン硬化剤:ジエチルジアミノジフェニルメタン(日本化薬(株)製、カヤハードA−A、アミン当量:63.5)

(C)フラックス性能を有する還元糖及び比較用フラックス剤、糖類
還元糖:D−(+)−キシロース、D−(+)−グルコース、D−(−)−フルクトース、D−(+)−マルトース(以上アルドリッチ(株)製)
芳香族有機酸:アビエチン酸(アルドリッチ(株)製)
還元性の無い糖類:スクロース、D−(+)−ラフィノース(以上アルドリッチ(株)製)
(D)無機充填剤
球状シリカ:平均粒径2μm、最大粒径10μmの球状シリカ(株式会社龍森製)
(E)低応力化剤
シリコーン変性エポキシ樹脂:下記式(8)の化合物と下記式(9)の化合物との付加重合体(重量平均分子量3800、エポキシ当量291)
Figure 2007284471
Figure 2007284471
その他添加剤
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業(株)製)
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM403)
各実施例の液状エポキシ樹脂組成物について特性評価を行った。
(1)粘度 BH型回転粘度計を用いて4rpmの回転数で25℃における粘度を測定した。
(2)保存性 25℃/60%RHにおいて樹脂組成物を保存し、初期粘度に対する、48時間放置後の粘度変化率に基づいて、ポットライフ(可使用時間)を次のとおり評価した。尚、粘度測定は上記条件で実施した。○:初期粘度に対する変化率が30%未満であり、ポットライフは良好である。△:初期粘度に対する変化率が30から50%であり、ポットライフにやや問題がある。×:初期粘度に対する変化率が100%を超えており、ポットライフが短く不充分である。
(3)接着強度 感光性ポリイミドをコートしたシリコンチップ上に、型枠を使用して上面の直径2mm、下面の直径5mm、高さ3mmの円錐台形状の樹脂硬化物を成形し、試験片を作成した。尚、試験片の成形条件は、120℃で0.5時間、次いで165℃で3時間硬化させた。硬化後、得られた試験片の剪断接着力を測定し、初期値とした。更に、硬化させた試験片をPCT(プレッシャークッカーテスト:121℃/2.1atm)で336時間吸湿させた後、接着力を測定した。いずれの場合も試験片の個数は5個で行い、その平均値を接着力として表記した。
(4)半田接続性 フリップチップ型半導体チップ及び基板(4エリア/1チップ 、バンプ数576個/1エリア、Sn−3.0Ag−0.5Cu半田具備)を使用し、ディスペンサー装置で基板上に樹脂組成物を塗布した後、フリップチップボンダー装置で半導体チップを搭載し(半田接合条件:260℃/3秒、荷重10N)、120℃で0.5時間、次いで165℃で3時間硬化させ、フリップチップ型半導体試験片を作成した。各樹脂組成物について、10試験片(合計40エリア)を作成し、各エリア毎の導通の有無を確認し、半田接続性を評価した。
(5)ボイド性 上記半田接続性評価用に作成したフリップチップ型半導体試験片について、超音波探傷装置を用いて、樹脂中にボイドが発生したチップ数を確認し評価した。
(6)剥離試験
上記フリップチップ型半導体試験片でボイド発生の無いもの10個について、30℃/65%RH/192時間放置後に、最高温度265℃に設定したIRリフローにて5回処理した後のクラック・剥離発生チップ数、更にPCT(121℃/2.1atm)の環境下に置き、336時間後のクラック・剥離発生チップ数を超音波探傷装置で確認した。
(7)温度サイクル試験
上記フリップチップ型半導体試験片でボイド発生の無いもの10個について、30℃/65%RH/192時間放置後に、−65℃/30分、150℃/30分を1サイクルとし、250,500,750,1000サイクル後のクラック・剥離発生チップ数を確認した。
得られた結果を表2に示す。比較例3において、ボイドの発生の無い試験片が得られなかった為、剥離試験及び温度サイクル試験は実施しなかった。
Figure 2007284471
表2から明らかなように、各実施例のエポキシ樹脂組成物は、保存性、接着性、半田接続性に優れ、ボイド発生も無く、信頼性も優れたものであった。一方、フラックス成分としてカルボン酸を使用した比較例1の場合、保存性が劣り、又、還元糖ではない糖類を使用した比較例2,3場合、半田接続性が著しく劣ったものとなった。
本発明のフリップチップ型半導体装置の概念図を示す。
符号の説明
1 電子回路基板
2 アンダーフィル材
3 パッド
4 半導体チップ
5 ハンダバンプ

Claims (6)

  1. (A)液状エポキシ樹脂
    (B)アミン系硬化剤
    (C)還元糖を、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して0.1〜20質量部、
    (D)無機質充填剤を、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して50〜900質量部、を含有してなる液状エポキシ樹脂組成物。
  2. (B)アミン系硬化剤が芳香族アミンであることを特徴とする請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  3. (C)還元糖が、全ての単糖類又はマルトース及びラクトースの二糖類の中から1種又は2種以上選択されるものであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  4. (E)成分低応力化剤として、下記構造(6)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂を、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して0〜20質量部含まれるように配合することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2007284471
    (式中、中Rは置換又は非置換の一価の炭化水素基、Rは水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、Rは−CHCHCH−、−OCH−CH(OH)−CH−O−CHCHCH−又は−O−CHCHCH−から選択される基である。Lは8〜398、好ましくは18〜198の整数、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数である。)
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液状エポキシ樹脂からなるフリップチップ型半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項5記載のフリップチップ型半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物で封止されたフリップチップ型半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009221363A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Shin Etsu Chem Co Ltd 半導体装置製造用の樹脂組成物
JP2013079377A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 硬化性フラックス組成物およびはんだ付け方法
JP2013166917A (ja) * 2012-01-19 2013-08-29 Toray Ind Inc エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料

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