JP2011161859A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体噴射ヘッドの移動をガイドするガイド軸が撓むことを抑制するとともに、被記録媒体にガイド軸の潤滑剤が付着することを抑制することのできる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】プリンターは、フレーム18と、フレーム18の平面部18a間隙を介して対向するガイドレール19と、ガイドレール19を支持するレール支持部材20A,20Bとを備えている。レール支持部材20A,20Bは、ガイドレール19に対して水平方向及び水平方向より下方に向けてガイドレール19に接続され、レール支持部材20Aは、左右方向におけるガイドレール19の右方の端部と印刷領域の右方の端部との間に設けられ、レール支持部材20Bは、左右方向におけるガイドレール19の左方の端部と印刷領域の左方の端部との間に設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置に関する。
従来の液体噴射装置として、長尺状のシート(被記録媒体)にインク(液体)を噴射する液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドを搭載するキャリッジと、このキャリッジと摺接することにより、キャリッジの往復移動をガイドする棒状のガイド軸とを備えるものが知られている。このような液体噴射装置では、ガイド軸の移動方向の両側に配置された2つの板状のフレームにより、ガイド軸の移動方向の両端部が支持されている。また、キャリッジとガイド軸との摺接を円滑にするため、ガイド軸にはオイルやグリス等の潤滑剤が塗布されている。
しかしながら、シートのサイズが大きくなるにつれて2つのフレーム間の移動方向の距離が長くなることにより、フレームによってガイド軸を支持する距離が長くなってしまう。これにより、ガイド軸がキャリッジの重量や移動に起因して撓んでしまっていた。
このようなガイド軸の撓みを抑制するために、特許文献1では、ガイド軸をフレームによる支持に加えて、ガイド軸の上記移動方向の中央部を支持する中支え部材を設けている。これにより、フレームのみにてガイド軸を支持する場合と比較して、ガイド軸が支持される箇所の左右方向の距離が短くなるため、ガイド軸の撓みが抑制されるようになる。
特開2003−266850号公報
ところで、上述の中支え部材が設けられる構成では、液体噴射ヘッドがシートにインクを噴射する領域内に中支え部材が設けられるため、液体噴射ヘッドが用紙へインクを噴射する期間中にガイド軸の潤滑剤が中支え部材を介して下方のシートに向けて落下したときには、シートに潤滑剤が付着してしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射ヘッドの移動をガイドするガイド軸が撓むことを抑制するとともに、被記録媒体にガイド軸の潤滑剤が付着することを抑制することのできる液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置は、フレームと、このフレームの長手方向の面と間隙を介して対向するガイド軸と、該ガイド軸を支持するとともに前記フレームに固定される第1ガイド軸支持部材及び第2ガイド軸支持部材と、前記ガイド軸に塗布された潤滑剤を介して該ガイド軸に沿って往復移動するキャリッジと、該キャリッジに搭載されるとともに液体を被記録媒体に向けて噴射する液体噴射ヘッドと、前記ガイド軸及び前記ガイド軸支持部材より下方において前記被記録媒体を搬送する搬送機構とを備える液体噴射装置であって、前記第1ガイド軸支持部材及び前記第2ガイド軸支持部材の前記ガイド軸側の端部は、前記ガイド軸に対して上下方向と直交する水平方向または水平方向より下方に向けて該ガイド軸に接続され、前記第1ガイド軸支持部材は、前記キャリッジの移動方向における前記ガイド軸の一方の端部と前記液体噴射ヘッドが前記被記録媒体に液体を噴射する領域の一方の端部との間に設けられ、前記第2ガイド軸支持部材は、前記キャリッジの移動方向における前記ガイド軸の他方の端部と前記液体噴射ヘッドが前記被記録媒体に液体を噴射する領域の他方の端部との間に設けられる。
この構成によれば、第1ガイド軸支持部材が、液体噴射ヘッドが被記録媒体に液体を噴射する領域の一方の端部とガイド軸の一方の端部との間に設けられるとともに、第2ガイド軸支持部材が上記領域の他方の端部とガイド軸の他方の端部との間に設けられるため、ガイド軸支持部材がガイド軸の移動方向の両端部を支持する構成と比較して、キャリッジの重量や移動に起因するガイド軸の撓みを抑制することができる。加えて、第1ガイド軸支持部材及び第2ガイド軸支持部材のそれぞれが上記領域外に設けられるため、ガイド軸の潤滑剤が第1ガイド軸支持部材及び第2ガイド軸支持部材を介して被記録媒体に付着することを抑制することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記フレームは、前記キャリッジと水平方向に間隙を介して対向する平面を有する平面部と、該平面部と水平方向に間隙を介して前記キャリッジとは反対側に対向する平面を有する対向面部と、前記平面部及び前記対向面部を互いに接続する側面部を有する四角枠体として形成される。
この構成によれば、フレームが四角枠体として形成されるため、フレームが平板のみにて形成される一枚板の構成と比較して、フレームの剛性が向上するようになる。これにより、キャリッジの重量及び移動に起因してフレームが変形することを抑制することができる。したがって、フレームの変形に起因するガイド軸の歪みを抑制することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記第1ガイド軸支持部材及び前記第2ガイド軸支持部材は、前記フレームの平面部に固定されるとともに、該平面部から水平方向に突出して前記ガイド軸における前記平面部と対向する部位に接続される。
この構成によれば、第1ガイド軸支持部材及び第2ガイド軸支持部材がフレームの平面部とこの平面部と水平方向に対向するガイド軸の部位とを互いに接続するため、第1ガイド軸支持部材及び第2ガイド軸支持部材の水平方向の長さを短くすることができる。これにより、フレーム、第1ガイド軸支持部材、第2ガイド軸支持部材及びガイド軸を組み立てた組立体としての剛性を向上させることができる。
本発明の液体噴射装置において、前記フレームの前記ガイド軸より上方には、前記キャリッジの移動をガイドするとともに該キャリッジの回動動作を規制する補助ガイド軸が設けられ、前記補助ガイド軸は、複数の補助ガイド軸支持部材を介して前記フレームに固定され、前記補助ガイド軸支持部材は、前記補助ガイド軸よりも上方に配置される。
この構成によれば、補助ガイド軸支持部材が補助ガイド軸より上方に配置されることにより、補助ガイド軸に潤滑剤が塗布された場合でも潤滑剤が補助ガイド軸支持部材に伝わることが抑制されるようになる。したがって、補助ガイド軸支持部材は被記録媒体の移動方向の内側にも配置することが可能となるため、補助ガイド軸支持部材の配置の自由度を向上させることができる。
本発明の液体噴射装置において、前記補助ガイド軸支持部材は、ねじ部材により前記フレームに固定され、前記補助ガイド軸支持部材には、前記ねじ部材を上下方向に挿通するための貫通孔が設けられ、前記貫通孔は、前記フレームと前記ガイド軸との対向方向に長い長穴状に形成される。
この構成によれば、貫通孔がフレームとガイド軸との対向方向に長い長穴状に形成されるため、補助ガイド軸支持部材は対向方向に移動可能となる。これにより、作業者が補助ガイド軸支持部材を対向方向に移動させることにより、キャリッジの移動方向に対する補助ガイド軸の傾きを調整することができる。これにより、ガイド軸に対する補助ガイド軸の傾きを調整することができるようになる。その結果、フレームにガイド軸、第1ガイド軸支持部材、第2ガイド軸支持部材、補助ガイド軸及び補助ガイド軸支持部材を取り付けた後でも、ガイド軸及び補助ガイド軸が互いに平行となるように調整することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記フレームは、前記搬送機構が収容される装置本体内の部品に取り付けられる。
この構成によれば、フレームと装置本体内の部品とが別部材として構成されるため、フレーム、ガイド軸、ガイド軸支持部材、キャリッジ及び液体噴射ヘッドを組み立てた後でこれら組立体を装置本体に取り付けることができる。
実施形態のプリンターの内部構造を示す模式図。 プリンターにおける記録部の斜視図。 フレーム、ガイドレール、レール支持部材との位置関係を示す上面図。 プリンターにおける記録部の側面図。 (a)は記録部におけるフレームの分解斜視図、(b)はバーリングかしめの拡大図。 記録部におけるフレームとガイドレールとを組み立てた状態の上面図。
以下、本発明を液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」とする。)に具体化した実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお、本実施形態では、上下方向が鉛直方向に対応し、左右方向がキャリッジの移動方向に対応し、上下方向及び移動方向にそれぞれ直交する方向が前後方向に対応する。ここで、左右方向及び前後方向を含めて水平方向とする。
図1に示すように、プリンター11は、被記録媒体としての連続紙などの長尺状のシートSTをロール状に巻き重ねたロール紙RPの状態で保持するとともに、このロール紙RPから巻き出されたシートSTに対して記録処理を実行するように構成されている。
プリンター11は、矩形箱型の装置本体12を備えている。この装置本体12内には、ロール紙RPのシートSTにインクを噴射することにより記録する記録部13と、シートSTを記録部13に向けて搬送する搬送機構14とが収容されている。この搬送機構14は、左右方向に向けて延びる複数のローラー14a〜14gにより構成されている。ローラー14a〜14gは、装置本体12の左右方向の両側に配置されるとともに装置本体12に取り付けられた一対のローラー支持フレーム15によって、その両端部が支持されている。またローラー支持フレーム15の一部には、装置本体内の部品としての連結フレーム16が取り付けられている。この連結フレーム16には、これらローラー支持フレーム15を左右方向に連結するとともに前後方向及び左右方向に沿って延びる平面である上面16aが設けられている。この連結フレーム16の上面16aには、シートSTを支持する支持台である矩形板状のプラテン17が載置されている。
図2に示すように、記録部13には、連結フレーム16に取り付けられるとともに四角枠体として形成されたフレーム18が設けられている。このフレーム18の前面は、上下方向及び左右方向に沿って延びるとともに、上下方向よりも左右方向が長手となる長方形状の平面としての平面部18aとして設けられている。
この平面部18aより前方には、同平面部18aに前後方向に対向するとともに左右方向に沿う丸棒状に形成されたガイド軸としてのガイドレール19が配置されている。このガイドレール19は、平面部18aよりも前方に突出する円筒形状である第1ガイド軸支持部材としてのレール支持部材20A及び第2ガイド軸支持部材としてのレール支持部材20Bに取り付けられている。これらレール支持部材20A,20Bは、平面部18aにそれぞれ固定されるとともに平面部18aから前方に向けて延びている。具体的には、レール支持部材20Aは、フレーム18の右方に設けられるとともにレール支持部材20Bはフレーム18の左方に設けられている。第1ガイド軸支持部材及び第2ガイド軸支持部材のガイド軸側の端部である各レール支持部材20A,20Bの前端部は、前方に向けて延びるとともに、レール支持部材20A,20Bと前後方向に対向する後方のガイドレール19の部位にそれぞれ当接している。レール支持部材20A,20Bがガイドレール19の部位に当接した状態で平面部18aの後面から前方に向けてレール支持部材20A,20Bにそれぞれ挿通するねじ部材21(図4参照)によりガイドレール19がレール支持部材20A,20Bにそれぞれ締結されている。
ガイドレール19より上方には、上記平面部18aと前後方向に対向するとともに左右方向に沿う丸棒状に形成された補助ガイド軸としての補助ガイドレール22が配置されている。この補助ガイドレール22は、平面部18aよりも前方に突出する平板状の補助ガイド軸支持部材としての3つの補助レール支持部材23の下端面23a(図4参照)にねじ部材25により取り付けられている。即ち補助レール支持部材23は、補助ガイドレール22よりも上方に配置されるようになる。各補助レール支持部材23は、左右方向に互いに離間して3つ設けられるとともにねじ部材24によってフレーム18の上端面18bに締結されている。
各補助レール支持部材23には、フレーム18の上端面18bと当接する平板状の基部23bが設けられている。基部23bには、その左右方向の両側及び前端部をそれぞれ上方に向けて折り曲げることにより成形された屈曲部23cが設けられている。
これらガイドレール19及び補助ガイドレール22は、互いに平行となるように配置されている。またガイドレール19は、その軸径が補助ガイドレール22の軸径よりも大きくなるように構成されている。
これらガイドレール19及び補助ガイドレール22には、矩形状のキャリッジ26が駆動機構27の駆動に基づきガイドレール19及び補助ガイドレール22に沿って左右方向への往復移動可能な状態で支持されている。また、このキャリッジ26の下面側には、インク(液体)をシートSTに向けて噴射する液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド28が搭載されている。またガイドレール19及び補助ガイドレール22には、オイルやグリス等の潤滑剤が塗布されている。これにより、キャリッジ26のガイドレール19及び補助ガイドレール22に対する摺接移動を円滑にしている。
駆動機構27は、フレーム18の右端に取り付けられた駆動用モータ27aと、このモータ27aの出力軸に取り付けられた駆動側プーリー27bと、フレーム18の左端に設けられた従動側プーリー27cと、これらプーリー27b,27cを連結する環状のベルト27dとにより構成されている。このベルト27dの一部は、キャリッジ26に取り付けられている。駆動機構27は、駆動用モータ27aの回転力が駆動側プーリー27bを介してベルト27dに伝達されることにより、キャリッジ26が左右方向に向けて移動するようになる。
記録部13では、プラテン17の左端から右端までの一定範囲を印刷領域としている。そしてプラテン17上に停止した状態にあるシートSTに対して、キャリッジ26とともに往復移動する記録ヘッド28からインクが噴射されることによって、シートST(図1参照)に対して記録処理が施される。
補助レール支持部材23の1つは、印刷領域の左右方向の中央位置に配置されるとともに、その中央位置の補助レール支持部材23から左右方向において等間隔となるように2つの補助レール支持部材23が配置されている。ここで、左右方向に隣り合う補助レール支持部材23間の距離は、レール支持部材20A,20B間の左右方向の距離よりも小さくなる。
また図3に示すように、レール支持部材20Aは、印刷領域より右方において、印刷領域と左右方向に隣接したところに配置されているとともに、ガイドレール19の右端部よりも左方に配置されている。一方、レール支持部材20Bは、印刷領域より左方において、印刷領域と左右方向に隣接したところに配置されているとともに、ガイドレール19の左端部よりも右方に配置されている。即ち、ガイドレール19は、レール支持部材20Aよりも右方に延びるとともにレール支持部材20Bよりも左方に延びるようになる。またレール支持部材20Aからガイドレール19の右端面までのガイドレール19の長さと、レール支持部材20Bからガイドレール19の左端面までのガイドレール19の長さとは互いに等しくなる。
次に図4を参照して、ガイドレール19及び補助ガイドレール22によるキャリッジ26の支持構造の詳細について説明する。
図4に示すように、キャリッジ26の後方且つ下方の部位における左右方向の両端部には、後方に向けて開口するとともにキャリッジ26の後面から前方に向かい凹む凹部26aがそれぞれ設けられている。これら凹部26aには、ガイドレール19とそれぞれ嵌合することによりガイドレール19を摺動可能に受ける軸受部材29が取り付けられている。この軸受部材29は、後方が開口する円弧状の内周面を有する矩形平板状の含油軸受である。このような構成により、キャリッジ26は、ガイドレール19によって左右方向に往復移動可能とするとともに、ガイドレール19を中心に回動可能となる。また各軸受部材29には、この軸受部材29にオイルを補給するためのフェルト(不図示)が設けられている。
また、キャリッジ26の後方且つ上方の部位には、記録ヘッド28の上端部28aよりも上方に突出する突起部26bが設けられている。この突起部26bの前面は、補助ガイドレール22と摺接可能に当接している。したがって、キャリッジ26は、補助ガイドレール22によって左右方向に往復移動可能とされるとともに、ガイドレール19を中心とするキャリッジ26の回動方向の位置を規制されている。
次に図5を参照して、フレーム18の構造の詳細について説明する。
図5(a)に示すように、フレーム18は、金属板をプレス加工することによりそれぞれ成形された第1フレーム30及び第2フレーム40を組み合わせることにより構成されている。
第1フレーム30には、上記平面部18aとして形成される前面を有するとともに、平面部18aの左右方向の両側の一部から後方に向けて屈曲して延びる第1側面部31が形成されている。
第2フレーム40には、上記平面部18aと前後方向に対向するとともに同平面部18aと平行となる対向面部41が形成されている。この対向面部41の上端部には、上端面18bが設けられている。そして上端面18bの前端には、下方に向かい延びるとともに上記平面部18aの後面に当接する当接面を有する上側当接部42が設けられている。一方、対向面部41の下端部には、上端面18bと平行となるとともに前方に向かい延びる側面を有する下側側面部43が設けられている。そして下側側面部43の前端には、上方に向かい延びるとともに上記平面部18aの後面に当接する当接面を有する下側当接部44が設けられている。
第1フレーム30における上側当接部42及び下側当接部44と対応するところには、左右方向に離間して5つのバーリング部32がそれぞれ設けられている。このバーリング部32は、上記平面部18aにバーリング加工を施すことにより、後方に向かい延びる円筒形状に形成されている。また第2フレーム40における上側当接部42及び下側当接部44におけるバーリング部32と対応するところには、このバーリング部32と嵌合する嵌合孔45がそれぞれ設けられている。
図5(b)に示すように、第1フレーム30及び第2フレーム40は、バーリング部32に嵌合孔45を嵌合させた状態において、バーリング部32を前方に向けて塑性変形させるバーリングかしめを施すことにより、互いに締結されている。
なお、上記対向面部41における嵌合孔45と対応するところには、この対向面部41を前後方向に貫通する貫通孔46がそれぞれ設けられている(図5(a)参照)。これにより、プレス加工機によりバーリングかしめを行うときに、貫通孔46にかしめ工具を挿入させてバーリング部32を塑性変形することができる。
次に図6を参照して、補助レール支持部材23の位置調整構造及び位置調整方法について説明する。なお、図6ではねじ部材24を省略して示している。
図6に示すように、各補助レール支持部材23には、前後方向が長径となる長穴23dが設けられている。そして各補助レール支持部材23は、ねじ部材24により長穴23dを介してフレーム18の上端面18bに締結されることにより、フレーム18に固定されている。フレーム18とガイドレール19との対向方向である前後方向において、長穴23dの長さは、ねじ部材24の軸部24a(図5中の破線円)の外径よりも大きい。
このような補助レール支持部材23は、ねじ部材24によりフレーム18に締結された後でも、作業者がねじ部材24の締め付けを緩めることにより、長穴23dの範囲内において前後方向に移動可能となる。
ガイドレール19に対して補助ガイドレール22が左右方向に傾いて配置されるような場合、作業者がねじ部材24を緩めて補助レール支持部材23を前後方向に移動することにより、ガイドレール19と平行となるように補助ガイドレール22の左右方向に対する傾きを調整する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ガイドレール19にキャリッジ26が摺接可能に往復移動することにより、ガイドレール19の潤滑剤は、レール支持部材20A,20Bを伝って平面部18aに付着する場合がある。そして平面部18aに付着した潤滑剤は、その自重により平面部18aの下端部から下方に向けて落下してしまう。このときに、フレーム18の下方にシートSTが搬送されていた場合、潤滑剤がシートSTに付着してしまうおそれがある。
加えて、キャリッジ26に軸受部材29が設けられることにより、軸受部材29から染み出たオイルもガイドレール19を介してレール支持部材20A,20Bに伝ってしまう。そしてレール支持部材20A,20Bのオイルは、潤滑剤と同様に平面部18aから下方に向けて落下してしまう。これにより、オイルがシートSTに付着するおそれがある。
その点、本実施形態では、レール支持部材20Aが印刷領域よりも右側に配置されるとともにレール支持部材20Bが印刷領域よりも左側に配置されるため、ガイドレール19からレール支持部材20A,20Bに潤滑剤及びオイルが伝ったとしても、シートSTに潤滑剤及びオイルが付着することが回避されるようになる。
また、レール支持部材20Aがガイドレール19の右端部よりも左側に設けられるとともにレール支持部材20Bがガイドレール19の左端部よりも右側に設けられている。したがって、レール支持部材がガイドレールの左右方向の両端部を支持する構成と比較して、レール支持部材20A,20B間の左右方向の距離が短くなるため、キャリッジ26の重量や移動に起因するガイドレール19の撓みを抑制することができる。
加えて、ガイドレール19は、レール支持部材20Aよりも右方に延びるとともにレール支持部材20Bよりも左方に延びるため、ガイドレール19には、キャリッジ26及び記録ヘッド28の重量により発生するレール支持部材20A,20B周りにそれぞれ発生する第1モーメントに対して、ガイドレール19のレール支持部材20A,20Bの左右方向の外方の部位において発生する第2モーメントとが発生する。これら第1モーメントと第2モーメントとは互いに反対方向となるため、互いに打ち消しあう。その結果、第1モーメントに起因するガイドレール19の撓みを抑制することができる。
(2)フレームが平板のみにて形成される一枚板の構成では、キャリッジ26及び記録ヘッド28をガイドレール19に取り付けたときに、フレームが変形することにより、フレームの平面部が歪む場合がある。これにより、平面部に固定されるレール支持部材20A,20Bが予め設定された位置から傾いてしまう場合がある。これに伴い、レール支持部材20A,20Bにそれぞれ固定されるガイドレール19が予め設定された位置から傾いてしまう場合がある。その結果、キャリッジ26及び記録ヘッド28が傾いた状態となったり、キャリッジ26及び記録ヘッド28が左右方向に対して傾いた方向に移動したりするようになる。
この点、本実施形態では、フレーム18が四角枠体として形成されるため、フレームが平板のみにて形成される一枚板の構成と比較して、フレーム18の剛性が向上するようになる。これにより、キャリッジ26の重量及び移動に起因してフレーム18が変形することを抑制することができる。これにより、フレーム18の変形に起因するガイドレール19の歪みを抑制することができる。したがって、キャリッジ26及び記録ヘッド28の傾きや左右方向に対して傾いた方向に移動することを抑制することができる。
(3)レール支持部材20A,20Bがフレーム18の平面部18aとこの平面部18aと前後方向に対向するガイドレール19の部位とをそれぞれ互いに接続するため、レール支持部材20A,20Bの前後方向の長さを短くすることができる。これにより、フレーム18、レール支持部材20A,20B及びガイドレール19を組み立てた組立体としての剛性を向上させることができる。
(4)補助レール支持部材23のうちの左右方向の中央の一つは、印刷領域内に配置されている。しかしながら、補助レール支持部材23が補助ガイドレール22より上方に配置される構成であるため、補助ガイドレール22の潤滑剤は、補助レール支持部材23に伝わることが回避されるようになる。したがって、補助レール支持部材23はシートSTの印刷領域内にも配置することが可能となるため、補助レール支持部材23の配置の自由度を向上させることができる。
(5)補助レール支持部材23の長穴23dの前後方向の長さがねじ部材24の軸部24aの外径よりも大きく形成されるため、補助レール支持部材23は前後方向に移動可能となる。これにより、作業者が補助レール支持部材23を前後方向に移動させることにより、補助ガイドレール22の前後方向に対する傾きを調整することができる。これにより、ガイドレール19に対する補助ガイドレール22の前後方向の傾きを調整することができるようになる。したがって、フレーム18にガイドレール19、レール支持部材20A,20B、補助ガイドレール22及び補助レール支持部材23を取り付けた後でもガイドレール19及び補助ガイドレール22が前後方向に互いに平行となるように調整することができる。
(6)フレーム18と連結フレーム16とが別部材として構成されるため、フレーム18にガイドレール19、レール支持部材20A,20B、補助ガイドレール22、補助レール支持部材23、キャリッジ26及び記録ヘッド28を組み立てた後に、この組立体を連結フレーム16に取り付けることができる。
(7)フレーム18がプレス加工することにより成形された第1フレーム30及び第2フレーム40を組み合わせることにより形成されるため、フレームをアルミニウムダイキャスト等の鋳造により形成される構成と比較して、製造コストを低減することができる。
(8)フレーム18が第1フレーム30と第2フレーム40とをバーリングかしめを行うことにより組み立てられるため、第1フレームと第2フレームとをねじ部材等の締結部材を用いて組み立てる構成と比較して、部品点数を削減することができる。加えて、締結部材を用いて組み立てる構成と比較して、フレーム18を製造するためにかかる工程を削減することができる。
(9)フレーム18が上下方向に対して左右方向の長さが長く形成されるとともに、上端面18b及び下側側面部43が左右方向に亘り形成される構成であるため、これら上端面及び下側側面部が上下方向に亘り形成されるフレームの構成と比較して、フレーム18の剛性が向上するようになる。したがって、キャリッジ26の重量や移動によるフレーム18の変形量を低減することができる。
(10)補助レール支持部材23に屈曲部23cが設けられるため、補助レール支持部材23の剛性が向上するようになる。これにより、キャリッジ26が補助ガイドレール22に当接することにより補助ガイドレール22から補助レール支持部材23に対して加わる力に対して補助レール支持部材23が変形することを抑制することができる。
(11)フレーム18に対して後方からバーリングかしめを行うため、バーリングかしめの際に平面部18aの前方の面に全体にて力を受ける治具を配置することができる。したがって、バーリング部毎に力を受ける治具を配置する構成と比較して、平面部18aのバーリングかしめに起因する平面度の低下を抑制することができる。これにより、ガイドレール19の左右方向に対する傾きを抑制することができる。
(12)補助ガイドレール22の軸径がガイドレール19の軸径よりも小さいため、補助ガイドレール22はガイドレール19よりも撓みやすくなっている。その点、本実施形態では、補助レール支持部材23が3つ設けられることにより、補助ガイドレール22の撓みを抑制することができる。この補助レール支持部材23は4つ以上でも同様の効果を奏することができる。
(13)補助ガイドレール22の軸径がガイドレール19の軸径が小さく形成されるとともに、左右方向に隣り合う補助レール支持部材23間の左右方向の距離が、レール支持部材20A,20B間の左右方向の距離よりも小さくなる。これにより、ガイドレール19の固有振動数と補助ガイドレール22の固有振動数が互いに異なるようになる。キャリッジ26の往復移動に起因するガイドレール19の振動が補助ガイドレール22と共振を生じることが抑制されるようになる。これによりキャリッジ26の振動の増大が抑制されるため、記録ヘッド28から噴射されたインクのシートSTへの着弾位置に影響を与えることを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、フレーム18は連結フレーム16以外の他の装置本体12内の部品(例えば、ローラー支持フレーム15)に固定するようにしてもよい。
・上記実施形態において、フレーム18と連結フレーム16とが同一部材として構成してもよい。即ち、連結フレーム16から連続して左右方向に向かい延びる平面部18aを形成するようにしてもよい。
・上記実施形態において、補助レール支持部材23の位置調整構造は省略してもよい。即ち、ねじ部材24を挿通する補助レール支持部材23の長穴23dに代えて、ねじ部材24の軸部24aと略同一の内径を有する円形として形成するようにしてもよい。
・上記実施形態において、補助レール支持部材23はフレーム18の平面部18aに固定されてもよい。この場合、補助レール支持部材23には、平面部18aと当接する当接部が設けられるとともにねじ部材24によって当接部を平面部18aに固定するようになる。
・上記実施形態において、補助レール支持部材23の個数は3つ以外であってもよい。またレール支持部材は印刷領域の左右方向の外側且つガイドレール19の左右方向の両端部より内側であれば、レール支持部材20A,20Bからさらに追加して設けてもよい。
・上記実施形態において、補助ガイドレール22はキャリッジ26と摺接可能であるとともにキャリッジ26の回動方向の規制を行うことができれば、例えば断面四角形状等の他の形状としてもよい。また、補助ガイドレール22は、フレーム18の平面部18aの上方から屈曲して前方に向けて延びる第1部位と、この第1部位の前端から下方に向けて延びる第2部位とからなる略L字形状とすることもできる。また補助ガイドレール22と第1フレーム30とが単一部材として構成される場合には、補助レール支持部材23を省略することもできる。
・上記実施形態において、補助ガイドレール22を省略してもよい。
・上記実施形態において、レール支持部材20A,20Bをフレーム18の下端面にそれぞれ固定してもよい。またガイドレール19の下端部がレール支持部材20A,20Bの上端部とそれぞれ当接してもよい。この場合、レール支持部材20A,20Bは、前後方向及び左右方向に延びる平板形状にそれぞれ形成されるようになる。そして、キャリッジ26の軸受部材29は、ガイドレール19のレール支持部材20A,20Bより上方まで開口することにより、ガイドレール19のレール支持部材20A,20Bより上方の部位のみとそれぞれ摺接するようになる。
・上記実施形態において、フレーム18は第1フレーム30または第2フレーム40のみから構成されてもよい。この場合、第1フレーム30または第2フレーム40をプレス加工して折り曲げることにより、四角枠体として形成されるようになる。
・上記実施形態において、レール支持部材20A,20Bは、上面視において略U字形状にすることもできる。即ちレール支持部材20A,20Bは、前後方向に沿う部位のみから構成されるのではなく、左右方向に延びる部位を有していてもよい。
・上記実施形態において、各レール支持部材20A,20Bの前端部は、前方に向かうにつれて下方に向けてガイドレール19に接続される構成としてもよい。
・上記実施形態において、フレーム18は平面部18aが形成されるのみの平板状に形成されてもよい。
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…プリンター(液体噴射装置)、12…装置本体、14…搬送機構、16…連結フレーム(装置本体内の部品)、18…フレーム、18a…平面部(フレームの長手方向の面)、18b…上端面(側面部)、19…ガイドレール(ガイド軸)、20A…レール支持部材(第1ガイド軸支持部材)、20B…レール支持部材(第2ガイド軸支持部材)、22…補助ガイドレール(補助ガイド軸)、23…補助レール支持部材(補助ガイド軸支持部材)、23d…長穴(貫通孔)、24…ねじ部材、26…キャリッジ、28…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、41…対向面部、42…下側側面部(側面部)、ST…シート(被記録媒体)。

Claims (6)

  1. フレームと、このフレームの長手方向の面と間隙を介して対向するガイド軸と、該ガイド軸を支持するとともに前記フレームに固定される第1ガイド軸支持部材及び第2ガイド軸支持部材と、前記ガイド軸に塗布された潤滑剤を介して該ガイド軸に沿って往復移動するキャリッジと、該キャリッジに搭載されるとともに液体を被記録媒体に向けて噴射する液体噴射ヘッドと、前記ガイド軸及び前記ガイド軸支持部材より下方において前記被記録媒体を搬送する搬送機構とを備える液体噴射装置であって、
    前記第1ガイド軸支持部材及び前記第2ガイド軸支持部材の前記ガイド軸側の端部は、前記ガイド軸に対して上下方向と直交する水平方向または水平方向より下方に向けて該ガイド軸に接続され、
    前記第1ガイド軸支持部材は、前記キャリッジの移動方向における前記ガイド軸の一方の端部と前記液体噴射ヘッドが前記被記録媒体に液体を噴射する領域の一方の端部との間に設けられ、
    前記第2ガイド軸支持部材は、前記キャリッジの移動方向における前記ガイド軸の他方の端部と前記液体噴射ヘッドが前記被記録媒体に液体を噴射する領域の他方の端部との間に設けられる
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記フレームは、前記長手方向の面と間隙を介して前記ガイド軸とは反対側に対向する平面を有する対向面部と、前記長手方向の面及び前記対向面部を互いに接続する側面部を有する四角枠体として形成される
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
    前記第1ガイド軸支持部材及び前記第2ガイド軸支持部材は、前記フレームの平面部に固定されるとともに、該平面部から水平方向に突出して前記ガイド軸における前記平面部と対向する部位に接続される
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
    前記フレームの前記ガイド軸より上方には、前記キャリッジの移動をガイドするとともに該キャリッジの回動動作を規制する補助ガイド軸が設けられ、
    前記補助ガイド軸は、複数の補助ガイド軸支持部材を介して前記フレームに固定され、
    前記補助ガイド軸支持部材は、前記補助ガイド軸よりも上方に配置される
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項4に記載の液体噴射装置において、
    前記補助ガイド軸支持部材は、ねじ部材により前記フレームに固定され、
    前記補助ガイド軸支持部材には、前記ねじ部材を上下方向に挿通するための貫通孔が設けられ、
    前記貫通孔は、前記キャリッジの移動方向及び上下方向にそれぞれ直交する方向に長い長穴状に形成される
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
    前記フレームは、前記搬送機構が収容される装置本体に取り付けられる
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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