JP2011184172A - シート部材搬送装置、及び該シート部材搬送装置を備えた記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】重力方向に高低差を有する湾曲経路部分が搬送経路の途中に設けられる場合でも、部品点数の増加を抑制して組み立ての手間を低減することができるシート部材搬送装置、及び該シート部材搬送装置を備えた記録装置を提供する。
【解決手段】可撓性を有する用紙12を一枚ずつ搬送方向の下流側へ送り出す給紙ローラー17と、給紙ローラー17により送り出された用紙12の印刷面12aを支持可能な回動部材19を有し且つ回動部材19が用紙12の搬送方向と交差する用紙12の幅方向に沿って延びる回動軸18を中心として重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡を描くように回動可能な反転機構14と、反転機構14における回動部材19に支持された状態で回動部材19と共に回動した用紙12を反転機構14から受容して前記搬送方向の下流側へ搬送する搬送ローラー36とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】可撓性を有する用紙12を一枚ずつ搬送方向の下流側へ送り出す給紙ローラー17と、給紙ローラー17により送り出された用紙12の印刷面12aを支持可能な回動部材19を有し且つ回動部材19が用紙12の搬送方向と交差する用紙12の幅方向に沿って延びる回動軸18を中心として重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡を描くように回動可能な反転機構14と、反転機構14における回動部材19に支持された状態で回動部材19と共に回動した用紙12を反転機構14から受容して前記搬送方向の下流側へ搬送する搬送ローラー36とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、記録が施されるシート部材を重力方向に高低差を有した湾曲経路部分を有する搬送経路に沿って搬送するシート部材搬送装置、及び該シート部材搬送装置を備えた記録装置に関する。
従来から、記録材をシート部材に付着させて記録を施す記録装置として、インクジェット式プリンターが広く知られている。このプリンターは、記録ヘッドに供給されるインク(記録材)を記録ヘッドに形成されたノズルから噴射することによりシート部材としての用紙に印刷(画像形成)を施すようになっている。
そして、こうしたプリンターにおいて、近時は、例えば特許文献1に記載されるように、重力方向に高低差を有する湾曲したUターン搬送路を搬送経路の途中に有しているものがある。すなわち、この特許文献1のプリンターにおいては、給紙トレイから給紙された用紙をUターン搬送路の部分で反転させると共に、そのUターン搬送路から搬出された用紙を給紙トレイの上方となる位置に設けられた排紙トレイへ排紙することにより、省スペース化を図っている。
ところで、こうしたUターン搬送路のように搬送経路の途中で重力方向に高低差を有する湾曲した湾曲経路部分では、用紙を重力方向に湾曲させながら搬送することになる。そのため、例えば、腰の弱い用紙を搬送する場合には、用紙が自重で潰れて搬送できなくなる虞がある。そこで、特許文献1のプリンターの場合は、搬送経路の湾曲経路部分であるUターン搬送路に複数のローラー対を設け、Uターン搬送路に沿う複数箇所で用紙を挟持して搬送するようにしていた。
しかし、搬送経路の湾曲経路部分に複数のローラー対を設ける場合には、部品点数が増加してしまうと共に、複数箇所にローラーを取り付ける必要があるため、組み立てに手間がかかってしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、重力方向に高低差を有する湾曲経路部分が搬送経路の途中に設けられる場合でも、部品点数の増加を抑制して組み立ての手間を低減することができるシート部材搬送装置、及び該シート部材搬送装置を備えた記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のシート部材搬送装置は、可撓性を有するシート部材を一枚ずつ搬送方向の下流側へ送り出す送出手段と、該送出手段により送り出された前記シート部材の一面を支持可能な支持部を有し且つ該支持部が前記シート部材の前記搬送方向と交差する前記シート部材の幅方向に沿って延びる回動軸を中心として重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡を描くように回動可能な支持手段と、該支持手段における前記支持部に支持された状態で該支持部と共に回動した前記シート部材を前記支持手段から受容して前記搬送方向の下流側へ搬送する搬送手段とを備える。
この構成によれば、支持部が回動軸を中心に回動することにより、シート部材は支持部に一面を支持された状態で該支持部と共に回動して重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡を描くように搬送される。そのため、重力方向に高低差を有する湾曲した湾曲経路部分を有する搬送経路に沿ってシート部材を搬送する場合であっても、シート部材の腰の強弱に関わらずに搬送することができる。したがって、ローラー対のようなシート部材を挟持するための機構を搬送経路に設けることなくシート部材を搬送することができるため、部品点数の増加を抑制して組み立て時の手間を低減することができる。
本発明のシート部材搬送装置において、前記支持部は、前記送出手段によって送り出された前記シート部材における前記搬送方向の下流側の端部に対して前記搬送方向の上流側から当接可能な当接部を有する。
この構成によれば、シート部材が送出手段により送り出されると、そのシート部材における搬送方向の下流側の端部が支持部の当接部と当接することにより、シート部材を介して送出手段の送出力が支持部へ伝達される。そのため、支持部は、シート部材に押されるように回動する。したがって、支持部を回動させるための回動手段を格別に設けなくとも、シート部材を送り出す送出手段の送出力を利用して支持部を回動させることができる。
本発明のシート部材搬送装置において、前記支持部は、前記シート部材の一面に面接触可能な湾曲した曲面部を有する。
この構成によれば、支持部が有する湾曲した曲面部とシート部材の一面とを面接触させた状態でシート部材を安定姿勢で搬送することができる。すなわち、支持部とシート部材との接触面積を大きくすることにより、支持部とシート部材間に働く摩擦力を大きくして支持部とシート部材が離間する虞を低減することができる。
この構成によれば、支持部が有する湾曲した曲面部とシート部材の一面とを面接触させた状態でシート部材を安定姿勢で搬送することができる。すなわち、支持部とシート部材との接触面積を大きくすることにより、支持部とシート部材間に働く摩擦力を大きくして支持部とシート部材が離間する虞を低減することができる。
本発明のシート部材搬送装置において、前記搬送手段は、前記幅方向に沿って延びる搬送ローラーと、該搬送ローラーを回転させる回転手段とを有し、前記支持部における前記搬送方向の下流側の端部には凹部が形成され、該凹部は、前記支持部が前記搬送手段に近づく方向に回動した場合に前記搬送ローラーと対向する。
この構成によれば、支持部には、該支持部が搬送手段に近づく方向に回動した場合に搬送ローラーと対向する凹部が形成されている。そのため、支持部に支持されるシート部材の一部は凹部に対向して位置することになり、支持部の回動に伴って搬送ローラーと当接する。すると、シート部材は、回転する搬送ローラーに巻き込まれるように搬送方向の下流側へさらに搬送される。そして、このとき支持部は、搬送方向の下流側の端部において、凹部が形成されていない部分でシート部材を支持しているため、シート部材を搬送ローラー側へ押し込むように搬送することができる。
本発明の記録装置は、シート部材に記録材を付着させて記録を施す記録手段と、上記構成のシート部材搬送装置とを備える。
この構成によれば、上記シート部材搬送装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
この構成によれば、上記シート部材搬送装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
以下、本発明を記録装置の一種であるインクジェット式プリンターに具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。なお、以下の説明において、「上下方向」、「左右方向」をいう場合は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、「前後方向」をいう場合は、図1において紙面に直交する方向であり、図2に矢印で示した方向を示すものとする。
図1に示すように、記録装置としてのプリンター11は、可撓性を有するシート部材としての用紙12を積層状態にして貯蔵可能な給紙トレイ13を有している。そして、その給紙トレイ13の左側上方位置には、給紙トレイ13から給紙された用紙12を反転させる支持手段としての反転機構14が設けられている。また、給紙トレイ13の上方位置には、反転機構14において反転された用紙12に対して、記録材としてのインクを付着させて印刷(記録)を施すための印刷部15が配設されている。
すなわち、用紙12は、搬送方向における上流側に配置された給紙トレイ13から給紙されると、重力方向に高低差を有する湾曲した湾曲経路部分を構成する反転機構14を通過し、さらに搬送方向の下流側に位置する印刷部15へ搬送される。そして、印刷部15によって印刷が施された用紙12は、印刷部15よりもさらに搬送方向の下流側となる位置であって且つ給紙トレイ13よりも重力方向(上下方向)における上方位置に設けられた図示しない排紙トレイへ排紙されるようになっている。
さて、図1に示すように、給紙トレイ13において給紙口となる位置(図1では左側上部の位置)には、図示しないモーターの駆動力に基づいて回転する第1の回転軸16(図4参照)と一体回転可能な送出手段としての給紙ローラー17が設けられている。なお、給紙ローラー17は、給紙トレイ13内に貯蔵されている用紙12(具体的には最上層の用紙)の表面に対して接触するように配設されている。そのため、給紙ローラー17が前側から見て時計方向(図1に矢印で示す方向)に回転することにより、給紙トレイ13内の用紙12が一枚ずつ搬送方向の下流側(左側)となる反転機構14側へ送り出されるようになっている。
図1〜図4に示すように、反転機構14は、用紙12の搬送方向と直交する幅方向(前後方向)に沿って延びるように図示しないフレームに固定された回動軸18を有している。そして、回動軸18には、該回動軸18を中心として重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡を描くように、用紙12の搬送方向における上流側位置(図1、図2参照)と下流側位置(図3、図7参照)間を回動自在な樹脂製の回動部材19(支持部)が回動自在に支持されている。
この回動部材19は、断面視円弧状に湾曲した支持面20aを有して略四半円筒状をなす曲面部としての周壁部20と、周壁部20の前後両端位置に該周壁部20と直交するように形成された側壁部21とを有している。そして、回動軸18は、略扇形状をした側壁部21における要付近に形成された挿通孔22に対して回動自在に挿通されている。
なお、回動部材19は、該回動部材19において周壁部20の反時計方向側の端部となる上流側端部19a(搬送方向における上流側となる端部)における支持面20aが、給紙ローラー17によって給紙された用紙12の下側の面である印刷面12aと上下方向に同じ高さとなるように配置されている。すなわち、支持面20aは、給紙ローラー17の回転に伴って給紙トレイ13から送り出された用紙12の一面(印刷面12a)を、面接触可能に支持するようになっている。
さらに、回動部材19の回動軌跡(重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡)内において、回動部材19と給紙トレイ13との間には、緩衝材23aが設けられる一方、回動部材19と印刷部15との間には、ストッパー23bが設けられている。そして、回動部材19の上流側位置は、回動部材19の反時計方向(すなわち、搬送方向上流側)への回動が緩衝材23aを介して給紙トレイ13に規制される位置となっている。一方、回動部材19の下流側位置は、回動部材19の時計方向(すなわち、搬送方向下流側)への回動がストッパー23bに側壁部21の時計方向側の端部が当接することで規制される位置となっている。
さて、図2、図3に示すように、回動部材19において周壁部20の時計方向側の端部となる下流側端部19b(搬送方向における下流側となる端部)には、上下方向に沿って切欠き形成された凹部24が前後方向に沿って少なくとも1つ(本実施形態では4つ)形成されている。すなわち、周壁部20の時計方向側の端部となる回動部材19の下流側端部19bには、前後方向に沿って少なくとも1つ(本実施形態では5つ)の凸部25が形成されている。そして、各凸部25における先端部(搬送方向における下流側の端部)には、支持面20aから回動軸18側へ突出するようにフック状の当接部26が形成されている。すなわち、当接部26は、用紙12が給紙トレイ13から給紙されて周壁部20に沿って下流側に搬送された際に、用紙12の先端部12b(搬送方向における下流側の端部であって図4参照)に対して搬送方向の上流側から当接可能となっている。
図1に示すように、印刷部15には、用紙12を搬送するための搬送部28と、該搬送部28によって搬送される途中の用紙12に向けてインクを噴射し、印刷(記録)を施す記録手段としての記録ヘッド29とを備えている。
搬送部28は、矩形板状のプラテン30を備えていると共に、プラテン30の左側には、モーター(図示略)の駆動に伴って回転する駆動軸31(図4参照)と、該駆動軸31と一体回転可能な駆動ローラー32が配置されている。一方、プラテン30の右側には前後方向に延びる従動ローラー33が回転可能に配置されている。さらに、各プラテン30の下側には、前後方向に延びるテンションローラー34が回転可能に配置されている。そして、駆動ローラー32、従動ローラー33、及びテンションローラー34には、プラテン30を囲むように、多数の通気孔(図示略)が形成された無端状の搬送ベルト35(ただし、図2、図3では用紙12と共に図示略)が巻き回されている。
そして、駆動ローラー32を前側から見て時計方向に回転駆動することで、搬送ベルト35が駆動ローラー32、従動ローラー33、及びテンションローラー34の外側を前側から見て時計方向に周回移動されるようになっている。また、各プラテン30には、搬送ベルト35に形成された通気孔を介して用紙12を吸引可能な吸引手段(図示略)が設けられている。そのため、用紙12は、プラテン30の上面と対向する位置にある場合、搬送ベルト35に吸着された状態で、搬送方向の上流側である左側から下流側である右側に向かって搬送されるようになっている。
また、図1,図2に示すように、駆動ローラー32の上方位置には、前後方向に延びる搬送手段としての搬送ローラー36が設けられている。この搬送ローラー36は、回転手段としての搬送モーター39の駆動に基づいて回転する第2の回転軸37と、該第2の回転軸37に一体回転可能に設けられた分割ローラー38とにより構成されている。ただし、分割ローラー38は、回動部材19が回動した際に周壁部20に形成された凹部24と対向すると共に、凸部25が分割ローラー38間に進入可能なように凹部24と同数設けられている。そして、搬送ローラー36が搬送モーター39の駆動力に基づいて反時計方向に回転することにより、反転機構14によって搬送された用紙12がプラテン30側へ搬送されるようになっている。そして、本実施形態では、以上の給紙ローラー17、反転機構14、搬送ローラー36により、シート部材搬送装置としての用紙搬送装置が構成されている。
次に、このように反転機構14を備えたプリンター11において印刷が行われる場合の作用について説明する。
図1に示すように、給紙トレイ13に用紙12が積層状に貯蔵された状態において給紙ローラー17が回転すると、図4に示すように、給紙トレイ13から用紙12が一枚ずつ給紙されると共に緩衝材23a上を通過して反転機構14側へ搬送される。すると、用紙12は、給紙ローラー17の回転に伴う送出力に基づき、下流側位置にある回動部材19の支持面20aに印刷面12aが摺動するように送り出されると共に、支持面20aの湾曲した形状に沿って変形する(図5参照)。そして、さらに給紙ローラー17が回転して用紙12が搬送方向の下流側に更に送り出されると、その用紙12は先端部12bが回動部材19の当接部26に当接するようになる。
図1に示すように、給紙トレイ13に用紙12が積層状に貯蔵された状態において給紙ローラー17が回転すると、図4に示すように、給紙トレイ13から用紙12が一枚ずつ給紙されると共に緩衝材23a上を通過して反転機構14側へ搬送される。すると、用紙12は、給紙ローラー17の回転に伴う送出力に基づき、下流側位置にある回動部材19の支持面20aに印刷面12aが摺動するように送り出されると共に、支持面20aの湾曲した形状に沿って変形する(図5参照)。そして、さらに給紙ローラー17が回転して用紙12が搬送方向の下流側に更に送り出されると、その用紙12は先端部12bが回動部材19の当接部26に当接するようになる。
ところで、回動部材19は、回動軸18に対して回動自在に支持されている。そのため、用紙12の先端部12bが当接部26に当接した状態で、さらに給紙ローラー17が回転して用紙12を搬送方向の下流側に送り出すと、用紙12を介して給紙ローラー17の送出力が回動部材19に伝達される。すると、図5に示すように、上流側位置に位置した回動部材19は、図6に示すように、用紙12と共に回動軸18を中心に時計方向(すなわち、搬送方向下流側)へ回動する。
なお、用紙12は、その一面である印刷面12aが周壁部20に面接触状態で支持されると共に、印刷面12aと支持面20aの摩擦力により周壁部20と一体化されて補強された状態で搬送方向の下流側へ移動する。そのため、用紙12は、給紙ローラー17と回動部材19との間において、給紙ローラー17の送出力を回動部材19へ伝達可能な程度に腰があれば、重力方向に高低差を有する湾曲した湾曲経路部分を搬送することができる。
そして、給紙ローラー17から回動部材19までは、給紙ローラー17から搬送ローラー36までと比べて上下方向における移動距離が短いため、より腰の弱い用紙を搬送可能となる。
そして、図7に示すように、回動部材19が下流側位置まで移動すると、回動部材19の各凸部25が第2の回転軸37の軸線よりも下側となる位置で分割ローラー38間に進入する。なお、このとき用紙12は、先端部12bが当接部26に当接しているため、先端部12bのうち凹部24に位置した部分が搬送ローラー36に当接する。
なお、搬送ローラー36は、前側から見て反時計回り方向に回転している。そのため、搬送ローラー36に当接した用紙12は、先端部12bが搬送ローラー36に巻き込まれるように受容され、さらに搬送方向の下流側へ搬送される。そして、用紙12は、プラテン30上となる位置まで搬送されると、搬送ベルト35に吸着された状態で搬送されると共に、記録ヘッド29からインクが噴射されて印刷が施される。
そして、用紙12の搬送方向における上流側の端部(先端部12bの反対側の端部)が給紙ローラー17の位置を搬送方向の下流側に通過すると、それまで変形した用紙12の復元力に基づいて生じていた用紙12が周壁部20へ及ぼす押圧力が低減すると共に、印刷面12aと支持面20aとの接触面積が減少する。そのため、印刷面12aと支持面20aとの間の摩擦力が低下し、回動部材19は自重によって搬送方向の上流側へ向かって復帰回動し、緩衝材23aと当接する上流側位置まで移動する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)回動部材19が回動軸18を中心に回動することにより、用紙12は回動部材19に一面となる印刷面12aが支持された状態で回動部材19と共に回動して重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡を描くように搬送される。そのため、重力方向に高低差を有した湾曲経路部分を有する搬送経路に沿って用紙12を搬送する場合であっても、用紙12の腰の強弱に関わらずに搬送することができる。したがって、ローラー対のような用紙12を挟持するための機構を搬送経路に設けることなく用紙12を搬送することができるため、部品点数の増加を抑制して組み立て時の手間を低減することができる。
(1)回動部材19が回動軸18を中心に回動することにより、用紙12は回動部材19に一面となる印刷面12aが支持された状態で回動部材19と共に回動して重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡を描くように搬送される。そのため、重力方向に高低差を有した湾曲経路部分を有する搬送経路に沿って用紙12を搬送する場合であっても、用紙12の腰の強弱に関わらずに搬送することができる。したがって、ローラー対のような用紙12を挟持するための機構を搬送経路に設けることなく用紙12を搬送することができるため、部品点数の増加を抑制して組み立て時の手間を低減することができる。
(2)用紙12が給紙ローラー17により送り出されると、その用紙12の搬送方向の下流側の先端部12bが回動部材19の当接部26と当接することにより、用紙12を介して給紙ローラー17の送出力が回動部材19へ伝達される。そのため、回動部材19は、用紙12に押されるように回動する。したがって、回動部材19を回動させるための回動手段を格別に設けなくとも、用紙12を送り出す給紙ローラー17の送出力を利用して回動部材19を回動させることができる。
(3)回動部材19が有する湾曲した周壁部20と用紙12の一面である印刷面12aとを面接触させた状態で用紙12を安定姿勢で搬送することができる。すなわち、回動部材19と用紙12との接触面積を大きくすることにより、回動部材19と用紙12間に働く摩擦力を大きくして回動部材19と用紙12が離間する虞を低減することができる。
(4)回動部材19には、回動部材19が搬送ローラー36に近づく方向に回動した場合に搬送ローラー36と対向する凹部24が形成されている。そのため、回動部材19に支持される用紙12の一部は凹部24に対向して位置することになり、回動部材19の回動に伴って搬送ローラー36と当接する。すると、用紙12は、回転する搬送ローラー36に巻き込まれるように搬送方向の下流側へさらに搬送される。そして、このとき回動部材19は、凸部25で用紙12を支持しているため、用紙12を搬送ローラー36側へ押し込むように搬送することができる。
(5)給紙トレイ13と回動部材19との間に緩衝材23aを設けることにより、回動部材19の回動時における衝撃音を低減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、回動部材19の凹部24を設けない構成とし、支持面20aに支持されて搬送された用紙12を支持面20aから離間させて搬送ローラー36側へ受け渡す機構を設けてもよい。また、回動部材19の下流側端部19b付近には側壁部21を設けない構成とすると共に、回動部材19を、用紙12の印刷面12aとは反対側の面が搬送ベルト35に当接するように回動させることにより、用紙12を搬送ベルト35上へ受け渡すようにしてもよい。また、搬送ベルト35を設けない構成とする場合には、用紙12を駆動ローラー32に当接させてもよい。したがって、搬送部28もしくは駆動ローラー32を搬送手段として機能させることにより、搬送ローラー36を設けない構成としてもよい。
・上記実施形態において、回動部材19は、当接部26を設けない構成としてもよい。すなわち、周壁部20の支持面20aと用紙12の印刷面12aとの間に十分な摩擦力が生じる程度に腰のある用紙12を搬送する場合には、当接部26と用紙12の先端部12bを当接させることなく回動部材19を回動させることができる。
・上記実施形態において、回動部材19は、回動が容易であるほど腰の弱い用紙12を搬送することができる。そのため、回動軸18を中心として回動部材19の反対側に錘を設け、回動部材19の回動を補助してもよい。また、回動部材19に孔や凹部を形成したり、ワイヤや糸などを張る、もしくは編むことによって回動部材19を形成したりすることにより、回動部材19の軽量化を図るようにしてもよい。なお、用紙12の印刷面12aと支持面20aとが部分的に接触する場合であっても、用紙12の重力方向以外の変形を抑制可能な程度に支持している場合には、面接触しているものとする。
・上記実施形態において、回動軸18を回動させるための回動手段(例えばモーター)を備えると共に、回動部材19を回動軸18と一体回転可能に設けてもよい。そして、回動手段を設ける場合には、例えば支持面20aを平面状とするなど、周壁部20の形状を任意に変更することができる。
・上記実施形態において、反転機構14は、湾曲した搬送経路部分であれば任意に用いることができる。すなわち、スキャナーなどの読取装置や、印刷部15と排紙トレイとの間に反転機構14を設けてもよい。また、湾曲した搬送経路であれば、用紙12を反転させる経路ではなくてもよい。例えば、斜めに設けられた給紙トレイから用紙12を給紙すると共に、用紙12の姿勢が水平状態となるように湾曲経路を搬送して印刷を施すプリンターに設けてもよい。
・上記実施形態では、記録装置をインクジェット式プリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする記録装置を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…プリンター(記録装置)、12…用紙(シート部材)、12a…印刷面、12b…先端部、14…反転機構(支持手段)、17…給紙ローラー(送出手段)、18…回動軸、19…回動部材(支持部)、20…周壁部(曲面部)、24…凹部、26…当接部、29…記録ヘッド(記録手段)、36…搬送ローラー(搬送手段)、39…搬送モーター(回転手段)。
Claims (5)
- 可撓性を有するシート部材を一枚ずつ搬送方向の下流側へ送り出す送出手段と、
該送出手段により送り出された前記シート部材の一面を支持可能な支持部を有し且つ該支持部が前記シート部材の前記搬送方向と交差する前記シート部材の幅方向に沿って延びる回動軸を中心として重力方向に高低差を有する湾曲した移動軌跡を描くように回動可能な支持手段と、
該支持手段における前記支持部に支持された状態で該支持部と共に回動した前記シート部材を前記支持手段から受容して前記搬送方向の下流側へ搬送する搬送手段と
を備えることを特徴とするシート部材搬送装置。 - 前記支持部は、前記送出手段によって送り出された前記シート部材における前記搬送方向の下流側の端部に対して前記搬送方向の上流側から当接可能な当接部を有することを特徴とする請求項1に記載のシート部材搬送装置。
- 前記支持部は、前記シート部材の一面に面接触可能な湾曲した曲面部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート部材搬送装置。
- 前記搬送手段は、前記幅方向に沿って延びる搬送ローラーと、
該搬送ローラーを回転させる回転手段と
を有し、
前記支持部における前記搬送方向の下流側の端部には凹部が形成され、
該凹部は、前記支持部が前記搬送手段に近づく方向に回動した場合に前記搬送ローラーと対向することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のシート部材搬送装置。 - シート部材に記録材を付着させて記録を施す記録手段と、
請求項1〜4のうち何れか一項に記載のシート部材搬送装置と
を備えることを特徴とする記録装置。
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