JP5636810B2 - 軸受構造及び記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受構造及び記録装置に関する。
一般に、記録媒体に対して液体を付着させて記録処理を施す記録装置として、インクジェット式プリンターが広く知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1のプリンターは、ガイドシャフト(軸部材)と、該ガイドシャフトに軸受部を介して摺動可能に設けられたキャリア(移動体)と、該キャリアに搭載されたインクヘッド(記録手段)とを備えている。そして、キャリアをガイドシャフトに沿って往復移動させながらインクヘッドから記録媒体にインク(液体)を噴射することで印刷(記録処理)を行うようになっている。
こうしたプリンターでは、通常、キャリアがガイドシャフトに沿って円滑に往復移動(摺動)するように、キャリアの軸受部とガイドシャフトとの間に潤滑用グリス(潤滑剤)が介在される。そして、特許文献1のプリンターでは、ガイドシャフトに直接潤滑用グリスが塗布されるとともに、余剰グリスがガイドシャフトとキャリアの軸受部の内面との間に形成される隙間に保持されるようになっている。
特開2004−338105号公報
ところで、特許文献1のプリンターでは、余剰グリスがガイドシャフトとキャリアの軸受部の内面との間に形成される隙間に保持されるようになっているものの、ガイドシャフトに潤滑用グリスを上記隙間で保持可能な量を超えて過剰に塗りすぎた場合には、潤滑用グリスがガイドシャフトから垂れてしまうという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、摺接部材と軸部材との間に適量の潤滑剤を供給することが可能な軸受構造及び記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の軸受構造は、移動体の一側部に設けられ、前記移動体側とは反対側が開口した軸受部と、水平方向に延びるとともに前記軸受部に摺動可能に嵌合する軸部材とを備え、前記移動体が前記軸部材に沿って移動可能に構成された軸受構造であって、前記軸部材は、該軸部材における前記軸受部の開口と対応する位置において補助支持部材によって支持され、前記軸受部は、前記軸部材に摺接するブッシュと、前記軸部材に摺接するとともに該軸部材の軸方向において前記ブッシュと隣接し、前記軸部材の径方向の厚さが前記ブッシュよりも薄く、且つ潤滑剤を吸収可能な吸収材と、前記軸部材の径方向において前記吸収材における前記軸部材側とは反対側の面と、前記ブッシュにおける前記吸収材が接触する接触面の双方に隣接且つ前記潤滑剤充填可能な潤滑剤充填部とを備え
この発明によれば、潤滑剤充填部に潤滑剤を充填することで、該潤滑剤が毛細管現象によって少なくともブッシュ吸収材との間を通ってブッシュと軸部材との間へ供給される。このため、ブッシュと軸部材との間に適量の潤滑剤を供給することが可能となる。
また、潤滑剤充填部に充填された潤滑剤が吸収材を介して少しずつ軸部材に供給される。このため、軸部材に潤滑剤が供給されすぎないようにすることが可能となる。
本発明の軸受構造において、前記ブッシュにおける前記軸部材との対向面には、前記軸部材に対して摺接する摺接部が該軸部材の周方向に間隔を置いて複数突設され、前記潤滑剤充填部は、前記各摺接部と前記軸部材との間に前記潤滑剤を供給するべく該各摺接部に対応してそれぞれ配置され、前記各潤滑剤充填部のうちの少なくとも1つは、対応する前記摺接部よりも鉛直方向の上側に位置している。
この発明によれば、各潤滑剤充填部に充填された潤滑剤を、重力を利用して、該各潤滑剤充填部と対応する摺接部と軸部材との間に対してそれぞれ効率よく供給することが可能となる。
本発明の軸受構造において、記各潤滑剤充填部は、該各潤滑剤充填部と対応する前記摺接部よりも前記軸受部の口かの距離が長くなる位置にそれぞれ配置されている。
この発明によれば、各潤滑剤充填部に充填された潤滑剤が対応する摺接部と軸部材との間に対してそれぞれ開口部の反対側から供給されるので、潤滑剤が開口部から漏れ出すことを抑制することが可能となる。
本発明の軸受構造において、前記軸受部は、前記吸収材及び前記潤滑剤充填部を前記軸部材の軸方向における前記ブッシュ側とは反対側から覆うカバー部材をさらに備えている。
この発明によれば、カバー部材により、吸収材が軸部材の軸方向に移動することを抑制したり、潤滑剤充填部に異物が入ることを抑制したりすることが可能となる。
本発明の軸受構造において、前記軸部材の軸方向における前記カバー部材と前記吸収材との間には、隙間が形成されている。
この発明によれば、潤滑剤充填部に充填された潤滑剤が吸収材におけるカバー部材側に供給されることを抑制することが可能となる。
本発明の記録装置は、記録媒体に対して記録処理を施す記録手段と、該記録手段を前記移動体に搭載した上記構成の軸受構造と、前記軸部材を支持する補助支持部材とを備え、前記補助支持部材は、鉛直方向において前記記録媒体の給送領域と重ならない位置に配置されている
この発明によれば、ブッシュと軸部材との間に適量の潤滑剤が供給されるので、記録手段が搭載された移動体を軸部材に沿って円滑に摺動させることができる。このため、記録手段による記録媒体に対する記録処理の精度を維持することが可能となる。
実施形態のインクジェット式プリンターの斜視図。 同プリンターのキャリッジの側面図。 同キャリッジを後側から見たときの斜視図。 同キャリッジの軸受部の拡大斜視図。 同キャリッジの軸受部の拡大斜視図。 同軸受部の拡大断面図。 同軸受部において、カバー部材を外したときの状態を示す側面拡大図。 図7において、さらに吸収材を外したときの状態を示す側面拡大図。
以下、本発明をインクジェット式プリンターに具体化した一実施形態について、図面に従って説明する。また、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は図1に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンター11は、本体フレーム12を備えている。本体フレーム12の下部には、その長手方向である左右方向に沿って支持台13が延設されている。支持台13上には、図示しない紙送り機構により記録媒体としての記録用紙Pが後方側から前方側に向かう方向(副走査方向)に沿って給送されるようになっている。
本体フレーム12における支持台13の上方には、該支持台13の長手方向(左右方向)に沿って軸部材としての主ガイド軸14が延設されている。さらに、本体フレーム12における主ガイド軸14の上方には、該主ガイド軸14と平行に副ガイド軸15が延設されている。主ガイド軸14には、該主ガイド軸14の軸方向(左右方向)に沿って往復移動可能に移動体としてのキャリッジ16が支持されている。
すなわち、キャリッジ16の後面下部には左右一対の軸受部16a(図3参照)が設けられるとともに、該各軸受部16aには主ガイド軸14が摺動可能に嵌合している。また、キャリッジ16の後端上部には、副ガイド軸15に対して後側から摺動可能に係合する係合部16bが設けられている。そして、係合部16bは、キャリッジ16の自重により、副ガイド軸15に対して常に荷重をかけながら当接している。
本体フレーム12における主ガイド軸14の両端部のやや上側の位置には、駆動プーリー17a及び従動プーリー17bが回転自在に支持されている。駆動プーリー17aにはキャリッジ16を主ガイド軸14に沿って往復移動させる際の駆動源となるキャリッジモーター18の出力軸が連結されている。
そして、両プーリー17a,17b間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト19が掛装されている。したがって、キャリッジ16は、主ガイド軸14及び副ガイド軸15にガイドされながら、キャリッジモーター18の駆動力により無端状のタイミングベルト19を介して左右方向に往復移動されるようになっている。
キャリッジ16の下面側には記録手段としての記録ヘッド20が支持(搭載)されるとともに、該記録ヘッド20の下面には複数のノズル(図示略)が開口している。また、本体フレーム12の左下には、内部に各色のインクが充填されたインクタンク21が配置されている。インクタンク21は、可撓性のインク供給チューブ22を介してキャリッジ16に支持された記録ヘッド20に接続されている。したがって、インクタンク21内の各色のインクは、インク供給チューブ22を介して記録ヘッド20に供給されるようになっている。
そして、キャリッジ16を主ガイド軸14に沿って左右方向(主走査方向)に往復移動させながらインクタンク21から記録ヘッド20に供給された各色のインクを各ノズル(図示略)から支持台13上に給送された記録用紙Pに噴射することで、印刷が行われるようになっている。
図1〜図3に示すように、本体フレーム12における記録用紙Pの給送領域から外れた位置には、主ガイド軸14を補助的に支持する補助支持部材23が複数設けられている。すなわち、各補助支持部材23は、上下方向において記録用紙Pの給送領域と重ならない位置に配置されている。
各補助支持部材23は、本体フレーム12における主ガイド軸14の真後ろに設けられるとともに、真っ直ぐ前方に向かって水平に延びている。そして、各補助支持部材23の先端面(前端面)における上下方向の中央部には左右方向に延びるV字状の溝23aが形成されるとともに、該各補助支持部材23の溝23aが主ガイド軸14の後面にそれぞれ当接している。
なお、キャリッジ16の軸受部16aの水平方向における後側は、該キャリッジ16が主ガイド軸14に沿って往復移動した際に、該軸受部16aと各補助支持部材23とが係合しないように開口している。
次にキャリッジ16の各軸受部16aの構成について詳述する。
はじめに、キャリッジ16の2つの軸受部16aは左右対称であるため、以下、右側の軸受部16aの構成のみを説明し、左側の軸受部16aの構成の説明は省略する。
図4〜図6に示すように、軸受部16aはキャリッジ16と一体に形成された全体として略直方体状をなすケース30を備えるとともに、該ケース30は内部に収容空間を有している。ケース30は、左右両側及び水平方向における後側が開口するとともに、後側の開口が左右両側の開口とそれぞれ連通している。ケース30内における左右方向の中央部には、略円筒状の第1収容部31が形成されている。
また、ケース30内における第1収容部31の右側には該第1収容部31よりも若干小径の第2収容部32が該第1収容部31と連通するように設けられる一方、ケース30内における第1収容部31の左側には第2収容部32よりも小径で且つ主ガイド軸14よりも若干大径の貫通孔33が該第1収容部31と連通するように設けられている。
したがって、ケース30の右側は第2収容部32が開口する一方、ケース30の左側は貫通孔33が開口している。さらに、ケース30の水平方向における後側は、第1収容部31、第2収容部32、及び貫通孔33が開口している。そして、左右方向において、第1収容部31の長さは第2収容部32の長さの4倍程度に設定されるとともに、貫通孔33の長さは第2収容部32の長さの半分程度に設定されている。
ケース30内において、第1収容部31には左右方向から見て略C字状(略円弧状)をなす摺接部材としてのブッシュ34が固定状態で主ガイド軸14を囲うように収容される一方、第2収容部32には左面がブッシュ34の右面と接触(隣接)するように左右方向から見て略C字状をなす隣接部材としての吸収材35が主ガイド軸14を囲うように収容されている。
すなわち、ブッシュ34及び吸収材35は水平方向における後側(一方側)にそれぞれ開口部34a及び開口部35aを有している。そして、各開口部34a,35aは、左右方向において互いにほぼ対応している。さらに、各開口部34a,35aは前後方向においてケース30における後側の開口とそれぞれ対応している。
ブッシュ34は、焼結体によって構成されているため、後述する潤滑剤としてのグリスが含浸可能になっている。また、ブッシュ34における軸受部16aに嵌合された主ガイド軸14の外周面14aと対向する対向面(内周面)34bには、該外周面14aに対して摺接する摺接部としての左右方向に延びる第1〜第3凸条36a〜36cが該ブッシュ34の周方向に間隔を置いてそれぞれ突設されている。
すなわち、図8に示すように、ブッシュ34の対向面34bにおいて、第1凸条36aは開口部34aと隣接する後斜め上部に位置し、第2凸条36bは前端部に位置し、第3凸条36cは下端部に位置している。したがって、ブッシュ34は、主ガイド軸14に対して実質的に第1〜第3凸条36a〜36cの3箇所において摺接している。
吸収材35は、フェルトによって構成されるとともに、後述するグリスを毛細管現象に基づいて吸収可能になっている。そして、吸収材35の内周面35bは主ガイド軸14の外周面14aに摺接するとともに、第1〜第3凸条36a〜36cの先端面(主ガイド軸14の外周面14aに摺接する面)と面一になっている。また、第2収容部32の内周面32aと吸収材35の外周面との間には、吸収材35が後述するグリスを吸収して膨潤することを考慮して若干の隙間が設けられている。
図7及び図8に示すように、ケース30内における第2収容部32の内周面32aには、第1〜第4凹部37a〜37dが該第2収容部32の周方向に間隔を置いてそれぞれ設けられている。すなわち、第1〜第4凹部37a〜37d内のそれぞれの空間Kによって潤滑剤としてのグリスを充填するための潤滑剤充填部が構成されている。
したがって、第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間Kは、ブッシュ34の右面(ブッシュ34における吸収材35との接触面)及び吸収材35における主ガイド軸14とは反対側の面である外周面の双方に隣接している。そして、第2収容部32の内周面32aにおいて、第1〜第3凹部37a〜37cは、第1〜第3凸条36a〜36cに対応してこれらの近傍位置にそれぞれ配置されている。
すなわち、第1凹部37aは第1凸条36aの前斜め上側(鉛直方向における上側)に位置し、第2凹部37bは第2凸条36bの前斜め上側(鉛直方向における上側)に位置し、第3凹部37cは第3凸条36cの前斜め下側(鉛直方向における下側)に位置している。また、第4凹部37dは、第2収容部32の周方向における第1凹部37aと第2凹部37bとの中間位置よりもやや第1凹部37a寄りの位置に位置している。
したがって、第1凹部37a内の空間Kに充填されたグリスは、吸収材35を介して主に第1凸条36aと主ガイド軸14の外周面14aとの間に供給されやすくなっている。第2凹部37b内の空間Kに充填されたグリスは、吸収材35を介して主に第2凸条36bと主ガイド軸14の外周面14aとの間に供給されやすくなっている。
第3凹部37c内の空間Kに充填されたグリスは、吸収材35を介して主に第3凸条36cと主ガイド軸14の外周面14aとの間に供給されやすくなっている。また、第4凹部37d内の空間Kに充填されたグリスは、吸収材35に吸収させる必要なグリス量を確保するために用いられる。なお、各凹部37a〜37dの大きさ及び形状は、互いに同じになっている。
また、第1〜第3凹部37a〜37cは、対応する第1〜第3凸条36a〜36cよりもブッシュ34の開口部34aから遠い位置にそれぞれ位置している。すなわち、第1〜第3凹部37a〜37cは、前後方向において、対応する第1〜第3凸条36a〜36cよりも前側の位置にそれぞれ位置している。
図4及び図6に示すように、ケース30には、該ケース30の右面を覆うカバー部材38が着脱自在に設けられている。すなわち、カバー部材38は、第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間K及び吸収材35を、左右方向におけるブッシュ34とは反対側の右側から覆うようになっている。
カバー部材38は、ケース30に取着された状態では、ケース30の上下両面に設けられた一対の係止片39によって係止されるとともに、吸収材35との間に隙間Sを形成する。そして、カバー部材38には、ケース30の後側の開口と対応する開口を有するとともに主ガイド軸14が挿通される挿通凹部38aが設けられている。
なお、本実施形態では、各軸受部16a及び主ガイド軸14によって軸受構造が構成されている。
次に、インクジェット式プリンター11の作用について説明する。
さて、記録用紙Pの印刷を行う場合には、キャリッジ16を主ガイド軸14に沿って往復移動(摺動)させながら記録ヘッド20の各ノズル(図示略)からインクを支持台13上に給送された記録用紙Pに噴射される。このとき、第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間Kに充填されたグリスが毛細管現象により吸収材35に吸収されて該吸収材35が膨潤するが、第2収容部32は該膨潤した吸収材35よりも若干容積が大きいため、該吸収材35の膨潤分が吸収される。
そして、吸収材35に吸収されたグリスは、該吸収材35から染み出してブッシュ34の対向面34bと主ガイド軸14の外周面14aとの間に供給される。この場合、第1〜第3凹部37a〜37cはそれぞれ第1〜第3凸条36a〜36cの近傍位置にあるため、第1〜第3凹部37a〜37cの空間Kに充填されたグリスは、主に、第1〜第3凸条36a〜36cと主ガイド軸14の外周面14aとの間にそれぞれ供給される。
このとき、第1及び第2凹部37a,37bは、鉛直方向(重力方向)においてそれぞれ第1及び第2凸条36a,36bよりも上側にある。このため、第1及び第2凹部37a,37bの空間Kに充填されたグリスは、重力と毛細管現象により、第1及び第2凸条36a,36bと主ガイド軸14の外周面14aとの間にそれぞれ効率よく供給される。
この結果、第1〜第3凸条36a〜36cの主ガイド軸14の外周面14aに対する摺動抵抗が小さく抑えられるので、キャリッジ16が主ガイド軸14に沿って円滑に往復移動(摺動)する。なお、第4凹部37dの空間Kに充填されたグリスは、重力と毛細管現象により、吸収材35全体に染み渡るため、吸収材35に保持される全体のグリス量が適度(飽和しない程度)に維持される。
また、吸収材35からグリスが染み出し過ぎて主ガイド軸14の外周面14a上に該グリスが供給され過ぎても、キャリッジ16の移動に伴って吸収材35が主ガイド軸14の外周面14a上を摺動するため、該外周面14a上にある余剰なグリスは、再び吸収材35によって拭き取られるように吸収される。このため、主ガイド軸14の外周面14a上からグリスが垂れ落ちることが抑制される。
また、第1〜第3凹部37a〜37cは、対応する第1〜第3凸条36a〜36cよりもブッシュ34の開口部34aから遠い位置にそれぞれ位置しているため、主ガイド軸14の外周面14aにおける該開口部34aと対応する後側の部分にグリスが供給され難くなる。このため、主ガイド軸14の外周面14a上のグリスが各補助支持部材23側に供給され難くなる。
因みに、主ガイド軸14の外周面14aにおける該開口部34aと対応する後側の部分にグリスが供給されると、該グリスが各補助支持部材23側に伝ってしまい、やがて該各補助支持部材23に溜まったグリスが垂れ落ちてしまうこととなる。この点、本実施形態では、各補助支持部材23が上下方向(鉛直方向)において記録用紙Pの給送領域と重ならない位置に配置されているため、万が一グリスが各補助支持部材23に溜まって垂れ落ちたとしても、該垂れ落ちたグリスで記録用紙Pを汚すことはない。
また、カバー部材38と吸収材35との間には隙間Sが形成されているため、吸収材35に吸収されたグリスがカバー部材38側に供給されることが抑制される。この結果、無駄にグリスが消費されたり、カバー部材38にグリスが溜まって垂れ落ちたりすることが抑制される。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間Kは、ブッシュ34の右面(ブッシュ34における吸収材35との接触面)及び吸収材35における主ガイド軸14とは反対側の面である外周面の双方に隣接している。このため、各空間Kにグリスを充填することで、該グリスを毛細管現象によって吸収材35を介してブッシュ34と主ガイド軸14との間へ供給することができる。したがって、ブッシュ34と主ガイド軸14との間に適量のグリスを供給することができる。この結果、記録ヘッド20が搭載されたキャリッジ16を主ガイド軸14に沿って円滑に摺動させることができるので、記録ヘッド20による記録用紙Pに対する印刷精度を維持することができる。
(2)第1及び第2凹部37a,37bの空間Kは、鉛直方向(重力方向)においてそれぞれ第1及び第2凸条36a,36bよりも上側にある。このため、第1及び第2凹部37a,37bの空間Kに充填されたグリスを、重力と毛細管現象との双方を利用して第1及び第2凸条36a,36bと主ガイド軸14の外周面14aとの間にそれぞれ効率よく供給することができる。
(3)第1〜第3凹部37a〜37cは、対応する第1〜第3凸条36a〜36cよりもブッシュ34の開口部34aから遠い位置にそれぞれ位置しているため、主ガイド軸14の外周面14aにおける該開口部34aと対応する後側の部分にグリスが供給され難くなるようにすることができる。すなわち、第1〜第3凹部37a〜37cの各空間Kに充填されたグリスを、対応する第1〜第3凸条36a〜36cと主ガイド軸14の外周面14aとの間に対してそれぞれ開口部34aの反対側から供給することができるため、グリスが開口部34aから主ガイド軸14の外周面14aにおける該開口部34aと対応する後側の部分に漏れ出すことを抑制することができる。
(4)第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間Kに充填されたグリスは、吸収材35を介して少しずつ主ガイド軸14の外周面14aに供給することができるので、主ガイド軸14の外周面14aにグリスが供給されすぎないようにすることができる。
(5)吸収材35及び第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間Kは、左右方向におけるブッシュ34の反対側からカバー部材38によって覆われている。このため、カバー部材38により、吸収材35が左右方向に移動することを抑制したり、第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間Kにゴミなどの異物が入ることを抑制したりすることができる。
(6)カバー部材38と吸収材35との間には隙間Sが形成されているため、吸収材35に吸収されたグリスがカバー部材38側に供給されることを抑制することができる。この結果、無駄にグリスが消費されたり、カバー部材38にグリスが溜まって垂れ落ちたりすることを抑制することができる。
(7)潤滑剤充填部が第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間Kによって構成されているため、該各空間Kにグリスを充填することで、軸受部16aに対して常に一定量(適量)のグリスを容易に与えることができる。
(8)ブッシュ34は、焼結体によって構成されているため、グリスを含ませて保持させることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・カバー部材38と吸収材35との間には必ずしも隙間Sを形成する必要はない。
・カバー部材38を省略してもよい。
・吸収材35の代わりに、グリスを吸収可能なスポンジなどを隣接部材として用いてもよい。
・吸収材35の代わりに、グリスを吸収しない金属製の部材などを隣接部材として用いてもよい。この場合、第1〜第4凹部37a〜37d内の各空間Kに充填されたグリスは、毛細管現象により、金属製の部材とブッシュ34との間を通ってブッシュ34と主ガイド軸14との間に供給される。
・ケース30における後側及びカバー部材38の挿通凹部38aの後側を開口させないようにするとともに、ブッシュ34の開口部34a及び吸収材35の開口部35aを省略してもよい。すなわち、ケース30、カバー部材38、ブッシュ34、及び吸収材35において主ガイド軸14を挿通される部分を環状に形成してもよい。この場合、各補助支持部材23を省略する必要がある。
・ブッシュ34における第1〜第3凸条36a〜36cのうち少なくとも1つを省略してもよい。
・ブッシュ34の対向面34bに、第1〜第3凸条36a〜36cに加えて、新たに1つ以上の凸条を摺接部として設けるようにしてもよい。
・第1〜第3凹部37a〜37cは、必ずしも対応する第1〜第3凸条36a〜36cよりもブッシュ34の開口部34aから遠い位置にそれぞれ配置する必要はない。
・第1〜第4凹部37a〜37dのうちいずれか1つを除く他の3つのうち少なくとも1つを省略してもよい。あるいは、第1〜第4凹部37a〜37dに加えて、第2収容部32の内周面32aに、空間Kを形成する凹部を新たに1つ以上設けるようにしてもよい。
・第1〜第4凹部37a〜37dが形成する各空間Kの大きさは、互いに異なるようにしてもよい。
・第2収容部32の内周面32aにおける第1〜第4凹部37a〜37dの各位置は、任意に変更してもよい。
・第1及び第2凹部37a,37bは、必ずしも鉛直方向(重力方向)においてそれぞれ第1及び第2凸条36a,36bよりも上側に配置する必要はない。
・ブッシュ34は、焼結体でなく、金属製のものであってもよい。
・記録用紙Pの代わりにプラスチックフィルム、布、金属の薄板などを記録媒体として用いてもよい。
・記録用紙Pは、枚葉紙(単票紙)であってもよいし、連続紙であってもよい。
・インクジェット式プリンター11は、記録ヘッドが移動しないように固定されていて、その下を搬送される記録用紙に対してインクを噴射する、いわゆるラインヘッドプリンターであってもよい。
・上記実施形態では、記録装置をインクジェット式プリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…記録装置としてのインクジェット式プリンター、14…軸受構造を構成する軸部材としての主ガイド軸、16…移動体としてのキャリッジ、16a…軸受構造を構成する軸受部、20…記録手段としての記録ヘッド、34…摺接部材としてのブッシュ、34a…ブッシュ34の開口部、34b…ブッシュ34の対向面、35…隣接部材としての吸収材、36a…摺接部としての第1凸条、36b…摺接部としての第2凸条、36c…摺接部としての第3凸条、38…カバー部材、K…潤滑剤充填部としての空間、P…記録媒体としての記録用紙、S…隙間。

Claims (6)

  1. 移動体の一側部に設けられ、前記移動体側とは反対側が開口した軸受部と、
    水平方向に延びるとともに前記軸受部に摺動可能に嵌合する軸部材と
    を備え、
    前記移動体が前記軸部材に沿って移動可能に構成された軸受構造であって、
    前記軸部材は、該軸部材における前記軸受部の開口と対応する位置において補助支持部材によって支持され、
    前記軸受部は、
    前記軸部材に摺接するブッシュと、
    前記軸部材に摺接するとともに該軸部材の軸方向において前記ブッシュと隣接し、前記軸部材の径方向の厚さが前記ブッシュよりも薄く、且つ潤滑剤を吸収可能な吸収材と、
    前記軸部材の径方向において前記吸収材における前記軸部材側とは反対側の面と、前記ブッシュにおける前記吸収材が接触する接触面の双方に隣接且つ前記潤滑剤充填可能な潤滑剤充填部と
    を備えことを特徴とする軸受構造。
  2. 前記ブッシュにおける前記軸部材との対向面には、前記軸部材に対して摺接する摺接部が該軸部材の周方向に間隔を置いて複数突設され、
    前記潤滑剤充填部は、前記各摺接部と前記軸部材との間に前記潤滑剤を供給するべく該各摺接部に対応してそれぞれ配置され、
    前記各潤滑剤充填部のうちの少なくとも1つは、対応する前記摺接部よりも鉛直方向の上側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の軸受構造。
  3. 記各潤滑剤充填部は、該各潤滑剤充填部と対応する前記摺接部よりも前記軸受部の口かの距離が長くなる位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項2に記載の軸受構造。
  4. 前記軸受部は、前記吸収材及び前記潤滑剤充填部を前記軸部材の軸方向における前記ブッシュ側とは反対側から覆うカバー部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の軸受構造。
  5. 前記軸部材の軸方向における前記カバー部材と前記吸収材との間には、隙間が形成されていることを特徴とする請求項に記載の軸受構造。
  6. 記録媒体に対して記録処理を施す記録手段と、該記録手段を前記移動体に搭載した請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の軸受構造と
    前記軸部材を支持する補助支持部材と
    を備え
    前記補助支持部材は、鉛直方向において前記記録媒体の給送領域と重ならない位置に配置されていることを特徴とする記録装置。
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