JP2011154949A - 非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温サイクル特性が良好で、かつ、高温充放電サイクルを繰り返した後の自己放電の増大化が抑制された非水系二次電池を提供する。
【解決手段】正極合剤層がシランカップリング剤、カップリング剤の少なくとも1種を正極活物質の質量に対して0.003質量%〜5質量%含有し、非水電解質は、下記一般式(II)で表されるDOX誘導体を非水電解質総質量に対して0.05質量%以上含有している。
Figure 2011154949

【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質とし、1,3−ジオキサン誘導体(以下、「DOX誘導体」という。)を含有する非水電解質を使用した非水系二次電池に関する。更に詳しくは、本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質とし、DOX誘導体を含有する非水電解質を使用した際に、良好な高温充放電サイクル特性(以下、「高温サイクル特性」という。)を有しながらも、高温充放電サイクルを繰り返した後の自己放電の増大化を抑制した非水系二次電池に関する。
今日の携帯電話機、携帯型パーソナルコンピューター、携帯型音楽プレイヤー等の携帯型電子機器の駆動電源として、更には、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)用の電源として、高エネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池が広く利用されている。
これらの非水系二次電池の正極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することが可能なLiMO(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわち、LiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(y=0.01〜0.99)、LiMnO、LiMn、LiCoMnNi(x+y+z=1)、又はLiFePOなどのオリビン構造を有するリン酸化合物が一種単独もしくは複数種を混合して用いられている。
また、非水系二次電池に使用される負極活物質としては、黒鉛、非晶質炭素などの炭素質材料が広く用いられている。その理由は、炭素質材料は、リチウム金属やリチウム合金に匹敵する放電電位を有しながらも、デンドライトが成長することがないため、安全性が高く、更に初期効率に優れ、電位平坦性も良好であり、また、密度も高いという優れた性質を有しているためである。
また、非水電解質の非水溶媒としては、炭酸エステル(カーボネートとも称される)類、ラクトン類、エーテル類、エステル類などが単独であるいは2種類以上が混合されて使用されているが、これらの中では特に誘電率が大きく、非水電解質のイオン伝導度が大きくなる炭酸エステル類が多く使用されている。この非水溶媒として、下記特許文献1には、エチレンカーボネート(EC)及びプロピレンカーボネート(PC)の両者を含む混合溶媒にDOX誘導体を含有させると、非水電解質の酸化分解が抑制され、その非水電解質が電気化学的に安定化するために、サイクル特性が向上することが示されている。
なお、下記特許文献2には、非水系二次電池の高電圧かつ重充放電条件下でのサイクル特性の向上を目的として、正極合剤中にアルミニウム系カップリング剤を混合した例が示されている。また、下記特許文献3には、非水系二次電池の低温における正極と電解液との濡れ性を改善し、低温での出力特性が良好となるようにすることを目的として、正極合剤中にエポキシ基、アミノ基等の有機反応基と、メトキシ基、エトキシ基等の結合基と、を有するシランカップリング剤を分散させた例が示されている。
また、下記特許文献4には、非水系二次電池の間欠サイクルを繰り返す場合のサイクル特性の向上を目的として、正極活物質を複数の結合基を有するシランカップリング剤で処理した例が示されている。また、下記特許文献5には、非水系二次電池のサイクル特性の向上を目的として、正極合剤層の圧縮時に生じる正極活物質の破断面近傍にシランカップリング剤を存在させた例が示されている。更に、下記特許文献6には、電極活物質合剤のスラリー中に表面処理剤を混合して、電極活物質を表面処理した例が示されている。
特開2008−084705号公報 特開平09−199112号公報 特開2002−319405号公報 特開2007−242303号公報 特開2007−280830号公報 特開2007−305453号公報
上記特許文献1に開示されている発明によれば、非水電解質中にDOX誘導体を含んでいるため、サイクル特性が向上していることが認められる。しかしながら、非水電解質中にDOX誘導体を含んでいるものを使用すると、高温下で充放電サイクルを繰り返した後の自己放電が増大化してしまうという課題が存在している。
また、上記特許文献2〜6に開示されている発明によれば、正極合剤中にシラン系ないしアルミニウム系カップリング剤を混合すると、一応サイクル特性の向上と低温環境下での出力特性の向上が達成し得ることが示唆されている。しかしながら、上記特許文献2〜6には、正極合剤中にシラン系ないしアルミニウム系カップリング剤を混合した際、非水電解質中にDOX誘導体を添加した場合の作用効果については何も示されていない。
発明者は、上述のような非水電解質中の非水溶媒として少なくともDOX誘導体を含んでいるものを使用した際の高温充放電サイクルを繰り返した後の自己放電の増大化を抑制すべく種々検討を重ねた結果、正極合剤中にシラン系又はアルミニウム系カップリング剤を所定量含有させると共に、リチウム複合酸化物からなる正極活物質の平均粒径及び比表面積を所定範囲に維持すると解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質とし、DOX誘導体を含有する非水電解質を使用した非水系二次電池において、高温下で充放電サイクルを繰り返した後の自己放電の増大化を抑制し、しかも、高温サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の非水系二次電池は、
リチウム複合酸化物を正極活物質とする正極合剤層が形成された正極極板と、負極極板と、セパレータと、非水電解質とを備える非水系二次電池において、
前記正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μm、比表面積が0.13〜0.80m/gであり、
前記正極合剤層がシランカップリング剤もしくは下記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種を前記正極活物質の質量に対して0.003質量%以上5質量%以下含有し、
前記非水電解質は、下記一般式(II)で表される1,3−ジオキサン誘導体を非水電解質総質量に対して0.05質量%以上3.0質量%以下含有することを特徴とする。
Figure 2011154949
(ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
Figure 2011154949
(ただし、R1〜R4は、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルキル基あるいはアルコキシ基、アリール基、ビニル基又はアリル基である。)。
本発明の非水系二次電池においては、上記一般式(II)で表されるDOX誘導体が非水電解質総質量に対して0.05質量%以上3.0質量%以下含有されている。このような構成を採用すると、非水電解質の分解が抑制され、その非水電解質が電気化学的に安定化するために高温サイクル特性が向上し、更に、高温下で充放電サイクルを繰り返した後の自己放電の増大化が抑制される。非水電解質中のDOX誘導体の含有量が非水電解質の総質量に対して0.05質量%未満であると、DOX誘導体添加の効果が現れなくなる。非水電解質中のDOX誘導体の含有量が非水電解質の総質量に対して3.0質量%を越えると、高温サイクル特性が低下し出すので、3.0質量%を超えないことが好ましい。
このようなDOX誘導体の特性は、以下の理由によって生じているものと考えられている。すなわち、DOX誘導体は、酸化電位が低く、正極表面に安定な表面被膜を形成する作用を有するために、非水電解質の酸化分解が抑制され、サイクル特性の維持に効果を発揮しているものと考えられる。しかしながら、DOX誘導体を非水電解質に添加した非水系二次電池では、酸化被膜形成時の副生成物によるものと思われるが、正極活物質からの遷移金属の溶出量が多くなる。この遷移金属の溶出は、高温になるほど促進される。更に、溶出した遷移金属は負極表面に析出することがあるが、この負極表面に析出した遷移金属の表面にDOX誘導体によって安定な保護膜が形成され易いと考えられるため、高温下で充放電サイクルを繰り返した後には微小短絡パスを形成し易く、自己放電が進行すると考えられる。
なお、DOX誘導体としては、例えば、1−3ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキサン、4−4−ジメチル−1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、2,2−ジメチル−5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサン、4,4,6−トリメチル−2−ビニル−1,3−ジオキサン、5−アリール−1,3−ジオキサン、5−エトキシ−1,3−ジオキサン、等が挙げられる。これらのDOX誘導体は2種以上混合して用いてもよい。
また、本発明の非水系二次電池においては、正極合剤層はシランカップリング剤もしくは上記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種からなるカップリング剤を含有していることが必要である。正極合剤層がこのようなカップリング剤を含有していない場合、或いは他の種類のカップリング剤を含有している場合には、その他の本発明の上記条件を全て満たしていても、自己放電特性及び高温サイクル特性共に低下する。
また、本発明の非水系二次電池においては、正極合剤層はシランカップリング剤もしくは上記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種からなるカップリング剤を正極活物質の質量に対して0.003質量%以上5質量%以下含有していることが必要である。これらのカップリング剤の含有量が正極活物質の質量に対して0.003質量%未満であると、その他の本発明の上記条件を全て満たしていても、少なすぎてカップリング剤添加の効果が現れなくなる。これらのカップリング剤の含有量が正極活物質の質量に対して5質量%を超えると、その他の本発明の上記条件を全て満たしていても、初期容量が小さくなってしまう。
このような正極合剤層中にカップリング剤を混入することの効果は、以下の理由によって奏されるものと推定される。すなわち、カップリング剤が正極合剤中に予め添加されていると、カップリング剤とDOX誘導体の酸化分解化合物が相互作用する結果、正極表面により強固な被膜形成が進み、正極活物質からの遷移金属の溶出が抑制され、高温充放電サイクル後の自己放電が起こり難くなっているものと推察される。一方、正極合剤中のカップリング剤の含有量が多すぎると、正極表面に形成される被膜が強固すぎて正極抵抗が大きくなること、及びカップリング剤は電極反応に直接関与する成分ではないために単位体積当たりの正極活物質含有量が減少するため、初期容量の低下に繋がったものと推察される。
また、本発明の非水系二次電池においては、正極活物質の平均粒径は4.5〜15.5μm、比表面積は0.13〜0.80m/gであることが必要である。正極活物質の平均粒径が4.5μm未満であると、その他の本発明の上記条件を全て満たしていても、自己放電特性及び高温サイクル特性共に低下する。また、正極活物質の平均粒径が15.5μmを超えると、その他の本発明の上記条件を全て満たしていても、自己放電特性は良好であるが、高温サイクル特性が低下し出す。
また、本発明の非水系二次電池においては、正極活物質の比表面積が0.13m/g未満であると、その他の本発明の上記条件を全て満たしていても、自己放電特性は良好であるが、高温サイクル特性が低下する。また、正極活物質の比表面積が0.80m/gを超えると、その他の本発明の上記条件を全て満たしていても、自己放電特性及び高温サイクル特性共に低下する。
このような正極活物質の平均粒径及び比表面積を限定することの効果は、以下の理由によって生じたものと推定される。すなわち、正極活物質の平均粒径が小さ過ぎる場合又は比表面積が大き過ぎる場合は、正極活物質表面の反応に関与する部分の面積が増大化することにより、DOX誘導体の酸化分解化合物が過剰に生産される結果、DOX誘導体の酸化分解化合物とカップリング剤との間の反応が十分に進行できなかったものと考えられる。逆に、正極活物質の平均粒径が大き過ぎる場合又は比表面積が小さすぎる場合には、形成された正極表面被膜の抵抗が大きくなるため、高温サイクル特性が低下してしまうことになるものと考えられる。
なお、本発明の非水系二次電池で使用する正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiNi1−xMn(0<x<1)、LiNi1−xCo(0<x<1)、LiNiMnCo(0<x、y、z<1、x+y+z=1)などのリチウム複合酸化物が好ましい。
また、本発明の非水系二次電池で使用し得る負極活物質としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素及び易黒鉛化性炭素などの炭素原料、LiTiO及びTiOなどのチタン酸化物、ケイ素及びスズなどの半金属元素、又はSn−Co合金等が挙げられる。
また、本発明の非水系二次電池において、上記一般式(II)で表されるDOX誘導体と混合して使用し得る他の非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などの環状炭酸エステル、フッ素化された環状炭酸エステル、γ−ブチルラクトン(BL)、γ−バレロラクトン(VL)などの環状カルボン酸エステル、ジメチル−カーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、ジブチルカーボネート(DNBC)などの鎖状炭酸エステル、フッ素化された鎖状炭酸エステル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、メチルイソブチレート、メチルプロピオネートなどの鎖状カルボン酸エステル、N、N'−ジメチル−ホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノンなどのアミド化合物、スルホランなどの硫黄化合物、テトラフルオロ硼酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウムなどの常温溶融塩などが例示できる。これらは2種以上混合して用いることが望ましい。この中でもEC、PC等の鎖状炭酸エステル、フッ素化された環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、フッ素化された鎖状炭酸エステル、3級カルボン酸エステルが特に好ましい。
また、本発明の非水系二次電池で使用するセパレータとしては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン材料から形成された微多孔膜からなるセパレータが選択できる。セパレータのシャットダウン応答性を確保するために、融点の低い樹脂を混合してもよく、更には、耐熱性を得るために高融点樹脂との積層体や無機粒子を担持させた樹脂としてもよい。
なお、本発明の非水系二次電池で使用する非水電解質中には、電極の安定化用化合物として、更に、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチルカーボネート(VEC)、無水コハク酸(SUCAH)、無水マイレン酸(MAAH)、グリコール酸無水物、エチレンサルファイト(ES)、ジビニルスルホン(VS)、ビニルアセテート(VA)、ビニルピバレート(VP)、カテコールカーボネート、ビフェニル(BP)などを添加してもよい。これらの化合物は、2種以上を適宜に混合して用いることもできる。
また、本発明の非水系二次電池で使用する非水溶媒中に溶解させる電解質塩としては、非水系二次電池において一般に電解質塩として用いられるリチウム塩を用いることができる。このようなリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12など及びそれらの混合物が例示される。これらの中でも、LiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)が特に好ましい。前記非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は、0.5〜2.0mol/Lとするのが好ましい。
更に、本発明の非水系二次電池においては、非水電解質は液状のものだけでなく、ゲル化されているものであってもよい。
また、本発明の非水系二次電池で採用し得るシランカップリング剤としては、分子内に少なくとも1つの有機官能基と、複数の結合基とを有するものを使用し得る。有機官能基は、様々な炭化水素骨格を有するものであればよい。この有機官能基としては、例えばアルキル基、メルカプトプロピル基、トリフルオロプロピル基などが挙げられる。また、結合基としては、加水分解性のアルコキシ基などが挙げられる。
また、上記一般式(I)の構造を有するカップリング剤におけるMとしては、Al、Ti、Zrから選択される1種とすることができるが、特にMをAlとすることが好ましい。MをAlとすると、安価に合成でき、しかも、MをTi又はZrとした場合よりも良好な結果が得られる。
また、上記一般式(I)の構造を有するカップリング剤としては、R1又はR2の少なくとも一つがアルコキシ基(エトキシ基、iso−プロポキシ基、tert−ブトキシ基等)である場合、特性改善効果が大きい。また上記一般式(I)のM原子にアルコキシ基(iso−プロボキシ基、tert−プトキシ基等)が結合している場合、正極活物質に対する反応性が向上するため好ましい。なお、M原子に結合するアルコキシ基の数は、化合物の耐加水分解性を高めるために、二つまでが好ましい。
また、本発明の非水系二次電池の正極合剤層中に含有させるカップリング剤の含有方法については、正極極板に直接塗布あるいは正極合剤スラリーに混合してもよい。このカップリング剤は、特に限定されないが、適当な有機溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、シリコーンオイル等を用いて希釈して使用してもよい。
以下、本発明を実施するための形態を実施例及び比較例を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための非水系二次電池の一例を示すものであって、本発明をこの実施例に限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
最初に、各種実施例及び比較例に共通する非水系二次電池の具体的製造方法について説明する。
[正極の作製]
各種正極活物質を95質量%、導電剤としての無定形炭素HS−100(商品名)2.5質量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)2.5質量%の割合で混合して正極合剤とし、これに正極合剤質量の50質量%のN−メチルピロリドン(NMP)を加えてスラリー状にした。得られたスラリーに各種カップリング剤を所定量添加し、十分に撹拌した後、ドクターブレード法により厚さ12μmのアルミ箔の両面に塗布(塗布量400g/m)した。その後、加熱乾燥(70〜140℃)してNMPを除去した後、加圧成型して充填密度3.70g/cm(LiMn、LiMn1/3Ni1/3Co1/3については3.12g/cm))となるようにし、所定の大きさに切り出して正極板を得た。
なお、正極活物質粒子の平均粒径及び比表面積については、ミックスマラーによる粉砕及び分級操作により制御し、平均粒径についてはレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、比表面積は窒素吸着によるBET比表面積測定法により測定し、所定の平均粒径及び比表面積であることを確認した。
[負極の作製]
人造黒鉛(d=0.335nm)97質量%、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)2質量%、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)1質量%の割合で混合し、これに水を加えてスラリー状にして厚さ8μmの銅箔の両面に塗布(塗布量210g/m)した。その後、これを乾燥させて水分を除去した後、圧縮ローラーを用いて充填密度1.6g/cmとなるまで圧縮し、所定の大きさに切り出して負極極板を作製した。
[注液前電池の作製]
所定の寸法にスリットした正極板と負極板に集電タブを溶接し、厚さ16μmのポリエチレン微多孔膜のセパレータを挟んで捲回し、巻回電極体を作製した。得られた巻回電極体をカップ成型したラミネート外装体内に収納し、注液口を除いて熱シールすることにより注液前電池を作製した。
[電池の作製]
非水電解質としては、EC/PC/ピバリン酸メチルをそれぞれ体積比で30/20/50となるように混合した非水溶媒を用い、これに電解質塩としてのLiPF濃度が1Mとなるように溶解したものを用いた。更に、DOX誘導体を添加する場合には、非水電解質総質量に対して所定量添加した。この非水電解質6mlを注液口より注入した後に真空含浸処理を行い、その後注液口を熱シールして充放電を行い、設計容量1500mAh(1It=1500mA)の非水系二次電池を完成させた。
[電池特性の測定]
上述のようにして作製された各実施例及び比較例の電池のそれぞれに対し、以下の測定方法に従って、初期容量、高温サイクル特性、及び、自己放電量を求めた。
[初期容量の測定]
各実施例及び比較例の電池のそれぞれに対し、23℃の恒温槽中で、0.5It=750mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、更に電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が0.12It=180mAになるまで充電した。その後、0.5It=750mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電した。このときの放電容量を初期容量として求めた。
[高温サイクル特性の測定]
各実施例及び比較例のそれぞれの電池について、60℃の恒温槽中で、1It=1500mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、更に電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が0.1It=150mAになるまで充電した。その後、20分間休止した後、1It=1500mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電した。このときの放電容量を1サイクル時の放電容量として求めた。同様の充放電を60℃の恒温槽中で400回繰り返し、400回目の放電容量を400サイクル時の放電容量として求め、以下の計算式に基いて高温サイクル特性(%)を求めた。
高温サイクル特性(%)
=(400サイクル時の放電容量/1サイクル時の放電容量)×100
[自己放電量の測定]
前記の高温サイクル特性の測定を行った各電池について、23℃の恒温槽中で、0.5It=750mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、更に電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が(1/50)It=30mAになるまで充電して満充電状態とした。この満充電状態の電池を23℃で3ヶ月間放置した。その後、0.01It=15mAの定電流で、電池の開回路電圧が保管前の電池の開回路電圧に等しくなるまで再充電を行い、このとき流れた充電量を自己放電量として求めた。
[実施例1〜15、比較例1〜10]
実施例1〜15、比較例1〜10の非水系二次電池としては、正極活物質として平均粒径が13.1μmであり、比表面積が0.25m/gのLiCoOを用いた。なお、以下においては、各種DOX誘導体の添加量は非水電解質の総質量に対する割合を示し、各種カップリング剤の添加量は正極活物質量に対する割合を示している。
比較例1は、非水電解質中にDOX誘導体を含まず、正極合剤層中にカップリング剤も添加しなかったものである。また、比較例2〜7は、非水電解質中にDOX誘導体として1,3−ジオキサンを0.05〜2.00質量%まで変化させて添加し、正極合剤層中にカップリング剤を添加しなかったものである。
また、比較例8及び9は、非水電解質中にDOX誘導体を添加せず、正極合剤層中にカップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート(比較例8)ないしメチルトリエトキシシラン(比較例9)を添加したものである。更に、比較例10は非水電解質中にDOX誘導体として1,3−ジオキサンを0.03質量%添加し、正極合剤層中にカップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを0.20質量%添加したものである。
更に、実施例1〜9は、正極合剤層中にカップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートをそれぞれ0.20質量%添加し、非水電解質中にDOX誘導体として1,3−ジオキサン(実施例1)、2−メチル−1,3−ジオキサン(実施例2)、4−メチル−1,3−ジオキサン(実施例3)、2,4−ジメチル−1,3−ジオキサン(実施例4)、4−フェニル−1,3−ジオキサン(実施例5)、2,2−ジメチル−5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサン(実施例6)、4、4、6−トリメチル−2−ビニル−1,3−ジオキサン(実施例7)、5−アリール−1,3−ジオキサン(実施例8)及び5−エトキシ−1,3−ジオキサン(実施例9)をそれぞれ1.00質量%添加したものである。
また、実施例10〜15は、正極合剤層中にカップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートをそれぞれ0.20質量%添加し、非水電解質中にDOX誘導体として1,3−ジオキサンを0.05〜3.0質量%まで変化させて添加したものである。これらの実施例1〜15及び比較例1〜10の測定結果を纏めて表1に示す。なお、表1では、理解を容易にするため、実施例1の結果は2箇所に記載されている。
Figure 2011154949
表1に示した結果から、以下のことが分かる。すなわち、正極合剤層中にカップリング剤が添加されていない比較例1〜7の結果は、非水電解質中に1,3−ジオキサンを添加(比較例2〜7)すると、1,3−ジオキサンが添加されていない(比較例1)場合よりも、自己放電量は大幅に大きくなっている。ただし、高温サイクル特性及び初期容量は1,3−ジオキサンの添加の有無によりあまり変化しない。
また、正極合剤層中にカップリング剤が添加されているが非水電解質中にDOX誘導体が添加されていない比較例8及び9の測定結果は、初期容量及び高温サイクル特性はカップリング剤及び非水電解質中の1,3−ジオキサンが無添加の比較例1の電池とほぼ同等の結果が得られているが、自己放電量は比較例1の電池よりも大きくなっている。
それに対し、正極合剤層中にカップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートが0.20質量%添加されていると、非水電解質中に各種のDOX誘導体が1.00質量%添加(実施例1〜9)されていれば、初期容量は比較例1〜9のものとほぼ同等であるが、比較例1〜9のものよりも、高温サイクル特性は良好となっており、自己放電量も非常に小さく、優れた結果が得られている。
また、正極合剤層中にカップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートが0.20質量%添加されている場合、非水電解質中の1,3−ジオキサンの添加量が非水電解質の総質量に対して0.05質量%未満(比較例10)であると、初期容量は実施例1、10〜15のものとほぼ同等であるが、高温サイクル特性は大きく低下し、自己放電量は大きくなっており、いずれも実施例1、10〜15のものよりもに劣る結果となっている。したがって、非水電解質中のDOX誘導体の添加量は0.05質量%以上とすればよい。
なお、実施例1、10〜15の結果から、非水電解質中の1,3−ジオキサンの添加量が1.0質量%以上では1,3−ジオキサンの添加量が増大すると高温サイクル特性が低下していく傾向があるので、非水電解質中の1,3−ジオキサン等のDOX誘導体の添加割合は3.0質量%を超えない方がよい。
[実施例16〜33、比較例11及び12]
実施例16〜33、比較例11及び12の非水系二次電池としては、正極活物質として平均粒径が13.1μmであり、比表面積が0.25m/gのLiCoOを用い、更に非水電解質中に添加するDOX誘導体としては1,3−ジオキサンを1.0質量%となるように添加したものを用いた。
比較例11としては、カップリング剤として鉄トリスアセチルアセテートを用いた。実施例16〜21はカップリング剤として各種の下記一般式(I)で表される各種化合物を用いたものであり、実施例22〜26は各種のシランカップリング剤を用いたものである。なお、実施例16〜21で使用したカップリング剤のうち、実施例18で使用したアルミニウムトリスアセチルアセトネート及び実施例21で使用したジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート以外は、全てアルコキシ基を有する化合物である。また、実施例16〜26で用いた各種カップリング剤名は表2に纏めて示してある。
Figure 2011154949
(ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
また、実施例27〜33及び比較例12は、カップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートをそれぞれ0.003〜5.00質量%(実施例27〜33)及び7.00質量%(比較例12)まで変化させて正極合剤中に添加したものである。実施例16〜33、比較例11〜12の結果を、実施例1及び比較例5の結果と共に、纏めて表2に示す。
Figure 2011154949
表2に示した結果から以下のことが分かる。すなわち、非水電解質中に1,3−ジオキサンが添加されている場合、カップリング剤として上記化学式(I)で表される化合物を用いた実施例1、16〜21及びシランカップリング剤を用いた実施例22〜26の結果は、カップリング剤として鉄トリスアセチルアセトネートを用いた比較例11の結果よりも、初期容量はほぼ同等であるが、高温サイクル特性及び自己放電量において非常に優れた結果が得られている。そのため、カップリング剤としては、上記化学式(I)で表される化合物又はシランカップリング剤が好ましいことが分かる。
また、カップリング剤として上記化学式(I)で表される化合物を用いた実施例1、16〜21のうち、MがAlである実施例1、16〜18の結果は、MがTiである実施例19、20及びMがZrである実施例21のものよりも、初期容量及び自己放電量はほぼ同等であるが、高温サイクル特性において優れている。そのため、カップリング剤として上記化学式(I)で表される化合物を用いる場合、MがAlの方が好ましいことが分かる。
更に、MがAlである実施例1、16〜18の結果を対比すると、R1又はR2がアルコキシ基である実施例1、16及び17の結果は、R1及びR2が共にアルコキシ基ではない実施例18のものよりも僅かに高温サイクル特性が優れていることがわかる。
また、カップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートをそれぞれ0.003〜7.00質量%まで変化させた実施例1、27〜33及び比較例12の結果によれば、カップリング剤の添加量は0.003質量%以上の添加でカップリング剤の無添加の場合(比較例5)の場合に比して高温サイクル特性及び自己放電量共に充分に良好な結果が得られているが、カップリング剤の添加量が多くなって7.00質量%(比較例12)となると初期容量及び高温サイクル特性の低下が見られる。そのため、非水電解質中に1,3−ジオキサン等のDOX誘導体が添加されている場合、カップリング剤としての上記化学式(I)で表される化合物ないしシランカップリング剤の添加量は正極活物質の質量に対して0.003質量%以上5質量%以下とすることが好ましいことが分かる。
[実施例34〜46及び比較例13〜31]
実施例34〜46及び比較例13〜31の非水系二次電池としては、非水電解質中に添加するDOX誘導体としては1,3−ジオキサンを用い、正極合剤層中に添加するカップリング剤としてはアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを用いた。
そして、実施例34〜42及び比較例13〜26では、正極活物質としてLiCoOの平均粒径を3.3〜16.4μmまで、比表面積を0.11〜0.90m/gまで種々変化させて用い、かつ、1,3−ジオキサン及びカップリング剤の添加の有無の場合について測定したものである。また、実施例43〜46及び比較例27〜30は、LiCoO以外の各種の正極活物質について、1,3−ジオキサン及びカップリング剤の添加の有無の場合について測定したものである。
なお、実施例34〜46及び比較例13〜30では、1,3−ジオキサンを非水電解質に添加する場合には1.00質量%となるように添加し、カップリング剤を添加する場合には0.20質量%となるように添加した。実施例34〜46及び比較例13〜30の測定結果を、実施例1、比較例1及び5の結果と共に、纏めて表3に示した。
Figure 2011154949
表3に示した結果から以下のことが分かる。すなわち、正極活物質としてLiCoOを用い、その平均粒径を3.3μm、比表面積を0.85m/gとした比較例13では、1,3−ジオキサン及びカップリング剤を添加しているが、自己放電量が非常に大きく、また、高温サイクル特性も劣る結果となっている。ただし、比較例13では初期容量は一応良好な結果が得られている。
また、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を3.5μm、比表面積を0.63m/gとした比較例14〜16では、1,3−ジオキサンのみ添加(比較例15)した場合及び1,3−ジオキサンとカップリング剤とを共に添加(比較例16)した場合、両者共に無添加(比較例14)の場合よりも、初期容量はほぼ同等であり、高温サイクル特性は良好な結果が得られているが、自己放電量が非常に大きくなっている。また、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を5.2μm、比表面積を0.90m/gとした比較例17〜19では、1,3−ジオキサンのみ添加(比較例18)した場合及び1,3−ジオキサンとカップリング剤とを共に添加(比較例19)した場合は、両者共に無添加(比較例14)の場合よりも、初期容量はほぼ同等であり、高温サイクル特性は良好な結果が得られているが、自己放電量が非常に大きくなっている。
また、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を14.3μm、比表面積を0.11m/gとした比較例20〜22では、1,3−ジオキサンのみ添加(比較例21)した場合は、両者共に無添加(比較例20)の場合よりも、初期容量はほぼ同等の結果が得られ、高温サイクル特性も良好な結果が得られているが、自己放電量は大幅に大きくなっており、また、1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に添加(比較例22)した場合、両者共に無添加(比較例20)の場合よりも、初期容量はほぼ同等の結果が得られており、高温サイクル特性が僅かに劣っているが、自己放電量は小さく、非常に良好な結果が得られている。
また、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を16.4μm、比表面積を0.16m/gとした比較例23〜25では、1,3−ジオキサンのみ添加(比較例24)した場合は、両者共に無添加(比較例23)の場合よりも、初期容量はほぼ同等であり、高温充電保存特性は僅かに良好な結果が得られているが、自己放電量は大幅に大きくなっており、更に、1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に添加(比較例22)した場合、両者共に無添加(比較例23)の場合よりも、初期容量はほぼ同等の結果が得られており、自己放電量は非常に良好な結果が得られているが、高温サイクル特性が劣るようになる。更に、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を16.6μm、比表面積を0.12m/gとし、1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に添加(比較例26)した場合では、比較例23の場合と比すると、初期容量はほぼ同等の結果が得られており、自己放電量も非常に良好な結果が得られているが、高温サイクル特性はより劣るようになる。
それに対し、正極活物質としてLiCoOを用い、1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に添加しており、平均粒径を4.5μm〜15.5μm、比表面積を0.13〜0.80m/gとした実施例1、34〜42では、何れも初期容量が1500mAh以上、サイクル特性が81%以上、自己放電量が4mAh以下という優れた効果が得られている。
これらの各比較例の内、1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に添加した比較例13、16、19、22、25及び26の結果を実施例34〜42の結果と対比すると、正極活物質がLiCoOの場合の結果であるが、以下のことが分かる。すなわち、正極活物質の平均粒径が4.5μm未満であると、比表面積が0.13〜0.80m/gの範囲内であっても、初期容量及び高温サイクル特性はほぼ同等であるが、自己放電量が大幅に大きくなっている。また、正極活物質の平均粒径が15.5μmを超えると、正極活物質の平均粒径が15.5μm以下の場合よりも、比表面積が0.13〜0.80m/gの範囲内であっても、初期容量及び自己放電量はほぼ同等の結果が得られているが、高温サイクル特性が低下している。
更に、正極活物質の比表面積が0.13m/g未満であると、正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μmであっても、初期容量及び自己放電量はほぼ同等の結果が得られているが、高温サイクル特性が低下している。また、正極活物質の比表面積が0.80m/gを超えると、正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μmであっても、初期容量及び高温サイクル特性はほぼ同等であるが、自己放電量は大幅に増大している。
したがって、本発明の非水系二次電池においては、1,3−ジオキサン等のDOX誘導体及びカップリング剤共に含有されており、正極活物質の平均粒径は4.5〜15.5μm、比表面積は0.13〜0.80m/gであることが好ましいことが分かる。
次に、実施例43〜46及び比較例27〜30の測定結果について検討する。実施例43〜46及び比較例27〜30は、正極活物質としてLiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn、LiNiO、LiNi0.85Co0.15、及び、LiCo0.99Al0.01をそれぞれ用い、1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に含有しない場合(比較例27〜30)及び1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に含有する場合(実施例43〜46)について測定した結果を示している。ただし、実施例43〜46及び比較例27〜30のいずれにおいても、正極活物質の平均粒径は4.5〜15.5μmの範囲内及び比表面積は0.13〜0.80m/gの範囲内とされている。
表3に示した結果によれば、正極活物質としてLiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn、LiNiO、LiNi0.85Co0.15、及び、LiCo0.99Al0.01の何れを用いた場合であっても、1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に含有する場合(実施例38〜42)は、1,3−ジオキサン及びカップリング剤共に含有しない場合(比較例27〜30)に比して、初期容量はほぼ同等の結果が得られているが、高温サイクル特性、自己放電量共に良好な結果が得られている。そのため、正極活物質としてLiCoOを用いた場合の検討結果は、非水系二次電池で普通に採用されているリチウム複合酸化物からなる正極活物質に対して均しく適用できることは明らかである。

Claims (3)

  1. リチウム複合酸化物を正極活物質とする正極合剤層が形成された正極極板と、負極極板と、セパレータと、非水電解質とを備える非水系二次電池において、
    前記正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μm、比表面積が0.13〜0.80m/gであり、
    前記正極合剤層がシランカップリング剤もしくは下記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種を前記正極活物質の質量に対して0.003質量%以上5質量%以下含有し、
    前記非水電解質は、下記一般式(II)で表されるDOX誘導体を非水電解質総質量に対して0.05質量%以上3.0質量%以下含有することを特徴とする非水系二次電池。
    Figure 2011154949
    (ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
    Figure 2011154949
    (ただし、X1〜X4はフッ素基、アルキル基あるいはフッ素化アルキル基であり、それらは互いに同一でもよいし異なってもよいが、それらのうちの少なくとも1つはフッ素基あるいはフッ素化アルキル基である。)。
  2. 前記正極合剤層が下記一般式(I)で表されるカップリング剤を含有し、前記MがAlであることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池。
    Figure 2011154949
    (ただし、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
  3. 前記正極合剤層が下記一般式(I)で表されるカップリング剤を含有し、前記R1及びR2は、少なくとも一方がアルコキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池。
    Figure 2011154949
    (ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
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