JP2014135154A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極活物質として黒鉛材料及びケイ素化合物を用いた非水電解質二次電池のサイクル特性の低下を抑制する。
【解決手段】本発明の一実施形態の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極合剤層を有する正極極板と、負極活物質を含む負極合剤層を有する負極極板と、非水電解質と、セパレータと、外装体と、を備え、負極合剤層として、負極活物質としての黒鉛材料及びケイ素と酸素との化合物(SiOx、0.5≦x<1.6)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを含んでおり、黒鉛材料としてCMCの吸着率が10〜70%のものを用いている。
【選択図】図1

Description

本発明は、負極活物質として炭素質材料及び酸化ケイ素(SiOx、0.5≦x<1.6)を用いた非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話機、携帯型パーソナルコンピューター、携帯型音楽プレイヤー等の携帯型電子機器の駆動電源として、更には、ハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)や電気自動車(EV)用の電源として、高エネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が広く利用されている。
この非水電解質二次電池に使用される負極活物質としては、黒鉛、非晶質炭素などの炭素質材料が、リチウム金属やリチウム合金に匹敵する放電電位を有しながらもデンドライトが成長することがないために安全性が高く、さらに初期効率に優れ、電位平坦性も良好であり、また、密度も高いという優れた性質を有していることから広く用いられている。しかしながら、炭素材料からなる負極活物質を用いた場合には、LiCの組成までしかリチウムを挿入できず、理論容量372mAh/gが限度であるため、電池の高容量化への障害となっている。
一方、リチウムと合金化するケイ素ないしケイ素合金や酸化ケイ素(SiOx、0.5≦x<1.6)は、炭素質材料よりも質量当たり及び体積当たりのエネルギー密度が高く、たとえばケイ素はLi4.4Siの組成までリチウムを挿入できるため、負極活物質としての理論容量は4200mAh/gとなる。そこで、ケイ素ないしケイ素合金やSiOxを炭素質材料と共に非水電解質二次電池の負極活物質として用いることで、より高容量の電池を開発する試みがなされている。
例えば、下記特許文献1には、負極として、ケイ素と酸素とを構成元素に含む材料及び黒鉛を含有する負極合材層を有し、ケイ素と酸素とを構成元素に含む材料と黒鉛との合計を100質量%としたとき、ケイ素と酸素とを構成元素に含む材料の比率が3〜20質量%のものを用いた非水電解質二次電池が開示されている。
特開2010−212228号公報
ケイ素もしくはSiOx等のケイ素化合物は、充放電による体積変化が炭素質材料に比べて大きく、例えば、充電時の膨張率(満充電時の体積/完全放電時の体積)は、炭素質材料では約1.1であるのに対して、SiOでは約2.2である。
そのため、非水電解質二次電池の負極活物質としてSiOx等のケイ素化合物及び炭素質材料を用いた場合には、炭素質材料のみを負極活物質として用いた場合と比べて、充放電サイクルの度にケイ素化合物の大きな膨張・収縮が起きるため、充放電サイクルを繰り返すにつれてケイ素化合物の微粉化や、ケイ素化合物と炭素質材料との間の導電性ネットワークの欠け落ちが生じ易くなる。その結果、負極活物質としてケイ素化合物及び炭素質材料を用いた非水電解質二次電池ではサイクル特性が低下しやすいという課題がある。
本発明の一実施形態の非水電解質二次電池によれば、負極活物質としてSiOx等のケイ素化合物及び炭素質材料としての黒鉛を含むものを用いた場合であっても、サイクル特性の低下が抑制された非水電解質二次電池を提供することができるようになる。
本発明の一実施形態の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極合剤層を有する正極極板と、負極活物質を含む負極合剤層を有する負極極板と、非水電解質と、セパレータと、外装体と、を備え、負極活物質を含む負極合剤層は、負極活物質としての黒鉛材料及びケイ素と酸素との化合物(SiOx、0.5≦x<1.6)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとを含んでおり、黒鉛材料は、カルボキシメチルセルロースの吸着率が10〜70%とされている。
本発明の一実施形態によれば、黒鉛材料として特定のカルボキシメチルセルロースの吸着率を有するものを用いることにより、負極活物質としてケイ素と酸素との化合物(SiOx、0.5≦x<1.6)及び黒鉛材料を含むものを用いた場合であっても、サイクル特性の低下が抑制された非水電解質二次電池が得られる。
カルボキシメチルセルロース−Na塩水溶液の濃度と粘度との関係を表すグラフである。
以下、本発明を実施するための一実施形態を各種実験例を用いて詳細に説明する。ただし、以下に示す各種実験例は、本発明の技術思想を具体化するための非水電解質二次電池の例を示すものであって、本発明をこの実験例のいずれかに限定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
[黒鉛材料のCMC吸着率の算定]
最初に、黒鉛材料のカルボキシメチルセルロース吸着率の測定方法について説明する。まず、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(以下、「CMC」と表す)の濃度が0.2質量%、0.5質量%、0.8質量%、1.0質量%である水溶液を調製し、それぞれの25℃における粘度を測定し、CMC濃度を横軸、粘度を縦軸にプロットし、CMC水溶液の濃度−粘度の検量線を作成する(図1参照)。なお、図1の近似曲線のロジックは、指数近似を用いた。
次いで、質量xの1%濃度のCMC水溶液と、質量yの黒鉛材料とを混合する。この1%濃度のCMC水溶液の質量xと黒鉛材料の質量yとは、通常、負極合剤ペーストの調製時と同様の割合となるように選択される。次いで、黒鉛材料が分散した1%CMC水溶液を、負極合剤スラリーの調製時と同じ条件、たとえば、プラネタリーミキサーにて回転数100rpmで70分間混練する。その後、得られた混練物を遠心分離機によって上澄み液と沈殿物に分離し、この上澄み液の粘度を測定する。
黒鉛に吸着されているCMCは黒鉛材料とともに沈殿しており、黒鉛材料に吸着されていないCMCは上澄み液に溶解したままであると考えられる。これにより、得られた粘度の値と上記の検量線に基づいて上澄み液のCMC濃度(k%)を求めることができる。
質量yの黒鉛材料に吸着されたCMC量は、
(1−k)・(1/100)・x ・・・(1)
であるから、単位質量当たりの黒鉛材料に吸着されたCMC量は、
(1−k)・x/100y ・・・(2)
となる。ここで、黒鉛材料のCMC吸着率を、1%CMC水溶液中で単位質量当たりの黒鉛材料に吸着されたCMC量/1%CMC水溶液の単位質量中に含まれていた全CMC量として表すと、
黒鉛材料のCMC吸着率(%)
=((1−k)・x/y)・100 ・・・(3)
として求められる。
なお、1%CMC水溶液中に添加される黒鉛材料の濃度が50質量%となるようにすると、x=yとなるので、
黒鉛材料のCMC吸着率(%)=(1−k)・100 ・・・(4)
として、簡単に求めることができる。
実験例1〜11で用いる黒鉛A〜Eのそれぞれについて、以下のようにしてCMC吸着率を測定した。なお、実験例8〜11で用いた黒鉛材料は、実験例1のものと同一である。
まず、実験例1〜7で用いた黒鉛A〜Eのそれぞれと1%CMC水溶液とを、黒鉛A〜Eのそれぞれの最終固形分量が50質量%となるように混合し、プラネタリーミキサーにて回転数100rpmで70分間混練した。なお、固形分割合が60%(実験例2、3)及び70%(実験例4)のものは、黒鉛材料のスラリーペーストを作製する際に固形分が60%ないし70%となるように調製して混練を行い、その後、最終的にはCMCを加え50%となるように調製し、吸着量の測定を実施したものである。次いで、得られた混練物を遠心分離機によって上澄み液と沈殿物とに分離し、この上澄み液の粘度を測定して、得られた粘度の値と上記の検量線に基づいて上澄み液のCMC濃度(k)を算定し、式(4)に基いてそれぞれの黒鉛A〜EのCMC吸着率(%)を求めた。
たとえば、以下に別途詳細に示す実験例1で用いた黒鉛Aにおいては、上澄み液の粘度は297mPa・sであると測定された。その結果、上澄み液中のCMC濃度kは上記検量線に基づいて0.883%であると求められ、実験例1で用いた黒鉛AのCMC吸着率は11.7%と求められる。
上記のようにして得られた、実験例1〜11で用いた黒鉛A〜EのCMC吸着率を、黒鉛材料の物性及び組成と共に、表1に纏めて示した。
Figure 2014135154
[実験例1]
最初に、実験例1の非水電解質二次電池の具体的製造方法について説明する。
[正極極板の作製]
正極活物質としてのリチウムコバルト複合酸化物粉末と、導電材としての黒鉛粉末と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、90:5:5(質量比)の割合で混合し、これをN−メチルピロリドン(NMP)溶液と混合して正極合剤スラリーを調製した。この正極合剤スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極芯体の両面にドクターブレード法により塗布後、乾燥させ、正極芯体の両面に正極活物質を含む正極合剤層を形成した。その後、圧縮ローラーを用いて圧縮し、予め定めた所定の寸法に切り出して正極極板を作製した。
[負極活物質の調製]
黒鉛材料としては、核材にコークスと天然黒鉛を80:20(質量比)の割合で混合した、CMC吸着率が11.7%の黒鉛Aを用いた。負極活物質としては、この黒鉛材料とSiOとを97.5:2.5(質量比)の割合で混合したものを負極活物質として用いた。
[負極合剤スラリーの調製]
得られた負極活物質の粉末と、増粘剤としてのCMCと、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)とを質量比で97.5:1:1.5の割合で、固形分の含有割合が50質量%となるように水に分散させた。そして、CMC吸着率測定時と同条件、すなわちプラネタリーミキサーにて回転数100rpmで70分間混練することで得られる混練物を負極合剤スラリーとした。なお、CMCとしては、エーテル化度:1.0〜1.5のものを用いた。
[負極極板の作製]
得られた負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔からなる負極芯体の両面にドクターブレード法により塗布後、乾燥させ、負極芯体の両面に負極活物質を含む負極合剤層を形成した。その後、圧縮ローラーを用いて圧縮し、予め定めた所定の寸法に切り出して負極極板を作製した。
なお、正極極板及び負極極板のそれぞれの合剤層塗布量は、設計基準となる充電電圧(4.2V)において、正極極板及び負極極板とが対向する部分での充電容量比(負極充電容量/正極充電容量)が1.1となるように調整した。
[巻回電極体の作製]
上記のようにして作製された正極極板及び負極極板のそれぞれに集電タブを溶接した後、ポリエチレン製微多孔膜のセパレータを間に挟んで、外周側が正極極板となるようにして巻き取り機により巻回し、巻回終端部にポリプロピレン製の巻き止めテープを取り付けた後、プレスすることによって、偏平状の巻回電極体を作製した。
[非水電解液の調製]
非水電解液としては、エチレンカーボネ一ト(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、エチルメチルカーボネート(EMC)を、10:10:80(1気圧、25℃での体積比)となるよう混合した非水溶媒に、電解質塩としてのヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を1mol/Lとなるように溶解させることで非水電解質を調製した。
[電池の作製]
電池の外装体としては、樹脂層(ポリプロピレン)/接着剤層/アルミニウム合金層/接着剤層/樹脂層(ポリプロピレン)の5層構造から成るシート状のアルミラミネート材を用いた。このアルミラミネート材を折り返して底部を形成し、カップ状の電極体収納空間を形成した。次いで、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で、上記のようにして作製された偏平状巻回電極体及び非水電解液をカップ状の電極体収納空間内に挿入した。その後、外装体内部を減圧してセパレータ内部に非水電解質を含浸させ、外装体の開口部を封止することで、高さ62mm、幅35mm、厚み3.6mmの非水電解質二次電池を作製した。なお、電池電圧が4.2Vとなるまで充電した場合の電池の設計容量は、800mAhである。
[実験例2]
黒鉛材料として、核材にコークスと天然黒鉛を80:20(質量比)の割合で混合したCMC吸着率が39.4%の黒鉛Aを用いるとともに、負極合剤スラリーの調製時に固形分の含有割合が60質量%となるように水に分散させた以外は、実験例1の場合と同様にして実験例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
[実験例3]
黒鉛材料として、核材にコークスの表面に非晶質コートを実施したCMC吸着率が64.4%の黒鉛Bを用いるとともに、負極合剤スラリーの調製時に固形分の含有割合が60質量%となるように水に分散させた以外は、実験例1の場合と同様にして実験例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
[実験例4]
黒鉛材料として、核材にコークスの表面に非晶質コートを実施したCMC吸着率が73.0%の黒鉛Bを用いるとともに、負極合剤スラリーの調製時に固形分の含有割合が70質量%となるように水に分散させた以外は、実験例1の場合と同様にして実験例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
[実験例5]
黒鉛材料として、核材にCMC吸着率が0.6%のMCMB(メソカーボンマイクロビーズ)からなる黒鉛Cを使用した以外は、実験例1の場合と同様にして実験例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
[実験例6]
黒鉛材料として、核材にCMC吸着率が5.4%の天然黒鉛からなる黒鉛Dを用いた以外は、実験例1の場合と同様にして実験例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
[実験例7]
黒鉛材料として、核材にコークスと天然黒鉛を50:50(質量比)の割合で混合したCMC吸着率が8.7%の黒鉛Eを用いた以外は、実験例1の場合と同様にして実験例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
[実験例8〜11]
負極活物質の作製工程において、黒鉛材料として実験例1のものと同じ黒鉛Aを用い、黒鉛AとSiOとの混合比率を、99.5:0.5(実験例8)、99:1(実験例9)、95:5(実験例10)、93:7(実験例11)に変更した点以外は、実験例1の場合と同様にして実験例8〜11に係る非水電解質二次電池を作製した。
[サイクル充放電容量維持率の測定]
上記のようにして得られた、実験例1〜11に係る各電池について、25℃の恒温槽中で、1It(=800mA)の定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、更に電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で電流値が0.05It(=40mA)になるまで充電した。その後、1Itの定電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電した。これを1サイクル目の充放電とし、このときの放電容量を初期容量として測定した。
次に、初期容量を測定した各電池について、上記の充放電サイクルを繰り返し、50サイクル目、100サイクル目、300サイクル目の放電容量をそれぞれ測定し、下記の計算式から各サイクルにおける容量維持率を算出した。得られた結果を纏めて表2に示した。
容量維持率(%)=(各サイクルにおける放電容量/初期容量)×100
Figure 2014135154
黒鉛材料のCMC吸着率が最も小さいものを用いた実験例5の電池は、充放電サイクルの繰り返しによる容量維持率の顕著な低下がみられ、負極活物質としてSiOを用いた従来の非水電解質二次電池と同様のサイクル特性の低下が生じている。
これは、負極活物質としてSiOを含むものを用いていることにより、炭素質材料のみを負極活物質として用いた場合と比べて、充放電サイクルの度により大きな負極活物質の膨張・収縮が起き、充放電サイクルを繰り返すにつれて負極活物質の微粉化や、導電性ネットワークからの欠け落ちが生じて、導電パスが切断されてしまうためであると考えられる。
これに対して、CMCを吸着することのできる黒鉛材料及び混練条件を用いた実験例1〜3、6及び7の電池においては、充放電サイクルの繰り返しによる容量維持率の低下が抑制されており、実験例5に対してサイクル特性が向上していることが確認できる。これは、実験例1〜3、6及び7の電池においては、黒鉛材料粒子の表面にCMCが吸着されていることにより、負極活物質粒子間の結合力が増大されて、導電パスの切断が抑制されているためであると考えられる。
特に、実験例1〜3の電池では、サイクル特性の向上が著しく、従来例のような容量維持率の低下が顕著に抑制されている。実験例1〜7の結果を総合的に勘案すると、黒鉛材料のCMC吸着率は、10〜70%が好ましく、より好ましくは10〜65%であることがわかる。
なお、実験例4の電池においては、サイクル特性の向上が見られず、むしろサイクル特性が悪化している。これは、負極合剤スラリー作製の際に黒鉛表面に吸着するCMCが多く、結果として、CMC及びSBRの複合被膜が厚くできてしまうため、充放電サイクルの繰り返しの際に被膜自体が抵抗体となり、導電パスが切断されるためであると推測される。
実験例8〜11の電池は、実験例1に対して、負極活物質の黒鉛材料及びSiOの混合比率のみを異ならせたものである。実験例1及び8〜11の結果より、負極活物質中のSiOの割合が1.0質量%〜5.0質量%の範囲であると、本発明による上記効果がより効果的に奏されることがわかる。
なお、実験例11の電池においてはサイクル特性が悪化しているが、これは、SiOの比率が高すぎるため、充放電の際の負極活物質の膨張・収縮の結果として生じる導電パスの切断が十分に防げないためであると推測される。
また、実験例8の電池においてはサイクル特性が悪化しているが、実験例8の電池では、SiOの比率が少ないため、他のSiOを配合した仕様と容量設計を同様にするためには、負極の設計時の塗布量を増やし、且つ極板密度を高くする必要がある。このためSiOの混合量を少なくすると、黒鉛としては高密度化することになり、負極極板への液回りが低下しサイクル特性が低下したものと推測される。
なお、上記各実験例においては、カルボキシメチルセルロースとしてナトリウム塩を用いたが、黒鉛粒子表面への吸着特性及び増粘剤としての機能に大きな違いはないため、カルボキシメチルセルロース・アンモニウム塩を用いた場合であっても適用可能である。
なお、上記各実験例の非水電解質二次電池においては、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物を用いた例を示した。しかしながら、本発明においては、正極活物質として、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することが可能な化合物であれば適宜選択して使用できる。これらのリチウム遷移金属酸化物としては、LiMO(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわち、LiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(y=0.01〜0.99)、LiMnO、LiCoMnNi(x+y+z=1)や、LiMn又はLiFePOなどを一種単独もしくは複数種を混合して用いることができる。さらには、リチウム遷移金属複合酸化物にジルコニウムやマグネシウム、アルミニウム等の異種金属元素を添加したものも使用し得る。
また、上記各実験例の非水電解質二次電池においては、ラミネート外装体を有する偏平状の非水電解質二次電池を用いた例を示した。しかしながら、本発明に係る非水電解質二次電池においては、電極体の形状に限定されることがないので、円筒形、偏平形ないし角形のいずれの形状の金属製外装体を有するものに対しても適用可能である。
また、上記各実験例の非水電解質二次電池においては、非水電解液の非水溶媒としてEC、PC及びEMCを用いた例を示したが、他にも非水電解質二次電池において一般に非水溶媒として使用されているものを使用し得る。このような非水溶媒としては、ブチレンカーボネート(BC)等の他の環状炭酸エステルや、フッ素化された環状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)やγ−バレロラクトン(γ−VL)等の環状カルボン酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)やジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、ジブチルカーボネート(DBC)等の鎖状炭酸エステル、フッ素化された鎖状炭酸エステル、ピバリン酸メチルやピバリン酸エチル、メチルイソブチレート、メチルプロピオネート等の鎖状カルボン酸エステル、N,N'−ジメチルホルムアミドやN−メチルオキサゾリジノン等のアミド化合物、スルホラン等の硫黄化合物、テトラフルオロ硼酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等の常温溶融塩、等を用いることができる。また、これらを2種以上混合して用いるようにしてもよい。
非水電解質における非水溶媒中に溶解させる電解質塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を用いた例を示したが、他にも非水電解質二次電池において一般に電解質塩として用いられるリチウム塩を用いることができる。このようなリチウム塩としては、例えば、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12等を一種単独又はこれらから複数種を混合したものを用いることができる。なお、非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は、0.8〜1.5mol/Lとするのが好ましい。
非水電解質における電解質中には、電極の安定化用化合物として、例えば、ビニレンカーボネート(VC)や、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、無水コハク酸(SUCAH)、無水マレイン酸(MAAH)、グリコール酸無水物、エチレンサルファイト(ES)、ジビニルスルホン(VS)、ビニルアセテート(VA)、ビニルピバレート(VP)、カテコールカーボネート、ビフェニル(BP)等を添加するようにしてもよい。これらの化合物は、2種以上を適宜に混合して用いるようにしてもよい。
セパレータとしては、従来から用いられてきたセパレータを用いることができる。具体的には、ポリエチレンからなるセパレータのみならず、ポリエチレン層の表面にポリプロピレンからなる層が形成されたものや、ポリエチレンのセパレータの表面にアラミド系の樹脂等の樹脂が塗布されたものを用いてもよい。

Claims (4)

  1. 正極活物質を含む正極合剤層を有する正極極板と、負極活物質を含む負極合剤層を有する負極極板と、非水電解質と、セパレータと、外装体と、を備え、
    前記負極活物質を含む負極合剤層は、負極活物質としての黒鉛材料及びケイ素と酸素との化合物(SiOx、0.5≦x<1.6)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとを含んでおり、
    前記黒鉛材料は、カルボキシメチルセルロースの吸着率が10〜70%である、
    非水電解質二次電池。
  2. 前記黒鉛材料のカルボキシメチルセルロースの吸着率は10〜65%である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記負極活物質中のケイ素と酸素との化合物の含有割合は、1.0〜5.0質量%である、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記ケイ素と酸素との化合物がSiOである、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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