JP2018156891A - 負極ペーストおよびこれを用いた非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、スチレンブタジエンゴムの分散性および安定性に優れた負極ペースト、剥離強度が優れた合材層を有する負極、およびこれを備え非水電解液二次電池を提供すること。【解決手段】平均粒径が5μm以上の負極活物質粒子、カルボキシメチルセルロース塩、スチレンブタジエンゴムの水系エマルション、および水を含有する非水電解質二次電池用の負極ペーストであって、上記スチレンブタジエンゴムの水系エマルションの静的表面張力が35mN/m以上70mN/m以下、上記カルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度が0.80以上2.00以下であることを特徴とする負極ペースト。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池用負極ペーストおよびこれを用いて製造された負極を備えた非水電解液二次電池に関する。
非水電解液二次電池の電極の製造に用いられる水系処方の電極ペーストでは、カルボキシメチルセルロース塩が活物質および導電剤の分散剤、ならびに電極ペーストの粘度調整剤として用いられる。さらに、カルボキシメチルセルロース塩は分散剤や粘度調整剤としての機能の他に集電体と活物質の結着剤としても機能する。しかし、カルボキシメチルセルロース塩のみでは結着性が不足するため、スチレンブタジエンゴムエマルション(以下、スチレンブタジエンゴムということもある)が結着剤として併用される。
特許文献1においては、負極活物質のメディアン系とカルボキシメチルセルロース塩の吸着量と関係が検討されており、特許文献2においては、負極活物質としての黒鉛材料のカルボキシメチルセルロース塩吸着率が所定の割合である非水電解液二次電池が開示されている。また特許文献3においても、負極活物質へのカルボキシメチルセルロース塩の吸着量が規程された負極ペーストが開示されている。
特開2014−11076号公報 特開2013−257978号公報 特開2014−135154号公報
負極ペースト中でスチレンブタジエンゴムが不均一に分散している場合、活物質と集電体との結着力にバラツキが生じ、電池特性が悪くなる。また、スチレンブタジエンゴムは絶縁体であるため、電極中で偏在化した場合、内部抵抗が大きくなり電池特性の低下につながる。負極ペースト中でのスチレンブタジエンゴムの分散性および安定性は、活物質に対するスチレンブタジエンゴムの濡れ性、すなわち静的表面張力、およびカルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度や親水性・疎水性のバランスにより影響を受ける。
すなわち、活物質に対するスチレンブタジエンゴムの濡れ性が大きい場合、カルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度や親水性・疎水性のバランスによっては、活物質にカルボキシメチルセルロース塩が吸着し、活物質の表面の特性を変化させることにより、スチレンブタジエンゴムの分散性および安定性は悪化することがある。この場合、カルボキシメチルセルロース塩は活物質へ吸着させず、ペーストの粘度調整剤として機能させることにより、スチレンブタジエンゴムの分散性および安定性を向上させることができる。
一方、活物質に対するスチレンブタジエンゴムの濡れ性が小さい場合、活物質にカルボキシメチルセルロース塩が吸着させることにより、活物質の表面特性が改善されスチレンブタジエンゴムの分散性および安定性が向上することがある。
しかし、先行文献1ないし3においては、スチレンブタジエンゴムの偏在化については検討されておらず、またカルボキシメチルセルロース塩の吸着量の測定方法については、活物質から完全に遊離しているもののみを測定するものとなっており、部分的に吸着したカルボキシメチルセルロース塩については考慮しておらず、分散に作用するカルボキシメチルセルロース塩と粘度調整に作用するカルボキシメチルセルロース塩を正確に分離しての測定は行えていない。
そこで、本発明は、スチレンブタジエンゴムの分散性および安定性に優れた負極ペーストおよび剥離強度が優れた合材層を有する負極およびこれを備える内部抵抗の低い非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]ないし[3]を提供するものである。
[1]平均粒径が5μm以上の負極活物質粒子、カルボキシメチルセルロース塩、スチレンブタジエンゴムの水系エマルション、および水を含有する非水電解質二次電池用の負極ペーストであって、上記スチレンブタジエンゴムエマルションの静的表面張力が35mN/m以上70N/m以下、上記カルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度が0.8以上2.0以下であることを特徴とする負極ペースト。
[2]上記カルボキシメチルセルロース塩が、無水グルコース単位1000個当たりのカルボキシメチル基で置換されていないグルコース単位の個数が、0個以上25個以下であることを特徴とする[1]に記載の負極ペースト。
[3][1]または[2]に記載の負極ペーストを用いた負極を備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
本発明は、スチレンブタジエンゴムの分散性および安定性に優れた負極ペースト、剥離強度が優れた合材層を有する負極、およびこれを備えた非水電解液二次電池を提供することが出来る。
実施例及び比較例において、カルボキシメチルセルロースナトリウムを構成するカルボキシメチルセルロースにおける無水グルコース単位1000個当たりのカルボキシメチル基で置換されていないグルコース単位の個数を求めるにあたり、用いた検量線を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本実施形態に係る負極ペーストは、所定の負極活物質粒子、カルボキシメチルセルロース塩、スチレンブタジエンゴムの水系エマルション、および水を含有する非水電解質二次電池用の負極ペーストである。
上記負極活物質粒子としては、リチウム二次電池の負極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料を特に限定なく使用することができる。負極活物質の好適例としては炭素材料が挙げられる。炭素材料の代表例としては、グラファイトカーボン(黒鉛)、アモルファスカーボン等が挙げられる。なかでも黒鉛を主成分とする炭素材料(黒鉛系炭素材料)の使用が好ましい。黒鉛は鱗片状の黒鉛を球形化したものであり得る。また、黒鉛の表面にはアモルファスカーボンがコートされ得る。 負極活物質の性状は特に限定されないが、典型的には粒子状や粉末状である。上記粒子状負極活物質の平均粒径が5μm以上であるが、10m以上25μm以下が好ましく、10μm以上20μm以下がより好ましい。上記粒子状負極活物質の平均粒子径が上記範囲である場合、リチウムイオンの吸蔵量が多くなり、エネルギー密度を高密度化しやすい。負極活物質の平均粒径は、例えば、レーザー散乱粒度分布測定装置(例えば、島津製作所製「SALD-2200」)を用い、負極活物質を溶解しない媒体に、これら負極活物質を分散させて測定することができる。また、負極活物質の比表面積は1m/g以上5m/g以下が好ましく、2m/g以上4m/g以下がより好ましい。比表面積が上記範囲内である場合、リチウムイオンの吸蔵量が多くなり、エネルギー密度を高密度化しやすい。負極活物質の比表面積は、例えば、マイクロトラック・ベル社製「BELSORP-miniII」を用いて測定することができる。
上記カルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度が0.8以上2.0以下であるが、好ましくは0.85以上1.6以下、より好ましくは0.9以上1.2以下である。エーテル化度が上記範囲の場合、カルボキシメチルセルロース塩の水溶性が良く、滑らかで流動性が良好なカルボキシメチルセルロース塩水溶液が得られる。
ここで、エーテル化度は、例えばCMC工業会分析法(灰化法)に従い測定することができる。カルボキシメチルセルロース塩1gを精秤し、磁性ルツボに入れて600℃で灰化し、灰化によって生成した酸化ナトリウムをN/10硫酸でフェノールフタレインを指示薬として滴定し、カルボキシメチルセルロースナトリウム1gあたりの滴定量YmLを次式に入れて計算し、求めたエーテル化度を示すことができる。
エーテル化度=(162×Y)/(10,000−80×Y)…(1)
上記カルボキシメチルセルロース塩は、無水グルコース単位1000個当たりのカルボキシメチル基で置換されていないグルコース単位の個数が、0個以上25個以下であることが好ましく、0個以上20個以下であることがより好ましい。無水グルコース単位1000個当たりのカルボキシメチル基で置換されていないグルコース単位の個数が上記範囲内である場合、水溶液中で分子鎖が線状に溶解しており、シェアに対する粘度安定性が良く、また耐薬品性もよいというメリットがある。
なお、無水グルコース単位1000個当たりのカルボキシメチル基で置換されていないグルコース単位の個数とは、セルロースの加水分解酵素であるセルラーゼによってカルボキシメチルセルロース塩をグルコース単位にまで加水分解した際、無水グルコース単位1000個当たりに存在する、カルボキシメチル基で置換されていないグルコース単位の個数を示すものである。なお、カルボキシメチル基で置換されているとは、グルコース単位に存在するOH基のうち、1以上のOH基のHがカルボキシメチル基に置換されていることをいう。このような、カルボキシメチル基で置換されていないグルコース単位の個数を求めるには、ムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ(GOD)法にしたがい、カルボキシメチル基で置換されていないグルコースから生成した過酸化水素が発色試薬と反応することにより生じる赤色色素の吸光度を測定することにより、カルボキシメチル基で置換されていないグルコースの濃度を求めて換算する。かかるカルボキシメチル基で置換されていないグルコースの濃度は、ブドウ糖標準液を用い、縦軸yをカルボキシメチル基で置換されていないグルコースの濃度、横軸xを水の吸光度との差とする、原点O((x,y)=(0,0))を通る検量線を作製することによって求める。より具体的には、実施例に記載の方法にしたがって得られる。
上記カルボキシメチルセルロース塩は、1質量%水溶液粘度(25℃、B型粘度計)が100mPa・s以上10000mPa・s以下が好ましく、150mPa・s以上8000mPa・s以下がより好ましい。1質量%水溶液粘度が上記範囲の場合、負極ペーストの粘度調整が容易となる。
本発明の負極ペーストには所定のスチレンブタジエンゴムの水系エマルションが用いられる。
スチレンブタジエンゴムには乳化重合スチレンブタジエンゴム、溶液重合スチレンブタジエンゴムの二種類がある。乳化重合スチレンブタジエンゴムは、ラテックス状で得られる。溶液重合スチレンブタジエンゴムの中にはスチレンとブタジエンの共重合様式によって、ランダム型、ブロック型、対称ブロック型等がある。また、スチレン組成比が多く、ガラス転移点(Tg)の高いハイスチレンゴムもある。さらに、不飽和カルボン酸や不飽和ニトリル化合物を共重合させた変性スチレンブタジエンゴムもある。
その中でも本発明においては水系処方で用いることから、乳化重合や溶液重合で得られるスチレンブタジエンゴムを水に分散させたラテックスタイプの水分散液(以下、スチレンブタジエンゴムエマルションということもある)が好適に用いることができる。
上記スチレンブタジエンゴムの水分散体は、静的表面張力が35mN/m以上70mN/m以下であるが、35mN/m以上60mN/m以下が好ましく、35mN/m以上50mN/m以下がより好ましい。静的表面張力が上記範囲内である場合集電体の濡れ性がよく、合材層と集電体との接着性が良好となる。
ここで、静的表面張力はスチレンブタジエンゴムエマルション30%水溶液を20℃で測定した値である。上記負極ペーストはたとえは以下の方法により製造することができる。すなわち、上記負極活物質および導電剤を順次カルボキシメチルセルロースまたはその塩の水溶液に添加し混合し、さらにスチレンブタジエンゴムエマルションを添加し、必要に応じて水で希釈する事によりスラリー状またはペースト状の負極ペーストを製造することができる。上記混合は、特に制限されないが具体的にはホモジナイザ、プラネタリーミキサ、ジェットミル、超音波分散機、ディスパ(攪拌翼)、押出混練機で行うことができる。また、ビーズミルやボールミル等の分散機に、ガラス、ジルコニア等のセラミックビーズを投入して分散を行うメディア分散手法を用いて、活物質ペースト及び負極ペーストを作製してもよい。
本発明の非水電解質二次電池は、負極として上記負極ペーストを用いて製造した負極を備えるものである。
上記負極は、たとえば以下の方法により製造することができる。すなわち、上記負極ペーストを集電体に塗工し、水を揮発させることにより形成するものである。
本発明における非水電解質二次電池の構造は、特に限定されず、例えば、正極、負極、セパレーター、および非水電解質で構成することができ、負極に上記本実施形態に係る電極が用いられる。一実施形態として、電池は、セパレーターを介して正極と負極を交互に積層した積層体と、該積層体を収容する容器と、容器内に注入された電解液など非水電解質とを備えてなるものでもよい。
つぎに、実施例について比較例とあわせて説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中、「%」とあるのは、特に限定のない限り質量基準を意味する。
[負極の作製]
[カルボキシメチルセルロース塩の作製]
[製造例1]
2軸の攪拌翼を備えた容量3Lのニーダー型反応機に、家庭用ミキサーで粉砕した高密度パルプ200gを仕込んだ。IPA:水を80:20の質量比で混合した含水有機溶媒1000gに、水酸化ナトリウム105gを溶解した後、パルプを仕込んだ前記反応機内に投入し、35℃で60分間撹拌してアルカリセルロース化反応を行い、アルカリセルロースを得た。
次いで、モノクロル酢酸110gを上記含水有機溶媒100gに溶解し25℃に調整後、前記アルカリセルロースを35℃に維持したまま60分かけて添加した後、30分かけて80℃まで昇温し、80℃にて50分間エーテル化反応を行った。
上記反応後、未反応の過剰の水酸化ナトリウムを、50重量%の酢酸で中和し、pH7.5とした。スラリー状となった上記中和物を反応機より取り出し、遠心分離によりIPAを除去して、粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を得た。この粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を、70重量%メタノール水溶液で洗浄し、副生物の食塩、グリコール酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウムを除去した。この洗浄操作を2回繰り返した後、90〜105℃で4時間乾燥し、粉砕してカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−A)を得た。
[製造例2〜5]
水酸化ナトリウム仕込み量、モノクロル酢酸仕込み量を下記表1に示す通りに変更した以外は製造例1と同様に製造を行い、製造例2ないし5のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩のCMC−BないしCMC−Eを得た。これらの各種物性は下記測定方法により測定した。測定結果を表2に示す。
<乾燥減量の測定>
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の試料1〜2gを秤量ビンに精密にはかりとり、105±2℃の定温乾燥器中において4時間乾燥し、デシケーター中で冷却したのち蓋をして重さをはかり、その減量から次の式(2)によって乾燥減量を算出した。
乾燥減量(%)=減量(g)/試料(g) …(2)
<塩分の測定>
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の試料(無水物)約1gを300mlビーカーに精密にはかりとり、水をやく200ml加えて溶かす。0.1モル/l硝酸銀で、電位差滴定し、その所要量から下記式(3)より塩分を算出した。
塩分(%)=0.1モル/l硝酸銀ml×f×0.585÷試料無水物(g)…(3)
(f:0.1モル/l硝酸銀の力価)
<粘度の測定>
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(約4.4g)を共栓付き300ml三角フラスコに入れて精秤した。ここに、計算式「試料(g)×(99−水分量(質量%))」により算出される量の水を加えて12時間静置し、さらに5分間混合した。得られた溶液を用いて、JIS Z8803に準じてBM型粘度計(単一円筒型回転粘度計)を用いて25℃における粘度を測定した。その際、(a)ロータ回転数を60rpmとして測定し、(b)上記(a)での測定値が8000mPa・s以上の場合にはロータ回転数を30rpmに変更して測定し、(c)上記(b)での測定値が16000mPa・s以上の場合にはロータ回転数を12rpmに変更して測定した。
<エーテル化度の測定>
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.6gを105℃で4時間乾燥した。乾燥物の質量を精秤した後、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化した。灰化物を500mlビーカーに移し、水250mlおよび0.05mol/lの硫酸水溶液35mlを加えて30分間煮沸した。冷却後、過剰の酸を0.1mol/lの水酸化カリウム水溶液で逆滴定した。なお、指示薬としてフェノールフタレインを用いた。測定結果を用いて、下記式(4)よりエーテル化度を算出した。
(エーテル化度)=162×A/(10000−80A)…(4)
A=(af−bf1)/乾燥物の重量(g)
A:試料1g中の結合アルカリに消費された0.05mol/lの硫酸水溶液の量(ml)
a:0.05mol/lの硫酸水溶液の使用量(ml)
f:0.05mol/lの硫酸水溶液の力価
b:0.1mol/lの水酸化カリウム水溶液の滴定量(ml)
f1:0.1mol/lの水酸化カリウム水溶液の力価
<1%pH>
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の試料の無水物換算1gを秤取し、水99mlを加えてよくかきまぜ、均等な糊状となるまで放置し、ガラス電極を備えたpHメーターで測った(温度は25℃とする)。
上記工程において、使用する水はイオン交換法で製造した純水である。しかも、水中に溶解しているCO2ガスを追い出すため、使用に先立ちアルカリを溶出しない容器中で5〜10分間煮沸し、再びガスを吸収しないようにして冷却し、比抵抗が2×104Ωm(25℃)以上である水を用いた。
<グルコース生成量>
(1)グルコース単位への分解
各カルボキシメチルセルロースナトリウムから1質量%濃度の水溶液を調製し、25℃でマグネティックスターラーにより4時間撹拌して溶液Aを得た。一方、セルラーゼ(アスペルギルス由来、和光製薬製)0.01gに蒸留水を加えて全量50gとした酵素溶液Bを調製した。次いで、溶液A4mLと酵素溶液B1mLとをボルテックスミキサー(SHIBATA TEST TUBE MIXER TTM―1、柴田科学株式会社製)にて15秒間撹拌混合した後、25℃で1週間放置して、試料液Cを得た。なお、酵素処理液の均質化のために、2日おきにボルテックスミキサーで数秒間攪拌した。
(2)グルコース量の定量
グルコースキット(グルコースCII-テストワコー、和光純薬工業(株)製)を用い、ムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ(GOD)法にしたがって定量を行った。具体的には、上記(1)で得られた試料液C 0.02mLとグルコースキット中の発色試液3mlとをボルテックスミキサーにて10秒間撹拌混合した。次いで、室温(25℃)で20分間放置し、発色試液と反応して生じた赤色色素量を505nmにて吸光度を測定し、測定した吸光度と蒸留水の吸光度との差に基づき、検量線を用いてカルボキシメチル基で置換されていないグルコース量を求めた。上記発色試液は、グルコースキット中の発色剤1びんと緩衝液1びんとを混合して調製したものである。
なお、上記検量線は、グルコースキット中のブドウ糖標準液を用い、蒸留水で所望の濃度(50mg/dL、100mg/dL、200mg/dL)に希釈した検量用の試験液と、蒸留水そのものの試験液について、上記と同様の操作によって吸光度を測定した。測定した吸光度と蒸留水(ブランク)との吸光度の差を横軸、縦軸をグルコースの濃度、即ち、カルボキシメチル基で置換されていないグルコースの濃度とし、原点Oを通るように検量線を作製した。作製した検量線を図1に示す。
[負極の作成]
負極の製造に使用した負極活物質の物性を表3に示す。
<平均粒径>
島津製作所社製のレーザー回折式粒子径分布測定装置SALD-2200にて測定した。
<比表面積>
マイクロトラック・ベル株式会社製のBELSORP-miniIIにて測定した。
[スチレンブタジエンゴムエマルション(SBRエマルション)の製造]
[製造例6]
撹拌機、還流冷却器および温度計を備えたフラスコに、調製水51質量部に、ドデシルベンゼンスルフォン酸塩0.2質量部を仕込み、40℃に昇温した。また、別途、予備乳化液の組成をアクリロニトリル5質量部、メチルメタクリレート8質量部、スチレン55質量部、1,3−ブタジエン32質量部、アルキルベンゼンスルフォン酸塩0.95質量部、を調製水40質量部に乳化分散させ、予備乳化液を調製した。この予備乳化液を滴下ロートより、上記フラスコに4時間かけて滴下すると共に、重合開始剤として、過硫酸ナトリウム開始剤を10%水溶液として0.4質量部添加し、重合を開始した。65℃の反応温度を4時間維持した後、80℃に昇温して、引き続き2時間反応を継続し、SBRエマルションA(SBR−A)を得た。
[製造例7ないし10]
各原料の種類と仕込み量を表4に示すとおりに変更した以外は製造例6と同様に製造し、SBRエマルションのSBR−BないしSBR−Eを製造した。
上記SBRエマルションの物性を表4に示す。
<静的表面張力>
KRUSS製自動表面張力計K100を用いて、プレート法によって25℃におけるスチレンブタジエンゴムエマルションの静的表面張力(mN/m)を測定した。
[実施例1]
[負極の作製]
表2に示すカルボキシメチルセルロース塩のCMC−Eを1質量部、活物質Aを97質量部、SBR−Eをバインダーとして2質量部、さらに水を加えて固形分50質量%として、自公転式攪拌機(プライミクス社、ハイビスミックス2P-03型)にて、40rpmの回転速度で1時間攪拌し負極スラリーを得た。得られたスラリーを塗工機にて銅箔(厚さ10μm)上に6.2mg/cm2となるように塗工した。さらに100℃で予備乾燥を行った後、130℃で8時間真空乾燥を行い、ロールプレス処理を行うことにより負極を得た。
[実施例1]ないし[実施例6]、[比較例1]ないし[比較例8]
実施例1のカルボキシメチルセルロース塩、活物質、バインダーの種類と使用量を表5に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に製造した。
[負極の評価]
下記の評価項目および評価基準に基づいて評価を実施した。評価結果を下記表5に示す。
<塗料粘度>
作製した塗料を、JIS Z8803に準じてBM型粘度計(単一円筒型回転粘度計)を用いて20℃における粘度を測定した。その際、(a)ロータ回転数を60rpmとして測定し、(b)上記(a)での測定値が8000mPa・s以上の場合にはロータ回転数を30rpmに変更して測定し、(c)上記(b)での測定値が16000mPa・s以上の場合にはロータ回転数を12rpmに変更して測定した。
<分散状態>
作製した塗料を24時間静置後、上面もしくわ下面に生じるスチレンブタジエンゴムエマルションの遊離の有無を目視で評価した。
◎:遊離なし
○:わずかに遊離の傾向が認められる
×:遊離している
<剥離強度>
結着力(180°はく離強度)の測定
上記の方法で得られた電極シートを18cm×2cmの短冊状に切り出し、集電体側に厚み1mmの鋼板を両面テープで接着し、塗工面を両面テープに貼り付け、集電体にセロハン粘着テープを貼り付け、引張試験機(島津製作所、オートグラフAGS-X)にて50mm/minの速さで180°方向にはく離させる際の応力を測定した
[正極の作製]
正極活物質であるLiNi1/3Co1/3Mn1/3100g、導電剤としてカーボンブラック(Timcal社製、Super−P)を7.8g、結着剤としてポリフッ化ビニリデン6g、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン61.3gを遊星型ミキサーで混合し、固形分65%になるように正極スラリーを調製した。この正極スラリーを塗工機で厚み15μmのアルミニウム箔上に両面塗工し、130℃で乾燥後、ロールプレス処理を行い、正極活物質12.2mg/cmの正極を得た。電池性能の評価は全てここで得られた正極を用いた。
[リチウムイオン二次電池の作製]
上記で得られた負極および正極、電極間にセパレータとしてポリオレフィン系(PE/PP)セパレータを挟んで積層し、各正負極に正極端子と負極端子を超音波溶接した。この積層体をアルミラミネート包材に入れ、注液用の開口部を残しヒートシールした。正極面積18cm、負極面積19.8cmとした注液前電池を作製した。次にエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート(30/70vol比)とを混合した溶媒にLiPF(1.0mol/L)を溶解させた電解液を注液し、開口部をヒートシールし、評価用電池を得た。
<特性の評価>
<DC−IR試験>
作製した各電池をSOC50%に調整した後、20゜C、0.2Cで1C、2C、3Cで放電を行い、各放電電流をX軸に、10秒経過後の電圧の変化量をY軸にプロットすることで算出した。
表5より、カルボキシメチルセルロース塩の置換度が高く、スチレンブタジエンゴムエマルションの静的表面張力が低い場合に負極ペーストの安定性が良く、スチレンブタジエンゴムエマルションの遊離が生じないため、リチウムイオン電池のDC-IRが低くなることが分かる。
本発明の非水電解液二次電池用負極ペーストおよびこれを用いて製造された負極を備えた非水電解液二次電池は携帯機器などに広く利用することができる。

Claims (3)

  1. 平均粒径が5μm以上の負極活物質粒子、カルボキシメチルセルロース塩、スチレンブタジエンゴムの水系エマルジョン、および水を含有する非水電解質二次電池の負極ペーストであって、上記スチレンブタジエンゴムの水系エマルジョンの静的表面張力は35mN/m以上70mN/m以下、上記カルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度が0.80以上2.00以下であることを特徴とする負極ペースト。
  2. 上記カルボキシメチルセルロース塩が、無水グルコース単位1000個当たりのカルボキシメチル基で置換されていないグルコース単位の個数が、0個以上25個以下であることを特徴とする請求項1に記載の負極ペースト。
  3. 請求項1または2に記載の負極ペーストを用いた負極を備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
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