JP6916348B1 - 非水電解質二次電池用負極およびそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極およびそれを用いた非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】負極用塗料のチキソトロピー性の変化を抑えて乾燥割れを抑制しながら、サイクル特性およびレート特性を向上することができる非水電解質二次電池用負極を提供する。【解決手段】実施形態に係る非水電解質二次電池用負極は、黒鉛系負極活物質、シリコン系負極活物質、カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩、ならびにナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物および/またはそのアルカリ金属塩を含む。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、非水電解質二次電池用負極、およびこれを用いた非水電解質二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池(LiB)をはじめとする非水電解質二次電池は、軽量であり、かつ高電圧、大容量であるため、蓄電デバイスとして広く用いられている。非水電解質二次電池の負極には黒鉛系材料が主として用いられていたが、更なる高容量化を目的としてシリコン系負極活物質の使用が提案されており、黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質を併用することも知られている。例えば、負極にシリコン系負極活物質である酸化珪素を用いる方法として、酸化珪素粒子表面に炭素層を被覆する方法が特許文献1に開示されている。
一方、負極を作製する際の負極用塗料の作製にあたり、水系処方に用いられる分散剤としてポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどが存在する。例えば、黒鉛を負極活物質としたものにおいて、ポリアクリル酸とポリエチレングリコールを用いることが特許文献2に開示されている。また、黒鉛を負極活物質としたものにおいて、結着剤としてポリアクリル酸とスチレンブタジエンゴム(SBR)を併用することが特許文献3および特許文献4に開示されている。また、シリコン系負極活物質においてポリアクリル酸を用いることが特許文献5に開示されている。
特開2002−42806号公報 特開平11−354125号公報 特許第3062304号公報 特許第4441935号公報 特許第3703667号公報
上記のような黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質の併用は、高容量化が図られるという利点がある一方で、シリコン系負極活物質は充放電に伴う数倍に及ぶ体積変化によって分解し、容量の低下が生じる。
一方、疎水性の強い活物質や導電助剤の分散には、疎水性相互作用の強い構造を持つものが好ましく、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好適で、さらにポリアクリル酸のような分散剤を併用することが考えられる。しかしながら、負極用塗料の粘性は分散剤の性質に影響され、特にカルボキシメチルセルロースとアクリル酸の併用は、チキソトロピー性が強くなる傾向があり、乾燥時の収縮が強く、乾燥割れの原因になり、また添加量によるチキソトロピー性の変動が大きく、塗工時の目付量の変動が大きくなる、といった予期せぬ不具合を生じることがある。
本発明の実施形態は、負極用塗料のチキソトロピー性の変化を抑えて乾燥割れを抑制しながら、サイクル特性およびレート特性を向上することができる非水電解質二次電池用負極を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池用負極は、黒鉛系負極活物質、シリコン系負極活物質、カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩、ならびにナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物および/またはそのアルカリ金属塩を含むものである。
一実施形態において非水電解質二次電池用負極は、前記カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩を、前記黒鉛系負極活物質と前記シリコン系負極活物質の合計量100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下含み、前記ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物および/またはそのアルカリ金属塩を、前記カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩の質量の0.5倍以上3倍以下含んでもよい。
一実施形態において非水電解質二次電池用負極は、更にスチレンブタジエンゴムを含んでもよい。その場合、前記黒鉛系負極活物質と前記シリコン系負極活物質の合計量100質量部に対して、前記スチレンブタジエンゴムを0.5質量部以上3.0質量部以下含んでもよい。
本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池は、上記非水電解質二次電池用負極を備えるものである。
本発明の実施形態によれば、乾燥割れを抑制しながら、サイクル特性およびレート特性を向上することができる。
本実施形態に係る非水電解質二次電池用負極は、(A)黒鉛系負極活物質、(B)シリコン系負極活物質、(C)カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩、ならびに、(D)ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物および/またはそのアルカリ金属塩を含むものであり、負極活物質として黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質を併用したものである。
[(A)黒鉛系負極活物質]
黒鉛系負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出することができる黒鉛であれば特に制限なく使用することができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、天然黒鉛と人造黒鉛との混合物、人造黒鉛を被覆した天然黒鉛等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。黒鉛系負極活物質の粒子形状も特に限定されず、球状でも、鱗片状でもよい。
黒鉛系負極活物質の平均粒径(D50)は、特に限定されず、例えば1〜50μmでもよく、5〜30μmでもよい。黒鉛系負極活物質の比表面積は、特に限定されず、例えば0.5〜10m/gでもよく、1.0〜5.0m/gでもよい。
本明細書において、負極活物質の平均粒径と比表面積は、例えば、レーザー散乱粒度分布測定装置(例えば、MalvernPanalytical社製「Mastersizer 2000」)を用い、負極活物質を溶解しない媒体に、これら負極活物質を分散させて測定することができる。
[(B)シリコン系負極活物質]
シリコン系負極活物質は、ケイ素(原子)を含み、かつ、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出することができる物質である。シリコン系負極活物質としては、例えば、ケイ素単体の粒子、ケイ素化合物の粒子等が挙げられる。ケイ素化合物としては、リチウムイオン二次電池の負極活物質として一般に使用されるものが挙げられ、例えばケイ素酸化物及びケイ素合金等が挙げられる。シリコン系負極活物質としては、ケイ素、ケイ素合金、およびSiOx(但し、xは0.5≦x≦1.6を表す。)で表されるケイ素酸化物から選択された1種または2種以上が好ましく、より好ましくはケイ素酸化物である。
シリコン系負極活物質の平均粒径は、特に限定されず、例えば0.1〜30μmでもよく、1〜20μmでもよい。シリコン系負極活物質の比表面積は、特に限定されず、例えば0.5〜15m/gでもよく、1.0〜10m/gでもよい。
黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質の比率は特に限定されないが、両者の合計量100質量%において、シリコン系負極活物質が2〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%であり、更に好ましくは5〜15質量%である。
[(C)カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩]
カルボキシメチルセルロース(以下、CMCということがある。)および/またはそのアルカリ金属塩(以下、CMC塩ということがある。)は、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基がカルボキシメチルエーテル基に置換された構造を持つものであり、カルボキシ基を有するものでもよく、カルボン酸金属塩の形態を持つでもよく、両者を併用してもよい。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
CMCおよび/またはCMC塩は、水系処方において負極活物質や導電助剤の分散剤、および負極用塗料の粘度調整剤(増粘剤)として機能するとともに、負極活物質および集電体の結着剤としても作用する。
CMCおよび/またはCMC塩としては特に限定されないが、例えばエーテル化度が0.4〜1.5であるものが好ましく用いられる。エーテル化度が0.4以上であることにより水に対する溶解性を高めることができ、また1.5以下であることにより負極用塗料に対する増粘効果を高めることができ、無駄に置換基を導入したエーテル化度の高いCMCを利用することによるコストアップを抑えることができる。エーテル化度は0.5以上であることが好ましく、より好ましくは0.6以上である。エーテル化度は1.2以下であることが好ましく、より好ましくは1.0以下である。
CMCおよび/またはCMC塩としては、また、1質量%水溶液粘度(25℃、B型粘度計)が100〜10000mPa・sであるものが好ましく用いられ、得られる負極用塗料の粘度が適当な数千mPa・s(例えば3000〜5000mPa・s)となるように適宜使用する水溶液の濃度を調整することができる。ここで、負極用塗料におけるCMCおよび/またはCMC塩の水溶液濃度は、0.5質量%以上であることにより、活物質の分散性を向上して、負極活物質の凝集物の発生を抑え、塗工時の塗り斑を抑制することができる。また、3質量%以下であることにより、負極用塗料を適度な粘度として塗工時の塗り斑を抑えることができ、電池の抵抗値の上昇も抑えることができる。負極用塗料におけるより好ましい水溶液濃度は0.6〜2.4質量%であり、この濃度で利用できる1質量%水溶液粘度としては100〜8000mPa・sであることが好ましい。なお、1質量%水溶液粘度が100mPa・s以上であることにより、塗工時の電極厚みの調整が容易な程度に負極用塗料の粘度を高めて塗り斑を抑えることができ、8000mPa・s以下であることにより、均一に塗工可能な程度に負極用塗料の粘度上昇を抑えて塗り斑を抑えることができる。
CMCおよび/またはCMC塩の含有量は、特に限定されないが、黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質の合計量100質量部に対して0.5〜3.0質量部であることが好ましい。このような含有量とすることにより、黒鉛系負極活物質やシリコン系負極活物質の分散性を高めることができるとともに、負極用塗料の粘度を高めて塗膜の形成性を向上することができる。該含有量は0.7質量部以上であることが好ましく、また2.5質量部以下であることが好ましい。
[(D)ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物および/またはそのアルカリ金属塩]
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物(以下、NSFということがある。)および/またはそのアルカリ金属塩(以下、NSF塩ということがある。)は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物、またはそのアルカリ金属塩、または両者の混合物である。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
NSFおよび/またはNSF塩を含有させることにより、シリコン系負極活物質の充放電に伴う体積変化を抑えることができ、サイクル特性を向上することができる。また、レート特性を向上することができる。また、CMCおよび/またはCMC塩と組み合わせたときに、チキソトロピー性の増大を抑えて、乾燥時の収縮による乾燥割れを抑制することができ、チキソトロピー性の変化による塗工時の目付量の変動を抑えることができる。
なお、NSFは、性能を損なわない限り、単量体として、例えば、アルキルナフタレン(例えばメチルナフタレン、エチルナフタレン、ブチルナフタレン等)、ヒドロキシナフタレン、ナフタレンカルボン酸、アントラセン、フェノール、クレゾール、またはこれらの誘導体のような、ナフタレンスルホン酸と共縮合可能な芳香族化合物と共縮合されたものでもよい。
NSFおよび/またはNSF塩の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、300〜3000であることが好ましい。重量平均分子量が300以上であることにより、分散性能がよくなり、また、3000以下であることにより生産性の悪化を抑えてコストアップを抑えることができる。重量平均分子量は、350以上であることが好ましく、より好ましくは450以上であり、また、2500以下であることが好ましく、より好ましくは1000以下である。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。
NSFおよび/またはNSF塩としては、市販品を用いてもよく、また公知の製法に従って調製されたものを用いてもよい。例えば、ナフタレンを濃硫酸、発煙硫酸等のスルホン化剤を用いてスルホン化した後、ホルムアルデヒドを用いた縮合反応を行うことによりNSFが得られる。得られたNSFに対しアルカリ剤を用いて中和することによりNSF塩を得てもよく、また、中和で副生する水不溶解物を除去してもよい。
NSFおよび/またはNSF塩の含有量は、CMCおよび/またはCMC塩の含有量に対して質量比で0.5倍〜3倍であることが好ましく、より好ましくは0.6倍〜2.5倍である。
[(E)スチレンブタジエンゴム]
本実施形態に係る非水電解質二次電池用負極は、更に(E)スチレンブタジエンゴム(以下、SBRということがある。)を含んでもよい。SBRは結着剤として作用し、CMCおよび/またはCMC塩との併用により、黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質との併用系において優れた結着性が得られる。また、ゴム成分からなるSBRであると塗膜に柔軟性を付与できるため、塗膜の厚みを大きくしたときの乾燥割れを抑制することができる。
SBRとしては、例えば水中油滴エマルション(SBRラテックス)など、一般に黒鉛系負極活物質の結着剤として用いられているものを使用することができる。
SBRを使用する場合、その含有量は、特に限定されないが、黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質の合計量100質量部に対して0.5〜3.0質量部であることが好ましい。該含有量は0.7質量部以上であることが好ましく、また2.0質量部以下であることが好ましい。
[その他添加剤]
本実施形態に係る非水電解質二次電池用負極には、上記成分の他に、例えば、導電助剤、上記以外の分散剤、結着剤などが必要に応じて添加されてもよい。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラックやケッチンブラック等のカーボンブラック、カーボナノチューブ、炭素繊維などが挙げられ、これらをいずれか1種または2種類以上用いてもよい。導電助剤の含有量は、特に限定されず、例えば、黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質の合計量100質量部に対して0.1〜20質量部でもよく、0.5〜10質量部でもよい。
SBR以外の結着剤としては、例えば、ポリウレタンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、アクリル樹脂エマルションなどの各種樹脂エマルションが挙げられ、SBRとともに用いてもよく、SBRの代わりに用いてもよい。
[非水電解質二次電池用負極]
一実施形態に係る非水電解質二次電池用負極としては、集電体と、該集電体上に形成された負極活物質層とを備えたものでもよく、該負極活物質層が上記(A)〜(D)成分、好ましくは(A)〜(E)成分を含むことが好ましい。
負極活物質層は、例えば、負極用塗料を集電体に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。その場合、負極用塗料が上記(A)〜(D)成分、好ましくは(A)〜(E)成分を含む。負極用塗料は水系処方であることが好ましく、すなわち負極用塗料は溶媒としての水を含む。一実施形態において、水系の負極用塗料は、(C)成分および(D)成分が水に溶解しており、粒子としての(A)黒鉛系負極活物質および(B)シリコン系負極活物質が、(E)SBRとともに水中に分散して、スラリー状ないしペースト状をなす。
集電体としては、構成された電池において悪影響を及ぼさない電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理したものを用いることができる。これらの集電体は表面を酸化処理したものであってもよい。集電体の形状については、フォイル状の他、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされた物、ラス体、多孔質体、発泡体等の成形体も用いられる。厚みは特に限定されず、例えば1〜100μmのものを用いてもよい。
集電体上に形成される負極活物質層の単位面積当たりの質量(目付け量)は、特に限定されず、例えば、5〜30mg/cmでもよく、7〜20mg/cmでもよい。
[非水電解質二次電池]
本実施形態に係る非水電解質二次電池は、負極として上記負極を備えるものである。詳細には、非水電解質二次電池は、負極と、正極と、負極と正極との間に配置されたセパレータと、電解質とを備え、該負極に上述した実施形態に係る負極が用いられる。一実施形態として、非水電解質二次電池は、セパレータを介して負極と正極を交互に積層した積層体と、該積層体を収容する容器と、容器内に注入された非水電解液などの電解質とを備えてなるものでもよい。非水電解質としては、例えば、支持電解質としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものを用いることができ、リチウムイオン二次電池を構成することができる。
以下、実施例および比較例に基づいて、より詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の製造]
(製造例1:CMC−1)
溶媒(イソプロピルアルコール/水=80/20(質量比))500質量部、水酸化ナトリウム50質量部およびチップ状のセルロース100質量部を、2軸ニーダー型反応機に投入し、35℃で60分間、アルカリセルロース化反応を行った。
得られた反応液に、25℃に調整したモノクロロ酢酸55質量部と溶媒(イソプロピルアルコール/水=80/20(質量比))27質量部との混合物を60分間かけて滴下した後(滴下中の温度は30℃〜40℃を維持)、25分間かけて80℃まで昇温し、さらに60分間エーテル化反応を行った。
次いで、得られた反応溶液を60℃まで冷却し、50質量%酢酸水溶液を用いてpH9.5に調整した後、減圧ろ過器を用いて反応溶媒を気化回収して粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(不揮発分40質量%)を得た。
得られた粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩に水酸化ナトリウムを添加してpH9.5に調整した。続いて、粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の質量に対して10倍量の溶媒(メタノール/水=70/30(質量比))を用いて洗浄し、その後、105℃で45分間乾燥した。得られた乾燥物を衝撃式ミル(ホソカワミクロン(株)社製のパルペライザー)を用いて粉砕し、80メッシュの標準篩で分級して、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−1)を得た。
得られたカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−1)のエーテル化度は0.71であり、1重量%水溶液粘度(25℃)は、3450mPa・sであった。
(製造例2:CMC−2)
溶媒(イソプロピルアルコール/メタノール/水=70/10/20(質量比))500質量部、水酸化ナトリウム61質量部およびチップ状のセルロース100質量部を、2軸ニーダー型反応機に投入し、35℃で60分間、アルカリセルロース化反応を行った。
得られた反応液に、25℃に調整したモノクロロ酢酸54質量部と溶媒(イソプロピルアルコール/メタノール/水=70/10/20(質量比))26質量部との混合物を60分間かけて滴下した後(滴下中の温度は30℃〜40℃を維持)、25分間かけて80℃まで昇温し、さらに60分間エーテル化反応を行った。
次いで、得られた反応溶液を60℃まで冷却し、50質量%酢酸水溶液を用いてpH9.0に調整した後、さらに20%過酸化水素を2質量部を加え、減圧ろ過器を用いて反応溶媒を気化回収して粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(不揮発分40質量%)を得た。
得られた粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩に水酸化ナトリウムを添加してpH9.5に調整した。続いて、粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の質量に対して10倍量の溶媒(メタノール/水=70/30(質量比))を用いて洗浄し、その後、105℃で45分間乾燥した。得られた乾燥物を衝撃式ミル(ホソカワミクロン(株)社製のパルペライザー)を用いて粉砕し、80メッシュの標準篩で分級することによりカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−2)を得た。
得られたカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−2)のエーテル化度は0.68であり、1重量%水溶液粘度(25℃)は、178mPa・sであった。
(製造例3:CMC−3)
溶媒(イソプロピルアルコール/水=80/20(質量比))500質量部、水酸化ナトリウム52質量部およびチップ状のセルロース100質量部を、2軸ニーダー型反応機に投入し、30℃で60分間、アルカリセルロース化反応を行った。
得られた反応液に、25℃に調整したモノクロロ酢酸66質量部と溶媒(イソプロピルアルコール/水=80/20(質量比))32質量部との混合物を60分間かけて滴下した後(滴下中の温度は30℃〜40℃を維持)、25分間かけて80℃まで昇温し、さらに60分間エーテル化反応を行った。
次いで、得られた反応溶液を60℃まで冷却し、50質量%酢酸水溶液を用いてpH9.5に調整した後、減圧ろ過器を用いて反応溶媒を気化回収して粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(不揮発分40質量%)を得た。
得られた粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩に水酸化ナトリウムを添加してpH9.5に調整した。続いて、粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の質量に対して10倍量の溶媒(メタノール/水=70/30(質量比))を用いて洗浄し、その後、105℃で45分間乾燥した。得られた乾燥物を衝撃式ミル(ホソカワミクロン(株)社製のパルペライザー)を用いて粉砕し、80メッシュの標準篩で分級することによりカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−3)を得た。
得られたカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−3)のエーテル化度は0.85であり、1重量%水溶液粘度(25℃)は、3620mPa・sであった。
[カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の物性測定方法]
(エーテル化度)
カルボキシメチルセルロースまたはその塩0.6gを105℃で4時間乾燥した。乾燥物の質量を精秤した後、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化した。灰化物を500mLビーカーに移し、水250mLおよび0.05mol/Lの硫酸水溶液35mLを加えて30分間煮沸した。冷却後、過剰の酸を0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液で逆滴定した。なお、指示薬としてフェノールフタレインを用いた。測定結果を用いて、下記式よりエーテル化度を算出した。
式: (エーテル化度)=162×A/(10000−80A)
A=(af−bf1)/乾燥物の重量(g)
A:試料1g中の結合アルカリに消費された0.05mol/Lの硫酸水溶液の量(mL)
a:0.05mol/Lの硫酸水溶液の使用量(mL)
f:0.05mol/Lの硫酸水溶液の力価
b:0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液の滴定量(mL)
f1:0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液の力価
(1質量%水溶液粘度)
カルボキシメチルセルロースまたはその塩(約2.2g)を共栓付き300mL三角フラスコに入れて精秤した。ここに、計算式「試料(g)×(99−水分量(質量%))」により算出される量の水を加えて12時間静置し、さらに5分間混合した。得られた溶液を用いて、JIS Z8803に準じてBM型粘度計(単一円筒型回転粘度計)を用いて25℃における粘度を測定した。その際、ロータ回転数を60rpmとして測定し、測定上限に達した場合は、順次30rpm、12rpmと変更して測定した。
[ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩の製造]
(製造例4:NSF−1)
温度計、コンデンサー、撹拌棒を取り付けた2Lの4つ口フラスコに濃硫酸250質量部を入れ、ナフタレン250質量部を入れ、160℃に昇温して1時間反応した。生成物を90℃に冷却し、水80質量部を加え、37質量%のホルマリン120質量部を滴下しながら、103℃で5時間縮合反応した。反応終了後、水180質量部、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を60質量部加えて、80℃で30分間撹拌して中和した。次いで、残留硫酸を石膏として除去するために50質量部のCa(OH)を加え、さらに1時間撹拌した。これをろ過助剤を用いてろ過することにより石膏を除去して、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩(NSF−1)の45質量%水溶液を得た。
得られたナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩(NSF−1)の重量平均分子量はおよそ720であった。
(製造例5:NSF−2)
温度計、コンデンサー、撹拌棒を取り付けた2Lの4つ口フラスコに15%発煙硫酸220質量部を入れ、ナフタレン220質量部を入れ、160℃に昇温して1時間反応した。生成物を90℃に冷却し、水60質量部を加え、37質量%のホルマリン140質量部を滴下しながら、103℃で5時間反応した。反応終了後、水165質量部、48質量%NaOHを150質量部加えて、80℃で30分間撹拌した。次いで、残留硫酸を石膏として除去するために50質量部のCa(OH)を加え、さらに1時間撹拌した。これをろ過助剤を用いてろ過することにより石膏を除去して、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩(NSF−2)の40質量%水溶液を得た。
得られたナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩(NSF−2)の重量平均分子量は2700であった。
[ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩の重量平均分子量の測定]
GPC(Gel Permeation Chromatography;ゲル浸透クロマトグラフィー)法を用いて測定した。測定条件は以下のとおり。
・装置
検出器:紫外検出器 UV-8000 東ソー製
ポンプ:CCPD型 東ソー製
カラム:TSK gel G3000SW+G4000SW+ガードカラム 東ソー製
インテグレーター:SC-8010型 東ソー製
・測定方法
移動相溶媒:40/60[vol%]アセトニトリル/0.005mol酢酸ソーダ水溶液
サンプル調整:有効成分約66mgを移動相溶媒10mLで溶解し、フィルター濾過後、10μL注入する
・分析条件
流速[mL/min]=0.85、測定波長[nm]=254、測定圧力[kg/cm2]=40〜60、測定時間[min]=60
・標準物質
分子量既知のポリスチレンスルホン酸ソーダ
[負極用塗料の調製]
(実施例1:塗料1)
86.4gの黒鉛系負極活物質A(球状天然黒鉛、平均粒径18.6μm、比表面積1.3m/g)と、9.6gのシリコン系負極活物質A(酸化ケイ素、平均粒径7.0μm、比表面積2.2m/g)と、1.0gのカーボンブラック(Timcal社製、Super−P)と、1.0gのCMC−1と、2.2gのNSF−1の45質量%水溶液とを遊星型ミキサーで混合した。ここに、水97.8gおよびスチレンブタジエンゴム(SBR)の50質量%水分散体2gを加えて混合することにより、実施例1に係る固形分50質量%のスラリー状の塗料1を得た。
(実施例2〜10および比較例1,2:塗料2〜12)
表1に示すように、各成分の種類および使用量を変更した以外は塗料1と同様にして、実施例2〜10に係る塗料2〜10と、比較例1,2に係る塗料11,12を調製した。なお、表1の各成分の配合量は、水を除く固形分としての質量部であり、各塗料はいずれも水の量を調整して固形分50質量%のスラリーとした。
表1中の成分のうち、黒鉛系負極活物質B、シリコン系負極活物質B、およびポリアクリルアミドについては以下のとおりである。
・黒鉛系負極活物質B:人造黒鉛、平均粒径10.6μm、比表面積3.6m/g
・シリコン系負極活物質B:酸化ケイ素、平均粒径4.5μm、比表面積5.5m/g
・ポリアクリルアミド:シャロールAM−253P(第一工業製薬株式会社製)
[負極用塗料の評価]
(分散状態)
目視にて以下の評価基準にて評価を行った。
○:塗料を濾過せずに目付け量が7mg/cmとなるように塗工した際に、目視で凝集物の発生、あるいは、塗工面に凝集物による筋が発生していないことを確認した場合
×:塗料を濾過せずに目付け量が7mg/cmとなるように塗工した際に、目視で凝集物の発生、あるいは、塗工面に凝集物による筋が発生していることを確認した場合
(塗料粘度・チキソトロピー性)
JIS Z8803に準じてBM型粘度計(単一円筒型回転粘度計)を用いてロータ回転数60rpmおよび6rpmにて25℃における粘度、すなわち塗料粘度(60rpm)および塗料粘度(6rpm)を測定した。また、チキソトロピー性として、TI値=塗料粘度(6rpm)/塗料粘度(60rpm)を算出した。
[負極の作製]
実施例1に係る塗料1を、負極活物質層の目付け量が7mg/cmとなるように、塗工機を用いて、集電体である厚み10μmの電解銅箔上に塗布し、120℃で乾燥後、ロールプレス処理を行うことにより、電極密度1.5mg/cmの実施例1に係る負極1を得た。同様に、実施例2〜10に係る塗料2〜10と比較例1,2に係る塗料11,12を用いて、それぞれ実施例2〜10に係る負極2〜10と比較例1,2に係る負極11,12を得た。
[負極の評価]
(電極表面状態1)
上記の通り得られた負極1〜12について、電極表面の状態を評価した。評価は、スポット、突起および筋の有無を目視で判断し、次の基準で評価した。
○:割れ、ひびが無い
×:割れ、またはひびが存在する。
(電極表面状態2)
負極活物質層の目付け量が9mg/cmとなるように塗布した以外は、上記[負極の作製]と同様にして塗料1〜12を用いて負極をそれぞれ作製し、上記(電極表面状態
1)と同様にして電極表面の状態を評価した。
(剥離強度の測定)
ステンレス板に幅18mm×長さ120mmの両面テープを貼り付け、該両面テープ上に負極1〜12の負極活物質層側の面を貼り付けた。負極1〜12は幅18mm×長さ150mmとして、その一端側の長さ30mm分を除いて両面テープと重なり合った状態とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフAGS−X)の下部側の掴み具にステンレス板を挟み込み、負極の上記一端側を上方に折り返して、当該一端側における集電体(銅箔)部分にメンディングテープの一端部を貼り付け、さらにそのメンディングテープの他端部を上部側の掴み具で挟み込み、50mm/分の速度で上方に引っ張ることで、180°方向に剥離させる際の剥離強度を測定した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
(正極の作製)
LiNi1/3Mn1/3Co1/3(LNMCO)92質量部、アセチレンブラック(デンカ社製、Li−400)4質量部、ポリフッ化ビニリデン4質量部、N−メチル−2−ピロリドン60質量部を遊星型ミキサーで混合することにより、固形分62.5質量%のスラリーを得た。このスラリーを、LNMCOが18mg/cmとなるように塗工機を用いてアルミニウム箔上に塗布し、140℃で乾燥後、ロールプレス処理を行うことにより正極を得た。
(電池の作製)
上記で得られた実施例1に係る負極1と上記正極とを組み合わせて、電極間にセパレータとしてポリオレフィン系(PE/PP)セパレータを挟んで積層し、各正負極に正極端子と負極端子を超音波溶接した。この積層体をアルミラミネート包材に入れ、注液用の開口部を残しヒートシールして、正極面積18cm、負極面積19.8cmとした注液前電池を作製した。次にエチレンカーボネートとジエチルカーボネート(30/70vol比)とを混合した溶媒にLiPF(1.0mol/L)を溶解させた電解液を注液し、開口部をヒートシールして、実施例1に係るリチウムイオン二次電池を得た。実施例2〜10に係る負極2〜10および比較例1,2に係る負極11,12についても、同様にして、それぞれ実施例2〜10および比較例1,2に係るリチウムイオン二次電池を得た。
[電池性能の評価]
作製したリチウムイオン二次電池について、25℃における性能試験を行った。試験方法は下記の通りである。
(放電レート特性)
放電レート特性として、5C容量保持率、7C容量保持率および10C容量保持率を、下記方法により求めた。
25℃の雰囲気下において、0.5C相当の電流密度で4.2VまでCC(定電流)充電を行い、4.2VでCV(定電圧)充電に切り替え、3.5時間充電したのち、1C相当の電流密度で2.7VまでCC放電した。
続いて、0.5C相当の電流密度で4.2VまでCC(定電流)充電を行い、4.2VでCV(定電圧)充電に切り替え、3.5時間充電したのち、5C相当の電流密度で2.7VまでCC放電した。同様に、放電レートを7C、10CとしてCC放電し、1C相当の放電容量(100%)に対する各放電レートの放電容量比を容量保持率(%)とした。
(充放電サイクル特性)
充放電サイクル特性として、200サイクル容量保持率を下記方法により求めた。
25℃の雰囲気下において、1C相当の電流密度で4.2VまでCC(定電流)充電を行い、続いて4.2VでCV(定電圧)充電に切り替え、1.5時間充電したのち、1C相当の電流密度で2.7VまでCC放電するサイクルを200サイクル行い、このときの初回1C放電容量に対する200サイクル後1C放電容量比を200サイクル容量保持率(%)とした。
Figure 0006916348
結果は、表1に示すとおりである。黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質との併用系においてCMC塩を配合した比較例1に対し、更にポリアクリルアミドを配合した比較例2では、チキソトロピー性の増大が大きく、乾燥時の収縮によって負極に乾燥割れが生じた。また、比較例1に対してチキソトロピー性が大きく変化したことにより、所定の目付け量を得るために塗工条件の設定が困難であった。
これに対し、黒鉛系負極活物質とシリコン系負極活物質との併用系においてCMC塩とともにNSF塩を配合した実施例1〜10であると、比較例1に対してサイクル特性とレート特性が向上した。また、比較例1に対してチキソトロピー性の変化が抑えられたため、比較例2のような乾燥割れも生じず、また塗工条件の設定も容易であった。
また、実施例1〜9と実施例10との対比より、CMC塩とNSF塩とともにSBRを添加することにより、負極活物質層の目付け量を増大した場合であっても乾燥割れを抑制することができた。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (5)

  1. 黒鉛系負極活物質、シリコン系負極活物質、エーテル化度が0.6〜0.85であるカルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩、ならびに、重量平均分子量が300〜1000であるナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物および/またはそのアルカリ金属塩を含む、非水電解質二次電池用負極。
  2. 前記カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩を、前記黒鉛系負極活物質と前記シリコン系負極活物質の合計量100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下含み、
    前記ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物および/またはそのアルカリ金属塩を、前記カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩の質量の0.5倍以上3倍以下含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極。
  3. 更にスチレンブタジエンゴムを含む、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極。
  4. 前記黒鉛系負極活物質と前記シリコン系負極活物質の合計量100質量部に対して、前記スチレンブタジエンゴムを0.5質量部以上3.0質量部以下含む、請求項3に記載の非水電解質二次電池用負極。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極を備えることを特徴とする非水電解質二次電池。

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