JP6027940B2 - 電極用ポリマー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電池の電極用バインダなどに用いられる電極用ポリマー組成物に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、充放電容量が高く、高出力化が可能な二次電池である。現在、主として携帯電子機器用の電源として用いられており、更に、今後普及が予想される電気自動車用の電源として期待されている。リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li)を挿入および脱離することができる活物質を正極及び負極にそれぞれ有する。そして、両極間に設けられた電解液内をリチウムイオンが移動することによって動作する。
リチウムイオン二次電池には、正極の活物質として主にリチウムコバルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物が用いられ、負極の活物質としては多層構造を有する炭素材料が主に用いられている。
リチウムイオン二次電池の性能は、二次電池を構成する正極、負極および電解質の材料に左右される。なかでも活物質を形成する活物質材料の研究開発が活発に行われている。例えば負極活物質材料として炭素よりも高容量なケイ素またはケイ素酸化物が検討されている。
ケイ素を負極活物質として用いることにより、炭素材料を用いるよりも高容量の電池とすることができる。しかしながらケイ素は、充放電時のリチウムの吸蔵・放出に伴う体積変化が大きい。そのためケイ素が微粉化して集電体から脱落または剥離し、電池の充放電サイクル寿命が短いという問題点がある。そこでケイ素酸化物を負極活物質として用いることにより、ケイ素よりも充放電時のリチウムの吸蔵・放出に伴う体積変化を抑制することができる。
例えば、負極活物質として、酸化ケイ素(SiOx:xは0.5≦x≦1.5程度)の使用が検討されている。SiOxは熱処理されると、SiとSiO2とに分解することが知られている。これは不均化反応といい、固体の内部反応によりSi相とSiO2相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。また、Si相を覆うSiO2相が電解液の分解を抑制する働きをもつ。したがって、SiとSiO2とに分解したSiOxからなる負極活物質を用いた二次電池は、サイクル特性に優れる。
上記した負極活物質を含む負極は、例えば、負極活物質とバインダとを含むスラリーを集電体に塗布し、乾燥することにより作製される。このため活物質粒子どうしの結着と、活物質と集電体との結着とを担うバインダの性能が、負極の性能に大きく影響する。バインダの結着力が低い場合には、活物質粒子どうしの密着性及び活物質と集電体との密着性が低下し、集電性が低下する。
また上述の酸化ケイ素からなる負極活物質を用いた負極であっても、充放電反応時のリチウムの吸蔵及び放出に伴う体積変化が避けられない。このため、負極の活物質層に含まれるバインダには大きな応力が作用するので、バインダには強い結着力が求められている。
例えば下記の特許文献1には、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸よりなる群から選ばれるポリマーを含有し、そのポリマーは酸無水物基を含むリチウムイオン二次電池用負極が記載されている。
また下記の特許文献2には、アクリル酸とメタクリル酸とを共重合させて得られるポリマーを負極用バインダ又は正極用バインダとして用いることが記載されている。
さらに下記の特許文献3には、アクリルアミドとアクリル酸とイタコン酸とを共重合させて得られるポリマーを負極用バインダ又は正極用バインダとして用いることが記載されている。
特開2007−115671号公報 特開2003−268053号公報 特開2006−513554号公報
従来使用されている負極用バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などの含フッ素系ポリマー、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの水溶性セルロース誘導体、ポリアクリル酸などの水溶性ポリマーなどが挙げられる。しかしこれらのポリマーを負極用バインダとして用いると、集電体への活物質の結着力がまだ不十分であるために、充放電サイクルの進行に伴う電極の膨潤、収縮などによって、活物質が電極から徐々に脱落し、十分なサイクル特性が得られないという問題があった。
ポリアクリル酸は、水には溶解するものの、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などには溶解しない。非水系二次電池の負極を形成する際には、負極活物質と、導電助剤と、バインダと、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの有機溶媒とからなるスラリーが用いられるが、ポリアクリル酸をバインダとすると水を溶媒とせざるを得ず、導電助剤や負極活物質の種類が限定されるという問題がある。
また導電助剤として一般に用いられているアセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンは、一次粒子はきわめて小さいものの、凝集した二次粒子として存在している。しかもN-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの有機溶媒中では、さらに凝集が進行して粗大粒子となってしまう。このような粗大粒子となると、電極において電池機能の低下及び電極の劣化に繋がる。そのため市販の導電助剤には分散剤が混合されているが、分散剤による抵抗上昇や容量低下などの不具合がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、接着性、結着性に優れるとともに、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの有機溶媒に可溶であり、かつ分散媒を不要として導電助剤を分散可能な電極用ポリマー組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の電極用ポリマー組成物の特徴は、非水系溶媒に溶解させ電極活物質及び導電助剤と混合して用いられる電極用ポリマー組成物であって、カルボキシル基を有する酸モノマーの重合体からなる主鎖を有し、一部の側鎖ではカルボニル基にアルキル基が結合していることにある。
本発明の電極用ポリマー組成物によれば、カルボキシル基を多数有する主鎖によって接着性と柔軟性が発現される。そのため各種物質との密着性に優れ、銅板などの集電体への付着性も向上するため、電極用バインダとしてきわめて有用である。そして側鎖に含まれるアルキル基によって有機溶媒との相溶性が向上するため、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などに可溶となる。したがって導電助剤や負極活物質の選択肢が拡がり、電池の設計工数を低減することができる。
さらに本発明の電極用ポリマー組成物をリチウムイオン二次電池などの電極に用いれば、導電助剤として用いられているケッチェンブラックなどの分散性が大幅に向上する。したがって、導電助剤に一般に用いられている分散剤を不要とすることができ、分散剤による抵抗上昇や容量低下の不具合を回避できるので、二次電池の性能が向上する。
そして本発明のポリマー組成物をリチウムイオン二次電池の負極用バインダとして用いれば、Grotthus機構によるプロトンホッピング伝導のような現象が起こり、リチウムイオンが主鎖のカルボキシル基を介してホッピングして移動し易くなると考えられ、高い放電容量と高い導電性が発現されると推察される。
実施例に係るポリマーの構造式を示す。 実施例に係るポリマー溶液中におけるケッチェンブラックの分散性を示すTEM写真である。 実施例に係るポリマー溶液中におけるケッチェンブラックの分散性を示すTEM写真である。 ポリアクリル酸溶液中におけるケッチェンブラックの分散性を示すTEM写真である。
本発明の電極用ポリマー組成物は、カルボキシル基を有する酸モノマーの重合体からなる主鎖を有し、一部の側鎖ではカルボニル基にアルキル基が結合している。酸モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、酢酸ビニルなどが例示される。主鎖は、これらの酸モノマーから選ばれる一種のモノマーのホモポリマーであってもよいし、複数のモノマーの共重合体であってもよい。例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル酸−フマル酸共重合体、メタクリル酸−フマル酸共重合体、アクリル酸−イタコン酸共重合体、メタクリル酸−イタコン酸共重合体、アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、メタクリル酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル酸−メタクリル酸−フマル酸共重合体、アクリル酸−メタクリル酸−イタコン酸共重合体などが例示される。また酸モノマーの一部を、スチレン、スチレンスルホン酸のアルカリ金属塩などのスチレン誘導体、ブチレン、イソブチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルなど他のモノマーに代えて共重合した共重合体でもよい。
一部の側鎖では、カルボニル基にアルキル基が結合している。このアルキル基は、炭素(C)と水素(H)のみからなる脂肪族基から構成されていてもよいし、水酸基、アミノ基、ベンゼン環など各種置換基が結合していてもよい。場合によっては不飽和のアルキル基を用いることもできる。
アルキル基は、側鎖のカルボキシル基の総モル量に対して0.5〜10mol%含まれているのが好ましい。アルキル基がこの範囲より少ないと有機溶媒への溶解性が不十分となり、アルキル基がこの範囲より多くなるとバインダとしての結着性が低下するほか、二次電池における金属イオンの輸送能も低下するようになる。
アルキル基は、主鎖の炭素数が3〜20個であるのが好ましい。主鎖の炭素数が2個より少ない低級アルキル基では、有機溶媒への溶解が困難となる場合がある。また主鎖の炭素数が20個より多くなると、合成が困難となるとともに有機溶媒への溶解が困難となる場合もある。主鎖の炭素数が10前後のアルキル基であるのが特に好ましい。
カルボキシル基を有する酸モノマーの重合体からなる主鎖を構成するポリマーの分子量は、数平均分子量(Mn)で1,000〜100,000、さらには1,000〜50,000、1,000〜10,000の範囲が好ましい。主鎖の分子量が1,000より小さいと柔軟性と付着性が不足し、主鎖の分子量が100,000より大きくなると溶媒に溶解しにくくなる。
一般のポリカルボン酸においては、側鎖にカルボキシル基を有している。本発明のポリマー組成物の一部の側鎖では、カルボニル基にアルキル基が結合している。カルボニル基とアルキル基との結合は、アミド結合であることが望ましい。エステル結合であると、リチウムイオン電池の電極用バインダなどに用いた場合に、強アルカリによって分解する可能性があるため好ましくない。
本発明のポリマー組成物を合成するには、ポリカルボン酸にアルキル基を結合させる。ポリカルボン酸の合成は、通常のフリーラジカル重合によって行うことができる。あるいは、酸モノマーのエステルを用いてポリマーを合成し、その後にエステル基を加水分解してカルボキシル基を生成させてもよい。
カルボニル基にアルキル基を結合させる具体的な方法としては、後述の実施例に示すようにアミド結合を介して結合させる方法、アルコールとの脱水縮合反応によるエステル化によって結合させる方法、カルボキシル基を中和してアルカリ金属塩とし末端に臭素基などをもつアルキル基と置換反応させる方法、などがある。
カルボニル基にアルキル基が結合した側鎖の割合は、カルボキシル基の総モル量に対して0.5〜10mol%の範囲とすることが好ましい。カルボニル基にアルキル基が結合した側鎖がこの範囲より少ないとアルキル基を導入した効果が発現されず、カルボニル基にアルキル基が結合した側鎖がこの範囲より多くなると、リチウムイオン二次電池の電極などに用いた場合に電池特性が低下する。
なおカルボニル基にアルキル基が結合した側鎖は、主鎖に均等に分散配置されていることが望ましい。またカルボキシル基と、カルボニル基にアルキル基が結合した側鎖とは、主鎖内で偏りなく分散しているのが望ましい。カルボニル基にアルキル基が結合した側鎖が偏在していると、凝集が生じて有機溶媒に溶解しにくくなる場合がある。
本発明のポリマー組成物は、非水二次電池の電極用バインダとして単独で使用することができる。また、バインダとしての特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリブロックイソシアナート、ポリオキサゾリン、ポリカルボジイミド等の硬化剤、エチレングリコール、グリセリン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルオリゴマ、フタル酸エステル、ダイマー酸変性物、ポリブタジエン系化合物等の各種添加剤を単独で又は二種以上組み合わせて配合してもよい。
本発明のポリマー組成物をバインダとして用いて、例えば非水系二次電池の負極を作製するには、負極活物質粉末と、炭素粉末などの導電助剤と、本発明のポリマー組成物と、適量の有機溶剤を加えて混合しスラリーにしたものを、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの方法で集電体上に塗布し、乾燥させることによって作製することができる。
バインダは、なるべく少ない量で活物質等を結着させることが求められるが、その添加量は電極活物質、導電助剤、及びバインダを合計したものの0.5wt%〜50wt%が望ましい。バインダが0.5wt%未満では電極の成形性が低下し、50wt%を超えると電極のエネルギー密度が低くなる。
集電体は、放電或いは充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体のことである。集電体は箔、板等の形状を採用することができるが、目的に応じた形状であれば特に限定されない。集電体として、例えば銅箔やアルミニウム箔を好適に用いることができる。
負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボン、ケイ素、炭素繊維、スズ(Sn)、酸化ケイ素など公知のものを用いることができる。中でもSiOx(0.3≦x≦1.6)で表されるケイ素酸化物が特に好ましい。このケイ素酸化物粉末の各粒子は、不均化反応によって微細なSiと、Siを覆うSiO2とに分解したSiOxからなる。xが下限値未満であると、Si比率が高くなるため充放電時の体積変化が大きくなりすぎてサイクル特性が低下する。またxが上限値を超えると、Si比率が低下してエネルギー密度が低下するようになる。0.5≦x≦1.5の範囲が好ましく、0.7≦x≦1.2の範囲がさらに望ましい。
一般に、酸素を断った状態であれば800℃以上で、ほぼすべてのSiOが不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性のSiO粉末を含む原料酸化ケイ素粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、非結晶性のSiO2相および結晶性のSi相の二相を含むケイ素酸化物粉末が得られる。
またケイ素酸化物として、SiOxに対し炭素材料を1〜50質量%で複合化したものを用いることもできる。炭素材料を複合化することで、サイクル特性が向上する。炭素材料の複合量が1質量%未満では導電性向上の効果が得られず、50質量%を超えるとSiOxの割合が相対的に減少して負極容量が低下してしまう。炭素材料の複合量は、SiOxに対して5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がさらに望ましい。SiOxに対して炭素材料を複合化するには、CVD法などを利用することができる。
ケイ素酸化物粉末は平均粒径が1μm〜10μmの範囲にあることが望ましい。平均粒径が10μmより大きいと非水系二次電池の充放電特性が低下し、平均粒径が1μmより小さいと凝集して粗大な粒子となるため同様に非水系二次電池の充放電特性が低下する場合がある。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)等を単独でまたは二種以上組み合わせて添加することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、活物質100質量部に対して、20〜100質量部程度とすることができる。導電助剤の量が20質量部未満では効率のよい導電パスを形成できず、100質量部を超えると電極の成形性が悪化するとともにエネルギー密度が低くなる。なお炭素材料が複合化されたケイ素酸化物を活物質として用いる場合は、導電助剤の添加量を低減あるいは無しとすることができる。
有機溶剤には特に制限はなく、複数の溶剤の混合物でも構わない。N-メチル-2-ピロリドン及びN-メチル-2-ピロリドンとエステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等)あるいはグライム系溶媒(ジグライム、トリグライム、テトラグライム等)の混合溶媒が特に好ましい。
リチウムイオン二次電池の場合、負極を構成するケイ素酸化物には、リチウムがプリドーピングされていることもできる。負極にリチウムをドープするには、例えば対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電極化成法などを利用することができる。リチウムのドープ量は特に制約されない。
リチウムイオン二次電池の場合、特に限定されない公知の正極、電解液、セパレータを用いることができる。正極は、非水系二次電池で使用可能なものであればよい。正極は、集電体と、集電体上に結着された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極活物質と、バインダとを含み、さらには導電助剤を含んでも良い。正極活物質、導電助材およびバインダは、特に限定はなく、非水系二次電池で使用可能なものであればよい。
正極活物質としては、金属リチウム、LiCoO2、Li[Mn1/3Ni1/3Co1/3]O2、Li2MnO3、硫黄などが挙げられる。集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、リチウムイオン二次電池の正極に一般的に使用されるものであればよい。導電助剤は上記の負極で記載したものと同様のものが使用できる。
電解液は、有機溶媒に電解質であるリチウム金属塩を溶解させたものである。電解液は、特に限定されない。有機溶媒として、非プロトン性有機溶媒、たとえばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiI、LiClO4、LiCF3SO3等の有機溶媒に可溶なリチウム金属塩を用いることができる。
例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3等のリチウム金属塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。
セパレータは、非水系二次電池に使用されることができるものであれば特に限定されない。セパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
非水系二次電池の形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以下、実施例及び比較例によって本発明の実施形態を具体的に説明する。
図1に本実施例に係るポリマー組成物の代表的な構造式を示す。このポリマー組成物は、ポリアクリル酸からなる主鎖を有し、側鎖の一部ではカルボニル基の一部にアミド結合を介してトリデシル基が結合している。
以下、このポリマー組成物の合成方法を説明する。
先ず、一般的なフリーラジカル重合法により合成されたポリアクリル酸(Mw=197,000、PDI=4.95)を用意した。このポリアクリル酸3.60g(50.0mmol)と、1-アミノトリデカン(C13H27NH2)1.00mmolと、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)1.00mmolと、を10mlのメタノールと2.5mlの水の混合溶媒に溶解し、撹拌しながら室温で24時間保持した。
得られたポリマー溶液をエバポレーションにより約1/10の容積まで濃縮した後、溶液の約6〜8倍容のアセトンを加えて生成物を析出させ沈殿させた。この沈殿を濾過により回収し、沈殿の約0.5倍の容積のエタノールに溶解した。この溶液をその6〜8倍容のアセトンに注ぎ、よく撹拌してポリマーを沈殿させた。この操作を3〜5回繰り返して沈殿を洗浄し、室温にて真空乾燥した。
このポリマーを1H-NMR(JOEL GSX、400MHz、重水素化クロロホルム、19.7℃)にて解析したところ、トリデシル基が2.23mol%(7.6wt%)含まれていた。
[比較例]
実施例においてアルキル基を結合させる前のポリアクリル酸(Mw=197,000、PDI=4.95)を比較例とした。
<試験例1>
実施例及び比較例のポリマーを、濃度20重量%となるようにN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に混合し、超音波を90分間照射した。比較例のポリマーは完全には溶解しなかったが、実施例のポリマーは完全に溶解した。なお比較例のポリマー溶液を超音波照射後さらに2日間放置したところ、透明で均一な高粘度溶液となった。
すなわち実施例のポリマーはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)への溶解性に優れ、これは側鎖にアルキル基を含むことに起因することが明らかである。
<試験例2>
実施例と比較例のポリマーそれぞれ1.00gに対し、分散剤を含まないケッチェンブラック1.00gと、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)100gをそれぞれ添加し、超音波を90分間照射して分散させた。両方のポリマーがN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に完全に溶解している。得られた懸濁液についてTEM観察を行った。実施例の分散液のTEM像を図2,3に、比較例の分散液のTEM像を図4に示す。
図から、比較例に比べて実施例の方がケッチェンブラックの粒子径が小さいことが明らかであり、実施例のポリマー溶液中ではケッチェンブラックの凝集度合いが小さいことがわかる。すなわち実施例のポリマーはケッチェンブラックの分散性に優れていることが明らかであり、これはアルキル基を導入したことによる効果である。
したがって実施例のポリマーをリチウムイオン二次電池などのバインダとして用いれば、分散剤を含まない導電助剤を用いることができるので、分散剤による抵抗上昇や容量低下の不具合を回避することができる。
<試験例3>
実施例と比較例のポリマーそれぞれ2質量部と、分散剤を含まないケッチェンブラック(KB)1質量部と、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)8質量部をそれぞれ混合してスラリーを調製した。これとは別に、実施例と比較例のポリマーそれぞれ1質量部と、分散剤を含まないアセチレンブラック(AB)1質量部と、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)4質量部をそれぞれ混合してスラリーを調製した。ドクターブレードを用いて各スラリーを厚さ20μmの銅箔(集電体)の表面に塗布し、80℃で3時間乾燥させた。
乾燥後の塗膜状態を目視で観察し、割れや剥離のないものを○と評価した。結果を表1に示す。
表1より、実施例のポリマーによればケッチェンブラックの接着性が向上することが明らかであり、これはアルキル基を導入したことによる効果である。
本発明のポリマー組成物は、非水系二次電池の負極用バインダばかりでなく、非水系二次電池の正極用バインダ、塗料、接着剤、蓄電装置の電極用バインダなどにも用いることができる。

Claims (4)

  1. 非水系溶媒に溶解させ電極活物質及び導電助剤と混合して用いられる電極用ポリマー組成物であって、
    カルボキシル基を有する酸モノマーの重合体からなる主鎖を有し、一部の側鎖ではカルボニル基に炭素数が3〜20個であるアルキル基がアミド結合していることを特徴とする電極用ポリマー組成物。
  2. 前記アルキル基は、前記カルボキシル基の総モル量に対して0.5〜10mol%含まれている請求項1に記載の電極用ポリマー組成物
  3. カルボキシル基を有する酸モノマーの重合体からなる主鎖を有し、一部の側鎖ではカルボニル基に炭素数が3〜20個であるアルキル基がアミド結合していることを特徴とする電極用ポリマー組成物、導電助剤及び有機溶媒を含有する電極用組成物。
  4. カルボキシル基を有する酸モノマーの重合体からなる主鎖を有し、一部の側鎖ではカルボニル基に炭素数が3〜20個であるアルキル基がアミド結合していることを特徴とする電極用ポリマー組成物を含有する電極。
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