JP2011151888A - 単相交流同期モータおよびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スタート時の振動発生を低減させること、複数同時起動を行う場合には、その消費電力を低減させること、同期回転へのさらなるスムーズな引き込みを行うこと、のいずれか1つまたは複数を達成すること。
【解決手段】制御部19は、センサ32の検出信号にしたがって起動用スイッチング素子21〜24をスイッチング制御すると共にモータコイル30に通電する電圧のデューティを徐々に上げて通電電圧を徐々に上げていく第1の起動運転と、永久磁石ロータ31の回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達するとセンサ32の検出信号に代えて予め取得した単相交流電源2の周波数の情報に基づき生成された内部同期信号にしたがって起動スイッチング素子21〜24をスイッチング制御する第2の起動運転をし、その後に、同期運転へ移行する単相交流同期モータ1を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】制御部19は、センサ32の検出信号にしたがって起動用スイッチング素子21〜24をスイッチング制御すると共にモータコイル30に通電する電圧のデューティを徐々に上げて通電電圧を徐々に上げていく第1の起動運転と、永久磁石ロータ31の回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達するとセンサ32の検出信号に代えて予め取得した単相交流電源2の周波数の情報に基づき生成された内部同期信号にしたがって起動スイッチング素子21〜24をスイッチング制御する第2の起動運転をし、その後に、同期運転へ移行する単相交流同期モータ1を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、単相交流同期モータおよびその制御方法に関する。
特許文献1には、起動運転における逆回転トルクの発生を抑えて安定した同期引き込みを行うことができる単相交流同期モータが開示されている。特許文献1の単相交流同期モータは、永久磁石ロータの磁極位置を検出する検出センサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電流の向きを切換えて通電する起動運転回路を有する。これにより、単相交流同期モータを直流ブラシレスモータとして起動運転させることができる。
また、特許文献1の単相交流同期モータは、永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転数に到達すると検出センサの出力波形より位相が遅れるモータ電流波形を少なくとも当該センサ出力波形のゼロクロス点で通電方向が切り替わるようにモータ電流の通電範囲を抑制しながら起動運転させる。これにより、単相交流同期モータの起動運転における逆回転トルクの発生を抑え安定した同期回転の引き込みを行うことができる。
上述した特許文献1の単相交流同期モータの起動方法では、安定した同期回転への引き込みが可能となっている。しかしながら単相交流同期モータでは、ロータの磁極とステータの磁極は1対1または整数倍の関係にあるため、ゴギングトルクが大きくなりがちである。このため、駆動時の振動という点では完全なブラシレスモータに比べて不利である。特に、駆動開始時は、回転が安定していないため振動が生じ易い。
また、特許文献1の単相交流同期モータでは、起動初期段階から起動完了段階まで、全て同じ大きさの電圧が供給される。よって、多数の単相交流同期モータを同時に起動させる場合を想定すると、起動時に急に膨大な電力を消費することになる。このとき、これら多数の単相交流同期モータに電源を供給する電源設備が不十分であると単相交流同期モータへの供給電圧が低下するなどにより、起動が困難になる場合がある。
また、特許文献1の技術は、同期回転への引き込みがスムーズとなっているが、さらにスムーズな引き込みを可能とし、また同期回転への引き込みミスがさらに減少したものを開発することが必要になってきている。なぜなら、このような製品は、商品の価値をさらに高め、変換効率の高いこの種の単相交流同期モータが多くの分野で採用可能となるためである。
本発明は、特許文献1の技術をさらに改良するものであって、スタート時の振動発生を低減させること、複数同時起動を行う場合には、その消費電力を低減させること、同期回転へのさらなるスムーズな引き込みを行うこと、のいずれか1つまたは複数を達成することができる単相交流同期モータおよびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点は、単相交流同期モータとしての観点である。すなわち、本発明の単相交流同期モータは、単相交流電源に接続されるモータコイルに、当該単相交流電源より通電される交流電圧を直流電圧に変換し、永久磁石ロータの磁極位置を検出するセンサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電圧の通電の向きを切換えて通電することにより、直流ブラシレスモータとして起動運転する起動運転用回路と、交流電圧をモータコイルに通電して交流同期モータとして同期運転する同期運転用回路と、起動運転用回路から同期運転用回路へ切換えて同期運転に移行するよう制御する制御手段と、を有する単相交流同期モータにおいて、制御手段は、センサの検出信号にしたがって起動用スイッチング手段をスイッチング制御すると共にモータコイルに通電する電圧のデューティを徐々に上げて通電電圧を徐々に上げていく第1の起動運転と、永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達するとセンサの検出信号に代えて予め取得した単相交流電源の周波数の情報に基づき生成された内部同期信号にしたがって起動スイッチング手段をスイッチング制御する第2の起動運転をし、その後に、同期運転へ移行するものである。
あるいは、本発明の単相交流同期モータの他の観点は、単相交流電源に接続されるモータコイルに、当該単相交流電源より通電される交流電圧を直流電圧に変換し、永久磁石ロータの磁極位置を検出するセンサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電圧の通電の向きを切換えて通電することにより、直流ブラシレスモータとして起動運転する起動運転用回路と、交流電圧をモータコイルに通電して交流同期モータとして同期運転する同期運転用回路と、起動運転用回路から同期運転用回路へ切換えて同期運転に移行するよう制御する制御手段と、を有する単相交流同期モータにおいて、制御手段は、起動運転の際、センサの検出信号にしたがって上記起動用スイッチング手段をスイッチング制御すると共にモータコイルに通電する電圧のデューティを徐々に上げて通電電圧を徐々に上げていく制御を行うものである。
あるいは、本発明の単相交流同期モータのさらなる他の観点は、単相交流電源に接続されるモータコイルに、当該単相交流電源より通電される交流電圧を直流電圧に変換し、永久磁石ロータの磁極位置を検出するセンサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電圧の通電の向きを切換えて通電することにより、直流ブラシレスモータとして起動運転する起動運転用回路と、交流電圧をモータコイルに通電して交流同期モータとして同期運転する同期運転用回路と、起動運転用回路から同期運転用回路へ切換えて同期運転に移行するよう制御する制御手段と、を有する単相交流同期モータにおいて、制御手段は、同期運転に移行する前の起動運転の際、永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達するとセンサの検出信号に代えて予め取得した単相交流電源の周波数の情報に基づき生成された内部同期信号にしたがって起動スイッチング手段をスイッチング制御する制御を行うものである。
さらに、制御手段は、永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達するとモータ電圧の通電を半周期毎に通電方向が切り替わるタイミングの所定時間前のタイミングから遮断する制御を行うようにしてもよい。
さらに、制御手段は、同期運転中には、センサの電源を所定の周期でON/OFF制御するようにしてもよい。
本発明の他の観点は、単相交流同期モータの制御方法としての観点である。すなわち、本発明の単相交流同期モータの制御方法は、単相交流電源に接続されるモータコイルに、当該単相交流電源より通電される交流電圧を直流電圧に変換し、永久磁石ロータの磁極位置を検出するセンサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電圧の通電の向きを切換えて通電することにより、直流ブラシレスモータとして起動運転する起動運転ステップと、この起動運転ステップから移行し、交流電圧をモータコイルに通電して交流同期モータとして同期運転する同期運転ステップとする単相交流同期モータが行う制御方法において、起動運転ステップは、センサの検出信号にしたがって起動用スイッチング手段をスイッチング制御すると共にモータコイルに通電する電圧のデューティを徐々に上げて通電電圧を徐々に上げていく第1の起動運転ステップと、永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達するとセンサの検出信号に代えて予め取得した単相交流電源の周波数の情報に基づき生成された内部同期信号にしたがって起動スイッチング手段をスイッチング制御する第2の起動運転ステップを有するものである。
各発明によれば、スタート時の振動発生を低減させること、複数同時起動をさせる場合には、その消費電力を低減させること、およびよりスムーズな同期回転への引き込みを行わせること、のいずれか1つまたは複数を達成することができる。
(本発明の実施の形態に係る単相交流同期モータ1の構成について)
本発明の実施の形態に係る単相交流同期モータ1の構成について図1を参照して説明する。単相交流同期モータ1は、単相交流電源2から電力の供給を受けて駆動する。単相交流同期モータ1は、図1に示すように、整流ブリッジ回路10、平滑フィルタ回路11、Hブリッジ回路12、同期運転回路13、AC(交流)検出回路14、直流電源15、直流電源16、センサ電源スイッチ17、モータ部18、および制御部19により構成される。
本発明の実施の形態に係る単相交流同期モータ1の構成について図1を参照して説明する。単相交流同期モータ1は、単相交流電源2から電力の供給を受けて駆動する。単相交流同期モータ1は、図1に示すように、整流ブリッジ回路10、平滑フィルタ回路11、Hブリッジ回路12、同期運転回路13、AC(交流)検出回路14、直流電源15、直流電源16、センサ電源スイッチ17、モータ部18、および制御部19により構成される。
また、単相交流同期モータ1には、単相交流電源2の端子ACH,ACLから電源が供給される。単相交流電源2は、たとえば100V/50Hz、100V/60Hz、110V/60Hzなどの商用電源を想定しているが、単相交流同期モータに適用できる単相交流電源2の周波数としては、たとえば40Hz〜75Hzの範囲内のいずれでも適用可能である。なお、以下の説明では「ACH−ACL」は、端子ACHと端子ACLとの間の端子電圧を表す。
起動運転用回路の一部となる整流ブリッジ回路10は、4つのダイオードd1,d2,d3,d4によって構成されている。整流ブリッジ回路10は、単相交流電源2より供給される交流電流を4つのダイオードd1,d2,d3,d4により全波整流する。
起動運転用回路の一部となる平滑フィルタ回路11は、1つの電解コンデンサによって構成され、整流ブリッジ回路10から出力される全波整流波形を平滑化した直流電圧を生成する。
起動運転用回路の一部となるHブリッジ回路12は、起動用スイッチング素子21〜24およびFTE駆動回路25を有する。起動用スイッチング素子21〜24は、FET(電界効果トランジスタ)とダイオードの4対の組合せによって構成される。これら4つの起動用スイッチング素子21〜24を適宜にON/OFF制御することによって、モータ部18のモータコイル30に対して所望する方向に電圧を通電することができる。これにより、制御部19は、モータ部18の永久磁石ロータ31が所定の回転方向に回転を継続するようにモータコイル30の電圧通電方向を制御できる。
FET駆動回路25は、制御部19の制御にしたがって起動用スイッチング素子21〜24のスイッチングを制御し、モータ部18のモータコイル30に通電される電圧のデューティ比を変更する。これにより、制御部19は、モータ部18のモータコイル30に通電される電圧値を制御することができる。
同期運転用回路の一部となる同期運転回路13は、2つのトライアックtr1,tr2によって構成されている。この2つのトライアックtr1,tr2は、制御部19からの制御によってON/OFFする。同期運転回路13は、制御部19からの制御によって、モータ部18の起動時には動作せず、モータコイル30へはHブリッジ回路12から電圧が通電される。一方、同期運転時には、制御部19は、Hブリッジ回路12は動作させない。このとき、モータコイル30は同期運転回路13を介して単相交流電源2から電圧が通電される。このため後述する動作説明においては、起動時の駆動方式を「Hブリッジ駆動」と呼び、同期運転時の駆動方式を「トライアック駆動」と呼ぶ。
AC検出回路14は、単相交流電源2の周波数を検出し、この検出結果を制御部19に伝達する。
この実施の形態における直流電源15は、平滑フィルタ回路11の出力電圧を14.2Vに変換(たとえば降圧)する。そして、直流電源15は、14.2Vの直流電源を、Hブリッジ回路12のFET駆動回路25に供給する。FET駆動回路25は、直流電源15から直流電源を供給されて稼働する。
この実施の形態における直流電源16は、直流電源15の14.2Vの出力電圧を5Vに降圧する。そして、直流電源16は、5Vの直流電源を制御部19に供給すると共に、センサ電源スイッチ17を構成するトランジスタを介して5Vの直流電源をセンサ32A,32Bに供給する。
センサ電源スイッチ17は、制御部19からの制御によって直流電源16からのセンサ32A,32Bへの電源の供給をON/OFFする。
モータ部18は、出力軸と永久磁石を有する永久磁石ロータ31、この永久磁石ロータ31に磁界を与えて回転させるステータ(不図示)、およびセンサ32A,32Bなどを有する。図1では、モータ部18のステータが有するモータコイル30のみ図示し、他のステータの構成要素の図示は省略してある。永久磁石ロータ31は、この実施の形態ではN極とS極を1つずつ有する2極のロータとなっている。モータコイル30は、この実施の形態では、2極の各ステータに巻回されており、2つの磁極が直列接続され、一方の極がN極に励磁されると、他方の極がS極に励磁される関係となるように接続され、巻回されている。
モータコイル30は、電圧が通電されることによって磁界を発生する。モータコイル30によって発生した交流磁界によって永久磁石ロータ31を所定方向に回転させることができる。また、モータ部18には、端子ACH1,ACL1から電源が供給される。なお、以下の説明では「ACH1−ACL1」は、端子ACH1と端子ACL1との間の端子電圧を表す。
また、2つのセンサ32A,32Bを有することにより、永久磁石ロータ31が正転(時計回り)方向に回転しているか、逆転(反時計回り)方向に回転しているかを検出することができる。すなわち、単相交流同期モータ1は、Hブリッジ回路12がモータコイル30に電圧を通電する方向を制御することによって、正転方向の運転と逆転方向の運転とを自在に切替えることができる。このときに、2つのセンサ32A,32Bを有することによって、正転運転または逆転運転のいずれの運転方向にも対応することができる。なお、以下の説明では、センサ32A,32Bを、個々に区別する必要がない場合、単にセンサ32と記す。
また、センサ32は、たとえばホール素子であり、センサ電源スイッチ17を構成するトランジスタを介して直流電源16から電源(5V)が供給される。センサ32は、永久磁石ロータ31の磁極位置を検出する。これにより、制御部19は、センサ32の出力から永久磁石ロータ31の回転の状況を検出し、モータ部18を制御する。たとえば制御部19は、永久磁石ロータ31が正転時には、センサ32Aの出力(以下では出力PAと記す)を基準に制御を行ない、永久磁石ロータ31が逆転時には、センサ32Bの出力(以下では、出力PBと記す)を基準に制御を行う。
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力ポートなどを有する。なお、CPUの代わりにASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などを用いてもよい。この制御部19は、起動運転用回路の一部ともなり、また同期運転用回路の一部ともなる。また、この制御部19は、起動運転から同期運転への切換えの制御も行う。
制御部19は、Hブリッジ回路12のFET駆動回路25を介して起動用スイッチング素子21〜24を制御することによって、モータ部18のモータコイル30に対して所望の通電方向の電圧を通電すると共にそのデューティ比を変更する。すなわち、制御部19は、FET駆動回路25を制御することによって、モータコイル30に通電される電圧を適宜遮断し、モータコイル30に通電される電圧のデューティ比を変え、電圧値を可変することができる。制御部19が行うデューティ制御は、PWM(Pulse Width Modulation)のデューティ比を変えるもので、スタート時のデューティ比は25%で最大で96%まで制御可能となっている。また、デューティ比の切換え時の増減は、0.2%単位で実行可能となっている。
また、制御部19は、AC検出回路14の検出結果に基づいて生成した内部同期信号を利用しての起動運転を行う。この際の起動運転は同期運転へ移行する直前の運転方法となる。
また、制御部19は、Hブリッジ回路12をオフし、同期運転回路13をオンさせることで同期運転を可能とする。すなわち、制御部19は、所定の回転数まで回転数が上がったモータ部18に対し、単相交流電源2の周波数による同期運転を実施する。
ここで内部同期信号とは、AC検出回路14が検出した単相交流電源2の周波数にほぼ同期した制御部19の内部クロックである。詳細は後述するが、内部同期信号は、単相交流電源2の周波数よりも若干低い周波数とする。これにより、単相交流電源2の周波数の位相が内部同期信号の周波数の位相と一致するタイミングを作り出し、その一致した時に同期運転へ移行させることができる。
また、制御部19は、運転指令入力、異常出力、外部リセット入力、手動設定入力を入出力できる。ユーザは、単相交流電源2を単相交流同期モータ1に接続した後、制御部19に対して運転指令信号を入力することにより、単相交流同期モータ1を起動させることができる。また、制御部19は、異常発生を異常出力として外部に出力することができる。ユーザは、制御部19が出力する異常出力を所定の端末装置などによって受け取ることにより単相交流同期モータ1の異常発生を認識することができる。また、制御部19は、外部リセット入力を受け付けると制御状態を初期状態に復帰させる。また、制御部19は、手動設定入力を受け付けることにより、ユーザが設定する数値または状態を制御部19内に設定することもできる。このようなユーザによる設定を用いた実施の形態については、本実施の形態とは直接関係が無いので詳細な説明は省略する。
(単相交流同期モータ1の動作について)
次に、単相交流同期モータ1の動作について図1から図7を参照して説明する。図2に示すように、制御部19は、ステップS1〜S6の制御手順によってモータ部18の起動運転を行ない、その後、起動運転から同期運転へと移行させ、その後、変換効率の高い同期運転を継続させる。
次に、単相交流同期モータ1の動作について図1から図7を参照して説明する。図2に示すように、制御部19は、ステップS1〜S6の制御手順によってモータ部18の起動運転を行ない、その後、起動運転から同期運転へと移行させ、その後、変換効率の高い同期運転を継続させる。
START:制御部19は、単相交流同期モータ1に単相交流電源2が接続されるとステップS1の処理へ移行する。
ステップS1:制御部19は、AC検出回路14により単相交流電源2の周波数(AC周期)を測定し、これによりモータ部18の同期速度を設定する。この同期速度は、単相交流電源2の電源周波数に相当する速度である。制御部19は、モータ部18の同期速度の設定を完了するとステップS2の処理へ移行する。
ステップS2:制御部19は、モータ部18の低速駆動を開始する。この低速駆動は、第1の起動運転の前半に相当する。具体的には、制御部19は、同期運転回路13をオフすると共に、Hブリッジ回路12とモータ部18のモータコイル30とを接続させる。そして制御部19は、Hブリッジ回路12の起動用スイッチ素子21〜24をFET駆動回路25を介して制御して、永久磁石ロータ31を正転回転させるための電圧をモータコイル30に通電させ、そのデューティ比を徐々に上げる。
このステップS2における出力PA、Hブリッジ回路12の動作期間とデューティ比、およびモータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)の様子を図3に示す。図3の上段は、センサ32Aの出力PAの変化を表している。この図ではセンサ32Bの出力PBを省略している。また、図3の中段は、Hブリッジ回路12の動作期間とモータ部18に通電される電圧のデューティ比を表している。ここでデューティ比とは、電圧のオンオフの値を示すもので、全期間がオンのときは100%、期間の中で半分がオンのときは50%となる値である。このためデューティ比は、Hブリッジ回路12がモータ部18に通電可能な最大の電圧値に対して何%をモータ部18へ通電しているかを示すものとなる。また、図3の下段は、モータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)の変化を四角形の高さの変化で表している。すなわち、図3の下段では、四角形の高さが高いほどモータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)も高くなる。
本実施の形態では、デューティ比は、出力PAのエッジ毎に切換え、徐々に増加させている。なお、デューティ比の切換えタイミングを出力PAのエッジ毎とした理由は、エッジであればタイミングが捉え易いためである。したがって、デューティ比の切換えタイミングについては、出力PAのエッジに限定するものではなく、タイミングが特定できるのであれば出力PAの任意のタイミングであってもよい。
図3の上段に示すように、制御部19は、時計方向回転時には、センサ32Aの出力PAに同期するようにモータコイル30に電圧を通電する。なお、回転方向が反時計方向の場合は、センサ32Bの出力PBに同期させるように電圧を通電することとする。このときに、制御部19は、図3の中段に示すように、起動の初期段階から徐々にモータコイル30に通電する電圧のデューティ比を大きくして行くソフトスタートを実施する。図3の例では、デューティ比は、25%から始まり41%まで2%ずつ上昇している。この例では、出力PAのエッジを検出する場合にデューティを2%増加させる制御を制御部19は行っている。図3の下段の端子電圧の変化の様子を見ると端子電圧が上がるにしたがって回転速度が上がっている様子がわかる。なお、このステップS2では、全波整流波形の半周期に相当する180度全てを使用している。すなわち、モータコイル30には、180度周期で交互に通電する方向が逆転する矩形波形状となる電圧が通電されていることとなる。
制御部19は、ステップS2において、モータ部18の出力軸の回転速度がステップS1において設定したモータ同期速度の80%以上になるとステップS3の処理へ移行する。このステップS3では、第1の起動運転の後半部を行う。
ステップS3:制御部19は、モータ部18の高速駆動を開始する。このステップS3における出力PA、Hブリッジ回路12の動作期間とデューティ比、無効化信号、およびモータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)の様子を図4に示す。図4の上段は、センサ32Aの出力PAの変化を表している。また、図4の第2段目は、Hブリッジ回路12の動作期間とモータコイル30に通電される電圧のデューティ比(41%〜96%)を表している。また、図4の第3段目は、制御部19からHブリッジ回路12へ送出される信号で、Hブリッジ回路12を動作させないようにする無効化信号を表している。また、図4の最下段は、モータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)の変化を表している。この端子電圧の状態は、理想的なもので、実際は出力PAからわずかに遅れた状態になる。なお、図4には、図3に示した波形の続きを示しており、図3においてa,bが付されている波形と図4においてa,bが付されている波形は同じものである。すなわち、図3と図4とでは縦横の縮尺を変えてある。また、図4のc,dが付されている波形との関係では、a<c,b<dの関係となる。
図4に示すように、制御部19は、センサ32Aの出力PAに同期するようにモータコイル30に電圧を通電する。この例でも出力PAのエッジを検出する毎にデューティ比を2%増加させている。このときに、制御部19は、半周期毎に通電方向が切り替わるタイミングの所定時間前のタイミングからモータコイル30に通電される電圧を遮断して起動運転する。その結果、図4の最下段に示すように、モータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)の波形の終端部がカットされている。なお、図中のハッチング部分がカットされている部分である。この第1の起動運転の後半部において、制御部19がモータコイル30に通電する電圧の終端部をカットする割合は、出力PAの前回のエッジ間における速度により今回分の速度を推定し、その速度に応じて変更する。たとえば同期回転時の速度の75%の速度と推定されたら25%をカットする。推定速度が上がるとカットする割合も増加させ最大33.3%(=全体1/3)とする。
また、このように制御することにより出力PAのゼロクロス点付近でモータコイル30に通電される電圧の方向が確実に切り替わることとなる。これにより、永久磁石ロータ31に逆転トルクを発生させる要因となるモータ電流をカットすることができる。
制御部19は、ステップS3において、永久磁石ロータ31の回転速度がステップS1において設定したモータ同期速度の99%以上になると、ステップS4の処理へ移行する。このステップS4は、第2の起動運転となる。
ステップS4:制御部19は、モータ部18の内部同期信号に基づく駆動を開始する。このステップS4における内部同期信号、Hブリッジ回路12の動作期間とデューティ比、無効化信号、およびモータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)の様子を図5に示す。図5の最上段は、制御部19がステップS1においてAC検出回路14から取得した単相交流電源2の周波数に基づく内部同期信号の変化を表している。この例では、内部同期信号は固定されており変化しない。そして、この内部同期信号は、単相交流電源2の周波数の90%とされている。たとえば単相交流電源2の周波数が60Hzの場合、内部同期信号は54Hzとされる。また、図5の第2段目は、Hブリッジ回路12からモータコイル30に通電される電圧のデューティ比(96%)を表している。この例では、デューティ比は96%に固定されている。また、図5の第3段目は、制御部19からHブリッジ回路12へ送出される信号でHブリッジ回路12を動作させないようにする無効化信号を表している。また、図5の最下段は、モータコイル30の理想的な状態の端子電圧(ACH1−ACL1)の変化を表している。なお、図5には、図4に示した波形の続きを示しており、図4においてc,dが付されている波形と図5においてc,dが付されている波形は同じものであるすなわち、図4と図5とでは縦横の縮尺を変えてある。
図5に示すように、制御部19は、内部同期信号に同期するようにモータコイル30に電圧を通電する。このときに、制御部19は、ステップS3と同様に、半周期毎に通電方向が切り替わるタイミングの所定時間前のタイミングからモータコイル30に通電される電圧を遮断して起動運転する。その結果、図5の最下段に示すように、モータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)の波形の終端部がカットされている。これにより、永久磁石ロータ31に逆転トルクを発生させる要因となるモータ電圧をカットすることができる。
なお、ステップS4の内部同期信号に基づく駆動では、制御部19は、AC検出回路14により取得した単相交流電源2の周波数よりも若干低い周波数、この例では10%小さい周波数で制御する。そのようにすることにより、AC検出回路14から出力される単相交流電源2の周波数の方が内部同期信号の周波数に比べ大きいため、単相交流電源2の周波数の周期がより早くなる。この結果、単相交流電源2の周波数の位相は、必ず内部同期信号の周波数の位相に追い付くタイミングを有する。制御部19は、内部同期信号の周波数の位相とAC検出回路14から出力される単相交流電源2の周波数の位相とを比較し、双方の位相差が電気角で12度〜15度以内に収まる場合、ステップS5の処理へ移行する。各位相の検出は、内部同期信号の立ち下がり、立ち上がりや単相交流電源2の周波数のゼロクロス点で行っている。
ステップS5:制御部19は、モータ部18のAC同期駆動を開始する。この起動運転から同期運転への移行における内部同期信号、モータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)、および単相交流電源2の周波数の様子を図6に示す。図6の最上段は、制御部19がステップS1においてAC検出回路14から取得した単相交流電源2の周波数に基づく内部同期信号の状態を表している。また、図6の最上段の内部同期信号の1つ下の段には、モータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)の変化を表している。また、図6のさらに下段(最下段)には、内部同期信号の変化のタイミング(立ち上がり点、立ち下がり点)と単相交流電源2の周波数の変化のタイミング(立ち上がり点、立ち下がり点)との関係を示している。
図6の最下段に示すように、内部同期信号の変化のタイミングと単相交流電源2の周波数の変化のタイミングとがほぼ一致(電気角で12度〜15度以内)したときに、制御部19は、同期運転回路13をオンに制御すると共に、Hブリッジ回路12をオフに制御する。具体的には、内部同期信号の立ち下がりと単相交流電源2の周波数の立ち下がりのゼロクロス点との差が1ms以内に入った場合にAC同期駆動に切換えている。これにより、Hブリッジ回路12とモータコイル30との接続を解除すると共に、単相交流電源2とモータコイル30とを直接接続する。この結果、モータ部18はAC同期駆動状態に入る。なお、AC同期駆動の開始を各信号の立ち上がりがほぼ一致したときに行うようにしてもよい。
Hブリッジ駆動であるステップS2からステップS4の間は、10秒以下となるように制御部19は制御する。この秒数は4〜20秒が好ましく、6〜10秒が振動対策やモータ効率の面でさらに好ましい。
制御部19は、モータ部18がAC同期駆動状態に入り、5秒以上経過するとステップS6の処理へ移行する。この5秒という値に代えて、10秒としたり3秒としたりしてもよい。
ステップS6:制御部19は、モータ部18の省電力駆動を開始する。制御部19は、モータ部18の省電力駆動を開始すると、センサ32を所定の周期でON/OFF制御する。このステップS6における単相交流電源2の周波数、モータコイル30の端子電圧(ACH1−ACL1)、およびセンサ電源の様子を図7に示す。図7に示すように、AC同期駆動(S5)においては継続しているセンサ電源が、省電力駆動(S6)においては間欠的であることがわかる。この周期は、たとえば1周期の中でセンサ32が0.12秒間ON、1秒間OFFとなるように設定する。0.12秒間のONの期間は、後述する逆転検出、ロック検出、低速検出および高速検出が可能となり、1秒間のOFFの期間は、それらのいずれも動作しないこととなる。
(制御部19の制御手順に係る効果について)
次に、制御部19の制御手順に係る効果について説明する。制御部19がステップS1のAC周期測定を行うことにより、単相交流電源2の周波数がたとえば40Hz〜75Hzの範囲内のいずれの周波数であっても対応可能な単相交流同期モータ1を実現できる。この際、制御部19は、自動的にAC検出回路14の検出出力によって単相交流電源2の周波数を測定できるので、ユーザによる手動設定などの手間を省くことができる。すなわち、ユーザは、電源周波数を正確に確認する必要なく、また、ユーザは、手動により周波数の設定を行う必要なく、単相交流同期モータ1を使用できる。
次に、制御部19の制御手順に係る効果について説明する。制御部19がステップS1のAC周期測定を行うことにより、単相交流電源2の周波数がたとえば40Hz〜75Hzの範囲内のいずれの周波数であっても対応可能な単相交流同期モータ1を実現できる。この際、制御部19は、自動的にAC検出回路14の検出出力によって単相交流電源2の周波数を測定できるので、ユーザによる手動設定などの手間を省くことができる。すなわち、ユーザは、電源周波数を正確に確認する必要なく、また、ユーザは、手動により周波数の設定を行う必要なく、単相交流同期モータ1を使用できる。
また、制御部19がステップS2の低速駆動においてソフトスタートを行うことにより、同時に多数の単相交流同期モータ1を起動させる場合、多数の単相交流同期モータ1に電源を供給する電源設備に対する負荷を軽減させることができる。これによれば、同時に多数の単相交流同期モータ1が起動することにより電源電圧が低下することを回避し、同時に多数の単相交流同期モータ1の起動を可能とすることができる。
また、制御部19がステップS3の高速駆動において擬似120度通電を行うことより、起動運転における逆回転トルクの発生を抑えることができ回転効率がアップする。これは、特許文献1の単相交流同期モータが有する効果と同じであるが、この実施の形態の単相交流同期モータ1では、モータ電流波形をセンサ出力波形のゼロクロス点で通電方向が切り替わるように、モータ電流の通電範囲を抑制しながら起動運転するといった複雑な制御を必要としない。この単相交流同期モータ1では、擬似120度通電という単純な方法で逆回転トルクの発生を抑えている。
また、制御部19がステップS4の内部同期信号駆動を行うことにより、センサ32の出力に頼ることなく、内部同期信号によってモータ部18を駆動することができる。これによれば、制御部19は、AC検出回路14の検出出力により取得する単相交流電源2の周波数とHブリッジ回路2を駆動する内部同期信号とを比較することによって同期運転への切換タイミングを認識できる。すなわち、制御部19は、周波数が安定しにくいセンサ32の出力波形によって同期運転への切換タイミングを認識するのではなく、安定した周期となり、かつ実際のモータ通電の時期と一致している内部同期信号によって同期運転への切換タイミングを認識できる。このため単相交流同期モータ1は、同期運転切換時に発生する脱調の確率をきわめて低く抑えることができる。また、ステップS4では同期信号位相が電圧位相の電気角で12〜15度以内で次のステップS5に切り替わるので、さらに安定した切り替わりを行える。
また、制御部19がステップS5のAC同期駆動を5秒以上行うことにより、同期運転の安定化を図ることができる。このAC同期駆動は、3〜20秒が好ましく5〜10秒がさらに好ましい。
また、制御部19がステップS6の省電力駆動を行うことにより、センサ32の消費電力を節約することができる。すなわち、AC同期駆動状態では、センサ32の役割は、予期せぬ要因によりモータ部18が停止したり、あるいは、逆転するといった異常事態などを検出するのみである。これらの異常事態は、AC同期駆動すると生じる確率はきわめて低くなる。したがって、AC同期駆動状態では、センサ32を常時ON状態にする必要がない。制御部19は、ステップS6の省電力駆動においてセンサ32を間欠通電することにより、センサ32の消費電力を節約することができる。
(第二の実施の形態に係る単相交流同期モータ1Aについて)
次に、第二の実施の形態に係る単相交流同期モータ1Aにおける起動状態の監視手順を有する制御部19Aについて説明する。制御部19Aを有する単相交流同期モータ1Aのブロック構成を図8に示す。単相交流同期モータ1Aでは、制御部19Aの制御手順が単相交流同期モータ1の制御部19とは異なる。その他の点ではこの単相交流同期モータ1Aは、単相交流同期モータ1と同じであるため、同一の部材は同一の符号を用いて説明し、その詳細説明は省略する。
次に、第二の実施の形態に係る単相交流同期モータ1Aにおける起動状態の監視手順を有する制御部19Aについて説明する。制御部19Aを有する単相交流同期モータ1Aのブロック構成を図8に示す。単相交流同期モータ1Aでは、制御部19Aの制御手順が単相交流同期モータ1の制御部19とは異なる。その他の点ではこの単相交流同期モータ1Aは、単相交流同期モータ1と同じであるため、同一の部材は同一の符号を用いて説明し、その詳細説明は省略する。
制御部19Aは、ウォッチドックタイマ40、カウンタ41およびタイマ42を有する。ウォッチドックタイマ40は、制御部19Aが立ち上がらずにハングアップした場合などの異常を検出するためのものである。カウンタ41は、モータ部18がロック停止、回転速度不足または逆転した回数を計数するものである。タイマ42は、低速駆動が開始されてから内部同期信号駆動が終了するまでの時間を計時するタイマである。
制御部19Aの制御手順を図9に示す。図9において実線の矢印で示す処理の流れは、異常が発生しない場合の処理の流れである。一方、図9において破線の矢印で示す処理の流れは、異常が発生した場合の処理の流れである。すなわち、ステップS2A,S3A,S4A,S5A,S6Aにおいて実線の矢印で示されているRUN/OFF信号については、単相交流同期モータ1Aの電源をユーザがOFFにした場合など、単相交流同期モータ1Aが正常に停止された場合に出力されるものである。一方、「異常出力」から破線矢印で示されているRUN/OFF信号は、異常回数カウント数が所定数以上である場合に出力されるものである。
なお、ステップS1A〜ステップS6Aの処理については、図2のフローチャートにおけるSTART、ステップS1〜ステップS6の処理と基本的に同一であるため、説明を省略または簡略化する。
ステップS10:制御部19Aは、直流電源16から直流電圧が通電されると、これを検出してステップS11の処理へ移行する。すなわち、リセットの処理はフローを開始する先頭の処理である。また、制御部19Aは、直流電源16から通電される電圧の低下(たとえば「3.6±0.3V」以下)を検出したときにはリセットの処理を実行する。これはフローが既に進行している場合であっても制御部19Aは、直流電源16から通電される電圧の低下を検出したときにはリセットの処理を実行する。これにより、制御部19Aが直流電源16から通電される電圧の低下を検出したときにはフローが先頭の処理へ戻ることになる。その他にも、制御部19Aは、自己のCPUの立ち上げに際し、ウォッチドックタイマ40がタイムアップするとCPUのハングアップとみなしてリセットの処理を再度実行する。なお、ウォッチドックタイマ40の設定値は、たとえば約525ms以上とする。さらに、制御部19Aは、ユーザの手動による外部リセット入力が行われた場合についてもリセットの処理を実行する。
ステップS11:制御部19Aは、カウンタ41およびタイマ42の設定値を初期値(たとえば“0”)に設定する。その他にも制御部19Aは、自己の有する各ポートに対して入出力の割付けを行う。また、制御部19Aは、上述したカウンタ40およびタイマ41の他にも内部設定値(たとえばセンサ32の出力PA,PBの値(HまたはL))を初期値とする。さらに、必要に応じて制御部19Aへの外部からのデータの読み込みなどを行う。制御部19Aは、初期設定が完了するとステップS12の処理へ移行する。
ステップS12:前回、単相交流同期モータ1が正常に停止した場合、制御部19AのCPUのレジスタ(不図示)にはRUN/OFFのフラグが立っている。このような状況下において、制御部19Aは、運転指令信号が入力されるとステップS1Aの処理へ移行する。また、制御部19Aは、レジスタのRUN/ONのフラグが解除されてRUN/OFFのフラグが立つと、次に運転指令信号が入力されるまで以降の処理を停止させる。また、制御部19Aは、レジスタにRUN/OFFのフラグが立って以降の処理が停止された後、運転指令信号が入力されるとRUN/OFFのフラグを解除してステップS1Aの処理へ移行する。また、このとき制御部19Aは、レジスタにRUN/ONのフラグを立てる。また、このとき制御部19Aは、カウンタ41の異常回数カウント値をクリアする。
ステップS1A:制御部19Aは、図2のフローチャートのステップS1で説明したAC周期測定の処理に加え、AC検出回路14の検出結果が0Hzである場合、カウンタ41の異常回数カウント値を1つ繰り上げる。ここでAC検出回路14の検出結果が0Hzである場合とは、単相交流電源2の電源が供給されているにも関わらず当該電源の周波数が検出されない状態であり、単相交流電源2の異常などを表している。ステップS1Aで、AC検出回路14の検出結果が0Hz以外であるとステップS2Aの処理へ移行する。
ステップS2A:制御部19Aは、図2のフローチャートのステップS2で説明した低速駆動の処理に加え、低速駆動中にモータ部18がロック停止した際には、カウンタ41の異常回数カウント値を1つ繰り上げる。また、制御部19Aは、ステップS2Aの処理の所要時間をタイマ42により計時する。
ステップS3A:制御部19Aは、図2のフローチャートのステップS3で説明した高速駆動の処理に加え、高速駆動中にモータ部18がロック停止した際には、カウンタ41の異常回数カウント値を1つ繰り上げる。また、制御部19Aは、ステップS3Aの処理の所要時間をタイマ42により計時する。
ステップS4A:制御部19Aは、図2のフローチャートのステップS4で説明した内部同期信号駆動の処理に加え、内部同期信号駆動中にモータ部18がロック停止、回転速度の過不足または逆転した際には、カウンタ41の異常回数カウント値を1つ繰り上げる。また、制御部19Aは、ステップS4Aの処理の所要時間をタイマ42により計時する。なお、制御部19Aは、ステップS2A,S3A,S4Aにおけるタイマ42の合計計時時間が所定時間(たとえば10秒)以上であった場合、いったん起動運転を停止させ、カウンタ41の異常回数カウント値を1つ繰り上げる。
ステップS5A:制御部19Aは、図2のフローチャートのステップS5で説明したAC同期駆動の処理に加え、AC同期駆動中にモータ部18がロック停止、回転速度の過不足または逆転した際には、カウンタ41の異常回数カウント値を1つ繰り上げる。
ステップS6A:ステップS5Aから5秒以上経過すると、制御部19Aは、図2のフローチャートのステップS6で説明した省電力駆動の処理に加え、省電力駆動中にモータ部18がロック停止、回転速度の過不足または逆転を検出したときには、ステップS1Aの処理に戻る。この省電力駆動に入るとセンサ32の間欠通電に加え、カウンタ41をクリアする処理を行う。
ステップS13:制御部19Aは、カウンタ41の異常回数カウントが閾値以下の場合、ステップS1AのAC周期測定の処理からフローをやり直す。また、制御部19Aは、カウンタ41の異常回数カウントが閾値を越える場合、異常出力を行ってRUN/OFFのフラグを立てステップS12の処理へ戻る。なお、ステップS13における閾値は、たとえば“1”〜“15”の間で設定可能とする。たとえば当該閾値は“3”である。
また、制御部19Aは、ステップS2A,S3A,S4A,S5A,S6Aの各処理において、単相交流同期モータ1Aの運転が正常に停止されるとレジスタにRUN/OFFのフラグを立てる(図9の実線の矢印の処理)。この結果、制御部19Aは次の運転指令信号の入力を待つ状態となる。
(単相交流同期モータ1Aに係る効果について)
これにより、単相交流同期モータ1Aに電源が投入された後、またはリセットされた後、運転指令信号が入力されると、モータ部18の起動運転が開始される。このときに、S1Aの処理において単相交流電源2の異常が発生すると、また、各ステップ(S2A,S3A,S4A,S5A)において、ロック停止が発生すると、また、ステップS4A,S5Aにおいて、回転速度の過不足または逆転が発生すると、その都度、カウンタ41の異常回数カウントが繰り上げられる。そして、カウンタ41の異常回数カウントが、たとえば3回まではステップS1Aからの起動運転が再開される。しかしながら、カウンタ41の異常回数カウントが、たとえば4回以上になると起動運転は、いったん停止される。
これにより、単相交流同期モータ1Aに電源が投入された後、またはリセットされた後、運転指令信号が入力されると、モータ部18の起動運転が開始される。このときに、S1Aの処理において単相交流電源2の異常が発生すると、また、各ステップ(S2A,S3A,S4A,S5A)において、ロック停止が発生すると、また、ステップS4A,S5Aにおいて、回転速度の過不足または逆転が発生すると、その都度、カウンタ41の異常回数カウントが繰り上げられる。そして、カウンタ41の異常回数カウントが、たとえば3回まではステップS1Aからの起動運転が再開される。しかしながら、カウンタ41の異常回数カウントが、たとえば4回以上になると起動運転は、いったん停止される。
すなわち、単相交流同期モータ1Aは、起動運転中に何らかの原因によって、単相交流電源2に異常が発生しても、また、モータ部18がロック停止、回転速度の過不足または逆転しても、たとえばそれらの合計が3回までは起動をやり直すことができる。そして、単相交流同期モータ1Aは、起動運転中に何らかの原因によって、単相交流電源2に異常が発生したり、モータ部18がロック停止、回転速度の過不足または逆転する状態が、たとえば4回以上発生すると起動をいったん停止する。
これによれば、単相交流同期モータ1Aは、起動運転中に、単相交流電源2が断状態となったり、永久磁石ロータ31に何らかの要因で外部から力が加わり、ロック停止、回転速度の過不足または逆転しても、その異常発生回数が所定回以下ならば、再度起動運転を再開する。たとえば永久磁石ロータ31の回転軸にファンが設けられている場合など、当該ファンに軽く障害物が当たったような場合ならば起動を再開する。また、単相交流電源2と単相交流同期モータ1Aとがコンセントなどによって接続されている場合、ユーザがごく短時間コンセントを引き抜き、再びコンセントを差し込むといった動作を行った場合でも起動を再開する。これによりユーザが単相交流同期モータ1Aに再起動をかけるなどの手間を省くことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。特に、多数の単相交流同期モータ1Aを使用している場合など、ユーザの利便性を大幅に向上させることができる。すなわち、単相交流同期モータ1Aの利用効率または稼働率を高く保つことができる。
(各部材の動作のまとめ)
以上の各ステップにおける各部材の動作について図10に表にして示す。この表の中の逆転検出、ロック検出、速度過不足検出は、第一の実施の形態では示されていないが、第二の実施の形態と同様に第一の実施の形態でも動作させるようにしてもよい。
以上の各ステップにおける各部材の動作について図10に表にして示す。この表の中の逆転検出、ロック検出、速度過不足検出は、第一の実施の形態では示されていないが、第二の実施の形態と同様に第一の実施の形態でも動作させるようにしてもよい。
(プログラムを用いた実施の形態について)
また、単相交流同期モータ1,1Aの制御部19,19Aは、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、制御部19,19Aの機能が実現される。また、その他の機能についてもソフトウェアにより実現可能な機能については汎用の情報処理装置とプログラムとによって実現することができる。なお、上述したCPUの代わりにASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどを用いてもよい。
また、単相交流同期モータ1,1Aの制御部19,19Aは、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、制御部19,19Aの機能が実現される。また、その他の機能についてもソフトウェアにより実現可能な機能については汎用の情報処理装置とプログラムとによって実現することができる。なお、上述したCPUの代わりにASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどを用いてもよい。
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、単相交流同期モータ1,1Aの出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、単相交流同期モータ1,1Aの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、単相交流同期モータ1,1Aの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。単相交流同期モータ1,1Aの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
このように、汎用の情報処理装置とプログラムによって単相交流同期モータ1,1Aの制御部19,19Aの機能を実現することにより、大量生産や仕様変更(または設計変更)に対して柔軟に対応可能となる。
(その他の実施の形態)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更が可能である。たとえばセンサ32は、2つのセンサ32A,32Bを備えるとして説明した。これは永久磁石ロータ31の正転、逆転をセンサ32A,32Bにて検出するためであると説明した。一方、1個のセンサ32Aのみでもモータ部18に加える電圧の位相とセンサ32Aの出力PAの位相とが正転と逆転とでは180度ずれるので、このことを利用して逆転検出は可能であり、1個のセンサとしてもよい。
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更が可能である。たとえばセンサ32は、2つのセンサ32A,32Bを備えるとして説明した。これは永久磁石ロータ31の正転、逆転をセンサ32A,32Bにて検出するためであると説明した。一方、1個のセンサ32Aのみでもモータ部18に加える電圧の位相とセンサ32Aの出力PAの位相とが正転と逆転とでは180度ずれるので、このことを利用して逆転検出は可能であり、1個のセンサとしてもよい。
また、図11に示すフローチャートのように、各ステップS1A,S2A,S3A,S4A,S5A,S6AのAC周期異常、ロック停止、回転速度の過不足、逆転の検出時には即座に停止させ、レジスタにRUN/OFFのフラグを立てるようにするのみとしてもよい。これによれば、1回でもAC周期異常、ロック停止、回転速度の過不足、逆転が検出されたら即座に単相交流同期モータ1Aを停止させたい用途に適用することができる。
また、図11に示すフローチャートに加え、図9に示すステップS6AからステップS1Aに移行するフローを加えてもよい。これによれば、起動運転が終了して省電力駆動(S6A)に移行している場合については、ロック停止、回転速度過不足、逆転が検出されても再度、ステップS1AのAC周期測定からやり直すようにできる。たとえば起動運転中にロック停止、回転速度過不足、逆転が検出される場合は、単相交流同期モータ1Aを運転する環境それ自体がそもそも不都合である場合が多く、速やかに運転を停止することが好ましい場合が多い。一方、起動運転が終了して既に省電力駆動に移行している場合にロック停止、回転速度過不足、逆転が検出される場合は、これらの異常の発生は偶発的な要因による場合が多く、再度、起動運転をやり直しても問題がない場合が多い。当該実施の形態は、このような状況下に適用できる。
また、起動運転となる3つのステップS2,S3,S4と3つのステップS2A,S3A,S4Aはその中のいずれか2つのステップのみで起動運転を行うようにしてもよい。また、省電力駆動は行わないようにしてもよい。
また、交流電圧を直流電圧に変換する際、整流ブリッジ回路10と平滑フィルタ回路11を利用して行っているが、AC−DCコンバータなど他の変換手段を採用してもよい。また、起動運転と同期運転の切換えは、制御部19,19Aで行っているが、特許文献1のような運転切換スイッチを採用してもよい。
また、図9で説明した制御部19Aの制御手順においては、通常運転モード、メンテナンスモードおよび実験室モードなどの複数のモードを設けてもよい。また、通常運転モードでは、図9で説明した制御手順に加え、モータ同期速度などの設定をユーザが手動で行うことができるようにしてもよい。また、メンテナンスモードでは、たとえば制御部19AのCPUに対して保守者がアクセス可能とし、各種制御内容の変更あるいは設定値の変更を可能としてもよい。
また、実験室モードでは、モータ部18のロック停止、回転速度不足または逆転などの異常の状況およびその発生回数などの異常履歴を制御部19A内に保持しておくようにしてもよい。これによれば、ユーザが制御部19Aに対してモニタ装置(不図示)を接続することによって、異常履歴を閲覧することができることとなる。制御部19Aは、上述した異常履歴をSD(Secure Digital)カードまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの可搬形記憶媒体に記録するようにしてもよい。ユーザは、制御部19Aから可搬形記憶媒体を取り出して外部のパーソナル・コンピュータ装置などにこの可搬形記憶媒体を挿入し、異常履歴をパーソナル・コンピュータ装置に取り込むことができる。
また、直流電源15は、14.2Vの電圧を出力するとして説明したが、たとえば10V〜20Vの範囲で適宜設定可能である。それ以外の電圧値であっても直流電源15の電圧値は、起動用スイッチ素子21〜24その他の構成部材の規格によって適宜設定可能である。同様に、直流電源16は、5Vの電圧を出力するとして説明したが、それ以外の電圧値であっても直流電源16の電圧値は、制御部19,19Aおよびセンサ電源スイッチ17の構成部材の規格によって適宜設定可能である。
また、Hブリッジ回路12は、起動用スイッチ素子21〜24は、FETおよびダイオードによって構成されていると説明したが、FETに代えてトランジスタまたはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの他の部材または他の素子を用いてもよい。
また、同期運転回路13は、トライアックtr1,tr2によって構成されていると説明したが、トライアックtr1,tr2に代えてリレーまたはサイリスタなどの他の部材または他の素子を用いてもよい。
1,1A…単相交流同期モータ、2…単相交流電源、12…Hブリッジ回路(起動運転用回路の一部)、13…同期運転回路(同期運転用回路の一部)、19,19A…制御部(起動運転用回路の一部、同期運転用回路の一部、制御手段)、21〜24…起動用スイッチング素子(起動用スイッチング手段)、25…FET駆動回路(起動運転用回路の一部、制御手段の一部)、30…モータコイル、31…永久磁石ロータ、32A,32B…センサ
Claims (6)
- 単相交流電源に接続されるモータコイルに、当該単相交流電源より通電される交流電圧を直流電圧に変換し、永久磁石ロータの磁極位置を検出するセンサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電圧の通電の向きを切換えて通電することにより、直流ブラシレスモータとして起動運転する起動運転用回路と、
上記交流電圧を上記モータコイルに通電して交流同期モータとして同期運転する同期運転用回路と、
上記起動運転用回路から上記同期運転用回路へ切換えて同期運転に移行するよう制御する制御手段と、
を有する単相交流同期モータにおいて、
上記制御手段は、上記センサの検出信号にしたがって上記起動用スイッチング手段をスイッチング制御すると共に上記モータコイルに通電する電圧のデューティを徐々に上げて通電電圧を徐々に上げていく第1の起動運転と、上記永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達すると上記センサの検出信号に代えて予め取得した上記単相交流電源の周波数の情報に基づき生成された内部同期信号にしたがって上記起動スイッチング手段をスイッチング制御する第2の起動運転をし、その後に、上記同期運転へ移行する、
ことを特徴とする単相交流同期モータ。 - 単相交流電源に接続されるモータコイルに、当該単相交流電源より通電される交流電圧を直流電圧に変換し、永久磁石ロータの磁極位置を検出するセンサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電圧の通電の向きを切換えて通電することにより、直流ブラシレスモータとして起動運転する起動運転用回路と、
上記交流電圧を上記モータコイルに通電して交流同期モータとして同期運転する同期運転用回路と、
上記起動運転用回路から上記同期運転用回路へ切換えて同期運転に移行するよう制御する制御手段と、
を有する単相交流同期モータにおいて、
上記制御手段は、上記起動運転の際、上記センサの検出信号にしたがって上記起動用スイッチング手段をスイッチング制御すると共に上記モータコイルに通電する電圧のデューティを徐々に上げて通電電圧を徐々に上げていく制御を行う、
ことを特徴とする単相交流同期モータ。 - 単相交流電源に接続されるモータコイルに、当該単相交流電源より通電される交流電圧を直流電圧に変換し、永久磁石ロータの磁極位置を検出するセンサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電圧の通電の向きを切換えて通電することにより、直流ブラシレスモータとして起動運転する起動運転用回路と、
上記交流電圧を上記モータコイルに通電して交流同期モータとして同期運転する同期運転用回路と、
上記起動運転用回路から上記同期運転用回路へ切換えて同期運転に移行するよう制御する制御手段と、
を有する単相交流同期モータにおいて、
上記制御手段は、上記同期運転に移行する前の上記起動運転の際、上記永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達すると上記センサの検出信号に代えて予め取得した上記単相交流電源の周波数の情報に基づき生成された内部同期信号にしたがって上記起動スイッチング手段をスイッチング制御する制御を行う、
ことを特徴とする単相交流同期モータ。 - 請求項1から3のいずれか1項記載の単相交流同期モータであって、
前記制御手段は、前記永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達するとモータ電圧の通電を半周期毎に通電方向が切換わるタイミングの所定時間前のタイミングから遮断する制御を行う、
ことを特徴とする単相交流同期モータ。 - 請求項1から4のいずれか1項記載の単相交流同期モータであって、
前記制御手段は、前記同期運転中には、前記センサの電源を所定の周期でON/OFF制御する、
ことを特徴とする単相交流同期モータ。 - 単相交流電源に接続されるモータコイルに、当該単相交流電源より通電される交流電圧を直流電圧に変換し、永久磁石ロータの磁極位置を検出するセンサからの検出信号により起動用スイッチング手段をスイッチングしてモータ電圧の通電の向きを切換えて通電することにより、直流ブラシレスモータとして起動運転する起動運転ステップと、
上記起動運転ステップから移行し、上記交流電圧を上記モータコイルに通電して交流同期モータとして同期運転する同期運転ステップとする単相交流同期モータが行う制御方法において、
上記起動運転ステップは、上記センサの検出信号にしたがって上記起動用スイッチング手段をスイッチング制御すると共に上記モータコイルに通電する電圧のデューティを徐々に上げて通電電圧を徐々に上げていく第1の起動運転ステップと、上記永久磁石ロータの回転速度が同期回転速度近傍の所定回転速度に到達すると上記センサの検出信号に代えて予め取得した上記単相交流電源の周波数の情報に基づき生成された内部同期信号にしたがって上記起動スイッチング手段をスイッチング制御する第2の起動運転ステップを有する、
ことを特徴とする単相交流同期モータの制御方法。
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