JP2011144279A - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 飲料缶・食品缶殺菌処理の熱処理工程に耐え得る優れた耐レトルト性を有する塗膜を形成し、且つ、焼付けのためのオーブン中でのヒューム発生を抑制し得る水性塗料組成物を提供する。
【解決手段】 カルボキシル基及びN−アルコシキメチル(メタ)アクリルアミド基を有する水性アクリル樹脂(A)、活性水素を有するアミノ化合物、ホルムアルデヒド及び炭素数1〜4のアルコールとの反応生成物であって、活性水素を有するアミノ化合物の1構造単位(核体)当たり1以上のイミノ基を有するアミノ樹脂(B)、及び、カルボジイミド基を有する水性樹脂(C)を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性塗料組成物に関し、更に詳しくは、樹脂成分として、特定の構造を有するアクリル系樹脂、アミノ樹脂及びカルボジイミド基を有する水性樹脂を用いることによって、塗膜の耐水性、耐熱水性を改良した水性塗料組成物に関する。
金属缶は、各種の食品や飲料を充填した包装容器として広く一般的に利用されている。この金属缶の外面側の被膜は、美観ないしは意匠性、内容物の表記や、金属腐食の防止等を目的として、各種の塗装が施される。ベースコートとしては、ホワイトやシルバー等の塗料の塗装・硬化乾燥が施される。意匠性、表記の点では、金属インキ用の樹脂凸版印刷インキないしは水なし平版印刷インキ等による印刷が施される。さらに印刷層上にツヤニス等のトップコート塗料の塗装・熱硬化乾燥をする。又、グラビア印刷・接着剤が塗布されたペットフィルムを金属板ないしは金属缶にラミネートした後にツヤニス塗料を塗装・熱硬化乾燥する場合もある。
前記したツヤニス塗料としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂などや、それらを組合せた部分変性樹脂の溶液混合物が広く用いられている。また、環境調和対応の観点から、溶剤型塗料から水性塗料への移行が検討されている。
上記した塗料を塗装して焼付け乾燥する際には、低分子量の樹脂成分などの、いわゆるヒュームが、乾燥炉(オーブン)内にヤニやタール状になって汚染する問題がある。とりわけ、水性塗料の場合は、組成物である水溶性樹脂が低分子量である傾向にあるために、汚染の程度が悪くなると懸念されている。さらにまた、上記した焼付け乾燥により形成される缶外面用塗膜は、高圧スチームによるレトルト殺菌処理工程で、加水分解等を受けて、外観や塗膜性能の劣化、さらに、その処理工程での樹脂分解物等の溶出による排水の汚染等の問題が懸念されている。とりわけ、水性塗料の場合は、構成成分である水性樹脂が親水性であるために、加水分解を受け易く、かつ、レトルト処理時に塗膜の樹脂分が溶出し易く、また、前記のラミネートされたペットフィルムからも溶出され易くなるので、上述の懸念点を解決する水性塗料が求められている。
水性塗料組成物として、従来から、特定のアクリル樹脂とアミノ樹脂を含有する水性塗料組成物が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、耐水性、加工性に優れるものの、耐レトルト性(耐加水分解性)に必ずしも十分とはいえない。
加水分解を防止するために、オキサゾリン基含有化合物を含有する水性塗料組成物が提案されている(例えば特許文献2参照)。課題は共通するも、レトルト処理時の複合皮膜の樹脂分からの溶出量が多く、排水の汚染が懸念される。また、レトルト処理による、外観や塗膜性能の低下があり、乾燥炉内のヒューム汚染も必ずしも充分とはいえない。
又、折り曲げ加工性の改良を目的として、ポリカルボジイミド化合物を含んで共重合されたアクリル樹脂を用いた水性塗料組成物が知られているが(例えば、特許文献3参照)、缶内面塗料用途であり、ベースコートないしはラミネートフィルム層やインキ層を含む複合塗膜を前提としている、缶外面塗料として、耐加水分解を意図した優れた水性塗料は知られていない。このように従来技術による水性塗料は、現時点で求められる実用上満足しうる塗膜の耐レトルト性(耐加水分解性)を与えるものではなかった。
特許第2943502号公報 特開2008−208273号公報 特開2007−284541号公報
本発明の課題は、飲料缶・食品缶殺菌処理の熱処理工程に耐え得る優れた耐レトルト性を有する塗膜を形成し、且つ、焼付けのためのオーブン中でのヒューム発生を抑制し得る水性塗料組成物を提供することにある。
本発明者等は、特定の構造を有するアクリル系樹脂、アミノ樹脂とともに、カルボジイミド基含有水性樹脂を配合した塗料が、特に塗膜の耐レトルト性に優れ、且つ、オーブン中でのヒューム発生を抑制し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った
即ち、本発明は、カルボキシル基及びN−アルコシキメチル(メタ)アクリルアミド基を有する水性アクリル樹脂(A)、活性水素を有するアミノ化合物、ホルムアルデヒド及び炭素数1〜4のアルコールとの反応生成物であって、活性水素を有するアミノ化合物の1構造単位(核体)当たり1以上のイミノ基を有するアミノ樹脂(B)、及び、カルボジイミド基を有する水性樹脂(C)を含有することを特徴とする水性塗料組成物を提供する。
本発明の水性塗料組成物は、飲料缶・食品缶に用いる場合に、殺菌処理の熱処理工程に耐え得る優れた耐レトルト性を有する塗膜を形成し、且つ、焼付けのためのオーブン中でのヒューム発生を抑制する点で優れた効果を示す。
以下、本発明の組成物について更に詳細に説明する。本発明の水性塗料組成物に使用する水性アクリル樹脂は、カルボキシル基及びN−アルコシキメチル(メタ)アクリルアミド基を有する水性アクリル樹脂(A)であり、例えば、次の方法に従って製造することが出来る。
即ち、(I)α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸、(II)N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド及び(III)上記(I)及び(II)と共重合可能なビニルモノマーを含有するビニルモノマー混合物を有機溶剤中でラジカル重合させて得られる共重合体溶液から余剰の有機溶剤を減圧溜去した後、アンモニア、有機アミン等の揮発性塩基で水性化する方法、もしくは共重合体溶液に揮発性塩基及び水を添加した後、余剰の有機溶剤を水と共に減圧溜去する方法で製造することができる。
α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられるが、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。これらの使用量は2〜20質量%の範囲が好ましく、5〜10質量%の範囲がより好ましい。2質量%未満では生成樹脂の水性化が困難であり、20質量%を超えると塗膜の耐水性が低下する。
N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとしては、(N−;以下略)メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド等が例示出来る。これらの使用量は5〜40質量%の範囲が好ましい。5質量%未満では硬化不足によって塗膜の耐レトルト性が不充分であり、40質量%を超えると硬化しすぎて塗膜の下地付着性、加工性が損なわれる。
上記(I)及び(II)と共重合可能なビニルモノマー(III)としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。また、アルキル(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル等が例示出来る。
これら以外に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等が例示出来る。また、イタコン酸等のカルボン酸ビニル、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール等のビニルアルキルエーテル等の(I)、(II)と共重合可能なモノマーも使用することが出来る。これらのモノマー(III)は、それらの合計使用量が40〜93質量%の範囲で、塗膜の硬度と可とう性を勘案して種類及び共重合量を選択することが出来る。
重合時に用いる溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールの如きアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルの如きセロソルブ系溶剤;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等が挙げられる。
かくして得られた水性アクリル樹脂(A)は、重量平均分子量で3,000〜30,000が好ましく、5,000〜20,000がより好ましい。3,000未満はレトルト後抽出性を改善し難く、30,000を越えると水性塗料としての塗装が困難となる。
本発明の水性塗料組成物に使用するアミノ樹脂は、活性水素を有するアミノ化合物、ホルムアルデヒド及び炭素数1〜4のアルコールとの反応生成物であって、活性水素を有するアミノ化合物の1構造単位(核体)当たり1以上のイミノ基を有するアミノ樹脂(B)である。上記アミノ化合物としては、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、アセトグアナミン、テトラメチレンジグアナミン、フタログアナミン、スピログアナミン等の化合物が挙げられ、炭素数1〜4のアルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
本発明で使用する、カルボキシル基及びN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド基を有するモノマーを含む共重合水性アクリル樹脂(A)と、イミノ基を有するアミノ樹脂(B)との好ましい使用割合は、(A)と(B)の樹脂固形分合計に対して、(A)40〜80質量%、(B)20〜60質量%である。(B)が20質量%未満では塗膜の硬度、耐水性が不充分であり、また、60質量%を超えると加工性が低下する。
本発明の水性塗料組成物は、特徴的に用いられる成分として、カルボジイミド基含有水性樹脂(C)を含有する。カルボジイミド基含有水性樹脂(C)としては、例えば、(1)酸化水銀(II)を触媒としたチオ尿素の脱硫反応により得た化合物、(2)尿素の脱水反応により得た化合物、(3)イソシアネートの脱炭酸縮合反応により得た化合物などをベースに水性樹脂化した多価カルボジイミド等が挙げられる。すなわち、−N=C=N−と表記できるカルボジイミド基を有し、さらにその水性樹脂としては、エーテル基を含むものが望ましい。ポリカルボジイミドの市販品としては、例えば、日清紡ケミカル社製カルボジライトV−02、V−02−L2、V−04、V−06が挙げられる。これらの使用量は、全樹脂固形分中の0.01〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜6質量%の範囲がより好ましい。0.01質量%未満では上記した性能改善の効果が得られにくく、10質量%を超えると塗料溶液での貯蔵安定性が低下する。
本発明の水性塗料組成物において使用し得る溶剤としては、水の他に、水性アクリル樹脂(A)の重合時に具体的に使用した溶剤、又、上記水性アクリル樹脂(A)の重合時に用いることの出来る溶剤とを併用してもよい。
また、塗料粘度低下或は塗膜の下地付着性の向上を目的として、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール或はビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物等の低分子ポリオール類を第4の樹脂成分として上記の水性アクリル(A)、アミノ樹脂(B)及びカルボジイミド基含有水性樹脂(C)に加えて使用することも出来る。この場合、低分子ポリオール類の使用量は全樹脂固形分中の30質量%以下とすることが、塗膜の耐水性維持の面から好ましい。
塗料を調製するには、上記水性アクリル(A)、アミノ樹脂(B)及びカルボジイミド基含有水性樹脂(C)を混合し、更に必要に応じて、スルホン酸基を有する触媒、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルジナフタレンジスルホン酸等、或はこれらのアミン塩等を硬化触媒として樹脂固形分100部に対し、0.02〜2.0部添加すればよい。
本発明の水性塗料組成物には、従来公知の消泡剤、レベリング剤、滑剤、顔料等を添加することが可能である。
本発明の水性塗料組成物はロールコート、スプレー、刷毛塗り等公知の手段により、電気錫メッキ鋼板、クロム処理鋼板、アルミニウム板等の金属基材、前記した金属にラミネートされたペットフィルム上に塗装することが出来る。
また、本発明の水性塗料組成物は、150〜200℃、10分程度の条件から250℃、10秒程度の高温短時間条件まで広範な乾燥条件に於いて、性能良好な硬化塗膜を形成することが出来る。
以下、本発明を実施例にて具体的に説明する。例中「部」及び「%」は、「質量部」、「質量%」を各々表わす。
合成例a−1(水性アクリル樹脂(A)溶液の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管および滴下槽を備えた反応容器に、エチレングリコールイソプロピルエーテル360部を仕込み、120℃まで昇温した。此の温度を保持しつつ、滴下槽から、アクリル酸24部、N−ブトキシメチルアクリルアミド78部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18部、メタクリル酸メチル90部、アクリル酸ブチル45部およびアクリル酸エチル45部と、アゾビスイソブチロニトリル9部とからなる混合物を、4時間かけて連続滴下した。滴下終了の1時間後に、ジ−t−ブチルパーオキサイドの3部を添加し、さらに2時間反応させた。次いで、かくして得られた樹脂溶液より、減圧下で、200部の溶剤を溜去し、N,N−ジメチルアミノエタノール27部で中和した。引き続いて、水の113部で希釈することによって、不揮発分が50.1%で、かつ、酸価が29.5のアクリル樹脂の水溶液を得た。以下、これをアクリル樹脂a−1と略記する。
合成例a−2〜a−7(水性アクリル樹脂溶液の合成)
前記した合成例a−1と同様にして、モノマー組成比が、表1に示すような配合比率で合成し、水性アクリル樹脂a−2〜a−7を得た。
Figure 2011144279
表1中の略号は以下を表す。
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
BMAM(n):N−n−ブトキシメチルアクリルアミド
BMAM(i):N−イソブトキシメチルアクリルアミド
HPMA:メタクリル酸ヒドロキシプロピル
HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル
MMA:メタクリル酸メチル
St:スチレン
BA:アクリル酸ブチル
EA:アクリル酸エチル
LMA:メタクリル酸ラウリル
(Mw):重量平均分子量
(NV):不揮発分(%)
合成例b−1(ベンゾグアナミン樹脂)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、メタノール320部、92%パラホルムアルデヒド195.7部およびベンゾグアナミン374部を仕込み、5N−水酸化ナトリウムで、pHを10.0に調整して、70℃まで昇温した。此の温度に、2時間維持して、メチロール化反応を行なってから、50%硫酸水溶液で、pH3.0に調整し、70℃で、4時間エーテル化反応を行なった。しかるのち、5N−水酸化ナトリウムで、pHを7.0に調整してから、減圧下で、メタノール、ホルムアルデヒドおよび水を溜去した。最後に、エチレングリコールモノプロピルエーテル75部で希釈し、析出した塩類を濾別して、不揮発分が80.1%なる、メチルエーテル化されたベンゾグアナミン樹脂を得た。以下、これをベンゾグアナミン樹脂b−1と略記する。
合成例b−2(ベンゾグアナミン樹脂)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、メタノール320部、92%パラホルムアルデヒド163部およびベンゾグアナミン187部を仕込み、5N−水酸化ナトリウムで、pHを10.0に調整して、70℃まで昇温した。此の温度に、2時間維持して、メチロール化反応を行なってから、50%硫酸水溶液で、pH3.0に調整し、70℃で、4時間エーテル化反応を行なった。しかるのち、5N−水酸化ナトリウムで、pHを7.0に調整してから、減圧下で、メタノール、ホルムアルデヒドおよび水を溜去した。最後に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル75部で希釈し、析出した塩類を濾別し、不揮発分が81.0%なる、メチルエーテル化されたベンゾグアナミン樹脂を得た。以下、これをベンゾグアナミン樹脂b−2と略記する。
カルボジイミド基含有水性樹脂として、日清紡ケミカル社製カルボジライトV−04(表2及び表3の中では、c−1と略記)を使用した。
合成例c−2(カルボジイミド基含有水性樹脂)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、メチルエチルケトン57g、トルエン105g、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート52.4g、ポリテトラメチレングリコール(分子量約750)55.5gを仕込み、90℃まで昇温し、此の温度を保持しつつ、3時間反応させた。引き続き、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド0.1gを仕込んで、110℃まで昇温し、此の温度を保持しつつ、6時間反応させた。次いで、かくして得られた反応溶液に、液状のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量=約220)48gを加えて、110℃で10時間反応させた。イソシアネート基が消失したことを確認した後に、減圧下で溶剤を溜去し、60℃まで降温して、不揮発分が40%になるように水を徐々に加えて希釈することによって、不揮発分が39.8%で、かつ、淡黄色透明なる、ポリカルボジイミド樹脂溶液を得た。以下、これをカルボジイミド基含有水性樹脂c−2と略記する。
(実施例1〜6)
合成例a−1からa−5までで得た水性アクリル樹脂溶液、合成例b−1およびb−2で得たアミノ樹脂溶液、市販品及至合成例c−2で得られたカルボジイミド基含有水性樹脂を、各成分の固形分比が表2に示したように調合し、これにエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、水、及びp-トルエンスルホン酸を添加混合して、不揮発分45%、触媒量0.3PHRの塗料を調製した。
(比較例1〜3)
実施例と同様の方法で、水性アクリル樹脂、アミノ樹脂、カルボジイミド基含有水性樹脂の固形分比が、表3となるように塗料を調製した。
上記で得られた各水性塗料組成物を、以下に示す評価方法で各項目を評価した。結果を表2および表3に示す。
(レトルト処理後の樹脂分の抽出性)
下地はTFS(ティンフリースチール)板およびペットフィルムをラミネート接着したTFS板とし、乾燥後の塗膜膜厚が4〜6μmになるように塗装し、200℃80秒間の焼付け乾燥をする。作成したパネルのレトルト処理前後の質量変化から、塗膜成分の抽出率を算出する。レトルト処理は、各々の塗膜を、それぞれの一定量の水に浸漬した状態で125℃30分間加圧蒸気処理(以下レトルト処理と記す)をする。その後、塗膜中の水分を除くために、110℃で乾燥をして恒量になった質量数値でもって、単位塗膜量当たりの抽出率(質量減少率)を算出する。
処理前後で比較して、
抽出率が3%以下:○、
抽出率が3%を超えてから6%以下:△、
抽出率が6%を超える:×
(レトルト処理後の外観変化および白化)
上記の下地に金属用墨インキを印刷した上に、実施例および比較例の塗料を塗装して、前述の焼付け乾燥によって塗膜を作成し、水に浸漬した状態で125℃30分間レトルト処理を行い、レトルト処理前後の塗膜の外観の変化(光沢の変化、ブリスターの有無等)および白化の程度を目視にて判定する。
処理前後で比較して、外観変化が;
差がない:○、
差がわずかにある:△、
差がある:×
「レトルト処理後の塗膜性能変化」
上記の下地に任意の色の金属用インキを印刷した上に、実施例および比較例の塗料を塗装して、前記の焼付け乾燥によって塗膜を作成し、125℃30分間レトルト処理を行い、レトルト処理前後の塗膜の各試験結果の変化にて判定する。
(引掻き硬度試験)
レトルト処理前後で比較し、
差が20cN未満:○、
差が20〜50cN:△、
差が50cNを超える:×
(80℃湯中浸漬での鉛筆硬度)
レトルト処理前後で比較し、
差が無い:○、
差が1ランクから2ランク以下:△、
差が2ランクを越える:×
(密着性:碁盤目セロハン粘着テープ剥離試験(剥離面積を100%換算する))
レトルト処理前後のそれぞれで、
剥離%が0%:○、
剥離が1%−15%以下:△、
剥離が15%を越える:×
(耐加工密着性:キャップ加工後レトルト処理試験(剥離面積を100%換算する))
レトルト処理前後で剥離%を比較して、
差が10%以下:○、
差が10%−30%以下:△、
差が30%を越える:×
(オーブンヒューム発生性)
一定の大きさの塗装板に各々の塗料を塗布した(未乾燥の)パネルを、200℃に加熱したホットプレートの上に置き、塗膜表面から1cm離れた位置に捕集パネルを設置して、上面(ヒューム付着の反対面)を氷水等で冷却しながらヒュームを付着させる。2分間の捕集を1回分として、この一連の操作を20回分繰り返す。かくして得られた捕集パネルの質量変化を測定して、塗布した塗料の単位質量当たりの捕集パネルの質量増加率を算出して、ヒューム発生性を判定する。
ヒューム捕集量が0.3%以下:○、
ヒューム捕集量が0.3%を超えてから1.0%以下:△、
ヒューム捕集量が1.0%を超える:×
(塗料の貯蔵安定性)
40℃一ヶ月間の経時での貯蔵塗料の状態変化を、濁度、樹脂沈殿物の有無、粘性について目視にて判定する。
処理前後で比較して;
差がない:○、
差がわずかにある:△、
差がある:×
Figure 2011144279
Figure 2011144279
本発明の水性塗料組成物は、殺菌処理の熱処理工程に耐え得る優れた耐レトルト性を有する塗膜を形成し、且つ、焼付けのためのオーブン中でのヒューム発生を抑制することが可能であり、各種飲料缶・食品缶用途への展開が可能となる。

Claims (3)

  1. カルボキシル基及びN−アルコシキメチル(メタ)アクリルアミド基を有する水性アクリル樹脂(A)、活性水素を有するアミノ化合物、ホルムアルデヒド及び炭素数1〜4のアルコールとの反応生成物であって、活性水素を有するアミノ化合物の1構造単位(核体)当たり1以上のイミノ基を有するアミノ樹脂(B)、及び、カルボジイミド基を有する水性樹脂(C)を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 前記したカルボジイミド基を有する水性樹脂(C)の含有量が、樹脂固形分中0.01〜10質量%である請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. 前記した水性アクリル樹脂(A)及びアミノ樹脂(B)の樹脂固形分合計に対して、水性アクリル樹脂(A)を40〜80質量%、アミノ樹脂(B)を20〜60質量%含有する請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
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