JP2009516638A - カルボジイミド化合物及びそれを含む水性硬化性樹脂組成物 - Google Patents

カルボジイミド化合物及びそれを含む水性硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、水性塗料に適用した場合に優れた耐水性を発揮すると共に、良好な貯蔵安定性を有するカルボジイミド化合物及びそれを用いた水性硬化性樹脂組成物を提供することであり、本発明のカルボジイミド化合物は、下記一般式(1):
【化1】
Figure 2009516638

(式中、Xは少なくとも1個のカルボジイミド基を含有する2官能性有機基を表す。Yはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルから水酸基を除いた構造を表す。Rは水素又は炭素数2以下のアルキル基を表す。Rは炭素数4以下のアルキレン基を表す。nは0又は1を表す。mは11以上の数を表す。)で表され、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルにおけるオキシアルキレン基の繰り返し数が6〜40である。

Description

技術分野
本発明は、カルボジイミド化合物及びそれを含む水性硬化性樹脂組成物に関する。
発明の背景
近年、自動車や二輪車等の車輌の外板や部品などの金属製被塗物に塗装する際に、溶剤型塗料に代わって水性塗料が多く用いられるようになってきている。水性塗料は、一般的に、溶剤型塗料に比べて耐水性が劣るというデメリットがあるが、水性塗料の耐水性を向上させるために、例えば、カルボジイミド化合物を含有する水性硬化性樹脂組成物を含有する塗料組成物が提案されている(例えば、特開2001−11151号公報)。
特開2003−306476号公報は、耐水性をさらに向上させることを目的としたカルボジイミド化合物及びそれを含む水性硬化性樹脂組成物を開示している。特開2003−306476号公報によれば、カルボジイミド化合物を塗料に添加することによって、比較的低温での硬化が可能であり、かつ耐水性等の特性が優れた塗料を得ることができる。
発明の要旨
しかしながら、特開2003−306476号公報に記載の従来のカルボジイミド化合物は親水性が高く、比較的低温でもカルボキシル基と容易に反応しやすい。カルボジイミド化合物とカルボキシル基との反応が容易に進行すると、塗料粘度が上昇する等の問題が生じ、塗料の貯蔵安定性が低下してしまう。したがって、特開2003−306476号公報に記載の従来のカルボジイミド化合物を塗料に添加する場合、その添加量次第で、塗料の貯蔵安定性が低下する場合がある。
それゆえ、本発明の目的は、水性塗料に適用した場合に優れた耐水性を発揮すると共に、良好な貯蔵安定性を有するカルボジイミド化合物及びそれを用いた水性硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明は、下記一般式(1):
Figure 2009516638
(式中、Xは少なくとも1個のカルボジイミド基を含有する2官能性有機基を表す。Yはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルから水酸基を除いた構造を表す。Rは水素又は炭素数2以下のアルキル基を表す。Rは炭素数4以下のアルキレン基を表す。nは0又は1を表す。mは11以上の数を表す。)で表され、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルにおけるオキシアルキレン基の繰り返し数が6〜40であるカルボジイミド化合物である。
また、本発明は、上記のカルボジイミド化合物と、カルボキシル基を有する樹脂とを含有する水性硬化性樹脂組成物に関する。
好ましくは、樹脂は、さらに水酸基を有するとよい。
また、水性硬化性樹脂組成物は、硬化剤として、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂および/またはオキサゾリン系化合物を含有していてもよい。好ましくは、硬化剤としてメラミン樹脂を含有するとよい。
また、カルボキシル基を有する樹脂が、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエポキシ樹脂、水性ポリエステル樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂であってもよい。
また、硬化剤は、メトキシ基とブトキシ基とを有するメラミン樹脂であり、メトキシ基とブトキシ基との比率(メトキシ基/ブトキシ基)が70/30〜0/100であり、メラミン樹脂の水との相溶性が10mL/g以下であってもよい。
このとき、好ましくは、カルボジイミド化合物のHLB(すなわち、疎水部に対する親水部の割合)が2.0〜6.3であるとよい。より好ましくは、OR基及びYが有するオキシアルキレン基のうち、一方の炭素数は1又は2であり、他方の炭素数は3又は4であるとよい。
また、本発明は、被塗物に対して、ウエットオンウエットで順に形成した未硬化の中塗り塗膜、水性ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に加熱硬化させる複層塗膜形成方法に用いられる水性中塗り塗料組成物であって、上記に記載の水性硬化性樹脂組成物を含有する、水性中塗り塗料組成物に関する。
本発明によれば、疎水部に対する親水部の割合(すなわち、HLB)が適切に調整されたカルボジイミド化合物及びそれを用いた水性硬化性樹脂組成物が提供される。これにより、水性塗料に適用した場合に、優れた耐水性を発揮すると共に、良好な貯蔵安定性を得ることができる。なお、本明細書において、親水部は、上記一般式(1)におけるOR基、及びYの少なくとも一方に相当するものとする。OR基が親水部に相当する場合、OR基の炭素数は1又は2である。Yが親水部に相当する場合、Yが有するオキシアルキレン基の炭素数は、1又は2である。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明に係るカルボジイミド化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2009516638
(式中、Xは、少なくとも1個のカルボジイミド基を含有する2官能性有機基を表わす。Yは、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルから水酸基を除いた構造を表わす(すなわち、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル残基)。Rは水素又は炭素数2以下のアルキル基を表す。Rは、炭素数4以下のアルキレン基を表わす。nは0又は1を表わす。mは11以上の数を表わす。)カルボジイミド化合物において、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルにおけるオキシアルキレン基の繰り返し数が6〜40である。すなわち、式中、Yは、−(アルキレン−O−)6−40−アルキル基を表す[式中の(アルキレン−O−)部分を「Yが有するオキシアルキレン基」と呼ぶ場合もある]。カルボジイミド化合物は、上に示す構造を有することによって、水性塗料組成物の硬化剤として好適に使用することができることとなる。
は、水素又は炭素数2以下のアルキル基を表す。アルキル基としてはメチル基およびエチル基が挙げられる。Rは、炭素数4以下(すなわち、炭素数1〜4)のアルキレン基を表わす。アルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。Rは、同一であっても、異なっていてもよい。また、nは、0又は1を表わす。また、一般式(1)においては、OR基の個数はmで決定される。OR基が鎖中に存在することで鎖長が伸びて自由度が増すことにより、反応性の向上が期待できる。好ましいmの値は11以上である。また、水への分散が可能である限り、mは11以上の任意の値を取り得るが、好ましくは、mは60以下であるとよい。また、mは、同一であっても、異なっていてもよい。
OR基の炭素数が1又は2である場合、mが11を下回ると、水への分散が困難になる。一方、mが60を上回ると、親水性がさらに高くなり、貯蔵安定性が低下するおそれがある。OR基の炭素数が3又は4である場合、mが11を下回ると、親水性が高くなり、貯蔵安定性が低下する。一方、mが60を上回る場合、水への分散が困難になるおそれがある。
なお、一般式(1)におけるmの値は、それぞれ鎖中のOR1基の個数の平均値を意味するものである。
Yが有するオキシアルキレン基は、例えば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などの炭素数1〜4のオキシアルキレン基を挙げることができ、またこれらを2種以上用いてもよい。オキシアルキレン基の繰り返し数は、上限が40、下限が6である。好ましくは、上限が30、下限が9であるとよい。
Yが有するオキシアルキレン基の炭素数が1又は2の場合、オキシアルキレン基の繰り返し数が40を上回ると、親水性が高くなり、貯蔵安定性が低下する。一方、オキシアルキレン基の繰り返し数が6を下回ると、水への分散が困難となる。Yが有するオキシアルキレン基の炭素数が3又は4の場合、オキシアルキレン基の繰り返し数が40を上回ると、水への分散が困難となる。一方、オキシアルキレン基の繰り返し数が6を下回ると、親水性が高くなり、貯蔵安定性が低下する。
Yが有する末端アルキル基(すなわち、Yのモノアルキルエーテル部分のアルキル基)は、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基など)が挙げられる。また、Yは、同一であっても、異なっていてもよい。
また、一般式におけるXは、少なくとも1個のカルボジイミド基を含有する2官能性(すなわち、2価)有機基である。本発明のカルボジイミド化合物は、このXを1分子中に3個有している。Xは、同一であっても、異なっていてもよい。カルボジイミド化合物がこのような3鎖型の構造を有していることで、低温での硬化が可能となる。Xは、カルボジイミド基と、ジイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた2価の炭化水素基とが交互に存在し、その両末端は2価の炭化水素基であることが好ましい。また、Xは、下記一般式(2)で表わすことができる。
Figure 2009516638
一般式(2)において、各Rは、炭素数6〜15の2価の炭化水素基であることが好ましい。具体的なものとして、フェニレン基、ジフェニレンメチレン基、ジフェニレン(ジメチル)メチレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基、テトラメチルキシリレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、ジシクロヘキシレンメチレン基等を挙げることができる。好ましいものは、ジシクロヘキシレンメチレン基である。一方、一般式(2)におけるpは、1〜10である。pが大きくなれば、鎖中に存在するカルボジイミド基の個数が増加するので硬化性の向上が期待できるため、pは2以上であることが好ましいが、その上限値は8以下であることがさらに好ましい。
好ましくは、本発明に係るカルボジイミド化合物は、疎水部に対する親水部の割合(HLB)が2.0〜6.3であることが好ましい。HLB値は、重量分率に基づくグリフィン式(以下に示す数式(1))により求められる。
HLB=20×(MH/M)・・・(1)
数式(1)において、MHは親水部の分子量、Mはカルボジイミド化合物全体の分子量を示す。なお、Yが親水部に相当する場合、すなわち、Yが有するオキシアルキレン基の炭素数が1又は2である場合、Yについては、オキシアルキレン基のみの分子量を用いてHLBを算出する。
好ましくは、OR基、及びYが有するオキシアルキレン基のうち、一方の炭素数が1又は2であり、他方の炭素数が3又は4であるとよい。より好ましくは、OR基の炭素数が3又は4であり、Yが有するオキシアルキレン基の炭素数が1又は2であるとよい。さらに好ましくは、OR基の炭素数が3であり、Yが有するオキシアルキレン基の炭素数が2であるとよい。これにより、カルボジイミド化合物の水への分散性を向上させることができる。
このように、疎水部に対する親水部の割合(HLB)を適切に調整することにより、カルボジイミド化合物を水性塗料に適用した場合に、優れた耐水性を発揮すると共に、良好な貯蔵安定性を得ることができる。
(カルボジイミド化合物の製造方法)
本発明に係るカルボジイミド化合物は、例えば、分子内に少なくとも1個のカルボジイミド基を有するジイソシアネート化合物を用意する工程(A)、該ジイソシアネート化合物とポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとを反応させる工程(B)及びジイソシアネート化合物とポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとの反応物と3官能ポリオールとを反応させる工程(C)からなる製造方法によって得ることができる。
工程(A)は、分子内に少なくとも1個のカルボジイミド基を有するジイソシアネート化合物を用意するものである。この分子内に少なくとも1個のカルボジイミド基を有するジイソシアネート化合物は、ジイソシアネート化合物の縮合反応によって得ることができる他、日清紡績社からカルボジライトシリーズとして販売されている。カルボジライトシリーズの中で好ましいものは、V−01である。
ジイソシアネート化合物の縮合反応により、分子内に少なくとも1個のカルボジイミド基を有するジイソシアネート化合物を得る場合、用いるジイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート及びこれらの混合物等を挙げることができる。ジイソシアネート化合物は、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであることがより好ましい。
縮合反応は、カルボジイミド化触媒を用いて行うことができる。カルボジイミド化触媒としては特に限定されず、例えば、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドや、これらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等を挙げることができる。カルボジイミド化触媒としては、反応性の観点から、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドがより好ましい。
工程(B)は、先の工程(A)で得られた分子内に少なくとも1個のカルボジイミド基を有するジイソシアネート化合物と、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとを反応させるものである。反応で得られる化合物は、さらに次の工程(C)で3官能ポリオールと反応させる必要があるため、イソシアネート基が残存している必要がある。このため、反応においては、イソシアネート基の当量が水酸基の当量を上回っている必要があり、好ましくは、イソシアネート基と水酸基との当量比が2/1になる量であることが好ましい。反応は通常、当業者によく知られた条件で行うことができ、必要に応じてスズ系の触媒を使用することができる。
ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、繰り返し単位が6〜40のポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリブチレングリコールモノアルキルエーテルを挙げることができる。
工程(C)は、工程(B)で得られた反応物と3官能ポリオールとを反応させるものである。3官能ポリオールは、反応物のイソシアネート当量以上の水酸基当量になる量を通常用いる。イソシアネート当量と水酸基当量とが等しいことが好ましい。なお、反応物のイソシアネート当量は、直接測定する以外に、先の工程におけるジイソシアネート化合物とポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとの配合比から計算によって求めることも可能である。反応は先の工程(B)と同様に行うことができる。このようにして、本発明に係るカルボジイミド化合物を得ることができる。
3官能ポリオールは、例えば、トリメチロールプロパンやグリセリン等のアルキレンオキサイド付加物であることが、入手が容易な点から好ましい。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。グリセリンのアルキレンオキサイド付加物は三洋化成社からGPシリーズとして市販されている。GPシリーズは、例えば、GP−250やGP−3000がある。
(カルボジイミド化合物を含有する水性硬化性樹脂組成物)
本発明に係る水性硬化性樹脂組成物は、上述したカルボジイミド化合物と、カルボキシル基を有する樹脂(以下、「カルボキシル基含有水性樹脂」と呼ぶ。)とを含有する。水性硬化性樹脂組成物の状態は特に限定されるものではなく、例えば、水溶液、エマルション、ディスパージョン等の形態を挙げることができる。水性硬化性樹脂組成物は、好ましくは、さらに水酸基を有するものであるとよい。
カルボキシル基含有水性樹脂は、固形分酸価が、下限2mgKOH/g、上限80mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。固形分酸価が2mgKOH/gを下回る場合、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した際に十分な塗膜物性が得られないおそれがあり、80mgKOH/gを上回る場合、得られる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。また、カルボキシル基含有水性樹脂は、水酸基価が、下限10、上限120の範囲内であることが好ましい。水酸基価が10を下回る場合、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した際に十分な塗膜物性が得られないおそれがあり、水酸基価が120を上回る場合、得られる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。
好ましくは、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物が含有するカルボジイミド化合物の添加当量が、水性硬化性樹脂組成物の全固形分酸価に対して0.1〜1.0当量であるとよい。カルボジイミド化合物の添加当量が0.1当量を下回ると、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した際に十分な塗膜物性が得られないおそれがある。一方、カルボジイミド化合物の添加当量が1.0当量を上回ると、それ以上の効果が得られない。
また、カルボキシル基含有水性樹脂は、数平均分子量が3,000以上であることが好ましい。数平均分子量が3,000を下回ると、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した際に十分な塗膜物性が得られないおそれがある。
カルボキシル基含有水性樹脂は、有機溶剤中で合成し、カルボキシル基を塩基性化合物で中和することによって水性化するものであっても、水性媒体中で乳化重合してエマルションとして得られたものであってもよい。カルボキシル基含有水性樹脂としては、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエポキシ樹脂等を挙げることができる。
カルボキシル基含有水性アクリル樹脂は特に限定されず、例えば、カルボキシル基を有するラジカル重合性不飽和単量体及びその他のエチレン性不飽和単量体をからなる単量体組成物を共重合することによって得られるアクリル樹脂等を挙げることができる。
カルボキシル基を有するラジカル重合性不飽和単量体は特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フタル酸等を挙げることができる。その他のエチレン性不飽和単量体は特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート及びそれらとラクトンとの反応物等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド又はヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド及びブトキシメチルアクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体、その他、スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシル)及びメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル及びメタクリル酸ラウリル)等の非官能性エチレン性不飽和単量体等を挙げることができる。その他のエチレン性不飽和単量体は、2種類以上を併用して使用してもよい。
カルボキシル基含有水性ポリエステル樹脂は、アルコールと酸のエステル結合形成反応によって得られるものである。カルボキシル基含有水性ポリエステル樹脂は、多価アルコール、多価カルボン酸、ラクトン、ヒドロキシカルボン酸等を原料として得られるものである。本明細書において、ポリエステル樹脂とは、いわゆるアルキド樹脂も含むものとする。
多価アルコールは、1分子中に2つ以上の水酸基を有する化合物である。多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、4官能原料のペンタエリスリトールや、トリメチロールプロパン及びヘキサントリオール等のトリオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、カプロラクトンジオール及びビスヒドロキシエチルタウリン等のジオールを挙げることができる。アルコール成分は、2種類以上を併用して使用するものであってもよい。
多価カルボン酸は、1分子中に2つ以上のカルボキシル基を有する化合物である。多価カルボン酸としては特に限定されず、例えば、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸及びテトラヒドロフタル酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリメリット酸等のトリカルボン酸;ステアリン酸及びラウリル酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸及びミリスチン酸等の不飽和脂肪酸、ひまし油、パーム油及び大豆油等の天然油脂及びそれらの変性物の長鎖脂肪酸等を挙げることができる。多価カルボン酸成分は、2種類以上を同時に使用するものであってもよい。
ラクトンは、環状エステル結合を有する化合物である。ラクトンとしては特に限定されず、例えば、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。ラクトンは、2種類以上を同時に使用するものであってもよい。多価アルコール及び多価カルボン酸と併用して使用するものであってもよい。
ヒドロキシカルボン酸は、1分子中に水酸基とカルボキシル基とを有する化合物である。ヒドロキシカルボン酸としては特に限定されず、例えば、ジメチロールプロピオン酸等のヒドロキシカルボン酸等を挙げることができる。ヒドロキシカルボン酸は、2種類以上を同時に使用するものであってもよく、また、多価アルコール、多価カルボン酸及びラクトンを併用して使用するものであってもよい。
カルボキシル基含有水性ポリエステル樹脂は、原料によって得られたポリエステル樹脂が水酸基を有する場合、水酸基の一部又は全部を無水フタル酸、無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物によってカルボキシル基に変性したものであってもよい。
カルボキシル基含有水性ポリウレタン樹脂は、ジイソシアネート化合物と、例えば、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分を含むジオールとの反応により得られる樹脂であり、ウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ウレタン樹脂の中でもカルボキシル基を含有する樹脂が好適に用いられ、当該カルボキシル基の導入は、原料由来の水酸基の一部又は全部を酸無水物等によってカルボキシル基に変性したものや、1分子中に水酸基とカルボキシル基とを有する化合物をジオール成分として用いる場合等が挙げられる。カルボキシル基を有するジオールとしては特に限定されず、例えば、ジメチロールプロピオン酸等を好適なものとして挙げることができる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、及びその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、及びその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
カルボキシル基含有水性ポリエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂骨格を有する樹脂等を挙げることができる。上記ポリエポキシ樹脂の中でもカルボキシル基を含有する樹脂が好適に用いられ、当該カルボキシル基の導入方法としては、原料に由来する水酸基の一部又は全部を酸無水物によってカルボキシル基に変性したものや、分子内にカルボキシル基とを有する化合物を原料成分として用いる場合が挙げられる。上記ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、Fが挙げられる。またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したもの等を挙げることができる。
カルボキシル基含有水性樹脂を水に分散又は溶解するために使用する塩基性化合物としては特に限定されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジメチルエタノールアミン等の有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等の無機塩基類等を挙げることができる。塩基性化合物による中和率は特に限定されず、水性樹脂を水性化することができれば特に限定されない。中和率は通常、樹脂が有するカルボキシル基当量の40〜120%である。
また、本発明にかかる水性硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、その他の硬化剤を併用するものであってもよい。その他の硬化剤は特に限定されず、例えば、本発明に係るカルボジイミド化合物以外の他のカルボジイミド系化合物やオキサゾリン系化合物、イソシアネート樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上が適宜組み合わされ使用される。
メラミン樹脂としては特に限定されず、硬化剤として通常用いられるものを使用することができる。例えば、アルキルエーテル化したアルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましく、メトキシ基及び/又はブトキシ基で置換されたメラミン樹脂がより好ましい。このようなメラミン樹脂としては、メトキシ基を単独で有するものとして、サイメル325、サイメル327、サイメル370、マイコート723;メトキシ基とブトキシ基との両方を有するものとして、サイメル202、サイメル204、サイメル211、サイメル232、サイメル235、サイメル236、サイメル238、サイメル254、サイメル266、サイメル267、(何れも商品名、日本サイテックインダストリーズ社製);ブトキシ基を単独で有するものとして、マイコート506(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製)、ユーバン20N60、ユーバン20SE(何れも商品名、三井化学社製)、スーパーベッカミン13−548(商品名、大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の硬化剤は、その中でも、メトキシ基とブトキシ基とを有し、その比率(メトキシ基/ブトキシ基)が70/30〜0/100であるメラミン樹脂が好ましい。メトキシ基/ブトキシ基の比率が上記数値範囲にあるメラミン樹脂を使用すれば、水性硬化性樹脂組成物により形成する樹脂膜の耐水性を向上させることができる。
イソシアネート樹脂は、ジイソシアネート化合物を適当なブロック剤でブロックしたものである。上記ジイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族−脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイソシアネート類;ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、水素化されたTDI(HTDI)、水素化されたXDI(H6XDI)、水素化されたMDI(H12MDI)等の水素添加ジイソシアネート類、及び以上のジイソシアネート類のアダクト体及びヌレート体等を挙げることができる。さらに、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
ジイソシアネート化合物をブロックするブロック剤としては、特に限定されず、例えば、メチルエチルケトオキシム、アセトキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;m−クレゾール、キシレノール等のフェノール類;ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;ε−カプロラクタム等のラクタム類;マロン酸ジエチル、アセト酢酸エステル等のジケトン類;チオフェノール等のメルカプタン類;チオ尿酸等の尿素類;イミダゾール類;カルバミン酸類等を挙げることができる。なかでも、オキシム類、フェノール類、アルコール類、ラクタム類、ジケトン類が好ましい。
オキサゾリン系化合物は、2個以上の2−オキサゾリン基を有する化合物であることが好ましく、例えば、下記のオキサゾリン類やオキサゾリン基含有重合体等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。オキサゾリン系化合物は、アミドアルコールを触媒の存在下で加熱して脱水環化する方法、アルカノールアミンとニトリルとから合成する方法、或いはアルカノールアミンとカルボン酸とから合成する方法等を用いることによって得られる。
上記オキサゾリン類としては、例えば、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
上記オキサゾリン基含有重合体は、付加重合性オキサゾリン及び必要に応じて少なくとも1種の他の重合性単量体を重合したものである。付加重合性オキサゾリンとしては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上が適宜組み合わされて使用される。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
上記付加重合性オキサゾリンの使用量は特に限定されるものではないが、オキサゾリン基含有重合体中、1質量%以上であることが好ましい。1質量%未満の量では硬化の程度が不充分となる傾向にあり、耐久性、耐水性等が損なわれる傾向にある。
上記他の重合性単量体としては、付加重合性オキサゾリンと共重合可能で、かつ、オキサゾリン基と反応しない単量体であれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化α,β−不飽和単量体類;スチレン、α−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族単量体類等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
オキサゾリン基含有重合体は、付加重合性オキサゾリン及び必要に応じて少なくとも1種の他の重合性単量体から、従来公知の重合法、例えば懸濁重合、溶液重合、乳化重合等により製造できる。上記オキサゾリン基含有化合物の供給形態は、有機溶剤溶液、水溶液、非水ディスパーション、エマルション等が挙げられるが、特にこれらの形態に限定されない。
上記カルボジイミド系化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができるが、基本的には有機ジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりイソシアネート末端ポリカルボジイミドを合成して得られたものを挙げることができる。より具体的には、ポリカルボジイミド化合物の製造において、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個含有するポリカルボジイミド化合物と、分子末端に水酸基を有するポリオールとを、上記ポリカルボジイミド化合物のイソシアネート基のモル量が上記ポリオールの水酸基のモル量を上回る比率で反応させる工程と、上記工程で得られた反応生成物に、活性水素及び親水性部分を有する親水化剤を反応させる工程とにより得られた親水化変性カルボジイミド化合物が好ましいものとして挙げることができる。
1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個含有するカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、反応性の観点から、両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物であることが好ましい。両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の製造方法は当業者によってよく知られており、例えば、有機ジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応を利用することができる。
一例として、水性硬化性樹脂組成物が、水分散型ポリウレタン組成物、水分散型アクリル樹脂、及びその他の硬化剤を含有する場合の配合量について説明する。水性硬化性樹脂組成物の樹脂固形分中、水分散型ポリウレタン組成物の固形分は、水分散型ポリウレタン組成物、水分散型アクリル樹脂及びその他の硬化剤の固形分の合計量に対して5〜35質量%、さらには5〜30質量%が好ましい。水分散型ポリウレタン組成物の含有量が上記範囲よりも少ない場合、水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した際に得られる塗膜の耐チッピング性向上効果が小さくなる。一方、上記範囲を超えて含まれる場合、水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した際における耐水性が低下する傾向にあり、いずれも本発明の効果を発揮できない場合がある。また水分散型アクリル樹脂の固形分は、水分散型ポリウレタン組成物、水分散型アクリル樹脂及び硬化剤の固形分の合計量に対して15〜90質量%、さらには20〜80質量%が好ましい。水分散型アクリル樹脂の含有量が上記範囲よりも少ない場合、水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した際に得られる塗膜の耐チッピング性が低下する傾向にある。一方、上記範囲を超えて含まれる場合、水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した際に得られる塗膜の耐水性が低下する傾向にあり、いずれも本発明の効果を発揮できない場合がある。
また、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物は、硬化剤と重合体とを複合させたエマルション(以下、「複合エマルション」と呼ぶ。)をさらに含有してもよい。この場合、上記の例に従うと、上記水分散型ポリウレタン組成物、水分散型アクリル樹脂及びその他の硬化剤に、硬化剤と重合体とを複合させたエマルションをさらに加えることとなる。なお、その他の硬化剤と、エマルションを調製するために用いられる硬化剤とを区別するために、後者を複合化硬化剤と呼ぶ。
複合エマルションとしては、複合化硬化剤の存在下に、上述のカルボキシル基含有水性アクリル樹脂の箇所で述べたエチレン性不飽和単量体の混合物であって、ガラス転移温度が−30℃〜30℃、好ましくは−25℃〜25℃、酸価が5〜15mgKOH/g、水酸基価が30〜100、好ましくは35〜90であるモノマー混合物を乳化重合することによって得られる硬化剤複合エマルションを挙げることができる。
上記複合化硬化剤としては、既述のその他の硬化剤と同様、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、オキサゾリン系化合物又はカルボジイミド系化合物等を採用することができ、これらの2種またはそれ以上を併用することもできる。その中でも、メトキシ基とブトキシ基とを有し、その比率(メトキシ基/ブトキシ基)が70/30〜0/100であるメラミン樹脂が好ましい。メトキシ基/ブトキシ基の比率が上記数値範囲にあるメラミン樹脂を使用すれば、複合エマルションを添加しない場合に比べ、水性硬化性樹脂組成物により形成する樹脂膜の耐水性をより向上させることができる。
また、上記メラミン樹脂の水相溶性は10mL/g以下であることが好ましい。水相溶性は次の手法で測定することができる。すなわち、試料(ここではメラミン樹脂)5gを上皿直示天秤で200mLビーカーに量り採り、イソプロピルアルコールを5g加え、混合、溶解する。そして20℃で攪拌しながら脱イオン水で滴定し、200mLビーカーの下に置いた印刷物の5号活字が、ビーカー上部から判読不能となったときを終点とする。
さらに、上記メラミン樹脂はキシレン相溶性が100mL/g以上であることが好ましい。キシレン相溶性は次の手法で測定することができる。すなわち、試料(ここではメラミン樹脂)10gを上皿直示天秤で200mLビーカーに量り採り、25℃で攪拌しながらキシレンで滴定し、200mLビーカーの下に置いた印刷物の5号活字が、ビーカー上部から判読不能となったときを終点とする。
複合化硬化剤は、製造される硬化剤複合エマルションの全固形質量に対して10〜30質量%、さらには20〜25質量%添加させることが好ましい。
硬化剤複合エマルションは、上記各モノマー成分の混合物のガラス転移温度が−30℃〜30℃、酸価が5〜15mgKOH/g、水酸基価が30〜100となるように各エチレン性不飽和単量体の種類や配合量を選択し、選択されたエチレン性不飽和単量体を常法の乳化共重合法により重合することにより得られる。
また、上記各エチレン性不飽和単量体に加えて、分子内に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を含有する重合性モノマーを配合し、乳化重合することも好ましい。
本発明の水性硬化性樹脂組成物中に硬化剤複合エマルションを含有させる場合、その量は、水性硬化性樹脂組成物の樹脂固形分(例えば、水分散型ポリウレタン組成物、水分散型アクリル樹脂、その他の硬化剤及び硬化剤複合エマルションの固形分)の合計量に対して5〜70質量%、さらには10〜60質量%が好ましい。硬化剤複合エマルションの含有量が上記範囲内であれば耐水性、耐チッピング性が良好である。
さらに、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物は、上記成分の他、表面調整剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶剤等の通常使用される各種の添加剤を使用することができる。
(水性硬化性樹脂組成物の製造方法)
次に、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物の製造方法について説明する。当該水性硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、カルボキシル基含有水性樹脂と各種添加剤(例えば、硬化剤など)とを混合して、最後にカルボジイミド化合物を加える方法がある。なお、カルボジイミド化合物以外のその他の硬化剤を併用する場合、最初にカルボキシル基含有水性樹脂と混合しておく方法を採用し得る。
(水性硬化性樹脂組成物を含有する水性塗料組成物)
次に、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した場合について説明する。本発明に係る水性硬化性樹脂組成物を用いて生成した水性塗料組成物を使用する場合、カルボキシル基含有水性樹脂は、カルボキシル基含有水性アクリル樹脂のエマルション及びカルボキシル基含有水性ウレタン樹脂のディスパージョンを併用することが好ましい。成分を併用する場合は、カルボキシル基含有水性アクリル樹脂とカルボキシル基含有水性ウレタン樹脂との配合比は、樹脂固形分質量比で、80/20〜20/80であることが好ましく、上限が70/30、下限が50/50であることがさらに好ましい。
また、水性塗料組成物は、カルボジイミド化合物及びカルボキシル基含有水性樹脂成分の他に、着色顔料、光輝性顔料等の顔料を含有していてもよい。着色顔料としては特に限定されず、例えば、有機系、無機系の各種着色顔料及び体質顔料等を挙げることができる。有機系着色顔料としては,例えば、アゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系着色顔料としては、例えば、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等を挙げることができ、体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等を挙げることができる。光輝性顔料としては、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、アルミニウム等の金属若しくは合金等の無着色若しくは着色された金属製光輝剤及びその混合物、並びに/又は、干渉マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料、グラファイト顔料その他の有色偏平顔料等を挙げることができる。顔料を配合する場合、顔料は顔料/樹脂固形分との比が1/1〜1/100の割合で配合されていることが好ましい。
水性塗料組成物は、水性中塗り塗料組成物であってもよい。水性中塗り塗料組成物は、被塗物に対して、ウエットオンウエットで順に形成した未硬化の中塗り塗膜、水性ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に加熱硬化させる複層塗膜形成方法に用いられ得る。なお、「未硬化」とは、塗料の塗布後、塗膜を加熱により完全に硬化させる前の状態であり、例えば、プレヒート後の状態を含む。また、プレヒートとは、塗料の塗布後に、例えば、室温〜100℃以下の温度条件で1〜10分間放置又は加熱する工程である。
複層塗膜形成方法は、例えば、被塗物に塗布して中塗り塗膜を形成する工程(1)と、中塗り塗膜を完全に硬化させることなく、当該中塗り塗膜上に水性ベース塗料、及びクリヤー塗料を、ウエットオンウエットで順次塗布し、水性ベース塗膜及びクリヤー塗膜を形成する工程(2)と、工程(1)及び(2)によって得られた中塗り塗膜、水性ベース塗膜、及びクリヤー塗膜を同時に加熱硬化する工程(3)とを備える。
すなわち、未硬化の中塗り塗膜上に、水性ベース塗料及びクリヤー塗料を順次ウエットオンウエットで塗布して、ベース塗膜、及びクリヤー塗膜を形成することができる。さらに、上述のようにして得られる複層塗膜は、同時に硬化させる、いわゆる3コート1ベークによって塗膜形成を行うことができる。この場合、中塗り塗膜の焼き付け乾燥炉を省略することができるため、経済性及び環境面からも好ましい。なお、水性中塗り塗料組成物及び水性ベース塗料塗布後には、プレヒート等の乾燥工程を適用することが好ましい。
また、上記被塗物としては、通常、金属、プラスチック、発泡体等を挙げることができる。金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等の金属単体及びこれらの金属単体を含む合金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車の車体及び部品の形態を取りうる。プラスチック基材としては、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂の製品等を挙げることができ、例えば、スポイラー、バンパー、ミラーカバー、グリル、ドアノブ等の自動車部品等を挙げることができる。基材には、必要に応じ、化成皮膜、電着塗膜やプライマー塗膜が施された上に、中塗り塗膜及び上塗り塗膜がこの順に形成される。
以上のように、本発明に係るカルボジイミド化合物は、親水部と疎水部との割合(HLB)を調整することにより、水に完全に溶解せず、水中で分散する水分散型とすることができる。これにより、カルボジイミド基を保護し、カルボキシル基との反応を抑制することができる。したがって、本発明に係るカルボジイミド化合物を含有する水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した場合、十分な耐水性を発揮し、かつ良好な貯蔵安定性を示す塗料を得ることができる。
また、本発明に係るカルボジイミド化合物は、水中における反応性を抑制しているものの、水の蒸発による塗膜の疎水化により硬化反応を容易に進行させることができる。したがって、塗料の安定性と反応性とを両立させることができる。
また、本発明に係るカルボジイミド化合物は、水に完全に溶解しない水分散型である。このため、従来の親水性が高いカルボジイミド化合物に比べ、塗料の粘度を低く設計することができる。したがって、高不揮発分の塗料を得ることができる。
また、本発明に係るカルボジイミド化合物を含有する水性硬化性樹脂組成物によれば、優れた硬化性を得ることができ、かつ成膜した場合においても、膜中に残存するカルボキシル基の量を低減させることができる。これにより、従来のカルボジイミド化合物を含有する水性硬化性樹脂組成物と比較しても、耐溶剤性に劣ることなく、良好な耐溶剤性を維持することができる。
さらに、本発明に係るカルボジイミド化合物を塗料に適用することにより、良好な塗膜の外観を得ることができる。その理由について以下に説明する。本発明に係るカルボジイミド化合物を塗料に添加することにより、塗膜のプレヒート時に、カルボジイミド化合物の一部が硬化反応を開始する。当該カルボジイミド化合物を、例えば水性中塗り塗料組成物に適用した場合、プレヒート後の塗膜の粘度が一定値以上に保たれるため、当該塗膜上に上塗り塗料を塗布した際に、上塗り塗料に含まれる溶剤や低分子量成分がプレヒート後の塗膜へ移行しまうことを防止することができる。また、本発明に係るカルボジイミド化合物の加熱時における硬化反応は、メラミン/水酸基の反応より早く進行するため、水性中塗り塗料組成物の硬化に要する時間を短縮することができる。よって、水性中塗り塗料組成物を上塗り塗料よりも早く硬化させることができるため、中塗り塗膜の体積収縮が上塗り塗膜に影響を及ぼすことがない。したがって、良好な塗膜外観を得ることができる。
以上のように、本発明に係るカルボジイミド化合物を含有する水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した場合、当該塗料により形成される塗膜は、優れた塗膜外観及び耐水性を有する。
好ましくは、水性硬化性樹脂組成物は、カルボジイミド化合物の他に、さらに硬化剤を含有するとよい。これにより、水性硬化性樹脂組成物を塗料に適用した場合、好適な耐チッピング性を得ることができる。より好ましくは、水性硬化性樹脂組成物は、その他の硬化剤及びカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂を含有するとよい。その他の硬化剤及びカルボキシル基含有水性ポリウレタン樹脂を共に水性硬化性樹脂組成物に添加することによって弾性力が向上する。したがって、さらに、耐チッピング性を向上させることができる。また、硬化剤は、メラミン樹脂であるとよい。
上記では本発明のいくつかの例示的な実施形態のみが詳細に記載されているが、当業者は、上記の例示的な実施形態において、本発明による新たな教示および利点から実質的に逸脱することなく、多くの変更が可能であることを容易に理解する。従って、全てのこのような変更は、本発明の範囲内に含まれることを意図する。
以下、本発明に係る実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において、特に断りのない限り、「部」は「質量部」であるものとする。
(実施例1)
(カルボジイミド化合物A−1の製造)
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート3,930部を、カルボジイミド化触媒である3−メチル−1―フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド79部と共に、180℃で16時間反応させ、1分子にカルボジイミド基を4個有し、両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を得た。ここに、オキシエチレン基の繰り返し単位が平均9個であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル1,296部及びジブチル錫ジラウレート2部を加え、90℃で2時間加熱して、末端がイソシアネート基及び親水性基であるカルボジイミド化合物を得た。次に、グリセリンの3つの水酸基に、OR基に相当するプロピレンオキサイドを平均で16.7モルずつ付加した構造を有するGP−3000(三洋化成社製)3000部を加え、90℃で、6時間反応させた。反応物は、IRによってイソシアネート基が消失していることが確認された。ここに脱イオン水18,800部を加えて撹拌し、樹脂固形分30質量%のカルボジイミド化合物の水分散体を得た。作製したカルボジイミド化合物A−1の組成を表1に示した。
Figure 2009516638
実施例1において得られたカルボジイミド化合物A−1を用い、水分散性及び貯蔵安定性を評価した。
<水分散性>
実施例1で調整したカルボジイミド化合物A−1の水分散体を室温で1時間静置した後、その分散状態を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○;均一な状態にあり、沈降や凝集が認められない
×;沈降や凝集が認められた
<貯蔵安定性>
赤外吸収分光法を用い、調整直後のカルボジイミド化合物の水分散体、及び50℃下で1週間保管した後のカルボジイミド化合物の水分散体についてカルボジイミド基の残存率を評価した。
まず、調整直後のカルボジイミド化合物の水分散体2925cm−1付近(メチレン基のC−H間の伸縮振動)のピーク高さと、2120cm−1付近(カルボジイミドのN=C間の逆対称伸縮振動)のピーク高さとをチャートにより実測した。そして、実測値を用い、以下に示す数式(2)に基づいて相対強度(S0)を求めた。
相対強度(S0)
=2120cm−1のピーク高さ/2925cm−1のピーク高さ
・・・(2)
次に、50℃下で1週間保管した後のカルボジイミド化合物の水分散体について、上記と同様にしてピーク高さを実測し、相対強度(Sn)を求めた。
それぞれ求めた相対強度から、以下に示す数式(3)に基づきカルボジイミド基の残存率(Yn)を求めた。
残存率(Yn)=相対強度(Sn)/相対強度(S0)×100・・・(3)
その評価基準を以下に示した。
○ ;カルボジイミド基の残存率が90%以上
× ;カルボジイミド基の残存率が90%未満
その結果を表2に示した。
Figure 2009516638
表2において、NCN当量とはカルボジイミド当量を表し、カルボジイミド化合物の配合量(表1)から計算される設計値である。また、HLBは、カルボジイミド化合物の配合量(表1)から計算される設計値である。
また、表2において、− は、比較例1の貯蔵安定性について、得られたカルボジイミド化合物A−4の水分散性が乏しかったため、正確なデータを得ることができなかったことを示す。
(実施例2〜3及び比較例1〜2)
(カルボジイミド化合物A−2〜A−5の製造)
表1に示すように組成を変更したことの他は、製造例1と同様の手順でカルボジイミド化合物A−2〜A−5を製造した。
(実施例2〜3)
実施例2〜3において得られたカルボジイミド化合物A−2〜A−3を用い、水分散性及び貯蔵安定性を評価した。評価方法及び評価基準は実施例1と同様であるため、説明を省略する。また、その結果を上記表2に示した。
(比較例1〜2)
比較例1〜2において得られたカルボジイミド化合物A−4〜A−5を用い、水分散性及び貯蔵安定性を評価した。評価方法及び評価基準は実施例1と同様であるため、説明を省略する。また、その結果を上記表2に示した。
(製造例1)水分散型ポリウレタン組成物の製造
数平均分子量2,000の1,6−ヘキサンジオールから得られるポリカーボネートジオール0.26モル部、イソホロンジイソシアネート1.0モル部、及びジメチロールプロピオン酸0.36モル部と、これらの合計質量に対して39質量%のN−メチル−2−ピロリドンとを反応フラスコに仕込み、窒素気流下において、125℃で2時間反応させた後にトリエチルアミン0.47モル部を加え、さらに1時間撹拌してプレポリマーを得た。シリコーン系消泡剤SE−21(商品名、ワッカーシリコン社製)0.05gを溶解した120gの水に、上記で得られたプレポリマー100gを15分で滴下した。その後、モノエタノールアミン2.4gを加え、さらに、赤外吸収分光法を用いた測定により、イソシアネート基由来の吸収が喪失するまで40℃で撹拌して、不揮発分31.5質量%の水分散型ポリウレタン組成物を得た。GPC分析により、水分散型ポリウレタン組成物に分散しているポリウレタンの数平均分子量を測定したところ、2,200であった。
なお、数平均分子量の測定条件は、以下の通りとした。
カラム:TSKgel G4000 G3000 G2000、
溶離液:THF、
流量:1.000mL/分、
検出:UV(245nm)、
標準物質:PST
(製造例2)水分散型アクリル樹脂の製造
撹拌機や温度計、滴下ロート、還流冷却器、窒素導入菅などを備えた通常のアクリル系樹脂エマルション製造用の反応容器に、脱イオン水445部及びニューコール293(商品名、日本乳化剤社製)5部を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温した。下記モノマー混合液(固形分酸価10mgKOH/g、水酸基価60)、脱イオン水240部とニューコール293 30部とを混合した混合物をホモジナイザーによって乳化した。ホモジナイザーによって乳化したモノマープレ乳化液を反応容器中に3時間にわたって撹拌しながら滴下した。また、モノマープレ乳化液の滴下と並行して、重合開始剤としてAPS(過硫酸アンモニウム)1部を水50部に溶解した水溶液を、滴下速度を一定に保ちながら、モノマープレ乳化液の滴下終了時まで反応容器中に滴下した。モノマープレ乳化液の滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続し、その後冷却した。冷却後、ジメチルアミノエタノール2部を水20部に溶解した水溶液を投入し、不揮発分40.0質量%の水性樹脂エマルションを得た。得られた樹脂エマルションは、30%ジメチルアミノエタノール水溶液を用いてpH7.2に調整した。
(モノマー混合液の組成)
メタクリル酸メチル 119部
アクリル酸ブチル 231部
スチレン 62部
アクリル酸4−ヒドロキシブチル 80部
メタクリル酸 8部
エチレングリコールジメタクリレート 20部
(製造例3)水溶性アクリル樹脂の製造
反応容器にジプロピレングリコールメチルエーテル23.9部及びプロピレングリコールメチルエーテル16.1部を加え、窒素気流中で混合攪拌しながら120℃に昇温した。次いで、アクリル酸エチル54.5部、メタクリル酸メチル12.5部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル14.7部、スチレン10.0部、メタクリル酸8.5部の混合溶液とジプロピレングリコールメチルエーテル10.0部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2.0部からなる開始剤溶液とを3時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、0.5時間同温度で熟成を行った。
さらに、ジプロピレングリコールメチルエーテル5.0部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3部からなる開始剤溶液を0.5時間にわたり反応容器に滴下した。滴下終了後、1時間同温度で熟成を行った。次いで、脱溶剤装置により、減圧下(70Torr)110℃で溶剤を16.1部留去した後、脱イオン水187.2部及びジメチルアミノエタノール8.8部を加えて、不揮発分は31質量%、数平均分子量が27,000、固形分酸価56.2mgKOH/g、水酸基価70、粘度は15,000mPa・s(測定機器;東機産業社製R型シリーズ500、円錐型回転式粘度計、測定条件;1.34度コーン、1rpm/25℃)の水溶性アクリル樹脂を得た。
(製造例4)着色顔料ペーストの製造
ノニオン・アニオン系分散剤(商品名;Disperbyk 190、ビックケミー社製)9.4部、脱イオン水36.8部、ルチル型二酸化チタン34.5部、硫酸バリウム34.4部及びタルク6部を予備混合した後、ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で粒度5μm以下となるまで混合分散し、着色顔料ペーストを得た。
(製造例5)硬化剤複合エマルションの製造
撹拌機(商品名;T.K.ロボミックス、特殊機化工業株式会社製)を備えた10Lステンレスビーカーに、脱イオン水1,876部、反応性界面活性剤20%水溶液(商品名;ラムテルPD−104、花王株式会社製)400部、ロンガリット(スルホキシル酸ナトリウム・ホルムアルデヒド)8部を入れ、ロンガリットが溶解するまで撹拌した。これを2,000rpmで撹拌しているところにスチレン80部、メチルメタクリレート227部、メチルアクリレート393部、エチルアクリレート549部、4−ヒドロキシブチルアクリレート246部、メタクリル酸24部、エチレングリコールジメタクリレート80部及びメラミン樹脂(商品名;サイメル211、固形分80質量%、メトキシ/ブトキシ比=65/35、水相溶性=8mL/g、キシレン相溶性>100mL/g、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)667部を均一に混合したものを徐々に加え、一次乳化物を得た。これを氷水で冷却しながら、12,000rpmで20分間乳化して平均粒子径を測定した(商品名ELS−800、大塚電子株式会社製)。得られたプレエマルションの平均粒子径は154nmであった。
次に、撹拌装置や温度計、冷却管、窒素ガス導入菅、及びウォーターバスを備えた5L縦長フラスコに、プレエマルション758部を仕込み、150rpmで撹拌しながら40℃に昇温した。脱イオン水80部及びt−ブチルハイドロオキサイド70%水溶液(商品名;カヤブチルH−70、化薬アクゾ株式会社製)8部を混合した開始剤水溶液の15部を添加し重合を開始した。10分間温度を40℃に保った後、残りのプレエマルション3,792部と開始剤水溶液73部を3時間かけて並行滴下した。プレエマルションと開始剤水溶液の滴下終了後も2時間40℃を保った。そこへDMEA(ジメチルアミノエタノール)の25%水溶液51部を30分かけて滴下した。DMEA水溶液の滴下終了後も1時間40℃を保った後、室温に冷却し、400メッシュでろ過して取り出した。得られたエマルションの不揮発分は45.5質量%、pHは8.6、平均粒子径は256nmであった。
(実施例4)
(水性硬化性樹脂組成物の製造)
製造例2で得られた水分散型アクリル樹脂組成物の27.5部(固形分)、製造例3で得られた水溶性アクリル樹脂を5部(固形分)に、硬化剤としてメラミン樹脂(商品名;サイメル211、固形分80質量%、メトキシ/ブトキシ比=65/35、水相溶性=8mL/g、キシレン相溶性>100mL/g、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)を12.5部(固形分)混合した後、ウレタン会合型増粘剤(商品名;アデカノールUH814N、旭電化工業社製)を0.3部(固形分)混合撹拌し、水性硬化性樹脂組成物を得た。得られた水性硬化性樹脂組成物を脱イオン水で希釈し、不揮発分(NV)36質量%に調整した。当該水性硬化性樹脂組成物の組成を表3に示した。
Figure 2009516638
(試験片の作製)
6ミルドクターブレードを用い、ガラス板上に、実施例4において得られた水性硬化性樹脂組成物を塗布した後、100℃で30分間乾燥させ、試験片を作製した。
(水性硬化性樹脂組成物及び試験片の評価)
上記で得られた水性硬化性樹脂組成物を用い、貯蔵安定性を評価した。また、上記で得られた試験片を用い、耐水性、及び耐溶剤性を評価した。
<貯蔵安定性>
まず、調製直後の水性硬化性樹脂組成物を観察した。次に、40℃にて10日間貯蔵した後の水性硬化性樹脂組成物を観察し、調製直後の観察結果と比較することにより、貯蔵安定性を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○ ;調製直後の水性硬化性樹脂組成物と比較して、増粘やゲル化が見られない
× ;調製直後の水性硬化性樹脂組成物と比較して、増粘やゲル化が見られる
<耐水性>
試験片を40℃の温水に10日間浸漬した。その後1時間洗浄した試験片の外観を目視により観察し、下記の基準により評価した。なお、評価結果が◎又は○であれば、実用上問題のないレベルである。
◎;変化なし
○;温水浸漬部が、かすかに膨潤しているが、速やかに回復する
△;温水浸漬部が、かすかに膨潤しており、回復に時間を要する
×;温水浸漬部が、かなり膨潤しており、回復に非常に時間を要する
<耐溶剤性>
ガーゼにキシレンを含ませ、試験片上の塗膜面に押し当てながら50回擦った後、塗膜外観の状態を目視にて観察した。評価基準は以下の通りである。なお、評価結果が「◎」又は「○」であれば、実用上問題のないレベルである。
◎;剥離もキズも認められず、異常がない
○;剥離、キズ等がわずかに認められるが、実用上問題はない程度である
△;剥離、キズ等が少々認められる
×;著しい剥離、キズ等が認められる
Figure 2009516638
(実施例5〜10)
表3に示すように組成を変更したこと以外は、実施例4と同様の手順で実施例5〜10に係る水性硬化性樹脂組成物を調製した。なお、実施例7に係る水性硬化性樹脂組成物には、ジイソシアネート(商品名;バイヒジュールLS−2186、住化バイエルウレタン社製)を添加している。そして、得られた水性硬化性樹脂組成物を用い、実施例4と同様の手順で貯蔵安定性を評価した。また、実施例4と同様の手順で試験片を作製し、耐水性、及び耐溶剤性を評価した。その結果を上記表4に示した。
(比較例3〜5)
表3に示すように組成を変更したこと以外は、実施例4と同様の手順で試験片を作製し、比較例3〜5に係る水性硬化性樹脂組成物を調整した。そして、得られた水性硬化性樹脂組成物を用い、実施例4と同様の手順で貯蔵安定性を評価した。また、実施例4と同様の手順で試験片を作製し、耐水性、及び耐溶剤性を評価した。その結果を上記表4に示した。なお、比較例4に係る水性硬化性樹脂組成物は、オキシアルキレン基の繰り返し数が6を下回るカルボジイミド化合物A−4を含有している。カルボジイミド化合物A−4の水分散性が低いため、評価を実施し得る水性樹脂組成物を得ることができなかった。
(実施例11)
(水性中塗り塗料組成物の製造)
製造例4で得られた着色顔料ペーストを50部(固形分)、製造例2で得られた水分散型アクリル樹脂組成物の27.5部(固形分)、製造例3で得られた水溶性アクリル樹脂を5部(固形分)に、硬化剤としてメラミン樹脂(商品名;サイメル211、固形分80質量%、メトキシ/ブトキシ比=65/35、水相溶性=8mL/g、キシレン相溶性>100mL/g、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)を12.5部(固形分)混合した後、ウレタン会合型増粘剤(商品名;アデカノールUH814N、旭電化工業社製)を0.3部(固形分)混合撹拌し、水性中塗り塗料組成物を得た。得られた水性中塗り塗料組成物の組成を表5に示した。
Figure 2009516638
(複層塗膜の形成)
リン酸亜鉛処理したダル鋼板に、カチオン電着塗料(商品名;パワートップU−50、日本ペイント社製)を、乾燥塗膜が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間の加熱硬化後冷却して、鋼板基板を準備した。
得られた基板に、水性中塗り塗料組成物をエアースプレー塗装にて20μm塗装し、80℃で5分プレヒートを行った後、水性メタリックベース塗料組成物(商品名;アクアレックスAR−2000シルバーメタリック、日本ペイント社製)をエアースプレー塗装にて15μm塗装し、80℃で3分プレヒートを行った。さらに、その塗板にクリヤー塗料として、酸エポキシ硬化型クリヤー塗料組成物(商品名;マックフロー O−1800W−2クリヤー、日本ペイント社製)をエアースプレー塗装にて35μm塗装した後、140℃で30分間の加熱硬化を行い、複層塗膜の形成された試験片を得た。なお、水性中塗り塗料組成物、水性メタリックベース塗料組成物及びクリヤー塗料組成物は、下記条件で希釈し、塗装に用いた。希釈後の水性中塗り塗料組成物の不揮発分(NV)濃度(質量%)を表5に示した。
・水性中塗り塗料組成物
シンナー:脱イオン水
40秒/NO.4フォードカップ/20℃
・水性メタリックベース塗料
シンナー:脱イオン水
45秒/NO.4フォードカップ/20℃
・クリヤー塗料
シンナー:EEP(エトキシエチルプロピオネート)/芳香族系炭化水素溶剤(商品名;S−150、エクソン社製)=1/1(質量比)の混合溶剤
30秒/No.4フォードカップ/20℃
(水性中塗り塗料組成物及び試験片の性能評価)
上記で得られた水性中塗り塗料組成物を用い、貯蔵安定性を評価した。また、上記で得られた試験片を用い、耐水性、塗膜外観、及び耐チッピング性を評価した。
<貯蔵安定性>
まず、調製直後の水性中塗り塗料組成物を観察した。次に、40℃にて10日間貯蔵した後の水性中塗り塗料組成物を観察し、調製直後の観察結果と比較することにより、貯蔵安定性を評価した。その評価基準を以下に示した。
○ ;調製直後の水性中塗り塗料組成物と比較して、増粘やゲル化が見られない
× ;調製直後の水性中塗り塗料組成物と比較して、増粘やゲル化が見られる
<耐水性>
試験片を40℃の温水に10日間浸漬した。その後1時間洗浄した試験片の外観を目視により観察し、下記の基準により評価した。なお、評価結果が◎又は○であれば、実用上問題のないレベルである。
◎;変化なし
○;温水浸漬部が、かすかに膨潤しているが、速やかに回復する
△;温水浸漬部が、かすかに膨潤しており、回復に時間を要する
×;温水浸漬部が、かなり膨潤しており、回復に非常に時間を要する
<塗膜外観>ウェーブスキャン(SW値)
ビッグケミー社製「ウェーブスキャン」を用い、試験片のSW値を測定することにより、仕上がり外観を評価した。なお、SW値は、主に艶感及び微小な肌を評価する指標であり、低い程、良好であることを示す。
<耐チッピング性>
グラベロテスター試験機(スガ試験機社製)を用いて、7号砕石300個を35cmの距離から0.29MPaの空気圧で、試験片の複層塗膜に45°の角度で衝突させた。水洗乾燥後、ニチバン社製工業用ガムテープを用いて剥離テストを行い、その後、塗膜のはがれの程度を、目視により観察し、評価した。評価基準は以下の通りとした。なお、評価結果が◎又は○であれば、実用上問題のないレベルである。
◎;剥離がほとんどない
○;剥離面積が小さく、頻度も少ない
×;やや剥離面積が大きい、又は、剥離面積が大きく、頻度も多い
その結果を表6に示した。
Figure 2009516638
(実施例12〜17)
表5に示すように組成を変更したこと以外は、実施例11と同様の手順で実施例12〜17に係る水性中塗り塗料組成物を調製した。そして、調製した水性中塗り塗料組成物を用いて、実施例11と同様の手順で貯蔵安定性を評価した。また、実施例11と同様の手順で試験片を作製し、耐水性、塗膜外観、及び耐チッピング性を評価した。その結果を上記表6に示した。なお、実施例17に係る水性中塗り塗料組成物については、耐チッピング性の評価を実施しなかった。
(比較例6〜8)
表5に示すように組成を変更したこと以外は、実施例11と同様の手順で比較例6〜8に係る水性中塗り塗料組成物を調製した。そして、調製した水性中塗り塗料組成物を用いて、実施例11と同様の手順で貯蔵安定性を評価した。また、実施例11と同様の手順で試験片を作製し、耐水性、塗膜外観、及び耐チッピング性を評価した。その結果を上記表6に示した。なお、比較例7に係る水性中塗り塗料組成物は、分離により塗料化が不可能であった。よって、比較例7に係る水性中塗り塗料組成物の性能を評価することはできなかった。
表2、表4、及び表6に示す結果から、以下のことが分かる。
表2から明らかなように、実施例1〜3に係るカルボジイミド化合物は、良好な水分散性及び貯蔵安定性を示した。これに対し、比較例1に係るカルボジイミド化合物A−4は、HLBが低く、疎水性であるため水分散性が劣っていた。このため、カルボジイミド化合物A−4について、貯蔵安定性を評価することができなかった。また、比較例2に係るカルボジイミド化合物A−5は、水分散性は良好な結果を示しているものの、HLBが高いため、実施例1〜3に係るカルボジイミド化合物A−1〜A−3に比べ、貯蔵安定性が劣っていた。
表4から明らかなように、実施例4〜10に係る水性硬化性樹脂組成物は、良好な貯蔵安定性及び耐水性を示した。特に、実施例5〜7に係る水性硬化性樹脂組成物は、水分散型ポリウレタン組成物を含有しているため、実施例4及び8〜10と比較しても、さらに優れた耐水性を示していた。これに対し、比較例3に係る水性硬化性樹脂組成物は、カルボジイミド化合物を含有していないため、100℃の低温で完全に硬化することができず、耐水性が劣っていた。比較例4に係る水性硬化性樹脂組成物は、上述のように、評価を実施することができなかった。比較例5に係る水性硬化性樹脂組成物は、OR基の繰り返し数mが11を下回るカルボジイミド化合物A−5を含有しているため、実施例4〜6に係る水性硬化性樹脂組成物と比較すると、貯蔵安定性が低下していた。また、実施例4〜10に係る水性硬化性樹脂組成物はいずれも、良好な耐溶剤性を示していた。
表6から明らかなように、実施例11〜17に係る水性中塗り塗料組成物は、貯蔵安定性、及び耐水性の双方について良好な結果を示していた。また、これらの水性中塗り塗料組成物は、塗膜外観に優れており、特に実施例11〜16に係る水性中塗り塗料組成物は、良好な耐チッピング性を有していた。これに対し、比較例6に係る水性中塗り塗料組成物は、カルボジイミド化合物を含有していないため、耐水性が劣っていた。また、比較例6に係る水性中塗り塗料組成物は、実施例11〜17に係る水性硬化性樹脂組成物と比較すると、塗膜外観が劣っていた。比較例7に係る水性中塗り塗料組成物は、上述のように、評価を実施することができなかった。比較例8に係る水性中塗り塗料組成物は、OR基の繰り返し数mが11を下回るカルボジイミド化合物A−5を含有しているため、実施例11〜17に係る水性硬化性樹脂組成物と比較すると、貯蔵安定性が低下していた。
本発明は、水性塗料に適用した場合に優れた耐水性を発揮すると共に、良好な貯蔵安定性を有するカルボジイミド化合物及びそれを用いた水性硬化性樹脂組成物等として有用である。
本発明の説明に関して、特に、添付の特許請求の範囲に関して、用語「a(単数)」および「an(単数)」および「the(この/該/当該/上記/前記)」および同様の指示語(referents)の使用は、本明細書中に他に記載されない限り、あるいは、文脈が明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を含むと解釈されるべきである。用語「〜を包含する/〜を含む(comprising)」、「〜を有する(having)」、「〜を包含する/〜を含む/〜が挙げられる(including)」および「〜を含む/〜を含有する(containing)」は、他に記載されない限り、オープンエンドの用語(open−ended terms)(すなわち、「〜を含む/〜が挙げられる(including)が、これらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書中、値の範囲による記載は、単に、略記法としての利用を意図し、これは、本明細書中に他に記載されない限り、その範囲内に含まれる各々別個の値を独立して示し、各々別個の値は、本明細書中に独立して記載されているかのごとく、当該明細書中に包含される。本明細書中に記載の全ての方法は、本明細書中に他に記載されない限り、あるいは、文脈が明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書中に記載されるあらゆる全ての例または例示的な用語(例えば、「など」)の使用は、単に、本発明をよりよく示すことを意図し、他に特許請求されない限り、本発明の範囲を限定しない。明細書中の用語は、クレームにない本発明の実施に必須の構成要素を含むものとして解釈されるべきではない。
本発明の好ましい実施形態を本明細書中に記載するが、これは、本発明を実施するにあたって、当該発明者が知っているベストモードを含む。これら好ましい実施形態のバリエーションは、上記の説明を読むと、当業者に明らかとなってもよい。発明者は、当業者にこのようなバリーションを適切に使用することを期待し、そして、発明者は、本明細書中に詳細に説明されたもの以外に、発明を実施することを意図する。従って、本発明は、適用法によって認められる限り、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載の対象(subject matter)の全ての変更および均等物を含む。さらに、上記に記載の構成要素の、その全ての可能なバリエーションでの、任意の組み合わせは、本明細書中に他に記載されない限り、あるいは、文脈が明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
日本国特許出願番号第2005−337863号(出願日:2005年11月22日)の明細書および特許請求の範囲の開示内容は、その全体が、本明細書中に参考として援用される。

Claims (8)

  1. 式(1):
    Figure 2009516638
    (式中、Xは少なくとも1個のカルボジイミド基を含有する2官能性有機基を表す。Yはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルから水酸基を除いた構造を表す。Rは水素又は炭素数2以下のアルキル基を表す。Rは炭素数4以下のアルキレン基を表す。nは0又は1を表す。mは11以上の数を表す。)で表され、
    前記ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルにおけるオキシアルキレン基の繰り返し数が6〜40である、カルボジイミド化合物。
  2. 請求項1に記載のカルボジイミド化合物と、
    カルボキシル基を有する樹脂とを含有する、水性硬化性樹脂組成物。
  3. 前記樹脂は、さらに水酸基を有する、請求項2に記載の水性硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、硬化剤として、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、又はオキサゾリン系化合物を含有する、請求項2又は3に記載の水性硬化性樹脂組成物。
  5. 前記硬化剤がメラミン樹脂である、請求項4に記載の水性硬化性樹脂組成物。
  6. 前記カルボキシル基を有する樹脂が、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエポキシ樹脂、水性ポリエステル樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の水性硬化性樹脂組成物。
  7. 被塗物に対して、ウエットオンウエットで順に形成した未硬化の中塗り塗膜、水性ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に加熱硬化させる複層塗膜形成方法に用いられる水性中塗り塗料組成物であって、
    請求項2〜6のいずれか1項に記載の水性硬化性樹脂組成物を含有する、水性中塗り塗料組成物。
  8. 請求項2〜6のいずれか1項に記載の水性硬化性樹脂組成物の使用であって、被塗物に対して、ウエットオンウエットで順に形成した未硬化の中塗り塗膜、水性ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に加熱硬化させる複層塗膜形成方法における水性中塗り塗料組成物としての使用。
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