JP2005238223A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スリーコート・ワンベーク塗装において、仕上り外観が良好な複層塗膜を形成する方法を提供すること。
【解決手段】 カチオン電着塗料組成物を被塗物に電着塗装し加熱硬化させて、被塗物の表面上に硬化電着塗膜を形成する工程、硬化電着塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗布して、未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、未硬化の中塗り塗膜の上に上塗りベース塗料組成物を塗布して、未硬化の上塗りベース塗膜を形成する工程、未硬化の上塗りベース塗膜の上に上塗りクリヤー塗料組成物を塗布して、未硬化の上塗りクリヤー塗膜を形成する工程、及び、これらの未硬化塗膜を同時に焼付け硬化させる工程、を包含する複層塗膜形成方法であって、この硬化電着塗膜が動的粘弾性測定によるTg100〜130℃、および架橋密度1.2〜2.6(mmol/cc)を有する、複層塗膜形成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 カチオン電着塗料組成物を被塗物に電着塗装し加熱硬化させて、被塗物の表面上に硬化電着塗膜を形成する工程、硬化電着塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗布して、未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、未硬化の中塗り塗膜の上に上塗りベース塗料組成物を塗布して、未硬化の上塗りベース塗膜を形成する工程、未硬化の上塗りベース塗膜の上に上塗りクリヤー塗料組成物を塗布して、未硬化の上塗りクリヤー塗膜を形成する工程、及び、これらの未硬化塗膜を同時に焼付け硬化させる工程、を包含する複層塗膜形成方法であって、この硬化電着塗膜が動的粘弾性測定によるTg100〜130℃、および架橋密度1.2〜2.6(mmol/cc)を有する、複層塗膜形成方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、仕上り外観が良好な複層塗膜の形成方法に関する。
自動車などの基材の表面には、種々の役割を持つ複数の塗膜を形成して、基材を保護すると同時に美しい外観を付与している。しかし近年、省エネルギーおよびコストダウンの要請から、複数層を構成する各塗膜を一層ずつ焼付け硬化させるのではなく、焼付け硬化をせずに次の塗装を所謂ウェットオンウェットで塗装し、その後、複数層を一度に焼付け硬化させる方法も採用されつつある。
このような方法の1例として、電着塗膜硬化後に、中塗り塗料、ベース塗料およびクリヤー塗料をウェットオンウェットで塗装し、その後3層の未硬化塗膜を一度に焼付け硬化する、スリーコート・ワンベーク塗装(スリーウェット塗装ともいう。)が、最も実現の可能性のある方法と考えられている。この塗装工程の模式的工程図を図1に示す。
特開平10−277474号公報(特許文献1)には、被塗物に、着色ベ−ス塗料、メタリック塗料およびクリヤー塗料をウェットオンウェットで順次塗装し、次いで加熱して3層塗膜を同時に硬化せしめて複層塗膜を形成する方法が記載されている。この方法により鮮映性および光輝性に優れた塗膜を得ることができると記載されている。
図1に示されるようなスリーコート・ワンベーク塗装では、硬化電着塗膜上に中塗り塗料組成物が塗布される。このとき、中塗り塗料組成物に含まれる溶媒が硬化電着塗膜に吸い込まれることがある。硬化電着塗膜に吸い込まれた溶媒は積層塗膜の焼付け時に揮発し、中塗り塗膜などに悪影響を及ぼし積層塗膜の仕上り外観を低下させることがある。特に、スリーコート・ワンベーク塗装は、焼付け工程が少なくまた複数層に重ねられた塗膜を1度に焼付けるため、硬化電着塗膜はその上に塗装される未硬化の中塗り塗膜中に含まれる溶媒などの影響を強く受けることが分かってきた。上記文献には、スリーコート・ワンベーク塗装における複層塗膜外観を向上させることを目的とする、電着塗膜の物性についての記載は含まれていない。
本発明は、スリーコート・ワンベーク塗装による、仕上り外観が良好な複層塗膜の形成方法を提供することにある。
本発明は、カチオン電着塗料組成物を被塗物に電着塗装し加熱硬化させて、被塗物の表面上に硬化電着塗膜を形成する工程、この硬化電着塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗布して、未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、未硬化の中塗り塗膜の上に上塗りベース塗料組成物を塗布して、未硬化の上塗りベース塗膜を形成する工程、未硬化の上塗りベース塗膜の上に上塗りクリヤー塗料組成物を塗布して、未硬化の上塗りクリヤー塗膜を形成する工程、及び、これらの中塗り塗膜、上塗りベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に焼付け硬化させる工程、を包含する複層塗膜形成方法であって、
この硬化電着塗膜が動的粘弾性測定によるTg100〜130℃、および架橋密度1.2〜2.6(mmol/cc)を有する、複層塗膜形成方法、を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
この硬化電着塗膜が動的粘弾性測定によるTg100〜130℃、および架橋密度1.2〜2.6(mmol/cc)を有する、複層塗膜形成方法、を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の方法によって、硬化電着塗膜の耐溶剤性が向上し、焼付け工程が少ないスリーコート・ワンベークによる塗装においても、良好な外観を有する複層塗膜を得ることができる。この複層塗膜は、電着塗膜、中塗り塗膜、上塗りベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を有する。本発明により、塗装工程における焼付け乾燥に要するエネルギーを節約することができ、省エネルギー化およびコストダウンが可能となる。
本発明において、電着塗装により形成される硬化電着塗膜が、特定の範囲の動的粘弾性測定によるTg(以下、「動的Tg」と示すこともある。)および架橋密度を有するように、カチオン電着塗料組成物中に含まれる各種成分および含有量を調節する。
本明細書に記載する動的Tgは、測定用サンプルを、通常の動的粘弾性によるTgの測定方法と同様の方法により得ることができる。本発明で使用できる具体的な測定方法として、基材上に形成した硬化電着塗膜を水銀を用いて剥離し、裁断することによって作成した測定用サンプルに対して動的粘弾性測定を行う方法が挙げられる。この方法では、作成した測定用サンプルに、室温から200℃の温度範囲において、1分間に2℃の昇温速度で、周波数11Hzで振動を与えて、その粘弾性を測定する。こうして測定した貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E'')の比(tanδ)を測定し、上記tanδを温度に対してプロットした場合のtanδがピーク値をとる温度として、動的Tgを測定する。上記動的粘弾性測定を行うための装置としては、例えば、RHEOVIBRON MODEL RHEO2000、3000(商品名、オリエンテック社製)等を挙げることができる。
本発明において、電着塗装により形成される硬化電着塗膜の動的Tgは下限100℃上限130℃の範囲であるのが好ましい。上記下限は110℃であるのがより好ましく、上記上限は125℃であるのがより好ましい。硬化電着塗膜の動的Tgが100℃未満である場合は、電着塗膜が中塗り塗料組成物中に含まれる溶剤によって膨潤し、仕上がり外観が悪化する恐れがある。一方、動的Tgが130℃を超える場合は、得られる複層塗膜の弾性率が低くなり、複層塗膜の耐衝撃性が劣る恐れがある。
硬化電着塗膜の架橋密度は、電着塗装により形成される硬化電着塗膜の動的粘弾性を、上記動的Tgの測定方法と同様に測定し、ゴム領域での貯蔵弾性率(E’)から次式によって求めることができる。
式中、E’=貯蔵弾性率;n=架橋密度;R=気体定数;T=絶対温度、である。
本発明において、電着塗装により形成される硬化電着塗膜の架橋密度は、下限1.2(mmol/cc)上限2.6(mmol/cc)の範囲であるのが好ましい。上記下限は1.4(mmol/cc)であるのがより好ましく、上記上限は2.3(mmol/cc)であるのがより好ましい。硬化電着塗膜の架橋密度が1.2(mmol/cc)未満である場合は、電着塗膜が中塗り塗料組成物中に含まれる溶剤によって膨張し、仕上がり外観が悪化する恐れがある。一方、架橋密度が2.6(mmol/cc)を超える場合は、含水によるふくれが生じやすく、耐食性が低下する恐れがある。
硬化電着塗膜の動的Tgおよび架橋密度が上記範囲となるカチオン電着塗料組成物を調製する方法として、カチオン電着塗料組成物中に含まれるカチオン性エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤及び触媒の種類及び含有量を調製する方法が挙げられる。特に、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤の種類及び含有量は、動的Tgおよび架橋密度に与える影響が大きい。例えばカチオン性エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ環を、カチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して得られる樹脂であるものを使用したり、ブロックイソシアネート硬化剤としてトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を使用したりすることなどが挙げられる。また、これらのカチオン性エポキシ樹脂およびブロックイソシアネート硬化剤の使用比率を変えたり、電着塗装した塗膜の焼付け温度を変えることによって、硬化電着塗膜の動的Tgおよび架橋密度を上記範囲に調整することもできる。
以下に、本発明の複層塗膜形成方法において使用される、被塗物、カチオン電着塗料組成物、中塗り塗料組成物、上塗りベース塗料組成物および上塗りクリヤー塗料組成物およびそれらの塗装方法について順次説明する。
被塗物
本発明の複層塗膜形成方法において使用される被塗物として、電着塗装が可能な任意の基材が含まれる。このような基材として、例えば、鉄、鋼、アルミニウム、錫、亜鉛など、およびこれらの金属を含む合金、並びにこれらの金属のめっきもしくは蒸着製品等が挙げられる。具体的には、これら金属部材を用いて製造された乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車の車体および部品等が挙げられる。また、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等に導電処理を施したプラスチック材料を基材として使用することもできる。
本発明の複層塗膜形成方法において使用される被塗物として、電着塗装が可能な任意の基材が含まれる。このような基材として、例えば、鉄、鋼、アルミニウム、錫、亜鉛など、およびこれらの金属を含む合金、並びにこれらの金属のめっきもしくは蒸着製品等が挙げられる。具体的には、これら金属部材を用いて製造された乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車の車体および部品等が挙げられる。また、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等に導電処理を施したプラスチック材料を基材として使用することもできる。
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記基材をそのまま使用してもよく、あるいは電着塗装前に脱脂や化成処理等の前処理を行なってもよい。
カチオン電着塗料組成物
本発明において使用されるカチオン電着塗料組成物は、水性溶媒、水性溶媒中に分散するか又は溶解した、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤を含むバインダー樹脂、中和酸、有機溶媒を含有する。このカチオン電着塗料組成物はさらに、顔料を含んでもよい。
本発明において使用されるカチオン電着塗料組成物は、水性溶媒、水性溶媒中に分散するか又は溶解した、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤を含むバインダー樹脂、中和酸、有機溶媒を含有する。このカチオン電着塗料組成物はさらに、顔料を含んでもよい。
カチオン性エポキシ樹脂
本発明で用いるカチオン性エポキシ樹脂には、アミンで変性されたエポキシ樹脂が含まれる。このカチオン性エポキシ樹脂は、特開昭54−4978号、同昭56−34186号などに記載されている公知の樹脂でよい。
本発明で用いるカチオン性エポキシ樹脂には、アミンで変性されたエポキシ樹脂が含まれる。このカチオン性エポキシ樹脂は、特開昭54−4978号、同昭56−34186号などに記載されている公知の樹脂でよい。
カチオン性エポキシ樹脂は、典型的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環するか、または一部のエポキシ環を他の活性水素化合物で開環し、残りのエポキシ環をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して製造される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の典型例はビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。前者の市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量180〜190)、エピコート1001(同、エポキシ当量450〜500)、エピコート1010(同、エポキシ当量3000〜4000)などがあり、後者の市販品としてはエピコート807、(同、エポキシ当量170)などがある。
特開平5−306327号公報に記載される、下記式
[式中、Rはジグリシジルエポキシ化合物のグリシジルオキシ基を除いた残基、R’はジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた残基、nは正の整数を意味する。]で示されるオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂をカチオン性エポキシ樹脂に用いてもよい。耐溶剤性(耐溶媒膨潤性)に優れた塗膜が得られるからである。
エポキシ樹脂にオキサゾリドン環を導入する方法としては、例えば、メタノールのような低級アルコールでブロックされたブロックイソシアネート硬化剤とポリエポキシドを塩基性触媒の存在下で加熱保温し、副生する低級アルコールを系内より留去することで得られる。
特に好ましいエポキシ樹脂はオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂である。耐溶剤性(耐溶媒膨潤性)に優れ、さらに耐熱性、耐食性、耐衝撃性にも優れた塗膜が得られるからである。
二官能エポキシ樹脂とモノアルコールでブロックしたジイソシアネート(すなわち、ビスウレタン)とを反応させるとオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂が得られることは公知である。このオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の具体例及び製造方法は、例えば、特開2000−128959号公報第0012〜0047段落に記載されており、公知である。
これらのエポキシ樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、および単官能性のアルキルフェノールのような適当な樹脂で変性しても良い。また、エポキシ樹脂はエポキシ基とジオール又はジカルボン酸との反応を利用して鎖延長することができる。
これらのエポキシ樹脂は、開環後0.3〜4.0meq/gのアミン当量となるように、より好ましくはそのうちの5〜50%が1級アミノ基が占めるように活性水素化合物で開環するのが望ましい。
カチオン性基を導入し得る活性水素化合物としては1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩、スルフィド及び酸混合物がある。1級、2級又は/及び3級アミノ基含有エポキシ樹脂を調製するためには1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物として用いる。
具体例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酢酸塩、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物などのほか、アミノエチルエタノールアミンのケチミン、ジエチレントリアミンのジケチミンなどの1級アミンをブロックした2級アミンがある。アミン類は複数の種類を併用して用いてもよい。
ブロックイソシアネート硬化剤
本発明のブロックイソシアネート硬化剤の調製に使用されるポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系等のうちのいずれであってもよい。
本発明のブロックイソシアネート硬化剤の調製に使用されるポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系等のうちのいずれであってもよい。
ポリイソシアネートの具体例には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、及びナフタレンジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等のような炭素数3〜12の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、及び1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、水添TDI、2,5−もしくは2,6−ビス(イソシアナートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネートとも称される。)等のような炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等のような芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン化物、カーボジイミド、ウレトジオン、ウレトンイミン、ビューレット及び/又はイソシアヌレート変性物);等があげられる。これらは、単独で、または2種以上併用することができる。
ポリイソシアネートをエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの多価アルコールとNCO/OH比2以上で反応させて得られる付加体ないしプレポリマーもブロックイソシアネート硬化剤に使用してよい。
ブロック剤は、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシアネート基を再生し得るものである。
顔料
本発明の方法に用いられるカチオン電着塗料組成物は、通常用いられる顔料を含んでもよい。使用できる顔料の例としては、通常使用される無機顔料、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料等、が挙げられる。
本発明の方法に用いられるカチオン電着塗料組成物は、通常用いられる顔料を含んでもよい。使用できる顔料の例としては、通常使用される無機顔料、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料等、が挙げられる。
顔料を電着塗料の成分として用いる場合、一般に顔料を予め高濃度で水性溶媒に分散させてペースト状(顔料分散ペースト)にする。顔料は粉体状であるため、電着塗料組成物で用いる低濃度均一状態に一工程で分散させるのは困難だからである。一般にこのようなペーストを顔料分散ペーストという。
顔料分散ペーストは、顔料を顔料分散樹脂ワニスと共に水性溶媒中に分散させて調製する。顔料分散樹脂としては、一般に、カチオン性又はノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のようなカチオン性重合体を用いる。水性溶媒としてはイオン交換水や少量のアルコール類を含む水等を用いる。一般に、顔料分散樹脂は、顔料100質量部に対して固形分比20〜100質量部の量で用いる。顔料分散樹脂ワニスと顔料とを混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル等の通常の分散装置を用いて分散させて、顔料分散ペーストを得ることができる。
上記カチオン電着塗料組成物は、上記成分の他に、上記ブロックイソシアネート硬化剤のブロック剤解離のために触媒を含む場合は、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシドなどの有機錫化合物や、N−メチルモルホリンなどのアミン類、酢酸鉛や、ストロンチウム、コバルト、銅などの金属塩が使用できる。触媒の濃度は、カチオン電着塗料組成物中のカチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤合計の100固形分質量部に対し0.1〜6質量部である。
カチオン電着塗料組成物の調製および塗装
本発明で用いられるカチオン電着塗料組成物は、上に述べた触媒、カチオン性エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤、及び顔料分散ペーストを水性溶媒中に分散することによって調製される。また、通常、水性溶媒にはカチオン性エポキシ樹脂を中和して、バインダー樹脂エマルションの分散性を向上させるために中和酸を含有させる。中和酸は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。
本発明で用いられるカチオン電着塗料組成物は、上に述べた触媒、カチオン性エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤、及び顔料分散ペーストを水性溶媒中に分散することによって調製される。また、通常、水性溶媒にはカチオン性エポキシ樹脂を中和して、バインダー樹脂エマルションの分散性を向上させるために中和酸を含有させる。中和酸は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。
使用される中和酸の量は、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤を含むバインダー樹脂固形分100gに対して、下限10mg当量、上限25mg当量の範囲であるのが好ましい。上記下限は15mg当量であるのがより好ましく、上記上限は20mg当量であるのがより好ましい。中和酸の量が10mg当量未満であると水への親和性が十分でなく水への分散ができないか、著しく安定性に欠ける状態となり、25mg当量を越えると析出に要する電気量が増加し、塗料固形分の析出性が低下し、つきまわり性が劣る状態となる。
カチオン電着塗料組成物は、カチオン性エポキシ樹脂、及びブロックイソシアネート硬化剤を、水性溶媒に分散させることにより、調製することができる。ブロックイソシアネート硬化剤の量は、硬化時にカチオン性エポキシ樹脂中の1級、2級アミノ基、水酸基、等の活性水素含有官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分な量が必要とされる。好ましいブロックイソシアネート硬化剤の量は、カチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤との固形分重量比(カチオン性エポキシ樹脂/硬化剤)で表して90/10〜50/50、より好ましくは80/20〜60/40の範囲である。ブロックイソシアネート硬化剤の量を上記範囲にすること、又は焼き付け温度を調整することによって、硬化電着塗膜の動的Tgおよび架橋密度を望ましい範囲にすることが容易になる。
有機溶媒は、カチオン性エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤、顔料分散樹脂等の樹脂成分を合成する際に溶媒として必要であり、完全に除去するには煩雑な操作を必要とする。また、バインダー樹脂に有機溶媒が含まれていると造膜時の塗膜の流動性が改良され、塗膜の平滑性が向上する。
カチオン電着塗料組成物に通常含まれる有機溶媒としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
カチオン電着塗料組成物は、上記のほかに、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの常用の塗料用添加剤を含むことができる。アミノ基含有アクリル樹脂、アミノ基含有ポリエステル樹脂等を含んでもよい。
電着塗装は、被塗物を陰極として陽極との間に、通常、50〜450Vの電圧を印加して行う。印加電圧が50V未満であると電着が不充分となり、450Vを超えると、塗膜が破壊され異常外観となる。電着塗装時、塗料組成物の浴液温度は、通常10〜45℃に調節される。
電着過程は、カチオン電着塗料組成物に被塗物を浸漬する過程、及び、上記被塗物を陰極として陽極との間に電圧を印加し、被膜を析出させる過程、から構成される。また、電圧を印加する時間は、電着条件によって異なるが、一般には、2〜4分とすることができる。
電着塗膜の膜厚は、好ましくは5〜25μm、より好ましくは20μmとする。膜厚が5μm未満であると、防錆性が不充分であり、25μmを超えると、塗料の浪費につながる。
上述のようにして得られる電着塗膜を、電着過程の終了後、そのまま又は水洗した後、120〜260℃、好ましくは140〜220℃で、10〜30分間焼付けることによって硬化電着塗膜が形成される。焼付け温度を上記範囲とすることによって、硬化電着塗膜の動的Tgおよび架橋密度を望ましい範囲にすることが容易になる。
中塗り塗料組成物
本発明で使用される中塗り塗料組成物は、中塗り樹脂成分、顔料、そして水性溶媒および/または有機溶媒を含む。中塗り樹脂成分は、中塗り塗料樹脂および、必要に応じて中塗り硬化剤、から構成される。水性溶媒、有機溶媒は、上記カチオン電着塗料組成物において例示したものを、同様に使用することができる。
本発明で使用される中塗り塗料組成物は、中塗り樹脂成分、顔料、そして水性溶媒および/または有機溶媒を含む。中塗り樹脂成分は、中塗り塗料樹脂および、必要に応じて中塗り硬化剤、から構成される。水性溶媒、有機溶媒は、上記カチオン電着塗料組成物において例示したものを、同様に使用することができる。
中塗り塗料樹脂として、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂などが挙げられる。これらの樹脂のうち、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましく使用される。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーとその他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどがある。これらと共重合可能な上記その他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなどがある。
ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコールが挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
アルキッド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキッド樹脂を用いることができる。
フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合物およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなるモノマーを共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、Fが挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも、シェルケミカル社製)が挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を挙げることができる。また上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができる。
上記中塗り塗料樹脂は、酸価3〜200、水酸基価30〜200であって、数平均分子量500〜50000のものが好ましく、特に、酸価3〜200、水酸基価30〜200であって、数平均分子量2000〜50000のアクリル樹脂および酸価3〜200、水酸基価30〜200であって、数平均分子量500〜20000のポリエステル樹脂が好ましいものとして挙げられる。中塗り塗料組成物を水溶液または水分散液として調製する場合には、特に、上記中塗り塗料樹脂の酸価10〜200および水酸基価30〜200の範囲であることが好ましい。
中塗り塗料樹脂には一般に、硬化可能なタイプとラッカータイプとがあるが、硬化可能なタイプのものが好ましく使用される。硬化可能なタイプを使用する場合は、中塗り塗料樹脂と併せて、ブロックイソシアネート化合物、オキサゾリン化合物およびカルボジイミド化合物などの中塗り塗料硬化剤を使用する。この中塗り塗料硬化剤を、中塗り樹脂成分中に含めて、後に加熱下または常温下において硬化反応を進行させることができる。また、硬化可能なタイプの中塗り塗料樹脂と、硬化可能ではないタイプのものとを併用することもできる。
中塗り塗料硬化剤が含まれる場合、塗料固形分中における中塗り塗料樹脂と中塗り塗料硬化剤との好ましい重量割合は、90/10〜50/50、より好ましくは85/15〜60/40である。中塗り塗料樹脂と中塗り塗料硬化剤との重量割合が90/10から外れる程、中塗り塗料硬化剤の量が少ない場合は、塗膜中の十分な架橋が得られないことがある。一方、この割合が50/50から外れる程、中塗り塗料硬化剤の量が多い場合は、塗料組成物組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなり、塗膜外観が悪くなる恐れがある。
本発明における中塗り塗料組成物は、顔料が含まれる。このような顔料として、バリタ粉、沈殿性硫酸バリウム、炭酸バリウム、石膏、クレー、シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイトなどの体質顔料、および着色顔料などが挙げられる。着色顔料として、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、ベリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料、カーボンブラック等の有機顔料、あるいは黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。顔料の量は、所望の性能および色相を発現するのに合わせて任意に設定できる。これら顔料は、1種のみ単独で用いてもよく、また2種以上を併用して用いてもよい。
中塗り塗料組成物の塗料固形分に対する顔料の濃度(PWC)は、10〜50重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
中塗り塗料組成物の固形分濃度は、下限35重量%上限65重量%の範囲が好ましい。上記下限は40重量%がであるのがより好ましく、上記上限は60重量%であるのがより好ましい。固形分濃度の下限が35重量%未満である場合は、塗装時にタレ現象が生じて仕上がり外観を低下させる恐れがある。一方、上限が65重量%を超える場合は、塗着時のフロー性が低下して仕上がり外観を低下させる恐れがある。
中塗り塗料組成物は、上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加することができる。これらの添加剤を、中塗り樹脂成分100質量部(固形分基準)に対して15質量部以下の割合で配合することにより、塗料組成物や塗膜の性能を改善することができる。
中塗り塗料組成物の調製および塗装
中塗り塗料組成物は、上記成分を、溶媒に溶解または分散させて調製することができる。溶媒としては、中塗り樹脂成分を溶解または分散するものであればよく、有機溶媒および/または水性溶媒が使用できる。有機溶媒としては、塗料組成物分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類を例示できる。環境面の観点から有機溶媒の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶媒を含有させてもよい。
中塗り塗料組成物は、上記成分を、溶媒に溶解または分散させて調製することができる。溶媒としては、中塗り樹脂成分を溶解または分散するものであればよく、有機溶媒および/または水性溶媒が使用できる。有機溶媒としては、塗料組成物分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類を例示できる。環境面の観点から有機溶媒の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶媒を含有させてもよい。
中塗り塗料組成物の塗装時の粘度は、上記有機溶媒および/または水、およびそれらの混合液を用いて、10〜30秒(フォードカップ#4/20℃)に調節することが好ましい。粘度が上記の範囲よりも低い場合は、次の塗装で形成される上塗りベース塗膜と中塗り塗膜とが混和する恐れがある。一方、粘度が上記範囲を超える場合は、塗料組成物の取り扱いが困難であり、かつ塗膜が早期に固化して、次の塗膜で被覆または修復不可能な程度の表面の凹凸が生じる恐れがある。
中塗り塗膜は、硬化電着塗膜上に、中塗り塗料組成物を塗装することによって得られる。この中塗り塗膜の形成によって、電着塗膜の隠蔽性が向上し、耐チッピング性が付与される。さらに、次工程で塗り重ねられる上塗りベース塗膜との密着性も向上する。
上記中塗り塗膜を形成する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ましい。具体的には、「リアクトガン」といわれるエアー静電スプレーを用いたり、または「マイクロ・マイクロ(μμ)ベル」、「マイクロ(μ)ベル」、「メタベル」などといわれる回転霧化式の静電塗装機を用いて、塗装することができる。この中で、回転霧化式の静電塗装機を用いて塗装するのが、特に好ましい。
中塗り塗膜の好ましい乾燥膜厚は5〜80μmであり、10〜50μmがより好ましい。中塗り塗膜の形成後は、加熱硬化させることなく次工程の上塗りベース塗膜の形成工程に移る。上塗りベース塗膜を形成する前に、加熱硬化(焼付け)処理で用いられる温度より低い温度でプレヒートを行なってもよい。
上塗りベース塗料組成物
本発明で使用される上塗りベース塗料組成物は、上塗りベース樹脂成分、光輝性顔料および/または着色顔料、体質顔料および溶媒を含有する、光輝性塗料組成物またはソリッド塗料組成物である。この上塗りベース塗料組成物は、水分散系または有機溶媒分散系を含む、水系または有機溶媒系のものである。
本発明で使用される上塗りベース塗料組成物は、上塗りベース樹脂成分、光輝性顔料および/または着色顔料、体質顔料および溶媒を含有する、光輝性塗料組成物またはソリッド塗料組成物である。この上塗りベース塗料組成物は、水分散系または有機溶媒分散系を含む、水系または有機溶媒系のものである。
これらの上塗りベース塗料組成物に含まれる上塗りベース樹脂成分は、上塗りベース塗料樹脂と必要に応じて上塗りベース塗料硬化剤とから構成される。上記上塗りベース塗料組成物に含まれる上塗りベース樹脂成分(上塗りベース塗料樹脂、上塗りベース塗料硬化剤)、着色顔料、体質顔料、各種添加剤および溶媒としては、上記中塗り塗料組成物に関して記載したものがいずれも使用できる。上塗りベース樹脂成分を使用して、光輝性上塗りベース塗料組成物では光輝性顔料と必要に応じて着色顔料が、ソリッド上塗りベース塗料組成物では着色顔料が、分散される。
上塗りベース塗料樹脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂から選ばれた少なくとも1種の塗膜形成性樹脂が使用できる。上塗りベース塗料硬化剤として、上記の中塗り塗料硬化剤およびエーテル化メラミン樹脂を使用することができる。エーテル化メラミン樹脂は、メラミンをメタノールやブタノール等のアルコールでエーテル化することにより得られる。上塗りベース樹脂成分である上塗りベース塗料樹脂および上塗りベース塗料硬化剤の好ましい組合せとして、アクリル樹脂・メラミン樹脂系が挙げられる。この場合アクリル樹脂としては、酸価10〜200、水酸基価30〜200、および数平均分子量2000〜50000のものが好ましい。
上記上塗りベース塗料組成物中に含まれる顔料のうち光輝性顔料としては、例えば、アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属めっきガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属チタンフレーク顔料、グラファイト顔料、ステンレスフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、フタロシアニンフレーク顔料またはホログラム顔料を挙げることができる。なお、上記光輝性顔料および/または着色顔料を用いる場合、顔料全体としての総含有量(PWC)は、1〜50%が好ましく、5〜30%がより好ましい。1%未満では、意匠性付与が不充分であり、50%を超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
上塗りベース塗料組成物の調製および塗装
上塗りベース塗料組成物は、上記成分を、通常、溶媒に溶解または分散させて調製される。溶媒としては、上塗りベース樹脂成分を溶解または分散するものであればよく、有機溶媒および/または水が使用できる。有機溶媒として、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類を例示できる。
上塗りベース塗料組成物は、上記成分を、通常、溶媒に溶解または分散させて調製される。溶媒としては、上塗りベース樹脂成分を溶解または分散するものであればよく、有機溶媒および/または水が使用できる。有機溶媒として、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類を例示できる。
上記上塗りベース塗料組成物は、その粘度を、適した希釈剤を用いて、フォードカップ#4/20℃で10〜30秒に調節することが望ましい。粘度が上記の範囲よりも低い場合は、次の塗装で形成される上塗りクリヤー塗膜と上塗りベース塗膜とが混和する恐れがある。また粘度が上記範囲を超える場合は、塗料組成物の取り扱いが困難であり、かつ塗膜が早期に固化して、次の塗膜で被覆または修復不可能な程度の表面の凹凸が生じる恐れがある。
上塗りベース塗膜は、中塗り塗膜上に、上塗りベース塗料組成物を塗装することによって得られる。この上塗りベース塗料組成物は、ウェットオンウェット方式で未硬化の中塗り塗膜上に塗装される。上塗りベース塗料組成物の塗装方法は特に限定されないが、上記中塗り塗料組成物の塗装方法として例示した方法を挙げることができる。上塗りベース塗料組成物を自動車車体等に対して塗装する場合には、エアー静電スプレーによる多ステージ塗装、好ましくは2ステージ塗装を行なって、意匠性を高めることができる。または、エアー静電スプレーと上記の回転式霧化式の静電塗装機とを組合せた塗装方法により、塗装してもよい。
この上塗りベース塗膜を形成することにより、意匠性が付与され、そして前工程で形成された中塗り塗膜との密着性確保および次工程で塗り重ねられる上塗りクリヤー塗膜との密着性が確保される。
上塗りベース塗膜の乾燥膜厚は、1コートにつき5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。上塗りベース塗膜の形成後は、加熱硬化させることなく次工程の上塗りクリヤー塗膜の形成工程に移る。上塗りクリヤー塗膜を形成する前に、加熱硬化(焼付け)処理で用いられる温度より低い温度でプレヒートを行なってもよい。
上塗りクリヤー塗料組成物
上記上塗りクリヤー塗料組成物は、上塗りクリヤー樹脂成分、各種添加剤および溶媒を含有するクリヤー塗料組成物から形成される。上記上塗りクリヤー塗料組成物は、水分散系および有機溶媒分散系を含む、水系または有機溶媒系のものである。
これらの上塗りクリヤー塗料組成物に含まれる上塗りクリヤー樹脂成分は、上塗りクリヤー塗料樹脂と必要に応じて上塗りクリヤー塗料硬化剤とから構成される。上記上塗りクリヤー塗料組成物に含まれる上塗りクリヤー樹脂成分(上塗りクリヤー塗料樹脂、上塗りクリヤー塗料硬化剤)、各種添加剤および有機溶媒としては、上記中塗り塗料組成物に関して記載したものがいずれも使用できる。
上塗りクリヤー樹脂成分である上塗りクリヤー塗料樹脂および上塗りベース塗料硬化剤の好ましい組合せとして、アクリル樹脂・メラミン樹脂系が挙げられる。この場合アクリル樹脂としては、酸価10〜200、水酸基価30〜200、および数平均分子量2000〜50000のものが好ましい。
上記クリヤー塗料組成物としては、耐酸性雨対策およびウェットオンウェットで上塗りベース塗膜との溶解性の差を大きくし上塗りベース塗膜における光輝性顔料の配向を乱さないという観点から、特公平8−19315号公報に記載されたカルボシキル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料組成物が、好ましく用いられる。また、これらのクリヤー塗料組成物は、必要に応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。
上塗りクリヤー塗料組成物の調製および塗装
上塗りクリヤー塗料組成物は、上記成分を溶媒に溶解または分散させて調製される。溶媒として、上記した任意の溶媒を使用することができる。そして、上塗りクリヤー塗膜は、上塗りベース塗膜上に、上塗りクリヤー塗料組成物を塗装することによって得られる。この上塗りクリヤー塗料組成物は、ウェットオンウェット方式で、未硬化の上塗りベース塗膜上に塗装される。
上塗りクリヤー塗料組成物は、上記成分を溶媒に溶解または分散させて調製される。溶媒として、上記した任意の溶媒を使用することができる。そして、上塗りクリヤー塗膜は、上塗りベース塗膜上に、上塗りクリヤー塗料組成物を塗装することによって得られる。この上塗りクリヤー塗料組成物は、ウェットオンウェット方式で、未硬化の上塗りベース塗膜上に塗装される。
上記上塗りクリヤー塗膜を形成する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ましい。上記上塗りクリヤー塗膜の乾燥膜厚は、1コートにつき20〜50μmが好ましく、25〜40μmがより好ましい。
上塗りクリヤー塗膜を形成することにより、上塗りベース塗膜が保護され、および得られる複層塗膜に深み感を付与することができる。
焼付け
上塗りクリヤー塗膜を形成した後に、未硬化の中塗り塗膜、上塗りベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜の3層の塗膜を、120〜160℃で所定時間焼付けて硬化させて、複層塗膜を得ることができる。本発明の方法では、中塗り塗料組成物、上塗りベース塗料組成物および上塗りクリヤー塗料組成物は、この順番に、それぞれウェットオンウェットで塗装される。つまり未硬化の塗膜が順次形成される。本発明において「未硬化」とは、完全に硬化していない状態をいい、プレヒートが行なわれた塗膜の状態も含むものである。「プレヒート」は、加熱硬化(焼付け)処理で用いられる温度より低い温度である室温〜100℃で、1〜10分間放置または加熱することにより、行なうことができる。中塗り塗膜を形成した後および上塗りベース塗膜を形成した後にそれぞれプレヒートを行なうことによって、より良好な仕上り外観を有する塗膜を得ることができる。
上塗りクリヤー塗膜を形成した後に、未硬化の中塗り塗膜、上塗りベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜の3層の塗膜を、120〜160℃で所定時間焼付けて硬化させて、複層塗膜を得ることができる。本発明の方法では、中塗り塗料組成物、上塗りベース塗料組成物および上塗りクリヤー塗料組成物は、この順番に、それぞれウェットオンウェットで塗装される。つまり未硬化の塗膜が順次形成される。本発明において「未硬化」とは、完全に硬化していない状態をいい、プレヒートが行なわれた塗膜の状態も含むものである。「プレヒート」は、加熱硬化(焼付け)処理で用いられる温度より低い温度である室温〜100℃で、1〜10分間放置または加熱することにより、行なうことができる。中塗り塗膜を形成した後および上塗りベース塗膜を形成した後にそれぞれプレヒートを行なうことによって、より良好な仕上り外観を有する塗膜を得ることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断らない限り、「部」は重量部を表わす。
製造例1 アミン変性エポキシ樹脂の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(重量比=8/2)92部、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)95部およびジブチル錫ジラウレート0.5部を仕込んだ。反応混合物を攪拌下、メタノール21部を滴下した。反応は、室温から始め、発熱により60℃まで昇温した。その後、30分間反応を継続した後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル50部を滴下漏斗より滴下した。更に、反応混合物に、ビスフェノールA−プロピレンオキシド5モル付加体53部を添加した。反応は主に、60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(重量比=8/2)92部、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)95部およびジブチル錫ジラウレート0.5部を仕込んだ。反応混合物を攪拌下、メタノール21部を滴下した。反応は、室温から始め、発熱により60℃まで昇温した。その後、30分間反応を継続した後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル50部を滴下漏斗より滴下した。更に、反応混合物に、ビスフェノールA−プロピレンオキシド5モル付加体53部を添加した。反応は主に、60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
次に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから既知の方法で合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂365部を反応混合物に加えて、125℃まで昇温した。その後、ベンジルジメチルアミン1.0部を添加し、エポキシ当量410になるまで130℃で反応させた。
続いて、ビスフェノールA61部およびオクチル酸33部を加えて120℃で反応させたところ、エポキシ当量は1190となった。その後、反応混合物を冷却し、ジエタノールアミン11部、N−エチルエタノールアミン24部およびアミノエチルエタノールアミンのケチミン化物の79重量%MIBK溶液25部を加え、110℃で2時間反応させた。その後、MIBKで不揮発分80%となるまで希釈し、ガラス転移温度が2℃のアミン変性エポキシ樹脂(樹脂固形分80%)を得た。
製造例2 ブロックイソシアネート硬化剤の製造
ジフェニルメタンジイソシアナート1250部およびMIBK266.4部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ジブチル錫ジラウレート2.5部を加えた。ここに、ε−カプロラクタム226部をブチルセロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間かけて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK336.1部を加えてガラス転移温度が0℃のブロックイソシアネート硬化剤を得た。
ジフェニルメタンジイソシアナート1250部およびMIBK266.4部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ジブチル錫ジラウレート2.5部を加えた。ここに、ε−カプロラクタム226部をブチルセロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間かけて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK336.1部を加えてガラス転移温度が0℃のブロックイソシアネート硬化剤を得た。
製造例3 顔料分散樹脂の製造
まず、攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)222.0部を入れ、MIBK39.1部で希釈した後、ここヘジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノール131.5部を攪拌下、乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、冷却することにより、反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(樹脂固形分90.0%)が得られた。
まず、攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)222.0部を入れ、MIBK39.1部で希釈した後、ここヘジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノール131.5部を攪拌下、乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、冷却することにより、反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(樹脂固形分90.0%)が得られた。
次いで、適当な反応容器に、ジメチルエタノールアミン87.2部、75%乳酸水溶液117.6部およびエチレングリコールモノブチルエーテル39.2部を順に加え、65℃で約半時間攪拌して、4級化剤を調製した。
次に、エポン(EPON)829(シェル・ケミカル・カンパニー社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量193〜203)710.0部とビスフェノールA289.6部とを適当な反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱したところ、初期発熱反応が生じた。反応混合物を150〜160℃で約1時間反応させ、次いで、120℃に冷却した後、先に調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(MIBK溶液)498.8部を加えた。
反応混合物を110〜120℃に約1時間保ち、次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル463.4部を加え、混合物を85〜95℃に冷却し、均一化した後、先に調製した4級化剤196.7部を添加した。酸価が1となるまで反応混合物を85〜95℃に保持した後、脱イオン水964部を加えて、エポキシ−ビスフェノールA樹脂において4級化を終了させ、4級アンモニウム塩部分を有する顔料分散用樹脂を得た(樹脂Tg=5℃、樹脂固形分50%)。
製造例4 顔料分散ペーストの製造
サンドグラインドミルに製造例4で得た顔料分散用樹脂を120部、カーボンブラック2.0部、カオリン100.0部、二酸化チタン80.0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部およびイオン交換水221.7部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分48%)。
サンドグラインドミルに製造例4で得た顔料分散用樹脂を120部、カーボンブラック2.0部、カオリン100.0部、二酸化チタン80.0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部およびイオン交換水221.7部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分48%)。
実施例1
カチオン電着塗料組成物の製造および硬化電着塗膜の形成
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で70/30で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
カチオン電着塗料組成物の製造および硬化電着塗膜の形成
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で70/30で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例4で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物の塗料中の溶剤量(VOC)は0.5%、樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量は24.2であった。得られたカチオン電着塗料組成物を、電着層浴の温度30℃にて電着塗装し、析出した塗膜を160℃、20分焼き付けて、硬化電着塗膜(A−1)を形成し、これを基材とした。
中塗り塗膜の形成
上記基材に、ポリエステルーメラミン硬化系の中塗り塗料組成物(「OTO H−880」、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmとなるように回転霧化式の静電塗装機を用いて塗装し、塗装後室温で8分間プレヒートして、未硬化の中塗り塗膜を形成した。
上記基材に、ポリエステルーメラミン硬化系の中塗り塗料組成物(「OTO H−880」、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmとなるように回転霧化式の静電塗装機を用いて塗装し、塗装後室温で8分間プレヒートして、未硬化の中塗り塗膜を形成した。
上塗りベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜の形成
次いで上記中塗り塗膜面に、アクリル−メラミン硬化系の上塗りベース塗料組成物(「OTO H−600」、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が10μmになるように塗装した。塗装後室温で7分間プレヒートして、未硬化の上塗りベース塗膜を形成した。次いで、アクリル酸−エポキシ硬化系の上塗りクリヤー塗料組成物(「MAC O−1600」、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が35μmになるように塗装した。次いで、140℃の温度で30分間焼付けて、複層塗膜を得た。
次いで上記中塗り塗膜面に、アクリル−メラミン硬化系の上塗りベース塗料組成物(「OTO H−600」、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が10μmになるように塗装した。塗装後室温で7分間プレヒートして、未硬化の上塗りベース塗膜を形成した。次いで、アクリル酸−エポキシ硬化系の上塗りクリヤー塗料組成物(「MAC O−1600」、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が35μmになるように塗装した。次いで、140℃の温度で30分間焼付けて、複層塗膜を得た。
硬化電着塗膜の動的Tgの測定
実施例および比較例により調製された電着塗料組成物を、動的粘弾性測定用ブリキ板上に電着塗装し、170℃で20分間焼付け硬化させて硬化電着塗膜を得た。得られた塗膜を、水銀を用いて剥離、裁断して、測定用サンプルを調製した。RHEOVIBRON MODEL RHEO 2000、3000(商品名、オリエンテック社製)を用いて、常温より200℃まで1分間に2℃の昇温速度かつ周波数11Hzにおいてサンプルに振動を与えてその粘弾性を測定し、貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E'')の比(tanδ)を算出して、そのピーク値をとる温度を求めて、動的Tgを求めた。
実施例および比較例により調製された電着塗料組成物を、動的粘弾性測定用ブリキ板上に電着塗装し、170℃で20分間焼付け硬化させて硬化電着塗膜を得た。得られた塗膜を、水銀を用いて剥離、裁断して、測定用サンプルを調製した。RHEOVIBRON MODEL RHEO 2000、3000(商品名、オリエンテック社製)を用いて、常温より200℃まで1分間に2℃の昇温速度かつ周波数11Hzにおいてサンプルに振動を与えてその粘弾性を測定し、貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E'')の比(tanδ)を算出して、そのピーク値をとる温度を求めて、動的Tgを求めた。
硬化電着塗膜の架橋密度の測定
上記動的Tgの測定により得られた貯蔵弾性率(E’)の値から、上記式により、架橋密度を算出した。
上記動的Tgの測定により得られた貯蔵弾性率(E’)の値から、上記式により、架橋密度を算出した。
複層塗膜の外観評価
焼付け硬化後の複層塗膜の仕上がり外観を、Wave−scan DOI (BYK−Gardner社製)を用いて測定した。測定値の内、Wa値は複層塗膜の外観の艶の項目に相関し、Wc値は複層塗膜の外観のチリ、ムジの項目に相関し、Wd値は複層塗膜の外観の肌、チリの項目に相関する。複層塗膜の外観評価は、Wa、WcおよびWd値を用いて行った。これらの値は、数値が小さい程外観が良好である事を示す。
焼付け硬化後の複層塗膜の仕上がり外観を、Wave−scan DOI (BYK−Gardner社製)を用いて測定した。測定値の内、Wa値は複層塗膜の外観の艶の項目に相関し、Wc値は複層塗膜の外観のチリ、ムジの項目に相関し、Wd値は複層塗膜の外観の肌、チリの項目に相関する。複層塗膜の外観評価は、Wa、WcおよびWd値を用いて行った。これらの値は、数値が小さい程外観が良好である事を示す。
実施例2
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で80/20で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量が35になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で80/20で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量が35になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例4で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液20部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物の塗料中の溶剤量は0.5%、樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量は25.5であった。得られたカチオン電着塗料組成物を、電着層浴の温度30℃にて電着塗装し、析出した塗膜を160℃、20分焼き付けて、硬化電着塗膜(A−2)を形成し、これを基材とした。
その他中塗り塗膜の形成などは実施例1と同様に行なって複層塗膜を得た。次いで、実施例1と同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
実施例3
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で80/20で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で80/20で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例4で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物の塗料中の溶剤量(VOC)は0.5%、樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量は24.2であった。得られたカチオン電着塗料組成物を、電着層浴の温度30℃にて電着塗装し、析出した塗膜を180℃、20分焼き付けて、硬化電着塗膜(A−3)を形成し、これを基材とした。
その他中塗り塗膜の形成などは実施例1と同様に行なって複層塗膜を得た。次いで、実施例1と同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
実施例4
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で60/40で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で60/40で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例4で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物の塗料中の溶剤量(VOC)は0.5%、樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量は24.2であった。得られたカチオン電着塗料組成物を、電着層浴の温度30℃にて電着塗装し、析出した塗膜を180℃、20分焼き付けて、硬化電着塗膜(A−4)を形成し、これを基材とした。
その他中塗り塗膜の形成などは実施例1と同様に行なって複層塗膜を得た。次いで、実施例1と同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
比較例1
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で90/10で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で90/10で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例4で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物の塗料中の溶剤量(VOC)は0.5%、樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量は24.2であった。得られたカチオン電着塗料組成物を、電着層浴の温度30℃にて電着塗装し、析出した塗膜を160℃、20分焼き付けて、硬化電着塗膜(B−1)を形成し、これを基材とした。
その他中塗り塗膜の形成などは実施例1と同様に行なって複層塗膜を得た。次いで、実施例1と同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
比較例2
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で80/20で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で80/20で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例4で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物の塗料中の溶剤量(VOC)は0.5%、樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量は24.2であった。得られたカチオン電着塗料組成物を、電着層浴の温度30℃にて電着塗装し、析出した塗膜を150℃、20分焼き付けて、硬化電着塗膜(B−2)を形成し、これを基材とした。
その他中塗り塗膜の形成などは実施例1と同様に行なって複層塗膜を得た。次いで、実施例1と同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
比較例3
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で70/30で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で70/30で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例4で得られた顔料分散ペースト280部と、イオン交換水1560部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物の塗料中の溶剤量(VOC)は0.5%、樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量は24.2であった。得られたカチオン電着塗料組成物を、電着層浴の温度30℃にて電着塗装し、析出した塗膜を180℃、20分焼き付けて、硬化電着塗膜(B−3)を形成し、これを基材とした。
その他中塗り塗膜の形成などは実施例1と同様に行なって複層塗膜を得た。次いで、実施例1と同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
表中の複層塗膜の外観評価における記号は以下の通りである。
Wa ○:10以下、×:11以上
Wc ○:20以下、×:21以上
Wd ○:20以下、×:21以上
Wa ○:10以下、×:11以上
Wc ○:20以下、×:21以上
Wd ○:20以下、×:21以上
表1の結果から明らかなように、本実施例1〜4による硬化電着塗膜上にスリーコート・ワンベーク塗装を行なって得られた複槽塗膜は、良好な外観を有するものであった。一方、比較例1〜3では、目的とする外観が良好な複層塗膜を形成することができなかった。
本発明の方法によって、硬化電着塗膜の耐溶剤性が向上し、焼付け工程が少ないスリーコート・ワンベークによる塗装においても、良好な外観を有する塗膜を得ることができる。そのため、塗装工程における焼付け乾燥に要するエネルギーを節約することができ、省エネルギー化およびコストダウンが可能となる。本発明の方法は、自動車、二輪車等の乗物外板、容器外面、コイルコーティング、家電業界などの、塗装時のエネルギー節減と良好な塗膜外観とが要求される分野において、好ましく使用することができる。
Claims (1)
- カチオン電着塗料組成物を被塗物に電着塗装し、加熱硬化させて、被塗物の表面上に硬化電着塗膜を形成する工程、
該硬化電着塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗布して、未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
未硬化の中塗り塗膜の上に上塗りベース塗料組成物を塗布して、未硬化の上塗りベース塗膜を形成する工程、
未硬化の上塗りベース塗膜の上に上塗りクリヤー塗料組成物を塗布して、未硬化の上塗りクリヤー塗膜を形成する工程、及び
該中塗り塗膜、上塗りベース塗膜および上塗りクリヤー塗膜を同時に焼付け硬化させる工程、
を包含する複層塗膜形成方法であって、
該硬化電着塗膜が、動的粘弾性測定によるTg100〜130℃、および架橋密度1.2〜2.6(mmol/cc)を有する、
複層塗膜形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005018507A JP2005238223A (ja) | 2004-01-26 | 2005-01-26 | 複層塗膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2004017109 | 2004-01-26 | ||
JP2005018507A JP2005238223A (ja) | 2004-01-26 | 2005-01-26 | 複層塗膜形成方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005238223A true JP2005238223A (ja) | 2005-09-08 |
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ID=35020516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005018507A Pending JP2005238223A (ja) | 2004-01-26 | 2005-01-26 | 複層塗膜形成方法 |
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-
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- 2005-01-26 JP JP2005018507A patent/JP2005238223A/ja active Pending
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