JP2000345394A - 複層電着塗膜およびこの塗膜を含む多層塗膜の形成方法 - Google Patents

複層電着塗膜およびこの塗膜を含む多層塗膜の形成方法

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JP2000345394A JP11160308A JP16030899A JP2000345394A JP 2000345394 A JP2000345394 A JP 2000345394A JP 11160308 A JP11160308 A JP 11160308A JP 16030899 A JP16030899 A JP 16030899A JP 2000345394 A JP2000345394 A JP 2000345394A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗料産業、なかでも自動車塗料分野用多層塗膜
の形成法において、電着塗膜と上塗り塗膜のみからなる
2コートでは、従来の3コートなみの外観、耐食性等の
性能を発現することは困難であった。 【解決手段】互いに不相溶な少なくとも2種類の樹脂成
分、硬化剤および顔料を含む水性塗料組成物を導電性基
材上に電着塗装し、複層硬化膜を形成する際に、空気に
直接接する樹脂層中の顔料濃度(a)が前記導電性基材
に直接接する樹脂層中の顔料濃度(b)に比較して相対
的に低くなるように顔料の分配を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料産業、なかで
も自動車塗装分野において有用な、電着塗膜上に直接上
塗り塗料を塗装する中塗りレス(2コート塗装システ
ム)に関するものであり、さらに詳細には、顔料配向に
より3コート膜に匹敵する優れた外観、耐溶剤性、耐候
性および耐食性を有し、かつ、工程短縮、コスト削減お
よび環境負荷低減を目指す新規塗装システムを構築する
上で重要な役割を果たす複層電着塗膜の形成方法、およ
びこの電着塗膜を含む多層塗膜の形成方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料分野とくに自動車塗装分野に
おいて、省資源、省コストおよび環境負荷(VOCおよ
びHAPs等)削減の課題を解決するため、塗装工程の
短縮化が強く求められている。すなわち、従来の自動車
の塗装仕上げ手順である電着プライマー塗装、中塗り塗
装および上塗り塗装の3コート塗装に対して、電着プラ
イマー塗装後に上塗り塗装を直接行う中塗りレス(2コ
ートシステム)により塗装工程数を削減し、しかも3コ
ート膜と同等の外観、上塗りとの密着性、耐候性および
耐食性を保持することのできる塗膜形成方法が求められ
ている。
【0003】上記中塗りレスによる複層電着塗膜に関す
る技術としては、例えば特公平2−33069号公報に
二層塗膜形成型厚膜電着塗料組成物が開示されている。
この発明は、組成中に軟化点80℃以上のカチオン性ア
クリル樹脂と、軟化点75℃以下のカチオン性フェノー
ル型エポキシ樹脂とを含み、それらの重量比を1〜30
対1とするものである。この組成物から形成された塗膜
は、耐食性良好なエポキシ系下層と、耐候性良好なアク
リル系上層の二層構造を有するとしている。
【0004】また、特公平6−99652号公報では、
特定範囲の表面張力を有するエポキシ系カチオン電着性
樹脂および非イオン性被膜形成樹脂から、複層電着塗膜
を形成できることが開示されている。
【0005】特開平8−333528号公報および特開
平10−292131号公報には、アミン変性エポキシ
系カチオン樹脂と、この樹脂の溶解性パラメーターより
低い値を有する(自己架橋性)アクリル系カチオン樹脂
およびブロックポリイソシアネート硬化剤から、複層電
着塗膜を形成できることが開示されている。
【0006】また、特開平2−229869号公報に
は、カチオン性エポキシ樹脂と相溶性があり、かつ親水
部分、疎水部分が構造上分離された形態の櫛形アクリル
ポリマーを、顔料分散剤として使用して複層電着塗膜を
形成することが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平2−330
69号、特公平6−99652号、特開平8−3335
28号、および特開平10−292131号の各公報に
記載の発明は、単に電着塗膜中の樹脂分離手段を示した
ものであり、この開示から3コート膜に匹敵する優れた
塗膜外観、および上塗り層との優れた密着性を有する複
層電着塗膜を形成することは困難であった。なお、特開
平8−333528号公報および特開平10−2921
31号公報の発明には、4級化エポキシ樹脂を分散樹脂
とする顔料ペーストの製造例が記載されているものの、
顔料分散を制御して塗膜外観や密着性を向上させるとい
う思想は見られない。
【0008】また、上記特公平2−33069号公報の
発明では、軟化点75℃以下のカチオン性フェノール型
エポキシ樹脂を使用するため、形成される硬化塗膜の耐
溶剤性、防食性等の物性を低下させる心配があった。一
方、上記特公平6−99652号公報の発明では、使用
する非イオン性皮膜形成樹脂は、カチオン性等のイオン
性皮膜形成樹脂と比較して上塗り層との密着性に優れて
いるとはいえず、この点に関しては別の視点による新た
な解決方法を探す必要があった。
【0009】また、上記特開平2−229869号公報
の発明では、上記櫛形アクリルポリマーを顔料分散剤と
して使用した場合、エポキシ樹脂と良好に相溶すること
から、樹脂同士が分離することがなく、したがって顔料
も膜の深さ方向に均一に分散してしまう欠点があった。
この櫛形アクリルポリマーを使用した顔料ペーストを上
記特開平8−333528あるいは特開平10−292
131で開示された、互いに不相溶に設計されたカチオ
ン変性エポキシ樹脂とカチオン性アクリル樹脂との混合
系に適用した場合には、櫛形アクリルポリマーが両方の
樹脂に溶解するため、顔料分散を制御することは困難で
あった。
【0010】以上述べたように、従来の技術では3コー
トなみの各性能を維持しながら中塗りレスとすることは
困難であった。とくに塗膜外観に関しては、加熱時にお
いて電着塗膜のフロー性を制御し、表面平滑性を飛躍的
に向上させる必要があるが、従来技術では顔料濃度を1
0〜20重量%程低減して対応するなどしており、市場
の要求に十分に対応できているとは言えなかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の複層電着塗膜の形成方法は、互いに不相溶
な少なくとも2種類の樹脂成分、硬化剤および顔料を含
む水性塗料組成物を導電性基材上に電着塗装し、次いで
加熱しながら層分離せしめ、その後硬化させて少なくと
も2層から成る複層硬化膜を形成する過程で、空気に直
接接する樹脂層中の顔料濃度(a)が上記導電性基材に
直接接する樹脂層中の顔料濃度(b)と比較して相対的
に低くなるように顔料の分配制御を行う。この方法は、
導電性基材をカソード極端子に接続して行う、カチオン
電着塗装に好適である。
【0012】本発明の方法においては、上記空気に直接
接する樹脂層を構成する樹脂成分の溶解性パラメーター
(δa)と、導電性基材に直接接する樹脂層を構成する
樹脂成分の溶解性パラメーター(δb)とが、(δb−δ
a)≧1.0の関係にある互いに不相溶な樹脂成分を選
択する。すなわち、上記「不相溶」には、全く相溶性の
ないものから(δb−δa)=1.0までの難相溶のもの
までが含まれている。上記溶解性パラメーターを有する
2種類の樹脂成分を用いれば十分な不相溶性を確保する
ことができ、その結果複層構造を持つ電着塗膜を形成す
ることができる。
【0013】また、上記導電性基材に直接接する樹脂層
を構成する樹脂成分は、カチオン変性エポキシ樹脂であ
ることが好ましい。一方、上記空気に直接接する樹脂層
を構成する樹脂成分の少なくとも1つが、カチオン変性
アクリル樹脂、カチオン変性ポリエーテルウレタン樹脂
およびカチオン変性ポリエステルウレタン樹脂よりなる
群より選ばれるカチオン変性樹脂であることが好まし
い。上記カチオン変性エポキシ樹脂と、上記カチオン変
性樹脂とは互いに不相溶な樹脂成分であって、上記水性
塗料組成物中での好ましい配合比率は、重量比で70/
30〜30/70の範囲である。
【0014】また本発明の方法において、上記複層硬化
膜中における全顔料の重量(P)に対する、複層硬化膜
を形成する顔料以外の全ビヒクル成分の重量(V)の比
率P/Vは、好ましくは1/10〜1/3の範囲であ
る。そして上記顔料の少なくとも1つが二酸化チタン、
リンモリブデン酸アルミまたはケイ酸アルミであること
が好ましく、これら顔料の少なくとも1つを、導電性基
材に直接接する樹脂層を構成する樹脂と相溶性を有し、
かつ空気に直接接する樹脂層を構成する樹脂とは不相溶
な分散樹脂によって、水性塗料組成物の調製時点におい
てあらかじめ、分散ペースト化しておくことが好まし
い。
【0015】上記分散樹脂の溶解性パラメーター(δ
c)については、空気に直接接する樹脂層を構成する樹
脂の溶解性パラメーター(δa)と0.5以上の差を持
たせることによって、この樹脂との不相溶性を確保し、
導電性基材に直接接する樹脂層を構成する樹脂の溶解性
パラメーター(δb)との差を0.5未満とすることに
よって、この樹脂との相溶性を確保し、顔料を導電性基
材に直接接する樹脂層へ多く取り込むことができる。
【0016】本発明に係る電着塗料組成物を硬化させる
ための手法は、イソシアネート架橋、エステル架橋、メ
ラミン架橋、アマイド架橋等の公知の方法が適用可能で
あるが、上記硬化剤についていえば好ましくはブロック
ドポリイソシアネートであって、かつこのブロックドポ
リイソシアネートの溶解性パラメーター(δi)は、上
記溶解性パラメーターδaおよびδbの中間に設定するの
が良い。この設定によって、複層構造をとる電着塗膜の
硬化を平均して行うことできる。
【0017】本発明の多層塗膜の形成方法は、上記各方
法によって得られた複層電着塗膜上に、さらに上塗り塗
料を塗装し、焼き付けるものであり、中でも、上記複層
電着塗膜が未硬化の段階で硬化温度条件未満でプレヒー
トを行い、ウェットオンウェットでさらに上塗り塗料を
塗装した後、電着塗膜と上塗り塗膜とを同時に焼き付け
る、いわゆる2コート1ベーク方法が塗膜外観を一層向
上させる点で好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。
【0019】本発明の方法で使用する、上記空気に直接
接する樹脂層を形成する樹脂成分(以下、樹脂成分Aと
いう。)は、層分離を誘導する樹脂成分でもあり、上記
導電性基材に直接接する樹脂層を形成する樹脂成分(以
下、樹脂成分Bという。)よりも溶解性パラメーターδ
において少なくとも1.0以上低い樹脂であることが必
要であり、この関係は(δb−δa)≧1.0で表わすこ
とができる。ここにおいて、δaは樹脂成分Aの溶解性
パラメーターを表わし、δbは樹脂成分Bの溶解性パラ
メーターを表わす。一般に、樹脂間の溶解性パラメータ
ーδの差が0.5以上あれば相溶性を失い、塗膜が分離
構造を呈すると考えられている。しかし本発明のよう
に、明瞭に層分離した塗膜構造を形成するためには、少
なくとも1.0以上の溶解性パラメーター差が必要とな
る。上記溶解性パラメーターδとは、当該業者等の間で
一般にSP(ソルビリティ・パラメーター)とも呼ばれ
るものであって、樹脂の親水性または疎水性の度合いを
示す尺度であり、また樹脂間の相溶性を判断する上でも
重要な尺度である。例えば下記のような濁度測定法をも
とに数値定量化されるものである(参考文献:K.W.
Suh,D.H.Clarke J.Polymer.
Sci.,A−1,,1671(1967).)。
【0020】このような溶解性パラメーターδに基づく
関係を満足する樹脂成分Aの少なくとも1つは、カチオ
ン変性アクリル樹脂、カチオン変性ポリエーテルウレタ
ン樹脂およびカチオン変性ポリエステルウレタン樹脂よ
りなる群より選ばれるカチオン変性樹脂であることが好
ましい。
【0021】カチオン変性アクリル樹脂は、分子内に複
数のオキシラン環および複数の水酸基を含んでいるアク
リル共重合体とアミンとの開環付加反応によって合成す
ることができる。このようなアクリル共重合体は、グリ
シジル(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基含有ア
クリルモノマー(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、あるいは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートのような水酸基含有(メタ)アクリルエステル
と、ε−カプロラクトンとの付加生成物)と、その他の
アクリル系および/または非アクリルモノマーとを共重
合することによって得られる。
【0022】その他のアクリル系モノマーの例として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、非
アクリルモノマーの例としては、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリルニトリ
ル、(メタ)アクリルアミドおよび酢酸ビニルを挙げる
ことができる。
【0023】上記のグリシジル(メタ)アクリレートに
基づくオキシラン環を含有するアクリル樹脂は、エポキ
シ樹脂のオキシラン環の全部を1級アミン、2級アミン
または3級アミン酸塩との反応によって開環し、カチオ
ン性アクリル樹脂とすることができる。
【0024】また、アミノ基を有するアクリルモノマー
を他のモノマーと共重合することによって直接カチオン
変性アクリル樹脂を合成する方法もある。この方法で
は、上記のグリシジル(メタ)アクリレートの代りに
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート等のアミノ基含有アクリルモノマーを使用し、これ
をヒドロキシル基含有アクリルモノマーおよび他のアク
リル系および/または非アクリル系モノマーと共重合す
ることによってカチオン変性アクリル樹脂を得ることが
できる。
【0025】かくして得られたカチオン変性アクリル樹
脂は、上記の特開平8−333528号公報に挙げられ
るように、必要に応じてハーフブロックジイソシアネー
ト化合物との付加反応によってブロックイソシアネート
基を導入し、自己架橋型カチオン変性アクリル樹脂とす
ることもできる。
【0026】つぎに、上記カチオン変性ポリエーテルウ
レタン樹脂およびカチオン変性ポリエステルウレタン樹
脂について説明すると、これらの樹脂は、ポリエチレン
オキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレ
ンオキシド等のポリエーテル、あるいは分子鎖の両末端
に水酸基を有するポリε−カプロラクトン等のポリエス
テルポリオールの両末端に、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
−ト等のジイソシアネートをウレタン結合させ、鎖延長
したものを出発原料樹脂としたものである。カチオン性
基の導入は、例えば分子鎖の途中にN−メチルジエタノ
ールアミンとジイソシアネートを結合させて3級アミノ
基を導入する方法がある。また、ジエチレントリアミン
メチルイソブチルケチミンの様なケチミンブロック1級
アミノ基含有2級アミンを分子のイソシアネート末端に
反応させた後、樹脂の水分散工程においてケチミンブロ
ック部分を加水分解させることによって1級アミノ基を
導入する方法もある。こうしてアミノ基を導入したカチ
オン変性ウレタン樹脂は、そのまま使用することもでき
るし、必要に応じて後工程で酸中和して使用することも
できる。
【0027】樹脂成分Aは、ヒドロキシル価が50〜1
50の範囲となるように分子設計することが好ましい。
ヒドロキシル価が50未満では塗膜の硬化不良を招き、
反対に150を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が
残存する結果、耐水性が低下することがある。また、数
平均分子量は1000〜20000の範囲であれば好適
である。数平均分子が1000未満では硬化形成塗膜の
耐溶剤性等の物性が劣る。反対に20000を超える
と、樹脂溶液の粘度が高いために得られた樹脂の乳化分
散等の操作上ハンドリングが困難なばかりか、得られた
電着塗膜の膜外観が著しく低下してしまうことがある。
なお、樹脂成分Aは1種のみ使用することもできるが、
塗膜性能のバランス化を計るために、2種あるいはそれ
以上の種類を使用することもできる。
【0028】一方、本発明の方法で使用する、導電性基
材に直接接する樹脂層を構成する樹脂(樹脂成分B)
は、導電性基材に対して防錆性を発現するような樹脂で
あることが必要である。このような樹脂の例として、カ
チオン電着塗料の分野ではカチオン変性エポキシ樹脂が
良く知られており、本発明においても好適に用いること
ができる。一般にカチオン変性エポキシ樹脂は、出発原
料樹脂分子内のエポキシ環を1級アミン、2級アミンあ
るいは3級アミン酸塩等のアミン類との反応によって開
環して製造される。出発原料樹脂の典型例は、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェ
ノールノボラック、クレゾールノボラック等の多環式フ
ェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物で
あるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂である。また他の出発原料樹脂の例として、特開平
5−306327号公報に記載されたオキサゾリドン環
含有エポキシ樹脂を挙げることができる。このエポキシ
樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネ
ート化合物のNCO基をメタノール、エタノール等の低
級アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合
物と、エピクロルヒドリンとの反応によって得られるも
のである。
【0029】上記出発原料樹脂は、アミン類によるエポ
キシ環の開環反応の前に、2官能のポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2
塩基性カルボン酸等により鎖延長して用いることができ
る。また同じくアミン類によるエポキシ環の開環反応の
前に、分子量またはアミン当量の調節、熱フロー性の改
良等を目的として、一部のエポキシ環に対して2−エチ
ルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコー
ルモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリ
コールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノ
ヒドロキシ化合物を付加して用いることもできる。
【0030】エポキシ環を開環し、アミノ基を導入する
際に使用し得るアミン類の例としては、ブチルアミン、
オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メ
チルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルア
ミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩など
の1級、2級または3級アミン酸塩でを挙げることがで
きる。また、アミノエチルエタノールアミンメチルイソ
ブチルケチミンの様なケチミンブロック1級アミノ基含
有2級アミンも使用することができる。これらのアミン
類は、全てのエポキシ環を開環させるために、エポキシ
環に対して少なくとも当量で反応させる必要がある。
【0031】上記カチオン変性エポキシ樹脂の数平均分
子量は1500〜5000の範囲が好ましい。数平均分
子量が1500未満の場合は、硬化形成塗膜の耐溶剤性
および耐食性等の物性が劣ることがある。反対に500
0を超える場合は、樹脂溶液の粘度制御が難しく合成が
困難なばかりか、得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハ
ンドリングが困難となることがある。さらに高粘度であ
るがゆえに加熱・硬化時のフロー性が悪く塗膜外観を著
しく損ねる場合がある。
【0032】樹脂成分Bは、ヒドロキシル価が50〜2
50の範囲となるように分子設計することが好ましい。
ヒドロキシル価が50未満では塗膜の硬化不良を招き、
反対に250を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が
残存する結果、耐水性が低下することがある。さらに樹
脂成分Bの軟化点は、80℃以上、さらに好ましくは1
00℃以上のものを用いることが、本発明の目的である
硬化形成塗膜の耐溶剤性、耐候性、耐食性あるいは塗膜
外観の高次元における両立化を達成する上で望ましい。
【0033】樹脂成分Aの溶解性パラメーターδaと、
樹脂成分Bの溶解性パラメーターδbとは上記のように
(δb−δa)≧1.0の関係にある。溶解性パラメータ
ーδは樹脂の親水・疎水性の度合いを示す尺度であるか
ら、その数値δbが1.0以上も樹脂成分Aより高い樹
脂成分B(カチオン変性エポキシ樹脂等)は空気層側よ
りもむしろ金属等の表面極性の高い導電性基材表面に対
する親和性が高いと言える。したがって、電着塗装後の
加熱時には、金属材料等からなる導電性基材側に接する
側に樹脂層を形成する。また樹脂成分AはBとは逆に空
気層側に移動して樹脂層を形成することになる。この様
に双方の樹脂の溶解性パラメーターの差異が樹脂層の分
離を引き起こす推進力になると考えられる。
【0034】上記樹脂層の分離状況を確認するには、電
着塗膜の断面をビデオマイクロスコープによって目視観
察するか、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察す
る方法がある。また、各樹脂層を構成する樹脂成分を同
定するには、例えば全反射型フーリエ変換赤外分光光度
計(FTIR−ATR)を使用することができる。
【0035】また、樹脂成分A(例えばカチオン変性ア
クリル樹脂)と、それと不相溶な樹脂成分B(例えばカ
チオン変性エポキシ樹脂)の水性塗料組成物中での配合
比率は、重量比で好ましくは70/30〜30/70、
さらに好ましくは60/40〜40/60である。配合
比率が70/30〜30/70の範囲を外れた場合は、
電着塗装、焼き付け後の硬化塗膜が複層構造とならず、
配合比率の高い方の樹脂が連続相を形成し、低い方の樹
脂が分散相を形成する海島構造(またはミクロドメイン
構造)になってしまうことがある。
【0036】樹脂成分AおよびBは、そのままエマルシ
ョンとして水中に乳化分散させるか、あるいは各樹脂中
のアミノ基を中和できる量の酢酸、蟻酸、乳酸等の有機
酸で中和処理し、カチオン化エマルションとして水中に
乳化分散させる。乳化分散は樹脂成分AおよびB別々に
行うことが好ましいが、両方の樹脂を混合して乳化分散
させてもよい。この乳化分散の工程では、少なくともい
ずれかの樹脂エマルションに硬化剤を内包させることが
望ましい。硬化剤としては、加熱時に各樹脂成分を硬化
させることが可能であれば、どのような種類のものでも
良いが、その中でも電着樹脂の硬化剤として好適なブロ
ックドポリイソシアネートが推奨される。
【0037】上記ブロックドポリイソシアネートの原料
であるポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレン
ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート)等の脂環族ポリイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネートが挙げられる。これらを適当な
封止剤でブロック化することにより、上記ブロックドポ
リイソシアネートを得ることができる。
【0038】上記封止剤の例としては、n−ブタノー
ル、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノー
ル、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メ
チルフェニルカルビノール等の一価のアルキル(または
芳香族)アルコール類、エチレングリコールモノヘキシ
ルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシ
ルエーテル等のセロソルブ類、フェノール、パラーt−
ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール類、ジメ
チルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチル
イソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、
シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、およびε−
カプロラクタム、γ−ブチロラクタムに代表されるラク
タム類が好ましく用いられる。とくにオキシム類および
ラクタム類の封止剤は低温で解離するため、樹脂硬化性
の観点から好適である。
【0039】上記封止剤は単独あるいは複数種を使用す
ることができる。ブロック化率については、樹脂成分A
あるいはBと反応させる目的がなければ、塗料の貯蔵安
定性確保のためにも100%にしておくことが好まし
い。
【0040】上記ブロックドポリイソシアネートの、樹
脂成分AおよびBの合計量に対する配合比は、硬化塗膜
の利用目的などで必要とされる架橋度に応じて異なる
が、塗膜物性や上塗り塗装適合性を考慮すると15〜4
0重量%の範囲が好ましい。この配合比が15重量%未
満では塗膜硬化不良を招く結果、機械的強度などの塗膜
物性が低くなることがあり、また、上塗り塗装時に塗料
シンナーによって塗膜が侵されるなど外観不良を招く場
合がある。一方、40重量%を超えると、逆に硬化過剰
となって、耐衝撃性等の塗膜物性不良などを招くことが
ある。なお、ブロックドポリイソシアネートは、塗膜物
性や硬化度の調節等の都合により、複数種を組み合わせ
て使用しても良い。
【0041】さらに、ブロックドポリイソシアネートの
溶解性パラメーター(δi)は、樹脂成分Aの溶解性パ
ラメーターδaおよび樹脂成分Bの溶解性パラメーター
δbの中間値、すなわちδa<δi<δbに設定すること
が、二層分離後のそれぞれの層へのブロックドポリイソ
シアネートの分配溶解を可能とし、樹脂成分Aを含む層
の硬化性の確保と樹脂成分Bを含む層の同時硬化を両立
化せしめる上で重要である。この関係は、複層膜中の層
間密着性の向上とさらに上塗り塗装後の多層外観の向上
をもたらすなど本発明を成立させる上で重要な設計指針
である。
【0042】本発明の方法で使用する顔料は、通常塗料
に使用されるものならばとくに制限なく使用することが
できる。その例としては、カーボンブラック、二酸化チ
タン、グラファイト等の着色顔料、カオリン、ケイ酸ア
ルミ(クレー)、タルク等の体質顔料、リンモリブデン
酸アルミ、ケイ酸鉛、硫酸鉛、ジンククロメート、スト
ロンチウムクロメート等の防錆顔料が挙げられる。これ
らの中でも、電着塗装後の複層硬化膜中で分散濃度勾配
を担う顔料としてとくに重要なものは、二酸化チタン、
ケイ酸アルミ(クレー)およびリンモリブデン酸アルミ
である。とくに二酸化チタンは着色顔料として隠蔽性が
高く、しかも安価であることから、電着塗膜用に最適で
ある。なお、上記顔料は単独で使用することもできる
が、目的に合わせて複数使用するのが一般的である。
【0043】上記顔料は複層硬化膜中において、全顔料
重量(P)に対する、複層硬化膜を形成する顔料以外の
全ビヒクル成分の重量(V)の比率P/Vで表わすと1
/10〜1/3の範囲であることが好ましい。ここで顔
料以外の全ビヒクル成分とは、顔料以外の塗料を構成す
る全固形成分(互いに不相溶な主樹脂成分、それぞれの
硬化剤および顔料分散樹脂等)を意味する。上記P/V
が1/10未満では、顔料不足により塗膜に対する光線
および水分などの腐食要因の遮断性が過度に低下し、実
用レベルでの耐候性や耐食性を発現できないことがあ
る。また、P/Vが1/3を超えると、顔料過多により
硬化時の粘性増大を招き、フロー性が低下して塗膜外観
が著しく悪くなることがある。なお、この比率は、本発
明で用いられる水性塗料組成物中における、全顔料重量
に対する全ビヒクル成分の重量と実質的に同じである。
【0044】上記空気に直接接する樹脂層中の顔料濃度
(a)が、上記導電性基材に直接接する樹脂層中の顔料
濃度(b)に比較して相対的に低くなるように顔料の分
配を制御するには、上記顔料の少なくとも1つについ
て、樹脂成分Bと相溶性を有し、かつ樹脂成分Aとは不
相溶な分散樹脂を使用して顔料分散ペーストを製造し、
これを含有した水性塗料組成物を調製することが好まし
い。特に顔料分散樹脂の溶解性パラメーターδcが、樹
脂成分Bの溶解性パラメーターδbとは0.5未満、さ
らには0.3未満の差があり、かつ樹脂成分Aの溶解性
パラメーターδaとは0.5以上、さらには0.7以上
の差があれば上記のように顔料分配を制御することが可
能である。溶解性パラメーターδcとδbとの差が0.5
以上ある場合には、顔料分散樹脂と樹脂成分Bとの間で
相溶性が確保されず、電着塗膜を加熱しても顔料が樹脂
成分Bを含む樹脂層へ配向しにくくなり、その結果、耐
食性が低下することがある。また、溶解性パラメーター
δcとδaとの差が0.5未満のときは、顔料分散樹脂と
樹脂成分Aとの間で相溶してしまうことがあり、樹脂成
分Aを含む樹脂層にも顔料が配向し易くなる。その結
果、硬化塗膜の外観を損ねてしまう心配がある。
【0045】顔料の相対的な配向の様子は、たとえば電
着塗膜断面を走査型電子顕微鏡による蛍光X線分析(S
EM−EDX法)による観察によって確認できる。
【0046】顔料分散樹脂の種類および組成に関して
は、樹脂成分Bと同一のものか、あるいはそれと近似組
成で、かつ上記溶解性パラメーターの条件を満足するも
のが好適である。また、顔料に対する分散樹脂の適性配
合量は、5〜40固形分重量%(対顔料重量)である。
分散樹脂の配合量が5未満の場合は、顔料分散安定性を
確保することが困難となり、また40を超える場合は塗
膜の硬化性の制御が困難になる場合がある。
【0047】本発明の方法で形成する複層電着膜は、も
し深さ方向に少なくとも3層以上の複層構造を有する場
合は、中間に位置する樹脂層(以下、中間層という。)
中の顔料濃度(c)が、空気に直接接する樹脂層中の顔
料濃度(a)と導電性基材に直接接する樹脂層中の顔料
濃度(b)との間に位置し、空気/塗膜界面から塗膜/
導電性基材界面へ向かう深さ方向において傾斜勾配を有
する。つまり、複層塗膜各層の顔料濃度がa<b<cの
関係式を満足させるような濃度勾配を持つ。
【0048】また上記中間層を構成する樹脂の種類と組
成は、導電性基材に直接接する樹脂層を構成する樹脂成
分Bと、空気に直接接する樹脂層を構成する樹脂成分A
の中間的な溶解性パラメーターδm(δa<δm<δb)
を有し、かつ中間的な樹脂組成を持つものが好ましい。
【0049】このような樹脂の例としては、カチオン変
性エポキシ樹脂とポリエステル樹脂、カチオン変性エポ
キシ樹脂とアクリル樹脂および/またはカチオン変性エ
ポキシ樹脂とポリエーテル樹脂とのグラフト樹脂等が挙
げられ、これらは上記の顔料濃度条件を満足させる上に
おいても中間層を構成する樹脂として好適に用いられ
る。
【0050】カチオン変性エポキシ樹脂とポリエステル
樹脂のグラフト樹脂は、例えば分子鎖片末端に水酸基を
有するアルコキシ変性ポリε−カプロラクトンあるいは
アルコキシ変性ポリδ−バレロラクトン等で4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート等のジイソシアネートをウレタン結
合を介してハーフブロック化した後、さらにカチオン変
性エポキシ樹脂中の水酸基と反応せしめることで合成で
きる。
【0051】またカチオン変性エポキシ樹脂とアクリル
樹脂とのグラフト樹脂は、例えばベンゾイルパーオキシ
ド、クメンパーオキシド等の過酸化物重合触媒によるエ
ポキシ樹脂上の水素引き抜き反応によってアクリルモノ
マーがエポキシ樹脂に対してグラフト化すること等によ
り合成される。エポキシ樹脂のカチオン化はアクリルグ
ラフト反応後に行っても良い。
【0052】さらにカチオン変性エポキシ樹脂とポリエ
ーテル樹脂とのグラフト樹脂は、例えば分子鎖片末端に
水酸基を有するアルコキシ変性ポリプロピレン等で4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートをウレ
タン結合を介してハーフブロック化した後、さらにカチ
オン変性エポキシ樹脂中の水酸基と反応せしめることで
合成できる。
【0053】上記各種グラフト樹脂の製造方法は、以上
の合成例に限定されるものではなく、経済的(反応収率
と製造コストの点)で、かつ安全性が確保されならば、
全ての公知の方法を採用することができる。
【0054】本発明の複層構造を有する電着塗膜にさら
に上記中間層を持たせることにより、例えば、耐候試験
における塗膜剥離性で評価される、導電性基材に直接接
する樹脂層と空気に直接接する樹脂層との密着性が向上
させることができる。
【0055】上記中間層を構成する樹脂の数平均分子量
は1000〜20000の範囲が好ましく、1000未
満では塗膜硬化後の複層間密着性が劣る。反対に200
00を超える場合は、樹脂溶液の粘度が高いために得ら
れた樹脂の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難なば
かりか、得られた電着塗膜の膜外観に対しても悪影響を
与えてしまう。さらに塗膜の硬化設計上、必要に応じて
中間層にも上記硬化剤の適量(通常樹脂に対して15〜
40重量%)を配合しても良い。 本発明の方法に使用
する水性塗料組成物は、互いに不相溶な少なくとも2種
類の樹脂成分(樹脂成分Aおよび樹脂成分B)、硬化剤
および顔料を含むものであり、その調製は、樹脂成分
A、B、顔料(顔料分散樹脂ペースト)および硬化剤を
一括して混合した後、中和剤を含む水性媒体中で水性エ
マルション化する方法がある。また、各樹脂を別々にそ
れぞれに適合した硬化剤とともに中和剤を含む水性媒体
中でエマルション化した後、上記配合比率を満足するよ
うにエマルションをブレンドする方法もある。このうち
好ましいのは後者の別々にエマルション化する方法であ
り、これにより塗料の安定性を確保することが容易とな
る。なお、上記中和剤の例としては、塩酸、硝酸、リン
酸等の無機酸および蟻酸、酢酸、乳酸、スルファミン
酸、アセチルグリシン酸等の有機酸を挙げることができ
る。
【0056】上記水性塗料組成物は、固形分濃度が15
〜25重量%の範囲となるように調整することが好まし
い。固形分濃度の調節には水性媒体(水単独かまたは水
と親水性有機溶剤との混合物)を使用して行う。また、
塗料組成物中には少量の添加剤を導入しても良い。添加
剤の例としては紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性
剤、塗膜表面平滑剤、硬化促進剤(有機スズ化合物な
ど)などを挙げることができる。
【0057】本発明の複層電着塗膜を形成するために
は、被塗物である導電性基材に陰極(カソード極)端子
を接続し、上記水性塗料組成物の浴温15〜35℃、負
荷電圧100〜400Vの条件で、乾燥膜厚10〜50
μm、好ましくは20〜40μmとなる量の塗膜を電着
塗装する。その後140〜200℃、好ましくは160
〜180℃で10〜30分間焼き付ける。この焼き付け
を目的とした加熱によって、電着塗装された水性塗料組
成物に含有される樹脂成分Aおよび樹脂成分B、顔料分
散樹脂は、各樹脂固有の溶解性パラメーターに応じて配
向する。そして焼き付けを終了する塗膜硬化時には、樹
脂成分Aが空気に直接接する側に、樹脂成分Bが導電性
基材に直接接する側にあり、しかも顔料が樹脂成分Bを
含む層内に主として存在する複層構造の電着硬化膜とな
る。なお、上記焼き付けの加熱方法は、当初から目的温
度に調節した加熱設備に塗装物を入れる方法と、塗装物
を入れた後に昇温する方法がある。
【0058】上記方法によって形成された複層電着硬化
膜上に、さらに上塗り塗料を塗装して焼き付けることに
よって、密着性および外観に優れた2コート仕様の多層
塗膜を形成することができる。この多層塗膜形成は2コ
ート2ベーク塗装方法である。なお、上記上塗り塗料
は、溶剤型、水性、粉体のいずれのタイプであっても構
わない。
【0059】また自動車塗装分野では近年の省エネルギ
ー化の要求から、焼き付け工程を短縮する方法が一般的
である。すなわち、上記方法によって電着塗装を行った
後、未硬化の塗膜上にウェットオンウェットで上塗り塗
料を塗装し、電着塗膜と上塗り塗膜を同時に焼き付ける
2コート1ベーク塗装方法が採用されている。本発明の
複層電着膜の形成には、この2コート1ベーク塗装方法
を適用するのも好ましい。ただし、その場合は電着膜内
部の層分離が起こる温度を塗膜硬化に必要な温度条件以
下に設定しプレヒートした上で、上塗り塗装を施すこと
が、塗膜外観を損なわずに目的の多層塗膜を得るために
は望ましい。上記プレヒート温度は通常60〜130℃
の範囲が好適である。
【0060】
【実施例】以下に製造例、実施例および比較例を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。各例中の「部」は「重量
部」を表し、「%」は「重量%」を表す。製造例1(ブロックドポリイソシアネート硬化剤の製
造) 攪拌機、窒素導入管、冷却管および温度計を備え付けた
反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を入
れ、メチルイソブチルケトン56部で希釈した後ブチル
錫ラウレート0.2部を加え、50℃まで昇温の後、メ
チルエチルケトオキシム17部を内容物温度が70℃を
超えないように加えた。そして赤外吸収スペクトルによ
りイソシアネート残基の吸収が実質上消滅するまで70
℃で1時間保温し、その後n−ブタノール43部で希釈
することによって固形分70%の目的のブロックドポリ
イソシアネート(溶解性パラメーターδi=11.8)
を得た。
【0061】製造例2(ブロックドポリイソシアネート
硬化剤の製造) 攪拌機、窒素導入管、冷却管および温度計を備え付けた
反応容器にヘキサメチレンジイソシアネートの3量体1
99部を入れ、メチルイソブチルケトン39部で希釈し
た後ブチル錫ラウレート0.2部を加え、50℃まで昇
温の後、メチルエチルケトオキシム44部、エチレング
リコールモノ2−エチルへキシルエーテル87部を内容
物温度が70℃を超えないように加えた。そして赤外吸
収スペクトルによりイソシアネート残基の吸収が実質上
消滅するまで70℃で1時間保温し、その後n−ブタノ
ール43部で希釈することによって固形分80%の目的
のブロックドポリイソシアネート(溶解性パラメーター
δi=10.7)を得た。
【0062】製造例3(カチオン変性エポキシ樹脂エマ
ルション[樹脂成分B]の製造) 攪拌機、デカンター、窒素導入管、温度計および滴下ロ
ートを備え付けた反応容器に、エポキシ当量188のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331
J、ダウケミカル社製)2400部とメタノール141
部、メチルイソブチルケトン168部、ジラウリン酸ジ
ブチル錫0.5部を仕込み、40℃で攪拌し均一に溶解
させた後、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネー
ト(80/20重量比混合物)320部を30分間かけ
て滴下したところ発熱し、70℃まで上昇した。これに
N,N−ジメチルベンジルアミン5部を加え、系内の温
度を120℃まで昇温し、メタノールを留去しながらエ
ポキシ当量が500になるまで120℃で3時間反応を
続けた。さらに、メチルイソブチルケトン644部、ビ
スフェノールA341部、2−エチルヘキサン酸413
部を加え、系内の温度を120℃に保持し、エポキシ当
量が1070になるまで反応させた後、系内の温度が1
10℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミ
ンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン
溶液)241部とN−メチルエタノールアミン192部
の混合物を添加し110℃で1時間反応させることによ
りカチオン変性エポキシ樹脂を得た。この樹脂の数平均
分子量は2100、水酸基価は160であり、樹脂軟化
点はJIS−K−5665に基づいて測定したところ1
30℃であった。赤外吸収スペクトル等の測定から、樹
脂中にオキサゾリドン環(吸収波数;1750cm-1
を有していることが確認された。また溶解性パラメータ
ーδb=11.4であった。
【0063】こうして得られたカチオン変性エポキシ樹
脂中へ、上記製造例1で製造したブロックドポリイソシ
アネート硬化剤1834部、酢酸90部を加えた後、イ
オン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で
不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂
を主体とする水性エマルション(以下、E-1と記す)を
得た。
【0064】製造例4(カチオン変性アクリル樹脂エマ
ルション[樹脂成分A]の製造) 攪拌機、冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロート
を備え付けた反応容器に、メチルイソブチルケトン50
部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。さ
らに2−ヒドロキシエチルメタクリレート22.7部、
2−エチルヘキシルメタクリレート57.3部、N,N
−ジメチルアミノエチルメタクリレート20部、ラウリ
ルメタクリレート24.9部およびt−ブチルパーオク
トエート4部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴
下し、その後さらにt−ブチルパーオクトエート0.5
部を滴下して115℃で1.5時間保持した。得られた
カチオン変性アクリル樹脂は、固形分65%、数平均分
子量6400、ヒドロキシル価=98であり、溶解性パ
ラメーターδa=10.4であった。
【0065】さらに、この樹脂溶液に対して製造例2で
製造したブロックドポリイソシアネート硬化剤40部を
加えて30分間攪拌し、つぎにエチレングリコールモノ
n−ブチルエーテル10部、酢酸3部を加え、イオン交
換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発
分36%まで濃縮し、カチオン変性アクリル樹脂を主体
とする水性エマルション(以下、E-2と記す)を得た。
【0066】製造例5(カチオン変性アクリル樹脂エマ
ルション[樹脂成分A]の製造) 攪拌機、冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロート
を備え付けた反応容器に、メチルイソブチルケトン50
部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。そ
こへ2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート21.3部、2−エ
チルヘキシルメタクリレート19.1部、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート15部、ラウリルメタ
クリレート24.9部およびt−ブチルパーオクトエー
ト4部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴下し、
その後t−ブチルパーオクトエート0.5部をさらに滴
下して115℃で1.5時間保持した。得られたカチオ
ン変性アクリル樹脂は固形分65%、数平均分子量65
00、ヒドロキシル価=169であり、溶解性パラメー
ターδa=10.9であった。
【0067】この樹脂溶液に対して製造例2で製造した
ブロックドポリイソシアネート硬化剤40部を加えて3
0分間攪拌した後、エチレングリコールモノn−ブチル
エーテル10部、酢酸3部を加え、イオン交換水で不揮
発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%ま
で濃縮し、カチオン変性アクリル樹脂を主体とする水性
エマルション(以下、E-3と記す)を得た。
【0068】製造例6(カチオン変性アクリル樹脂エマ
ルション[樹脂成分A]の製造) 攪拌機、冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロート
を備え付けた反応容器に、メチルイソブチルケトン50
部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。そ
こへ2−ヒドロキシエチルメタクリレート22.7部、
2−エチルヘキシルメタクリレート57.3部、N,N
−ジメチルアミノエチルメタクリレート20部、ラウリ
ルメタクリレート24.9部およびt−ブチルパーオク
トエート4部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴
下し、その後t−ブチルパーオクトエート0.5部を滴
下して115℃で1.5時間保持した。得られたカチオ
ン変性アクリル樹脂は固形分65%、数平均分子量64
00、ヒドロキシル価=98であり、溶解性パラメータ
ーδa=10.4であった。
【0069】この樹脂溶液に対して製造例1で製造した
ブロックドポリイソシアネート硬化剤46部を加えて3
0分間攪拌した後、エチレングリコールモノn−ブチル
エーテル10部、酢酸3部を加え、イオン交換水で不揮
発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%ま
で濃縮し、カチオン変性アクリル樹脂を主体とする水性
エマルション(以下、E-4と記す)を得た。
【0070】製造例7(カチオン変性ポリエーテルウレ
タン樹脂エマルション[樹脂成分A]の製造) 攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器
にメチルイソブチルケトン150部を仕込んで80℃ま
で昇温後、ヘキサメチレンジイソシアネート51部、ジ
ラウリン酸ジブチル錫0.02部を溶解した。温度を5
0〜60℃に保持しつつ、ポリプロピレングリコール
(商品名ニューポールPP−3000、三洋化成製、数
平均分子量=3000)600部を20分間かけて滴下
し、滴下終了後90℃で30分間さらに攪拌を続けた。
つぎに内容物を攪拌しながら、N−メチルジエタノール
アミン89部、ジエチレントリアミンジケチミンのメチ
ルイソブチルケトン溶液(不揮発分73%)18部を加
え、80℃で30分間反応させて、内容物の赤外吸収ス
ペクトル分析からイソシアネート基(吸収波数;222
0cm-1)の吸収が実質的に消失したのを確認し、カチ
オン化ポリエーテルウレタン樹脂(数平均分子量=65
00、ヒドロキシル価=105、溶解性パラメーターδ
a=9.8)を得た。
【0071】得られたカチオン化ポリエーテルウレタン
樹脂に対して、製造例2で製造したブロックドイソシア
ネート硬化剤285部を加えて30分間攪拌した後、エ
チレングリコールモノn−ブチルエーテル40部、酢酸
10部を加え、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈
した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン
変性ポリエーテルウレタン樹脂を主体とする水性エマル
ション(以下、E-5と記す)を得た。
【0072】製造例8(カチオン変性ポリエステルウレ
タン樹脂エマルション[樹脂成分A]の製造) 攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器
にメチルイソブチルケトン150部を仕込んで80℃ま
で昇温後、ヘキサメチレンジイソシアネート51部、ジ
ラウリン酸ジブチル錫0.02部を溶解した。温度を5
0〜60℃に保持しつつ、ポリε−カプロラクトンジオ
ール(商品名プラクセル220、ダイセル化学製、数平
均分子量2000)400部を20分間かけて滴下し、
滴下終了後90℃で30分間さらに攪拌を続けた。つぎ
に内容物を攪拌しながら、N−メチルジエタノールアミ
ン89部、ジエチレントリアミンジケチミンのメチルイ
ソブチルケトン溶液(不揮発分73%)18部を加え、
80℃で30分間反応させて、内容物の赤外吸収スペク
トル分析からイソシアネート基(吸収波数;2220c
-1)の吸収が実質的に消失したのを確認し、カチオン
化ポリエステルウレタン樹脂(数平均分子量=410
0、ヒドロキシル価=60、溶解性パラメーターδa=
10.2)を得た。
【0073】得られたカチオン化ポリエステルウレタン
樹脂に対して、製造例2で製造したブロックドイソシア
ネート硬化剤285部を加えて30分間攪拌した後、エ
チレングリコールモノn−ブチルエーテル30部、酢酸
9部を加え、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈し
た後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変
性ポリエステルウレタン樹脂を主体とする水性エマルシ
ョン(以下、E-6と記す)を得た。
【0074】製造例9(顔料分散樹脂の製造) 攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器
にエポキシ当量198のビスフェノールA型エポキシ樹
脂(商品名エポン829、シェル化学社製)710部、
ビスフェノールA289.6部を仕込んで、窒素雰囲気
下150〜160℃で1時間反応させ、ついで120℃
まで冷却後、2−エチルヘキサノール化ハーフブロック
化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン
溶液(固形分95%)406.4部を加えた。反応混合
物を110〜120℃で1時間保持した後、エチレング
リコールモノn−ブチルエーテル1584.1部を加え
た。そして85〜95℃に冷却して均一化させた。
【0075】上記反応物の製造と平行して、別の反応容
器に2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレ
ンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固
形分95%)384部にジメチルエタノールアミン10
4.6部を加えたものを80℃で1時間攪拌し、ついで
75%乳酸水141.1部を仕込み、さらにエチレング
リコールモノn−ブチルエーテル47.0部を混合、3
0分攪拌し、4級化剤(固形分85%)を製造しておい
た。そしてこの4級化剤620.46部を先の反応物に
加え酸価1になるまで混合物を85から95℃に保持
し、顔料分散樹脂ワニス(樹脂固形分56%、平均分子
量2200、溶解性パラメーターδc=11.3)を得
た。
【0076】製造例10(顔料分散樹脂の製造) 攪拌機、冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロート
を取り付けた反応容器に、エポキシ当量188のビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、
ダウケミカル社製)382.2部と、ビスフェノールA
150.0部を仕込み、80℃まで昇温して均一に溶解
した後、2−エチル−4−メチルイミダゾール1%溶液
1.53部を加え、170℃で2時間反応させた。そし
てこれを140℃まで冷却した後、2−エチルヘキサノ
ールハーフブロック化イソホロンジイソシアネート(固
形分90%メチルイソブチルケトン溶液)187.5部
を加え、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基が実質
的に消失するまで反応させた。つぎにジプロピオングリ
コールモノブチルエーテル195.0部を加え、さらに
1−(2−ヒドロキシルエチルチオ)−2−プロパノー
ル408.0部、ジメチルプロピオン酸144.0部、
イオン交換水144.0部を添加して70℃で反応させ
た。反応は酸価が5以下になるまで継続した。得られた
樹脂は平均分子量2300、溶解性パラメーターδc=
11.1であった。さらにこの樹脂を、イオン交換水1
150.5部によって不揮発分35%にまで希釈した。
【0077】製造例11(顔料分散樹脂の製造) 攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器
にエポキシ当量198のビスフェノールA型エポキシ樹
脂(商品名エポン829、シェル化学社製)710部、
ビスフェノールA289.6部を仕込んで、窒素雰囲気
下150〜160℃で1時間反応させ、ついで120℃
まで冷却後、2−エチルヘキサノール化ハーフブロック
化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン
溶液(固形分95%)406.4部を加えた。そしてこ
の反応混合物を110〜120℃に1時間保持し、つぎ
にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル158
4.1部を加えた。ついで85〜95℃に冷却して均一
化して反応物を得た。
【0078】上記反応物の製造と平行して、別の反応容
器に2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレ
ンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固
形分95%)320部にジメチルエタノールアミン8
7.2部を加えた混合物を80℃で1時間攪拌した。つ
いで75%乳酸水117.6部を仕込み、さらにエチレ
ングリコールモノn−ブチルエーテル39.2部を混
合、30分攪拌し、4級化剤を製造しておいた。そし
て、この4級化剤496.3部を先の反応物に加え酸価
1になるまで混合物を85から95℃に保持することに
よって顔料分散樹脂ワニス(樹脂固形分50%、平均分
子量2000、溶解性パラメーターδc=10.7)を
得た。
【0079】製造例12(顔料分散ペーストの製造) サンドミルを用いて、製造例9で得られた顔料分散樹脂
を含む下記配合の顔料ペースト(以下、P-1と記す)を
調製した。 配合 部 製造例9の顔料分散樹脂ワニス 53.6 二酸化チタン 88.0 カーボンブラック 2.0 リンモリブデン酸アルミ 10.0
【0080】製造例13(顔料分散ペーストの製造) サンドミルを用いて、製造例10で得られた分散樹脂を
含む下記配合の顔料ペースト(以下、P-2と記す)を調
製した。 配合 部 製造例10の顔料分散樹脂ワニス 60.0 二酸化チタン 80.0 カーボンブラック 2.0 クレー(ケイ酸アルミ) 18.0
【0081】製造例14(顔料分散ペーストの製造) サンドミルを用いて、製造例11で得られた分散樹脂を
含む下記配合の顔料ペースト(以下、P-3と記す)を調
製した。 配合 部 製造例11の顔料分散樹脂ワニス 85.7 二酸化チタン 80.0 カーボンブラック 2.0 クレー(ケイ酸アルミ) 18.0
【0082】製造例15(カチオン変性エポキシ樹脂と
アクリル樹脂とのグラフト樹脂エマルション[中間層用
樹脂成分]の製造) 製造例3記載のエマルション化前のカチオン変性エポキ
シ樹脂500部と、メチルイソブチルケトン200部を
反応容器に仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持し
た。そこへさらに2−ヒドロキシエチルメタクリレート
22.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート57.
3部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート2
0部、ラウリルメタクリレート24.9部およびベンゾ
イルパーオキシド4部の混合物を滴下ロートから3時間
かけて滴下した後、さらにベンゾイルパーオキシド0.
5部を滴下し、115℃で2時間保持した。
【0083】上記反応物に、さらに製造例2で製造した
ブロックドポリイソシアネート硬化剤180部、酢酸1
0部を加えた後、イオン交換水で不揮発分32%まで希
釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、アミン
化エポキシ樹脂を含むエマルション(以下、E-7と記
す)を得た。この樹脂の数平均分子量は2500、溶解
性パラメーターδm=10.8であった。
【0084】実施例1〜6および比較例1〜6 製造例3〜8および製造例15で得られた各種カチオン
変性樹脂エマルション(E1〜E7)、製造例12〜14で
得られた顔料分散ペースト(P1〜P3)、および脱イオン
水を使用して水性塗料組成物(固形分濃度は全て20
%)を調製した。各塗料中には硬化促進剤としてジブチ
ル錫オキシドの乳化エマルションペーストを錫量にして
塗料固形分量の1.5%になるように配合した。各種材
料の組み合わせ、配合比(樹脂固形分比、ただし硬化剤
重量は含めずに計算した)および顔料/樹脂ビヒクル
(全ビヒクル重量。硬化剤重量も含む)の比率P/Vを
実施例1〜6については表1に、比較例1〜6について
は表2に示した。なお、各表中において、δaは上記樹
脂成分Aの溶解性パラメーター、δbは上記樹脂成分B
の溶解性パラメーター、δcは顔料分散樹脂の溶解性パ
ラメーター、δiはポリイソシアネートの溶解性パラメ
ーター、δmは中間層を形成する樹脂の溶解性パラメー
ターを表わす。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】上記実施例および比較例の配合による水性
塗料組成物を用いて、リン酸亜鉛処理鋼板に対して焼き
付け後の電着塗膜厚が20μmになるような電圧で電着
塗装し、160℃で15分間焼付けを行った。得られた
電着塗膜に対する各種性能評価結果を実施例1〜6につ
いては表3に、比較例1〜6については表4に示す。
【0088】表3および表4中の各項目について以下に
説明する。電着塗膜の層分離状態 ビデオマイクロスコープで断面の目視観察を行った。ま
た複層分離膜の場合、各層を構成する主樹脂はFTIR
−ATR分析により同定した。
【0089】顔料濃度 SEM−EDXによって測定した。二酸化チタン、リン
モリブデン酸アルミおよびクレー(ケイ酸アルミ)の各
層における相対的な顔料濃度の関係は、それぞれチタ
ン、アルミおよびシリカ原子の分布状態から目視で判断
した。
【0090】SWH1000H 塗板をサンシャインウエザオメーターへ取り付け、10
00時間照射後60度グロスを測定し、初期値に対する
保持率を求めた。
【0091】SDT 塗板にナイフで素地に達するクロスカットを入れ、塩水
噴霧試験(5%食塩水、55℃)を480時間行い、粘
着テープによってカット部両側から剥離した剥離部の最
大幅で示した。
【0092】上塗りゴバン目密着 塗膜約20μmの硬化電着塗膜上にアルキッド系上塗り
塗料(日本ペイント製オルガセレクトシルバー)を乾燥
膜厚25〜30μmにスプレー塗装し、140℃で20
分間焼き付けて得られた塗膜に、1mm×1mmのゴバ
ン目100個を作り、その表面に粘着テープを粘着し、
急激に剥離した後の塗面に残ったゴバン目の数を記録し
た。
【0093】多層塗膜鮮映性(NSIC*) 膜厚20μmの硬化電着塗膜上にメタリックベース塗料
(日本ペイント社製スーパーラックM−155シルバ
ー)およびクリア塗料(日本ペイント社製スーパーラッ
クO−150)を塗装して焼き付けた後、携帯式写像鮮
明度測定器(スガ試験機株式会社製HA−NSIC)に
より鮮映性を測定した。
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】上記実施例および比較例から、本実施例で
製造した水性塗料組成物を使用すれば、耐食性、密着
性、表面平滑性の優秀な複層電着塗膜を形成することが
でき、この電着塗膜に直接上塗りして形成した多層塗膜
は、中塗りレスにもかかわらず優れた鮮映性を有するこ
とが明らかである。
【0097】実施例7 実施例1、3および5で形成した複層電着未硬化塗膜
(硬化時に電着膜として20μmの膜厚となるように電
着塗装済)を、あらかじめ110℃で10分間プレヒー
トした後、メタリックベース塗料(日本ペイント社製ス
ーパーラックM−155シルバー)およびクリア塗料
(日本ペイント社製スーパーラックO−150)を塗装
して電着と上塗り塗膜の同時焼き付け(155℃、20
分間)を行った。それぞれの多層塗膜鮮映性(NSIC
*)は実施例1のものが45、実施例3が48および実
施例5が41と優秀であった。また、上記110℃、1
0分間のプレヒートによって、電着塗膜は未硬化ながら
も層分離を完了していることが塗膜断面の観察によって
確認された。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複層電着
塗膜の形成方法は、互いに不相溶な少なくとも2種類の
樹脂成分のうち、空気に直接接する樹脂層中の顔料濃度
(a)が導電性基材に直接接する樹脂層中の顔料濃度
(b)よりも相対的に低くなるように分配制御を施して
調製している。そのため硬化時の膜表面は顔料濃度が低
くなってフロー性が増し、従来にない塗膜平滑性を有す
る電着塗膜を得ることが可能である。
【0099】また、空気に直接接する樹脂層を構成する
樹脂成分Aの溶解性パラメーターδaと、導電性基材に
直接接する樹脂層を構成する樹脂成分Bの溶解性パラメ
ーターδbとを、(δb−δa)≧1.0としたため、電
着塗装後加熱時に、上記互いに不相溶な少なくとも2種
類の樹脂成分は層分離し、複層電着塗膜が形成される。
そして、上記導電性基材に直接接する樹脂層を構成する
樹脂成分を、カチオン変性エポキシ樹脂とすれば、この
樹脂は水酸基等の親水基と親和性を有するため、上記の
層分離時に、導電性基材側に配向し、耐候性、耐食性、
耐溶剤性を発現する。さらに、上記カチオン変性エポキ
シ樹脂成分と不相溶な樹脂成分の少なくとも1つを、カ
チオン変性アクリル樹脂、カチオン変性ポリエーテルウ
レタン樹脂およびカチオン変性ポリエステルウレタン樹
脂よりなる群より選ばれるカチオン変性樹脂とすれば、
非イオン性樹脂を使用した場合に比較して、十分な電着
塗膜厚を得ることができる。
【0100】また、上記顔料の少なくとも1つを、水性
塗料組成物調製時点においてあらかじめ、導電性基材に
直接接する樹脂層を構成する樹脂と相溶性を有し、かつ
空気に直接接する樹脂層を構成する樹脂とは不相溶な分
散樹脂によって、分散ペースト化しておくことにより、
上記の層分離時に顔料は導電性基材に直接接する樹脂層
へ主に含まれることになり、耐候性、耐食性、耐溶剤性
を発現する。
【0101】さらに、上記硬化剤としてブロックドポリ
イソシアネートを使用し、かつこのブロックドポリイソ
シアネートの溶解性パラメーター(δi)を、上記溶解
性パラメーターδaおよびδbの中間に設定すれば、形成
された複層電着塗膜の各層を均一に硬化させることがで
きる。
【0102】以上の形成方法によって得られた複層電着
塗膜上に、さらに上塗り塗料を塗装し、焼き付けること
により、従来の2コート塗装系と比較して焼き付け後の
塗膜の外観、上塗り層との密着性、耐候性および耐食性
の高度な両立化を達成した多層塗膜を形成することがで
きる。したがって本発明の方法は、塗料産業上とりわけ
自動車塗装分野において、中塗りレスの工程短縮、コス
ト削減および環境負荷(VOCおよびHAPs)低減を
目指す新規塗装システムを構築する上で重要な役割を果
たすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AB09 AE06 BB26Z BB89X BB93Z CA47 DA06 DB02 DC12 EA06 EB22 EB38 EB54 EB56 EC02 4J038 CG001 CH121 CH171 CH191 DB301 DB391 DG121 DG131 DG302 DG321 GA03 GA08 GA09 HA216 HA246 HA456 KA03 KA08 MA08 NA03 NA04 NA11 NA27 PA04 PA19 PB07 PC02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに不相溶な少なくとも2種類の樹脂
    成分、硬化剤および顔料を含む水性塗料組成物を導電性
    基材上に電着塗装し、次いで加熱しながら層分離せし
    め、その後硬化させて少なくとも2層から成る複層硬化
    膜を形成する過程で、空気に直接接する樹脂層中の顔料
    濃度(a)が前記導電性基材に直接接する樹脂層中の顔
    料濃度(b)に比較して相対的に低くなるように顔料の
    分配を制御することを特徴とする複層電着塗膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記電着塗装が導電性基材をカソード極
    端子に接続して行うカチオン電着塗装である請求項1記
    載の複層電着塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記空気に直接接する樹脂層を構成する
    樹脂成分の溶解性パラメーターδaと、導電性基材に直
    接接する樹脂層を構成する樹脂成分の溶解性パラメータ
    ーδbとが、(δb−δa)≧1.0の関係にあることを
    特徴とする請求項1記載の複層電着塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記導電性基材に直接接する樹脂層を構
    成する樹脂成分が、カチオン変性エポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の複層電着塗膜の形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記空気に直接接する樹脂層を構成する
    樹脂成分の少なくとも1つが、カチオン変性アクリル樹
    脂、カチオン変性ポリエーテルウレタン樹脂およびカチ
    オン変性ポリエステルウレタン樹脂よりなる群より選ば
    れるカチオン変性樹脂であることを特徴とする請求項1
    に記載の複層電着塗膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記カチオン変性エポキシ樹脂と、前記
    カチオン変性樹脂との前記水性塗料組成物中での比率
    が、重量比において70/30〜30/70の範囲であ
    ることを特徴とする請求項5記載の複層電着塗膜の形成
    方法。
  7. 【請求項7】 前記複層硬化膜中における全顔料の重量
    (P)に対する、複層硬化膜を形成する顔料以外の全ビ
    ヒクル成分の重量(V)の比率P/Vが1/10〜1/
    3の範囲であることを特徴とする請求項1記載の複層電
    着塗膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記顔料の少なくとも1つが二酸化チタ
    ン、リンモリブデン酸アルミまたはケイ酸アルミである
    ことを特徴とする請求項1記載の複層電着塗膜の形成方
    法。
  9. 【請求項9】 前記顔料の少なくとも1つを、導電性基
    材に直接接する樹脂層を構成する樹脂と相溶性を有し、
    かつ空気に直接接する樹脂層を構成する樹脂とは不相溶
    な分散樹脂によって、水性塗料組成物調製時点において
    あらかじめ、分散ペースト化しておくことを特徴とする
    請求項1記載の複層電着塗膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記分散樹脂の溶解性パラメーター
    (δc)が、空気に直接接する樹脂層を構成する樹脂の
    溶解性パラメーター(δa)との差が0.5以上であ
    り、導電性基材に直接接する樹脂層を構成する樹脂の溶
    解性パラメーター(δb)との差は0.5未満であるこ
    とを特徴とする請求項9記載の複層電着塗膜の形成方
    法。
  11. 【請求項11】 前記硬化剤がブロックドポリイソシア
    ネートであって、かつこのブロックドポリイソシアネー
    トの溶解性パラメーター(δi)が、前記溶解性パラメ
    ーターδaおよびδbの中間にあることを特徴とする請求
    項3記載の複層電着塗膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項記載の
    形成方法によって得られた複層電着塗膜上に、さらに上
    塗り塗料を塗装し、焼き付けることを特徴とする多層塗
    膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記複層電着塗膜が未硬化の段階で、
    硬化温度条件未満でプレヒートを行い、ウェットオンウ
    ェットでさらに上塗り塗料を塗装した後、電着塗膜と上
    塗り塗膜とを同時に焼き付けることを特徴とする請求項
    12記載の多層塗膜の形成方法。
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