JP2002129099A - カチオン電着塗料組成物およびこれを用いる多層塗膜形成方法 - Google Patents

カチオン電着塗料組成物およびこれを用いる多層塗膜形成方法

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JP2002129099A
JP2002129099A JP2000327030A JP2000327030A JP2002129099A JP 2002129099 A JP2002129099 A JP 2002129099A JP 2000327030 A JP2000327030 A JP 2000327030A JP 2000327030 A JP2000327030 A JP 2000327030A JP 2002129099 A JP2002129099 A JP 2002129099A
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coating film
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cationic electrodeposition
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Takeshi Yamamoto
健史 山本
Hisaichi Muramoto
壽市 村本
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の技術である3コートなみの外観、耐候性
および耐食性を十分に維持でき、かつ上塗り層との密着
性の優れたカチオン電着塗料組成物及びそれを用いた塗
装方法を提供すること。 【解決手段】カチオン変性エポキシ樹脂、アニオン性ポ
リエステル樹脂、フッ素樹脂およびブロックポリイソシ
アネートを含むカチオン電着塗料組成物であって、上記
カチオン性エポキシ樹脂の溶解性パラメーターδbと上
記アニオン性ポリエステル樹脂の溶解性パラメーターδ
aとが、(δb−δa)≧1.0の関係にあるカチオン
電着塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料産業、なかで
も自動車塗装分野において有用な、電着塗膜上に直接上
塗り塗料を塗装する中塗りレス(2コート塗装システ
ム)に用いられるカチオン電着塗料組成物及びその塗料
組成物を用いた塗装方法に関するものであり、特に上塗
りとの密着性を向上させたカチオン電着塗料組成物及び
それを用いて複層電着塗膜を形成する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料分野、特に自動車塗装分野に
おいて、省資源、省コストおよび環境負荷(VOCおよ
びHAPs等)削減の課題を解決するため、塗装工程の
短縮化が強く求められている。すなわち、従来の自動車
の塗装仕上げ手順である電着プライマー塗装、中塗り塗
装および上塗り塗装の3コート塗装に対して、電着プラ
イマー塗装後に上塗り塗装を直接行う中塗りレス(2コ
ートシステム)により塗装工程数を削減し、しかも3コ
ート膜と同等の外観、上塗りとの密着性、耐候性および
耐食性を保持することのできる塗膜形成方法が求められ
ている。
【0003】上記中塗りレスによる複層電着塗膜に関す
る技術としては、例えば特公平2−33069号公報に
二層塗膜形成型厚膜電着塗料組成物が開示されている。
この発明は、組成物中に軟化点80℃以上のカチオン性
アクリル樹脂と、軟化点75℃以下のカチオン性フェノ
ール型エポキシ樹脂とを重量比1〜30対1の割合で含
むものである。この組成物から形成された塗膜は、耐食
性良好なエポキシ系下層と、耐候性良好なアクリル系上
層の二層構造を有するとしている。
【0004】また、特公平6−99652号公報では、
特定範囲の表面張力を有するエポキシ系カチオン電着性
樹脂および非イオン性皮膜形成樹脂から、複層電着塗膜
を形成できることが開示されている。
【0005】さらに、特開平8−333528号公報お
よび特開平10−292131号公報には、アミン変性
エポキシ系カチオン樹脂と、この樹脂の溶解性パラメー
ターより低い値を有する(自己架橋性)アクリル系カチ
オン樹脂およびブロックポリイソシアネート硬化剤か
ら、複層電着塗膜を形成できることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報の発明は、
単に電着塗膜中の樹脂分離手段を示したものであり、3
コート膜に匹敵する優れた塗膜外観や上塗り層との優れ
た密着性を達成する手段については記載されていない。
【0007】本発明の目的は、従来の技術である3コー
トなみの外観、耐候性および耐食性を十分に維持でき、
かつ上塗り層との密着性の優れたカチオン電着塗料組成
物及びそれを用いた塗装方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のカチオン電着塗
料組成物は、カチオン変性エポキシ樹脂、アニオン性ポ
リエステル樹脂、フッ素樹脂およびブロックポリイソシ
アネートを含むカチオン電着塗料組成物であって、上記
カチオン性エポキシ樹脂の溶解性パラメーターδbと上
記アニオン性ポリエステル樹脂の溶解性パラメーターδ
aとが、(δb−δa)≧1.0の関係にあるものであ
る。
【0009】そして、上記フッ素樹脂の含有量が、上記
カチオン変性エポキシ樹脂、アニオン性ポリエステル樹
脂およびブロックポリイソシアネートの合計重量に対し
て、0.05〜20重量%であることが好ましい。
【0010】また、上記アニオン性ポリエステル樹脂
は、分子内に第3級カルボキシル基を有することが好ま
しい。
【0011】更に、上記ブロックポリイソシアネートの
溶解性パラメータδiが、前記溶解性パラメーターδa
およびδbの中間にあることが好ましい。
【0012】一方、本発明の複層電着塗膜の形成方法
は、上記カチオン電着塗料組成物を導電性基材に電着塗
装し、次いで加熱しながら層分離せしめ、その後硬化さ
せて少なくとも2層からなる複層硬化膜を形成する過程
で、空気に直接接触する樹脂層を構成する樹脂の主成分
が前記アニオン性ポリエステル樹脂であり、前記導電性
基材に直接接する樹脂層を構成する樹脂の主成分が前記
カチオン変性エポキシ樹脂であることを特徴とする方法
である。
【0013】また、本発明の多層塗膜の形成方法は、上
記複層電着塗膜の形成方法によって得られた複層電着塗
膜上に、さらに機能性クリア塗料または上塗り塗料を塗
装し、焼き付けるものである。
【0014】また、上記複層電着塗膜が未硬化の段階
で、硬化温度未満でプレヒートを行い、ウェットオンウ
ェットでさらに機能性クリア塗料または上塗り塗料を塗
装した後、電着塗膜と上塗り塗膜とを同時に焼き付ける
ことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のカチオン電着塗料組成物
は、カチオン変性エポキシ樹脂、アニオン性ポリエステ
ル樹脂、フッ素樹脂およびブロックポリイソシアネート
を含むカチオン電着塗料組成物であって、該カチオン性
エポキシ樹脂の溶解性パラメーターδbと該アニオン性
ポリエステル樹脂の溶解性パラメーターδaとが、(δ
b−δa)≧1.0の関係にあるものである。
【0016】ここで、上記カチオン変性エポキシ樹脂の
水酸基価は50〜250の範囲であることが好ましい。
水酸基価が50未満では塗膜の硬化不良を招き、反対に
250を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存す
る結果、耐水性が低下することがある。また、数平均分
子量は1500〜5000の範囲が好ましい。数平均分
子量が1500未満の場合は、硬化形成塗膜の耐溶剤性
および耐食性等の物性が劣ることがある。反対に500
0を超える場合は、樹脂溶液の粘度制御が難しく合成が
困難なばかりか、得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハ
ンドリングが困難となることがある。さらに高粘度であ
るがゆえに加熱・硬化時のフロー性が悪く塗膜外観を著
しく損ねる場合がある。さらに樹脂軟化点として、80
℃以上、好ましくは100℃以上のものを用いること
が、本発明の目的を達成する上で望ましい。なお、樹脂
軟化点は、JIS−K−5665に基づいて決定するこ
とができる。
【0017】一般に上記カチオン変性エポキシ樹脂は、
出発原料樹脂分子内のエポキシ環を1級アミン、2級ア
ミンあるいは3級アミン酸塩等のアミン類との反応によ
って開環して製造される。出発原料樹脂の典型例は、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の
多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応
生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂である。また他の出発原料樹脂の例とし
て、特開平5−306327号公報に記載されたオキサ
ゾリドン環含有エポキシ樹脂を挙げることができる。こ
のエポキシ樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジ
イソシアネート化合物のNCO基をメタノール、エタノ
ール等の低級アルコールでブロックして得られたビスウ
レタン化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって
得られるものである。
【0018】上記出発原料樹脂は、アミン類によるエポ
キシ環の開環反応の前に、2官能のポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、二
塩基性カルボン酸等により鎖延長して用いることができ
る。また同じくアミン類によるエポキシ環の開環反応の
前に、分子量またはアミン当量の調節、熱フロー性の改
良等を目的として、一部のエポキシ環に対して2−エチ
ルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコー
ルモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリ
コールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノ
ヒドロキシ化合物を付加して用いることもできる。
【0019】エポキシ環を開環し、アミノ基を導入する
際に使用し得るアミン類の例としては、ブチルアミン、
オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メ
チルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルア
ミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩など
の1級、2級または3級アミン酸塩でを挙げることがで
きる。また、アミノエチルエタノールアミンとメチルイ
ソブチルケトンの縮合物の様なケチミンブロック1級ア
ミノ基含有2級アミンも使用することができる。これら
のアミン類は、全てのエポキシ環を開環させるために、
エポキシ環に対して少なくとも当量で反応させる必要が
ある。
【0020】さらにエポキシ樹脂へのカチオン性の導入
方法としては、特開平11−209663号公報記載の
製造方法に従って、エポキシ環をスルホニウム塩に変性
するのも好ましい。
【0021】一方、上記アニオン性ポリエステル樹脂と
は、ポリエステル樹脂が酸基を有しているものを意味す
る。この酸基の量は、酸価で3〜20、好ましくは5〜
15の範囲であることが好ましい。3未満であると、上
塗りとの密着性が劣る恐れがある。一方、20を超える
と、ブロックドポリイソシアネートを硬化剤として用い
た場合の硬化不良や顔料ペースト化が困難となる恐れが
ある。
【0022】また、水酸基価は50〜150の範囲であ
ることが好ましい。水酸基価が50未満では塗膜の硬化
不良を招き、反対に150を超えると硬化後塗膜中に過
剰の水酸基が残存する結果、耐水性が低下することがあ
る。さらに、数平均分子量は1000〜10000の範
囲が好ましい。数平均分子量が1000未満では硬化形
成塗膜の耐溶剤性等の物性が劣る。反対に10000を
超えると、樹脂溶液の粘度が高いため、得られた樹脂の
乳化分散等の操作上ハンドリングが困難なばかりか、得
られた電着塗膜の膜外観が著しく低下してしまうことが
ある。なお、アニオン性ポリエステル樹脂は、1種のみ
使用することもできるが、塗膜性能のバランス化を計る
ために、2種あるいはそれ以上の種類を使用することも
できる。
【0023】上記アニオン性ポリエステル樹脂は、ネオ
ペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ペン
タエリスリトール等のポリオール成分、フタル酸、イソ
フタル酸、トリメリット酸、テレフタル酸、ピロメリッ
ト酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸等の多塩基酸成分およびそれらの無水物の
他、必要に応じてδ―ブチロラクトン、ε―カプロラク
トン等のラクトン類、さらに変性剤としてヤシ油脂肪
酸、キリ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸等の
各種飽和および/または不飽和脂肪酸、それらのモノ、
ジあるいはトリグリセライド、カージュラーE−10
(炭素数10の分岐状アルキル基を有するモノエポキシ
ド、シェル化学社製)等を常法に従い脱水縮合すること
によって製造されるものである。
【0024】また、上記アニオン性ポリエステル樹脂は
ウレタン結合を一部適量含んでいてもよい。このような
ウレタン結合の導入は、例えば分子鎖の両末端に水酸基
を有するポリδ―ブチロラクトンあるいはポリε−カプ
ロラクトン等のポリエステルポリオールの両末端に、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネ−ト等のジイソシアネート
をウレタン結合させ、一部鎖延長して、これを上記ポリ
オール成分の一部として使用することで行うことができ
る。
【0025】さらに上記アニオン性ポリエステル樹脂
は、分子内部に第3級カルボキシル基を有していること
が好ましい。第3級カルボキシル基とは、そのカルボキ
シル基が直接結合している炭素原子に水素がひとつも結
合していないものである。第3級カルボキシル基は酸基
としての活性度は低く、これをアニオン性ポリエステル
樹脂に導入することにより、後述する溶解性パラメータ
ーδ値の調節を容易に行うことができる。また、アニオ
ン性ポリエステル樹脂が分子内部に第3級カルボキシル
基を有することにより、樹脂中における酸性基間の相互
作用が低くなって塗膜の熱フロー性が向上するため、ど
のような顔料分散状態であっても、加熱硬化時に膜平滑
性が確保され、外観を向上させることができる。さら
に、硬化剤としてメラミン樹脂を用いた場合には、その
メラミン樹脂の硬化反応での触媒として作用することが
期待される。
【0026】この分子内部に第3級カルボキシル基を有
するアニオン性ポリエステル樹脂は、第3級カルボキシ
ル基を有するジオール化合物、例えば、2,2’―ジメ
チロールプロピオン酸、2,2’―ジメチロールブタン
酸、2,2’―ジメチロールヘキサン酸、2,2’−ジ
メチロールオクタン酸あるいは2,2’−ジメチロール
デカン酸等を上記ポリオール成分の一部として使用する
ことにより製造することができる。この第3級カルボキ
シル基を有するジオール化合物の使用量は、上記酸価、
すなわちアニオン性ポリエステル樹脂の全酸価に占める
第3級カルボキシル基の割合は80%以上が好ましく、
そのほとんど全てになるように調整することがさらに好
ましい。
【0027】上記アニオン性ポリエステル樹脂は、必要
に応じてハーフブロックジイソシアネート化合物との付
加反応やメラミン樹脂の一部共縮合を行うことにより、
自己架橋型樹脂とすることもできる。このように自己架
橋型としたものは硬化反応性に優れるため、本発明にお
いて好適に用いられる。
【0028】一方、上記フッ素樹脂は、分子内にカルボ
キシル基および水酸基を含有し、中和剤で中和すること
により、水に溶解するかまたは水中に安定に分散する樹
脂が好ましい。上記フッ素樹脂は酸価が好ましくは20
〜150、特に好ましくは30〜100である。酸価が
この範囲より小さくなると、水分散性が低下する傾向に
あり、逆に大きくなると塗膜の耐水性等が悪くなる傾向
にある。水酸基価は好ましくは40〜200、特に好ま
しくは50〜150である。水酸基価が40未満では硬
化反応が十分に起こらず、硬度が低下し、耐化学性が不
良となる。一方、200を越えると未反応の水酸基が塗
膜に残存し、耐水性、耐候性が不良となる。
【0029】フッ素樹脂の重量平均分子量は好ましくは
5,000〜100,000、特に好ましくは10,00
0〜50,000である。このようなフッ素樹脂として
は、市販品として、フルオロオレフィン、シクロアルキ
ルビニルエーテルを主成分とする共重合体である「ルミ
フロンLF−916」(商品名;旭硝子社製;酸価約2
0、水酸基価約60)、フルオロオレフィン、ビニルエ
ーテル、ビニルエステルを主成分とする共重合体である
「ゼッフルEV−120」(商品名;ダイキン工業社
製;酸価約48、水酸基価約60)、「ゼッフルEV−
210」(商品名;ダイキン工業社製;酸価約80、水
酸基価約89)、フルオロオレフィン、ビニルエーテ
ル、アリルエーテル、ビニルエステルを主成分とする共
重合体である「セフラルコートXA−500」(商品
名;セントラル硝子社製;酸価約50、水酸基価約4
0)、「セフラルコートXA−510」(商品名;セン
トラル硝子社製;酸価約50、水酸基価約45)、「セ
フラルコートXA−520」(商品名;セントラル硝子
社製;酸価約45、水酸基価約60)等が代表的なもの
として利用できる。
【0030】また、特開平5−98207号には特定の
酸価、水酸基価を有するフルオロオレフィン系共重合体
が、特開平3−181540号には酸基と反応性の2重
結合を有するフッ素樹脂が、特開平2−70706号に
は含フッ素共重合体の水性分散液が、特開平2−557
76号にはカルボキシル基含有水性含フッ素重合体が、
特開昭62−243603号には特定の酸価、水酸基価
の含フッ素重合体からなる水分散液が、特開昭62−5
0306号にはカルボキシル基含有フッ素重合体が記載
され、これら各種水性含フッ素共重合体も使用可能であ
る。
【0031】上記フッ素樹脂の含有量は、上記カチオン
変性エポキシ樹脂、アニオン性ポリエステル樹脂および
ブロックポリイソシアネートの合計重量に対して、0.
05〜20重量%であることが好ましい。0.05重量
%未満であると、上塗りとの密着性を十分に向上させる
ことができず、20重量%を超えると、耐食性が低下す
るおそれがる。
【0032】ここで、上記カチオン変性エポキシ樹脂の
溶解性パラメーターδbと、上記アニオン性ポリエステ
ル樹脂の溶解性パラメーターδaとは、(δb−δa)
≧1.0の関係を満たしていることが好ましい。一般
に、2種類の樹脂間の溶解性パラメーターδの差が0.
5以上あれば相溶性を失い、このような2種類の樹脂か
ら得られる塗膜は分離構造を呈すると考えられている。
しかし本発明のように、少なくとも1.0以上の溶解性
パラメーター差があれば、明瞭に層分離した塗膜構造を
形成することとなる。このように、1.0の差があれば
明瞭な層分離した塗膜を形成するが、好ましくは上限と
して2.5以下、さらに好ましくは1.8以下とするの
がよい。2.5を超えると、上記層分離により形成され
た、前記アニオン性ポリエステル樹脂を主成分とする層
と、前記カチオン変性エポキシ樹脂を主成分とする層と
の界面での密着性が悪化するおそれがある。このよう
に、上記溶解性パラメーターを有する2種類の樹脂を用
いれば十分な不相溶性を確保することができ、その結
果、複層構造を持つ電着塗膜を形成することができるよ
うになる。
【0033】上記溶解性パラメーターδとは、当該業者
等の間で一般にSp(ソルビリティ・パラメーター)と
も呼ばれるものであって、樹脂の親水性または疎水性の
度合いを示す尺度であり、また樹脂間の相溶性を判断す
る上でも重要な尺度である。この値は、濁度法と呼ばれ
る当業者によく知られた方法を用いて決定することがで
きる。
【0034】一方、上記カチオン変性エポキシ樹脂と、
アニオン性ポリエステル樹脂のカチオン電着塗料組成物
中での配合比率は、重量比で好ましくは70/30〜3
0/70、さらに好ましくは60/40〜40/60で
ある。この範囲を外れた場合は、得られる塗膜が複層構
造とならず、配合比率の高い方の樹脂が連続相を形成
し、低い方の樹脂が分散相を形成する海島構造(または
ミクロドメイン構造)になってしまうことがある。ま
た、たとえ層構造になった場合でも複層構造のうちのい
ずれか一方の層厚が極端に薄くなるために、耐候性ある
いは耐食性のいずれかが著しく劣る恐れがある。
【0035】上記ブロックポリイソシアネートの溶解性
パラメーターδiは、先のカチオン変性エポキシ樹脂成
分の溶解性パラメーターδbとアニオン性ポリエステル
樹脂成分の溶解性パラメーターδaとの中間、すなわち
δa<δi<δbであることが好ましい。このようにブ
ロックポリイソシアネートの溶解性パラメーターを設定
することで、二層分離後のそれぞれの層へのブロックポ
リイソシアネートの分配溶解を可能とし、カチオン変性
エポキシ樹脂成分を含む層の硬化性の確保とアニオン性
ポリエステル樹脂成分を含む層の同時硬化を両立化する
ことができる。
【0036】上記ブロックポリイソシアネートの配合量
は、上記カチオン変性エポキシ樹脂成分およびアニオン
性ポリエステル樹脂の合計量に対して、塗膜物性や上塗
り塗装適合性を考慮すると15〜40重量%の範囲が好
ましい。この配合比が15重量%未満では塗膜硬化不良
を招く結果、機械的強度などの塗膜物性が低くなること
があり、また、上塗り塗装時に塗料シンナーによって塗
膜が侵されるなど外観不良を招く場合がある。一方、4
0重量%を超えると、逆に硬化過剰となって、耐衝撃性
等の塗膜物性不良などを招くことがある。なお、ブロッ
クドポリイソシアネートは、塗膜物性や硬化度の調節等
の都合により、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0037】なお、上記ブロックポリイソシアネート
は、ポリイソシアネートを適当な封止剤でブロック化す
ることにより得られるものを用いることができる。上記
ブロックドポリイソシアネートは封止剤の単独あるいは
複数種の使用によってあらかじめブロック化しておくこ
とが望まれる。ブロック化率については、上記カチオン
変性エポキシ樹脂成分あるいはアニオン性ポリエステル
樹脂と反応させる目的がなければ、塗料の貯蔵安定性確
保のためにも100%にしておくことが好ましい。
【0038】上記ポリイソシアネートの例としては、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(3量体を含む)、テト
ラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレ
ンジイシシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シ
クロヘキシルイソシアネート)等の脂環族ポリイソシア
ネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。一
方、上記封止剤の例としては、n−ブタノール、n−ヘ
キシルアルコール、2−エチルヘキサノール、ラウリル
アルコール、フェノールカルビノール、メチルフェニル
カルビノール等の一価のアルキル(または芳香族)アル
コール類、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、
エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル等
のセロソルブ類、フェノール、パラーt−ブチルフェノ
ール、クレゾール等のフェノール類、ジメチルケトオキ
シム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケ
トオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシム等のオキシム類、およびε−カプロラクタ
ム、γ−ブチロラクタムに代表されるラクタム類が好ま
しく用いられる。とくにオキシム類およびラクタム類の
封止剤は低温で解離するため、樹脂硬化性の観点から好
適である。
【0039】本発明のカチオン電着塗料組成物は、上記
以外の成分として、顔料を含む。その顔料としては、通
常のカチオン電着塗料に使用されるものならば特に制限
はないが、耐候性を向上させ、かつ隠蔽性を確保する点
から、着色顔料であることが好ましい。特に二酸化チタ
ンは白色の着色隠蔽性に優れ、しかも安価であることか
ら、本発明には最適である。
【0040】また二酸化チタン以外に、塗料調製の目的
に合わせて酸化鉄、カーボンブラック等のような無機顔
料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
カルバゾールバイオレット、アントラピリミジンイエロ
ー、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロ
ー、インダンスロンブルー、キナクリドンバイオレット
等のような有機顔料の適量、その他必要に応じてクレ
ー、タルクあるいはカオリンのような体質顔料を配合す
ることもできる。
【0041】上記顔料は、上記カチオン電着塗料組成物
中において、全顔料重量Pに対する全ビヒクル成分の重
量Vの比率P/Vで表わすと、1/10〜1/2の範囲
であることが好ましい。ここで顔料以外の全ビヒクル成
分とは、顔料以外の塗料を構成する全固形成分(樹脂成
分、ブロックポリイソシアネートおよび顔料分散樹脂
等)を意味する。上記P/Vが1/10未満では、顔料
不足により塗膜に対する光線および水分などの腐食要因
の遮断性が過度に低下し、実用レベルでの耐候性や耐食
性を発現できないことがある。また、P/Vが1/2を
超えると、顔料過多により硬化時の粘性増大を招き、フ
ロー性が低下して塗膜外観が低下することがある。
【0042】上記カチオン電着塗料組成物は、上記の各
成分を当業者によく知られた方法を用いて混合分散する
ことにより得ることができるが、以下の方法により製造
されることが好ましい。すなわち、上記顔料を、上記ア
ニオン性ポリエステル樹脂と上記フッ素樹脂とを用いて
分散して得られた顔料分散体を、カチオン性分散樹脂を
含む水性媒体中にさらに分散させて水性顔料分散ペース
トを得る。
【0043】先のアニオン性ポリエステル樹脂と上記フ
ッ素樹脂とを用いて顔料を分散する際に、ブロックポリ
イソシアネートの一部を添加して分散させても良い。こ
の水性顔料分散ペーストと、上記のカチオン変性エポキ
シ樹脂およびブロックポリイソシアネートとの混合物を
乳化して得られたメインエマルションとを混合して、本
発明のカチオン電着塗料組成物が得られる。
【0044】ここで、上記カチオン性分散樹脂の具体例
としては、カチオン変性ノボラック型エポキシ樹脂が好
ましい。このカチオン変性ノボラック型エポキシ樹脂
は、例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂あるい
はフェノールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の
全てもしくは一部を、よく知られたオニウム化の方法に
より、3級スルホニウム塩、4級アンモニウム塩あるい
は4級リン酸塩に変えることで得ることができる。これ
らのカチオン変性樹脂はそのままで水性媒体中に溶解も
しくは分散させることができる。また前記エポキシ基と
2級アミンとの付加反応によって3級アミノ基化した後
に、適当な酸を用いて中和塩にすることによって得るこ
ともできる。
【0045】また、上記カチオン変性ノボラック型エポ
キシ樹脂は、硬化反応性を付与するための1級水酸基の
導入や先のアニオン性ポリエステル樹脂に対する吸着性
を向上させるためのステアリル基、ドデシル基あるいは
オクチル基等の長鎖アルキル基の導入が行われていても
よい。これらは、上記カチオン変性ノボラック型エポキ
シ樹脂中に存在するエポキシ基の一部に、ヒドロキシ基
を有する2級アミンや長鎖アルキル基を有する2級アミ
ンを反応させることにより行われる。
【0046】また、上記カチオン変性ノボラック型エポ
キシ樹脂以外に、上記カチオン変性エポキシ樹脂とポリ
エステル樹脂またはポリエーテル樹脂とのグラフト樹脂
をカチオン性分散樹脂として用いることができる。これ
らは、ポリエステル樹脂として分子鎖片末端に水酸基を
有するアルコキシ変性ポリε−カプロラクトンまたはア
ルコキシ変性ポリδ−バレロラクトン等、ポリエーテル
樹脂として分子鎖片末端に水酸基を有するアルコキシ変
性ポリプロピレン等に、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
等のジイソシアネートをウレタン結合を介してハーフブ
ロック化したものを、カチオン変性エポキシ樹脂中の水
酸基と反応させることでそれぞれ得ることができる。
【0047】上記カチオン性分散樹脂の数平均分子量は
1000〜10000の範囲が好ましい。1000未満
では上記カチオン変性エポキシ樹脂成分に対する吸着性
が劣るために水性媒体中での分散安定性が低下する恐れ
がある。反対に10000を超える場合は、樹脂溶液の
粘度が高いため得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハン
ドリングが困難なばかりか、得られた電着塗膜の外観に
対しても悪影響を与える恐れがある。さらに、高粘度の
ために加熱硬化時における上記カチオン変性エポキシ樹
脂成分とアニオン性ポリエステル樹脂成分との層分離性
を低下させてしまう恐れがある。
【0048】このようなカチオン性分散樹脂は、水性媒
体に溶解もしくは分散し、これを、例えばホモミキサー
もしくはディスパー等によって攪拌したところに、顔料
とアニオン性ポリエステル樹脂成分とフッ素樹脂成分と
から得られた顔料分散体をドロップすることで水性顔料
分散ペーストを得ることができる。この時、必要に応じ
て、分散助剤としてカチオン性界面活性剤もしくは1価
アルコール等を適量添加してもかまわない。
【0049】一方、カチオン変性エポキシ樹脂成分は、
上記ブロックポリイソシアネートと混合して、エマルシ
ョンとして水中に乳化分散させるか、あるいは中和剤を
用いて中和処理し、水中に乳化分散させておくことが好
ましい。このようにして、メインエマルションを得るこ
とができる。
【0050】なお、上記中和剤の例としては、塩酸、硝
酸、リン酸等の無機酸および蟻酸、酢酸、乳酸、スルフ
ァミン酸、アセチルグリシン酸等の有機酸を挙げること
ができる。また上記エマルション化する時、樹脂内部に
適量の防錆剤を添加してもかまわない。上記防錆剤とし
ては、近年鉛等の有害な重金属を排する市場要求から、
亜鉛および/またはセリウム、ネオジムあるいはプラセ
オジム等の希土類金属の有機酸塩が水溶性であり、使用
が容易なものとして推奨される。例えば、酢酸亜鉛、酢
酸セリウム、炭酸セリウム、酢酸ネオジム等をエマルシ
ョン化時または後で添加することができる。
【0051】このようにして得られた水性顔料分散ペー
スト、メインエマルション、および紫外線吸収剤、酸化
防止剤、界面活性剤、塗膜表面平滑剤、硬化促進剤(有
機スズ化合物など)などの添加剤成分を混合することに
より、カチオン電着塗料組成物を得ることができる。
【0052】上記カチオン電着塗料組成物は、固形分濃
度が15〜25重量%の範囲となるように調整すること
が好ましい。固形分濃度の調節には水性媒体例えば、水
単独かまたは水と親水性有機溶剤との混合物を使用して
行う。
【0053】本発明の複層電着塗膜の形成方法は、この
ようにして得られたカチオン電着塗料組成物を導電性基
材上に電着塗装するものである。すなわち、本発明の複
層電着塗膜の形成方法は、このカチオン電着塗料組成物
を導電性基材に電着塗装し、次いで加熱しながら層分離
せしめ、その後硬化させて少なくとも2層からなる複層
硬化膜を形成する過程で、空気に直接接触する樹脂層を
構成する樹脂の主成分が上記アニオン性ポリエステル樹
脂であり、上記導電性基材に直接接する樹脂層を構成す
る樹脂の主成分が上記カチオン変性エポキシ樹脂である
ことを特徴とする複層電着塗膜の形成方法である。
【0054】ここで、導電性基材としては、種々のもの
が利用できるが、自動車ボディや部品などが好適であ
る。
【0055】また、電着塗装方法としては、導電性基材
をカソード極端子に接続して行うカチオン電着塗装であ
ることが好ましい。具体的には、被塗物である導電性基
材にカソード極端子を接続し、先のカチオン電着塗料組
成物を満たした浴の浴温15〜35℃、負荷電圧100
〜400Vの条件で、乾燥膜厚10〜50μm、好まし
くは20〜40μmとなる量の塗膜を電着塗装する。そ
の後140〜200℃、好ましくは160〜180℃で
10〜30分間焼き付ける。この焼き付けには、当初か
ら目的温度に調節した加熱設備に塗装物を入れる方法
と、塗装物を入れた後に昇温する方法がある。
【0056】この加熱によって、電着塗装されたカチオ
ン電着塗料組成物に含有されるアニオン性ポリエステル
樹脂成分およびカチオン変性エポキシ樹脂成分は、各樹
脂固有の溶解性パラメーターに応じて空気側と導電性基
材側へと配分される。そして、塗膜硬化時には、上記ア
ニオン性ポリエステル樹脂成分が空気に直接接する側
に、上記カチオン変性エポキシ樹脂成分が導電性基材に
直接接する側にある。
【0057】本発明の複層電着塗膜の形成方法で得られ
た硬化膜上に、さらに機能性クリア塗料または上塗り塗
料を塗装して焼き付けることによって、密着性および外
観に優れた2コート仕様の多層塗膜を形成することがで
きる。なお、上記機能性クリア塗料および上塗り塗料
は、溶剤型、水性、粉体のいずれのタイプであっても構
わない。
【0058】また、上記機能性クリア塗料または上塗り
塗料の塗装は、未硬化の複層電着塗膜にウェットオンウ
ェットで行い、電着塗膜と機能性クリア塗膜または上塗
り塗料を同時に焼き付ける2コート1ベーク塗装方法を
適用するのが好ましい。この場合には、電着塗膜内部の
層分離が起こる温度を塗膜硬化に必要な温度未満に設定
し、硬化温度未満でプレヒートした上で、上塗り塗装を
施すことが、塗膜外観を損なわずに目的の多層塗膜を得
るためには望ましい。上記プレヒートは通常60〜13
0℃で2〜20分行うことが好適である。
【0059】
【実施例】以下に製造例、実施例および比較例を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。各例中の「部」は「重量
部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
【0060】製造例1(ブロックドポリイソシアネート
の製造) 攪拌機、窒素導入管、冷却管および温度計を備え付けた
反応容器にヘキサメチレンジイソシアネートの3量体1
99部を入れ、メチルイソブチルケトン39部で希釈し
た後ブチル錫ラウレート0.2部を加え、50℃まで昇
温の後、メチルエチルケトオキシム44部、エチレング
リコールモノ2−エチルへキシルエーテル87部を内容
物温度が70℃を超えないように加えた。そして赤外吸
収スペクトルによりイソシアネート残基の吸収が実質上
消滅するまで70℃で1時間保温し、その後n−ブタノ
ール43部で希釈することによって固形分80%の目的
のブロックドポリイソシアネート(溶解性パラメーター
δi=10.7)を得た。
【0061】製造例2(メインエマルションの製造) 攪拌機、デカンター、窒素導入管、温度計および滴下ロ
ートを備え付けた反応容器に、エポキシ当量188のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(DER−331J、ダ
ウケミカル社製)2400部とメタノール141部、メ
チルイソブチルケトン168部、ジラウリン酸ジブチル
錫0.5部を仕込み、40℃で攪拌し均一に溶解させた
後、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(8
0/20重量比混合物)320部を30分間かけて滴下
したところ発熱し、70℃まで上昇した。これにN,N
−ジメチルベンジルアミン5部を加え、系内の温度を1
30℃まで昇温し、メタノールを留去しながらエポキシ
当量が232になるまで130℃で3時間反応を続け
た。さらに、メチルイソブチルケトン644部およびビ
スフェノールA341部を加え、系内の温度を130℃
に保持し、エポキシ当量が840になるまで反応させた
後、系内の温度が110℃になるまで冷却した。ついで
ジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチ
ルイソブチルケトン溶液)241部、N−メチルエタノ
ールアミン300部およびジ(2−エチルヘキシル)ア
ミン346部の混合物を添加し120℃で1時間反応さ
せることによりカチオン変性エポキシ樹脂を得た。この
樹脂の数平均分子量は1800、水酸基価は160であ
り、樹脂軟化点はJIS−K−5665に基づいて測定
したところ130℃であった。赤外吸収スペクトル等の
測定から、樹脂中にオキサゾリドン環(吸収波数;17
50cm-1)を有していることが確認された。また溶解
性パラメーターδb=11.4であった。
【0062】こうして得られたカチオン変性エポキシ樹
脂中へ、上記製造例1で製造したブロックドポリイソシ
アネート1834部、酢酸90部、さらに防錆剤として
酢酸亜鉛2部および酢酸セリウム2部を加えた後、イオ
ン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不
揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂を
主体とするメインエマルションを得た。
【0063】製造例3(アニオン性ポリエステル樹脂の
製造) 攪拌機、冷却器、デカンター、窒素導入管、温度計およ
び滴下ロートを備え付けた反応容器に、トリメチロール
プロパン287.7部、ペンタエリスリトール563.
1部、2,2’−ジメチロールブタン酸45.2部、ヤ
シ油脂肪酸1476.2部、無水フタル酸565.6
部、イソフタル酸271.8部、および反応触媒として
ジブチル錫オキシド1.48部と還流溶剤としてキシレ
ン88.8部を仕込み、窒素雰囲気下220℃まで温度
を上げ、脱水縮合反応を約5時間行った。その後、希釈
溶剤としてメチルイソブチルケトン651.2部を加え
た。
【0064】得られたアニオン性ポリエステル樹脂溶液
は固形分80%であり、その樹脂の数平均分子量は16
00、酸価は8、ヒドロキシル価は100であり、樹脂
の溶解性パラメーターδaは9.0であった。
【0065】製造例4(カチオン性分散樹脂の製造) 攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器
にエポキシ当量203のクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(エポトートYDCN−703、東都化成社製)
122部、シ゛エタノールアミン10部、ファーミンD
86(炭素数14〜18のジアルキルアミンの混合物、
花王社製)74部およびメチルイソブチルケトン52部
を仕込んで、窒素雰囲気下120℃で1時間反応させ
た。ついで70℃まで冷却後、SHP−100(1−
(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジオ
ール、三洋化成社製)48部、氷酢酸32部および脱イ
オン水80部を加えた。反応混合物を70〜75℃で6
時間保持して反応を行わせた。
【0066】得られたカチオン性分散樹脂は、樹脂固形
分60%、数平均分子量5000、溶解性パラメーター
δc=10.8であった。
【0067】製造例5(水性顔料分散ペースト1の製
造) サンドミルを用いて、製造例3で得られたアニオン性ポ
リエステル樹脂44部と、製造例1で得られたブロック
ポリイソシアネート19部と二酸化チタン50部とを分
散させて、ポリエステル顔料分散ペーストを調整した。
【0068】一方、イオン交換水248部に、製造例4
で得られたカチオン性分散樹脂273部及びエチレング
リコールモノ−n−ヘキシルセロソルブ54部を分散さ
せた後、その中へ、上記で得られたポリエステル顔料分
散ペースト958部を、ドロップすることで、不揮発分
32%のエマルションを得、更に減圧下で不揮発分36
%まで濃縮することにより、表面をカチオン性分散樹脂
で覆われた水性顔料分散ペースト1を調製した。
【0069】製造例6〜8(水性顔料分散ペースト2〜
4の製造) フッ素樹脂(商品名 ルミフロンLF−916、旭硝子
社製)を、更に0.08部、7.7部、30.8部だけ
各々加えた以外は、製造例5と同様にして、水性顔料分
散ペースト2〜4を調製した。
【0070】製造例9(水性顔料分散ペースト5の製
造) サンドグラインドミルに、製造例4で得られたカチオン
性分散樹脂35部、二酸化チタン70部、イオン交換水
77部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散し、水
性顔料分散ペースト5を得た。
【0071】実施例1 製造例2で得られたメインエマルション278部、製造
例6で得られた水性顔料分散ペースト750部およびイ
オン交換水672部を混合して、不揮発分20%のカチ
オン電着塗料組成物1を得た。この塗料中には、ジブチ
ル錫オキシドを、塗料固形分の1.5重量%となるよう
に配合した。
【0072】上記で得たカチオン電着塗料組成物を用い
て、リン酸亜鉛処理鋼板に対して焼き付け後の電着塗膜
厚が20μmになるような電圧で電着塗装し、160℃
で10分間焼付けを行った。
【0073】ここで得られた電着塗膜について以下の要
領で、外観、耐食性、耐候性および上塗り密着性を評価
した。その結果を表1に示す。
【0074】外観(電着肌の外観) JIS B0601−1994に準じて、表面粗度計
(Mitutoyo surfcom 211ミツトヨ
社製)により電着塗膜表面の粗度をRaとして測定し
た。その結果を表1に示す。
【0075】耐候性試験(SWH600H) 上記で得られた電着塗膜の塗られた塗板をサンシャイン
ウエザオメーターへ取り付け、600時間照射後60度
グロスを測定し、初期値に対する保持率を求めた。また
試験中に層間剥離が生じたものはその状態を記録した。
【0076】耐食性試験(SDT) 塗板にナイフで素地に達するクロスカットを入れ、塩水
噴霧試験(5%食塩水、55℃)を480時間行い、粘
着テープによってカット部両側から剥離した剥離部の最
大幅で示した。
【0077】上塗り密着性試験 上記で得た、電着塗膜上に商品名スーパーラックM−1
70(日本ペイント社製)を15μの膜厚となるように
塗装し、次いで商品名マックフロー O−380(日本
ペイント社製)をウェットオンウェットで膜厚35μと
なるように塗装し、140℃20分間焼付を行った。こ
こで得られた多層塗膜について以下の要領で碁盤目密着
試験を行った。
【0078】上記で得られた多層塗膜に、1mm×1m
mのゴバン目100個を作り、その表面に粘着テープを
粘着し、急激に剥離した後の塗面に残ったゴバン目の数
を記録した。この値を初期の密着性とした。
【0079】一方、上記で得られた多層塗膜を、40℃
の純水に240時間浸漬して、上記の同様の要領で碁盤
目密着試験を行った。その値を耐温水2次密着性とし
た。
【0080】実施例2〜3 製造例7、8で得られた水性顔料分散ペースト3、4を
用いた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0081】比較例1 製造例5で得られた水性顔料ペースト1を用いた以外
は、実施例1と同様にして、評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0082】比較例2 製造例2で得られたメインエマルション375部、製造
例9で得られた水性顔料分散ペースト130部およびイ
オン交換水495部を混合して、不揮発分20%のカチ
オン電着塗料組成物1を得た。この塗料中には、ジブチ
ル錫オキシドを、塗料固形分の1.5重量%となるよう
に配合した。
【0083】上記で得たカチオン電着塗料組成物を用い
て、リン酸亜鉛処理鋼板に対して焼き付け後の電着塗膜
厚が20μmになるような電圧で電着塗装し、160℃
で10分間焼付けを行った。
【0084】上記で得られた電着塗膜上に、中塗り塗料
として、商品名オルガP−2(日本ペイント社製)を3
5μの膜厚となるように塗装し、140℃20分間焼付
を行った。次に、その中塗り塗膜上に、商品名スーパー
ラックM−170(日本ペイント社製)を15μの膜厚
となるように塗装し、次いで商品名マックフロー O−
380(日本ペイント社製)をウェットオンウェットで
膜厚35μとなるように塗装し、140℃20分間焼付
を行った。ここで得られた多層塗膜について、実施例と
どうようにして評価を行った。その結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】実施例からわかるように、フッ素樹脂を含
有させることにより、外観、耐候性および耐食性が、従
来の中塗りのある3コートと同程度の性能を有するとと
もに、上塗りとの密着性が向上していることが確認され
た。
【0087】
【発明の効果】本発明のカチオン電着塗料組成物を用い
ることにより、従来の3コートなみの外観、耐候性およ
び耐食性を維持しながら、中塗りレスの塗装方法を行う
ことができるようになった。
【0088】また、空気に直接接する樹脂層を構成する
アニオン性ポリエステル樹脂成分の溶解性パラメーター
δaと、導電性基材に直接接する樹脂層を構成するカチ
オン変性エポキシ樹脂成分の溶解性パラメーターδbと
を、(δb−δa)≧1.0としたため、電着塗装後加
熱時に、少なくとも2種類の樹脂成分は層分離し、複層
電着塗膜が形成される。そして、上記導電性基材に直接
接する樹脂層を構成する樹脂成分が、カチオン変性エポ
キシ樹脂で、この樹脂は水酸基等の親水基と親和性を有
するため、上記の層分離時に、導電性基材側に配向し、
耐候性、耐食性、耐溶剤性を発現する。さらに、上記カ
チオン変性エポキシ樹脂成分と不相溶な樹脂成分が、ア
ニオン性ポリエステル樹脂であるので、非イオン性樹脂
を使用した場合に比較して、十分な電着塗膜厚を得るこ
とができる。
【0089】さらに、上記硬化剤としてブロックドポリ
イソシアネートを使用し、かつこのポリイソシアネート
の溶解性パラメーターδiを、上記溶解性パラメーター
δaおよびδbの中間に設定すれば、形成された複層電
着塗膜の各層を均一に硬化させることができる。
【0090】以上の形成方法によって得られた複層電着
塗膜上に、さらに上塗り塗料を塗装し、焼き付けること
により、従来の2コート塗装系と比較して焼き付け後の
塗膜の外観、上塗り層との密着性、耐候性および耐食性
の高度な両立化を達成した多層塗膜を形成することがで
きる。特にカチオン電着塗料組成物中に、フッ素樹脂を
含有しており、そのフッ素樹脂が、上塗り層と接する層
に局在化することにより、更にその上塗り層との密着性
を向上させることができる。したがって本発明の方法
は、塗料産業上とりわけ自動車塗装分野において、中塗
りレスの工程短縮、コスト削減および環境負荷(VOC
およびHAPs)低減を目指す新規塗装システムを構築
する上で重要な役割を果たすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 167/00 167/00 Fターム(参考) 4D075 AE06 BB89X CA13 DA06 DB02 DC12 EA05 EA43 EB16 EB33 EB35 EB38 EB54 EB56 4J038 CD092 DB391 DB392 DD051 DD052 DG302 GA03 GA06 GA08 KA08 MA08 MA10 NA12 PA04 PA17 PB03 PB07 PC02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン変性エポキシ樹脂、アニオン性ポ
    リエステル樹脂、フッ素樹脂およびブロックポリイソシ
    アネートを含むカチオン電着塗料組成物であって、該カ
    チオン性エポキシ樹脂の溶解性パラメーターδbと該ア
    ニオン性ポリエステル樹脂の溶解性パラメーターδaと
    が、(δb−δa)≧1.0の関係にある、カチオン電
    着塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記フッ素樹脂の含有量が、前記カチオン
    変性エポキシ樹脂、アニオン性ポリエステル樹脂および
    ブロックポリイソシアネートの合計重量に対して、0.
    05〜20重量%であることを特徴とする、請求項1記
    載のカチオン電着塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記アニオン性ポリエステル樹脂が、分子
    内に第3級カルボキシル基を有することを特徴とする請
    求項1又は2記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記ブロックポリイソシアネートの溶解性
    パラメータδiが、前記溶解性パラメーターδaおよび
    δbの中間にあることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か1つに記載のカチオン電着塗料組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1つに記載のカチ
    オン電着塗料組成物を導電性基材に電着塗装し、次いで
    加熱しながら層分離せしめ、その後硬化させて少なくと
    も2層からなる複層硬化膜を形成する過程で、空気に直
    接接触する樹脂層を構成する樹脂の主成分が前記アニオ
    ン性ポリエステル樹脂であり、前記導電性基材に直接接
    する樹脂層を構成する樹脂の主成分が前記カチオン変性
    エポキシ樹脂であることを特徴とする複層電着塗膜の形
    成方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の形成方法によって得られ
    た複層電着塗膜上に、さらに機能性クリア塗料または上
    塗り塗料を塗装し、焼き付けることを特徴とする多層塗
    膜の形成方法。
  7. 【請求項7】前記複層電着塗膜が未硬化の段階で、硬化
    温度未満でプレヒートを行い、ウェットオンウェットで
    さらに機能性クリア塗料または上塗り塗料を塗装した
    後、電着塗膜と上塗り塗膜とを同時に焼き付けることを
    特徴とする請求項6記載の多層塗膜の形成方法。
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