JP4286622B2 - 自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法及び自動車用ホイール - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法及び自動車用ホイールに関する。
自動車車輪は、小石、泥、雨、雪などによる機械的衝撃を防止し、同時に装飾してデザインを向上させたりするために、通常ホイールで覆われている。このような自動車用ホイールの塗装は、通常、カチオン電着塗料によって行われ、自動車車体の塗装のように中塗り塗装、上塗り塗料を施さない場合が多い。しかし、カチオン電着塗装のみの塗装では、エッジ部の防錆性が充分ではない場合がある。このようなエッジ部の防錆性を、塗装工程を増加させずに改善する方法として、二層塗膜形成型のカチオン電着塗料組成物を使用する方法がある。このような二層塗膜形成型のカチオン電着塗料組成物は、特許文献1、2、3、4等に開示されている。
特許文献5、6には、互いに不相溶である少なくとも2種類の樹脂成分、硬化剤及び顔料を含む水性塗料組成物を導電性基材上にカチオン電着塗装し、加熱しながら層分離せしめ、少なくとも2層から成る複層硬化膜を形成する複層電着塗膜の形成方法が開示されている。これは、互いに不相溶な複数の樹脂成分を用いてなる未硬化塗膜を加熱により層分離し、複層塗膜を形成する方法である。
また、塗料の粘性を制御し、エッジ部での防錆性を向上させるために、粒子内の架橋反応により得られる微小樹脂微粒子をカチオン電着塗料組成物に添加することが行われている。
しかしながら、このような微小樹脂粒子を複層電着塗膜を形成するカチオン電着塗料に添加した場合には、カチオン電着未硬化塗膜に含まれているすべての樹脂に対して微小樹脂粒子が作用するため、未硬化塗膜全体の粘度が低下せず、加熱しても樹脂成分が層分離しにくくなる場合がある。層分離が不充分である場合には、複層塗膜としての性質を発揮することができず、エッジ部での防錆性、耐候性等の性質を充分に改善することができない。
特公平2−33069号公報 特公平6−99652号公報 特開平8−333528号公報 特開平10−292131号公報 特開2000−345394号公報 特開2001−140097号公報
本発明は、上記現状に鑑み、ホイールのエッジ部での防錆性、耐侯性に優れるカチオン電着塗膜を得ることができる自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法及びこれにより得られる自動車用ホイールを提供することを目的とするものである。
本発明は、カチオン性基を有するエポキシ樹脂(A)、粒子径0.01〜0.2μmの内部架橋した微小樹脂粒子(B)及び水性樹脂(C)からなるカチオン電着塗料組成物を被塗装物上にカチオン電着塗装してカチオン電着被膜を得る工程(1)、並びに、上記工程(1)によって得られたカチオン電着被膜を層分離、硬化させるために加熱する工程(2)からなる自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法であって、上記カチオン電着塗料組成物は、上記エポキシ樹脂(A)及び上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)を含有してなるエマルション粒子(P)、並びに、上記水性樹脂(C)を含有してなるエマルション粒子(Q)が分散してなるものであり、上記エポキシ樹脂(A)の溶解性パラメーターδa及び上記水性樹脂(C)の溶解性パラメーターδcは、δa−δc≧1.0の関係を満たし、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、上記エマルション粒子(P)の油相中に分散していることを特徴とする自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法である。
上記エマルション粒子(P)及び/又は上記エマルション粒子(Q)は、更に、架橋剤(H)を含有するものであることが好ましい。
上記エポキシ樹脂(A)は、カチオン性基の20〜150モル%が酸により中和されていることが好ましい。
上記水性樹脂(C)は、カチオン性アクリル樹脂であることが好ましい。
上記エマルション粒子(P)は、粒子径が0.02〜0.3μmであることが好ましい。
上記エマルション粒子(P)は、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)が上記エポキシ樹脂(A)に対して、1〜20質量%含まれるものであることが好ましい。
上記エマルション粒子(P)は、上記架橋剤(H)が上記エポキシ樹脂(A)に対して、10〜60質量%含まれるものであることが好ましい。
上記エポキシ樹脂(A)と上記水性樹脂(C)との配合比率は、樹脂固形分質量比で、(A)/(C)が3/7〜7/3であることが好ましい。
本発明はまた、自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法により得られることを特徴とする自動車用ホイールでもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法に関するものである。上記自動車用ホイールは、アルミホイールであってもスチールホイールであってもよいが、スチールホイールであることが好ましい。
本発明の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法における最初の工程は、被塗装物上にカチオン電着塗装してカチオン電着被膜を得る工程である[工程(1)]。上記工程(1)において使用するカチオン電着塗料組成物は、エポキシ樹脂(A)及び内部架橋した微小樹脂粒子(B)を含有してなるエマルション粒子(P)、並びに、水性樹脂(C)を含有してなるエマルション粒子(Q)からなるものであり、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、上記エマルション粒子(P)の油相中に分散しているものである。
上記カチオン電着塗料組成物は、上記エポキシ樹脂(A)及び上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)を含有してなるエマルション粒子(P)、並びに、前記水性樹脂(C)を含有してなるエマルション粒子(Q)が分散してなるものである。
図1は、上記カチオン電着塗料組成物の一例を示す模式図であり、分散媒である水性媒体中にエマルション粒子(P)及びエマルション粒子(Q)が分散している状態を示したものである。上記カチオン電着塗料組成物中において、上記エマルション粒子(P)と上記エマルション粒子(Q)とは、別々に存在するものである。このため、上記カチオン電着塗料組成物により得られる複層塗膜において、上記エマルション粒子(P)に由来する層が内部架橋した微小樹脂粒子(B)が分散したものとなり、上記エマルション粒子(Q)に由来する層は内部架橋した微小樹脂粒子(B)が存在しないものとなる。従って、得られる複層塗膜におけるエポキシ樹脂(A)を含有してなる樹脂層中に内部架橋した微小樹脂粒子(B)が高分散しているため、エッジ部の防食性を効率的に向上させることができる。
上記カチオン電着塗料組成物は、互いに不相溶な2種類の樹脂成分を使用することによって、複層構造を有する電着塗膜を形成させ、このうち、被塗装物上に接する側は防食性を有する樹脂層とし、空気に接する側は耐候性を有する樹脂層として、防食性及び耐候性を高度に両立することができるものである。上記性質を有するカチオン電着塗料組成物に、流動性を制御する目的で内部架橋した微小樹脂粒子(B)を配合した塗料組成物としては、図2の模式図に示したようなものがある。
図2に示したようなカチオン電着塗料組成物を使用してカチオン電着を行った場合、上記エポキシ樹脂(A)、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)及び上記水性樹脂(C)が無秩序に分散した状態の未硬化塗膜が得られる。このため、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)による高粘度化の作用が上記水性樹脂(C)に対しても生じ、このために樹脂の分離が効率よく生じなかった。また、図2に示したようなカチオン電着塗料組成物を使用してカチオン電着を行い、加熱して硬化させた場合には、内部架橋した微小樹脂粒子(B)が塗膜の硬化前に凝集してしまう。このため、エッジ部でのカバーが充分でない場合があり、結果として、耐食性に劣ることや、塗膜の平滑性が低下するおそれもある。
上記カチオン電着塗料組成物においては、塗膜の溶融時の粘性を制御するために配合した内部架橋した微小樹脂粒子(B)が、上記エマルション粒子(P)の油相中に分散しているため、未硬化塗膜中でも、エマルション粒子(P)由来の油相中にのみ分散している。このため、カチオン電着塗装後の焼付け時に、上記水性樹脂(C)の粘度に対してほとんど影響を与えず、加熱溶融時の流動性を良好に制御することができ、平滑性に優れたものとなる。また、上記不相溶な2種類の樹脂成分の分離を阻害することがなく、理想的な複層塗膜を形成することができる。また、エポキシ樹脂(A)及び内部架橋した微小樹脂粒子(B)によって形成される層は、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)が高度に分散したものであるため、平滑性、エッジ防錆性に優れたものとなる。
上記カチオン電着塗料組成物は、塗膜層の分離性能が良好であることから、上記エポキシ樹脂(A)及び上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)によって形成されたエマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションと、上記水性樹脂(C)によって形成されたエマルション粒子(Q)からなるエマルションとをそれぞれ別途調製し、これらを混合したものであることが好ましい。このような場合は上記エマルション粒子(P)の成分と上記エマルション粒子(Q)とが塗料組成物中で混和することなく安定に存在している。また、上記カチオン電着塗料組成物において、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、上記エマルション粒子(Q)中には実質的に分散していないものであり、これにより、カチオン電着塗装後の焼き付け時に不相溶な2種類の樹脂成分の分離を阻害することがない。
上記カチオン電着塗料組成物においては、上記エポキシ樹脂(A)の溶解性パラメーターδa及び上記水性樹脂(C)の溶解性パラメーターδcは、δa−δc≧1.0の関係を満たす。このような関係を満たすことによって、エポキシ樹脂(A)及び水性樹脂(C)が互いに相溶性を有することがなく、加熱時に層分離を生じ、分離構造を呈する塗膜を得ることができる。耐食性に優れるエポキシ樹脂(A)と耐候性に優れる水性樹脂(C)とを含むカチオン電着塗料組成物を用いることによって、導電性基材上に、耐食性を有する樹脂層及び耐候性を有する樹脂層が分離構造として形成される複層塗膜を得ることができ、これにより、耐食性、耐候性、塗膜外観、エッジ部でのカバーリングに優れた複層塗膜を得ることができる。
上記溶解性パラメーターδとは、一般にSP(ソルビリティ・パラメーター)とも呼ばれるものであって、樹脂の親水性又は疎水性の度合いを示す尺度であり、また、樹脂間の相溶性を判断する上でも重要な尺度となるものである。上記溶解性パラメーターは、当業者に公知の濁度測定法をもとに数値定量化されるものである(参考文献:K.W.Suh,D.H.Clarke,J.Polymer.Sci.,A−1,5,1671(1967))。
上記エマルション粒子(P)は、図3(下側に示した図)に示されたような構造を有するO/W型エマルションによって上記カチオン電着塗料組成物に配合することができる。図3に示されたような構造を有するエマルションは、エポキシ樹脂(A)及び内部架橋した微小樹脂粒子(B)からなり、上記エポキシ樹脂(A)を含有してなる油相中に内部架橋した微小樹脂粒子(B)が分散しているエマルション粒子(P)が、分散媒である水性媒体中に分散してなるものである。
上記エポキシ樹脂(A)中のカチオン性基は、酸と反応して塩を形成する官能基であり、例えばアミノ基、スルフィド基、ホスフィン基等を挙げることができる。これらは、酸の存在化でカチオン化し、それぞれアンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基を形成する。上記カチオン性基は、アミノ基であることがより好ましい。
上記エポキシ樹脂(A)は、カチオン性基がアミノ基である場合、アミン価が下限30、上限150の範囲内であることが好ましい。上記エポキシ樹脂(A)のアミン価が30未満であると、アミン価が不足しているために樹脂が充分な水分散性を発現できず、そのため、エマルション形成が困難になるおそれがある。また、150を超えると樹脂が高い水溶性を呈するためにエマルション形成には不利となるおそれがある。上記下限は、40であることがより好ましく、上記上限は、120であることが好ましい。
上記エポキシ樹脂(A)の数平均分子量は、下限1000、上限10000の範囲内であることが好ましい。上記エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が1000未満の場合は、乳化させることが困難となるため、好ましくない。上記エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が10000を超える場合は、樹脂溶液の粘度制御が難しく合成が困難なばかりか、得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難となることがある。上記下限は、1500であることがより好ましい。上記上限は、5000であることがより好ましい。
上記カチオン性基を樹脂中に導入する方法としては特に限定されず、例えば、エポキシ基を有する樹脂中のエポキシ基を1級アミン、2級アミン又は3級アミン酸塩等のアミン類と反応させる方法、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基等のカチオン性基を有するモノマーを使用して重合体を得る方法等を挙げることができる。
上記エポキシ樹脂(A)は、原料エポキシ樹脂分子内のエポキシ環を、1級アミン、2級アミン又は3級アミン酸塩等のアミン類との反応によって開環して製造することができる。上記原料エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多環式フェノール化合物とエビクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジイソシアネート化合物、又は、ジイソシアネート化合物のNCO基をメタノール、エタノール等の低級アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって得られるオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記原料エポキシ樹脂は、2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸等により鎖延長したものであってもよい。また、分子量又はアミン当量の調節、熱フロー性の改良等を目的として、一部のエポキシ環に対して2−エチルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ−2−エチルへキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノヒドロキシ化合物を付加したものであってもよい。
上記原料エポキシ樹脂のエポキシ環を開環してアミノ基を導入するために使用することができるアミン類としては特に限定されず、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩等の1級、2級又は3級アミン酸塩等を挙げることができる。
また、アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミンのようなケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンも使用することができる。これらのアミン類は、すべてのエポキシ環を開環させるために、エポキシ環に対して少なくとも当量で反応させる必要がある。
上記エポキシ樹脂(A)のカチオン性基は、下限20%、上限150%の割合で酸によって中和されたものであることが好ましい。上記エポキシ樹脂(A)を中和する酸としては特に限定されず、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、ホウ酸、酪酸、ジメチロールプロピオン酸、塩酸、硫酸、リン酸、N−アセチルグリシン、N−アセチル−β−アラニン等を挙げることができる。上記酸は、カチオン性基の下限20%、上限150%を中和させる割合で使用することが好ましい。上記割合が20%未満である場合は、上記エポキシ樹脂(A)が水に充分分散せず、エマルションが形成されない場合がある。150%を超える割合で配合しても、分散性に差を生じない。上記下限は、30%であることがより好ましく、上記上限は、100%であることがより好ましい。
上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、架橋構造を有する樹脂からなる平均粒子径0.01〜0.2μmの微小樹脂粒子である。上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)としては、特に限定されず、例えば、エチレン性不飽和単量体を主体とする架橋構造を有する樹脂からなる微小樹脂粒子、内部架橋したウレタン樹脂からなる微小樹脂粒子、内部架橋したメラミン樹脂からなる微小樹脂粒子等を挙げることができる。
上記エチレン性不飽和単量体を主体とする架橋構造を有する樹脂としては特に限定されず、例えば、架橋性単量体を必須成分とし、必要に応じてエチレン性不飽和単量体を含有する単量体組成物を、水性媒体中でサスペンジョン重合又は乳化重合させて調製した水分散体、上記水分散体を溶媒置換、共沸、遠心分離、乾燥等の方法により水を除去して得られる内部架橋した微小樹脂粒子、脂肪族炭化水素等の低SP有機溶媒又はエステル、ケトン、アルコール等のうち高SPである有機溶媒のようにモノマーは溶解するが重合体は溶解しない非水性有機溶媒中で架橋性単量体を必須成分とし、必要に応じてエチレン性不飽和単量体を含有する単量体組成物を共重合させて得られる内部架橋した微小樹脂粒子共重合体を分散するNAD法又は沈澱析出法等の方法によって得られる内部架橋した微小樹脂粒子等を挙げることができる。
上記エチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アルリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等を挙げることができる。上記エチレン性不飽和単量体は単独で使用するものであっても、二種類以上を併用して使用するものであってもよい。
上記架橋性単量体としては特に限定されず、例えば、分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体、相互に反応し得る基をそれぞれ担持する2種のエチレン性不飽和基含有単量体等を挙げることができる。
上記内部架橋した微小樹脂粒子の製造に使用することができる分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールアリロキシジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリメタクリレート等の多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート等の多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル;ジビニルベンゼン等の2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物等を挙げることができる。
上記相互に反応し得る基をそれぞれ担持する2種のエチレン性不飽和基を有する単量体に存在する相互に反応する官能基の組合せとしては特に限定されず、例えば、エポキシ基とカルボキシル基、アミン基とカルボニル基、エポキシ基とカルボン酸無水物基、アミン基とカルボン酸塩化物基、アルキレンイミン基とカルボニル基、オルガノアルコキシシラン基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とイソシアネートグリシジルアクリレート基等の組合せを挙げることができる。なかでも、エポキシ基とカルボキシル基の組合せがより好ましい。
上記エポキシ基とカルボキシル基の組合せによる2種のエチレン性不飽和基を有する単量体としては、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体と、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の組合せ等を挙げることができる。
上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、エマルション中で安定な分散状態を保つために、アミノ基や第4級アンモニウム基のカチオン性基を担持することが好ましい。これを実現するには、エチレン性不飽和結合と塩基性基とを有する単量体、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン類等を内部架橋した微小樹脂粒子合成に際して単量体混合物へ添加するか、又は、内部架橋した微小樹脂粒子の合成に際し、カチオン性末端を与える開始剤を用いて単量体混合物を重合する方法がある。
上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)を構成するポリマー自体が無極性である場合、内部架橋した微小樹脂粒子(B)の合成時適当な乳化剤、特に両性イオン基を有するオリゴソープ、ポリソープ又は反応性乳化剤を使用し、内部架橋した微小樹脂粒子を安定に分散させ、エマルションとして上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションの製造において使用することもできる。上記両性イオン基を持つ乳化剤は、特開昭56−24461号公報、特開昭57−21927号公報、特開昭57−50522号公報等に開示されている。
また、上記乳化剤としてカチオン性樹脂乳化剤を使用することもできる。上記カチオン性樹脂乳化剤は、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)を乳化することができるカチオン性樹脂からなる乳化剤である。
上記エチレン性不飽和単量体を主体とする架橋構造を有する樹脂からなる内部架橋した微小樹脂粒子は、上記単官能エチレン性不飽和単量体及び架橋性単量体の溶液重合又は塊状重合等によって得られた重合体を粉砕し、0.01〜0.2μmに分級して得ることもできる。
上記内部架橋したウレタン樹脂からなる微小樹脂粒子は、ポリイソシアネート成分と末端に水酸基を有するジオール及びカルボキシル基を有するジオール若しくはトリオールを有する活性水素含有成分とを反応させることにより形成されたカルボン酸塩を側鎖に有するイソシアネート末端基含有ポリウレタンプレポリマーを、続いて活性水素含有連鎖延長剤と反応させることによって得られるポリウレタンポリマーからなる微小樹脂粒子である。
上記プレポリマーに使用するポリイソシアネート成分は、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1−シクロヘキサンジイソシアネート、1−イソシアネート−3−イソシアネートメチル−3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;等を挙げることができる。上記ポリイソシアネート成分は、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。
上記末端に水酸基を有するジオールは特に限定されず、例えば、分子量100〜5000のポリエーテルジオール、ポリエステルジオール又はポリカーボネートジオール等を挙げることができる。上記末端に水酸基を有するジオールとしては特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリカプロラクトンジオール、ポリ−3−メチルパレロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカーボネート等を挙げることができる。
上記カルボキシル基を含有するジオールとしては特に限定されず、例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸等を挙げることができる。なかでも、ジメチロールプロピオン酸が好ましい。
上記トリオールとしては特に限定されず、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリンポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。トリオールを使用することによって、ウレタン樹脂粒子の内部が架橋構造をとる。
上記内部架橋したメラミン樹脂からなる粒子としては特に限定されず、例えば、メラミン樹脂とポリオールを乳化剤の存在下で水中に分散させた後、粒子内でポリオールとメラミン樹脂の架橋反応を行うことによって得られる内部架橋したメラミン樹脂粒子等を挙げることができる。
上記メラミン樹脂としては、特に限定されず、例えば、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミン及びそれらのアルキルエーテル化物(アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル)等を挙げることができる。市販されている上記メラミン樹脂としては、例えば、三井サイテック社製サイメル303、サイメル325、サイメル1156等を挙げることができる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、分子量500〜3000のトリオール、テトロール等を挙げることができる。上記ポリオールは、ポリプロピレンエーテルトリオール、ポリエチレンエーテルトリオールがより好ましい。
上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、ロ過、スプレー乾燥、凍結乾燥等の方法で内部架橋した微小樹脂粒子を単離し、そのまま若しくはミル等を用いて適当な粒径に粉砕して粉体の状態で用いるものであっても、得られた水分散体をそのまま、又は、溶媒置換により媒体を置換して使用するものであってもよい。
上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、平均粒子径が、下限0.01μm、上限0.2μmの範囲内である。平均粒子径が0.01μm未満であると、微小でありすぎるため、取り扱い性が悪く、二次凝集しやすい。平均粒子径が0.2μmを超えると、粒子径が粗く貯蔵安定性が低下する。上記下限は、0.02μmであることがより好ましい。
上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションは、上記(A)〜(B)の成分の他に、更に、架橋剤(H)を含有するものであってもよい。上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションにおいて、上記架橋剤(H)は、上記エマルション粒子(P)中の油相成分中に溶解していることが好ましい。
上記架橋剤(H)としては特に限定されず、例えば、ブロックイソシアネート、メラミン樹脂等を挙げることができる。上記ブロックポリイソシアネートは、2以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で保護した化合物である。
上記ポリイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環族ポリイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等を挙げることができる。
上記ブロック剤としては特に限定されず、例えば、n−ブタノール、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の一価のアルキル(又は芳香族)アルコール類;エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル等のセロソルブ類;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムに代表されるラクタム類等を挙げることができる。オキシム類及びラクタム類のブロック剤は低温で解離するため、樹脂硬化性の観点からより好ましい。
上記ブロック剤は単独又は複数種を使用するものであってもよい。ブロック化率は、得られたO/W型エマルションの貯蔵安定性確保の観点から150%であることが好ましい。
上記メラミン樹脂としては、特に限定されず、例えば、上述のメラミン樹脂を挙げることができる。
上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションは、上記成分の他に、必要に応じてその他の任意成分を含有するものであってもよい。上記任意成分としては、有機溶媒、界面活性剤、消泡剤等を挙げることができる。
上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションにおいて、(A)〜(B)及び(H)の各成分の含有する割合は、特に限定されず、適宜設定することができるが、一般的に、エポキシ樹脂(A)を基準として、内部架橋した微小樹脂粒子(B)を下限1質量%、上限20質量%の範囲内で使用することが好ましい。内部架橋した微小樹脂粒子(B)が1質量%未満であると、塗膜の粘性を制御するという効果が充分に発現しない場合がある。更に、20質量%を超えると、粘性が高くなりすぎ塗膜外観が低下するという問題が生じるおそれがある。
また、上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションにおいて、架橋剤(H)を使用する場合、一般的に、エポキシ樹脂(A)を基準として、架橋剤(H)を下限10質量%、上限60質量%の範囲内で使用することが好ましい。架橋剤(H)が10質量%未満であると、架橋剤(H)を配合することによる効果が充分に発現しない場合がある。更に、60質量%を超えると、疎水性が高くなりすぎ、乳化性(微粒子化性)が低下し、貯蔵安定性が低下するという問題が生じるおそれがある。
上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションの製造方法としては特に限定されず、例えば、以下に記載する方法等を挙げることができる。
上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションを製造する第1の方法においては、まず上記(A)〜(B)及び必要に応じて使用する(H)の成分によって構成されるW/O型エマルション(Y)を製造する。上記W/O型エマルション(Y)は、図3(上側に示した図)に示される模式図で表わされるものである。上記W/O型エマルション(Y)を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、図5に示した方法及び図6に示した方法等を挙げることができる。
図5に示した方法は、エポキシ樹脂(A)と、上記エポキシ樹脂(A)のカチオン性基の20〜150%を中和する酸とを混合しエポキシ樹脂(A)を中和する工程(1−1)、並びに、上記工程(1−1)により得られた中和されたエポキシ樹脂(A)と、内部架橋した微小樹脂粒子(B)の水分散体(W)とを混合し、W/O型エマルション(Y)を形成する工程(1−2)からなる方法である。
上記方法においては、まず、エポキシ樹脂(A)に、通常の方法によって酸を加えることによりエポキシ樹脂(A)のカチオン性基を中和する[工程(1−1)]。上記工程(1−1)に際しては、少量の水性媒体を使用して、W/O型エマルションとしてもよい。
目的とするエマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションが架橋剤(H)を含有するものである場合、上記工程(1−1)において、架橋剤(H)を混合することが好ましい。上記工程(1−1)において混合することによって、油相中に架橋剤(H)が存在することになる。
次いで、上記工程(1−1)によって得られた中和されたエポキシ樹脂(A)に対して内部架橋した微小樹脂粒子(B)の水分散体(W)とを混合することによって、W/O型エマルション(Y)を調製する。上記W/O型エマルション(Y)の調製方法としては、特に限定されず、通常のW/O型エマルション調製方法によって行うことができる。
図6に示した方法は、平均粒子径0.01〜0.2μmの内部架橋した微小樹脂粒子(B)の水分散体(W)と、エポキシ樹脂(A)のカチオン性基の20〜150%を中和する酸とを混合し、分散体(V)を形成する工程(2−1)、並びに、上記工程(2−1)により得られた水分散体(V)と、上記エポキシ樹脂(A)とを混合し、W/O型エマルション(Y)を形成する工程(2−2)からなる方法である。
上記工程(2−1)においては、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)の水分散体(W)に所定量の酸を加えることによって、分散体(V)を形成する。
次いで、上記分散体(V)と上記エポキシ樹脂(A)とを混合することによって、W/O型エマルション(Y)を調製する[工程(2−2)]。上記工程によって、上記エポキシ樹脂(A)を含む油相は、分散媒となり、分散体(V)中の水及びこれに溶解する成分がエマルション粒子となる。この際、内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、水性媒体からなるエマルション粒子中に分散するのではなく、エポキシ樹脂(A)を含む油相中に分散する。上記W/O型エマルション(Y)の調製方法としては、特に限定されず、通常のW/O型エマルション調製方法によって行うことができる。
目的とするエマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションが架橋剤(H)を含有するものである場合、上記工程(2−2)において、架橋剤(H)を混合することが好ましい。上記工程(2−2)において混合することによって、油相中に架橋剤(H)が存在することになる。
上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションは、上記方法によって得られたW/O型エマルション(Y)に対して、水性媒体を添加して相転換させることによって得ることができる(第1の方法)。第1の方法の概略を図3に記載した。使用する水性媒体は、水を主体とするものであり、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤等を含有するものであってもよい。
上記水性媒体を添加して相転換させる際には、上記W/O型エマルション(Y)100質量部(エマルション全量)に対して、下限50質量%、上限200質量%の範囲内の水性媒体を加えることが好ましい。水性媒体が50質量%未満である場合は、相転換が生じない場合があるため好ましくない。200質量%を超える場合は、エマルション中の樹脂固形分濃度が低下しすぎるため、槽内塗料の固形分濃度維持が困難となり好ましくない。上記水性媒体の添加は、W/O型エマルション(Y)を攪拌しながら、水性媒体を徐々に添加する方法によって行うことが好ましい。
上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションを製造する第2の方法の概略を、図4に記載した。上記第2の方法は、上記(A)〜(B)及び必要に応じて使用する(H)の成分を混合することによって油性分散液(X)を調製し、上記油性分散液(X)に水性媒体を添加して乳化することによって、目的とするエマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションを製造する方法である。
上述した第1の方法は、使用する内部架橋した微小樹脂粒子(B)が水分散体である場合に好適に使用することができる方法であり、上述した第2の方法は、使用する内部架橋した微小樹脂粒子(B)が溶媒分散体である場合に好適に使用することができる方法である。また、内部架橋した微小樹脂粒子(B)が無溶媒である場合は、上記第1の方法及び第2の方法のうち、任意の方法を使用することができる。
上記方法によって製造したエマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションは、粒径分布を測定することによって、図7に示した構造を有することが確認された。すなわち、図8に示したような形態のエマルション粒子からなるO/W型エマルションの場合は、粒径分布を測定すると、内部架橋した微小樹脂粒子(B)に由来するピークと、樹脂エマルション粒子に由来するピークとの2つのピークが表れる。しかし、上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションは、粒径分布を測定した場合、単一のピークのみが見られる。従って、上記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、上記エマルション粒子(P)の油相中に分散していることが明らかであり、上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションは、図7で表される構造を有することが明らかである。
上記粒径分布を行った場合、上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションは、粒径分布によって得られる平均粒子径が、下限0.02μm、上限0.3μmの範囲内であることが好ましい。
上記カチオン電着塗料組成物は、上述のエポキシ樹脂(A)を含有してなるエマルション粒子(P)の他に、上記水性樹脂(C)を含有してなるエマルション粒子(Q)が分散してなるものである。
上記水性樹脂(C)としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂等を挙げることができるが、水分散性樹脂であることが好ましい。上記カチオン電着塗料組成物は、例えば、上記水分散性樹脂等の水性樹脂(C)が、上記エマルション粒子(P)とは別個のエマルション粒子を形成している。上記水性樹脂(C)としては特に限定されず、例えば、カチオン性アクリル樹脂、カチオン性ポリエーテルウレタン樹脂、カチオン性ポリエステルウレタン樹脂等のカチオン性樹脂を挙げることができ、特にカチオン性アクリル樹脂であることが好ましい。上記カチオン性アクリル樹脂は、上記エポキシ樹脂(A)との分離がよく、得られた塗膜は中塗り塗膜としての好適な物性を示すという点で最も好ましい。
上記カチオン性アクリル樹脂は、分子内に複数のオキシラン環及び複数の水酸基を有するアクリル共重合体と、アミンとの開環付加反応によって合成したものであることが好ましい。
上記カチオン性アクリル樹脂としては特に限定されず、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基含有アクリルモノマー(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリルエステルと、ε−カプロラクトンとの付加生成物)と、その他のアクリル系及び/又は非アクリルモノマーとを共重合することによって得られるもの等を挙げることができる。
上記その他のアクリル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記非アクリルモノマーとしては特に限定されず、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等を挙げることができる。
上記グリシジル(メタ)アクリレートに由来するオキシラン環を有するアクリル共重合体は、共重合体中のオキシラン環の全部を1級アミン、2級アミン、3級アミン酸塩との反応させることによって開環し、カチオン性アクリル樹脂とすることができる。
上記カチオン性アクリル樹脂は、アミノ基を有するアクリルモノマーを他のモノマーと共重合することによって直接合成する方法によって得ることもできる。上記方法では、上記グリシジル(メタ)アクリレートの代わりにN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有アクリルモノマーを使用し、このアミノ基含有アクリルモノマーと、上記ヒドロキシル基含有アクリルモノマー、並びに、上記他のアクリル系及び/又は上記非アクリル系モノマーとを共重合することによってカチオン性アクリル樹脂を得ることができる。
上記方法によって得られたカチオン性アクリル樹脂は、上記特開平8−333528号公報に挙げられるように、必要に応じて、ハーフブロックジイソシアネート化合物との付加反応によってブロックイソシアネート基を導入し、自己架橋型カチオン性アクリル樹脂とすることもできる。
上記カチオン性ポリエーテルウレタン樹脂、上記カチオン性ポリエステルウレタン樹脂は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド等のポリエーテル、又は、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリε−カプロラクトン等のポリエステルポリオールの両末端に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートをウレタン結合させ、鎖延長したものを出発原料樹脂として合成することができる。カチオン性基の導入は、例えば、分子鎖の途中にN−メチルジエタノールアミンとジイソシアネートを結合させて3級アミノ基を導入する方法を挙げることができる。また、ジエチレントリアミンメチルイソブチルケチミンのようなケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンを分子のイソシアネート末端に反応させた後、樹脂の水分散工程においてケチミンブロック部分を加水分解させることによって1級アミノ基を導入する方法を挙げることができる。このようにして得られるアミノ基を導入したカチオン性ポリエーテルウレタン樹脂、カチオン性ポリエステルウレタン樹脂は、そのまま使用することもできるし、必要に応じて後工程で酸中和して使用することもできる。
上記水性樹脂(C)は、ヒドロキシル価が50〜300の範囲となるように分子設計することが好ましい。50未満であると、塗膜の硬化不良を招くおそれがあり、300を超えると、硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存する結果、耐水性が低下することがある。
上記水性樹脂(C)は、数平均分子量が1000〜20000の範囲であることが好ましい。1000未満であると、硬化形成塗膜の耐溶剤性等の物性が劣るおそれがあり、20000を超えると、樹脂溶液の粘度が高いために得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難なばかりか、得られた塗膜の外観が著しく低下してしまうことがある。なお、上記水性樹脂(C)は、1種のみ使用することもできるが、塗膜性能のバランス化を図るために、2種又はそれ以上の種類を使用することもできる。
上記エマルション粒子(Q)からなるエマルションは、上記(C)の成分の他に、更に、架橋剤(H)を含有するものであってもよい。上記エマルション粒子(Q)からなるエマルションにおいて、上記架橋剤(H)は、上記エマルション粒子(Q)中の油相成分中に溶解していることが好ましい。上記エマルション粒子(Q)からなるエマルションにおいて、上記架橋剤(H)としては特に限定されず、例えば、上述の架橋剤(H)を挙げることができる。
また、上記エマルション粒子(Q)からなるエマルションにおいて、架橋剤(H)を使用する場合、一般的に、水性樹脂(C)を基準として、架橋剤(H)を下限10質量%、上限60質量%の範囲内で使用することが好ましい。架橋剤(H)が10質量%未満であると、架橋剤(H)を配合することによる効果が充分に発現しない場合がある。更に、60質量%を超えると、疎水性が高くなりすぎ、乳化性(微粒子化性)が低下し、貯蔵安定性が低下するという問題が生じるおそれがある。
上記カチオン電着塗料組成物において、上記架橋剤(H)の含有量は、上記カチオン電着塗料組成物の全樹脂固形分100質量%に対して、下限10質量%、上限40質量%であることが好ましい。10質量%未満であると、架橋剤(H)を配合することによる効果が充分に発現しない場合がある。40質量%を超えると、疎水性が高くなりすぎ、乳化性(微粒子化性)が低下し、貯蔵安定性が低下するという問題が生じるおそれがある。なお、上記架橋剤(H)の含有量は、カチオン電着塗料組成物全体での含有量である。
本発明のカチオン電着塗料組成物において、上記エポキシ樹脂(A)と水性樹脂(C)との配合比率は、樹脂固形分質量比で、(A)/(C)が3/7〜7/3の範囲内であることが好ましい。3/7よりも(A)の割合が小さい場合は、エポキシ樹脂(A)によって形成される塗膜層が薄くなるため、防食性が不充分になるおそれがある。7/3よりも(C)の割合が小さい場合は、水性樹脂(C)によって形成される塗膜層が薄くなるため、耐候性が不充分となるおそれがある。
上記カチオン電着塗料組成物が架橋剤(H)として上記架橋剤を含有するものである場合において、架橋剤の溶解性パラメーターδhは、がδa>δh>δcであることが好ましい。このような場合は、架橋剤が上記カチオン性樹脂(A)及び上記水性樹脂(C)の両方の層に分配されるため、分離したカチオン電着塗膜を効率よく硬化させることができる。
また、上記エマルション粒子(P)及び上記エマルション粒子(Q)の両方が架橋剤を含有する場合、両方に同一の架橋剤を使用するものであっても、相違する架橋剤を含有するものであってもよい。また、同一エマルション粒子中に2種類以上の架橋剤を含有するものであってもよい。
上記カチオン電着塗料組成物は、更に顔料分散ペーストを含有することが好ましい。顔料をカチオン電着塗料組成物の成分として用いる場合、一般に顔料を予め高濃度で水性媒体に分散させてペースト状にする。顔料は粉体状であるため、カチオン電着塗料組成物で用いる低濃度均一状態に、一工程で分散させるのは困難だからである。本明細書では、このようなペーストを顔料分散ペーストという。
上記顔料分散ペーストは、顔料及び顔料分散剤からなるものである。上記顔料としては特に限定されず、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー及びシリカのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウムのような防錆顔料等を挙げることができる。
上記顔料分散樹脂としては特に限定されず、例えば、カチオン性又はノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のようなカチオン性重合体等を使用することができる。
これらの成分を混合した後、混合物を顔料が所定の均一な粒径となるまで分散させて顔料分散ペーストを得る。分散には通常分散装置を用いる。例えば、ボールミルやサンドグラインドミル等を用いる。顔料分散ペーストに含まれる顔料の粒径は、15μm以下であることが好ましい。
上記顔料分散ペーストをカチオン電着塗料組成物に配合する場合、顔料は、上記カチオン電着塗料組成物中において、全ビヒクル成分の質量Vに対する全顔料質量Pの比率P/Vで表わすと、1/10〜1/2の範囲であることが好ましい。ここで顔料以外の全ビヒクル成分とは、顔料以外の塗料を構成する全固形成分(互いに不相溶な主樹脂成分、それぞれの硬化剤及び顔料分散樹脂等)を意味する。上記P/Vが1/10未満では、顔料不足により塗膜に対する光線及び水分等の腐食要因の遮断性が過度に低下し、実用レベルでの耐候性や耐食性を発現できないことがある。また、P/Vが1/2を超えると、顔料過多により硬化時の粘性増大を招き、フロー性が低下して塗膜外観が低下することがある。
上記カチオン電着塗料組成物には、上記成分の他に必要に応じカチオン電着塗料組成物に通常含有させる成分を通常使用する量添加することができる。上記成分としては、例えば、粘度調節剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。
上記カチオン電着塗料組成物は、上述した方法により調製した上記エマルション粒子(P)からなるO/W型エマルションと、上記エマルション粒子(Q)からなるエマルションとをそれぞれ別途調製し、これらのエマルション及び必要に応じて添加する他の成分とを混合することによって調製することができる。
上記カチオン電着塗料組成物を用いたカチオン電着塗装は、従来公知の方法に従って、カチオン電着塗装及び焼付けを行うことができる。例えば、被塗物である導電性基材に陰極(カソード極)端子を接続し、上記カチオン電着塗料組成物の浴温15〜35℃、負荷電圧100〜400Vの条件で、同時に浴そのものにコイルを巻きつけることによって流す電流により被塗物に磁化を帯びさせ、乾燥膜厚の下限が10μm(好ましくは20μm)、上限が50μm(好ましくは40μm)となる量の塗膜をカチオン電着塗装する。
上記カチオン電着塗料組成物による塗装を行う被塗物は、成形した後のホイールであり、塗装前に化成処理を施したものであることが好ましい。上記化成処理の方法としては特に限定されるものではなく、公知の化成処理剤を任意に使用することができる。
上記工程(2)は、上記工程(1)によって得られたカチオン電着被膜を加熱する工程である。上記工程(2)の加熱によって、層分離及び硬化を生じさせて、複層電着塗膜を得る。上記工程(2)によって得られる複層塗膜は、エポキシ樹脂(A)を含有してなる層が導電性基材に直接接する側に、水性樹脂(C)を含有してなる層が空気に直接接する側にある。上記カチオン電着塗料組成物中のエマルション粒子(P)において、内部架橋した微小樹脂粒子(B)はエマルション粒子(P)の油相中に分散しているものである。このため、上記工程(2)におけるカチオン電着塗装後の焼付け時に、上記水性樹脂(C)の粘度に対してほとんど影響を与えず、加熱溶融時の流動性を良好に制御することができ、また、上記不相溶な2種類の樹脂成分の分離を阻害することがなく、二層への分離がスムーズに生じ、複層塗膜を好適に得ることができる。
上記工程(2)における加熱温度は、下限140℃、上限200℃の範囲内で行うことが好ましい。140℃未満であると、被膜の分離がうまく生じないおそれがある。200℃を超えると、被膜が分離する前に硬化反応が生じ、かえって分離が阻害される場合がある。上記下限は、150℃であることがより好ましい。上記上限は、180℃であることがより好ましい。
上記層分離をより良好なものとするために、上記加熱はプレヒート工程及び本加熱工程からなるものとしてもよい。上記プレヒート工程は、電着塗膜の硬化温度未満で行うことが好ましい。これによって、硬化が生じない条件下で塗膜の分離を図ることができるため、層分離性が良好になる。上記プレヒート工程は、加熱温度が、下限60℃、上限130℃の温度範囲内であることが好ましい。60℃未満であると、流動性が充分に得られないため塗膜が分離せず、130℃を超えると、樹脂の硬化が進行するため層分離性が向上しない。加熱時間は、加熱温度等により変わるが、1〜10分程度が好ましい。上記プレヒート後の本加熱工程の加熱条件は、上記の一段階での加熱の場合と同じ条件で行うことができる。
上記カチオン電着塗膜は、被塗装物に直接接する層の膜厚が、下限5μm、上限40μmの範囲内であることが好ましい。上記被塗装物に直接接する層の膜厚が、5μm未満であると、充分な防食性が得られない場合があり、40μmを超えても性能が向上しない。
上記カチオン電着塗膜は、空気に直接接する層の膜厚が、下限1μm、上限20μmの範囲内であることが好ましい。上記空気に直接接する層の膜厚が、1μm未満であると、充分な耐候性が得られない場合があり、20μmを超えても性能が向上しない。
上記自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法によって得られたカチオン電着塗膜は、2つの層の分離が良好であることから、それぞれの塗膜の物性を良好に発揮することができる。また、上記エポキシ樹脂(A)からなる層は、塗膜の流動性が制御されているものであるため、平滑性、エッジカバー性に優れる。このため、エッジ部の防錆性も優れるものである。
上記自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法によって形成された複層カチオン電着硬化塗膜上に、更に、必要な塗装を施すものであってもよい。上記必要な塗装は、自動車用ホイールに対して通常行われる塗装であれば特に限定されず、例えば、粉体塗料による塗装等を挙げることができる。
本発明の自動車用ホイールは、上記カチオン電着塗膜形成方法によって形成されたカチオン電着塗膜を有するものである。上記カチオン電着塗膜を有することによって本発明の自動車用ホイールは、エッジ防錆性、耐候性に優れた性質を有するものである。
本発明の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法は、上述した構成よりなるので、カチオン電着後に加熱することによって二層構造を有する塗膜とする際、上記内部架橋した微小樹脂粒子が層分離を阻害することがなく、良好な分離状態を有する複層塗膜を得ることができる。エッジ部での防錆性、耐候性に優れるカチオン電着塗膜を得ることができるものである。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
製造例1 カチオン性基を有する樹脂1の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備した反応容器に、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比=8/2)21.8部、メチルイソブチルケトン(以下MIBKという)88.7部及びジブチル錫ジラウレート0.01部を加えた。窒素雰囲気下、室温でメタノール24.4部を添加したところ、発熱により系内の温度は60℃まで昇温した。その後30分間反応を継続した後に、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート132.3部、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル29.1部を1時間かけて滴下した。更に反応混合物に、ビスフェノールA−プロピレンオキシド5モル付加体82.0部を添加した。反応は、主に60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルを測定しながらイソシアネート基の吸収が消失するまで継続した。
次に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂940.0部を加え、125℃まで昇温した。その後、更にベンジルジメチルアミン2.03部を加え、エポキシ当量284になるまで、副生するメタノールをデカンターを用いて留去しながら130℃で反応させた。続いてビスフェノールA262.0部及び2−エチルへキサン酸76.9部を加えて130℃で反応させたところエポキシ当量は1070となった。その後、反応混合物を冷却し、ジブチルアミン27.7部、N−メチルエタノールアミン65.3部及びアミノエチルエタノールアミンのケチミン化物(79質量%MIBK溶液)93.6部を加え、110℃で2時間反応させた。その後、MIBKで不揮発分86%になるまで希釈し、オキサゾリドン環を含有したアミン化エポキシ樹脂1を得た。得られた樹脂1のアミン価は、107mgKOH/g、数平均分子量は2400、溶解性パラメーターδaは11.5であった。
製造例2 カチオン性基を有する樹脂2の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備した反応容器に、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比=8/2)43.6部、メチルイソブチルケトン(以下MIBKという)22.5部及びジブチル錫ジラウレート0.07部を加えた。窒素雰囲気下、室温でメタノール19.3部を添加したところ、発熱により系内の温度は60℃まで昇温した。反応は、主に60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルを測定しながら、イソシアネート基の吸収が消失するまで継続した。
次に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂515.1部を加え、125℃まで昇温した。その後、更にベンジルジメチルアミン0.68部を加え、エポキシ当量249になるまで、副生するメタノールをデカンターを用いて留去しながら130℃で反応させた。続いてビスフェノールA141.4部及び2−エチルヘキサン酸57.6部を加えて130℃で反応させたところエポキシ当量は1260となった。その後、反応混合物を冷却し、N−メチルエタノールアミン34.3部及びアミノエチルエタノールアミンのケチミン化物(79質量%MIBK溶液)41.0部を加え、110℃で2時間反応させた。その後、MIBKで不揮発分80%になるまで希釈し、オキサゾリドン環を含有したアミン化エポキシ樹脂2を得た。得られた樹脂2のアミン価は、94mgKOH/g、数平均分子量は2800、溶解性パラメーターδaは11.4であった。
製造例3 内部架橋した微小樹脂粒子1の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備した反応容器に、製造例2で製造したオキサゾリドン環を有するアミン化エポキシ樹脂2を3.6部と氷酢酸0.25部及びイオン交換水159.1部とを加え、窒素雰囲気下、75℃で加熱攪拌した。ここに2,2′−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)0.6部の酢酸100%中和水溶液を5分かけて滴下した。5分間エージングした後、メチルメタクリレート10部を5分かけて滴下した。更に5分間エージングした後、上記エポキシ樹脂10.7部と氷酢酸0.75部及びイオン交換水75.0部とを混合した溶液にt−ブチルメタクリレート55.0部、4−ヒドロキシブチルアクリレート5.0部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート30.0部からなるα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を加え攪拌して得られたプレエマルションを40分かけて滴下した。60分間エージングした後、冷却し、内部架橋した微小樹脂粒子1の分散液を得た。得られた架橋樹脂粒子1の分散液の不揮発分は30%、pHは4.7、平均粒子径は40nmであった。
製造例4 顔料分散ペースト1の調製
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備した反応容器にイソホロンジイソシアネート222.0部を加え、MIBK39.1部で希釈した後、ジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。窒素雰囲気下50℃に昇温後、2−エチルヘキサノール131.5部を2時間かけて滴下した。適宜冷却を実施し、反応温度を50℃に維持することにより、不揮発分90%のハーフブロック化イソシアネートを得た。
次に攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備した別の反応容器にエポン828(シェル化学社製 エポキシ樹脂、エポキシ当量190)351.6部及びビスフェノールA99.2部を仕込み、窒素雰囲気下130℃まで加熱した。ここに、ベンジルジメチルアミン1.41部を添加し、170℃で約1時間反応させることにより、エポキシ当量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。反応溶液を140℃まで冷却した後、先に得られたハーフブロック化イソシアネート218.3部を加え、140℃で1時間加熱保持した。
ここにジプロピレングリコールモノブチルエーテル172.3部を加えて希釈した後、反応溶液を100℃に冷却し、SHP−100(1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、三洋化成社製)408.0部(固形分136.0部)、ジメチロールプロピオン酸134.0部及びイオン交換水144.0部を加え、70〜75℃で酸価3.0以下になるまで反応させた。この反応により、3級スルホニウム化率70.6%のスルホニウム基変性エポキシ樹脂を得た。これをジプロピレングリコールモノブチルエーテル324.8部及びイオン交換水1204.8部で希釈し、不揮発分30%のスルホニウム基含有顔料分散用樹脂を得た。
このようにして得られたスルホニウム基含有顔料分散用樹脂180部、MA−100(カーボンブラック、三菱化学社製)9部、沈降性硫酸バリウムB−30(堺化学工業社製)76部、LFボウセイPM−303W(リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛系無機顔料、キクチカラー社製)15部、ジブチル錫オキサイド8部及びイオン交換水36部を混合し、サンドグラインドミルで粒度10μm以下になるまで粉砕して顔料分散ペースト1を調製した。
製造例5 ブロックイソシアネート硬化剤1の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備した反応容器に、コロネート2357(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、日本ポリウレタン工業社製)199.1部、MIBK36.4部及びジブチル錫ジラウレート0.2部を加え、窒素雰囲気下70℃に加熱した。内容物を均一に溶解させた後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル87.0部とメチルエチルケトンオキシム43.5部との混合溶液を、反応混合物の温度を70〜75℃に加熱保持しながら、2時間かけて滴下した。同温度で30分間エージングした後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル3.5部を配合した。IRスペクトルにより、イソシアネート基の吸収の消失を確認した後、MIBK42.3部で希釈して、ブロックイソシアネート硬化剤1を得た。
製造例6 アミノ基を有するアクリル樹脂1の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備した反応容器にMIBK56.7部を仕込み、窒素雰囲気下、115℃に加熱保持した。ここにt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.3部及びMIBK2.4部を混合した溶液とメタクリル酸グリシジル16.0部、スチレン17.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23.2部、2−エチルヘキシルメタクリレート33.5部及びn−ブチルアクリレート10.1部からなるモノマー混合物とを、同温度で加熱保持しながら3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間エージングした後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部及びMIBK0.5部を混合した溶液を30分で滴下し、更に2時間、115℃で加熱保持した後、N−メチルエタノールアミン8.5部を作用させることで、アミノ基を有するアクリル樹脂1を得た。このアミノ基を有するアクリル樹脂1のアミン価は70mgKOH/g、数平均分子量は4000、溶解性パラメーターδc1は10.4であった。
製造例7 アミノ基を有するアクリル樹脂2の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計及び滴下漏斗を装備した反応容器にMIBK56.7部を仕込み、窒素雰囲気下、100℃に加熱保持した。ここにt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.3部及びMIBK2.4部を混合した溶液とメタクリル酸ヒドロキシプロピル18.6部、スチレン20.0部、メタクリル酸イソボロニル13.7部、アクリル酸2−エチルヘキシル12.2部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル30.0部及びメタクリル酸n−ブチル5.5部からなるモノマー混合物とを、同温度で加熱保持しながら3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間エージングした後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部及びMIBK0.5部を混合した溶液を30分で滴下し、更に2時間、115℃で加熱保持することで、アミノ基を有するアクリル樹脂2を得た。このアミノ基を有するアクリル樹脂2のアミン価は140mgKOH/g、数平均分子量は4000、溶解性パラメーターδc2は9.9であった。
実施例1 微小架橋樹脂粒子含有O/W型エマルション1の製造
製造例1で得られたオキサゾリドン環を含有したアミン化エポキシ樹脂1及び製造例5で得られたブロックイソシアネート硬化剤1を固形分配合比75:25で均一に混合した後、エチレングリコールモノヘキシルエーテルを固形分に対して8.8%になるように添加した。更に酢酸水を加えて中和率35.5%となるように中和、撹拌してW/O型エマルションを形成する。ここに製造例3で得られた架橋樹脂粒子1を全樹脂固形分に対して10%になるようを添加した。次いでイオン交換水をゆっくりと加えて希釈し、相転換させO/W型エマルションを形成する。減圧下でMIBKを留去することにより、固形分濃度36.1%の微小樹脂粒子含有エマルション1を得た。得られた微小樹脂粒子含有エマルション1のpHは6.3、平均粒子径は85nmであった。前述のように粒径分布を測定すると単一のピークしか見られなかった。図9に粒径分布を示した。
実施例2 微小架橋樹脂粒子含有O/W型エマルション2の製造
製造例1で得られたオキサゾリドン環を含有したアミン化エポキシ樹脂1及び製造例5で得られたブロックイソシアネート硬化剤1を固形分配合比75:25で均一に混合した後、エチレングリコールモノへキシルエーテルを固形分に対して8.8%になるように添加した。また別にアミン化エポキシ樹脂に対して中和率35.5%となる量の酢酸水と全樹脂固形分の10%に当たる量の製造例3で得られた架橋樹脂粒子1とを混合する。これをイオン交換水で希釈した後、先の樹脂混合物を加え、W/O型エマルションを形成する。これに更にイオン交換水をゆっくりと加えて希釈し、相転換させO/W型エマルションを形成する。減圧下でMIBKを留去することにより、固形分濃度36.1%の微小樹脂粒子含有エマルション2を得た。得られた微小樹脂粒子含有エマルション2のpHは6.3、平均粒子径は85nmであった。前述のように粒径分布を測定すると単一のピークしか見られなかった。図10に粒径分布を示した。
実施例3 水性樹脂を含有するO/W型エマルション1
製造例6で得られたアミノ基を有するアクリル樹脂1、製造例7で得られたアミノ基を有するアクリル樹脂2及び製造例5で得られたブロックイソシアネート硬化剤1を、固形分配合比40:30:30で均一に混合した後、エチレングリコールモノブチルエーテルを固形分に対して8.8%になるように添加した。更に酢酸水を加えて中和率35.5%となるように中和、攪拌してW/O型エマルションを形成する。これに更にイオン交換水をゆっくりと加えて希釈し、相転換させO/W型エマルションを形成する。減圧下でMIBKを留去することにより、固形分濃度30.1%の水性樹脂を有するO/W型エマルション1を得た。得られた水性樹脂を含有するエマルション1のpHは6.1、平均粒子径は80nmであった。(なお、ここで混合したアミノ基を有するアクリル樹脂1とアミノ基を有するアクリル樹脂2との混合物の溶解性パラメーターδcは、10.2であった。)
比較例1 微小架橋樹脂粒子を含有しないエマルションの製造
製造例1で得られたオキサゾリドン環を含有したアミン化エポキシ樹脂1及び製造例5で得られたブロックイソシアネート硬化剤1を固形分配合比75:25で均一に混合した後、エチレングリコールモノヘキシルエーテルを固形分に対して8.8%になるように添加した。更に酢酸水を加えて中和率35.5%となるように中和、攪拌してW/O型エマルションを形成する。次いで、イオン交換水をゆっくり加えて希釈し、相転換させO/W型エマルションを形成する。減圧下でMIBKを留去することにより、固形分濃度36.0%の微小架橋樹脂粒子を含有しないエマルションを得た。得られたエマルションのpHは6.2、平均粒子径は75nmであった。前述のように粒径分布を測定すると単一のピークしか見られなかった。図11に粒径分布を示した。
比較例2 微小架橋樹脂粒子を別添加したエマルションの製造
比較例1と同様の処方で微小架橋樹脂粒子を含有しないO/W型エマルションを製造し、減圧下でMIBKを留去した後、製造例3で得られた架橋樹脂粒子1を全樹脂固形分に対して10%となるように別添加した。得られた微小架橋樹脂粒子を別添加したエマルションの不揮発分は36.1%、pHは6.3、平均粒子径は80nmであった。前述のように粒径分布を測定すると、二つのピークが見られた。図12に粒径分布を示した。
<微小架橋樹脂粒子含有O/W型エマルションの評価>
(カチオン電着塗料の調製)
実施例1、2及び比較例2で得られたカチオン性の微小架橋樹脂粒子含有O/W型エマルションまたは比較例1で得られた微小架橋樹脂粒子を含有しないカチオン性のO/W型エマルション521部、実施例3で得られた水性樹脂を含有するO/W型エマルション625部、製造例4で得られた顔料分散ペースト250部及びイオン交換水1104部とを混合して、それぞれのカチオン電着塗料を調製した。カチオン電着塗料組成物として使用したエマルションを表1に示した。
〔評価〕
得られたカチオン電着塗料を、化成処理を行った成形したホイールに対して、焼付け後の膜厚が20μmになるような電圧で電着塗装し、160℃で15分間焼付けを実施して硬化塗膜を得た。
(エッジ防錆性)
上記の条件で電着及び焼付けを実施したホイールに対し、JIS Z 2371の耐塩水噴霧試験方法に準じて、35℃で168時間試験を行った後の飾り窓部分の錆状態を観察した。飾り窓錆状態を以下の基準で評価した。
○:点錆のない
×:点錆が発生している
(耐候性)
上記の条件で電着及び焼付けを実施したホイールをサンシャインウェザオメータ(SWOM、スガ試験機社製)に取り付け150時間照射後の60度グロスを測定し、初期値に対する保持率を求めた。以下の基準で評価した。
○:60度光沢保持率が60%以上
×:60度光沢保持率が60%未満
以上の評価結果を表1に示した。
Figure 0004286622
本発明における微小架橋樹脂粒子含有O/W型エマルションをカチオン電着塗料に適用した場合、エッジ部の防錆性、耐候性を向上させることができる。これに対し、微小架橋樹脂粒子を別途製造されたO/W型エマルションと混合する方法では、エッジ部の防錆性、耐候性を両立することができなかった。
本発明の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法は、ホイールのエッジ部での防錆性、耐侯性に優れるカチオン電着塗膜を得ることができるものであるため、自動車用ホイールに好適に用いることができるものである。
上記カチオン電着塗料組成物の一例を示す図である。 従来のカチオン電着塗料組成物の一例を示す図である。 エマルション粒子(P)が分散してなるO/W型エマルションの製造方法の一例を示す図である。 エマルション粒子(P)が分散してなるO/W型エマルションの製造方法の一例を示す図である。 W/O型エマルション(Y)の製造方法の一例を示す図である。 W/O型エマルション(Y)の製造方法の一例を示す図である。 エマルション粒子(P)が分散してなるO/W型エマルションの一例を示す図である。 従来のエマルション粒子が分散してなるO/W型エマルションの一例を示す図である。 実施例1で得られた微小樹脂粒子含有O/W型エマルションの粒子径分布を示す図である。 実施例2で得られた微小樹脂粒子含有O/W型エマルションの粒子径分布を示す図である。 比較例1で得られた微小架橋樹脂粒子を別添加したエマルションの粒子径分布を示す図である。 比較例2で得られた微小架橋樹脂粒子を添加しないエマルションの粒子径分布を示す図である。
符号の説明
1.内部架橋した微小樹脂粒子(B)
2.エマルション粒子(P)
3.水性樹脂(C)を含有してなるエマルション粒子(Q)
4.水相
5.エポキシ樹脂エマルション粒子
6.樹脂からなるW/O型エマルションの分散媒
7.水性媒体からなるW/O型エマルションの分散質

Claims (9)

  1. カチオン性基を有するエポキシ樹脂(A)、粒子径0.01〜0.2μmの内部架橋した微小樹脂粒子(B)及び水性樹脂(C)からなるカチオン電着塗料組成物を被塗装物上にカチオン電着塗装してカチオン電着被膜を得る工程(1)、並びに、前記工程(1)によって得られたカチオン電着被膜を層分離、硬化させるために加熱する工程(2)からなる自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法であって、
    前記カチオン電着塗料組成物は、前記エポキシ樹脂(A)及び前記内部架橋した微小樹脂粒子(B)を含有してなるエマルション粒子(P)、並びに、前記水性樹脂(C)を含有してなるエマルション粒子(Q)が分散してなるものであり、
    前記エポキシ樹脂(A)の溶解性パラメーターδa及び前記水性樹脂(C)の溶解性パラメーターδcは、δa−δc≧1.0の関係を満たし、
    前記内部架橋した微小樹脂粒子(B)は、前記エマルション粒子(P)の油相中に分散している
    ことを特徴とする自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法。
  2. エマルション粒子(P)及び/又はエマルション粒子(Q)は、更に、架橋剤(H)を含有するものである請求項1記載の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法。
  3. エポキシ樹脂(A)は、カチオン性基の20〜150モル%が酸により中和されている請求項1又は2記載の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法。
  4. 水性樹脂(C)は、カチオン性アクリル樹脂である請求項1、2又は3記載の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法。
  5. エマルション粒子(P)は、粒子径が0.02〜0.3μmである請求項1、2、3又は4記載の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法。
  6. エマルション粒子(P)は、内部架橋した微小樹脂粒子(B)がエポキシ樹脂(A)に対して、1〜20質量%含まれるものである請求項1、2、3、4又は5記載の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法。
  7. エマルション粒子(P)は、架橋剤(H)がエポキシ樹脂(A)に対して、10〜60質量%含まれるものである請求項2、3、4、5又は6記載の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法。
  8. エポキシ樹脂(A)と水性樹脂(C)との配合比率は、樹脂固形分質量比で、(A)/(C)が3/7〜7/3である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の自動車用ホイールのカチオン電着塗膜形成方法により得られることを特徴とする自動車用ホイール。
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