JP4564160B2 - 電着塗膜形成方法及び電着塗膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料産業、なかでも自動車塗装分野において有用かつ新規な電着塗膜形成方法に関するものであり、更に詳細には、耐食性を有する層と衝撃吸収性を有する層とからなる複層構造を有する電着塗膜を形成することができる電着塗膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗料分野、特に自動車塗装分野において、省資源、省コスト及び環境負荷(VOC及びHAPs等)削減の課題を解決するため、塗装工程の短縮化が強く求められている。即ち、従来の自動車塗装仕上げ手順においては、電着塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜がそれぞれの塗装後に焼付けされる3コート3ベーク塗装方法によって行われていたが、近年、電着塗装後に電着塗膜を焼付けた後、その上に、中塗り塗装、ベース塗装及びクリヤー塗装の3つの塗装工程をウエットオンウエットで施し、これらウエット塗膜の一括した焼付けを行う3ウエット塗装システムにより焼付け工程数を削減し、しかも、従来の3コート3ベーク塗装方法により得られる3コート膜と同等の外観、耐食性及び耐衝撃性(耐チッピング性)を保持することが求められている。
【0003】
上記耐衝撃性、特に走行中の自動車車体への小石等の障害物の衝突によるいわゆる耐チッピング性に関しては、従来の3コート3ベーク塗装方法では、耐チッピング性を有する特有の中塗り塗膜を設けること等により、耐チッピング性を確保することができたが、上記の3ウエット塗装システムにおいて従来の中塗り塗料を使用すると、得られる塗膜になじみ、反転等の不具合が発生して外観が劣ることとなるため使用することができず、3ウエット塗装システムにより得られる塗膜は、耐衝撃性及び耐チッピング性が低いという欠点があった。
【0004】
特開昭62−65765号公報には、塗膜に対する衝撃吸収能を有する樹脂層(いわゆる耐チッピングプライマー層)を多層膜形成の途中、とりわけ電着塗膜と中塗り塗膜の中間において施すことが開示されている。しかしながら、そのような工程を自動車車体の塗装工程中に更に組み入れることは、上記の省工程及び省コストを求める市場ニーズにはそぐわない。
【0005】
ところで、一般的には、自動車車体等に形成された積層塗膜のうち、中塗り塗膜が主として上記耐チッピング性を発揮する役割を担うものであるが、電着塗膜に耐チッピング性を付与する技術も存在する。
【0006】
特公昭56−41670公報、特表平3−504396号公報及び特開平7−82340号公報には、バインダー全体の衝撃吸収性を向上させることを目的として、予めアミン変性エポキシ系カチオン樹脂と耐衝撃吸収能を有するエラストマー成分とを反応させて樹脂組成物として一体化させた電着塗料組成物が開示されている。これらの電着塗料用樹脂組成物は、本来相溶性に乏しいアミン変性エポキシ樹脂とエラストマー(ゴム)成分とを反応させて分子レベルにおいて一体化しているために、塗料の貯蔵安定性は高いが、充分な耐衝撃性(耐チッピング性)を付与する程度にエラストマー成分の反応量を増量すると、相反事象として耐食性が低下するために、上記3ウエット塗装に対して充分な機能発現が困難であった。
【0007】
特開平5−230402号公報、特開平7−207196号公報及び特開平9−208865号公報においては、エラストマー(ゴム)成分に対して親水性(極性)又は反応性官能基を導入し、アミン変性エポキシ系カチオン樹脂との相溶性を向上させることによって、塗料貯蔵安定性を確保することを特徴とする電着塗料組成物が開示されている。これらの電着塗料用樹脂組成物では、エラストマー(ゴム)成分は電着塗料のメインバインダーであるアミン変性エポキシ系カチオン樹脂とは別個に樹脂設計しているが、上記と同様に、充分な耐衝撃性(耐チッピング性)を付与する程度にエラストマー成分の配合を増量すると、相反事象として耐食性が低下するために、前記3ウェット塗装に対して充分な機能発現が困難であった。また、エラストマー(ゴム)成分への極性官能基の導入は、樹脂のガラス転移温度を不必要に上昇させる為に、弾性率が低下し、耐衝撃性(耐チッピング性)の低下を招く等の問題点もあった。
【0008】
更に、上述の技術は、いずれも電着塗膜に対して耐衝撃性を付与するためのエラストマー(ゴム)成分と耐食性を付与するためのアミン変性エポキシ系カチオン樹脂との相溶性を確保した上で、単層構造からなる電着塗膜を形成しようとするものである。その場合、塗料貯蔵安定性は高いものの、耐衝撃性(耐チッピング性)と耐食性の両立化レベルが充分でなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の3コート膜に匹敵する優れた外観、耐溶剤性及び耐食性を有するだけでなく、優れた耐衝撃性(耐チッピング性)をも有する塗膜を形成することができ、かつ、塗装工程短縮、コスト削減及び環境負荷低減を目指す3ウエット1ベーク塗装方法において有用である新規な複層構造を有する電着塗膜を形成することができる電着塗膜形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、粒子A及び粒子Bを含む電着塗料組成物を被塗装物上に電着塗装して電着皮膜を得る工程(1)、得られた電着皮膜を加熱して層分離させて、複層電着皮膜を得る工程(2)、並びに、得られた複層電着皮膜を更に加熱して硬化させて、複層電着塗膜を得る工程(3)からなる電着塗膜形成方法であって、上記複層電着塗膜のうち、空気に直接接する層は、粒子Aから形成されるものであって、動的ガラス転移温度が−110〜10℃であり、上記粒子Aのみで造膜して得られる塗膜の伸び率は、200%以上であり、上記複層電着塗膜のうち、上記被塗装物に直接接する層は、粒子Bから形成されるものであって、動的ガラス転移温度が60〜150℃であることを特徴とする電着塗膜形成方法である。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0011】
本発明の電着塗膜形成方法は、電着塗料組成物を被塗装物上に電着塗装して電着皮膜を得る工程(1)、得られた電着皮膜を加熱して層分離させて、複層電着皮膜を得る工程(2)、並びに、得られた複層電着皮膜を更に加熱して硬化させて、複層電着塗膜を得る工程(3)からなるものである。
【0012】
上記工程(1)において使用される電着塗料組成物は、粒子A及び粒子Bを含むものである。本明細書において、粒子A及び粒子Bとは、それぞれ別個のエマルションとして調製されるものであり、電着塗料組成物の調製において両方のエマルションは混合されるが、塗料中において互いに融着することなく別個の粒子として存在するものを意味する。
【0013】
上記粒子A及び粒子Bを含む電着塗料組成物によって、複層電着塗膜を形成させ、このうち、空気に直接接する層は、粒子Aから形成されるものであり、被塗装物に直接接する層は、粒子Bから形成されるものである。
本発明においては、空気に直接接する層を耐衝撃性(耐チッピング性)を有するものとし、被塗装物に直接接する層を防食性を有するものとして、防食性及び耐衝撃性を高度に両立することができるものである。
【0014】
本発明においては、上記複層電着塗膜のうち、粒子Aから形成される空気に直接接する層は、動的ガラス転移温度が−110〜10℃である。10℃を超えると、粒子Aから得られる塗膜の柔軟性や耐衝撃性に劣ることとなり、−110℃未満のものは実際には調製が困難である。好ましくは、−100〜−30℃である。
上記動的ガラス転移温度の測定は、上記電着塗料組成物を用いて基材上に電着塗装後、硬化させて形成した電着塗膜を水銀を用いて剥離し、レオバイブロン(オリエンテック社製)やレオメトリックスダイナミックアナライザー(レオメトリックス社製)等の動的粘弾性測定装置による測定にて行うことができる。
【0015】
上記粒子Aは、粒子Aのみで造膜して得られる塗膜の伸び率が200%以上である。200%未満では、得られる塗膜の弾性に劣ることとなる。好ましくは、500%以上である。上記伸び率は、JIS K 6301に従って、測定することができる。
【0016】
本発明においては、上記複層電着塗膜のうち、粒子Bから形成される被塗装物に直接接する層の動的ガラス転移温度は、60〜150℃である。60℃未満では、得られる電着塗膜が複層構造とならず、また、防食性にも劣る。150℃を超えると、得られる塗膜が硬くなりすぎて、クラック等が起こる場合がある。好ましくは、80〜140℃である。上記動的ガラス転移温度の測定は、上述の方法に従って行うことができる。
【0017】
上記粒子Aが、溶解性パラメーターがδaである樹脂aを含むものであり、上記粒子Bが、溶解性パラメーターがδbである樹脂bを含むものである場合に、(δb−δa)の値が、1.0以上であることが好ましい。上記(δb−δa)の値が1.0以上である互いに不相溶又は難相溶の2種類の樹脂成分を選択することによって、複層構造を持つ電着塗膜を形成することができる。
【0018】
一般に、樹脂間の溶解性パラメーターの差は、0.5以上であれば相溶性を失い、塗膜が分離構造を呈すると考えられている。しかしながら、本発明においては、明瞭に層分離した塗膜構造を形成することが必要であるため、少なくとも1.0以上の溶解性パラメーター差が好ましい。1.0未満であると、電着塗装した場合に、明瞭に層分離した塗膜構造が形成されず、耐衝撃性、特に耐チッピング性と耐食性との両立化レベルが充分ではなくなる。
【0019】
上記溶解性パラメーターδとは、一般にSP(ソルビリティ・パラメーター)とも呼ばれるものであって、樹脂の親水性又は疎水性の度合いを示す尺度であり、樹脂間の相溶性を判断する上でも重要な尺度となるものである。上記溶解性パラメーターは、当業者に公知の濁度測定法をもとに数値定量化されるものである(K.W.Suh,D.H.Clarke,J.Polymer.Sci.,A−1,5,1671(1967))。
【0020】
上記樹脂a及び上記樹脂bについては、溶解性パラメーターの大きいもの、即ち、樹脂bの方が、金属等の表面極性の高い導電性基材表面に対する親和性が高いため、樹脂bを含む粒子Bから形成される電着塗膜は、加熱・硬化時に金属材料等からなる導電性基材に接する側に形成される。一方、樹脂aを含む粒子Aは、空気層側に移動して樹脂層を形成することになる。このように双方の樹脂の溶解性パラメーターの差異が樹脂層の分離を引き起こす推進力になると考えられる。
【0021】
上記樹脂層の分離状態を確認するためには、電着塗膜の断面をビデオマイクロスコープによって目視観察するか、走査型電子顕微鏡(SEM観察)によって観察する方法が挙げられる。また、各樹脂層を構成する樹脂成分を同定するには、例えば、全反射型フーリエ変換赤外光度計(FTIR−ATR)を使用することができる。
【0022】
上記粒子Aに含まれる樹脂aとしては上記の特性を有する範囲の樹脂であれば特に種類は限定されるものではないが、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン系単量体のホモポリマー、又は、共役ジエン系単量体とエチレン、プロピレン、エチリデン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、イソブチレン、(メタ)アクリル酸(エステル)等の単量体とのランダム若しくはブロックコポリマー;ジイソシアネートとジオールとの重付加反応によって合成されるポリウレタン系熱可塑性エラストマー;テレフタル酸ジメチル、1,4−ブタンジオール、ポリ(テトラメチレン)グリコール等を原料としエステル交換反応及び重縮合反応によって合成されるポリエステル系熱可塑性エラストマー;ラクタム、ジカルボン酸、ポリエーテルジオールを原料とし、エステル交換及び重縮合反応によって合成されるポリアミド系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
【0023】
本発明において、上記樹脂aは、耐衝撃性レベルの発現可能性、経済性(コスト)及び汎用性から見て、50重量%以上の共役ジエン系単量体からなる単量体成分を重合してなるエラストマー(ゴム)であることが好ましい。50重量%未満であると、塗膜形成時において上記のガラス転移温度及び伸び率を有する樹脂層を構成することが困難になる結果、耐衝撃性及び耐チッピング性が低下する。より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは65重量%以上の共役ジエン系単量体からなる単量体成分を重合してなるエラストマーである。
【0024】
上記の樹脂aの分子中には、分子構造の途中及び/又は末端に、水酸基、アミノ基、ビニル基、カルボキシル基、ウレタン基、ウレア基等の反応性基や極性基を含んでいてもよい。上記反応性基や極性基は、樹脂aを調製する際に反応性基や極性基を有する単量体を含む単量体成分を共重合するか、又は、共重合して得られた樹脂aに対して公知の方法により導入することができる。
【0025】
上記樹脂aが数平均分子量1万未満のオリゴマー(液状ゴム)である場合には、粘着性が高く、そのままでは耐衝撃性能が低いので、耐衝撃性等の塗膜性能を発現させるために塗膜形成時に硬化反応を行わせしめる必要がある。この場合、ヒドロキシル価が20〜200の範囲となるように水酸基を含有することが好ましい。ヒドロキシル価が20未満では塗膜の硬化不良を招き、充分な伸び率等のゴム性能が発現しない。200を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存する結果、耐水性が低下することがある。更に、硬化塗膜の硬度が上昇する結果、充分な伸び率が発現しない。
【0026】
上記樹脂aが数平均分子量1万以上の高分子量である場合、硬化させなくても粘着性が少なく、充分に耐衝撃性能を示すものであれば、塗膜形成において特に硬化反応させる必要は無い。上記の場合は、予め樹脂構造中に反応性基及び極性基を付与しておく必要は無い。
【0027】
上記樹脂aの分子量に関しては特に限定されるものではないが、数平均分子量として1,000〜200,000の範囲のものが好ましい。1,000未満であると、塗膜形成時において効果的に架橋反応せしめたとしても、伸び率が200%を超える塗膜を得ることは困難である。200,000を超えると、樹脂溶液の粘度が高いために得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難なばかりか、得られた電着塗膜の膜外観が著しく低下してしまうことがある。また、高粘度のために、塗膜焼付け時における層分離性が困難となる場合がある。
【0028】
上記樹脂aは、樹脂bとは別個に水性媒体中に乳化分散することにより、粒子Aを構成する。上記樹脂aが樹脂bとは別個に乳化分散されているので、樹脂aと樹脂bとの相溶性を考慮しなくとも塗料安定性を確保することができる。
上記樹脂aは、上記反応性基及び極性基のうちのアミノ基等のカチオン性基をウレタン化反応等によって導入した上で、そのままか、又は、中和剤によって水性媒体中に自己乳化分散可能な形態を成してもよい。又は、別途カチオン性乳化剤を適用して水性媒体中に乳化分散することも可能である。その際に、必要に応じて、例えば硬化剤の適当量を樹脂に包含させて乳化分散しても良い。上記中和剤としては、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸;蟻酸、酢酸、乳酸、スルファミン酸、アセチルグリシン酸等の有機酸を挙げることができる。
本発明においては、樹脂aを含む粒子A全体の疎水性が上がり、明瞭に層分離した複層構造を得ることができるため、カチオン性乳化剤を使用して樹脂aを水性媒体中に乳化分散することが好ましい。
【0029】
上記カチオン性乳化剤としては、カチオン性基を含むものであれば特に限定されないが、数平均分子量1,000〜200,000であるものが好ましい。1,000未満であると、塗膜の耐水性等に悪影響が出る場合がある。200,000を超えると、塗膜焼き付けの際、系が高粘度となる為に層分離が阻害されるおそれがある。
【0030】
上記樹脂aの乳化分散性を確保するために、上記カチオン性乳化剤中のカチオン基含有量、即ち、乳化剤中のアミノ基、アンモニウム塩基及びスルホニウム塩基含有量は、アミン価相当量として30〜150程度であることが好ましい。30未満であると、樹脂aに対する乳化分散性に劣り、150を超えると、塗膜の耐水性等に悪影響が出る場合がある。
上記カチオン性乳化剤の配合量は、樹脂aの固形分100重量部に対して、固形分換算で10〜50重量%の範囲が好ましい。10重量%未満では、エマルションの分散安定性が乏しくなり、50重量%を超えると、塗膜耐水性が悪くなるばかりか、樹脂aに基づく耐衝撃性等の特徴が充分発現され難くなる。
【0031】
上記カチオン性乳化剤は、樹脂主鎖に対して、公知の方法による適当な反応を施してカチオン性基を付与することによって、調製することができる。上記カチオン性乳化剤の樹脂骨格としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、液状ゴム(エラストマー)、ポリウレタン、ポリエーテル及びこれらを基にした変性樹脂等を挙げることができる。
【0032】
上記アクリル樹脂を樹脂骨格とする場合には、例えば、分子内に複数のエポシキ基を含むアクリル共重合体とアミンとの開環付加反応によって合成することができる。即ち、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するアクリル系単量体を他の単量体と共重合体することによって得られたエポキシ基含有アクリル樹脂に対して、エポキシ基の全部をアミン類との反応によって開環し、カチオン性アクリル樹脂を得ることができる。
【0033】
上記アミン類としては特に限定されず、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩等の1級、2級又は3級アミン酸塩を挙げることができる。また、アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミン等のケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンも使用することができる。これらのアミン類は、全てのエポキシ環を開環させるために、エポキシ環に対して少なくとも当量で反応させる必要がある。
【0034】
上記カチオン性アクリル樹脂はまた、アミノ基を有するアクリル系単量体を他の単量体と共重合することによって、直接合成する方法によっても得ることができる。上記アミノ基を有するアクリル系単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ基を含むアクリル系単量体又はアミノ基を有するアクリル系単量体と共重合体させる他の単量体としては特に限定されず、例えば、ヒドロキシル基含有アクリル単量体、他のアクリル系単量体、非アクリル系単量体等を挙げることができる。上記ヒドロキシル基含有アクリル単量体は、硬化反応性を向上することができるため、用いることが好ましい。
【0035】
上記エポキシ樹脂を樹脂骨格とするものについては、樹脂中のエポキシ基に対して、上記と同様の変性を行うことにより、カチオン性基を導入することができる。
上記液状ゴム(エラストマー)、ポリウレタン及びポリエーテルを樹脂骨格とするものについては、分子末端及び/又は分子構造の途中に存在する水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等に対して、アミンのウレタン化反応又は付加反応によって、カチオン性基を導入することができる。
【0036】
上記カチオン性乳化剤は、硬化反応性を付与するための1級水酸基の導入や上記樹脂aに対する吸着性を向上させるためのステアリル基、ドデシル基、オクチル基等の長鎖アルキル基の導入が行われていてもよい。これらは、主鎖中の官能基に対して、ヒドロキシ基を有する2級アミンや長鎖アルキル基を有する2級アミンを反応させることにより行うか、又は、そのような基を有する単量体を用いて共重合することにより導入することができる。
【0037】
上記カチオン性乳化剤は、上記カチオン性基が親水基としての役割を果たす。更に、カチオン性乳化剤中に存在する可とう性を有する主鎖部分及びアルキル基、ベンゼン構造等の疎水部分により、上記樹脂aとの吸着相互作用を確保することができる。上記カチオン性乳化剤は、そのままで水性媒体中に溶解又は分散させることができる。
【0038】
上記粒子Aは、硬化剤を含むものであってもよい。
上記硬化剤としては、イソシアネート硬化剤、メラミン硬化剤、アマイド系硬化剤等を挙げることができる。好ましくは、ブロックドポリイソシアネートである。
上記ブロックドポリイソシアネートの原料であるポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環族ポリイソシアネート;4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート及びこれらの多量体が挙げられる。これらを適当な封止剤でブロック化することにより、上記ブロックドポリイソシアネートを得ることができる。
【0039】
上記封止剤の例としては、n−ブタノール、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の一価のアルキル(又は芳香族)アルコール類;エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル等のセロソルブ類;フェノール、パラーt−ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム類が挙げられる。オキシム類及びラクタム類は、低温で解離するため樹脂硬化性の観点から、好ましい。
上記封止剤によるブロック化率については、塗料の貯蔵安定性確保のために、100%にしておくことが好ましい。
上記ポリイソシアネート及び上記封止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、得られるブロックドポリイソシアネートは、塗膜物性や硬化度の調節等の都合により、複数種を組み合わせて使用しても良い。
【0040】
本発明において、上記樹脂aを含む粒子Aからなる樹脂層を硬化させる必要がある場合、上記硬化剤のうち少なくとも1種類の溶解性パラメーター(δi)は、樹脂aの溶解性パラメーターδa及び樹脂bの溶解性パラメーターδbの中間値、即ち、δa<δi<δbに設定することが好ましい。これによって、二層分離後のそれぞれの層へのブロックドポリイソシアネートの分配溶解を可能とし、樹脂aを含む層の硬化性の確保と樹脂bを含む層の同時硬化を両立化せしめることができるため、複層膜中の層間密着性の向上と更に上塗り塗装後の多層外観の向上をもたらすことができる。
更に、上記樹脂aを含む粒子Aからなる樹脂層へのブロックドポリイソシアネートの分配溶解を促進するための手段として、ブロック化されていないイソシアネート基を一部有するブロックドポリイソシアネートと上記樹脂aの有する水酸基とを予め反応させておいて、樹脂aを含む層と樹脂bを含む層の同時硬化に伴う層分離の際に、樹脂aと硬化剤とを一緒に移行させるような工夫をすることも可能である。
【0041】
上記ブロックドポリイソシアネートの樹脂aに対する配合比は、硬化塗膜の利用目的などで必要とされる架橋度に応じて異なるが、塗膜物性や上塗り塗装適合性を考慮すると、樹脂aの固形分100重量部に対して、固形分で10〜50重量%の範囲が好ましい。10重量%未満では塗膜硬化不良を招く結果、機械的強度等の塗膜物性が低くなることがあり、また、上塗り塗装時に塗料シンナーによって塗膜が侵される等外観不良を招く場合がある。50重量%を超えると、逆に過剰に硬化が進んでしまい、耐衝撃性等の塗膜物性不良等を招くことがある。
【0042】
上記粒子Bに含まれる樹脂bは、導電性基材に対して優れた防錆性を発現する点から、カチオン変性エポキシ樹脂が好ましい。
上記カチオン変性エポキシ樹脂は、出発原料樹脂分子内のエポキシ環を1級アミン、2級アミン又は3級アミン酸塩等のアミン類との反応によって開環して製造することができる。上記出発原料樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂であることが好ましい。また他の出発原料樹脂の例として、特開平5−306327号公報に記載されたオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を挙げることができる。このエポキシ樹脂は、ジイソシアネート化合物又はジイソシアネート化合物のNCO基をメタノール、エタノール等の低級アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって得られるものである。
【0043】
上記出発原料樹脂は、アミン類によるエポキシ環の開環反応の前に、2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸等により鎖延長して用いることができる。同様に、アミン類によるエポキシ環の開環反応の前に、分子量又はアミン当量の調節、熱フロー性の改良等を目的として、一部のエポキシ環に対して2−エチルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノヒドロキシ化合物を付加して用いることもできる。
【0044】
上記アミン類としては、上記カチオン性乳化剤において例示したものを挙げることができる。
上記エポキシ樹脂へのカチオン性基の導入方法としては、特開平11−209663号公報記載の製造方法に従って、エポキシ環をスルホニウム塩に変性するのも好ましい。
【0045】
上記カチオン変性エポキシ樹脂の数平均分子量は、1,500〜5,000の範囲が好ましい。1,500未満の場合は、硬化形成塗膜の耐溶剤性及び耐食性等の物性が劣ることがある。5,000を超える場合は、樹脂溶液の粘度制御が難しく合成が困難なばかりか、得られた樹脂の粘度が高くなり、乳化分散等の操作上ハンドリングが困難となることがある。更に、加熱・硬化時のフロー性が悪く塗膜外観を著しく損ねる場合がある。
【0046】
上記樹脂bは、ヒドロキシル価が50〜250の範囲となるように分子設計することが好ましい。ヒドロキシル価が50未満では塗膜の硬化不良を招き、反対に250を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存し、耐水性が低下することがある。
【0047】
上記粒子Bは、硬化剤を含有するものである。上記硬化剤としては、加熱時に樹脂成分を硬化させることが可能であればその種類は特に限定されないが、上記例示したものを挙げることができる。なかでも、電着樹脂の硬化剤として好適なブロックドポリイソシアネートが挙げられる。上記硬化剤の配合量としては、上述したものを挙げることができる。
【0048】
上記樹脂bは、上記硬化剤とともに、そのままエマルションとして水中に乳化分散させるか、又は、各樹脂中のアミノ基を中和できる量の中和剤で中和処理し、カチオン化エマルションとして水中に乳化分散させる。エマルションを調製する際に、上記例示したカチオン性乳化剤を使用することも可能である。
上記乳化分散の方法としては、上述のものを挙げることができる。
【0049】
本発明に用いられる電着塗料組成物は、上述のようにして得られた粒子Aと粒子Bとを混合することによって調製することができる。
上記粒子Aを構成する樹脂aと上記粒子Bを構成する樹脂bとの配合比率は、固形分に基づく重量比で、5/95〜70/30であることが好ましい。上記範囲を外れると、電着塗装、焼き付け後の硬化塗膜が複層構造とならず、配合比率の高い方の樹脂が連続相を形成し、低い方の樹脂が分散相を形成する海島構造(又は、ミクロドメイン構造)になってしまうことがある。また、層構造になった場合でも複層構造のうちのいずれか一方の層厚が極端に薄くなるために、耐衝撃性(耐チッピング性)又は耐食性のいずれかが著しく劣るために好ましくない。より好ましくは10/90〜60/40の範囲である。
【0050】
上記粒子Aから形成される樹脂層の乾燥膜厚としては、1〜20μmが好ましい。1μm未満であると、得られる塗膜の耐衝撃吸収性が期待できない。20μmを超えると、表面粗度が大きくなるために、塗膜外観が低下する。より好ましくは3〜15μmである。
上記粒子Bから形成される樹脂層は、従来の電着塗膜に要求される防錆性、塗膜外観、隠蔽性を確保するために、乾燥膜厚として5〜40μmであることが好ましい。5μm未満では、塗膜耐食性が不足する。40μmを超えると、表面粗度が大きくなるために、塗膜外観が低下し、ワキ等の塗膜欠陥の発生が著しくなる。より好ましくは10〜30μmである。
【0051】
上記複層電着塗膜、即ち、粒子Aから形成される樹脂層及び粒子Bから形成される樹脂層の合計の乾燥膜厚は、10〜50μmであることが好ましい。10μm未満であると、耐衝撃吸収性や耐食性が低下する。50μmを超えると、表面粗度が大きくなるために、塗膜外観が低下する。好ましくは、20〜40μmである。
【0052】
本発明に用いられる電着塗料組成物は、通常、顔料を含むものである。
上記顔料としては、通常塗料に使用されるものならば特に限定されず、例えば、カーボンブラック、二酸化チタン、グラファイト等の着色顔料;カオリン、珪酸アルミ(クレー)、タルク等の体質顔料;リンモリブデン酸アルミ、珪酸鉛、硫酸鉛、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート等の防錆顔料等が挙げられる。なかでも、電着塗装後の複層硬化膜を担う顔料としてとくに重要なものは、カーボンブラック、二酸化チタン、珪酸アルミ(クレー)及びリンモリブデン酸アルミである。上記二酸化チタンは着色顔料として隠蔽性が高く、しかも安価であることから、電着塗膜用に最適である。なお、上記顔料は単独で使用することもできるが、目的に合わせて複数使用するのが一般的である。
上記顔料は、一般的に用いられているカチオン性顔料分散樹脂で予め分散を行い、顔料分散ペーストを調整した後、上記電着塗料組成物の調製に際して適当量を配合することができる。
【0053】
上記顔料の配合量としては、全顔料重量(P)に対する電着塗料組成物中の顔料以外の全ビヒクル成分の重量(V)の比率P/Vで、1/10〜1/3の範囲であることが好ましい。上記顔料以外の全ビヒクル成分とは、塗料を構成する顔料以外の全固形成分を意味する。1/10未満では、顔料不足により塗膜に対する水分等の腐食要因の遮断性が過度に低下し、実用レベルでの耐食性を発現できないことがある。1/3を超えると、顔料過多により硬化時の粘性増大を招き、フロー性が低下して塗膜外観が著しく悪くなることがある。
【0054】
本発明に用いられる電着塗料組成物は、防錆剤、界面活性剤(消泡剤)等の添加剤の適量を配合することができる。上記防錆剤としては、近年鉛等の有害な重金属を排する市場要求から、亜鉛、セリウム、ネオジム、プラセオジム等の希土類金属の有機酸塩が、水溶性であり使用が容易なものとして挙げられる。例えば、酢酸亜鉛、酢酸セリウム及び酢酸ネオジム等を、上記粒子Bを調製する際に配合し、樹脂エマルションによる包含又は吸着の形態で適量を添加することができる。
【0055】
上記電着塗料組成物は、固形分濃度が15〜25重量%の範囲となるように調整することが好ましい。固形分濃度の調節には水性媒体、例えば、水単独又は水と親水性有機溶剤との混合物を使用して行う。また、電着塗料組成物中には少量の添加剤を導入しても良い。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、塗膜表面平滑剤、及び、有機スズ化合物等の硬化促進剤等を挙げることができる。
【0056】
本発明の電着塗膜形成方法は、上記電着塗料組成物を被塗装物上に電着塗装して電着皮膜を得る工程(1)、得られた電着皮膜を加熱して層分離させて、複層電着皮膜を得る工程(2)、並びに、得られた複層電着皮膜を更に加熱して硬化させて、複層電着塗膜を得る工程(3)からなるものである。
上記工程(1)の電着塗装は、一般的には、被塗装物である導電性基材に陰極(カソード極)端子を接続し、上記電着塗料組成物の浴温15〜35℃、負荷電圧100〜400Vの条件において行うことができる。
【0057】
上記工程(1)によって得られた電着皮膜は、工程(2)における加熱によって、各樹脂固有の溶解性パラメーターに応じて配向し、層分離が起こる。上記工程(2)における加熱は、その後の工程(3)で行われる加熱と同じ温度で行うことにより、工程(2)及び工程(3)を段階的に区別することなく、連続して行うことができる。しかし、本発明においては、工程(2)の加熱温度を電着塗料組成物の硬化温度未満で行うことが好ましい。これによって、塗膜外観を損なわずに層分離性を向上することができる。この場合の加熱温度としては、60〜130℃が挙げられ、加熱時間は、加熱温度等により変わるが、1〜10分程度が挙げられる。
【0058】
上記工程(3)においては、一般的には、140〜200℃、好ましくは160〜180℃で10〜30分間焼き付けが行われる。上記焼き付けが終了した硬化塗膜は、粒子Aから形成される層が空気に直接接する側であり、粒子Bから形成される層が被塗装物に直接接する側となる複層構造の電着硬化膜である。
上記工程(2)及び工程(3)における加熱方法は、当初から目的温度に調節した加熱設備に塗装物を入れる方法と、塗装物を入れた後に昇温する方法がある。
【0059】
本発明の電着塗膜形成方法により形成されてなる電着塗膜は、複層塗膜を成すことで機能分担が施されているので、塗膜性能として耐衝撃性(耐チッピング性)と防食性とが高度に両立化したものである。従って、上記電着塗膜上に、中塗り塗料及び上塗り塗料、メタリック塗装においては中塗り塗料並びにメタリックベース塗料及びクリア塗料をウェットオンウェットにて塗装し、中塗り塗膜及び上塗り塗膜、又は、中塗り塗膜、メタリックベース塗膜及びクリア塗膜を同時焼付けするいわゆる3ウェット塗装において、従来の3コート膜に匹敵する優れた外観、耐食性及び耐衝撃性(耐チッピング性)を有する塗膜を得ることができる。
更に、この3ウエット塗装により、工程短縮、コスト削減及び環境負荷低減を目指す新規塗装システムを構築することができる。
【0060】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、部及び%は、重量部及び重量%を意味する。
【0061】
製造例1(ブロックドポリイソシアネート硬化剤の製造)
攪拌機、窒素導入管、冷却管及び温度計を備え付けた反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を入れ、メチルイソブチルケトン50部で希釈した後ブチル錫ラウレート0.2部を加え、50℃まで昇温の後、メチルエチルケトオキシム17部を内容物温度が70℃を超えないように加えた。そして、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート残基の吸収が実質上消滅するまで70℃で1時間保温し、その後n−ブタノール10部で希釈することによって固形分80%の目的のブロックドポリイソシアネート(溶解性パラメーターδi=11.8)を得た。
【0062】
製造例2(ブロックドポリイソシアネート硬化剤の製造)
攪拌機、窒素導入管、冷却管及び温度計を備え付けた反応容器にヘキサメチレンジイソシアネートの3量体199部を入れ、メチルイソブチルケトン39部で希釈した後ブチル錫ラウレート0.2部を加え、50℃まで昇温の後、メチルエチルケトオキシム44部、エチレングリコールモノ2−エチルへキシルエーテル87部を内容物温度が70℃を超えないように加えた。そして赤外吸収スペクトルによりイソシアネート残基の吸収が実質上消滅するまで70℃で1時間保温し、その後n−ブタノール43部で希釈することによって固形分80%の目的のブロックドポリイソシアネート(溶解性パラメーターδi=10.7)を得た。
【0063】
製造例3(カチオン変性エポキシ樹脂エマルション[粒子B]の製造)
攪拌機、デカンター、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)2,400部とメタノール141部、メチルイソブチルケトン168部、ジラウリン酸ジブチル錫0.5部を仕込み、40℃で攪拌し均一に溶解させた後、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(80/20重量比混合物)320部を30分間かけて滴下したところ発熱し、70℃まで上昇した。これにN,N−ジメチルベンジルアミン5部を加え、系内の温度を120℃まで昇温し、メタノールを留去しながらエポキシ当量が500になるまで120℃で3時間反応を続けた。更に、メチルイソブチルケトン644部、ビスフェノールA341部、2−エチルヘキサン酸413部を加え、系内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が1070になるまで反応させた後、系内の温度が110℃になるまで冷却した。次いでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)241部とN−メチルエタノールアミン192部の混合物を添加し110℃で1時間反応させることによりカチオン変性エポキシ樹脂を得た。この樹脂の数平均分子量は2100、水酸基価は160であった。赤外吸収スペクトル等の測定から、樹脂中にオキサゾリドン環(吸収波数;1750cm-1)を有していることが確認された。また溶解性パラメーターδb=11.4であった。
【0064】
こうして得られたカチオン変性エポキシ樹脂中へ、上記製造例1で製造したブロックドポリイソシアネート硬化剤1834部(カチオン変性エポキシ樹脂100重量部に対するブロックドポリイソシアネートの配合比38重量%)、酢酸90部、更に防錆剤として酢酸亜鉛2部及び酢酸セリウム2部を加えた後、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂を主体とする水性エマルション(以下、E1と記す)を得た。
【0065】
製造例4(樹脂aに対するカチオン性分散剤の製造)
攪拌機、冷却器、デカンター、窒素導入管及び温度計を備え付けた反応容器に、メチルイソブチルケトン114部を入れて50℃まで加熱後、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート75部及び反応触媒としてジブラウリン酸ジブチル錫0.1部を仕込み、窒素雰囲気下50℃に加熱保持した。更にR−15HT(出光石油化学社製1,4−ポリブタジエン−α,ω―ジオール、数平均分子量=1,200、水酸基価=103)110部を滴下ロートから30分間かけて滴下し、更に30分間攪拌を続行した。次に、N−メチルジエタノールアミン24部、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル20部及びジエチレントリアミンジケチミンのメチルイソブチルケトン溶液(固形分73%)36部を仕込み、80度で30分間反応させたところ、内容物のIRチャートではイソシアネート基(波数;2220cm-1)の吸収が実質的に消失したことで反応終了を確認した。得られた樹脂溶液は、固形分70%、数平均分子量3,000、アミン価=85であった。
【0066】
製造例5(樹脂aに対するカチオン性分散剤の製造)
攪拌機、冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、メチルイソブチルケトン50部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。更に2−ヒドロキシエチルメタクリレート20.2部、2−エチルヘキシルメタクリレート39.8部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート20部、スチレン20部及びV−601(和光純薬社製重合開始剤;ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.5部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴下し、その後更にV−601を0.5部滴下して115℃で1.5時間保持した。得られたカチオン変性アクリル樹脂は、固形分65%、数平均分子量5400、アミン価=71、ヒドロキシル価=87であった。
【0067】
製造例6(樹脂エマルション[粒子A]の製造)
樹脂aとしてR−45HT(出光石油化学社製1,4−ポリブタジエン−α,ω―ジオール、数平均分子量=2,800、水酸基価=47、ブタジエン含有量=99%、溶解性パラメーターδa=9.5)70部、上記製造例2で製造したブロックドポリイソシアネート硬化剤溶液38部、製造例4で製造したカチオン性分散剤40部及び酢酸2.5部を加えた後、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂を主体とする水性エマルション(以下、E2と記す)を得た。
【0068】
製造例7(樹脂エマルション[粒子A]の製造)
樹脂aとしてクレイトンD−1107(クレイトンポリマージャパン社製ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロックコポリマー、イソプレン含有量=84%、推定数平均分子量=14万、溶解性パラメーターδa=9.2)のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度20%)350部、上記製造例2で製造したブロックドポリイソシアネート硬化剤溶液10部、製造例5で製造したカチオン性分散剤溶液30部及び酢酸2.5部を加えた後、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂を主体とする水性エマルション(以下、E3と記す)を得た。
【0069】
製造例8(樹脂エマルション[粒子A]の製造)
樹脂aとしてTR−2600(JSR社製ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー、ブタジエン含有量=68%、推定数平均分子量=15万、溶解性パラメーターδa=9.2)のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度20%)350部、製造例4で製造したカチオン性分散剤溶液40部及び酢酸2.5部を加えた後、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂を主体とする水性エマルション(以下、E4と記す)を得た。
【0070】
製造例9(顔料分散樹脂の製造)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にエポキシ当量198のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名エポン829、シェル化学社製)710部、ビスフェノールA289.6部を仕込んで、窒素雰囲気下150〜160℃で1時間反応させ、次いで120℃まで冷却後、2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)406.4部を加えた。反応混合物を110〜120℃で1時間保持した後、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル1584.1部を加えた。
そして85〜95℃に冷却して均一化させた。
【0071】
上記反応物の製造と並行して、別の反応容器に2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)384部にジメチルエタノールアミン104.6部を加えたものを80℃で1時間攪拌し、次いで75%乳酸水141.1部を仕込み、更にエチレングリコールモノn−ブチルエーテル47.0部を混合、30分攪拌し、4級化剤(固形分85%)を製造しておいた。そしてこの4級化剤620.46部を先の反応物に加え酸価1になるまで混合物を85から95℃に保持し、顔料分散樹脂ワニス(樹脂固形分56%、平均分子量2,200)を得た。
【0072】
製造例10(顔料分散ペーストの製造)
サンドミルを用いて、製造例9で得られた顔料分散樹脂を含む下記配合の顔料ペースト(以下、P1と記す)を調製した。
製造例9の顔料分散樹脂ワニス 53.6部
二酸化チタン 88.0部
カーボンブラック 2.0部
リンモリブデン酸アルミ 10.0部
【0073】
比較製造例1(樹脂エマルション[粒子A]の製造)
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にメチルイソブチルケトン701部を加え、50℃まで加温後、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート579部、ジラウリン酸ジブチル錫0.1部を溶解させた。温度を50〜60℃に保持したまま、PP−700(旭電化社製ポリプロプレングリコール、数平均分子量700)921部を20分間で滴下した。滴下終了後、更に、50℃で30分間攪拌を続けた。内容物を攪拌しながら、エチレングリコールモノブチルエーテル59部、N−メチルジエタノールアミン60部、ジエチレントリアミンジケチミンのメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度73%)180部を加え、30分間反応させたところ、内容物のIR分析ではイソシアネート基(吸収波数;2220cm-1)の吸収が消失し、反応を終了した。
【0074】
こうして得られたエラストマー成分(数平均分子量=2,900、溶解性パラメーターδa=11.0)中へ、上記製造例1で製造したブロックドポリイソシアネート硬化剤547部を加えて30分間攪拌の後、エチレングリコールモノブチルエーテル250部、酢酸60部、更に防錆剤として酢酸亜鉛2部及び酢酸セリウム2部を加えた後、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エラストマーを主体とする水性エマルション(以下、E5と記す)を得た。
【0075】
比較製造例2(樹脂エマルション[粒子A]の製造)
樹脂aとしてR−45HT(出光石油化学社製1,4−ポリブタジエン−α,ω―ジオール、数平均分子量=2,800、水酸基価=47、ブタジエン含有量=99%、溶解性パラメーターδa=9.5)70部、上記製造例1で製造したブロックドポリイソシアネート硬化剤溶液38部、製造例4で製造したカチオン性分散剤40部及び酢酸2.5部を加えた後、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂を主体とする水性エマルション(以下、E6と記す)を得た。
【0076】
実施例1〜4
製造例3で得られたカチオン変性エポキシ樹脂エマルション[粒子B](E1)、製造例6〜8で得られた樹脂エマルション[粒子A](E2〜E4)、製造例10で得られた顔料分散ペースト(P1)及び脱イオン水を使用して水性塗料組成物(固形分濃度は全て20%)を調製した。
【0077】
各塗料中には硬化促進剤としてジブチル錫オキシドの乳化エマルションペーストを錫量にして塗料固形分量の1.5%になるように配合した。各種材料の組み合わせ、配合比(樹脂固形分比、ただし硬化剤重量は含めずに計算した)及び顔料/樹脂ビヒクル(全ビヒクル重量。硬化剤重量も含む)の比率P/Vは下記表1に示した。なお、各表中において、δaは上記樹脂aの溶解性パラメーター、δbは上記樹脂bの溶解性パラメーター、δiはブロッグドポリイソシアネートの溶解性パラメーターを表わす。
【0078】
比較例1〜2
製造例3で得られたカチオン変性エポキシ樹脂エマルション[粒子B](E1)、比較製造例1〜2で得られた樹脂エマルション(E5〜E6)、製造例10で得られた顔料分散ペースト(P1)及び脱イオン水を用いて水性塗料組成物(固形分濃度は実施例と同じ)を調製した。
【0079】
【表1】
【0080】
上記実施例及び比較例の配合による水性塗料組成物を用いて、リン酸亜鉛処理鋼板に対して焼き付け後の電着塗膜厚が30μmになるような電圧で電着塗装し、まず100℃で5分間プレヒートした後、更に160℃で15分間焼付けを行った。実施例4については、実施例1と同じ水性塗料組成物を用いて電着塗装を行うが、焼き付けの際に、上記プレヒート工程を省略した。
得られた電着塗膜に対する各々の性状及び性能評価結果を表2に示す。
ただし、表2においては便宜上、空気に直接接する層を「上層」、導電性基材に直接接する層を「下層」という。
【0081】
評価方法
(1)塗料安定性
水性塗料組成物を30℃に保持した状態で1ヶ月間攪拌した後、その1リットルを400メッシュの金網で濾過し、金網上の残固形物量が5mg以下であれば、良好と判断した。
(2)電着塗膜の層分離状態
ビデオマイクロスコープで断面の目視観察を行った。また複層電着膜の場合、各層を構成する主樹脂はFTIR−ATR分析により同定した。
(3)各層の層厚
上記ビデオマイクロスコープによる断面観察結果から測定した。
【0082】
(4)上層形成樹脂の伸び率
樹脂aを含むエマルションE2〜E4を用いて、JIS K 6301に従って別途引張試験サンプルを作成して測定した。硬化条件については、上記塗膜硬化と同条件において実施した。
(5)上下層のTg(ガラス転移温度)
ブリキ板上に施した複層電着膜を水銀を用いて剥離、裁断して測定用サンプルを調製、レオメトリックスダイナミックアナライザーRDA−II試験機(米国レオメトリックス社製)を用いて、液体窒素により試料をいったん凍結した後、1分間に2℃の昇温速度かつ周波数10Hzにおいてサンプルに振動を与えてその粘弾性を測定し、貯蔵弾性率(E′)に対する損失弾性率(E′′)の比(tanδ)を算出して、その変曲点を求めることによって、それぞれの動的Tgを求めた。
(6)電着膜表面粗度
得られた塗板について、ハンディサーフE−30A(東京精密社製)を用いて、JIS B 0601に従って、表面粗度Raを測定した(カットオフ0.8mm)。
【0083】
(7)SDT
塗板にナイフで素地に達するクロスカットを入れ、塩水浸漬試験(5%食塩水、55℃)を240時間行い、粘着テープによってカット部両側から剥離した剥離部の最大幅で示した。
(8)SST
塗板にナイフで素地に達するクロスカットを入れ、塩水噴霧試験(5%食塩水)を240時間行い、クロスカット部からの発生錆の最大幅で示した。
(9)耐チッピング性
−20℃に冷却した塗板に対して垂直方向から玄武岩7号砕石(大きさ;2.4〜4.8mm)100gを射出圧力0.3kgf/cm2 にて、衝突させて塗膜に対するダメージ程度を調べた。
【0084】
【表2】
【0085】
実施例及び比較例から、本実施例で実施した電着塗膜形成方法は、表面平滑性、耐食性及び耐チッピング性に優れた複層電着塗膜を形成することができることが明らかである。
【0086】
【発明の効果】
本発明の複層電着塗膜形成方法は、耐食性を主な機能とする電着層上に、衝撃吸収性を有する層を形成させた複層電着膜を得ることができる。そのため中塗り及び上塗りを施した3コート膜、とりわけ中塗り及び上塗り(メタリック塗装においては、更にベース及びクリア塗装)をウェットオンウェットにて塗装し、中塗り及び上塗り層(ベース層及びクリア層)を同時焼付けをするいわゆる3ウェット塗装においては、従来の3コート膜に匹敵する優れた外観、耐食性及び耐衝撃性(耐チッピング性)を有し、かつ、塗料産業上とりわけ自動車塗装分野において、焼付け工程短縮、コスト削減及び環境負荷(VOC及びHAPs)低減を目指す新規3ウェット塗装システムを構築する上で重要な役割を果たすものである。
Claims (7)
- 粒子A及び粒子Bを含む電着塗料組成物を被塗装物上に電着塗装して電着皮膜を得る工程(1)、
得られた電着皮膜を加熱して層分離させて、複層電着皮膜を得る工程(2)、並びに、
得られた複層電着皮膜を更に加熱して硬化させて、複層電着塗膜を得る工程(3)からなる電着塗膜形成方法であって、
前記複層電着塗膜のうち、空気に直接接する層は、粒子Aから形成されるものであって、動的ガラス転移温度が−110〜10℃であり、
前記粒子Aのみで造膜して得られる塗膜の伸び率は、200%以上であり、
前記複層電着塗膜のうち、前記被塗装物に直接接する層は、粒子Bから形成されるものであって、動的ガラス転移温度が60〜150℃である
ことを特徴とする電着塗膜形成方法。 - 工程(2)における加熱温度は、電着塗料組成物の硬化温度未満である請求項1記載の電着塗膜形成方法。
- 複層電着塗膜のうち、空気に直接接する層の膜厚は、1〜20μmである請求項1又は2記載の電着塗膜形成方法。
- 複層電着塗膜のうち、被塗装物に直接接する層の膜厚は、5〜40μmである請求項1、2又は3記載の電着塗膜形成方法。
- 複層電着塗膜の膜厚は、10〜50μmである請求項1、2、3又は4記載の電着塗膜形成方法。
- 粒子Aは、溶解性パラメーターがδaである樹脂aを含むものであり、粒子Bは、溶解性パラメーターがδbである樹脂b及び硬化剤を含むものであって、(δb−δa)の値は、1.0以上である請求項1、2、3、4又は5記載の電着塗膜形成方法。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載の電着塗膜形成方法により形成されてなる電着塗膜。
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