JPH06287267A - カチオン電着性微粒子及びそれを含む電着塗料組成物 - Google Patents

カチオン電着性微粒子及びそれを含む電着塗料組成物

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JPH06287267A
JPH06287267A JP5103726A JP10372693A JPH06287267A JP H06287267 A JPH06287267 A JP H06287267A JP 5103726 A JP5103726 A JP 5103726A JP 10372693 A JP10372693 A JP 10372693A JP H06287267 A JPH06287267 A JP H06287267A
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amine
epoxy resin
electrodeposition coating
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JP5103726A
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English (en)
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Kenichi Yoneyama
健一 米山
Jiro Nagaoka
治朗 長岡
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 加水分解性アルコキシシラン基を含有するエ
ポキシ樹脂−アミン付加物(A)と、1分子中に少なく
とも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシア
ネート化合物とオキシム化合物との付加物及び/又は1
分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合
物(B)とからなる混合物を水分散化し、さらに必要に
応じて粒子内架橋せしめてなるカチオン電着性微粒子。 【効果】 平滑性に優れ、しかも角部や突起部などのエ
ッジ部にも肉厚な塗膜を形成しうるカチオン電着塗料組
成物に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカチオン電着性微粒子に
関し、さらに詳細には、加水分解性アルコキシシラン基
を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物とオキシムブロ
ックポリイソシアネート化合物及び/又はエポキシ基含
有化合物との混合物を水分散化し、さらに必要に応じて
粒子内架橋せしめてなるカチオン電着性微粒子、並びに
該微粒子を含有する、特に平滑性に優れ、しかも角部や
突起部などのエッジ部分にも肉厚な塗膜を形成しうるカ
チオン電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術】粒子内の架橋反応によりゲル化された微粒
子重合体及びその製造方法は従来から広く知られてお
り、例えば、少なくとも2個のエチレン性二重結合を含
む架橋用単量体を含有する単量体混合物を水系で乳化重
合せしめる方法(英国特許第967051号明細書、特
開昭63−63761号公報参照);グルシジル(メ
タ)アクリレートと(メタ)アクリル酸などを含有する
単量体混合物を分散安定剤を用いて非水系で分散重合せ
しめると同時にこれらの官能基を反応せしめる方法(特
公昭57−34846号公報参照)などがある。特に、
水系でアルコキシシランモノマーを用いてゲル化微粒子
重合体を製造する方法としては、アルコキシシランモノ
マーと他のモノマーの混合物を水系媒体中で非反応性界
面活性剤を用いて乳化重合する方法(特開昭60−18
1173号公報参照)、アルコキシシランモノマー、
(メタ)アクリル酸およびその他のモノマーを共重合し
た後水分散せしめてアルミ建材用つや消し電着塗膜を得
る方法(特開昭59−67396号公報参照)、アルコ
キシシラン基とカルボキシル基とを含有するアクリル重
合体とコロイド状シリカを組み合わせた水溶液組成物
(特開昭61−47178号公報参照)、アルコキシシ
ラン基とカチオン性基を含有するアクリル共重合体を水
分散化し、粒子内架橋せしめる方法(特願昭62−54
141号公報参照)等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】従来の方法によって
得られるゲル化微粒子重合体は、塗料組成物に添加され
てレオロジー特性や物理特性に影響を及ぼし、その結
果、塗料のスプレー効率、塗膜のたれ防止、金属性顔料
のパターンコントロール等の改善に寄与する。
【0004】他方、自動車工業を中心に広く用いられて
いるカチオン電着塗料は、それ自体防食性に優れたもの
であるが、被塗物のエッジ部の塗装膜厚が厚くならずエ
ッジカバー性が劣るという欠点があり、その改良が望ま
れている。そこで、本発明者らは上記問題点を解決する
ため、カチオン電着塗料に前記したゲル化微粒子重合体
を適用すべく検討を行なったが、従来公知のゲル化微粒
子重合体は多くは非水系分散物であるか、或いは水系分
散物であったとしても非反応性界面活性剤を用いて乳化
重合して得られるアニオン系もしくはノニオン系分散物
であって、カチオン電着塗料に用いることが通常困難で
ある。たとえ、このものをカチオン電着塗料に適用した
としても、電着浴の安定性、電着特性、塗膜の耐水性、
防食性が損なわれ、この分野の実用に耐えるものは得ら
れない。
【0005】一方、本出願人は先に、アルコキシシラン
基と水酸基およびカチオン性基を有する内部架橋ゲル化
微粒子重合体およびその製造方法を提案した(特開平2
−47173号公報参照)。また、アルコキシシラン基
とウレタン結合と水酸基およびカチオン性基を有する内
部架橋ゲル化微粒子重合体およびその製造方法も提案し
た(特開平3−62860号公報参照)。これら先に提
案した内部架橋ゲル化微粒子重合体は、カチオン電着性
を有し、カチオン電着塗料に添加しても浴安定性、電着
特性が損なわれることがなく、またその焼付塗膜はエッ
ジカバー性に特に優れているが、アクリル系樹脂をベー
スとしているために、一般防食性にやや劣るという欠点
があり、実用上なお不充分な点がある。
【0006】他方、防食性の点で優れているエポキシ樹
脂を利用したゲル化微粒子も従来知られている。例え
ば、カチオン性ポリエポキシド−アミン反応生成物およ
びポリエポキシ架橋剤の混合物を水分散化し粒子内架橋
したカチオン性マイクロゲル分散体(特開平4−226
171号公報参照)等が提案されているが、該分散体は
レオロジーコントロール性に劣るので、十分なエッジカ
バー性を付与するには多量に使用する必要があるが、そ
の使用量が多量となると、塗面の平滑性が損なわれると
いう欠点がある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】そこで本発明者らは、
従来のゲル化微粒子より塗膜の防食性や塗面平滑性に優
れ且つカチオン電着塗料において有用なレオロジーコン
トロール剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、今回、
加水分解性アルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂
−アミン付加物(A)と、オキシム化合物でブロックさ
れたポリイソシアネート化合物及び/又はエポキシ基含
有化合物(B)を混合し水分散化してなるエマルジョン
粒子;さらに、該エマルジョン粒子に加熱などの操作を
行なうことにより、(A)成分中の1級、2級アミノ基
及び水酸基が存在すれば水酸基と、(B)成分中のイソ
シアネート基及び/又はエポキシ基を反応させ、一方
(A)成分中のアルコキシシラン基の加水分解によって
生成したシラノール基がシラノール基同志及び/又は水
酸基と縮合させるなどして粒子内架橋が行なわせてなる
ゲル化微粒子はカチオン電着性を有し、例えば通常のカ
チオン電着塗料用樹脂組成物に配合すると、浴安定性、
電着特性、塗膜の耐水性、防食性を損うことなく、電着
塗膜の焼付硬化時における溶融塗膜粘度低下が制御され
て、塗面平滑性とエッジカバー性とが共に優れたカチオ
ン電着塗料組成物を与えることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】かくして、本発明は、加水分解性アルコキ
シシラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物
(A)と、1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物とオキシム化
合物との付加物及び/又は1分子中に少なくとも2個以
上のエポキシ基を有する化合物(B)とからなる混合物
を水分散化し、さらに必要に応じて粒子内架橋せしめて
なることを特徴とするカチオン電着性微粒子を提供する
ものである。
【0009】さらに本発明は、上記微粒子を、全樹脂固
形分に基づいて1〜35重量%の範囲内で含有すること
を特徴とするカチオン電着塗料組成物を提供するもので
ある。
【0010】本発明のカチオン電着性微粒子(以下、単
に「微粒子」と略すことがある)は、加水分解性アルコ
キシシラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物
(A)と、オキシム化合物でブロックされたポリイソシ
アネート化合物(B−1)及び/又はエポキシ基含有化
合物(B−2)を構成成分とするものであり、これらを
十分に混合し水分散化してなるエマルジョン粒子は、上
記(B−1)及び/又は(B−2)成分が(A)成分に
包まれた構造を有するものと考えられる。本発明の微粒
子は、かかるエマルジョン粒子及び該エマルジョン粒子
を粒子内架橋せしめてなるゲル化微粒子を総称するもの
である。
【0011】本発明の微粒子の構成成分である「加水分
解性アルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂−アミ
ン付加物」(A)は、カチオン性基、特に酸で中和され
うるアミノ基を水分散基として有していて水中において
安定に分散し、かつ該アルコキシシラン基の加水分解に
よって生成したシラノール基がシラノール基同志、およ
びヒドロキシル基が存在する場合にはそのヒドロキシル
基とも縮合することが可能な付加物を指称するものであ
る。
【0012】上記(A)成分の製造に使用されるエポキ
シ樹脂−アミン付加物にはカチオン電着塗料において通
常使用されているポリアミン樹脂が包含され、例えば、 (i)ポリエポキシド化合物と1級モノ−及びポリアミ
ン、2級モノ−及びポリアミン又は1、2級混合ポリア
ミンの付加物(例えば米国特許第3,984,299号
明細書参照); (ii)ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級
アミノ基を有する2級モノ−及びポリアミンとの付加物
(例えば米国特許第4,017,438号明細書参
照); (iii)ポリエポキシド化合物とケチミン化された1
級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化に
より得られる反応物(例えば特開昭59−43013号
公報参照) などが挙げられる。
【0013】上記ポリアミン樹脂の製造に使用されるポ
リエポキシド化合物は、エポキシ基
【0014】
【化1】 を1分子中に2個以上有する化合物であり、一般に少な
くとも200、好ましくは400〜4,000、更に好
ましくは800〜2,000の範囲内の数平均分子量を
有するものが適しており、特にポリフェノール化合物と
エピクロルヒドリンとの反応によって得られるものが好
ましい。該ポリエポキシド化合物の形成のために用いう
るポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4′−
ジヒドロキシベンゾフエノン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ
−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、
ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒ
ドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェ
ニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1,2,2−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノ
ボラック等が挙げられる。
【0015】該ポリエポキシド化合物は、例えばポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリアシドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシア
ネート化合物などと一部反応させたものであってもよ
く、更にまた、ε−カプロラクトン、アクリルモノマー
などをグラフト重合させたものであってもよい。
【0016】加水分解性アルコキシシラン基の前述した
如きエポキシ樹脂−アミン付加物への導入方法は、特に
制限されるものではなく、それ自体既知の方法から導入
すべき加水分解性アルコキシシラン基の種類等に応じて
任意に選ぶことができるが、水可溶性塩類など電着塗装
に悪影響を及ぼす副生成物を生じない方法を採用するこ
とが好ましく、例えば次のような方法を例示することが
できる。
【0017】(1)アルコキシシラン基含有アミン化合
物を基体樹脂中のエポキシ基に付加する方法:ここで使
用しうるアミン化合物としては次式のものが例示され
る。
【0018】
【化2】
【0019】(2)アルコキシシラン基含有メルカプタ
ンを基体樹脂中のエポキシ基に付加する方法:ここで使
用しうるメルカプタンとしては次式のものが例示され
る。
【0020】
【化3】 (3)アルコキシシラン基含有エポキシ化合物を基体樹
脂中のアミノ基に付加する方法:ここで使用しうるエポ
キシ化合物としては次式のものが例示される。
【0021】
【化4】
【0022】(4)アルコキシシラン基含有イソシアネ
ート化合物を基体樹脂中の水酸基、アミノ基に付加する
方法:ここで使用しうるイソシアネート化合物としては
次式のものが例示される。
【0023】
【化5】
【0024】上記に述べた各式において、Rとしては次
のものを例示しうる:
【0025】
【化6】(i)−CH3、−C25、−C37、−C4
9、−C613、−C817 などのアルコール残基;
【0026】
【化7】(ii)−C24OCH3、−C24OC
25、−C24OC37、−C24OC49、−C36
OCH3、−C36OC25、−C48OCH3、−C2
4OC24OCH3、−C24OC24OC25、−C
24OC24OC49 などのエーテルアルコール残
基;
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】前記式中のRは炭素数の小さなもの程加水
分解しやすいが、加水分解後縮合しやすく水系での安定
性に劣るので、炭素数2〜7程度のものがバランス上有
利である。また、炭素数2以下のものと7より大きいも
のとを組み合わせてバランスさせてもよい。
【0032】エポキシ樹脂−アミン付加物に導入される
加水分解性アルコキシシラン基の量は、特に制限される
ものではないが、通常、アルコキシシラン当量(アルコ
キシシラン基1個当たりに換算した分子量)が500〜
200,000、好ましくは1,000〜40,00
0、さらに好ましくは2,000〜20,000の範囲
内となるように選ぶのが適当である。
【0033】一方、本発明の微粒子の構成成分となりう
るオキシム化合物でブロックされたポリイソシアネート
化合物(B−1)は、1分子中に少なくとも2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と
オキシム化合物との付加物である。該ポリイソシアネー
ト化合物としては、例えば、ジフェニルメタン−4、
4′−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネートなどの芳香族、脂環族または脂肪族のポリイソシ
アネート化合物、及びこれらのイソシアネート化合物の
過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ
油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られ
る末端イソシアネート含有化合物などが挙げられる。こ
のうちジフェニルメタン−4、4′−ジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、ポリジフェニルメタン
−4、4′−ジイソシアネート及びこれらとポリオール
との反応によるプレポリマーなどが、以下に述べるオキ
シム化合物との低温解離性の観点から好適である。
【0034】オキシム化合物としては、従来からポリイ
ソシアネート化合物をブロックするために使用されてい
るそれ自体既知のものを使用することができ、例えば、
メチルエチルケトキシム、アセトンオキシム、メチルイ
ソブチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾ
フェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどが挙
げられる。これらオキシム化合物による上記ポリイソシ
アネート化合物のブロッキングは、それ自体既知の方法
に従い、ポリイソシアネート化合物にオキシム化合物を
反応させることにより行なうことができる。
【0035】また、本発明の微粒子の構成成分となりう
るエポキシ基含有化合物(B−2)は、1分子中に少な
くとも2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、前
記(A)成分の説明で述べた如きポリエポキシド化合物
を使用することができる。
【0036】以上に述べた加水分解性アルコキシシラン
基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物(A)と、オ
キシムブロックポリイソシアネート化合物及び/又はエ
ポキシ基含有化合物(B)との混合割合は厳密に制限さ
れるものではなく、目的に応じて広範に変えうるが、通
常、(A)成分中のアミノ基に対する(B)成分中のイ
ソシアネート基及びエポキシ基の合計モル当量比が0.
3〜20、好ましくは0.5〜10、さらに好ましくは
1〜4の範囲内となるように混合するのが適当である。
(B)成分の使用割合が該当量比を越えて多くなると、
水分散化後のエマルジョンの安定性や塗面平滑性に悪影
響を及ぼす場合がある。
【0037】上記(A)及び(B)成分を十分混合した
後の混合物の水分散化は、それ自体既知の方法にしたが
って行なうことができる。例えば、該混合物を存在する
アミノ基に対して0.1〜1当量の酸、例えばギ酸、酢
酸、ヒドロキシ酸などの水溶性カルボン酸で中和し、そ
の後、固形分濃度が約40重量%以下になるようにして
水中に分散することによって行うことができる。
【0038】かくして得られる(A)及び(B)成分か
らなるエマルジョン粒子は、必要に応じて粒子内架橋さ
せることができる。粒子内架橋は、該水分散物を単に長
時間貯蔵することによってもある程度進行する可能性が
あるが、粒子内架橋は、有利には、該水分散化物を約5
0℃以上、好ましくは70℃以上の温度に加熱すること
により粒子内架橋を促進するのが望ましい。さらに必要
に応じて、上記(A)成分と(B)成分を混合後の水分
散化に際して、樹脂溶液中または水媒体中にオクチル酸
錫、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、ジブチ
ル錫ジラウレート、イミダゾール系化合物等の触媒を添
加することにより粒子内架橋の促進を行うこともでき
る。
【0039】本発明の微粒子は、(A)及び(B)成分
からなる混合物の水分散化により得られる、(B)成分
を(A)成分が包んだ構造のエマルジョン粒子、該エマ
ルジョン粒子を粒子内架橋してなるゲル化微粒子、さら
には該エマルジョン粒子が単に長時間貯蔵によって粒子
内架橋がある程度進行したものを包含するものであり、
これらがそれぞれ単独で存在していてもよく、又は混在
していてもよい。エッジカバー性の点からはゲル化され
た微粒子の使用が特に好ましい。
【0040】このようにして製造される本発明の微粒子
の水分散液は、通常、約10〜約40重量%、好ましく
は15〜30重量%の樹脂固形分含量を有することがで
きる。また、分散粒子の粒径は、一般に0.5μm以
下、好ましくは0.01μm〜0.3μm、より好まし
くは0.05μm〜0.2μmの範囲内にあることがで
きる。粒径の調整は加水分解性アルコキシシラン基を含
有するエポキシ樹脂−アミン付加物のカチオン性基の量
を調節することによって行うことができ、それによって
容易に所望範囲の粒径を得ることができる。
【0041】以上に述べた如くして製造される本発明の
微粒子は、カチオン電着性を有しており、カチオン電着
塗料に配合することにより、浴安定性、電着特性、塗膜
の耐水性、防食性等を損うことなしに、電着塗膜の焼付
硬化時の熱流動における溶融塗膜粘度低下が良好にコン
トロールされて、塗面平滑性とエッジカバー性とが共に
優れたカチオン電着塗料組成物とすることができる。
【0042】しかして、本発明によれば、本発明の微粒
子を含有するカチオン電着塗料組成物が提供される。該
カチオン電着塗料組成物における本発明の微粒子以外の
成分は、特に制限されず、通常のカチオン電着塗料組成
物と実質的に同様のものであることができる。
【0043】本発明のカチオン電着塗料組成物は、樹脂
成分として、前記微粒子以外に、カチオン電着塗料にお
いて通常使用されている樹脂(以下、カチオン電着塗料
用樹脂ということがある)、例えばアミン付加物エポキ
シ樹脂に代表されるポリアミン樹脂、例えば前記ゲル化
微粒子の構成成分として述べた如きエポキシ樹脂−アミ
ン付加物を含有しうる。
【0044】また、本発明の組成物を用いて形成される
硬化塗膜に対して良好な耐候性が要求される場合には、
前記の微粒子以外の樹脂成分として、耐候性の優れたア
ミノ基含有アクリル系樹脂又は非イオン性のアクリル系
樹脂を単独で用いるか、或いは前記アミン付加エポキシ
樹脂と併用するのが好都合である。
【0045】前記したアミン付加エポキシ樹脂は、必要
に応じて、アルコール類などでブロックしたポリイソシ
アネート化合物を用いて硬化させることができる。
【0046】また、ブロックしたイソシアネート化合物
を使用しないで硬化させることが可能なアミン付加エポ
キシ樹脂も使用することができ、例えばポリエポキシド
物質にβ−ヒドロキシアルキルカルバメート基を導入し
た樹脂(例えば特開昭59−155470号公報参
照);エステル交換反応によって硬化しうるタイプの樹
脂(例えば特開昭55−80436号公報参照)などを
用いることもできる。
【0047】前記したカチオン電着塗料用樹脂のカチオ
ン系水性溶液ないし水分散液の調製は、通常、該樹脂を
ギ酸、酢酸、乳酸などの水溶性有機酸で中和する水溶化
・水分散化処理によって行なうことができる。
【0048】かくして得られるカチオン電着塗料樹脂溶
液ないし水分散液と前記微粒子の水性分散液とを、該微
粒子が全樹脂固形分(カチオン電着塗料用樹脂と微粒子
の合計)に対し、1〜35重量%、好ましくは4.5〜
20重量%の範囲内となるよう混合することによって、
本発明のカチオン電着塗料組成物を得ることができる。
電着塗料組成物における微粒子の含有量が全樹脂固形分
に対し1重量%未満である場合には、電着塗膜焼付け時
の塗膜溶融粘度低下に対する制御効果が小さく、電着塗
膜のエッジカバー性が不充分となりやすく、他方、35
重量%を超えると、電着塗膜の平滑性が劣るという問題
が生ずる可能性がある。
【0049】本発明のカチオン電着塗料組成物には、さ
らに必要に応じて、通常の塗料添加物、例えば、着色顔
料、例えばチタン白、カーボンブラックベンガラ、黄鉛
など;体質顔料例えばタルク、炭酸カルシウム、マイ
カ、クレー、シリカなど;防錆顔料例えばストロンチュ
ウムクロメート、ジンククロメートなどのクロム顔料、
塩基性ケイ酸鉛、クロム酸鉛などの鉛顔料等を含ませる
こともできる。
【0050】本発明のカチオン電着塗料組成物は、カチ
オン電着塗装によって所望の基材表面に塗装することが
できる。カチオン電着塗装はそれ自体既知の方法に従
い、一般には、固形分濃度が約5〜40重量%となるよ
うに脱イオン水などで希釈し、さらにpHを5.5〜
8.0の範囲内に調整した本発明のカチオン型電着塗料
組成物からなる電着浴を通常、浴温15〜35℃に調整
し、負荷電圧100〜400Vの条件で被塗物を陰極と
して行なうことができる。
【0051】本発明の塗料組成物を用いて形成しうる電
着塗装の膜厚は特に制限されるものではないが、一般に
は、硬化塗膜に基づいて10〜40μmの範囲内が好ま
しい。また、塗膜の焼付け硬化温度は一般に100〜2
00℃の範囲内が適している。
【0052】
【発明の効果】本発明により提供されるカチオン電着性
微粒子は、カチオン電着塗料に配合することにより、凝
集、異常電着、沈降などの問題を引きおこすことがなく
共電着され、該微粒子は、電着塗膜の加熱硬化時におけ
る流動調整剤としての役割を果し、すぐれたハジキ防止
効果、表面平滑性、エッジ部のカバリング効果等を発揮
する。本発明の微粒子がゲル化してないエマルジョン粒
子の場合でも上記効果が得られるのは、該エマルジョン
粒子が電着塗膜の焼付時に熱流動するよりも先に粒子内
の架橋反応が起こり、溶融粘度低下をコントロールでき
ることによるものと考えられる。
【0053】本発明のカチオン電着塗料組成物は、浴安
定性、電着特性が良好であり、しかも加熱硬化時の塗膜
の粘度低下が抑制できる結果、エッジカバー性に優れて
おり、エッジ部の防錆性を向上させることができるとと
もに、塗面平滑性の良好な塗膜を形成することができ
る。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。実施例および比較例において、[部」およ
び「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を示
す。
【0055】(A)加水分解性アルコキシシラン基を含
有するエポキシ樹脂−アミン付加物の製造 製造例1 加水分解性アルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂
アミン−付加物を次の配合で製造する。
【0056】 原料 重量部 エポン828EL *1) 1140 ビスフェノールA 456 アミンA *2) 28.95 アミンA(後添加) 270.2 アミンB *3) 95.4 脱イオン水 10.0 KBE−402 *4) 74.5 エチレングリコールモノブチルエーテル 490.6 *1)エポキシ当量190を持つビスフェノールAのジ
グリシジルエーテル(油化シェル株式会社製) *2)有効成分74%のモノエタノールアミンとメチル
イソブチルケトンとのケチミンのメチルイソブチルケト
ン溶液。
【0057】*3)有効成分84%のジエチレントリア
ミンのメチルイソブチルケトンジケチミンのメチルイソ
ブチルケトン溶液。
【0058】*4)γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン(信越化学株式会社製) 温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素ガス吹き込み口を
取り付けた反応容器に、窒素ガスを吹き込み下でエポン
828EL、ビスフェノールA及びアミンAを仕込んで
160℃に加熱し、エポキシ当量*5)が理論値(86
8)に達するまで反応させる。その後、100℃まで冷
却したアミンA及びアミンBを加え、3級アミン価*
6)が理論値(60.3)に達するまで反応させる。そ
の後、100℃で脱イオン水を加えて脱ケチミン化反応
を行い、続いて、同じく100℃にてKBE−402を
加えてエポキシ基がなくなるまで反応させる。その後、
エチレングリコールモノブチルエーテルで希釈し、数平
均分子量約1800の加水分解性アルコキシシラン基を
含有するエポキシ樹脂−アミン付加物の固形分70%の
溶液を得た。
【0059】*5)JIS K−7236に準拠。但
し、アミン基もエポキシ基として合算する。
【0060】*6)無水酢酸でアセチル化した後、クリ
スタルバイオレットを指示薬として過塩素酸で滴定。
【0061】製造例2 加水分解性アルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂
−アミン付加物を次の配合で製造する。
【0062】 原料 重量部 エポン828EL 1140 ビスフェノールA 456 アミンA 28.95 アミンA(後添加) 183.4 KBM−573 *7) 114.93 アミンB 95.4 エチレングリコールモノブチルエーテル 564.7 *7)N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン(信越化学株式会社製) 製造例1と同様な反応装置に窒素ガスを吹き込み下でエ
ポン828EL、ビスフェノールA及びアミンAを仕込
んで160℃に加熱し、エポキシ当量が理論値(80
3)に達するまで反応させる。その後、70℃まで冷却
しアミンA及びKBE−573及びアミンBを加え、3
級アミン価が理論値(57.4)に達するまで反応させ
る。その後、エチレングリコールモノブチルエーテルで
希釈し、数平均分子量約1800の加水分解性アルコキ
シシラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物の固
形分70%の溶液を得た。
【0063】エポキシ樹脂−アミン付加物の製造(比較例用) 製造例3 エポキシ樹脂−アミン付加物を次の配向で製造する: 原料 重量部 エポン828EL 1140 ビスフェノールA 456 アミンA 28.95 アミンA(後添加) 270.2 アミンB 95.4 エチレングリコールモノブチルエーテル 468.7 製造例1と同様な反応装置に窒素ガスを吹き込み下でエ
ポン828EL、ビスフェノールA及びアミンAを仕込
んで160℃に加熱し、エポキシ当量が理論値(81
3)に達するまで反応させる。その後、100℃まで冷
却しアミンA及びアミンBを加え、3級アミン価が理論
値(60.3)に達するまで反応させる。その後、エチ
レングリコールモノブチルエーテルで希釈し、数平均分
子量約1700のエポキシ樹脂−アミン付加物の固形分
70%の溶液を得た。
【0064】(B)オキシムブロックされたポリイソシ
アネート化合物の製造 製造例1と同様な反応装置に窒素ガスを吹き込み下でジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート510部
を仕込み80℃に加熱後、トリメチロールプロパン68
部を発熱に注意しながら仕込み、NCO価*8)が理論
値(159)に達するまで反応させる。その後、メチル
エチルケトキシム222部を発熱に注意しながら滴下し
NCO価が理論値(0)に達するまで反応させる。その
後、メチルイソブチルケトン200部を加えて希釈し、
平均分子量約392の2.5官能イソシアネート基を有
するポリイソシアネート化合物とオキシム化合物との付
加反応物の固形分80%のメチルイソブチルケトン溶液
を得た。
【0065】*8)試料をジオキサンで溶解し、ジブチ
ルアミン溶液を過剰に加えてNCO基に付加させ、残さ
れたアミンを酸で逆滴定し、その使用量からNCO価
(試料1グラム中に含まれるNCOのミリグラム数)を
求める。
【0066】(C)カチオン電着性微粒子分散液の製造 実施例1 2Lフラスコに、製造例1で得た加水分解性アルコキシ
シラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物228
部及び製造例4で得たオキシムブロックポリイソシアネ
ート化合物50.0部を加えて十分に混合し、さらに1
0%酢酸32部を加えて30℃で5分間撹拌した後、脱
イオン水690部を強く撹拌しながら30分かけて滴下
し、50℃に昇温して約3時間撹拌を行った。
【0067】かくして、固形分20%の乳白色の粒子内
架橋したゲル化微粒子分散液が得られ、この微粒子のエ
チレングリコールモノブチルエーテル中での平均粒子径
は0.15μmであった。
【0068】実施例2 2Lフラスコに、製造例1で得た加水分解性アルコキシ
シラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物228
部及び製造例4で得たオキシムブロックポリイソシアネ
ート化合物50.0部を加えて十分混合し、さらに10
%酢酸32部を加えて30℃で5分間撹拌した後、脱イ
オン水690部を強く撹拌しながら30分かけて滴下
し、固形分20%の分散液を得た。
【0069】実施例3 2Lフラスコに、製造例2で得た加水分解性アルコキシ
シラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物228
部及び製造例4で得たオキシムブロックポリイソシアネ
ート化合物50.0部を加えて十分混合し、さらに10
%酢酸42部を加えて30℃で5分間撹拌した後、脱イ
オン水680部を強く撹拌しながら30分かけて滴下
し、50℃に昇温して約3時間撹拌を行った。
【0070】かくして、固形分20%の乳白色の粒子内
架橋したゲル化微粒子分散液が得られ、この微粒子のエ
チレングリコールモノブチルエーテル中での平均粒子径
は0.15μmであった。
【0071】実施例4 2Lフラスコに、製造例1で得た加水分解性アルコキシ
シラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物228
部及びエポン828EL 40.0部を加えて十分混合
し、さらに10%酢酸32部を加えて30℃で5分間撹
拌した後、脱イオン水700部を強く撹拌しながら30
分かけて滴下し、50℃に昇温して約3時間撹拌を行っ
た。
【0072】かくして、固形分20%の乳白色の粒子内
架橋したゲル化微粒子分散液が得られ、この微粒子のエ
チレングリコールモノブチルエーテル中での平均粒子径
は0.16μmであった。
【0073】実施例5 2Lフラスコに、製造例2で得た加水分解性アルコキシ
シラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物228
部及びDEN−438*8)40.0部を加えて十分混
合し、さらに10%酢酸32部を加えて30℃で5分間
撹拌した後、脱イオン水700部を強く撹拌しながら3
0分かけて滴下し、50℃に昇温して約3時間撹拌を行
った。
【0074】かくして、固形分20%の乳白色の粒子内
架橋したゲル化微粒子分散液が得られ、この微粒子のエ
チレングリコールモノブチルエーテル中での平均粒子径
は0.16μmであった。
【0075】*8)ダウケミカル株式会社より入手可能
な3.6官能ノボラックエポキシ樹脂 実施例6 2Lフラスコに、製造例2で得た加水分解性アルコキシ
シラン基を含有するエポキシ樹脂−アミン付加物220
部及びDEN−438*8)40.0部を加えて十分混
合し、さらに10%酢酸32部を加えて30℃で5分間
撹拌した後、脱イオン水700部を強く撹拌しながら3
0分かけて滴下し、固形分20%の水分散液を得た。
【0076】比較例1 2Lフラスコに、製造例3で得たエポキシ樹脂−アミン
付加物228部及び製造例4で得たオキシムブロックポ
リイソシアネート化合物50部を加えて十分混合し、さ
らに10%酢酸35部を加えて30℃で5分間撹拌した
後、脱イオン水690部を強く撹拌しながら30分かけ
て滴下し、50℃に昇温して約3時間撹拌を行った。
【0077】かくして、固形分20%の乳白色の粒子内
架橋したゲル化微粒子分散液が得られ、この微粒子のエ
チレングリコールモノブチルエーテル中での平均粒子径
は0.15μmであった。
【0078】比較例2 2Lフラスコに、製造例3で得たエポキシ樹脂−アミン
付加物228部及びDEN−438、40.0部を加え
て十分混合し、さらに10%酢酸36部を加えて30℃
で5分間撹拌した後、脱イオン水700部を強く撹拌し
ながら30分かけて滴下し、50℃に昇温して約3時間
撹拌を行った。
【0079】かくして、固形分20%の乳白色の粒子内
架橋したゲル化微粒子分散液が得られ、この微粒子のエ
チレングリコールモノブチルエーテル中での平均粒子径
は0.16μmであった。
【0080】(D)カチオン電着塗料組成物の製造 実施例7 ポリアミド変性エポキシ樹脂および完全ブロックしたジ
イソシアネートからなる固形分35%のカチオン電着用
クリアーエマルジョン(関西ペイント社製商品名、エレ
クロン9450)572部に実施例1で得た固形分20
%のゲル化微粒子分散液100部および固形分43%の
下記の顔料ペースト139.4部を撹拌しながら加え、
脱イオン水588.5部で希釈してカチオン電着塗料を
得た。
【0081】 実施例8 実施例7において、ゲル化微粒子分散液のかわりに実施
例2で得た分散液を100部使用する以外は、実施例7
と同様の方法でカチオン電着塗料を得た。
【0082】実施例9 実施例7において、ゲル化微粒子分散液として実施例3
で得た分散液を100部使用する以外は、実施例7と同
様の方法でカチオン電着塗料を得た。
【0083】実施例10 ポリエステル変性エポキシ樹脂、完全ブロックしたジイ
ソシアネート及び非イオン系アクリル樹脂からなる固形
分32%のカチオン電着用クリアーエマルジョン(関西
ペイント社製商品名、エレクロン9600)626部に
実施例4で得た固形分20%のゲル化微粒子分散液10
0部および固形分43%の上記顔料ペースト139.4
部を撹拌しながら加え、脱イオン水534.6部で希釈
してカチオン電着塗料を得た。
【0084】実施例11 実施例10において、ゲル化微粒子分散液として実施例
5で得た分散液を100部使用する以外は、実施例10
と同様の方法でカチオン電着塗料を得た。
【0085】実施例12 実施例10において、ゲル化微粒子分散液のかわりに実
施例6で得た分散液を100部使用する以外は、実施例
10と同様の方法でカチオン電着塗料を得た。 比較例3 実施例7において、ゲル化微粒子分散液を使用しない以
外は、実施例7と同様の方法でカチオン電着塗料を得
た。
【0086】比較例4 実施例10において、ゲル化微粒子分散液を使用しない
以外は、実施例10と同様の方法でカチオン電着塗料を
得た。
【0087】比較例5 実施例10において、ゲル化微粒子分散液として比較例
1で得た分散液を100部使用する以外は、実施例10
と同様の方法でカチオン電着塗料を得た。
【0088】比較例6 実施例10において、ゲル化微粒子分散液として比較例
2で得た分散液を100部使用する以外は、実施例10
と同様の方法でカチオン電着塗料を得た。
【0089】(E)試験例(電着塗装試験) 実施例7〜12および比較例3〜6で得たカチオン電着
塗料中に、パールボンド#3030[日本パーカライジ
ング(株)製、リン酸亜鉛系]で化成処理した0.8×
300×90mmの冷延ダル鋼板(端面と平坦部との角
度が45度)を浸漬し、それをカソードとして電着塗装
を行なった。電着塗装条件は、電着塗料浴温30℃、p
H6.5、電圧300Vであり、膜厚(乾燥膜厚に基づ
いて)20μmの電着塗膜を形成し、電着後塗膜を水洗
し、185℃、20分間焼付を行なった。この塗装板の
性能試験結果を後記表−1に示す。また、塗膜溶液粘度
の測定結果を併せて表−1に示す。
【0090】[性能試験方法] (※1)塗膜溶融粘度 焼付時の電着塗膜溶融粘度を転球式粘度測定法(JIS
-Z-0237に準ずる)との対比により引っかき傷跡の
熱流動外観から評価した。数値は最低時の粘度(センチ
ポイズ)を示す。
【0091】(※2)端面被覆性 平坦部の硬化膜厚が20μmとなる条件で、エッジ部角
度45°を有する鋼板に電着塗装し、所定の焼付条件で
硬化させて試験板を作成する。試験板のエッジ部が垂直
になる様にソルトスプレー装置にセットし、JIS-Z-
2371塩水フンム試験により168時間後のエッジ部
の防食性を評価する。
【0092】◎:サビ発生全くなし ○:サビわずかに発生 △:サビかなり発生 ×:サビ著しく発生 (※3)塗面の平滑性 電着塗面の仕上り性を目視で評価する。
【0093】◎:良好 ○:ほぼ良好 △:やや不良 (※4)耐衝撃性 JIS-K-5400 8.3.2-1990法に準じ
て、20℃の雰囲気下において行なう。重さ500g、
撃心の先端半径1/2インチの条件で塗膜損傷を生じな
い最大高さを示す(cm)。50cmを最高値とした。
【0094】(※5)耐チッピング性 焼付電着塗装板に、さらに熱硬化性の中塗り塗料および
上塗塗料を塗装し、加熱硬化したものについて下記の試
験を行なう。
【0095】 試験機器:Q-G-Rグラペロメーター
(Qパネル会社製品) 吹付けられる石:直径約15〜20m/mの砕石 吹付けられる石の容量:約500ml 吹付けエアー圧力:約4kg/cm2 試験時の温度:約20℃ 試験片を試験片保持台にとりつけ、約4kg/cm2
吹付けエアー圧力で約500mlの砕石を試験片に発射
せしめた後、その塗面状態を評価した。塗面状態は目視
観察し、下記の基準で評価する。
【0096】(評価) ◎(良):上塗り塗膜の一部に衝撃によるキズが極く僅
か認められる程度で、電着塗膜の剥離を全く認めず。
【0097】○(やや不良):上塗りおよび中塗りの塗
膜に衝撃によるキズがみられしかも電着塗膜の剥れが僅
かに認められる。
【0098】△(不良):上塗りおよび中塗り塗膜に衝
撃によるキズが多く認められ、しかも電着塗膜の剥れも
かなり認められる。
【0099】(※6)温水浸漬2次付着性 40℃の水に20日間浸漬した後、JIS-K-5400
8.5.2−1990に準じて塗膜にゴバン目を作
り、その表面に粘着セロハンテープを粘着し、急激に剥
した後の塗面を評価する。
【0100】◎:異常なく良好 △:ゴバン目の縁が僅かにハガレる程度 ×:ゴバン目の一部分がハガレる (*7)耐塩水噴霧性 素地に達するように電着塗膜にナイフでクロスカツトキ
ズを入れ、これをJIS Z2371によつて1000
時間塩水噴霧試験を行ない、ナイフ傷からの錆、フクレ
巾を測定する。
【0101】(*8)2コート耐候性 焼付電着塗板上に、さらにアミノアルキド樹脂系塗料ア
ミラツククリヤ(関西ペイント社製)を35μm塗装
し、140℃、15分焼付けた。この塗板を20時間サ
ンシヤインウエザオメーターにかけ、40℃の水中に2
0時間浸漬した後、塗板にクロスカツトを入れて、セロ
フアン粘着テープで剥離試験を行なう。この試験を繰り
返し行って剥離の生じた時間を調べた。
【0102】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PJM 8830−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解性アルコキシシラン基を含有す
    るエポキシ樹脂−アミン付加物(A)と、1分子中に少
    なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソ
    シアネート化合物とオキシム化合物との付加物及び/又
    は1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する
    化合物(B)とからなる混合物を水分散化し、さらに必
    要に応じて粒子内架橋せしめてなることを特徴とするカ
    チオン電着性微粒子。
  2. 【請求項2】 加水分解性アルコキシシラン基を含有す
    るエポキシ樹脂−アミン付加物(A)と、1分子中に少
    なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソ
    シアネート化合物とオキシム化合物との付加物及び/又
    は1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する
    化合物(B)とからなる混合物を水分散化し、さらに必
    要に応じて粒子内架橋せしめてなる微粒子を、全樹脂固
    形分に基づいて1〜35重量%の範囲内で含有すること
    を特徴とするカチオン電着塗料組成物。
JP5103726A 1992-07-27 1993-04-07 カチオン電着性微粒子及びそれを含む電着塗料組成物 Pending JPH06287267A (ja)

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US08/095,210 US5380781A (en) 1992-07-27 1993-07-23 Cationically electrodepositable fine particles derived from alkoxysilane-modified epoxy resins and cationic electrodeposition paint composition comprising the same
EP93111944A EP0586853B1 (en) 1992-07-27 1993-07-26 Cationically electrodepositable fine particles and paint composition comprising the same
DE69307436T DE69307436T2 (de) 1992-07-27 1993-07-26 Kationisch elektroabscheidbare feine Partikel und sie enthaltende Farbzusammensetzung

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002275413A (ja) * 2001-03-19 2002-09-25 Nippon Paint Co Ltd 電子部品用カチオン電着塗料組成物
JP2003510399A (ja) * 1999-09-23 2003-03-18 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 外観が改良され端部被覆が改良されクレーターが減少した陰極電着塗料組成物
WO2008050797A1 (fr) * 2006-10-25 2008-05-02 Nippon Paint Co., Ltd. Composition de revêtement pour électrodéposition cationique et son application
WO2020218215A1 (ja) * 2019-04-25 2020-10-29 関西ペイント株式会社 カチオン電着塗料組成物

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