JPH08283612A - 水性ベースコート樹脂組成物 - Google Patents

水性ベースコート樹脂組成物

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JPH08283612A
JPH08283612A JP8246495A JP8246495A JPH08283612A JP H08283612 A JPH08283612 A JP H08283612A JP 8246495 A JP8246495 A JP 8246495A JP 8246495 A JP8246495 A JP 8246495A JP H08283612 A JPH08283612 A JP H08283612A
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compound
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fine particle
particle dispersion
polyol
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JP8246495A
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Goro Iwamura
悟郎 岩村
Shigeki Matsui
茂樹 松井
Norio Kosaka
典生 小坂
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 揺変性などのような、いわゆる粘度挙動の持
続性が充分であることは、勿論のこと、しかも、ハイ・
ソリッド型のものであって、加えて、とりわけ、メタリ
ック顔料類の配向に優れた、高外観の塗膜を与え得ると
いう、極めて実用性の高い水性ベースコート樹脂組成物
を提供しようとするにある。 【構成】 必須の成分として、それぞれ、イオン形成性
を有するポリオールを用いるという、特定の構成に成
り、しかも、特定の平均粒子径を有するポリウレタンポ
リ尿素架橋微粒子分散体を含有することから成るか、あ
るいは此のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体と、
さらに、水酸基および/またはカルボキシル基を有する
水性樹脂と、水酸基および/またはカルボキシル基と反
応性を有する水性硬化剤とを含有することから成る、水
性ベースコート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なるポ
リウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体を含有する水性ベ
ースコート(以下、ベースコートとも記す。)組成物に
関する。
【0002】さらに詳細には、本発明は、それぞれ、一
つには、イオン形成性を有するポリオールと、ポリイソ
シアネートと、ポリアミンとの、三つの化合物を必須の
原料成分として用いて得られる、特定の平均粒子径を有
するポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)を、
必須の成分として含有することから成る、水性ベースコ
ート樹脂組成物を提供するというものであるし、
【0003】二つには、イオン形成性を有するポリオー
ルと、ポリイソシアネートと、ポリアミンとの、三つの
化合物を必須の原料成分として用いて得られる、特定の
平均粒子径を有するポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分
散体(I)と、水酸基および/またはカルボキシル基を
有する水性樹脂(II)と、水酸基および/またはカル
ボキシル基と反応性を有する水性硬化剤(III)と
を、必須の成分として、含有することから成る、水性ベ
ースコート樹脂組成物を提供するというものであって、
【0004】本発明は、当該ポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体が、平均粒子径が約1ミクロン(μmm)
以下の微小なる粒子であって、水などの分散媒に対して
安定であり、しかも、それ自身で以て、フィルム形成能
(皮膜形成能)を有するが、さらには、水性樹脂および
/または硬化剤をも必須の成分として含有するという、
【0005】就中、2コート1ベーク方式で以て塗膜を
形成化せしめるに当たって、とりわけ、メタリック顔料
類の配向に優れた、高外観の塗膜を与え得る、新規にし
て有用なる多層被膜を形成化せしめるという手段を、就
中、そうした多層被膜の形成化にとって、極めて実用性
の高い、水性ベースコート樹脂組成物を提供するという
ものである。
【0006】そして、本発明に係わる、それぞれの水性
樹脂塗料組成物は、主として、自動車車体あるいは建設
ないしは建築用資材などの、いわゆる金属素材類または
金属製品類の塗装用として、特に優れているものであ
る。
【0007】
【従来の技術】従来、自動車などの塗装において、下塗
りおよび中塗りを施した塗装板上に、上塗りと称して、
メタリック顔料類を含む、いわゆるメタリック・ベース
・コート塗料を塗装したのち、かかる段階での塗膜を硬
化させずに、ウェット・オン・ウェットの状態で以て、
透明性被覆組成物(以下、クリヤー塗料と称する。)を
重ね塗りし、かくして得られるメタリック・ベース(以
下、メタリックベースとも記す。)と、クリヤー塗料と
を、同時に、硬化せしめるという、いわゆる2コート1
ベーク方式に基づく塗装法が行われている。
【0008】こうした方法に用いられいるメタリックベ
ースは、通常、アルミニウムなどの、いわゆる隣片状の
金属顔料類が、良好に、配向することによって、優れた
塗膜外観を与えるというものである。
【0009】ところで、従来型のメタリックベース塗料
は、溶剤型であって、多量の有機溶剤類を使用するもの
であるという処から、環境、資源ならびに労働衛生など
の面より、問題は、決して小さくなく、それがために、
メタリックベース塗料の水性化が、強く望まれている。
【0010】そうした状況の中で、特願昭56−157
357号または特開平2−97564号公報には、それ
ぞれ、水性エマルジョンによるベース・コート組成物が
提案されている。
【0011】当該水性エマルジョンは、重合安定剤類の
存在下に、水性媒体中で、架橋重合体の微粒子を生成さ
せ、次いで、水溶性となる、非架橋の重合体を生成させ
るということによって得られるものであり、このように
して水溶性となった、いわゆる水溶部は、アミン類など
で以て中和されることによって、水溶性が高まり、その
結果として、揺変性などの、いわゆる粘度挙動が生じ、
メタリック顔料類の配向にとって、一段と、好都合にな
る。
【0012】しかしながら、こうした水性エマルジョン
を用いたベースコート組成物は、コア部とシェル部との
絡み合いによって、その両部分が結合されているという
ものであり、言い換えれば、決して、化学結合で以て結
合されているというものでは無い訳である。
【0013】そのために、揺変性などの粘度挙動の持続
性が充分ではなく、たとえば、当該ベースコート組成物
に、攪拌操作や、パイプ輸送などの際に、高せん断力が
加えられると、揺変性や粘度などが低下して、流動し易
くなり、ひいては、とりわけ、塗膜外観などを低下せし
める処となる。
【0014】そうした処からも、ポリウレタンポリ尿素
などのような、ウレタン系微粒子の水分散体というもの
が提案されている。多くの場合、イソシアネート末端基
を有するイソシアネート・プレポリマーを水中に分散さ
せ、次いで、その分散液に、ポリアミン化合物などを添
加するということによって、分子の鎖伸長化を行い、ポ
リウレタンポリ尿素分散体を得るという方法が、特開昭
48−51949号公報、特開昭62−67003号公
報、特開昭62−149333号公報および特公昭63
−58610号公報などに開示されている。
【0015】しかしながら、これらの方法によって得ら
れるウレタン系微粒子にあっては、どうしても、とりわ
け、耐溶剤性などに乏しいよいう欠点を有するために、
性能の良い皮膜を得るということは、頗る、困難であっ
た。
【0016】こうした叙上の欠点を改良する方法とし
て、米国特許4,507,431号明細書および特開平
3−128912号公報に開示されている発明として、
自己分散性を有するイソシアネート・プレポリマーと、
2.1〜4官能価を有するポリイソシアネート化合物を
併用するという方法が提案されている。
【0017】ところが、これらの方法によって得られる
架橋微粒子分散体は、耐溶剤性のある皮膜を生成すると
いう点では、優れた方法であると言えるものの、顔料な
どの芯物質を内包させるに際しては、上記のイソシアネ
ート・プレポリマーや、2.1〜4官能価のポリイソシ
アネート化合物が、此の芯物質中に含まれる水分と反応
することによって、増粘をしたり、ゲル化などの現象を
生じるということが多く、したがって、安定的に、微粒
子分散体を得ることは、頗る、困難であった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来型
技術に従う限りは、どうしても、乾燥性不良による“メ
タル戻り”が無いし、しかも、とりわけ、塗膜の耐水性
などに優れるということは、もとよりのこと、当然なが
ら、ベースコートとしての優れた塗膜諸性能を有する、
極めて実用性の高い、いわゆる水性ベースコート樹脂組
成物を提供することは、頗る、困難であった。
【0019】しかるに、本発明者らは、ベースコートと
しての優れた塗膜諸性能を有する、とりわけ、塗膜の耐
水性などに優れるし、しかも、“メタル戻り”が無いと
いう、極めて実用性の高い水性ベースコート樹脂組成物
を求めて、鋭意、研究を開始した。
【0020】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、叙上のような、ベースコートとし
ての優れた塗膜諸性能を有する、とりわけ、塗膜の耐水
性などに優れるし、しかも、“メタル戻り”が無いとい
う、極めて実用性の高い水性ベースコート樹脂組成物を
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述の発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、
鋭意、検討を重ねた結果、3官能以上の官能基を有す
る、イオン形成性を有するポリオール化合物および/ま
たはポリイソシアネート化合物と、ポリアミン化合物と
を用いて、微分散化した微粒子の外壁での界面重付加縮
合反応ならびに微粒子内部におけるウレタン化反応を進
行せしめることによって始めて、強固に架橋化した、平
均粒子径が1μmm以下の、ポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体を含有するベースコート組成物を得るとい
うに及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0022】すなわち、本発明は、基本的は、それぞ
れ、一つには、イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、ポリア
ミン化合物(C)とを必須の原料成分として用いて得ら
れる、平均粒子径が約1μmm以下のポリウレタンポリ
尿素架橋微粒子分散体(I)を、必須の成分として含有
することから成る、水性ベースコート塗料組成物を提供
しようとするものであり、
【0023】二つには、イオン形成性を有するポリオー
ル化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)
と、ポリアミン化合物(C)とを必須の原料成分として
用いて得られる、平均粒子径が約1μmm以下のポリウ
レタンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)と、水酸基およ
び/またはカルボキシル基を併せ有する水性樹脂(I
I)と、此の水酸基および/またはカルボキシル基と反
応性を有する水性硬化剤(III)とを、必須の成分と
して含有することから成る、水性ベースコート塗料組成
物を提供しようとするものである。
【0024】さらに詳細には、本発明は、平均粒子径が
約0.01〜約0.5(μmm)なるポリウレタンポリ
尿素架橋微粒子分散体であるという、特定のポリウレタ
ンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)を含有するという形
の、
【0025】あるいは、該粒子内部に芯物質を含有する
ことから成る、ポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体
であるという、特定のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子
分散体(I)を含有するという形の水性ベースコート塗
料組成物をも提供しようとするものであるし、
【0026】さらには、上記したイオン形成性を有する
ポリオール化合物(A)が、大約500〜大約10,0
00なる範囲内の数平均分子量を有する、ポリエステル
ポリオール化合物またはポリウレタンポリオール化合物
を用いて得られる、特定のポリウレタンポリ尿素架橋微
粒子分散体(I)を含有するという形の水性ベースコー
ト塗料組成物をも提供しようとするものであるし、
【0027】上記したポリイソシアネート化合物(B)
が、大約100〜大約2,000なる範囲内の数平均分
子量を有する、脂肪族および/または脂環式ポリイソシ
アネート化合物を用いて得られる、特定のポリウレタン
ポリ尿素架橋微粒子分散体(I)を含有するという形の
水性ベースコート塗料組成物をも提供しようとするもの
である。
【0028】これらとは別に、本発明において特に重要
なる成分である該ポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散
体が、さらに、次のような諸工程を経ることによって得
られるという、つまり、それぞれ、
【0029】(a) イオン形成性を有するポリオール
化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と
を、化学量論的に、ポリオール化合物(A)中の水酸基
に対して、ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシ
アネート基が過剰となるような当量比で以て混合したの
ちに、有機相を調製するという工程、
【0030】(b) 水相中に、此の有機相を分散化さ
せることによって、分散層を形成するという工程、なら
びに
【0031】(c) 此の分散層に、ポリアミン化合物
(C)を添加し、分散化させ、反応せしめるという工程
【0032】を経ることによって得られるという、特定
のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)を含有
するという形の水性ベースコート塗料組成物をも提供し
ようとするものである。
【0033】さらにまた詳細には、本発明は、イオン形
成性を有するポリオール化合物(A)と、ポリイソシア
ネート化合物(B)との総量を基準として、少なくとも
約0.1モル%以上を、3官能以上の官能基を有する、
イオン形成性を有するポリオール化合物(A)および/
またはポリイソシアネート化合物(B)を用いて得られ
るという、特定のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散
体(I)を含有するという形の水性ベースコート塗料組
成物をも提供しようとするものであるし、
【0034】イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)とを、必要
に応じて、非反応性の有機溶剤の共存下で以て混合せし
めて有機相を調製することによって得られるという、特
定のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)を含
有するという形の水性ベースコート塗料組成物をも提供
しようとするものであるし、
【0035】イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)とを、必要
に応じて、有機金属触媒を混合して、有機相を調製する
ことによって得られるという、特定のポリウレタンポリ
尿素架橋微粒子分散体(I)を含有するという形の水性
ベースコート塗料組成物をも提供しようとするものであ
るし、
【0036】イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)が、分子中にカルボキシル基を有するものである
ことから成る、特定のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子
分散体(I)を含有するという形の水性ベースコート塗
料組成物をも提供しようとするものであるし、
【0037】イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)との当量比
が、0.1:1〜0.9:1の範囲内であることから成
る、特定のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体
(I)を含有するという形の水性ベースコート塗料組成
物をも提供しようとするものであるし
【0038】イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)が、分子中にカルボキシル基を有するものであ
り、しかも、該イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)と、該ポリイソシアネート化合物(B)との当量
比が、0.1:1〜0.9:1なる範囲内にあることか
ら成る、特定のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体
(I)を含有するという形の水性ベースコート塗料組成
物をも提供しようとするものである。
【0039】さらにはまた、本発明は、当該ポリウレタ
ンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)を得るに当たって、
添加すべきポリアミン化合物(C)の、有機相中に含ま
れる、過剰なイソシアネート基に対する当量比が、0.
2〜1.0当量なる範囲内にあることから成る、特定の
ポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)を含有す
るという形の水性ベースコート塗料組成物をも提供しよ
うとするものであり、そして、その際に、分子中のカル
ボキシル基を、アミンやアンモニアなどのような種々の
塩基で以て中和し、塩と為したものであることから成
る、特定のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体
(I)を含有するという形の水性ベースコート塗料組成
物をも提供しようとするものである。
【0040】さらにさらに詳細には、本発明は、平均粒
子径が約1μmm以下なるポリウレタンポリ尿素架橋微
粒子分散体(I)であり、さらに詳しくは、平均粒子径
が約0.01〜約0.5μmmなる範囲内のポリウレタ
ンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)という、さらにはま
た、平均粒子径が約1μmm以下なる、該粒子内部に芯
物質を含有することから成る、特定のポリウレタンポリ
尿素架橋微粒子分散体(I)を含有するという形の水性
ベースコート塗料組成物をも提供しようとするものであ
る。
【0041】以下において、本発明を、さらに詳細に説
明をすることにする。
【0042】本発明の水性ベースコート樹脂組成物を調
製するに当たって用いられる、イオン形成性を有するポ
リオール化合物(A)とは、対イオンの存在下で、イオ
ンを形成して親水性を発現する基を有すると共に、さら
に、ポリイソシアネート化合物と反応性を有する水酸基
を併せ持つ形の特定の化合物を指称するものである。
【0043】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、分子中にカルボキシル基を有
し、該カルボキシル基を、アミンやアンモニアなどの塩
基で以て中和せしめることによって塩を形成し得るとい
うような、特定なる形のポリオール化合物などである。
【0044】ここにおいて、上記した、対イオンの存在
下で以てイオンを形成して親水性を発現する基として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、カルボキ
シル基、スルホン酸基、リン酸エステル基、あるいは三
級アミノ基などであるが、
【0045】就中、種々の微粒子の性能面でのバランス
化が果たし易く、操作し易いという基として最も好まし
いものは、カルボキシル基である。
【0046】すなわち、ポリオール化合物中にカルボキ
シル基を導入し、該カルボキシル基を、アミンなどのよ
うな塩基で以て中和して塩化せしめることによって、親
水性を発現させることが出来るということである。
【0047】つまり、イオン形成性を有する、此のポリ
オール化合物(A)は、粒子を構成する他の成分である
ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基
と反応することにより、粒子内部での架橋化反応を進
め、ひいては、該微粒子の機械的諸性質を、一層、向上
化せしめるために、極めて重要なる成分である。
【0048】こうした、イオン形成性を有するポリオー
ル化合物(A)の樹脂類としては、当該化合物(A)そ
れ自体は、特に新規なものではなくて、分子中に、カル
ボキシル基などの、いわゆるイオン形成性を有する官能
基を有しているというようなポリオール化合物であれば
よく、したがって、それ自体が公知であるというような
ものも、いずれもが使用し得るが、それらのうちでも特
に代表的なものを例示するにとどめれば、
【0049】カルボキシル基を有する、ポリウレタンポ
リオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ラクトン変性ポリエステルポリオール、ポリエステ
ルアミドポリオール、アルキドポリオール、ポリエーテ
ルポリオール、変性ポリエーテルポリオール、ポリチオ
エーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポ
リアセタールポリオール、ポリオレフィンポリオール、
エポキシ変性ポリオール、シリコンポリオールまたはフ
ッ素ポリオールなどである。
【0050】これらのイオン形成性を有する官能基を、
特に、カルボキシル基なるイオン形成性を有する官能基
を持ったポリオール化合物について、さらに詳細に説明
をすることにするが、まず、a) ポリウレタンポリオ
ールとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、エチレングリコール、ポリピレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールもしく
は1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、
【0051】ビスフェノールA、水添ビスフェノール
A、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン
もしくはヘキサントリオールの如き、多価アルコ−ル類
および/または上述した各種ポリオール類の少なくとも
1種以上と、後掲するようなポリイソシアネ−ト類の少
なくとも1種以上と、ジメチロールプロピオン酸などの
ような、いわゆるカルボキシル基を有するジオール類と
を、常法により、反応せしめた形の、カルボキシル基を
有する、各種の反応生成物などである。
【0052】ここにおいて、3官能以上のポリウレタン
ポリオールは、たとえば、上記したジオ−ル類を後掲す
る3官能以上のポリイソシアネート化合物類とに付加反
応せしめたり、あるいは上掲したようなトリオール類
を、後掲するような、種々のジイソシアネート類に付加
せしめるということによっても得られる。
【0053】次いで、b) アクリルポリオールとして
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、β−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリレート
またはβ−ヒドロキシプロピルアクリレートなどによっ
て代表されるような水酸基含有アクリル単量体と、
【0054】アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸
またはイタコン酸などのようなカルボキシル基含有単量
体と、さらに、これらと共重合可能なる他のアクリル単
量体とを共重合せしめた形の、カルボキシル基を有する
化合物などである。
【0055】ここにおいて、3官能以上のアクリルポリ
オールは、たとえば、一分子中に上記した水酸基含有ア
クリル単量体を、3個以上を導入するようにして、その
他のアクリル単量体と共重合せしめるとによって得られ
る。
【0056】c) ポリエステルポリオールとして特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、上掲された
如き、各種の多価アルコールのうちの1種以上と、多価
カルボン酸類との共縮合反応により得られる、分子中に
カルボキシル基を残存させた形のポリエステルポリオー
ル類などである。
【0057】ここに言う多価カルボン酸として特に代表
的なもののみ挙げるにとどめれば、こはく酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒド
ロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,
2,5−ヘキサトリカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン
酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4
−シクロヘキサントリカルボン酸または2,5,7−ナ
フタレントリカルボン酸などである。
【0058】3官能以上のポリエステルポリオールは、
多価アルコールとして、上掲したような、各種のトリオ
ール類を用いるか、あるいは、多価カルボン酸として、
上掲したような、各種のトリカルボン酸を用いて、ジカ
ルボン酸またはジオールと共縮合化せしめることによっ
て得られる。
【0059】d) ラクトン変性ポリエステルポリオー
ルとして特に代表的のもののみを例示するにとどえめれ
ば、上掲された如き各種の多価アルコールの1種以上
と、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンもしくは
3−メチル−δ−バレロラクトンの如き、各種のラクト
ン類との重縮合反応によって得られる、分子中にカルボ
キシル基を残存させた形のラクトン系ポリエステルポリ
オール類などである。
【0060】あるいは、上掲された如き、それぞれ、各
種の多価アルコールと多価カルボン酸と、上掲された如
き各種ラクトン類との重縮合反応によって得られる、分
子中にカルボキシル基を残存させた形のラクトン変性ポ
リエステルポリオール類などが挙げられる。
【0061】そして、3官能以上のラクトン変性ポリエ
ステルポリオールは、たとえば、多価アルコールとして
上掲されたようなトリオール類に、上掲したような、各
種のラクトン類を共縮合化せしめることによって得られ
るというような形のものである。
【0062】e) ポリエステルアミドポリオールとし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アミ
ノアルコール、たとえば、エタノールアミンを、上掲し
たポリエステルポリオールの調製用の原料と共縮合化せ
しめることによって得られる、分子中にカルボキシル基
を残存させた形のものなどである。
【0063】ここにおいて、3官能以上のポリエステル
アミドポリオールは、たとえば、上記した3官能以上の
ポリエステルポリオールに、アミノアルコールを共縮合
化せしめることによって得られるというような形のもの
である。
【0064】f) アルキドポリオールとして特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、ひまし油、ヒマ
シ油誘導体、水添ひまし油または水添ひまし油誘導体や
各種の油脂類などと、上掲された多価アルコール類と、
多価カルボン酸類とのエステル化反応によって得られ
る、分子中にカルボキシル基を残存させた形の生成物な
どである。
【0065】ここにおいて、3官能以上のアルキドポリ
オールは、たとえば、各種の油脂類と、多価アルコール
として上掲されたトリオール類とを用いるか、あるいは
多価カルボン酸として上掲されたトリカルボン酸を用い
て、常法により、エステル化反応せしめることによって
得られるというような形のものである。
【0066】g) ポリエーテルポリオールとして特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、ポリオキシ
エチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリ
コール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレ
ングリコールもしくはポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンポリオキシテトラメチレングリコールの如き、
各種のポリエーテルグリコール類の少なくとも1種と、
【0067】後掲するような、各種のポリイソシアネー
ト化合物類の少なくとも1種と、ジメチロールプロピオ
ン酸などのような、分子中にカルボキシル基を有する各
種のジオール類とのウレタン化反応生成物や、上掲した
ような、各種のポリエーテルグリコール類の少なくとも
1種と、各種の多価カルボン酸類との共縮合によって得
られる、分子中にカルボキシル基を有するエステル化反
応物などがである。
【0068】ここにおいて、3官能以上のポリエーテル
ポリオールは、たとえば、上掲したような、各種のポリ
エーテルグリコールを、後掲するような、各種の3官能
以上のポリイソシアネート化合物類に付加反応せしめる
ことによって得られるというような形のものである。
【0069】h) 変性ポリエーテルポリオールとして
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、上掲さ
れたような、各種の多価アルコール類と、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチ
ルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、
ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ルまたはアリルグリシジルエーテルなどと、ジメチロー
ルプロピオン酸などのような、分子中にカルボキシル基
を有する各種のジオール類との開環重合反応によって得
られる、分子中にカルボキシル基を有する変性ポリエー
テルポリオール類などである。
【0070】ここにおいて、3官能以上の変性ポリエー
テルポリオールは、たとえば、エチレノキシド、プロピ
レンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシギル
エーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシ
ジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルまたはアリ
ルグリシジルエーテルなどと、多価アルコールとして上
掲されたような、各種のトリオール類との開環重合反応
によって得られるというような形のものである。
【0071】i) ポリチオエーテルポリオールとして
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、チオジ
グリコールと、上掲したような各種の多価アルコール類
と、各種の多価カルボン酸類と、ホルムアルデヒド、ア
ミノアルコールもしくはアミノカルボン酸と、ジメチロ
ールプロピオン酸などのような、分子中にカルボキシル
基を有する各種のジオール類との縮合反応によって得ら
れる、分子中にカルボキシル基を有するポリチオエーテ
ル類などである。
【0072】また、ポリチオエーテル類として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、チオジグリコー
ルと、ジメチロールプロピオン酸との縮合生成物や、チ
オジグリコールと、ジメチロールプロピオン酸とのほか
に、さらに、各種の多価アルコール類、各種の多価カル
ボン酸類、ホルムアルデヒド、各種のアミノアルコール
類または各種のアミノカルボン酸類との縮合反応によっ
て得られる、分子中にカルボキシル基を有するポリチオ
エーテル類などである。
【0073】ここにおいて、3官能以上のポリチオエー
テルポリオールは、たとえば、多価アルコールとして上
掲されたような、各種のトリオール類を用いるか、ある
いは多価カルボン酸として上掲されたような、各種のト
リカルボン酸類を用いて共縮合せしめることによって得
られるというような形のものである。
【0074】j) ポリカーボネートポリオールとして
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、上掲し
たような各種の多価アルコール類と、ジメチロールプロ
ピオン酸などのような、カルボキシル基を有する各種の
ジオール類とを、ジフェニルカーボネートなどのよう
な、各種のジアリールカーボネート類あるいはホスゲン
と共に、反応せしめるということによって得られる、分
子中にカルボキシル基を有する生成物などである。
【0075】ここにおいて、3官能以上のポリカーボネ
ートポリオールは、たとえば、多価アルコールとして上
掲したような、各種のトリオールを用いて反応させるこ
とによって得られるというような形のものである。
【0076】k) ポリアセタールポリオールとして特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレン
グリコールまたはヘキサンジオールと、ジメチロールプ
ロピオン酸などのような、分子中にカルボキシル基を有
するジオール類とを、ホルムアルデヒドと共に反応せし
めるということによって製造されるものなどである。
【0077】また、当該ポリアセタールポリオールは、
環状アセタールの重合反応によっても製造し得るという
ものであるが、ここにおいて、3官能以上のポリアセタ
ールポリオールは、たとえば、上記の原料のうちの一つ
として、上掲したような各種のトリオール類を用いて、
それらを反応せしめるということによって得られるよう
な形のものである。
【0078】l) ポリオレフィンポリオールとして特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、水酸基を
末端に有するブタジエン・ホモポリマーないしはコポリ
マーと、マレイン酸もしくはイタコン酸などのような、
分子中にカルボキシル基を有する、各種の単量体類を共
重合せしめることによって得られるというような形の、
分子中にカルボキシル基を有するものなどである。
【0079】ここにおいて、3官能以上のポリオレフィ
ンポリオールは、たとえば、前掲したような、各種の水
酸基含有アクリル単量体類の3個以上を導入せしめる
か、あるいは、後掲するような、3官能以上の各種のポ
リイソシアネート化合物類に、上掲したような、各種の
末端水酸基含有ブタジエン・ホモポリマーないしはコポ
リマーを付加反応させることによって得られるというよ
うな形のものである。
【0080】m) エポキシ変性ポリエステルポリオー
ルとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェ
ノールA型エポキシ化合物、一価および/または多価ア
ルコール類のグリシジルエーテル、あるいは一塩基酸類
および/または多塩基酸類のグリシジルエステルの如
き、各種のエポキシ化合物の1種以上を、上掲したよう
なポリエステルポリオールの合成時において、併用して
得られるというようなものなどである。
【0081】ここにおいて、3官能以上のエポキシ変性
ポリエステルポリオールは、たとえば、上掲したよう
な、3官能以上のポリエステルポリオールの合成時にお
いて、上掲したような、各種のエポキシ化合物の1種以
上を併用するということによっても得られる。
【0082】n) シリコーンポリオールとして特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、分子中にシロ
キシ結合を有するという形のポリオール類などであり、
反応性基を有するシリコ−ン化合物を、上掲したよう
な、それぞれのポリオール化合物の原料の一部として用
いて、それらを反応せしめることによって得られるとい
う形の、種々のシリコーンポリオールなどである。
【0083】また、反応性基を有するシリコン化合物と
して特に代表的なもののみを示すにとどめれば、まず、
水酸基を有するシリコ−ン化合物としては、「X−22
−160−AS、X−22−160A、X−22−16
0BもしくはX−22−160C」など[信越シリコー
ン(株)製の商品名]や、「SH−3746、SF−8
428、SH−3771、BY−16−036、BY−
16−027もしくはBY−16−038」[東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製の商品名]などであ
り、
【0084】さらに、アミノ基を有するシリコーン化合
物として特に代表的なもののみを示すにとどめれば、
「X−22−161AS、X−22−161A、X−2
2−161BもしくはX−22−161−C」[信越シ
リコーン(株)製の商品名]などや、「BY−16−8
28、BY−16−850、BY−16−8417、B
Y−16−849もしくはBY−16−872」[東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製の商品名]など
であるし、
【0085】さらにまた、グリシジル基を有するシリコ
ーン化合物として特に代表的なもののみを示すにとどめ
れば、「X−22−163AS、X−22−163A、
X−22−163BもしくはX−22−163C」[信
越シリコーン(株)製の商品名]や、「SF−8413
もしくはSF−8411」[東レ・ダウコーニング・シ
リコーン(株)製の商品名)などであるし、
【0086】また、ビニル基を有するシリコ−ン化合物
として特に代表的なもののみを示すにとどめれば、「X
−22−164AS、X−22−164A、X−22−
164BもしくはX−22−164C」[信越シリコー
ン(株)製の商品名]などであるし、
【0087】さらに、チオール基を有するシリコーン化
合物として特に代表的なもののみを示すにとどめれば、
「X−22−167AS、X−22−167A、X−2
2−167BもしくはX−22−167C」[信越シリ
コーン(株)製の商品名]などである。
【0088】ここにおいて、3官能以上のシリコーンポ
リオールは、たとえば、上掲したような、3官能性以上
の各種のポリール化合物の合成時において、該ポリール
化合物に、上掲したような、反応性を有する各種のシリ
コーン化合物を反応せしめるということによっても得ら
れる。
【0089】o) フッ素ポリオールとしては、分子中
にフッ素原子を有するポリオール類であるが、それらの
うちでも特に代表的なもののみを示すにとどめれば、フ
ッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプポピレン、アルキ
ル基の炭素数が1〜18なる(パー)フルオロアルキル
エーテル類またはアルキル基の炭素数が1〜18なるパ
ーフルオロアルキル・トリフルオロビニルエーテル類な
どによって代表されるような、各種のフッ素ビニル単量
体と、水酸基含有ビニル単量体と、カルボキシル基含有
ビニル単量体と、さらには、これらの各単量体類と共重
合可能なる他のビニル系単量体とを共重合せしめること
によって得られるという形の、分子中にカルボキシル基
を有するフッ素ポリオールなどである。
【0090】ここにおいて、3官能以上のフッ素ポリオ
ールは、たとえば、一分子中に水酸基含有ビニル単量体
を3個以上導入するように、他のビニル単量体と共重合
させることによって得られる。
【0091】本発明においては、これらの、(a)から
(o)にかけて示したような、各種のイオン形成性を有
するポリオール化合物(A)を、単独で以て使用しても
よいし、あるいは各種のイオン形成性ポリオール化合物
(A)の2種以上を併用してもよいことは、勿論であ
る。
【0092】ここにおいて、当該イオン形成性を有する
ポリオール化合物(A)の数平均分子量としては、大約
500〜大約10,000なる範囲内、好ましくは、
1,000〜30,000なる範囲内、さらに好ましく
は、2,000〜10,000なる範囲内のものである
ことが、ポリマー微粒子内部の充分なる架橋化にために
も好適である。
【0093】また、当該ポリオール化合物(A)は、有
機溶剤に溶解され、希釈された形で、反応に用いられて
もよいことは、勿論である。
【0094】そして、当該ポリオール化合物(A)中に
含有されるイオン形成性基は、そのままの形で以て使用
しても、あるいは此のイオン形成性基が、カルボキシル
基などのような酸基の場合においては、
【0095】アミンやアンモニアなどのような、種々の
塩基で中和して、塩の形で以て使用してもよいし、さら
には、トリエチルアミンなどのような、各種の3級アミ
ンで中和して、4級アンモニウム塩の形で以て使用して
もよいことは、勿論である。
【0096】これらのイオン形成性基が、ポリオール化
合物の分子中に、1個以上、導入されるということによ
って、微小なる微粒子として、水中に分散化せしめるこ
とが可能となる。
【0097】こうしたイオン形成性基としては、就中、
カルボキシル基が、種々の微粒子の性能面でのバランス
化が図り得易く、特に望ましいものであると言える。
【0098】イオン形成性基として、斯かるカルボキシ
ル基を用いるという場合には、イオン形成性基を有する
当該ポリオール化合物(A)の不揮発分(以下、固形分
ともいう。)の酸価としては、大約15〜大約100な
る範囲内、好ましくは、20〜60なる範囲内が適切で
ある。
【0099】これらのイオン形成性基を有するポリオー
ル化合物(A)の樹脂系として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、ポリエステルポリオール類、ポ
リウレタンポリオール類またはヒドロキシル基含有ビニ
ル共重合体などである。
【0100】一方、前記したポリイソシアネート化合物
(B)を構成するイソシアネート類としては、それら自
体が公知であるようなものは、いずれも使用しうるが、
それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、
【0101】トリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タン−4,4'−ジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、ジベンジルジイソシ
アネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−
もしくはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、またはトリフェニルメタントリイソシアネートの如
き、各種の芳香族ジ−ないしはトリイソシアネート化合
物(ジ−ないしはトリイソシアネート・モノマー類)
や、
【0102】水添トリレンジイソシアネート、水添ジフ
ェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、1,4−
テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネー
ト、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネートまたは
イソホロンジイソシアネートの如き、各種の脂肪族また
は脂環式ジイソシアネート化合物(ジイソシアネート・
モノマー)類などである。
【0103】本発明においては、ポリイソシアネート化
合物(B)を、単独で以て使用してもよいし、あるいは
2種以上を併用してもよいことは、勿論である。
【0104】さらには、これらの各種モノマー類に基づ
く、3官能以上のポリイソシアヌレート型ポリイソシア
ネート化合物またはビューレット型ポリイソシアネート
化合物の如き、各種の変性ポリイソシアネート化合物類
や、さらにはまた、上掲したような、各種のイソシアネ
ート・モノマー類や変性ポリイソシアネート化合物類な
どの1種以上と、上掲したような、各種の多価アルコー
ル、ポリウレタンポリオール、アクリルポリオール、ポ
リエステルポリオール、
【0105】ラクトン変性ポリエステルポリオール、ポ
リエステルアミドポリオール、アルキドポリーオール、
ポリエーテルポリオール、変性ポリエーテルポリオー
ル、ポリチオエーテルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリアセタールポリオール、ポリオレフィン
ポリオール、エポキシ変性ポリオール、
【0106】シリコンポリオールまたはフッ素ポリオー
ルの如き、各種のポリヒドロキシ化合物の1種以上と
を、ウレタン化反応せしめるということによって得られ
る、末端イソシアネート基を有する、ウレタン変性ポリ
イソシアネート化合物のプレポリマー類などであり、こ
れらは単独使用でも、2種以上の併用でもよいことは勿
論である。
【0107】当該ポリイソシアネート化合物(B)の選
択に当たって、とりわけ、耐候性や機械的物性などを考
慮した場合には、原料イソシアネート・モノマーの種類
としては、脂肪族系および/または脂環式系のものの使
用が、特に好適である。
【0108】さらに、とりわけ、取扱い上の安全性や、
毒性などを考慮した場合には、当該ポリイソシアネート
化合物(B)としては、たとえば、イソシアネート・モ
ノマーと、各種のポリヒドロキシ化合物の1種以上と
を、いわゆるウレタン化反応せしめるということによっ
て得られる、末端イソシアネート基を有する、ウレタン
変性ポリイソシアネート化合物のプレポリマー類の使用
が、特に望ましい。
【0109】3官能以上のポリイソシアネート化合物と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ト
リフェニルメタントリイソシアネートなどのような、各
種のトリイソシアネート・モノマー類や、上掲したよう
な、各種のジイソシアネート・モノマー類に基づく、3
官能以上のポリイソシアヌレート型ポリイソシアネート
化合物類、
【0110】あるいはウレタン化合物中のウレタン結合
や尿素結合などのような、いわゆる活性水素に、上述し
たような、各種のジイソシアネート・モノマー類を付加
反応せしめることによって得られる、3官能以上に分岐
(分枝)させた形の、それぞれ、アロファネート型ポリ
イソシアネート化合物や、ビューレット型ポリイソシア
ネート化合物などのような、各種の変性ポリイソシアネ
ート化合物類や、
【0111】さらには、上掲されたようなトリオール類
や、3官能以上のポリオール類などの1種以上と、上掲
したような、各種のジイソシアネート・モノマー類の1
種以上とを付加反応せしめるということによって得られ
る、3官能以上のアダクト型ポリイソシアネート化合物
類などである。
【0112】かくして得られるポリウレタンポリ尿素架
橋微粒子分散体(I)が、特に、強靱性などに優れると
いうようなものであるためには、ポリイソシアネート化
合物(B)としては、その数平均分子量が約100〜大
約2,000なる範囲内に、好ましくは、150〜1,
800なる範囲内に、さらに好ましくは、200〜1,
500なる範囲内にあるということが望ましい。
【0113】本発明においては、イオン形成性を有する
ポリオール化合物(A)のヒドロキシ基当量と、ポリイ
ソシアネート化合物(B)のイソシアネート基当量との
比率が、約0.1:1〜約0.9:1なる範囲内、好ま
しくは、0.1:1〜0.8:1なる範囲内、さらに好
ましくは、0.2:1〜0.7:1なる範囲内となるよ
うにして、これらのポリオール化合物(A):ポリイソ
シアネート化合物(B)なる両成分比を設定して混合せ
しめ、これら両成分の混合物それ自体が、三次元架橋化
し得るような組成にするということが、望ましい。
【0114】すなわち、斯かる混合物を、完全にウレタ
ン化反応せしめた際において、ゲル状物となり、もは
や、溶剤には溶解しないというような形の配合にすると
いうことが、是非とも、必要である。
【0115】有機相を設計するに当たっての、上述した
ような条件は、後述するポリアミン化合物(C)の添加
による界面重縮合だけで以ては、決して、得られない内
部架橋状態を得るための必須の条件であり、本発明の基
本的要件でもある。
【0116】この際に、界面重合反応を、無理なく、実
行せしめるというためには、上述したような範囲内の、
過剰なるイソシアネート基の存在が必要であり、こうし
た範囲は、微粒子の外壁が、速やかに形成されるべく設
定されているというものである。
【0117】また、本発明においては、粒子内部におけ
るウレタン化反応を三次元的に進行せしめるということ
で以て、従来型技術によっては、決して、得られなかっ
た粒子全体の強靱性や耐溶剤性などの向上化が図られて
いるということである。
【0118】こうした、粒子内部の三次元的ウレタン化
反応のために用いられる、イオン形成性を有するポリオ
ール化合物および/またはポリイソシアネート化合物
は、それらのすべてのものが、3官能以上の官能基を有
するという必要はないけれども、少なくともその一部
は、3官能以上の官能基を有する、イオン形成性を有す
るポリオール化合物および/またはポリイソシアネート
化合物であるという必要がある。
【0119】すなわち、使用する反応成分として、3官
能以上の官能基を有する、イオン形成性を有するポリオ
ール化合物および/またはポリイソシアネート化合物
を、イオン形成性を有するポリオール化合物(A)およ
び/またはポリイソシアネート化合物(B)との総量中
の、少なくとも約0.1モル%以上、好ましくは、0.
2モル%以上、さらに好ましくは、0.3モル%以上と
なるように用いて、その残りとしては、2官能性のイオ
ン形成性を有するポリオール化合物および/またはポリ
イソシアネート化合物を用いて、良好なる粒子内部の三
次元架橋構造持った、ポリウレタンポリ尿素架橋微粒子
分散体(I)を得ることが出来る。
【0120】本発明において言う「三次元架橋構造」と
は、アセトン中に、24時間のあいだ浸漬せしめること
による、いわゆるゲル分率測定法で以て、此のゲル分率
が約60%以上、好ましくは、70%以上、さらに好ま
しくは、90%であるというものを指称する。
【0121】有機相中における、ポリイソシアネート化
合物(A)中に存在するイソシアネート基が、後述する
ポリアミン化合物(C)との界面重合反応の進行に伴っ
て、順次、消費されるということによって、粒子内部の
イソシアネート基とヒドロキシ基との当量比が接近し
て、粒子内部の架橋密度が、ウレタン化反応の進行に伴
って、さらに増大化し、ひいては、本発明のポリレタン
ポリ尿素架橋微粒子分散体(I)の、とりわけ、強靱性
や耐久性などの諸物性が、より一層、向上化するという
ものである。
【0122】このような設計思想に基づいて混合された
有機相を、水相中に微細分散化せしめ、該有機相中に含
まれる、過剰なるイソシアネート基の1当量につき、ポ
リアミン化合物(C)が、約0.2〜約1.0当量、好
ましくは、0.3〜1.0当量、さらに好ましくは、
0.4〜0.9当量となるように、此のポリアミン
(C)を添加せしめて、粒子界面における尿素化反応を
行い、また、粒子内部でウレタン化反応を実施すること
によって、極めて強靱なポリウレタンポリ尿素架橋微粒
子分散体が得られる。
【0123】本発明において使用する好適なポリアミン
化合物(C)は、公知慣用のジアミン、ポリアミン化合
物またはそれらの混合物であるが、それらのうちでも特
に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、1,2−エ
チレンジアミン、ビス−(3−アミノプロピル)−アミ
ン、ヒドラジン、ヒドラジン−2−エタノール、ビス−
(2−メチルアミノエチル)−メチルアミン、1,4−
ジアミノシクロヘキサン、3−アミノ−1−メチルアミ
ノプロパンまたはN−ヒドロキシエチルエチレンジアミ
ン、
【0124】N−メチル−ビス−(3−アミノプロピ
ル)−アミン、テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、1−アミノエチル−1,2−エチレンジア
ミン、ビス−(N, N’−アミノエチル)−1,2−
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチ
レンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、フェニレ
ンジアミン、トリレンジアミン、2,4,6−トリアミ
ノトルエントリハイドロクロライド、1,3,6−トリ
アミノナフタレンまたはイソホロンジアミン、
【0125】キシリレンジアミン、水添キシリレンジア
ミン、4,4’−ジアミノフェニルメタンまたは水添
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、あるいは「X−
22−161−AS、X−22−161A、X−22−
161BもしくはX−22−161C」[信越シリコー
ン(株)製の商品名]や、「BY−16−828、BY
−16−850、BY−16−8417、BY−16−
849もしくはBY−16−872」[東レ・ダウコー
ニング・シリコーン(株)製の商品名]などのような、
種々のシリコーン系ポリアミン化合物類、
【0126】さらには、ジエチレントリアミンなどのよ
うな、各種のポリアミン化合物類に、パーフルオロオク
チルクロライドやパーフルオロオクチルスルホライドな
どのような、種々のパーフルオロアルキル化合物を付加
反応せしめることによって得られるという形の化合物な
どによって代表されるようなフッ素系ポリアミン化合物
類などの、ポリアミン化合物モノマーの誘導体などであ
るが、とりわけ、耐候性などの観点からは、脂肪族系お
よび/または脂環族系の化合物の使用が、特に望まし
い。
【0127】水相中に分散されるべき有機相に、必要に
応じて、非反応性の有機溶剤を添加することによって、
系内の粘度を低減化せしめ、ひいては、水相への分散性
を向上化せしめるということも出来る。
【0128】ここにおいて、使用できる有機溶剤として
は、勿論、イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、有機金属触
媒、ならびにポリアミン化合物(C)と非反応性の溶剤
であればよい。
【0129】これらの溶剤として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、エステル、エーテル、ケトン
系、芳香族系または脂肪族系炭化水素など好適であり、
就中、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケト
ン、アセトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジフェニ
ルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンまたはミネラ
ルスピリットなどの使用が望ましい。
【0130】これらの有機溶剤は、必要に応じて、微粒
子形成中に、あるいは微粒子形成後において、加熱や減
圧などの処理を通して、さらには、溶剤置換などによっ
て、除去あるいは置換してもよいことは、勿論である。
【0131】有機相が分散化されるべき水相は、ノニオ
ン系、アニオン系またはカチオン系の、各種の界面活性
剤や、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセル
ロース、カルボキシアルキルセルロース、アラビアゴ
ム、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルピロリドンおよびエチレン−無水マレイン酸共重合体
などのような、いわゆる保護コロイドよりなる群から選
ばれる、少なくとも1種以上の化合物を含有しても差し
支えないが、特に、耐水性などを必要とする場合には、
上記した界面活性剤や保護コロイドなどの使用は、望ま
しくない。
【0132】本発明は、微粒子内部において、積極的
に、ウレタン化反応せしめるということ、つまり、微粒
子内部での、積極的なるウレタン化反応の達成に特徴を
有するというものであるが、公知の如く、ヒドロキシル
基とイソシアネート基とのウレタン化反応は、特に、イ
ソシアネート基が脂肪族あるいは脂環族系に基づく場合
には、アミノ基との尿素化反応に比較して、反応速度が
遅いという傾向にあるものである。
【0133】また、周知の如く、水とイソシアネート基
との反応性は、ヒドロキシル基との反応性に比較して極
めて遅く、しかも、ポリアミン化合物の添加によって形
成化される外壁による隔離効果により、水分の微粒子内
部への浸透は無視できるという処から、反応温度を上
げ、時間をかけることによって、微粒子内部でのウレタ
ン化反応を実施し、遂行せしめるという、本発明の目的
は達成できるけれども、有機金属触媒の使用が望まし
い。
【0134】ここにおいて、上記有機金属触媒として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、イソシア
ネート基とヒドロキシル基との反応を促進化せしめ得る
ものとして公知慣用の、ナフテン酸コバルト、ナフテン
酸亜鉛、塩化第一錫、塩化第二錫、テトラ−n−ブチル
錫、トリ−n−ブチル錫アセテート、n−ブチル錫トリ
クロライド、トリメチル錫ハイドロオキサイド、ジメチ
ル錫ジクロライド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル
錫ジラウレート、オクテン酸錫またはカリウムオレエー
トなどであり、斯かる化合物の1種以上が用いられる。
【0135】当該有機金属触媒を、有機相に対して、約
5〜約10,000ppmなる範囲内、好ましくは、1
0〜5,000ppmなる範囲内、さらに好ましくは、
30〜1,000ppmなる範囲内で以て添加するとい
うことにより、極めて短時間に、強靱なる架橋微粒子が
形成されるということである。
【0136】その際の当該触媒の添加方法としては、有
機相を水相中に分散化せしめる工程と、ポリアミン化合
物(C)を添加する工程との中間で以て行うというのも
一方法であって、このようにすることによって、ポリウ
レタンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)を得ることが出
来るけれども、当該触媒を、水分散化(微細分散化)に
先立って、有機相中に添加せしめるという方法によるの
が、一層、望ましい。
【0137】このような、水分散化(微細分散化)に先
立っての、当該触媒の有機相への添加は、水相への分散
化後において当該触媒を添加するというよりも、水の影
響がなく、有機相中における、それぞれ、イオン形成性
を有するポリオール化合物(A)とポリイソシアネート
化合物(B)との混合物に、当該触媒が、均質に分散で
きるということから、微粒子内部の架橋化が均質なもの
となり、ひいては、高品質のポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体(I)を得るという処となって、より好ま
しい結果を与える処となる。
【0138】ポリアミン化合物(C)を添加した後の、
当該触媒の添加は、微粒子外壁が形成されつつあるとい
う状態で以てのために、当該触媒が、粒子内部に取り込
まれ難くなり、ひいては、微粒子内部でのウレタン化反
応の促進性向(促進化能)が低下するという傾向にある
処から、望ましくない。
【0139】本発明によれば、有機相を構成するイオン
形成性を有するポリオール化合物(A)中のイオン形成
性基の種類、使用量、中和度、あるいは分散工程での攪
拌速度や、さらには、反応温度などの諸条件を、適宜、
選択するということにより、ポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体(I)の架橋密度、ならびに粒子径を、自
由に設計し調整せしめることが出来る。
【0140】本発明において得られる、此のポリウレタ
ンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)の平均粒子径は、動
的光散乱測定法による測定としての、たとえば、大塚電
子(株)製の粒度分布計である、「Photal LA
P−3000/3100」で以て測定される値が、通
常、約1μmm以下であり、好ましくは、0.01〜
0.8μmmなる範囲内、さらに好ましくは、0.05
〜0.5μmmなる範囲内が好適であり、斯かる領域の
ものが、とりわけ、耐薬品性などに優れたフィルム形成
能を有しているので、望ましいということである。
【0141】この平均粒子径が1μmmを超えて余りに
大きくなる場合には、どうしても、此のポリウレタンポ
リ尿素架橋微粒子分散体(I)のフィルム形成能が悪く
なり、ひいては、均質なる塗膜が得ら難くなり、結果と
して、充分なるフィルム性能を有するというものが得ら
れ難くない。当該粒子径は、用途に応じて、適宜、調整
するというようにすればよい。
【0142】本発明において得られる、当該ポリウレタ
ンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)は、当該分散体
(I)の必須の構成成分である、それぞれ、イオン形成
性を有するポリオール化合物(A)、ポリイソシアネー
ト化合物(B)およびポリアミン化合物(C)の種類
や、それぞれの使用量などを、適宜、調整ないしは調節
せしめるによって、当該微粒子単独であっても、とりわ
け、耐水性や耐溶剤性などに優れる、実用性の高いフィ
ルム形成能を有するというものが得られる。
【0143】当該ポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散
体(I)の調製は、概略、次のようにして実施されると
いうものである。
【0144】(1) 3官能以上の官能基を有する、イ
オン形成性を有するポリオール化合物(A)および/ま
たはポリイソシアネート化合物(B)を用いて、イオン
形成性を有するポリオール化合物(A)と、ポリイソシ
アネート化合物(B)とを、必要に応じて、非反応性の
有機溶剤の共存下で、化学量論的に、ポリオール化合物
(A)の水酸基に対して、ポリイソシアネート化合物
(B)のイソシアネート基が過剰となるような量比で以
て混合したのちに、必要に応じて、有機金属触媒を混合
せしめることによって、有機相を調製する。
【0145】(2) 攪拌されている水相中に、此の有
機相を、徐々に投入して行って、水相に分散化せしめる
ということによって、分散層を形成する。
【0146】ここにおいて、斯かる水相への分散化は、
約10〜約35℃なる、室温付近で以て行うことが、分
散系の安定化を図る見地からも望ましい。こうした有機
相の、水相への分散化は、たとえば、プロペラ型汎用攪
拌機の如き、適当なる分散化手段で以て、簡便に、行う
ことが出来る。
【0147】(3) 次いで、約10〜約35℃の温度
で、攪拌下に、分散層に対して、ポリアミン化合物
(C)を添加するというものであるが、その際には、特
に、該ポリアミン化合物(C)を、有効成分が5〜70
%とになるように、予め、水ないしは有機溶剤によって
希釈した形で以て、添加せしめるというようにするのが
望ましい。
【0148】(4) しかるのち、反応温度を約40〜
約95℃、好ましくは、50〜90℃、さらに好ましく
は、60〜80℃なる範囲内にまで昇温し、その温度に
おいて、通常、約1時間から数時間のあいだ保持し、好
ましくは、微粒子内に遊離のイソシアネート基が検出さ
れなくなるまで、攪拌を行い、反応を続行せしめるとい
うことによって、微粒子外壁ならびに微粒子内部の反応
を終了させるようにする。
【0149】(5) その後は、必要に応じて、有機溶
剤を、減圧蒸留により除去せしめるか、あるいは、その
他の有機溶剤または水で以て置換し、所望の約1μmm
以下なる平均粒子径を有するポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体(I)を得るということが出来る。
【0150】次に、水性ベースコート塗料組成物のうち
で、ポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体(I)と併
用するということによって、とりわけ、優れた機械的強
度ならびに耐溶剤性などの諸効果を発現することが出来
る成分としては、それぞれ、水酸基および/またはカル
ボキシル基含有樹脂(II)と、水酸基および/または
カルボキシル基と反応性を有する硬化剤(III)とが
ある。
【0151】これらのうちで以て、まず、水酸基および
/またはカルボキシル基含有樹脂(II)として特に望
ましいものは、基本的には、叙上のような特定の官能基
を有するというものであれば、特に問題は無いけれど
も、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂または
ポリウレタン樹脂などをはじめ、
【0152】さらには、塩素化ポリオレフィン変性ポリ
エステル樹脂、ポリカプロラクトン変性ポリエステル樹
脂またはウレタン変性ポリエステル樹脂などのような、
種々の変性ポリエステル樹脂などといった形のものがあ
るが、これらは単独で以て、あるいは2種以上の併用と
いう形で以て用いることが出来、これらの樹脂中に、水
酸基を、さらに必要に応じて、カルボキシル基をも導入
せしめるというようにした形のものが適切である。
【0153】まず、アクリル樹脂とは、たとえば、アク
リル系モノマーおよび水酸基含有モノマーを用いて、さ
らに必要に応じて、カルボキシル基をも併存させた形
で、常法に従って、共重合せしめるということによって
得られる形のものを指称する。
【0154】ここにおいて、上記アクリル系モノマーと
して特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、
アクリル酸もしくはメタクリル酸の、C2 〜C18なるア
ルキルエステル類;アクリル酸もしくはメタクリル酸の
アルコキシアルキルエステル類;
【0155】グリシジル(メタ)アクリレートと、C2
〜C18なるモノカルボン酸との付加物;あるいは「カー
ジュラー E」(オランダ国シェル石油化学社製の、分
枝状脂肪族モノカルボン酸のグリシジルエステル類の商
品名)と、アクリル酸もしくはメタクリル酸との付加物
などであるし、
【0156】さらには、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、アリルグリシジ
ルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキ
シメチルアクリルアミドまたはアクリロニトリルなどの
ような、公知慣用の、その他の種々のビニルモノマーを
も併用することが出来る。
【0157】上記した水酸基含有モノマーとして特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートまたは4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレートなどのような、(メタ)アクリル酸の種々
のヒドロキシアルキルエステルなどであり、また、上記
したカルボキシル基含有モノマーとして特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸またはフマル酸、あるいはマレイン酸
のモノアルキルエステルまたはフマール酸のモノアルキ
ルエステルなどである。
【0158】上記したポリエステル樹脂とは、多塩基酸
と、多価アルコールとを、常法により、反応せしめるこ
とによって得られるという形のものを指称するが、ま
ず、上記多塩基酸としては、一分子中に2個以上のカル
ボキシル基を有する化合物が用いられるというものであ
って、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、
【0159】無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、イソフタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水ト
リメリット酸、メチレントリシクロヘキセントリカルボ
ン酸無水物、無水ピロメリット酸、イタコン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、無水ハイミック酸、無水こはく酸または無水ヘ
ット酸などであるし、
【0160】他方、多価アルコールとしては、一分子中
に2個以上の水酸基を有する化合物が用いられるという
ものであって、それらのうちでも特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコ
ール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたはソ
ルビトールなどである。
【0161】そして、当該ポリエステル樹脂としては、
一塩基酸、脂肪酸または油成分などのような、いわゆる
モノカルボン酸で以て変性せしめた形のものであっても
差し支えが無いことは、勿論である。
【0162】また、当該ポリエステル樹脂中への、それ
ぞれ、水酸基の導入は、たとえば、一分子中に3個以上
の水酸基を有する多価アルコールを用いるということに
よっても容易に、行うことが出来るし、他方、カルボキ
シル基の導入は、たとえば、一分子に3個以上のカルボ
キシル基を有する多塩基酸の付加反応によっても、容易
に、行うことが出来る。
【0163】前記したポリウレタン樹脂は、たとえば、
ウレタン結合ならびに水酸基を併有するという形のもの
であって、あるいは、さらには、カルボキシル基をも有
するという形のものであって、たとえば、前掲したよう
な多価アルコールと、後掲するようなポリイソシアネー
ト化合物とを、水酸基濃度が過剰となるようにして反応
せしめたり、
【0164】その逆に、イソシアネート基濃度が過剰と
なるようにして反応せしめたのちに、ジメチロールプロ
ピオン酸またはジフェノール酸などのような、種々のオ
キシ酸を併用して、水酸基とカルボキシル基との双方を
持たせるということが出来る。
【0165】前記した塩素化ポリオレフィン変性アクリ
ル樹脂とは、たとえば、塩素化ポリオレフィンに、アク
リル系モノマーをグラフト重合せしめた形のものである
が、この際のアクリル系モノマーをグラフト重合せしめ
るべき塩素化ポリオレフィンとしては、塩素化率が約5
0%以下、好ましくは、10〜50%なる範囲内の、さ
らに好ましくは、20〜40%なる範囲内のポリオレフ
ィンの使用が、特に望ましい。
【0166】塩素化するべき此のポリオレフィンとして
特に代表的なもののみ例示するにとどめれば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン
または3−メチル−1−ヘプテンなどを用いて得られる
ものであり、斯かるオレフィン類の単独重合体または共
重合体、あるいは該オレフィン類と、酢酸ビニル、ブタ
ジエンまたは(メタ)アクリル酸エステルなどとの共重
合体などのようなものが、特に代表的なるものとして挙
げられる。
【0167】こうした塩素化は、常法によって行われる
が、塩素化ポリオレフィンとして特に代表的なもののみ
例示するにとどめれば、塩素化ポリエチレン、塩素化エ
チレン−プロピレン共重合体、塩素化ポリプロピレンま
たは塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体などであり、
こうした形のものの使用が、特に好適である。
【0168】塩素化ポリオレフィンに、グラフト重合せ
しめるべきアクリル系モノマーとしては、前掲したよう
な化合物を、そのまま、使用することが出来るし、これ
らのアクリル系モノマーと共に、たとえば、水酸基含有
モノマーまたはカルボキシル基含有モノマーあるいはそ
の他のビニルモノマーもまた、併用することが出来る
が、これらの全モノマー成分の使用量としては、塩素化
ポリオレフィンとの合計量に基づいて、約90〜約10
重量%なる範囲内が、好ましくは、80〜30重量%な
る範囲内が適切である。
【0169】前記したポリカプロラクトン変性アクリル
樹脂として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのよう
な、各種の水酸基含有モノマーと、ε−カプロラクトン
との付加物を、単独で以て重合せしめた形の樹脂、ある
いはその他の不飽和モノマーをも用いて、これらを共重
合せしめた形の樹脂などであるが、当該変性アクリル樹
脂中への水酸基および/またはカルボキシル基の導入
は、たとえば、上記したような付加物に対して、水酸基
含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーを共重
合せしめるということによって行われる。
【0170】前記したウレタン変性アクリル樹脂として
特に代表的なもののみ例示するにとどめれば、ジイソシ
アネート化合物と、モノアルコールとの等モル反応生成
物に対して、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど
のような、種々の水酸基含有モノマーを付加反応せしめ
ることによって得られる部類の生成物を共重合せしめる
という形のアクリル樹脂などをはじめとし、
【0171】さらには、水酸基含有アクリル樹脂に、ヘ
キサメチレンジイソシアネートなどのような、各種のポ
リイソシアネート化合物またはブチルイソシアネートな
どのような、各種のモノイソシアネート化合物を反応せ
しめるということによって、ウレタン結合を導入せしめ
た形のアクリル樹脂などである。
【0172】前記したカプロラクトン変性ポリエステル
樹脂として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、水酸基含有ポリエステル樹脂を、適切なる触媒の存
在下に、ε−カプロラクトンと反応せしめた形の樹脂な
どである。
【0173】前記したウレタン変性ポリエステル樹脂と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、比
較的低分子量のポリエステル(ないしはポリエステル樹
脂)中の水酸基に、ヘキサメチレンジイソシアネートな
どのような、種々のポリイソシアネート化合物を反応せ
しめるということによって、該ポリエステル(ないしは
ポリエステル樹脂)中に、ウレタン結合を導入せしめた
形の樹脂などである。
【0174】本発明の水性ベースコート組成物を調製す
るに当たっては、前述したポリウレタンポリ尿素架橋微
粒子分散体(I)と併用するべき、上掲したような種々
の、水酸基および/またはカルボキシル基を有する水性
樹脂(II)のうちでも、特に、アクリル樹脂、塩素化
ポリオレフィン変性アクリル樹脂またはポリエステル樹
脂を用いるのが望ましい。
【0175】就中、塩素化ポリオレフィン変性アクリル
樹脂を用いるという場合には、とりわけ、ポリオレフィ
ン系などのような、いわゆる非極性プラスチックとの付
着性などが優れるということである。
【0176】これらの水性樹脂(II)において、当該
樹脂の水酸基価としては、約10〜約200なる範囲内
が、好ましくは、30〜100なる範囲内が適切であ
る。一方、該樹脂の酸価としては、約5〜約200なる
範囲内が、好ましくは、20〜100なる範囲内が適切
である。
【0177】また、当該水酸基および/またはカルボキ
シル基を有する水性樹脂(II)の数平均分子量として
は、大約2,000〜大約50,000なる範囲内が、
好ましくは、5,000〜40,000なる範囲内が適
切である。
【0178】斯かるカルボキシル基は、その一部ないし
は全部を、塩基性化合物で以て中和せしめることによっ
て、上記した樹脂を、水分散化、あるいは水溶化せしめ
るということが出来る。
【0179】次いで、前記した、水酸基および/または
カルボキシル基と反応性を有する硬化剤(III)とし
ては、このような定義に当てはまるようなものであれ
ば、決して、限定されるというものではないが、それら
のうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、
【0180】「ニカラック MW−300」[日本カー
バイド工業(株)製の商品名]または「スミマール M
−100C」[住友化学工業(株)製の商品名]などの
ような、種々のヘキサメトキシメラミン樹脂;
【0181】あるいは「スミマール M−40Wもしく
はM−30W」(同上社製品)などのような、種々の遊
離メチロール基含有メチメトキシメラミン樹脂などであ
る。
【0182】また、水/メタノール=35/65(重量
部比)なる混合溶剤による希釈率が20以下なる、疎水
性のメラミン樹脂を、水溶性樹脂などで以て水分散化せ
しめた形のメラミン樹脂なども、勿論ながら、使用する
ことが出来る。
【0183】さらには、水溶性の多官能エポキシ化合物
もまた、使用することができるし、水分散型ブロック・
ポリイソシアネート化合物ないしは樹脂などもまた、使
用することが出来る。
【0184】そして、本発明に係る水性ベースコート樹
脂組成物には、勿論、いわゆるメタリック顔料類の着色
剤類を配合せしめることが出来るが、斯かるメタリック
類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、アルミニウム・フレーク、銅ブロンズ・フレークま
たはマイカ・フレークなどをはじめ、さらには、金属酸
化物を被覆したマイカ・フレークあるいは雲母状酸化鉄
などである。
【0185】また、着色顔料類として特に代表的なもの
のみ例示するにとどめれば、酸化チタン、酸化鉄、酸化
クロム、クロム酸鉛またはカーボン・ブラックの如き、
各種の無機顔料系;あるいはフタロシアニン・ブルー、
フタロシアニン・グリーン、カルバゾール・バイオレッ
トまたはキナクリドン・バイオレットの如き、各種の有
機顔料類などである。
【0186】本発明においては、主に、前掲したような
種々のメタリック顔料類が用いられるが、さらには、必
要に応じて、前掲したような種々の着色顔料類をも用い
ることが出来るし、さらにはまた、必要に応じて、タル
クやカオリンなどによって代表されるような、種々の体
質顔料類をも併用することが出来る。
【0187】本発明の水性ベースコート樹脂組成物から
得られるメタリック塗料は、前述した如き各工程を経由
して調製されるというものである。すなわち、たとえ
ば、水性ベースコート樹脂組成物に、メタリック顔料類
を必須の成分とする着色剤類を、常法に従って、配合せ
しめてから、脱イオン水と、さらに必要の応じて、増粘
剤類や消泡剤類などのような、公知慣用の種々の添加剤
類をも加えるということによって、
【0188】引き続いて、通常、固形分が約10〜約4
0重量%程度であって、しかも、25℃におけるB型粘
度計による粘度が、約200〜約4,000cps/6
rpm程度となるように調整せしめることによって得ら
れるというようなものである。
【0189】そして、本発明の水性ベースコート樹脂組
成物を用いて得られるメタリック塗料は、たとえば、2
コート1ベーク方式で以て塗装する場合の、いわゆるベ
ースコート組成物として特に好適なるものであり、極め
て実用性の高いものである。
【0190】すなわち、たとえば、まず、当該メタリッ
ク塗料を、約10〜約50μmm程度の乾燥膜厚となる
ようにして、スプレー塗装によって、被塗物基材上に塗
装せしめ、風乾あるいは約60〜約90℃での強制乾燥
を行ってから、クリヤー上塗り塗料を、乾燥膜厚で以
て、10〜50μmmとなるように、
【0191】静電スプレーなどで以て塗り重りしたのち
に、約60〜約160℃程度の温度で以て、約10〜約
30分間のあいだ焼き付けをすることによって、とりわ
け、外観などに優れるという、極めて実用性の高い硬化
塗膜が与えられるということである。
【0192】上記したクリヤー上塗り塗料としては、公
知慣用の種々のものが、そのまま、使用できるというこ
とは、勿論である。
【0193】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、アクリル樹脂系、オイルフリー
アルキド樹脂系、アルキド樹脂系、シリコンポリエステ
ル樹脂系、フッ素樹脂類またはウレタン樹脂類などのよ
うな、種々の水酸基含有樹脂類を、メラミン樹脂、ポリ
イソシアネート化合物またはブロック・ポリイソシアネ
ート樹脂ないしはブロック・ポリイソシアネート化合物
などのような、種々の化合物を硬化剤とする系;
【0194】エポキシ基含有アクリル樹脂と、カルボキ
シル基含有アクリル樹脂などとの系;あるいはエポキシ
基含有アクリル樹脂と、カルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂などと系;さらには、シクロカーボネート基含有
アクリル樹脂と、カルボキシル基含有アクリル樹脂など
との系などによって代表されるような、いわゆる有機溶
剤型の種々の塗料などである。
【0195】また、当該クリヤー上塗り塗料としては、
環境問題や省資源化などの観点からも、有機溶剤類の使
用量の少ない、いわゆるハイソリッド型のものの使用が
望ましく、さらには、粉体塗料をも用いることが出来る
ことは、勿論である。
【0196】かくして得られる、本発明の水性ベースコ
ート樹脂組成物は、主として、自動車類、各種車両類、
各種機器類、各種機械類、各種家具類、各種缶類または
各種建築材料類などのような、種々の金属素材類ないし
は金属製品類をはじめ、各種自動車用諸部品類または家
電製品類などのような、種々のプラスチック素材類ない
しはプラスチック製品類;
【0197】各種家具類または各種建築材料類などのよ
うな、種々の木工素材類ないしは木工製品類;建築ない
しは建設用諸資材類;あるいはガラス類などのような、
種々の無機質素材類ないしは無機質製品類などに利用
し、適用されるものではあるが、決して、叙上のものの
みに限定される処ではない。
【0198】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明することにするが、決し
て、本発明は、これらの例示の例のみに、限定されると
いうものではない。以下において、部および%は、特に
断りの無い限り、すべて重量基準であるものとする。
【0199】参考例1〔イオン形成性を有するポリオー
ル化合物(A)の調製例〕 2,2−ジメチロールプロピオン酸の62部と、イソホ
ロンジイソシアネートの1,56部と、酢酸エチルの2
00部とを、四つ口フラスコに仕込んで、窒素シール下
に、攪拌しながら、80℃にまで昇温した。
【0200】同温度に、4時間のあいだ保持して、イソ
シアネート基含有率の減少が認められなくなったのち
に、50℃にまで降温し、「プラクセル212」[ダイ
セル化学工業(株)製の、ポリカプロラクトンジオール
の商品名;数平均分子量=1,250]の582部を投
入し、80℃で、2時間のあいだ反応を続行せしめた。
【0201】赤外吸収線スペクトル分析(以下、IRと
称す。)で以て、イソシアネート基含有率が0%となっ
たことを確認し、不揮発分が80%で、溶液酸価が26
で、溶液の水酸基価が26で、かつ、25℃におけるガ
ードナー粘度(以下、粘度と略記する。)がZ6 なる目
的樹脂の溶液を得た。以下、これをPO−1と略記す
る。
【0202】参考例2(同上) 2,2−ジメチロールプロピオン酸の40部と、水添
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの158
部と、酢酸エチルの200部とを、四つ口フラスコに仕
込んで、窒素シール下に、攪拌しながら、80℃にまで
昇温した。
【0203】同温度に、4時間のあいだ保持して、イソ
シアネート基含有率の減少が認められなくなったのち
に、50℃にまで降温し、「プラクセル210」[ダイ
セル化学工業(株)製の、ポリカプロラクトンジオール
の商品名;数平均分子量=1,000)の602部を投
入して、80℃で、2時間のあいだ反応を続けた。
【0204】IR分析で以て、イソシアネート基含有率
が0%となったことを確認して、不揮発分が80%で、
溶液酸価が17で、溶液水酸基価が33で、かつ、25
℃における粘度がXなる目的樹脂の溶液を得た。以下、
これをPO−2と略記する。
【0205】参考例3(同上) スチレンの250部、メチルメタクリレートの157
部、β−ヒドロキシメタクリレートの63部およびメタ
アクリル酸30部と、「パーブチルO」[日本油脂
(株)製の、tert−ブチルパーオキシオクトエート
の商品名]の8部との混合液を得た。
【0206】次いで、この混合液の75部と、メチルエ
チルケトン(MEK)500部とを、四つ口フラスコに
仕込んで、窒素シール下に、攪拌しながら、75℃に、
30分間のあいだ保持してから、残りの混合液を、2時
間に亘って滴下し、さらに、同温度で、12時間のあい
だ反応を続行せしめることによって、不揮発分が50%
で、溶液酸価が20で、溶液水酸基価が25で、かつ、
粘度がZなる目的樹脂の溶液を得た。以下、これをPO
−3と略記する。
【0207】参考例4(イオン形成性を有しない、対照
用のポリオール化合物の調製例) ネオペンチルグリコールの49部と、イソホロンジイソ
シアネートの156部と、酢酸エチルの200部とを、
四つ口フラスコに仕込んで、窒素シール下に攪拌しなが
ら80℃にまで昇温した。
【0208】同温度に、4時間のあいだ保持して、イソ
シアネート基含有率の減少が認められなくなったのち
に、50℃にまで降温し、「プラクセル212」[ダイ
セル化学工業(株)製の、ポリカプロラクトンジオール
の商品名;数平均分子量=1250]の592部を投入
して、80℃に、2時間のあいだ反応せしめた。
【0209】以後は、イソシアネート基含有率が0%と
なったことを確認することによって、不揮発分が80%
で、溶液酸価が0で、溶液水酸基価が26で、かつ、粘
度がVなる目的樹脂の溶液を得た。以下、これをPO−
4と略記する。
【0210】参考例5(比較対照用の、カルボキシル基
を有する末端イソシアネート・プレポリマーの調製例)
【0211】数平均分子量が2,000なるポリテトラ
メチレンジオールの454部と、ジメチロールプロピオ
ン酸の36.9部と、イソホロンジイソシアネートの1
67部と、ジブチル錫ジラウレートの0.5部と、N−
メチル−2−ピロリドンの164部とを、四つ口フラス
コに仕込んで、窒素シール下に、この混合物系を攪拌し
つつ、80℃において、2時間のあいだ加熱反応せしめ
た。
【0212】かくして得られた末端カルボキシル基含有
イソシアネート・プレポリマーは、不揮発分が80%
で、かつ、イソシアネート基濃度が2.5%なるもので
あった。以下、これをPI−4と略記する。
【0213】参考例6〔イオン形成性を有するポリオー
ル化合物(A)の調製例〕 1,6−ヘキサンジオールの123部、ネオペンチルグ
リコールの83部、アジピン酸の424部および2,2
−ジメチロールプロピオン酸の71部を、四つ口フラス
コに仕込んで、150℃に、2時間のあいだ保持してか
ら、5時間を要して、230℃にまで昇温した。
【0214】さらに、この温度に、8時間のあいだ保持
することによって、エステル化反応を行った。次いで、
50℃にまで降温し、MEKの300部を加えることに
よって、不揮発分が70%で、溶液酸価が40で、溶液
水酸基価が44で、かつ、粘度がZ2 −Z3 なる目的樹
脂の溶液を得た。以下、これをPO−5と略記する。
【0215】ポリイソシアネート化合物
【0216】当該ポリイソシアネート化合物としては、
次に示すような、都合、3種類のものを使用した。
【0217】(1) 「バーノック DN−950」
[大日本インキ化学工業(株)製の、ヘキサメチレンジ
イソシアネート・アダクト型ポリイソシアネート化合物
の商品名;固形分換算のイソシアネート基濃度=16.
8%]の固形分を用いるということにしたが、以下、こ
れをPI−1と略記する。
【0218】(2) 「バーノック DN−980S」
[大日本インキ化学工業(株)製の、ヘキサメチレンジ
イソシアネートを用いて得られるイソシアヌレート型ポ
リイソシアネート樹脂の商品名;イソシアネート基濃度
=21.0%]を用いるということにしたが、以下、こ
れをPI−2と略記する。
【0219】(3) 「バーノック Y6−572S」
[大日本インキ化学工業(株)製の、ヘキサメチレンジ
イソシアネートのポリエステルポリオール・アダクト型
ポリイソシアネート樹脂の商品名;イソシアネート基濃
度=10.4%]を用いるということにしたが、以下、
これをPI−3と略記する。
【0220】参考例7〔ポリウレタンポリ尿素架橋微粒
子分散体の調製例〕 PO−1の118部、PI−3の66部、ジブチル錫ジ
ラウレートの0.1部およびMEKの143部を、均一
に混合せしめることによって有機相を得、次いで、この
有機相を、攪拌機によって良く攪拌されている水の65
1部と、トリエチルアミン(TEA)6部とから構成さ
れる水相中に、徐々に投入することによって、乳白色な
る分散体、つまり、(I−1)が得られた。
【0221】次いで、この分散体に、水の14部とヒド
ラジンの1.6部とからなる、ヒドラジンの水溶液を、
徐々に投入して、30分間のあいだ、そのまま、攪拌を
続行せしめてから、さらに、80℃に、1時間のあいだ
保持したのち、同温度で、減圧蒸留を行って、分散液中
に含有されている、それぞれ、酢酸エチルやMEKなど
を除去せしめた。
【0222】このようにして得られた架橋微粒子分散体
は、不揮発分が30%であり、しかも、「Photal
LAP−3000/3100」[大塚電子(株)製
の、いわゆる動的光散乱法に基づく粒度分布計の商品
名]による平均粒子径が0.06μmmなるものであっ
た。(以後においても、此の平均粒子径は、上記の粒度
分布計によって測定を行っているものであるが、以後
は、粒子径ともいう。)
【0223】参考例8(同上) PO−1の146部、PI−2の41部、ジブチル錫ジ
ラウレートの0.1部およびMEKの136部とから構
成される有機相と;水の628部とTEAの7.5部と
から構成される水相と、水の31部と;ジエチレントリ
アミンの3.5部とを用いるように変更した以外は、参
考例7と同様にして、不揮発分が30%で、かつ、粒子
径が0.08μmmなる、乳白色の目的微粒子分散体
(I−2)を得た。
【0224】参考例9(同上) PO−2の135部、PI−2の49部、ジブチル錫ジ
ラウレートの0.1部およびMEKの139部とから構
成される有機相と;水の626部とTEAの9部とから
構成される水相と;水の38部およびジエチレントリア
ミンの4部とを用いるように変更した以外は、参考例7
と同様にして、不揮発分が30%で、かつ、粒子径が
0.12μmmなる、乳白色の目的微粒子分散体(I−
3)を得た。
【0225】参考例10(同上) PO−3の206部、PI−1の59部、ジブチル錫ジ
ラウレートの0.1部およびMEKの63部とから構成
される有機相と;水の621部とTEAの4部とから構
成される水相と;水の43部と、ジエチレントリアミン
の4.7部とを用いるように変更した以外は、参考例7
と同様にして、不揮発分が30%で、かつ、粒子径が
0.1μmmなる、乳白色の目的微粒子分散体(I−
4)を得た。
【0226】参考例11(同上) PO−1の131部、PI−2の55部、ジブチル錫ジ
ラウレートの0.1部およびMEKの140部とから構
成される有機相と;水の621部とTEAの6.7部と
から構成される水相と;水の42部と、ジエチレントリ
アミンの4.7部とを用いるように変更した以外は、参
考例7と同様にして、不揮発分が30%で、かつ、粒子
径が0.09μmmなる、乳白色の目的微粒子分散体
(I−5)を得た。
【0227】参考例12〔水酸基および/またはカルボ
キシル基含有水性樹脂(II)の調製例〕
【0228】本例は、そのうちの一つであるアクリル樹
脂水溶液を調製するというものである。
【0229】スチレンの150部、メチルメタクリレー
トの200部、エチルアクリレートの250部、n−ブ
チルアクリレートの200部、ヒドロキシエチルメタク
リレートの150部およびアクリル酸の50部と、重合
開始剤としてのα,α’−アゾビスイソブチロニトリル
の25部とを用い、ブチルセロソルブ中で以て、常法に
より、重合せしめることによって、樹脂分が70%な
る、固形分が70%なる、アクリル樹脂の溶液を得た。
【0230】この樹脂の水酸基価は72であったし、一
方、酸価は39であった。
【0231】次いで、かくして得られたアクリル樹脂溶
液の1,000部に対して、43部のジメチルアミノエ
タノールを加えたのち、さらに、水をも加えるというこ
とによって、55%なる濃度の目的水溶性アクリル樹
脂、同濃度のアクリル樹脂の水溶液(II−1)を得
た。
【0232】参考例13(同上)
【0233】本例は、そのうちの一つであるアクリル樹
脂水分散液を調製するというものである。
【0234】反応容器に、脱イオン水の680部、過硫
酸アンモニウムの2部および「Triton x−20
0」(アメリカ国Rohm&Haas社製の、アニオン
性界面活性剤の商品名)の15部を加えて、95℃にま
で昇温した。
【0235】下記するようなアクリル・モノマー成分の
水性乳化液を、95℃の反応系に、4時間かけて滴下し
た。滴下終了後も、さらに、同温度に、3時間のあいだ
保持したのちに冷却して、ジメチルエタノールアミンの
5部と、脱イオン水の40部とを添加した。
【0236】 スチレン 150部 メチルメタクリレート 300部 エチルアクリレート 380部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 150部 アクリル酸 20部
【0237】 n−オクチルメルカプタン 5部
【0238】 過硫酸アンモニウム 4部
【0239】 「Triton Xー200」 15部 「エマルゲン840S」 10部
【0240】 脱イオン水 30部
【0241】ここにおいて、上記の「エマルゲン840
S」は、花王アトラス(株)製のノニオン性界面活性剤
の商品名である。
【0242】かくして、固形分が45%なる、乳白色を
した、安定な水分散型アクリル樹脂の目的分散液(II
−2)を得た。
【0243】参考例14[水酸基と反応性を有する硬化
剤(III)の調製例] 温度計、攪拌機、還流冷却器および生成水分離器を備え
た、2リットルの四つ口フラスコに、メラミンの126
部、80%パラフォルムアルデヒドの225部およびn
−ブタノールの592部を仕込んで、10%水酸化ナト
リウム水溶液で以て、pHを9.5〜10.0なる範囲
内に調整して、80℃に、2時間のあいだ保持した。
【0244】次いで、n−ブタノールの888部を加
え、5%−硫酸水溶液で以て、pHを5〜7.5なる範
囲内にまで中和せしめ、n−ブタノールの減圧濃縮を行
ってから濾過せしめて、ブトキシメチル化メラミン樹脂
の溶液を得た。このものは、固形分が75%で、かつ、
水/メタノール=35/65(重量部比)なる混合溶剤
による希釈率が5なる樹脂の溶液である。
【0245】しかるのち、此のブトキシメチル化メラミ
ン樹脂溶液の100部を別の容器に移して、ここへ、予
め、エチレングリコールモノブチルエーテル中で以て、
115℃において重合することによって調製しておい
た、メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/
メタクリル酸=50/42/8(重量部比)なる組成を
持った、酸価が5で、かつ、固形分が40%なるアクリ
ル系樹脂溶液に、
【0246】等当量のジメチルアミノエタノールを加
え、水溶化せしめることにより得られた樹脂溶液の20
部を添加し、1,000〜1,500rpmなる回転数
で攪拌しながら、脱イオン水の46部を加え、次いで、
さらに、1時間のあいだ攪拌を続行せしめた処、固形分
が50%なる、水分散化されたブトキシメチル化メラミ
ン樹脂の水分散体(III−1)が得られた。
【0247】参考例15(クリヤー上塗り塗料用アクリ
ル樹脂の調製例) スチレンの200部、n−ブチルメタクリレートの25
0部、n−ブチルアクリレートの150部、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートの120部、2−エチルヘキ
シルメタクリレートの260部およびアクリル酸の20
部と、開始剤としてのターシャリブチルパーオキシ2−
エチルヘキサノエートの25部とを用いて、120℃で
以て、常法により、キシレン/n−ブタノール=80/
20(重量部比)中で重合反応を行うことによって、固
形分が55%で、かつ、粘度がRなるアクリル樹脂溶液
を得た。
【0248】次いで、此のアクリル樹脂溶液と、「スー
パーベッカミン L−117−60」[大日本インキ化
学工業(株)製の、ブチル化メラミン樹脂;不揮発分=
60%]とを、固形分重量部比で以て、前者樹脂/後者
樹脂が70/30となるように混合せしめ、しかるの
ち、「スワゾール1000」[コスモ石油(株)製の、
芳香族炭化水素系溶剤の商品名]によって、20℃にお
ける、フォード・カップ#4(以下、フォード・カップ
#4/20℃のように略記することもある。)による粘
度が25秒となるように調整せしめることによって、目
的とするクリヤー上塗り塗料(C−1)を得た。
【0249】参考例16(同上) スチレンの200部、n−ブチルメタクリレートの25
0部、n−ブチルアクリレートの150部、2,3−シ
クロカーボネートプロピルメタクリレートの250部、
2−エチルヘキシルメタクリレートの30部およびメタ
クリル酸の120部と、開始剤としてのターシャリブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの25部とを用
い、120℃で以て、常法により、キシレン/n−ブタ
ノール=80/20(重量部比)なる組成の混合溶剤中
で、重合反応を行うことによって、固形分が55%で、
かつ、粘度がWなる目的樹脂の溶液を得た。
【0250】次いで、此の樹脂溶液の100部に、テト
ラブチルアンモニウムアセテートの2.8部を添加し、
さらに、「S−1000」/n−ブタノール=80/2
0(重量部比)で以て、フォード・カップ#4/20℃
による粘度が25秒となるように調整せしめることによ
って、目的とするクリヤー上塗り塗料(C−2)を得
た。ただし、上記の「S−1000」は、丸善石油
(株)製の芳香族炭化水素系有機溶剤の一つである、
「スワゾール 1000」の略記である。
【0251】参考例17(増粘剤類の調製例) 「アクリゾール ASE−60」(米国ローム・アンド
・ハース社製の増粘剤の商品名;固形分=28%)の6
4部に、ジメチルエタノールアミンの6部および脱イオ
ン水の530部を添加せしめることによって、固形分が
3%なる目的物(V−1)を得た。
【0252】参考例18(比較対照用の、重合体微粒子
の水性分散液の調製例) 参考例13と同様の装置に、脱イオン水の510部、下
記するようなモノマー混合物の2.0部、乳化剤の1.
33部を仕込んだのちに、85℃で、30分間のあいだ
反応を続行せしめてから、
【0253】それぞれ、1本目の滴下ロートに、予め仕
込んでおいた、「モノマー混合物I」の253.0部
と、脱イオン水の128部と、過硫酸アンモニウムの
0.78部と、乳化剤の2.92部とを、2本目の滴下
ロートに、予め、仕込んでおいた、脱イオン水の20部
と、過硫酸アンモニウムの0.24部とを、4時間かけ
て滴下したのち、さらに、2時間保持してから、
【0254】モノマー混合物IIの45部をあらかじめ
仕込んだ滴下ロートと、脱イオン水の45部、乳化剤の
0.75部、過硫酸アンモニウムの0.225部、メタ
ホウ酸ナトリウムの0.225部を均質に仕込んだ、そ
れぞれの滴下ロートから、45分間かけて、ポリマー分
散液に導入した。
【0255】それ以後においては、フラスコの内容物
を、さらに2時間のあいだ、この温度に保持したのち
に、反応を終了せしめた。
【0256】モノマー混合物I
【0257】 n−ブチルメタクリレート 0.50モル n−ブチルアクリレート 0.35モル 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 0.24モル メチルメタクリレート 0.1モル
【0258】モノマー混合物II
【0259】 メタクリル酸 0.23モル n−ブチルアクリレート 0.33モル 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 0.24モル メチルメタクリレート 0.20モル
【0260】冷却後に、脱イオン水の500部、ブトキ
シエタノールの17部、N,N−ジメチルエタノールア
ミンの6.75部および脱イオン水の150部よりなる
混合物を滴下し、中和を行うことによって、目的とする
アクリル系微粒子の分散液(I’−1)を得た。
【0261】実施例1 本例は、本発明の水性ベースコート樹脂組成物の一つと
しての、いわゆる水性ベースコート用塗料の調製例であ
る。
【0262】すなわち、参考例7で得られたポリウレタ
ンポリ尿素架橋微粒子分散体(I−1)の100部に、
参考例17で得られた増粘剤(V−1)の10部、「ア
ルミペースト分散液#4919」[東洋アルミニウム
(株)製の、アルミニウム・ペーストの商品名]の3
部、「アルミペースト分散液#55−519」(同社)
の1.5部にイソプロパノールの12部を混合し、脱イ
オン水で以て、粘度が(フォード・カップ#4/20
℃)16秒となるように調整した。
【0263】実施例2〜10 第1表に示すような配合割合とするように変更した以外
は、実施例1と同様にして、各種の水性ベースコート用
塗料を調製した。
【0264】次いで、かくして得られた、それぞれの水
性メタリック塗料と、参考例15または16で得られ
た、それぞれのクリヤー塗料とを、2コート1ベーク方
式で以て塗装を行った。その際の被塗物基材としては、
次のような前処理を施したものを用いた。
【0265】すなわち、当該被塗物基材としては、「ボ
ンデライト#3030」[日本パーカライジング(株)
製の、燐酸亜鉛系処理剤で以て処理された軟鋼板の商品
名]に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を電着せし
め、次いで、その上に、アミノポリエステル樹脂系中塗
り塗料を塗装せしめた形のものを用いた。
【0266】そして、まず、水性メタリック塗料を、温
度が25℃で、かつ、相対湿度が65〜70%なる塗装
雰囲気下で、乾燥膜厚が20μmmとなるように、それ
ぞれ、2回に分けて塗装せしめた。こうした2回の塗装
の間に、2分間のセッテイングを行った。
【0267】1回目の塗装時のスプレーガンのエアー圧
は5Kg/cm2 とし、塗料の流速は400m/分と
し、2回目の塗装時には、塗料の流速は200m/分と
し、被塗物とスプレーガンとの距離は40cmとした。
【0268】なお、被塗物上における塗布面が、常に、
垂直となるように、この被塗物は保持されているという
ようにした。
【0269】こうした2回に及ぶ塗装ののち、30℃の
温度で、5分間のあいだ、風乾せしめた。しかるのち、
室温にまで冷却せしめてから、クリヤー上塗り塗料をス
プレーガンにより、乾燥膜厚が40μmmとなるように
塗布し、5分間のあいだセッテイングを行ってから、1
40℃/20分間という条件で以て、焼き付けを行っ
た。
【0270】かくして得られた、それぞれの硬化塗膜に
ついて、諸性能の評価を行った。それらの結果は、まと
まて、第2表に示す。なお、その際の評価判定の要領
は、次の通りにしている。
【0271】メタリック感……「ALCOPE LMR
−100」[関西ペイント(株)製の、メタリック感の
測定装置の商品名]で以て測定を行い、そこに得られた
IV値に応じて、評価判定をした。
【0272】◎………250を超える場合 ○………200以上250未満の場合 ×………200未満の場合
【0273】相間密着性………塗板を40℃の温水中に
10日間のあいだ浸漬せしめ、引き上げてから30分後
にクロスカットを入れ、粘着テープによる剥離試験を行
った。
【0274】○………全く、剥離が認められない場合 △………ベースコートとトップコートとの間で、剥離が
認められる場合 ×………著しく、層間剥離が認められる場合
【0275】塗面光沢…………20度鏡面反射率(%)
による評価判定。
【0276】耐水性……………試験板を40℃の温水に
10日間のあいだ浸漬したのちの光沢の保持率(%)を
以て評価判定した。
【0277】◎………光沢保持率が80%を超える場合 ○………光沢保持率が60%以上80%未満の場合 ×………光沢保持率が60%未満の場合
【0278】塗面の平滑性……目視により、評価判定し
た。
【0279】◎………非常にスムーズな平滑な塗面の場
合 ○………大きなラウンドが有る場合 ×………細かいチリ肌が認められる場合
【0280】
【表1】
【0281】《第1表の脚注》表中の各数値は、いずれ
も、重量部数を意味するものとする。
【0282】「S−695」……………「ウォーターゾ
ール S−695」[大日本インキ化学工業(株)製
の、水溶性メラミン樹脂の商品名]の略記
【0283】「AP」……………………「アルミペース
ト分散液」の略記
【0284】
【表2】
【0285】《第1表の脚注》 「S−751」……………「ウォーターゾール S−7
51」[大日本インキ化学工業(株)製の、水溶性アク
リル樹脂の商品名]の略記
【0286】
【表3】
【0287】
【表4】
【0288】
【表5】
【0289】
【表6】第 2 表(2)
【0290】以上の各実施例ならびに各比較例の結果か
らも明らかなように、本発明のポリウレタンポリ尿素微
粒子分散体(I)を含有する水性ベースコート樹脂組成
物から得られる塗料は、この種の水性塗料に有りがち
な、乾燥性の不良という事態による、いわゆるメタル戻
りが、全く、認められなく、しかも、乳化剤を含まない
というために、とりわけ、耐水性などにも優れていると
いうことが、無理なく、知り得よう。
【0291】加えて、当該ポリウレタンポリ尿素微粒子
分散体(I)の単独使用による場合においても、立派に
造膜が果たされているというものであって、ベースコー
トとして特に優れた塗膜諸性能を有しているということ
もまた、無理なく、知り得よう。
【0292】本発明の主たる実施態様を列記することに
すると、概ね、次の通りである。
【0293】1. イオン形成性を有するポリオール化
合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、ポ
リアミン化合物(C)とを必須の成分として用いて得ら
れる、平均粒子径が約1μmm以下のポリウレタンポリ
尿素架橋微粒子分散体(I)を、必須の成分として含有
することから成る、水性ベースコート樹脂組成物。
【0294】2. イオン形成性を有するポリオール化
合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、ポ
リアミン化合物(C)とを必須の成分として用いて得ら
れる、平均粒子径が約1μmm以下のポリウレタンポリ
尿素架橋微粒子分散体(I)と、水酸基および/または
カルボキシル基を有する水性樹脂(II)と、水酸基お
よび/またはカルボキシル基と反応性を有する水性硬化
剤(III)とを、必須の成分として含有することから
成る、水性ベースコート樹脂組成物。
【0295】3. 前記したポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体(I)が、約0.01〜約0.5μmmな
る範囲内の平均粒子径を有するものである、上記1記載
の組成物。
【0296】4. 前記したポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体(I)が、該粒子内部に、芯物質を含有し
ているものである、上記1または2記載の組成物。
【0297】5. 前記したポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体(I)が、(a)まず、イオン形成性を有
するポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化
合物(B)とを、化学量論的にポリオール化合物(A)
の水酸基に対してポリイソシアネート化合物(B)のイ
ソシアネート基が過剰となるような量比で混合したの
ち、有機相を調製するという工程を経、(b)次いで、
水相中に、上記有機相を分散することにより、分散層を
形成するという工程を経、(c)しかるのち、上記分散
層に、ポリアミン化合物(C)を添加し、分散させ、反
応させるという工程を経ることによって得られるもので
ある、上記1〜3のいずれかに記載の組成物。
【0298】6. 前記したポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体(I)が、イオン形成性を有するポリオー
ル化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と
の総量を基準として、その少なくとも約0.1モル%
を、3官能以上の官能基を有する、イオン形成性を有す
るポリオール化合物(A)および/またはポリイソシア
ネート化合物(B)で以て占めている原料を用いて得ら
れるものである、上記1に記載の組成物。
【0299】7. イオン形成性を有するポリオール化
合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)とを、
必要に応じて非反応性の有機溶剤の共存下で混合して有
機相を調製することを特徴とする、上記4または5記載
のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体を含有する、
上記1に記載の組成物。
【0300】8. イオン形成性を有するポリオール化
合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)とを、
必要に応じて、有機金属触媒をも混合せしめることによ
って有機相を調製される、上記4から6のいずれか一つ
に記載のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体を含有
する、上記1に記載の組成物。
【0301】9. イオン形成性を有するポリオール化
合物(A)が、芯物質を含んだイオン形成性を有するポ
リオール化合物(A)であることから成る、上記4〜6
のいずれか一つに記載のポリウレタンポリ尿素架橋微粒
子分散体を含有するものである、上記1に記載の組成
物。
【0302】10. イオン形成性を有するポリオール
化合物(A)が、分子中にカルボキシル基を有するもの
であることから成る、上記4〜6のいずれか一つに記載
のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体を含有する、
上記1に記載の組成物。
【0303】11. イオン形成性を有するポリオール
化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)との
当量比が、0.1:1〜0.9:1の範囲内であること
から成る、上記4〜6のいずれか一つに記載のポリウレ
タンポリ尿素架橋微粒子分散体を含有する、上記1に記
載の組成物。
【0304】12. イオン形成性を有するポリオール
化合物(A)が、分子中にカルボキシル基を有するもの
であり、かつ、イオン形成性を有するポリオール化合物
(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)との当量比
が、0.1:1〜0.9:1の範囲内であることから成
る、上記4〜6のいずれか一つに記載のポリウレタンポ
リ尿素架橋微粒子分散体を含有する、上記1に記載の組
成物。
【0305】13. 添加するべきポリアミン化合物
(C)の、有機相中に含まれる過剰なイソシアネート基
に対する当量比が、0.2〜1.0当量であることから
成る、上記4〜6のいずれか一つに記載のポリウレタン
ポリ尿素架橋微粒子分散体を含有する、上記1に記載の
組成物。
【0306】14. 分子中のカルボキシル基を塩基で
中和して、塩としたものであることから成る、上記9ま
たは11記載のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体
を含有する、上記1に記載の組成物。
【0307】15. 上記4〜13のいずれか一つに記
載の製造方法により製造される、平均粒子径が約1μm
m以下であることを特徴とする、ポリウレタンポリ尿素
架橋微粒子分散体を含有する、上記1に記載の組成物。
【0308】16. 平均粒子径が約0.01〜約0.
5μmmであることから成る、上記14に記載のポリウ
レタンポリ尿素架橋微粒子分散体を含有する、上記1に
記載の組成物。
【0309】17. 粒子内部に芯物質を含有すること
から成る、上記14に記載のポリウレタンポリ尿素架橋
微粒子分散体を含有するものである、上記1に記載の組
成物。
【0310】18. イオン形成性を有するポリオール
化合物(A)が、数平均分子量500〜10,000の
ポリエステルポリオール化合物またはポリウレタンポリ
オール化合物であることから成る、上記1または2記載
のポリウレタンポリ尿素架橋微粒子分散体を含有するも
のである、上記1に記載の組成物。
【0311】19. ポリイソシアネート化合物(B)
が数平均分子量100〜2,000の脂肪族および/ま
たは脂環式ポリイソシアネート化合物であることから成
る、上記1または2記載のポリウレタンポリ尿素架橋微
粒子分散体を含有するものである、上記1に記載の組成
物。
【0312】
【発明の効果】本発明の水性ベースコート樹脂組成物
は、水などの分散媒に対して安定であり、しかも、それ
自身で以て、フィルム形成能(皮膜形成能)を有すると
いうものであるが、さらには、水性樹脂および水性硬化
剤をも、必須の成分として含有するという、就中、2コ
ート1ベーク方式で以て塗膜を形成化せしめるに当たっ
て、とりわけ、メタリック顔料類の配向に優れた、高外
観の塗膜を与え得る、新規にして有用なる多層被膜を形
成化せしめるという手段を、就中、そうした多層被膜の
形成化にとって、極めて実用性の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 18/48 NDZ C08G 18/48 NDZ 18/54 NEJ 18/54 NEJ 18/65 NEV 18/65 NEV

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン形成性を有するポリオール化合物
    (A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、ポリア
    ミン化合物(C)とを必須の成分として用いて得られ
    る、平均粒子径が約1ミクロン以下のポリウレタンポリ
    尿素架橋微粒子分散体(I)を、必須の成分として含有
    することを特徴とする、水性ベースコート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 イオン形成性を有するポリオール化合物
    (A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、ポリア
    ミン化合物(C)とを必須の成分として用いて得られ
    る、平均粒子径が約1ミクロン以下のポリウレタンポリ
    尿素架橋微粒子分散体(I)と、水酸基および/または
    カルボキシル基を有する水性樹脂(II)と、水酸基お
    よび/またはカルボキシル基と反応性を有する水性硬化
    剤(III)とを、必須の成分として含有することを特
    徴とする、水性ベースコート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記したポリウレタンポリ尿素架橋微粒
    子分散体(I)が、約0.01〜約0.5ミクロンなる
    範囲内の平均粒子径を有するものである、請求項1また
    は2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記したポリウレタンポリ尿素架橋微粒
    子分散体(I)が、該粒子内部に、芯物質を含有してい
    るものである、請求項1〜3のいずれかに記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記したポリウレタンポリ尿素架橋微粒
    子分散体(I)が、 (a)イオン形成性を有するポリオール化合物(A)
    と、ポリイソシアネート化合物(B)とを、化学量論的
    にポリオール化合物(A)の水酸基に対してポリイソシ
    アネート化合物(B)のイソシアネート基が過剰となる
    ような量比で混合したのち、有機相を調製するという工
    程を経ること、次いで、(b)水相中に、上記有機相を
    分散することにより、分散層を形成するという工程を経
    ること、しかるのち、(c)上記分散層に、ポリアミン
    化合物(C)を添加し、分散させ、反応させるという工
    程を経ることによって得られるものである、請求項1〜
    4のいずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記したポリウレタンポリ尿素架橋微粒
    子分散体(I)が、イオン形成性を有するポリオール化
    合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)との総
    量を基準として、その少なくとも約0.1モル%を、3
    官能以上の官能基を有する、イオン形成性を有するポリ
    オール化合物(A)および/またはポリイソシアネート
    化合物(B)で以て占めている原料を用いて得られるも
    のである、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
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