JPH05331416A - 水性塗料組成物およびそれを用いた塗装方法 - Google Patents

水性塗料組成物およびそれを用いた塗装方法

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JPH05331416A
JPH05331416A JP34026492A JP34026492A JPH05331416A JP H05331416 A JPH05331416 A JP H05331416A JP 34026492 A JP34026492 A JP 34026492A JP 34026492 A JP34026492 A JP 34026492A JP H05331416 A JPH05331416 A JP H05331416A
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JP
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aqueous
alkylene group
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polyester
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JP34026492A
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English (en)
Inventor
Goro Iwamura
悟郎 岩村
Ichiro Azuma
一郎 東
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 とりわけ、チキソ性を発揮し、しかも、極め
て優れたメタリック感を有する、主として、2コート1
ベーク仕上げのベースコート用に優れた諸性能を発現す
ると共に、構造粘性の大きさに起因するワキやタレなど
の無い塗膜を与える、極めて実用性の高い水性塗料組成
物と、それを用いた塗装方法とを提供するにある。 【構成】 必須の成分として、カルボキシル基およびジ
アゾ基併有する特定の高分子ポリウレタンポリアゾ開始
剤の存在下に、重合性不飽和結合含有単量体を重合して
得られる重合体に、多官能性ポリイソシアネート樹脂を
反応せしめ、次いで、中和せしめた水性重合体粒子(ゲ
ル化粒子)の水性分散液に、水酸基と反応性を有する硬
化剤および/またはカルボキシル基と反応性を有する硬
化剤を含有せしめるか、さらには、着色顔料および/ま
たはメタリック顔料をも含有せしめることから成る、水
性塗料組成物と;加えて、こうした各種の水性塗料組成
物を、塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる水性
塗料組成物と、該水性塗料組成物を用いる塗装方法とに
関する。さらに詳細には、本発明は、カルボキシル基お
よびジアゾ基を併有する特定のポリウレタン樹脂の存在
下に、重合性不飽和結合含有単量体を重合させて得られ
る特定の重合体をベースとする水性重合体分散液(ウレ
タン・アクリル・ブロック共重合体を主成分とした水性
微粒子状重合体分散液組成物)を、基体面、特に、自動
車の車体面などに、保護および/または塗装被膜を施す
際における使用に適するベースコート用の組成物と、た
とえば、2コート・2ベーク(2C−2B)方式、2コ
ート・1ベーク(2C−1B)方式またはオーバー・コ
ート方式で以て塗膜を形成せしめるに当たって、このベ
ースコートとして、上記した水性重合体分散液を用いる
ことから成る塗装方法とに関する。
【0002】本発明は、特に、希釈剤として有機溶剤よ
りも、むしろ、水を用いる被覆組成物が、最近、とみ
に、注目されているという、こうした時代背景にマッチ
した、斬新なるベースコート用水性塗料組成物を提供す
るものであり、
【0003】また、2C−1B仕上げのベースコート上
に、クリヤーコートを塗装する際に、このクリヤーコー
トが、それ自体、溶剤に対する抵抗性(耐溶剤性)を有
しているものでなければならないが、本発明の組成物
は、かかる性質を、長時間の中間乾燥ないしは硬化操作
を要することなく、保有することが出来る。
【0004】
【従来の技術】ところで、2C−1B仕上げ、2C−2
B仕上げまたはオーバー・コート仕上げ用のベースコー
トとしては、自動車塗装に於いては、これまでにも、溶
剤に希釈した形のアクリル−メラミン樹脂系であると
か、あるいはポリエステル−セルロース・アセテート・
ブチレート−メラミン樹脂系などの各種の樹脂組成物が
用いられている。
【0005】これらの各種の樹脂組成物は、いずれも、
アルミニウム粉に代表される金属粉のスプレー時の配向
を、長時間に亘っての中間乾燥状態や、溶剤を含んだク
リヤーコートによる金属粉の配向状態などが移動しない
ようにするべく、高分子量化が図られて来ているけれど
も、そのために、大量の溶剤を含有しているという処か
ら、大気汚染を回避する必要性があって、切に、水性化
が求められて居る。
【0006】このような観点から、水性ベース・コート
に関する、数多くの提案が為されている。
【0007】すなわち、分散安定剤の存在下において得
られるアクリル・ゲル・エマルジョンに関するものであ
るとか、ウレタン・ゲル粒子を、水性媒体中に安定に分
散させた形のものであるとか、あるいは、通常、クリヤ
ーコートに用いられる溶剤には溶解しない形のビニル系
ノン・ゲル粒子に関するものなどが、色々と、提案され
ている。
【0008】これらは、いずれも、エマルジョンに用い
られる、乳化剤による耐水性不良であるとか、あるいは
ウレタン・ゲルによる層間付着性不良などの、多くの課
題を残している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、こうした従来公知の諸技術あるいは諸提案などにお
ける、種々の欠点の存在に鑑みて、前述したような利用
分野への展開を図るべく、鋭意、検討を重ねた結果、ウ
レタン・アクリル・ブロック共重合体の微粒子および/
またはウレタン・アクリル樹脂ブロック共重合体のゲル
微粒子を、水性媒体中に分散させた形の樹脂を主成分と
した組成物を用いれば、その目的が、見事に、達成でき
ることを見い出すに及んで、本発明を完成させるに到っ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
本的には、被膜形成材料の主成分として、分子量が1,
000以上なる、それぞれ、後掲する如き一般式[I]
で示される構造単位と、後掲する如き一般式[II]で
示される構造単位とを、一分子中に少なくとも1個有す
る、カルボキシル基およびジアゾ基を有するポリウレタ
ン樹脂の存在下に、水酸基含有重合性単量体を必須成分
とする重合性不飽和基含有単量体を重合させることによ
り得られる重合体に、多官能性ポリイソシアネート樹脂
を反応させ、次いで、中和せしめ、さらに、これを水性
媒質中に分散せしめた水性重合体分散液に、それぞれ、
水酸基と反応性を有する硬化剤および/またはカルボキ
シル基と反応性を有する硬化剤を含有せしめることから
成る、水性塗料組成物
【0011】あるいは、被膜形成材料の主成分として、
分子量が1,000以上なる、それぞれ、後掲するよう
な一般式[I]で示される構造単位と、後掲するような
一般式[II]で示される構造単位とを、一分子中に少
なくとも1個有する、カルボキシル基およびジアゾ基を
有するポリウレタン樹脂の存在下に、水酸基含有重合性
単量体を必須成分とする重合性不飽和基含有単量体を重
合させることにより得られる重合体に、多官能性ポリイ
ソシアネート樹脂を反応させ、次いで、中和せしめ、さ
らに、これを水性媒質中に分散せしめた水性重合体分散
液に、それぞれ、水酸基と反応性を有する硬化剤および
/またはカルボキシル基と反応性を有する硬化剤を含有
せしめ、さらに、着色顔料および/またはメタリック顔
料をも含有せしめることから成る、水性塗料組成物を提
供しようとするものであるし、
【0012】併せて、上述したような各種の水性塗料組
成物を、たとえば、2C−1B仕上げ、2C−2B仕上
げおよび/またはオーバー・コート仕上げ用のベースコ
ートとして用いることから成る、塗装方法をも提供しよ
うとするものである。
【0013】
【化5】
【0014】[ただし、式中のR1 は、カルボキシル基
を必須とするアルキレン基、またはベンゼン環もしくは
シクロヘキセン環のいずれかを含んだアルキレン基を表
わすものとし、R2 はアルキレン基、シアノ基を含んだ
アルキレン基、アミド結合を含んだアルキレン基、また
はアミド結合と水酸基とを併せ有するアルキレン基を表
すものとする。]
【0015】
【化6】
【0016】[ただし、式中のR3 は、ポリエステルポ
リオール残基、ポリウレタンポリオール残基、ポリエス
テルポリウレタンポリオール残基、ポリエーテルポリオ
ール残基、ポリエーテルポリエステルポリウレタンポリ
オール残基および/またはポリエーテルポリウレタンポ
リエステル残基を表すものとする。]
【0017】ここにおいて、まず、本発明の水性塗料組
成物を構成する、最も重要なる部分であるゲル微粒子を
形成するウレタン・アクリル樹脂ブロック共重合体につ
いて述べることにする。
【0018】基本的なブロック共重合体の合成方法につ
いては、特開平3−74420号公報において、本発明
者らが、すでに、開示をしている。
【0019】すなわち、本発明者らは、まず、たとえ
ば、一分子中に少なくとも1個のジアゾ結合と、少なく
とも2個の水酸基とを併せ有する化合物と、カルボキシ
ル基含有ポリイソシアネート化合物とを反応せしめて得
られるような、特定の分子量を持った、いわゆるポリウ
レタン・ポリアゾ開始剤を合成し、次いで、特定の単量
体組成物を重合せしめることによって得られる特定のブ
ロック共重合体に、多価イソシアネート化合物を反応せ
しめるに際して、水性媒体中に分散せしめることによっ
て、目的とするウレタン・アクリル樹脂ブロック共重合
体を得るというものである。
【0020】本発明で言う、数平均分子量が1,000
以上なる、前掲の一般式[I]で示される構造単位と、
一般式[II]で示される構造単位とを、少なくとも1
個有する、カルボキシル基およびジアゾ基を有するポリ
ウレタン樹脂、いわゆる高分子アゾ開始剤とは、前掲し
た如き〔I〕式および〔II〕式で示される、それぞれ
の特定なる構造単位を有する化合物を指称するものであ
って、
【0021】かかる高分子アゾ開始剤としては、たとえ
ば、アゾビスシアノプロパノール、アゾビスシアノ−n
−ブタノール、アゾビスイソブタノールもしくはアゾビ
スシアノペンタノールの如き、各種のアゾビスアルカノ
ール化合物または「VA−080、VA−082もしく
はVA−086」[和光純薬工業(株)製品]の如き、
各種のアゾアミドポリオールなどの、一分子中に少なく
とも1個のジアゾ結合と、少なくとも2個の水酸基とを
併せ有する化合物と、ポリイソシアネート化合物との反
応によって得られるような形のものが挙げられる。
【0022】すなわち、まず、こうした高分子アゾ開始
剤のうちでも特に代表的なる、ポリウレタンアゾ開始
剤、より正確には、ポリウレタンポリアゾ開始剤として
は、たとえば、イソホロンジイソシアネート、メチルシ
クロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロ
ヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチ
レンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−
ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリトリメチルシクロヘキサンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネートもしくはキシレンジイソ
シアネートの如き、各種のジイソシアネート類、
【0023】または、これらの各種のジイソシアネート
類と、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトールもしくはジペンタ
エリスリトールの如き、各種の多価アルコール類、また
はイソシアネート基と反応しうる官能基を有する、たと
えば、500〜2,000程度の数平均分子量を持っ
た、極めて分子量の低いポリエステル類(油変性タイプ
をも含む。)との付加物の如き、各種のポリイソシアネ
ート化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリトールもしくは水添ビスフェノ
ールAの如き、各種のジ−およびポリオール類と、上述
した如き一分子中に少なくとも2個の水酸基とを併せ有
する化合物との、都合、3つの成分を付加縮合反応せし
めることによって得られるようなものである。
【0024】その際には、必須の成分として、カルボキ
シル基含有ポリオール類を縮合しなければならない。こ
こで言う上記したカルボキシル基含有ポリオール類とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ジメ
チロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酢酸、
2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペン
タン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシコハ
ク酸またはジヒドロキシ安息香酸などである。
【0025】この際のカルボキシル基の導入率として
は、1モル/1,000g以上、好ましくは、4モル/
1,000g以上が適切である。2モル未満の場合に
は、どうしても、後述するゲル粒子化したのちの、良好
なる水中分散安定性を得ることが出来ないからである。
【0026】その際の合成方法としては、これら上掲の
3成分を同時に仕込んで反応させる方法や、イソシアネ
ート基含有ポリウレタン中間体類(いわゆる、イソシア
ネート・プレポリマー類)を、まず調製し、次いで、こ
れに、一分子中に少なくとも1個のジアゾ結合と、少な
くとも2個の水酸基とを併せ有する化合物を反応せしめ
る方法などがあるが、こうした合成方法は、特に限定さ
れるものではない。
【0027】なお、これらのジ−ないしはポリオール化
合物と、ジ−ないしはポリイソシアネート化合物との反
応時において、鎖伸長剤として、エチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ビスアミノプロピルアミンまた
は4−アミノメチル−1,8−ジアミノオクタンなど
の、各種のポリアミン化合物を使用してもよいことは、
勿論である。
【0028】次いで、ポリウレタンポリエステルポリア
ゾ開始剤の合成方法としては、前掲された如き、各種の
ジ−ないしはポリオール化合物と、イソフタル酸、テレ
フタール酸、無水フタール酸、(無水)テトラヒドロフ
タル酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸、無水トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、フマル酸、マレイン酸、コハ
ク酸またはアジピン酸の如き、各種のジ−ないしはポリ
カルボン酸(無水物)との脱水縮合によって得られる、
種々の水酸基含有ポリエステル樹脂(油変性タイプをも
含む。)および/またはε−カプロラクトンまたはバレ
ロラクトンの如き、各種のラクトン化合物の開環重合に
よって得られる、種々の水酸基含有ポリエステル樹脂
に、前掲された如き、各種のジ−ないしはポリイソシア
ネート化合物と、前述した如き、一分子に少なくとも1
個のジアゾ結合と、少なくとも2個の水酸基とを併有す
る化合物とを付加反応せしめるという方法などが挙げら
れよう。
【0029】こうした場合にも、鎖伸長剤として、上述
した如き各種のポリアミン化合物および/または前掲さ
れた如き各種のジ−ないしはポリオール化合物を使用し
てもよいことは、勿論である。
【0030】このようにして得られる、前掲の一般式
〔I〕および〔II〕で示される、それぞれの構造単位
を併せ有する、ウレタン結合とジアゾ結合とを有する化
合物の分子量は、1,000以上であることが必要であ
る。好ましくは、2,000〜20,000なる範囲内
が、後掲するゲル粒子化したのちの水分離れが極めてよ
いし、また、各種の重合性不飽和単量体および溶剤へ
の、それぞれの溶解性が特に良好であるという処から、
適切である。
【0031】1,000未満の場合には、ウレタン部分
の耐水性が極めて悪く、ゲル粒子化したのちの水離れが
悪くなるし、しかも、ジアゾ基の導入率も低くなるから
である。
【0032】かくして得られる、当該高分子アゾ開始剤
の存在下において行われるブロック共重合反応は、前記
した重合性不飽和結合含有単量体として、水酸基含有不
飽和単量体を必須成分とする単量体混合物を用いて行わ
れる。
【0033】本発明で言う、この水酸基含有不飽和単量
体として特に代表的なもののみを挙げれるにとどめれ
ば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−2,3−ジヒド
ロキシプロピルもしくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
プロピル−カプロラクトン付加物などをはじめ、さらに
は、ポリエチレングリコールないしはポリプロピレング
リコールと、(メタ)アクリル酸とのモノエステル類な
どである。
【0034】当該水酸基含有不飽和単量体類の共重合
量、つまり、使用量としては、全重合性不飽和単量体
中、2〜20重量%なる範囲内が、好ましくは、5〜1
8重量%なる範囲内が適切である。2重量%未満の場合
には、後述する多官能ポリイソシアネート化合物との反
応を通して、ゲル粒子化せしめる際の架橋密度が不充分
であるし、しかも、硬化剤(架橋剤)との反応性が不十
分であって、耐溶剤性のある硬化塗膜を得ることが出来
なくなるからである。
【0035】これらの不飽和単量体と共重合可能なる不
飽和単量体として特に代表的なもののみを挙げるにとど
めれば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル
酸シクロヘキシルもしくは(メタ)アクリル酸ベンジル
の如き、各種の(メタ)アクリレート類;スチレン、α
−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き、各種
の芳香族ビニル単量体類;(メタ)アクリルアミドもし
くはN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドの如き
各種のアミド結合含有ビニル単量体類;
【0036】または(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビ
ニルもしくは「ベオバ(ヴェオバ)」(オランダ国シェ
ル社製の、分岐状脂肪酸のビニルエステル類)の如き、
各種の脂肪酸ビニルエステル類などである。
【0037】さらに、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸の如き、
各種のカルボキシル基含有ビニル単量体類をも用いるこ
とが出来る。
【0038】さらには、グリシジル(メタ)アクリレー
トもしくはβ−メチルグリシジル(メタ)アクリレート
の如き、各種のエポキシ基含有ビニル単量体類;マレイ
ン酸もしくはフマル酸の如き、各種の不飽和ジカルボン
酸類と、C1 〜C18なる一価アルコール類とのジエステ
ル類;またはテトラフルオロエチレンもしくはヘキサフ
ルオロプロピレンの如き、各種の含フッ素ビニル単量体
類などをも挙げることが出来る。
【0039】そして、これらの単量体類は、単独使用で
も2種以上の併用でもよいが、良好なる水性ベースコー
トを得るためには、2種以上の使用によるべきである。
【0040】以上に掲げられたような、いわゆる高分子
アゾ開始剤の存在下に、以上に掲げられたような、各種
の重合性不飽和結合含有単量体をブロック重合せしめる
という、この重合反応は、常法に従って行えばよい。
【0041】すなわち、重合方式としては、種々の方法
が採用できるが、溶液ラジカル重合法によるのが望まし
いし、その際には、アルコール系溶剤類を除いた、各種
の親水性溶剤類、すなわち、ケトン系溶剤類を中心に使
われるのが、好ましい。
【0042】こうした重合反応を行うに当って、前記し
た高分子アゾ開始剤と、重合性不飽和結合含有単量体と
の、それぞれの使用量としては、高分子アゾ開始剤が1
0〜80重量%なる範囲内が、好ましくは、15〜50
重量%なる範囲内が適切であるし、しかも、得られるブ
ロック共重合体の数平均分子量は、5,000以上が好
ましい。5,000未満の分子量である場合には、どう
しても、ゲル粒子の充分な柔軟性ならびに耐水性などを
得ることが出来ないからである。
【0043】高分子アゾ開始剤の使用量が10%以下で
ある場合には、どうしても、ゲル粒子の柔軟性ならびに
分散安定性などを得ることが出来ないからである。
【0044】こうして得られたウレタン・アクリル・ブ
ロック共重合体を、水性媒体中に、安定にゲル粒子化せ
しめる方法について述べる。溶剤中あるいは無溶剤の状
態で、均一に存在する水酸基含有ウレタン・アクリル・
ブロック共重合体に、ポイソシアネート化合物を加えた
のち、水相を攪拌しながら、水性媒体中に分散せしめ、
系から溶剤を留去せしめる。
【0045】
【0046】ここで言うポリイソシアネート化合物と
は、前掲の2官能イソシアネート化合物であるとか、前
掲の多価グライコール類と、前掲の2官能イソシアネー
ト化合物との付加反応物であるとか、あるいはヘキサメ
チレンジイソシアネートの3量化タイプなどの、種々の
化合物を指称するものであり、こうした各種の化合物を
用いることが出来る。
【0047】また、ここで言う水性媒体とは、水の単独
使用系あるいは水とメタノールの如き、各種の水混和性
有機液体との併用を指称するものであり、この水性媒質
には、さらに、後述される如き、ベースコートとして用
いられる水性組成物のpHを調節する目的で以て、導入
されるような、種々の水溶性物質をも含有しうる。
【0048】分散したゲル微粒子の安定化のために、当
該粒子表面のカルボキシル基を、部分的に、あるいは全
面的に、アミン化合物で以て、pHを調節せしめること
が出来る。
【0049】ここで用いられる上記したアミン化合物と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ジ
メチルアミノエタノール、ジメチルアミン、トリエチル
アミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリンまたはN
−メチルモルフォリンなどである。
【0050】本発明に係るゲル微粒子の直径(粒子径)
としては、概ね、0.01〜10ミクロン(μm)なる
範囲内が適切であるが、該水性媒体には不溶性であっ
て、かつ、凝集に対して安定なものである。特に、10
ミクロンを超えるような粒子径の場合には、どうして
も、塗装後の充分なるチキソ性を得ることが出来なくな
るからである。
【0051】次に、本発明で言う、前記した水酸基と反
応性を有する硬化剤とは、水性媒体に溶解ないしは分散
化された形のものを指称するものであり、こうした形の
ものを用いることが出来る。
【0052】当該硬化剤として特に代表的なものは、水
溶性メラミン樹脂などである。エーテル化されたメラミ
ン・ホルムアルデヒド縮合生成物が、当該硬化剤に該当
する、特に代表的なものである。その水溶性は、出来る
だけ、低いものであるべきである。
【0053】縮合度は別として、水溶性はエーテル化成
分に左右され、アルカノール類またはエチレングリコー
ル・モノエーテル類などのエーテル化成分の含有率が、
極めて、低いものだけが、水溶性の縮合物を生じる。就
中、ヘキサメトキシメチルメラミン樹脂が極めて重要な
ものである。
【0054】溶剤などを使用する場合には、ブタノール
で以てエーテル化されたメラミン樹脂も、水相で、容易
に、分散せしめることが出来る。
【0055】カルボキシル基を、この種の縮合生成物中
に導入することも出来る。高度にエーテル化されたホル
ムアルデヒド縮合生成物のオキシカルボン酸とのエーテ
ル交換生成物は、中和後に、カルボキシル基を介して水
溶性化された形のものも用いることが出来る。
【0056】前記したメラミン樹脂の代わりに、さら
に、その他の水溶性ないしは水分散化が可能なるアミノ
樹脂、就中、ベンゾグアナミン樹脂を使用することも出
来る。
【0057】また、当該硬化剤としては、ブロックされ
たポリイソシアネート化合物をも使用することが出来
る。ブロックされたポリイソシアネートを製造する際
に、架橋に好適なる、任意の有機ポリイソシアネートを
使用することが出来る。炭素原子が約3〜36なる、就
中、約8〜15なる炭素原子を有するイソシアネート化
合物の使用が有利である。したがって、前掲したジイソ
シアネート類を用いることが出来る。
【0058】本発明において、架橋剤として挙げられる
有機ポリイソシアネート類としては、たとえば、ポリエ
ーテルポリオール類またはポリエステルポリオール類を
含めて、ポリオール類から誘導されるプレポリマー類で
あっても良い。
【0059】この目的のためには、常法により、ポリオ
ール類を、過剰の有機ポリイソシアネート類と反応させ
ればよく、それによって、末端にイソシアネート基を有
するプレポリマー類が生じる。このために使用すること
の出来るポリオール類の特に代表的な例としては、前掲
した如き、各種のポリグライコール成分などである。
【0060】かくして、かかる有機ポリイソシアネート
類をブロックするために、任意の、好適なる脂肪族−、
脂環式−または芳香族アルキル・モノアルコール類を使
用することが出来る。
【0061】まず、脂肪族アルキル・モノアルコール類
として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
メチル−、エチル−、クロルエチル−、プロピル−、ブ
チル−、アミル−、ヘキシル−、ヘプチル−、オクチル
−、ノニル−、3,3,5−トリメチルヘキシル−、−
デシル−または−ラウリルアルコールなどであるし、芳
香族アルキルモノアルコール類として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、フェニルカルビトールま
たはメチルフェニルカルビトールなどであるし、脂環式
アルキル・モノアルコール類として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、シクロヘキシルメタノール
などである。
【0062】場合により、少量の高分子系モノアルコー
ル類や、比較的低揮発性のモノアルコール類を、一諸に
使用することが出来るが、その際には、これらのアルコ
ール類は、分解後においては、硬化塗膜中で、可塑剤と
して作用する。
【0063】その他の好適なるブロック剤としては、メ
チルエチルケトンオキシム、アセトンオキシムまたはシ
クロヘキサノンオキシムの如き、各種のオキシム類;あ
るいはカプロラクタム類;フェノール類;ヒドロキサム
酸エステル;アセト酢酸エステル類またはβ−ジケテン
類などが、特に代表的なものである。
【0064】次に、本発明に係るベースコート用樹脂組
成物に、必要により、加えられる成分としては、水性媒
体中に分散される顔料粒子は、粒度範囲が1〜50ミク
ロンなる範囲内のもので、表面被覆組成物として、通
常、慣用されているような、任意の顔料類、たとえば、
二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛または
カーボンブラックの如き、各種の無機顔料;フタロシア
ニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバ
イオレット、アントラピリジンイエロー、フラバントロ
ンイエロー、イソインドリンイエロー、インダントロン
ブルー、キナクリドンバイオレットまたはインダンスレ
ンレッドの如き、各種の有機顔料などであり得る。
【0065】また、金属粉またはフレーク顔料(以下、
これらを金属粉顔料という。)を含む場合は、車体面を
メタリック仕上げ塗装するためのベース層として適する
ものである。適当なる金属粉顔料としては、特に、アル
ミニウム粉が挙げられる。
【0066】しかしながら、こうした金属粉顔料は、ソ
リッドカラー塗膜の形成にも有利である。
【0067】本発明に係るベースコート用樹脂組成物か
ら成る、水性塗料組成物の格別の利点は、その後に、施
されるトップコート用組成物が、ベースコート被膜と混
合したり、あるいは、ベースコート被膜を溶解したりす
るという傾向は無く、トップコート用組成物を、ベース
コート被膜に塗布できるように、極く、短い乾燥時間を
とれば、充分であり、そのようにすることによって、最
適なる金属粉のメタリック感を持ったものが、得られる
ということである。
【0068】本発明に係るベースコート用樹脂組成物か
ら成る水性塗料組成物を塗装したのち、焼き付けを行
い、あるいは、ウェットな状態で以て塗装する際の、ク
リヤーコートとして用いられるフィルム形成重合体成分
(被膜形成重合体成分)の種類は、何ら、限定的なもの
ではなく、一般に、熱硬化性型あるいは熱可塑性型の、
任意の、適当なるフィルム形成重合体を使用し得る。
【0069】こうした適当なる種類の重合体は、1種ま
たはそれ以上のエチレン性不飽和単量体から誘導される
ものである。この種の特に有用なる重合体は、自動車工
業で、塗料の製造に良く利用されている部類のアクリル
系重合体、すなわち、(メタ)アクリル酸のアルキルエ
ステル類の(共)重合体などである。
【0070】好適なる(メタ)アクリルエステル類とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチルまたは2−エチルヘキシルアクリレートな
どである。
【0071】熱架橋型のアクリル重合体が要求される場
合には、上掲した如き、各種の単量体類のほかに使用さ
れる、適当なる官能性単量体類を用いることが出来る
が、かかる官能性単量体類として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、アクリル酸、メタクリル酸、
β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−(ア
ルコキシメチル)アルキルアミド、N−(アルコキシメ
チル)メタクリルアミドまたはグリシジル(メタ)アク
リレートなどである。
【0072】トップコート組成物には、さらに、架橋
剤、たとえば、ポリイソシアネート化合物、ポリエポキ
シ化合物、あるいは、特に、ホルムアルデヒドと、尿
素、チオ尿素、メラミンもしくはベンゾグアナミンの如
き、各種の含窒素化合物との縮合物、または斯かる縮合
物の低級アルキルエーテル化物に代表されるアミノ・プ
ラスト樹脂を含有し得る。特に、好適なる架橋剤として
は、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物である。
【0073】前述のベースコート被膜へのトップコート
の塗布後に被覆された基体は、加熱または硬化操作にか
けることが出来るが、そうすることによって、トップコ
ートの揮発性液状担体は飛散させられ、随意に、トップ
コートおよび/またはベースコート用のフィルム形成物
質は、かかる架橋剤の存在によって架橋される。
【0074】この加熱または硬化操作は、通常、100
〜140℃なる範囲内の温度で以て行われるが、所望な
らば、これよりも低いような温度も、架橋機構を活性化
させるに充分ならば、使用し得る。
【0075】本発明に係るベースコート用水性組成物
は、刷毛塗り、吹き付け、あるいは浸漬などのような、
任意慣用の方法により、基体に塗布され得る。好ましく
は、圧縮空気吹き付け、静電吹き付け、または熱間吹き
付けなどの、公知慣用の、任意の吹き付け法を、自動で
も、あるいは手動でも、用いることが出来る。
【0076】
【実施例】次に、本発明を実施例により、一層、具体的
に説明するが、以下においては、%および部は特に断り
の無い限り、すべて重量基準であるものとする。
【0077】参考例 1(高分子アゾ開始剤の調製例) 温度計、攪拌機および還流冷却器を備えた四ツ口フラス
コに、N−メチルピロリドンの250部、ネオペンチル
グリコールの70部、ジメチロールプロピオン酸の5
部、アゾビスシアノプロパノールの20部およびジ−n
−ブチル錫ジラウレートの0.07部を仕込んで、攪拌
および氷冷下に、ヘキサメチレンジイソシアネートの1
35部を、2時間かけて滴下し、さらに、滴下終了後
は、25℃で20時間、反応せしめて、目的とする高分
子アゾ開始剤を得た。
【0078】しかるのち、この化合物について調べた
処、ゲルパーミェーション・クロマトグラフィーにより
測定された、ポリスチレン換算の数平均分子量が9,7
00で、かつ、一分子中の平均ジアゾ結合数が4.9個
なるポリエステルポリウレタン含有高分子アゾ開始剤で
あることが確認された。有効成分の含有率は27.5%
であることも確認された。
【0079】参考例 2(同上) 参考例1と同様の反応容器に、メチルエチルケトンの6
72部、ネオペンチルグリコールの63部、トリメチロ
ールプロパンの8部、ジメチロールプロピオン酸の2部
およびジ−n−ブチル錫ジラウレートの0.01部を仕
込んで、攪拌下に、ヘキサメチレンジイソシアネートの
130部を、2時間かけて滴下し、滴下終了後も、40
℃で2時間、反応せしめてから、室温まで冷却した。
【0080】次いで、氷冷しながら、アゾビスシアノペ
ンタノールの26部を、攪拌下に加えて、均一に分散が
為された処で、ジ−n−ブチル錫ジラウレートの0.0
7部を加え、25℃で10時間のあいだ反応を行った。
【0081】かくして得られた目的生成物は、数平均分
子量が10,000で、かつ、一分子中の平均ジアゾ結
合数が5.1個なる、ポリエステルポリウレタン含有高
分子アゾ開始剤であり、しかも、この有効成分含有率が
25%なる溶液であることも確認された。
【0082】参考例 3(同上) 参考例1と同様の反応容器に、メチルエチルケトンの2
12部、「ポリプロピレングリコール」[三洋化成工業
(株)製品;分子量=400]の150部、ジメチロー
ルプロピオン酸の10部およびジ−n−ブチル錫ジラウ
レートの0.06部を仕込んで、室温で攪拌下に、ヘキ
サメチレンジイソシアネートの32.4部およびキシレ
ンジイソシアネートの18.8部を、2時間かけて滴下
した。
【0083】滴下終了後は、50℃で2時間の反応を続
行させた処、数平均分子量が3,300で、酸価が9
で、かつ、水酸基価が25なる、ポリエーテルポリウレ
タンの216部と、アゾビスシアノプロパノールの1
9.6部、メチルエチルケトンの375.6部およびジ
−n−ブチル錫ジラウレートの0.08部とを仕込ん
で、氷冷下に、ヘキサメチレンジイソシアネートの3
3.6部を滴下した。
【0084】この滴下の終了後、25℃で20時間のあ
いだ反応を行った。ここに得られた生成物は、数平均分
子量が12,300で、かつ、一分子中の平均ジアゾ結
合数が5.7個なる、ポリエーテルポリウレタン含有高
分子アゾ開始剤の25%溶液であった。
【0085】参考例 4(同上) 温度計、攪拌機およびエア・コンデンサーを備えた反応
容器に、アジピン酸の50部、ネオペンチルグリコール
の73部およびイソフタル酸の52部を仕込んで、14
0℃で1時間反応せしめて、酸価が3で、水酸基価が3
2で、かつ、数平均分子量が2,500なるポリエステ
ル樹脂を得た。
【0086】次に、参考例1と同様の反応容器に、上記
ポリエステル樹脂の173部と、アゾビスイソシアノプ
ロパノールの20部、ジメチロールプロピオン酸の4
部、ジ−n−ブチル錫ジラウレートの0.07部および
メチルエチルケトンの700部とを仕込んで、氷冷下
に、ヘキサメチレンジイソシアネートの32部を、2時
間かけて滴下した。
【0087】しかるのち、25℃で20時間、攪拌下に
保持しつつ、反応を続行せしめて、数平均分子量が9,
600で、かつ、一分子中の平均ジアゾ結合数が5.4
個なる、ポリエステルポリウレタン含有高分子アゾ開始
剤の25%溶液を得た。
【0088】参考例 5(アクリル・ウレタン・ゲル微
粒子分散液の調製例) 温度計、攪拌機および還流冷却器を備えた四ツ口フラス
コに、「プロピレングリコールモノメチルエーテル」の
60部を仕込み、60℃に昇温して、スチレンの20
部、アクリル酸−n−ブチルの20部、メタクリル酸−
2−エチルヘキシルの23部、メタクリル酸−2−ヒド
ロキシエチルの5部およびアクリル酸の2部と、参考例
1で得られたポリエステルポリウレタン含有高分子アゾ
開始剤の120部との混合溶液を、4時間かけて滴下
し、滴下終了後も、同温度に10時間保持して、重合を
続行せしめた処、数平均分子量が25,000なる、ブ
ロック共重合体の溶液が得られた。
【0089】この溶液の不揮発分は40%であって、2
5℃におけるガードナー粘度はXであった。さらに、こ
の溶液に「バーノック DN−901S」[大日本イン
キ化学工業(株)製品]の3部、ジブチル錫ジラウレー
ト(DBTDL)の0.0001部を加えた。充分に攪
拌したのち、激しく攪拌しながら、脱イオン水の320
部を加えた。
【0090】60℃で2時間の反応を行ったのち、ここ
に生じる分散相から、メチルエチルケトン(MEK)を
留去して、ジメチルエタノールアミンの2.5部を加え
た。かくして、固形分含有率が25%で、かつ、平均粒
子径が100ナノメーター(nm)なる目的微粒子分散
液を得た。
【0091】参考例 6(同上) 参考例5と同様の反応容器に、参考例2で得られた高分
子アゾ開始剤の200部、スチレンの10部、メチルメ
タクリレートの20部、ブチルアクリレートの10部、
メタクリル酸の2部および「プラクセル FM−1」
[ダイセル化学工業(株)製品]の8部を仕込んでか
ら、80℃まで徐々に昇温し、さらに、15時間反応を
行った処、不揮発分が40%で、かつ、25℃における
粘度がZなるビニル系共重合体の溶液が得られた。
【0092】さらに、この溶液に、「バーノック DN
−990」[大日本インキ化学工業(株)製品]の5部
を加え、充分に攪拌してから、激しく攪拌しながら、脱
イオン水の233部を加え、60℃で2時間のあいだ反
応を行ったのち、系からMEKを留去した。
【0093】しかるのち、ジメチルエタノールアミンで
pHを7.3に調整した。最終的に得られた分散液は、
固形分含有率が35%で、かつ、平均粒子径が90nm
なるものであった。
【0094】参考例 7(同上) 参考例5と同様の反応容器に、参考例3で得られた高分
子アゾ開始剤の280部、スチレンの5部、2−エチル
ヘキシルメタクリレートの15部、1,4−ブチレンモ
ノアクリレートの6部およびメタクリル酸の4部を仕込
んで、70℃まで徐々に昇温したのち、さらに、18時
間に亘る反応を行い、不揮発分が33%で、かつ、25
℃における粘度はSであった。さらに、この溶液に、
「バーノック DN−955」[大日本インキ化学工業
(株)製品]の10部およびDBTDLの0.001部
を加えて、激しく攪拌しながら、脱イオン水の300部
を加え、かくして得られた分散液を、60℃に2時間保
持してから、MEKを留去し、ジメチルエタノールアミ
ンでpHを7.4に調整した。かくして得られた分散液
は、不揮発分が35%で、かつ、平均粒子径が110n
mなるものであった。
【0095】参考例 8(同上) 参考例6と同様の反応容器に、参考例4で得られた高分
子アゾ開始剤の200部を仕込んで、80℃まで昇温し
たのち、メチルメタクリレートの20部、ブチルアクリ
レートの20部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート
の6部およびメタクリル酸の4部よりなる混合物を、2
時間に亘って滴下した。
【0096】さらに、15時間のあいだ反応を行って、
不揮発分が33%で、かつ、25℃における粘度がKな
るアクリル系共重合体の溶液を得た。次いで、ここへ、
「バーノック DN−955」の6部を加えて、激しく
攪拌しながら、脱イオン水の300部を加え、かくして
得られた分散液を、60℃に3時間保持したのち、ME
Kを留去し、ジメチルエタノールアミンでpHを7.5
に調整した。ここに得られた分散液は、不揮発分が35
%で、かつ、平均粒子径が130nmなるものであっ
た。
【0097】比較例 1(対照用のアクリル・ウレタン
微粒子分散液の調製例) 「バーノック DN−955」の使用を欠如するように
変更した以外は、参考例7と同様にして、対照用のアク
リル・ウレタン微粒子分散液を得た。ここに得られた分
散液は、不揮発分が34.5%で、かつ、平均粒子径が
120nmなるものであった。
【0098】比較例 2(同上) 「バーノック DN−955」の使用を欠如するように
変更した以外は、参考例8と同様にして、対照用のアク
リル・ウレタン微粒子分散液を得た。ここに得られた分
散液は、不揮発分が35.2%で、かつ、平均粒子径が
100nmなるものであった。
【0099】実施例 1(メタリック・ベースカラーの
調製) 参考例5で得られたアクリル・ウレタン・ブロック共重
合体ゲルの269部に、市販の3%シックナー溶液の3
22部を、攪拌下に添加し、次いで、N−メチルモルフ
ォリンでpHを7.4に調整した。
【0100】しかるのち、これに、58%「WZ−71
60」[東洋アルミニウム(株)製のアルミペースト]
の55部と、市販のヘキサメトキシメラミン樹脂(HM
M)の15部とを混合し、脱イオン水で、フォード・カ
ップNo.4で30秒なるスプレー粘度に調整した。
【0101】実施例 2〜4ならびに比較例3および4 (メタリック・ベースカラーの調製)参考例6〜10で
得られた、それぞれのアクリル・ウレタン・ブロック共
重合体ゲルと、3%シックナー溶液と、「WX−716
0」と、HMMとを、 ・PWC(顔料重量濃度):13% ・アクリル・ウレタン・ブロック共重合体ゲル/HMM
= 90 / 10 ・シックナー:4%(対、固形分) の配合割合となるように配合したのち、実施例1と同様
にして、フォード・カップNo.4で30秒なるスプレ
ー粘度の塗料を得た。これらの各例で得られた、それぞ
れのメタリック・ベースカラーの粘度挙動を、まとめ
て、第1表に示す。
【0102】参考例11(溶剤型クリヤコート用組成物
の調製例) 次のような配合組成により、固形分含有率が45%なる
クリヤー溶液を得た。 ・「アクリデイック JJ−714」 72部 [大日本インキ化学工業(株)製品;不揮発分 =55%] ・「スーパーベッカミン L−117」 28部 (同上社製品) ・「ソルベッソ 100」 25部 (アメリカ国エクソン社製の芳香族系溶剤) ・「Lo−50」 0.3部 (ドイツ国ワッカー・ヒェミー社製の流動調整 剤;キシレンの1%溶液) このクリヤー溶液の粘度は、フォード・カップNo.4
で30秒であった。
【0103】実施例 7〜12(ベースコートおよびク
リヤーコートの、基体への塗布) プライマーおよびサーフェサーで処理した金属パネル
に、実施例1〜4ならびに参考例3および4で得られ
た、それぞれの金属粉顔料含有ベースコート用組成物
を、さらに希釈することなく、22℃の温度および39
%の相対湿度下に、2回、吹き付け塗布した。
【0104】かかる2回の塗布の間に、2分間の蒸発時
間を取った。スプレー・ガンにおける塗料の流率は40
0ミリ・リットル/分とした。2回目のベースコートの
塗布後に、パネルに対して、25℃の空気をパージして
から、参考例11で得られたクリヤーコート用組成物
を、ドライ膜厚が35ミクロンとなるように塗装した。
最後に、10分間の蒸発時間を取ったのちに、パネルを
140℃で20分間、焼き付けた。これらの各例で得ら
れた、それぞれの塗膜についてのメタリック感を観察し
た処を、まとめて、第2表に示す。
【0105】
【表1】
【0106】《第1表の脚注》 「せん断速度D」………ハーケ型粘度計により測定し
た、ずり速度(シェア・レート)を示す単位
【0107】
【表2】
【0108】《第2表の脚注》 「IV値」………メタリック塗料のメタリック感を表示
する指標であって、レーザー光の反射に基づく明暗の度
合いを示す。
【0109】この値が高いほど、メタリック塗膜の白さ
感が高くなり、一般に、メタル顔料の配合が向上したこ
とを意味する。 測定機器:「ALCOPE LMR−100」[関西ペ
イント(株)製のメタリック感測定装置]
【0110】
【発明の効果】第1表および第2表からも明らかなよう
に、本発明の水性塗料組成物は、たとえば、2C−1B
仕上げのベースコートとして用いた場合には、極めて優
れたメタリック感を有し、しかも、構造粘性の大きさに
起因するワキやタレなどの無い塗膜を与えるものであ
る。
【0111】ところで、アクリル・ウレタン微粒子がゲ
ル化していない場合には、溶剤型クリヤー樹脂を塗装し
た場合には、金属粉の ”戻り ”があり、充分なるメタ
リック感が得られなったが、この点、本発明の組成物を
用いることによって、スプレーされた系のレオロジー的
にすぐれ、従来技術において、常に、必要とされた複雑
なる設備と、特定の雰囲気条件の設定ならびにその精密
なる制御を必要とすること無しに、種々の条件下で、塗
装、そして、塗膜化のさいに、満足なる被膜が形成され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 151/08 PGX 7142−4J 175/04 PHX 8620−4J // C08F 283/00 MQW 7142−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被膜形成材料の主成分として、分子量が
    1,000以上なる、それぞれ、一般式[I]で示され
    る構造単位と、一般式[II]で示される構造単位と
    を、一分子中に少なくとも1個有する、カルボキシル基
    およびジアゾ基を有するポリウレタン樹脂の存在下に、
    水酸基含有重合性単量体を必須成分とする重合性不飽和
    基含有単量体を重合させることにより得られる重合体
    に、多官能性ポリイソシアネート樹脂を反応させ、次い
    で、中和せしめ、さらに、これを水性媒質中に分散せし
    めた水性重合体分散液に、それぞれ、水酸基と反応性を
    有する硬化剤および/またはカルボキシル基と反応性を
    有する硬化剤を含有せしめることを特徴とする、水性塗
    料組成物。 【化1】 [ただし、式中のR1 は、カルボキシル基を必須とする
    アルキレン基、またはベンゼン環もしくはシクロヘキセ
    ン環のいずれかを含んだアルキレン基を表わすものと
    し、R2 はアルキレン基、シアノ基を含んだアルキレン
    基、アミド結合を含んだアルキレン基、またはアミド結
    合と水酸基とを併せ有するアルキレン基を表すものとす
    る。] 【化2】 [ただし、式中のR3 は、ポリエステルポリオール残
    基、ポリウレタンポリオール残基、ポリエステルポリウ
    レタンポリオール残基、ポリエーテルポリオール残基、
    ポリエーテルポリエステルポリウレタンポリオール残基
    および/またはポリエーテルポリウレタンポリエステル
    残基を表すものとする。]
  2. 【請求項2】 被膜形成材料の主成分として、分子量が
    1,000以上なる、それぞれ、一般式[I]で示され
    る構造単位と、一般式[II]で示される構造単位と
    を、一分子中に少なくとも1個有する、カルボキシル基
    およびジアゾ基を有するポリウレタン樹脂の存在下に、
    水酸基含有重合性単量体を必須成分とする重合性不飽和
    基含有単量体を重合させることにより得られる重合体
    に、多官能性ポリイソシアネート樹脂を反応させ、次い
    で、中和せしめ、さらに、これを水性媒質中に分散せし
    めた水性重合体分散液に、それぞれ、水酸基と反応性を
    有する硬化剤および/またはカルボキシル基と反応性を
    有する硬化剤を含有せしめ、さらに、着色顔料および/
    またはメタリック顔料をも含有せしめることを特徴とす
    る、水性塗料組成物。 【化3】 [ただし、式中のR1 は、カルボキシル基を必須とする
    アルキレン基、またはベンゼン環もしくはシクロヘキセ
    ン環のいずれかを含んだアルキレン基を表わすものと
    し、R2 はアルキレン基、シアノ基を含んだアルキレン
    基、アミド結合を含んだアルキレン基、またはアミド結
    合と水酸基とを併せ有するアルキレン基を表すものとす
    る。] 【化4】 [ただし、式中のR3 は、ポリエステルポリオール残
    基、ポリウレタンポリオール残基、ポリエステルポリウ
    レタンポリオール残基、ポリエーテルポリオール残基、
    ポリエーテルポリエステルポリウレタンポリオール残基
    および/またはポリエーテルポリウレタンポリエステル
    残基を表すものとする。]
  3. 【請求項3】 2コート・2ベーク方式、2コート・1
    ベーク方式またはオーバー・コート方式で以て塗膜を形
    成せしめるに当たり、ベースコートとして、請求項1ま
    たは2に記載の水性塗料組成物を用いることを特徴とす
    る、新規な塗膜形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001240791A (ja) * 2000-02-25 2001-09-04 Nippon Paint Co Ltd 複合塗膜形成方法
KR100751749B1 (ko) * 2000-05-25 2007-08-24 간사이 페인트 가부시키가이샤 자동차 차체의 도장법
EP3023446A1 (en) * 2014-11-18 2016-05-25 Basf Se Continuous high-throughput process for the preparation of polyurethanes

Cited By (3)

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