JP2013194087A - 水性塗料組成物およびそれを用いた被塗物 - Google Patents

水性塗料組成物およびそれを用いた被塗物 Download PDF

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Abstract

【課題】レトルト処理水の耐汚染性に優れるとともに、レトルト処理後の搬送性、耐傷付き性を満足する塗膜を形成し得る水性塗料組成物を提供すること。
【解決手段】融点が80℃以下のワックス(A)の存在下、下記モノマー(a)〜(e)を下記重合比率で共重合してなる共重合体(B)を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
(a)N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド:10〜50重量%
(b)エチレン性二重結合及びC8以上のアルキル基を有するモノマー:1〜10重量%
(c)エチレン性二重結合及び水酸基を有するモノマー:1〜10重量%
(d)エチレン性二重結合及びカルボキシル基を有するモノマー:0.8〜5重量%
(e)上記(a)〜(d)以外のエチレン性二重結合を有するモノマーであって、ガラス転移温度が45〜105℃の重合体を形成し得るモノマー:30〜80重量%
【選択図】なし

Description

本発明は水性塗料組成物に関する。この水性塗料組成物は金属缶もしくはポリエステルフィルム被覆絞り缶用外面塗料に好適に用いられ、レトルト処理水の耐汚染性、レトルト処理後の搬送性、耐傷付き性に優れる被塗物を得ることができる。
清涼飲料水やビール、アルコール飲料、魚肉などを収容する飲料缶および食缶(以下両者を併せて飲料缶等と記載することがある)の外面は、缶材の美的外観を高め、腐食を防止し、かつ食品殺菌処理時の熱水処理工程に耐え得る塗膜が必要とされてきた。被覆に用いられる従来の塗料は、エポキシ/アミノ系樹脂、アクリル/アミノ系樹脂、ポリエステル/アミノ系樹脂等の樹脂を有機溶剤に溶解して成る有機溶剤型塗料であり、係る塗料をロールコーターにて塗装し、ガスオーブンにて焼き付け硬化し、上記の飲料缶等を被覆していた。しかし、これら溶剤型塗料は、多量の有機溶剤を含有するため、消防法上の観点、ならびに環境調和の観点から種々の水性塗料が開発されてきた。
近年、飲料缶等に収容する内容物が多様化し、それによりレトルト処理による殺菌処理の需要が高まってきている。環境負荷低減の観点からレトルト処理水のリサイクルが推奨され、このレトルト処理水の汚染の低減が飲料缶等用塗料に求められてきている。
さらに、生産性向上のため、製缶メーカー、飲料メーカーでのラインの高速化が益々進んでおり、また、意匠性の要求も高まっていることから更なる傷付きへの耐性が求められており、レトルト処理後の滑り性、耐傷付き性の向上が必須となってきている。
塗膜の耐レトルト性、耐傷付き性、加工性、密着性の向上を目的として特許第3870682号公報(特許文献1)には、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドを必須成分の一つとし、単独重合体が特定のガラス転移温度を形成し得るモノマーからなる共重合体を有する塗料組成物が開示されている。係る公報に開示される塗料組成物は耐レトルト性、耐傷付き性、加工性、密着性に優れる塗膜を形成し得るが、レトルト処理水の耐汚染性、レトルト処理後の搬送性の点では不十分であった。
また、塗膜のレトルト処理後の耐傷付き性向上を目的として特開2007−77341号公報(特許文献2)には、特定の分子種を有するアミノ樹脂とアクリル系共重合体及び、特定の融点を有するワックスを含有する水性塗料組成物が開示されている。係る公報に開示される水性塗料組成物はレトルト処理後の耐傷付き性に優れる塗膜を形成し得るが、レトルト処理後の搬送性、レトルト処理水の耐汚染性の点では不十分であった。
更に、搬送性、耐傷付き性に優れ、かつ搬送性や耐傷付き性向上の目的で添加したワックスが塗膜から脱離し難く、水中へも抽出されにくい塗膜を得ることを目的として特開2009−191180号公報(特許文献3)には、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを必須成分とするモノマーを動物系ワックス存在下で共重合することを特徴とする水性塗料組成物が開示されている。係る公報に開示される水性塗料組成物は、レトルト処理前の搬送性、耐傷付き性に優れる塗膜を形成し得るが、レトルト処理水の耐汚染性、レトルト処理後の搬送性を満足するには至っていない。
特許第3870682号公報 特開2007−77341号公報 特開2009−191180号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたものであり、レトルト処理水の耐汚染性に優れるとともに、レトルト処理後の搬送性、耐傷付き性を満足する塗膜を形成し得る水性塗料組成物を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の融点の範囲を持つワックスの存在下で共重合された特定のモノマー組成の共重合体を含有する塗料組成物が、レトルト処理水の汚染低減性に優れると共に、レトルト処理後の搬送性、耐傷付き性をも満足させる塗膜を形成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、第1の発明は、融点が80℃以下のワックス(A)の存在下、下記モノマー(a)〜(e)を下記重合比率で共重合してなる共重合体(B)を含有することを特徴とする水性塗料組成物である。
(a)N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド:10〜50重量%
(b)エチレン性二重結合及びC8以上のアルキル基を有するモノマー:1〜10重量%
(c)エチレン性二重結合及び水酸基を有するモノマー:1〜10重量%
(d)α、β−エチレン性二重結合及びカルボキシル基を有するモノマー:0.8〜5重量%
(e)上記(a)〜(d)以外のエチレン性二重結合を有するモノマーであって、ガラス転移温度が45〜105℃の重合体を形成し得るモノマー:30〜80重量%
第2の発明は、アミノ樹脂、イソシアネート基を有する化合物、又はブロック化されたイソシアネート基を有する化合物のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする第1の発明の水性塗料組成物である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の水性塗料組成物を、金属板、有底円筒状金属もしくはポリエステルフィルム被覆絞り缶に塗布し、乾燥、硬化してなることを特徴とする被塗物である。
本発明により、レトルト処理水の耐汚染性に優れるとともに、レトルト処理後の搬送性、耐傷付き性を満足する塗膜を形成し得る水性塗料組成物を提供することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、融点が80℃以下であるワックス(A)をモノマー(a)〜(e)の合計100重量部に対して1〜15重量部使用することが好ましく、2〜10重量部使用することがより好ましい。1重量部未満では搬送性向上の効果がなく、15重量部を超えるとワックス汚染性が低下する恐れがある。ワックス汚染性とは、硬化塗膜から脱離したワックス成分により、缶の搬送ライン設備などが汚染される現象のことをいう。
融点が80℃以下であるワックス(A)としては、例えば、蜜蝋、ラノリンワックス、鯨蝋、キャンデリラワックス、木蝋等種々のワックスが挙げられ、融点10〜70℃のものが好ましい。これらのワックスは、単独で、もしくは2種以上併用して用いることができる。ワックスの融点が80℃を超えるとワックス汚染性が低下する恐れがある。
本発明に使用される共重合体(B)は、融点が80℃以下のワックス(A)の存在下、従来公知の種々の重合方法、例えば通常の溶液重合によって得ることができる。すなわち、(a)N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、(b)エチレン性二重結合及びC8以上のアルキル基を有するモノマー(以下、C8以上のアルキル基含有モノマー(b)ともいう)、(c)エチレン性二重結合及び水酸基を有するモノマー(以下、−OH基含有モノマー(c)ともいう)、(d)エチレン性二重結合及びカルボキシル基を有するモノマー(以下、−COOH基含有モノマー(d)ともいう)、および他のモノマー(e)からなるモノマー混合物を、有機溶剤中でラジカル重合させて得ることができる。得られた共重合体(B)中のカルボキシル基の全部又は一部を揮発性塩基によって中和せしめ、水を添加することによって、共重合体(B)の水溶液ないしは水性分散体を得ることができる。
本発明において、共重合体(B)を得る際に用いられるN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a)(以下、モノマー(a)と略すこともある)としては、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、好ましくはN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミドである。モノマー(a)は、硬化塗膜を形成する際に、自己縮合し得る官能基を共重合体(B)に導入する機能を担う。モノマー(a)が、全モノマー100重量%中、10重量%未満になると、塗膜の架橋密度が低下し、その結果塗膜の耐傷付き性、耐レトルト性、硬度が低下する恐れがある。一方、モノマー(a)が、全モノマー100重量%中50重量%を超えると、塗膜の加工性が低下する恐れがある。
本発明において、共重合体(B)を得る際に用いられるC8以上のアルキル基含有モノマー(b)の使用量は、モノマー(a)〜(e)の合計100重量%中、1〜10重量%であることが好ましく、3〜7重量%であることがより好ましい。1重量%未満であるとC8以上のアルキル基含有モノマー(b)を使用する効果(レトルト処理後の滑り性等の向上)がほとんど期待できず、一方、得られる共重合体中にC8以上のアルキル基が多くなり過ぎると塗膜の硬度が低下する傾向にあるので、C8以上のアルキル基含有モノマー(b)は、(a)〜(e)の合計100重量%中、10重量%以下であることが好ましい。C8以上のアルキル基含有モノマー(b)としては、イソオクチルアクリレート(C8)、イソデシルアクリレート(C10)、n−ラウリルアクリレート(C12)、n−ラウリルメタクリレート(C12)、トリデシルメタクリレート(C13)、ステアリルアクリレート(C18)、ステアリルメタクリレート(C18)等がある。
本発明において共重合体(B)を得る際に用いられる−OH基含有モノマー(c)中の−OHは、硬化塗膜を形成する際、モノマー(a)に由来するアルコキシメチル基と反応し得る。−OH基含有モノマー(c)の使用量は、(a)〜(e)の合計100重量%中、1〜10重量%であることが好ましく、3〜7重量%であることがより好ましい。1重量%未満であると−OH基含有モノマー(c)を使用する効果(耐傷付き性等の向上)がほとんど期待できず、一方、得られる共重合体中に水酸基が多くなり過ぎると、塗膜の加工性、耐レトルト性が低下する傾向にあるので、−OH基含有モノマー(c)は、モノマー(a)〜(e)の合計100重量%中、10重量%以下であることが好ましい。
−OH基含有モノマー(c)としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートや、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられ、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレートとしては、ダイセイル化学工業(株)製のプラクセルFA−1、FA−3等がある。
本発明において、共重合体(B)を得る際に、−COOH基含有モノマー(d)を用いることによって、形成される塗膜の基材に対する密着性を向上させることができる。さらに、−COOH基含有モノマー(d)を用いることによって、塩基性物質の存在下に共重合体(B)を水に分散又は溶解せしめ、水性塗料組成物を得ることができる。
−COOH基含有モノマー(d)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のα、β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーが挙げられ、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。これら−COOH基含有モノマー(d)の使用量は、モノマー(a)〜(e)の合計100重量%中、0.8〜5重量%であることが好ましく、1〜3重量%であることがより好ましい。0.8重量%未満では、共重合体(B)を水溶化することも、水性媒体に分散させることも困難であり、また溶剤型塗料組成物として使用した場合においても、基材に対する密着性が不十分となり易い。一方、5重量%を超えるとレトルト処理水の耐汚染性が低下する傾向にある。
本発明において、共重合体(B)を得る際に用いられるモノマー(e)は、モノマー(a)〜(d)以外のエチレン性二重結合を有し、上記(a)〜(d)と共重合可能なモノマーであって、本モノマー(e)のみで重合した場合にガラス転移温度が45〜105℃の重合体を形成し得ることが重要である。
モノマー(e)として、1種類のモノマーのみを用いてもよく、2種類以上のモノマーを組合せて用いてもよい。
1種類のモノマーのみを用いる場合には、当該モノマーからなる単独重合体のガラス転移温度が45〜105℃であり、2種類以上のモノマーを組合わせる場合には、それらのモノマーからなる共重合体のガラス転移温度が45〜105℃となり得ることが重要である。
2種類以上のモノマーからなる共重合体のガラス転移温度(以下、Tgとも表記する)について、例えば、モノマー(e)として、M1、M2、M3、M4、・・・・・・MNを使用する場合、それぞれの(e)中での重量%を、W1、W2、W3、W4、・・・・WN(W1、W2、W3、W4、・・・・WNの合計を100重量%とする。)とし、それぞれのモノマーの単独重合体のガラス転移温度(K)を、Tg1、Tg2、Tg3、Tg4、・・・・TgNとした時に、ここでのモノマー(e)のみで共重合して得られる共重合体のガラス転移温度Tg(K)は、下記式(I)なるFoxの式より算出することがで
きる。
1/Tg(K)=[(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+(W3/Tg3)+(W4/Tg4)・・・・(WN/TgN)]/100 式(I)
ガラス転移温度が45℃未満では、塗膜の耐傷付き性、硬度が低下し、105℃を超えると塗膜の柔軟性が低下し加工性が劣る。また、モノマー(e)は、共重合体(B)を得る際に30〜80重量%使用することが重要であり、40〜65重量%使用することが特に好ましい。30重量%未満では、形成される塗膜の耐傷付き性、硬度が低下し、80重量%を超えると塗膜の加工性が低下する。モノマー(e)としては、(メタ)アクリレートモノマー(単独重合体のTg:℃)として、メチルメタクリレート(105℃)、エチルメタクリレート(65℃)、n−ブチルメタクリレート(20℃)、イソブチルメタクリレート(67℃)、t−ブチルメタクリレート(107℃)、イソプロピルメタクリレート(81℃)、シクロヘキシルメタクリレート(66℃)、n−ヘキシルメタクリレート(−5℃)、メチルアクリレート(8℃)、エチルアクリレート(−22℃)、イソプロピルアクリレート(−5℃)、n−ブチルアクリレート(−54℃)、フェノキシエチルアクリレート(−25℃)等が挙げられる。
また、ビニル系モノマーとして、スチレン(100℃)、酢酸ビニル(30℃)等が挙げられる。
なお、本発明においては、単独重合体のTgは、『北岡協三著、「塗料用合成樹脂入門」、高分子刊行会、1974年5月25日発行』によった。
本発明において共重合体(B)を得る際に用いられる重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物、又は2 ,2−アゾビスイソブチルニトリルのようなアゾ化合物が挙げられ、これらを使用し、ラジカル重合する。さらに重合時に使用する溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール等のエーテル系溶剤が挙げられる。
上記のようにして得られる共重合体(B)は、重量平均分子量5000〜30000であることが好ましく、7000〜15000であることがより好ましい。さらに酸価は7〜40(mgKOH/g)であることが好ましく、9〜25(mgKOH/g)であることがより好ましい。
次に、上記共重合体(B)と併せて用い得るアミノ樹脂について説明する。アミノ樹脂としては、ベンゾグアナミン、メラミン、スピログアナミン、アセトグアナミン、フタログアナミン等のアミノ基の一部又は全部にホルムアルデヒドを付加してメチロール化した後、縮合させてなるものであり、イミノ基、メチロール基、またはメチロール基にアルコールが付加したメトキシ基を有し、これらの基を併せ持つものもある。本発明において用い得るアミノ樹脂としては、メチロール基の一部が部分的にメタノール又はブタノールでエーテル化されたメトキシ化ベンゾグアナミン樹脂又はブトキシ化ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。さらにベンゾグアナミン核1個あたり、0.5〜2.0 個のイミノ基を有するアミノ樹脂を用いることが好ましい。イミノ基が0.5個未満の場合、反応性の低下から、耐臭気吸着性、耐レトルト性が低下する傾向にある。一方、イミノ基が2.0個を超えると、加工性、密着性が低下する傾向にある。上述の共重合体(B)とアミノ樹脂の配合比率は、固形分の重量比で、共重合体(B)/アミノ樹脂=80/20〜40/60であり、さらに好ましくは70/30〜50/50である。アミノ樹脂量が、重量比で20部未満では、形成される塗膜の耐傷付き性、耐レトルト性、硬度が低下する傾向にあり、一方、60部を超えると形成される塗膜の加工性、密着性が低下する傾向にある。
上記共重合体(B)は、上記のアミノ樹脂と組み合わせることができる他、イソシアネート基を有する化合物とも組み合わせることできる。イソシアネート基を有する化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のポリイソシアネート類を使用することが出来る。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4 ’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1 , 4 ーフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4 ’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
第2の発明においては、さらに上記のイソシアネート基を有する化合物を、活性メチレン、MEK オキシム、ε−カプロラクタム等のブロック化剤でブロックしてなるイソシアネート化合物を上記した共重合体(B) と併用することができる。
本発明の塗料組成物には、必要に応じて、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、リン酸等の酸触媒、又は前記酸触媒をアミンブロック化したものを、上記共重合体(B)、及びアミノ樹脂もしくはイソシアネート基を有する化合物等の合計100重量部に対して、0.1〜4.0重量部添加して使用することができる。
本発明の塗料組成物には、一般的に用いられているポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、マレイン化脂肪酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物等を添加することが可能である。また、リン酸をグリシジル基に付加し末端がリン酸エステル化されたエポキシ樹脂を添加して使用することも可能である。
本発明の塗料組成物には、さらに酸化チタン、アルミニウムフレーク、銅フタロシアニン等の顔料を含むこともできる。例えば、共重合体(B)、アミノ樹脂等及び上記顔料を、サンドミル、ディスパー等の公知の分散機を用いて分散練肉して、塗料組成物を得ることができる。顔料を含有する場合には、上記共重合体(B)、及びアミノ樹脂もしくはイソシアネート基を有する化合物等の合計100重量部に対して、顔料0.1〜40重量部を添加して使用することが好ましい。
本発明の塗料組成物は、各種基材、例えば金属板、プラスチックフィルム、又は金属板にプラスチックフィルムを積層してなるもの等に、ロールコート、スプレー、刷毛塗り等、公知の手段により塗装し、乾燥、硬化して被塗物を得ることができる。金属板としては、電気メッキ錫鋼板、アルミニウム鋼板、ステンレス鋼板が挙げられ、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET、ポリブチレンテレフタレート等のプラスチックのフィルムが挙げられる。
さらにまた、本発明の塗料組成物は、有底円筒状金属もしくはポリエステルフィルム被覆絞り缶の被覆に好適に用いることができる。
以下、実施例より本発明を説明する。例中、「部」とは重量部、「%」とは重量%を、それぞれ示す。
製造例1:アクリル系共重合体(B1)の製造
温度計、撹拌機、還流冷却機、滴下槽、窒素ガス吹き込み管を備えた四ツ口フラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル100部、ラノリンワックス[クローダジャパン(株)社製商品名:「コロネット」(融点:43〜55℃)]3部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ撹拌しながら120℃ に昇温し、滴下槽から2−ヒドロキシエチルメタアクリレート3部、エチルアクリレート20部、メチルメタクリレート40.5部、N−ブトキシメチルアクリルアミド27部、アクリル酸1.5部、ラウリルメタクリレート5部からなる混合物100部に過酸化ベンゾイル6部を溶解させたものを2時間にわたって滴下した。その後、110℃に保ち30分間反応させ、過酸化ベンゾイル0.2部を添加し、更に30分間反応させ、0.2部を添加し、更に30分間反応させて終了した。これを減圧下110℃ で、エチレングリコールモノブチルエーテルを不揮発分65%になるまで留去し、その後ジメチルエタノールアミン0.1部と水を入れ、不揮発分50%、残留エチレングリコールモノブチルエーテル33%の褐色透明で粘調なアクリル系共重合体(B1) 溶液を得た。アクリル系共重合体(B1)の重量平均分子量は10000であった。
製造例2〜6(アクリル系共重合体(B2)、(B3)、及び(C1)〜(C3)の合成)
製造例1と同様に、表1の組成で、アクリル系共重合体(B2)、(B3)、及び(C1)〜(C3)を得た。
実施例1
製造例1で得たアクリル共重合体(B1)55重量部(固形分)、アミノ樹脂であるマイコート106(日本サイテック社商品)45重量部(固形分)、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸を0.2重量部、レベリング剤としてシリコンKF353(信越シリコン社製商品)を1.0重量部、滑り剤としてCERACOL-601(ビックケミー・ジャパン株式会社商品)1.0重量部を混合し、これにエチレングリコールモノブチルエーテル、及びイオン交換水を添加、混合して、不揮発分40%、有機溶剤量32%、触媒量0.2phr(対樹脂分%)の塗料組成物を得た。得られた塗料組成物を板厚0.28mmのアルミニウム板に乾燥後の塗膜厚が5μmとなるようにロ−ルコ−ト塗装し、雰囲気温度200℃ のガスオーブンで5分間焼き付け、塗装板(被塗物)を作成し、塗膜について後述する方法で各種特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例2、3、及び比較例1〜3
製造例1で得たアクリル共重合体(B1)の代わりに、表2に示すとおり、製造例2〜6で得たアクリル共重合体(B2)、(B3)、及び(C1)〜(C3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得、同様にして塗装板を得、塗膜について試験した。結果を表3に示す
〇耐傷付き性(塗膜傷つき値)
同一の塗料組成物から得た塗装板6枚を130℃−30分レトルト処理後、市販の350mlの飲料缶の周囲にそれぞれ貼り付け、塗装面同士が接触するようにして6缶を束ねて固定し、「GVcat」振動試験機(GAVARTI ASSOCIATES,LTD.社製)を用いて10分間振動させ、振動後の塗膜に生じた傷の長さと数から、」塗膜の耐傷付き性を評価した。
評価基準:長さ3mm以上の傷(大):3点、長さ1mm以上〜3mm未満の傷(中):2点、長さ1mm未満の傷(小):1点とし、各評点に傷の数を乗じてその合計値で塗膜の耐傷付き性を評価。点数の低い方が良好であり、20点以下が実用レベルである。
〇耐レトルト性試験
蒸気雰囲気中で130℃−30分レトルト処理した後の塗膜の白化程度を目視で評価した。
評価基準:(白化せず)5点−1点(全面白化)。4点以上が実用レベルである。
○レトルト処理水TOC試験
塗装面積が1000cm2である塗装板を耐圧ビンにいれ、500gの水を加えて密閉し、130℃―30分レトルト処理した後の処理水中のTOC(全有機炭素)値を全有機体炭素計(TOC−5000A、島津製作所社製)を用いて測定した。
評価基準:15ppm以下 合格
○滑り性試験:鋼球3点により支持された重さ1kgの重りを、塗膜上を100cm/分の速度で引っ張り、塗膜表面の動摩擦係数を算出した。
評価基準:0.10未満 合格
Figure 2013194087
Figure 2013194087
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Claims (3)

  1. 融点が80℃以下のワックス(A)の存在下、下記モノマー(a)〜(e)を下記重合比率で共重合してなる共重合体(B)を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
    (a)N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド:10〜50重量%
    (b)エチレン性二重結合及びC8以上のアルキル基を有するモノマー:1〜10重量%
    (c)エチレン性二重結合及び水酸基を有するモノマー:1〜10重量%
    (d)エチレン性二重結合及びカルボキシル基を有するモノマー:0.8〜5重量%
    (e)上記(a)〜(d)以外のエチレン性二重結合を有するモノマーであって、ガラス転移温度が45〜105℃の重合体を形成し得るモノマー:30〜80重量%
  2. アミノ樹脂、イソシアネート基を有する化合物、又はブロック化されたイソシアネート基を有する化合物のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の水性塗料組成物。
  3. 請求項1又は2記載の水性塗料組成物を、金属板、有底円筒状金属もしくはポリエステルフィルム被覆絞り缶に塗布し、乾燥、硬化してなることを特徴とする被塗物。
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