JP3931553B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性塗料組成物に関するものであり、詳しくは金属缶、ポリエステルフィルム被覆絞り缶外面に最適な水性塗料組成物に関する。更に詳しくは、加工性、密着性、耐レトルト性、硬度に優れる水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、各種ジュース、ビール等の種々の飲料を収容する飲料缶および食品を収容する食缶(以下、両者を合わせて飲料缶等という)の外面は、缶材の腐食を防止し、美的商品価値を高め、かつ食品殺菌処理時の熱処理工程に耐え得る塗膜により被覆されている。
被覆に供される従来の塗料のうち水性タイプのものとしては、界面活性剤を使用した水性分散体タイプの水性塗料、又は酸価が20(mgKOH/g)以上の樹脂を使用する水溶性タイプの水性塗料が使用されてきたが、125℃以上のレトルト処理(加圧スチーム)と加工性、密着性、硬度のバランスをとるのが困難であった。
【0003】
上記の課題を解決する手段としては、特開平5−202270号公報や特開平3−72577号公報等の様にN−アルコキシアクリルアマイドを共重合してなるアクリル系共重合体を含有する水性塗料組成物が提案されている。
【0004】
近年、飲料缶は、素材がアルミまたはスチールからなる以下のような形態のものが主流となりつるある。即ち、缶胴・缶底部とが一体成形された有底円筒状部材と缶蓋との2つのパーツからなる2ピース缶(DI缶)と、金属素材両面にポリエステルフィルムを貼り合わせたポリエステルフィルム被覆絞り缶の2種類である。
DI缶の場合は、金属素材をDI(Draw and Ironing)加工およびトリミングをして有底円筒状の原形を作った後、まず外面側に印刷インキ層が形成され、該印刷インキ層の上にトップコートが塗装され、次に外面側が仕上がった後、内面側に塗装が施されネッキング加工およびフランジ加工を経て、内容物充填工程に提供し得る缶体が形成される。
一方、ポリエステルフィルム被覆絞り缶の場合は、コイル状の金属素材の両面にポリエステルフィルムを貼り合わせ、それを有底円筒状に絞り加工した後、外面側に印刷インキ層が形成され、該印刷インキ層の上に塗布しトップコートが塗装され、最後はDI缶と同じ様にネッキング加工およびフランジ加工工程を経て、内容物充填工程に提供し得る缶体が形成される。
【0005】
上記の製造工程の違いからも分かる様に、DI缶とポリエステルフィルム被覆絞り缶におけるトップコートが施される時の焼き付け条件は異なる。
即ち、DI缶の場合、トップコート自身の焼付の後に内面塗膜の焼付が追い焼きとして加わる。そのためトータルで十分な熱量が与えられ、しかも2回に渡って焼き付けられるので、2回目の焼付で外面の塗膜が強靱化されるのと同時に塗膜の歪みも緩和されるため、十分な耐レトルト性、加工密着性を満足するのに有利な焼付条件である。
【0006】
一方、ポリエステルフィルム被覆絞り缶の場合、内面塗膜の焼付の熱を利用することはできないので、1回の焼付の熱量で十分に塗膜を硬化させる必要がある。硬化性向上の手段としては、自己反応性アクリルモノマーであるN−アクリルメチル(メタ)アクリルアマイドの共重合比を大きくしたアクリル系共重合体を用いたり、アクリル系共重合体に対して硬化剤として用いるアミノ樹脂を増量したり、アクリル系共重合体とアミノ樹脂との硬化触媒である酸触媒を増量したりすることが考えられる。しかし、いずれの方法も硬化性自体は向上し得るものの、塗膜の硬化歪みが増大してしまい、その結果耐レトルト性、加工密着性を満足するものではなかった。
ところで、蓋部の資源削減、及びその結果としての缶体全体のコスト削減を目的として、従来から塗膜を形成した後に缶胴部の部材の口部(開口部)は、缶胴中央部よりもやや細くする加工(縮径)が施され、DI缶にも近年ますます縮径化が要求されるようになってきた。DI缶の場合、ポリエステルフィルム被覆絞り缶の場合に比して、耐レトルト性、加工密着性を満足するのに有利な焼き付け委条件ではあるとはいうものの、ますます縮径化の進む今日、缶胴部の径は従来缶と同じでありながら缶の口部をより細く加工しなければならないので、縮径缶用の塗膜には従来よりさらに厳しい加工密着性が要求されることとなる。しかし、これまでの塗料では、耐レトルト性と高加工密着性とを共に満足し得る塗膜を形成できなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、金属缶、ポリエステルフィルム被覆絞り缶外面用塗料として、耐レトルト性、加工性、密着性、硬度に優れた水性塗料組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイドを必須成分として共重合してなるアクリル系共重合体とアミノ樹脂とを含有する塗料組成物は、酸触媒を用いることによりアクリルアマイドが自己縮合し、またアクリルアマイドとアミノ樹脂とが反応し硬化する。本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、このような反応機構において、アクリル系共重合体中に酸触媒の触媒効果を阻害するような塩基性の成分を含有せしめることにより、硬化性を損なわずに、硬化歪みが小さく加工性に優れ、耐レトルト性、密着性、硬度にも優れる塗膜を形成し得る塗料組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、第1の発明は、下記(1)〜(4)を共重合して成るアクリル系共重合体(a)30〜85重量 %、及び水性アミノ樹脂(b)15〜70重量%を含有することを特徴とする水性塗料組成物(ただし、アクリル系共重合体(a)と水性アミノ樹脂との合計量を100重量%とする)である。
【0009】
第2の発明は、アミノ樹脂が部分的にアルコールでエーテル化されたベンゾグアナミン樹脂であり、ベゾグアナミン核1個あたり0.5〜2.0個のイミノ基を有するアミノ樹脂であることを特徴とする上記第1の発明に記載の水性塗料組成物である。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明記載の水性塗料組成物を用いて被覆されてなることを特徴とする塗装物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用されるアクリル系共重合体(a)の共重合に供されるα、β−モノエチレン不飽和カルボン酸(1)は、カルボン酸の供給源となるものであり、共重合後カルボン酸が塩基性化合物によってに中和されことるによってアクリル共重合体(a)を水性化(水溶化又は水分散化)し得る機能を担うものである。
α、β−モノエチレン不飽和カルボン酸(1)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸などがあり、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。α、β−エチレン不飽和カルボン酸(1)は、アクリル系共重合体(a)を得る際に1〜15重量%使用することが重要であり、4〜7重量%使用することが好ましい。1重量%満ではアクリル系共重合体(a)の水性化が困難となり、15重量%を越えると塗膜の耐水性が不良となる。
【0012】
末端に塩基性のアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリレートモノマー(2)は、上記したように塗膜を形成する過程において塩基性のアルキルアミノ基の近傍の塗膜の硬化が部分的に阻害され、塗膜全体としては硬化性を阻害することなく硬化歪みを緩和し、加工性を向上する機能を担う。
塩基性のアルキルアミノ基は、下記一般式(1)で示される。
【0013】
【化1】
【0014】
このようなアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリレートモノマー(2)としては具体的には、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジブチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。
アルキルアミノ基のチッ素は、上記のようにアルキル基と結合した場合は、塩基性を与える原子団を形成し、アシル基(RO−)と結合したときは塩基性は弱められ、ほぼ中性となる。
末端に塩基性のアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリレートモノマー(2)は、アクリル共重合体(a)を得る際に0.5〜10重量%使用することが重要であり、1〜5重量%使用することが好ましい。0.5重量%未満では、酸触媒の阻害効果が小さく硬化歪み抑制効果が小さいので、加工性向上効果が期待できず、一方10重量%を越えると酸触媒の阻害効果が大きくなりすぎる結果、硬化不足を来たし塗膜硬度が低下する。
【0015】
N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド(3)とは、(メタ)アクリルアマイドとホルマリンとを反応せしめてN−メチロール(メタ)アクリルアマイドを得、かかるN−メチロール(メタ)アクリルアマイドとアルコールとを反応せしめてなるものであり、
ここで用いられるアルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、n−ヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−ヘプタノール、2−エチルブタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール等のアルキルアルコールや、
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、3−メトキシ−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、メチルグリコール、メチルジグリコール、メチルプロピレングリコール、プロピルプロピレングリコール、イソプロピルグリコール等のセロソルブ系やカルビトール系のアルコールや、
エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコールも使用できるが、アルキルアルコールが好ましく、アルキル基の炭素数4以下のアルコールが好ましい。
具体的には、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアマイド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアマイド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアマイド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアマイド等が挙げられる。
これらのモノマー(3)は、アクリル系共重合体(a)を得る際に15〜60重量%使用することが重要であり、30〜50重量%使用することが好ましい。
15重量%未満では、塗膜の耐レトルト性、硬度が低下し、60重量%を越えると反応中にゲル化し易くなるばかりでなく、ゲル化せずに共重合体が得られても該共重合体を用いた場合塗膜の加工性が低下する。
【0016】
アクリル系共重合体(a)に得る際に用いる上記(1)〜(3)と共重合可能な(メタ)アクリレート系モノマー及び/またビニルモノマーとは、上記(19〜(3)のモノマーと共重合し得るものであればよく、
前者としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルアクリレート、シクリヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カプロラクタン変性アクリレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルFA−1、プラクセルFA−3」)等の水酸基含有モノマーが挙げられる。
また、後者としては、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマーや、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルモノマーなども使用することができる。
【0017】
アクリル系共重合体(a)は、通常の溶液重合によって得ることができ、上記(1)〜(4)のモノマーの混合物を有機溶媒中で過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物、または2,2’アゾビスイソブチルニトリルのようなアゾ化合物を触媒としてラジカル重合する。
重合に用いられる有機溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ブチルカルビトール、メチルグリコール、メチルプロピレングリコール、プロピルプロピレングリコール、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系が挙げられる。
【0018】
アクリル系共重合体(a)としては、数平均分子量1500〜5000、重量平均分子量5000〜30000、酸価10〜150(mgKOH/g)、水酸基価0〜150(mgKOH/g)、ガラス転移温度0〜80℃であることが好ましく、数平均分子量2000〜4000、重量平均分子量7000〜15000、酸価30〜70(mgKOH/g)、水酸基価0〜60(mgKOH/g)、ガラス転移温度20〜60℃であることがより好ましい。
【0019】
得られたアクリル系共重合体(a)溶液に水とともにアンモニアまたは有機アミン等の揮発性塩基を加えるか、又はアンモニアまたは有機アミン等の揮発性塩基を加えた後に水を加え、アクリル系共重合体(a)中のカルボン酸の全部または一部を中和することによって、アクリル系共重合体(a)を水性媒体中に溶解もしくは分散させることができる。
揮発性塩基は、沸点が400℃以下ものであることが好ましく、例えば有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0020】
次に本発明において用いられる水性アミノ樹脂(b)について説明する。
水性アミノ樹脂とは、水性媒体中に溶解もしくは分散可能なアミノ樹脂であって、ベンゾグアナミン、メラミン、スピログアナミン、アセトグアナミン、フタロブアナミン等の化合物であり、アミノ基の一部又は全部にホルムアルデヒトを付加してメチロール化した後縮合させて高分子量化したものであり、メチロール基がアルコール系溶剤等によって部分的もしくは完全にエーテル化したものである。
中でもベンゾグアナミン樹脂が好ましい。ベンゾグアナミン樹脂とは、ベンゾグアナミン中のアミノ基の一部または全部をホルムアルデヒトと付加反応せしめてなるメチロール化合物が縮合したものや、前記メチロール化物のメチロール基の一部または全部をアルコールでエーテル化せしめて成るものであり、ベンゾグアナミン核一個あたり0.5〜2.0個のイミノ基を有することがより好ましい。イミノ基が2.0個以上だと塗料としての経時安定性が悪く、0.5個以下だと硬化反応性が劣る。
具体的には、メチルエーテル化ベンゾグアナミン、ブチルエーテル化ベンゾグアナミン等が挙げられる。
メチロール基をエーテル化する際に供されるアルコールとしては、メタノール、ブタノールの他にn−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エタノール、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルキルアルコールや、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ブチルカルビトール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルプロピレングリコール等のセロソルブ系も挙げられ、これらを混合で使用してもかまわない。
【0021】
本発明の水性塗料組成物は、アクリル系共重合体(a)と水性アミノ樹脂(b)との合計量を100重量%中に、アクリル系共重合体(a)を30〜85重量%、水性アミノ樹脂を15〜70重量%含むものであり、アクリル系共重合体(a)を40〜70重量%、水性アミノ樹脂を30〜60重量%含むことが好ましい。
アクリル系共重合体(a)が85重量%を越え、水性アミノ樹脂が15重量%未満となると塗膜の耐レトルト性、硬度が不十分となる。一方、アクリル系共重合体(a)が30重量%未満で、水性アミノ樹脂が70重量%を越えると塗膜の加工性が低下する。
【0022】
本発明の水性塗料組成物には、酸触媒、またはそのアミンブロック化したもの、例えばp−トルエンスルフォン酸、ドジシルベンゼンスルフォン酸、ジノニルナフタレンスルフォン酸等をアクリル系共重合体(a)と水性アミノ樹脂(b)の合計100重量部に対して0.05〜4重量部を添加する事ができる。
さらに必要に応じて従来公知のレベリング剤、消泡剤、WAX等の潤滑剤等を添加することもできる。また、サンドミル、ディスパー等の公知の分散機を用いて酸化チタン、アルミニウム顔料、キナクリドン等の顔料と前記アクリル系共重合体(a)とを練肉し、塗料化することもできる。
【0023】
本発明の水性塗料組成物には、その他一般的に用いられている水溶性樹脂や水分散性樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、マレイン化脂肪酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキシサイド付加物の樹脂あるいはエポキシ樹脂のグリシジル基をアミン、リン酸等で付加したエポキシ樹脂を添加して使用する事も可能である。
また、硬化助剤としてイソシアネート基を有する化合物の使用も可能であり、活性メチレン、MEKオキシム、ε−カプロラクタムをブロック剤とするブロック型イソシアネート、ブロックなしのイソシアネート、及びMEKオキシム型水性イソシアネートを使用することも可能である。
【0024】
本発明の水性塗料組成物は、ロールコート、スプレー、はけ塗り等の公知の手段により各種基材に塗装することができる。
例えば、電気メッキ錫鋼板、アルミニウム鋼板、ステンレス鋼板、またはこれらの金属板にポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムをラミネートしたラミネート鋼板に本発明の水性塗料組成物を塗布、加熱、硬化して塗装物を得ることができる。特に本発明の塗料組成物は、飲料用の缶の外面又飲料用のポリエステルフィルム被覆金属缶の外面を塗装し、被覆するのに好適である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。例中、「部」とは重量部、「%」とは重量%をそれぞれ表す。
製造例1(アクリル系共重合体a-1の水性分散体の製造)
温度計、撹拌機、還流冷却器、滴下槽、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコにエチレングリコールモノイソプロピルエーテル100部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ撹拌しながら温度を105℃に保ち、滴下槽から下記混合比のモノマーの混合物 部に過酸化ベンゾイル5部を溶解させたものを3時間にわたって滴下した。
メタクリル酸 :5%
ジメチルアミノエチルアクリレート :4%
(商品名:「ライトエステルDM」共栄社油脂化学工業(株))
N−メトキシメチルアクリルアマイド :25%
メチルメタクリレート :20%
ブチルアクリレート :51%
その後105℃に保ち1時間反応し、過酸化ベンゾイル1部を添加し、さらに1時間反応させ終了した。これを減圧下100℃にてエチレングリコールモノイソプロピルエーテルを不揮発分80%になるまで脱溶剤し、その後、ジメチルエタノールアミン5.2部と水とを加え、固形分50%のアクリル共重合体a-1の水性分散体を得た。
【0026】
製造例2〜14(アクリル系共重合体a-2〜14の水性分散体の製造)
製造例1に従って表1に示したモノマー組成にて同様に重合させ、固形分50%の水性アクリル系共重合体a-2〜11、13の水性分散体を得た。尚、a-12については合成中ゲル化してしまった。
【0027】
製造例15(ベンゾグアナミン樹脂b-1の製造)
温度計、撹拌機、還流冷却器、滴下槽、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコに、ベンゾグアナミン187部、80%パラホルムアルデヒド281部、メタノール320部を仕込み、25%水酸化ナトリウム溶液0.7部を添加後、60℃で3時間加熱した。その後60%硝酸溶液を溶液がph3.5になるまで仕込み引き続き4時間反応した。反応終了後、25%水酸化ナトリウム溶液にて中和した後70℃以下でメタノール水を減圧除去した後、減圧濾過し、取り出した後、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを加え、固形分を75%のベンゾグアナミン樹脂b-1溶液を調整した。ベンゾグアナミン核1個当たりイミノ基、メチロール基の数をNMRにて分析算出した結果を表2に示す。
【0028】
製造例16〜19(ベンゾグアナミン樹脂b-2〜5の製造)
製造例15に従って表2に示したベンゾグアナミン、パラホルムアルデヒト、メタノールの量で反応させベンゾグアナミン樹脂b-2〜5を得た。ベンゾグアナミン核1個当たりイミノ基、メチロール基の数をNMRにて分析算出した結果を表2に示す。
【0029】
実施例1〜12、比較例1〜7
表3に示す処方(固形分)に従って各成分を混合したのちエチレングリコールモノイソプロピルエーテル及び水を添加して、塗料中の有機溶剤量を15%、固形分40%に調整した。これにパラトルエンスルフォン酸アミン塩を0.3%、シリコーン系レベリング剤を0.3%添加して水性塗料組成物を得た。
【0030】
実施例および比較例で作成した、塗料組成物の安定性、及び塗膜物性について調べた結果を表4に示した。
各試験方法は下記の通りである。
[塗料安定性]
塗料を2ヶ月以上常温保存した時の塗料中の樹脂のゲル化、分離の状態を目視観察し評価した。
【0031】
[塗膜物性試験]
ロールコート塗装により塗料をポリエステルフィルム被覆絞り缶に乾燥後の塗膜厚が4〜5μmとなるように塗装し、ガスオーブンにて雰囲気温度220℃において1分間焼き付けた。次にその塗装缶を開缶し平らに延ばしたものを供試塗装板とし評価した。
○耐レトルト性試験
塗装板を130℃−30分間の加圧スチーム処理(レトルト処理)を行った後、塗膜の白化状態を目視評価した。
【0032】
○加工性試験
塗装板を直径2.5cm×高さ0.5〜2.0cmのキャップ状に打ち抜き(0.5cm間隔)、塗膜の亀裂の出はじめる高さを倍率10倍のルーペで目視評価した。
【0033】
○加工密着性(未処理、レトルト処理後)
上記の加工性試験用に2cmの高さで作成したキャップの加工部にカッターナイフでクロスカットを入れ、セロハンテープを付着させ、それを剥離した後の塗膜の剥離面積を目視評価した。別途、同様に同様にして作成したキャップ加工部にクロスカットを入れ、130℃−30分間レトルト処理した後に同様にセロハンテープによる塗膜の剥離面積を目視評価した。
【0034】
○湯中硬度
塗装板を80℃の湯中に30分浸漬した後、80℃の湯中で鉛筆硬度を測定した。
評価 : F以上(◎)、HB(○)、B(△)、2B以下(×)
【0035】
○耐傷付き性
塗装板を130℃−30分間レトルト処理した後、荷重100gがかかった直径250μmのダイヤ針を塗膜に接触せしめ、600mm/minの速度で往復させ、塗膜に傷が付くまでの往復回数を耐摩耗傷付きとして評価した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】
本発明の水性塗料組成物は、安定性に優れ、酸触媒系で反応するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイドと、酸触媒の触媒効果を阻害する塩基性のアルキルアミノ基を有す(メタ)アクリレートを共重合してなるアクリル系共重合体(a)と、水性アミノ樹脂(b)とを含有させることにより、硬化性を損なうことなく塗膜の硬化歪みを抑制でき、加工性に優れると共に耐レトルト性、傷付き性に優れ、高硬度の塗膜を提供することができるようになった。特にポリエステルフィルム被覆絞り缶、縮径化されたDI缶に好適な塗料組成物を提供できるようになった。
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