JP5221048B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、レトルト処理後の樹脂分溶出量が少なく廃水処理が容易で、塗装作業性、加工性、付着性及びレトルト処理後の耐擦り傷性に優れた塗膜を形成できる水性塗料組成物に関する。
各種飲料物や食品類を包装する容器として金属缶が広く一般的に利用されており、この金属缶の外面は外部環境に由来する腐食の防止、また美観、内容物の表記を目的に、UV硬化型のシルバー印刷、インキによる印刷、該印刷インキ上に、クリヤ塗料の塗装が一般に行われている。この種のクリヤ塗料としては、アクリル樹脂/アミノ系樹脂、ポリエステル/アミノ系樹脂、さらにこれらの樹脂にエポキシ樹脂が添加された樹脂系などの有機溶剤溶液が広く用いられている。
従来、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸、アルコキシ基を有するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、芳香族ビニルモノマーもしくはアルキル(メタ)アクリレート並びに活性水素を有するアミノ化合物、ホルムアルデヒド及び炭素数1〜4のアルコールとの反応生成物であって、分子当たり1以上のイミノ基を有するアミノ樹脂を含有することを特徴とする水性塗料組成物が開示されている(特許文献1)。
しかし特許文献1は、アミノ樹脂におけるイミノ基が1以上であることから架橋反応性に劣り、さらに水性樹脂中のカルボキシル基が未反応のまま塗膜中に残存することからレトルト処理時の樹脂分溶出量が多い、レトルト処理後の硬度が低く塗膜が傷つき易いなどの問題点があった。
他に、トリアジン核1モルあたりホルムアルデヒドを1.5〜3モル付加して、かつ溶解性パラメーター9.5〜11であるアルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂20〜60重量%、並びに酸価30〜100mg/KOHmgで溶解性パラメーター9.5〜11であるアクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂80〜40重量%からなる樹脂組成物を中和し、水中に溶解ないし分散させてなる缶外面用水性塗料が開示されている(特許文献2)。
しかし特許文献2は、ベンゾグアナミン樹脂においてホルマリン付加量が少なくトリアジン核1モル当たりイミノ基のモル数が1以上であることから樹脂の架橋反応が不十分で、さらにアクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂のカルボキシル基が塗膜中に残存することから、レトルト処理時の樹脂分溶出量が多く、廃水処理に手間がかかった。また、レトルト処理後の硬度が低く缶の搬送工程において塗膜が傷付き易いなどの問題点があった。さらに、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂の溶解性パラメーターが9.5〜11の範囲であるため塗料粘度が高く塗装作業性に劣る問題点があった。
他に、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸1〜25重量%、特定のアルコールでエーテル化してなるN−メチロールアルコキシ(メタ)アクリルアマイドを20〜100重量%含有するN−メチロールアルコキシ(メタ)アクリルアマイド 5〜60重量%、及びその他モノマー10〜60重量%を共重合反応によって得られたアクリル系共重合体30〜85重量%、並びにベンゾグアナミン核1個当たり0.5〜2.0個のイミノ基を有するイミノ基型ベンゾグアナミン樹脂15〜70重量%を含有する水性塗料組成物が開示されている(特許文献3)。
また、アクリル系共重合体を構成するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイド部におけるアルコキシの20〜80重量%を、エチレングリコール系モノアルキルエーテル等とエーテル交換し、沸点が相異なった複数のアルコールのアルコキシ部分とする、アクリル系共重合体の製造方法及び該樹脂を用いた水性塗料組成物が開示されている(特許文献4)。
しかし、特許文献3や特許文献4では、アクリル系共重合体を構成する、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイドのアルコール部分(−OR)が高分子量であるために架橋性が不十分である。さらにアクリル系共重合体中のカルボキシル基が未反応のまま塗膜中に残存することからレトルト処理時の樹脂分溶出量が多く廃水処理に手間がかかった。さらに、レトルト処理後の塗膜硬度が低く、特に缶の搬送過程で塗膜が傷付き易いなどの問題点があった。
さらに特許文献1、特許文献3、特許文献4には、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体の使用については、一般的な例示としての記載があるものの、実施例では水酸基含有単量体を使用しておらず、塗膜性能としてレトルト処理によって樹脂分溶出量を抑えられることについての記載もない。
特開平5−320564号公報 特開平10−77440号公報 特開平11−106700号公報 特開2006−299139号公報
本発明の目的は、レトルト処理後の樹脂分溶出量が少なく廃水処理が容易で、塗装作業性、加工性、付着性及びレトルト処理後の耐擦り傷性に優れた塗膜を形成できる水性塗料組成物を提供することである。
上記課題を解決する為に発明者等が鋭意検討した結果、特定組成のビニル共重合体樹脂(A)、並びにトリアジン核1モル当たり1モル未満のイミノ基を有するトリアジン核構造を有するアミノ樹脂(b1)と数平均分子量が1,500以上で、かつ40,000未満のオキサゾリン基含有化合物(b2)を含む架橋剤(B)を含む特徴とする水性塗料組成物によって達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の効果は、レトルト処理後の樹脂分溶出量が少なく廃水処理が容易で、塗装作業性、加工性、付着性及びレトルト処理後の耐擦り傷性に優れた塗膜を有する缶体を提供できる。特に、レトルト処理後の搬送過程においても缶体が傷付きにくい。
上記理由としては、カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)における水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3)を特定量配合することによって、窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)と水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3)とが反応して架橋性が向上し、レトルト処理による樹脂分溶出量を低減することができる。
また、架橋剤(B)として、トリアジン核1モル当たり1モル未満のイミノ基を有するトリアジン核構造を有するアミノ樹脂(b1)と数平均分子量が1,500以上で、かつ40,000未満のオキサゾリン基含有化合物(b2)を用いることによって、アミノ樹脂(b1)単独系に比べて加工性の向上や、レトルト処理後の塗膜硬度が上がり耐擦り傷性の向上に寄与すると考えられる。
以下、本発明の水性塗料組成物について、詳細に説明する。
[水性塗料組成物]
カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A):
カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)は、特定の窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)を10〜30質量%、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)3〜10質量%、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3)3〜20質量%を含む単量体混合物をラジカル重合反応してなる重量平均分子量が6000未満のカルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)である。
なお本明細書における「重量平均分子量」又は「数平均分子量」は、JIS K 0124−83に記載の方法に準じ、分離カラムとして「TSK GEL4000HXL」、「TSK G3000HXL」、「TSK G2500HXL」、「TSK G2000HXL」(以上、東ソー株式会社製)の4本を連結し、溶離液としてGPC用テトラヒドロフランを用いて40℃及び流速1.0ml/分において、RI屈折計で得られたクロマトグラムと標準ポリスチレンの検量線から求めた値である。
窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1):
窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)は、下記式(1)で表される
Figure 0005221048
式(1)
(式(1)中、R、Rは同一又は相異なってもよい水素原子又は炭素数1〜4個のアルキル基を表す。)
窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)として、具体的には、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−n−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等があげられる。
これらは単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)は、重合性単量体成分の合計量に対して10〜30質量%であることが、耐レトルト性と加工性の両立の面から好ましい。
カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a2):
カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a2)は、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等の単量体が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a2)は、重合性単量体成分の合計量に対して3〜10質量%であることが、塗料粘度を一定範囲内として塗装作業性に優れ、かつ塗膜の耐レトルト性の面から好ましい。
水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3):
水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3)は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルポリオールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有不飽和モノマーとのモノエーテル;α,β−不飽和カルボン酸と、カージュラE10(シェル化学社製)、α−オレフィンエポキシドなどのモノエポキシ化合物との付加物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加生成物(例えばダイセル株式会社製の商品名としてプラクセルFA−2、及びFM−3)、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールとのモノエステル;等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3)は、重合性単量体成分の合計量に対して3〜20質量%であることが、耐レトルト性と塗料粘度を一定範囲内として塗装作業性の向上の面から好ましい。
上記の窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a2)及び水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3)に加え、適宜に、その他のラジカル重合性不飽和単量体を配合することができる。
その他のラジカル重合性不飽和単量体は、カルボキシル基含有単量体と共重合可能であれば特に限定されないが、具体的に例示すると、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩等のスチレン誘導体類;(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18個のアルコールのエステル化により合成される(メタ)アクリレート類;エチレン、プロピレン、n−ブテン等のオレフィン類;2−スルホン酸エチル(メタ)アクリレートおよびその塩、ビニルスルホン酸およびその塩等の不飽和スルホン酸類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルのビニルエーテル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン等の塩基性不飽和単量体類;(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート類;ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン等の有機ケイ素含有不飽和単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性単量体類;(メタ)アクリロイルアジリジン、2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有重合性単量体類;弗化ビニル、弗化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート;4−(メタ)アクロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の単量体類等が挙げられ、これらの1種以上を使用することができる。
上記に挙げた窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)を10〜30質量%、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)3〜10質量%、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3)3〜20質量%を含み、適宜にその他のラジカル重合性不飽和単量体混合物によるラジカル共重合反応は周知の方法によることができ、例えば溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等が挙げられる。
溶液重合法を採用する場合、重合溶媒としては、トルエン、キシレン等の高沸点の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールエーテル類を単独もしくは混合で用いることができる。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス2−メチルブチロニトリル等のアゾ系化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ(ターシャリーブチル)パーオキサイド等の過酸化物系化合物等のラジカル重合開始剤を用いることができ、重合性単量体成分総量に対して0.1〜10重量%の使用が好ましい。反応温度は通常40〜200℃、好ましくは60〜150℃、反応時間は30分間〜8時間、好ましくは2〜4時間程度である。
このようにして得られたカルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)の重量平均分子量は6,000未満、好ましくは3,000〜5,900の範囲であることがよい。6000未満であることによって塗料粘度を一定範囲内とし、塗装作業性や仕上り性の向上の為によい。
カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)は、塩基性化合物で樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和することによって水性媒体中に溶解もしくは分散可能となる。上記カルボキシル基の中和に用いられる塩基性化合物としては、アミン類やアンモニアが好適に使用される。上記アミン類の代表例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノールなどのアルカノールアミン類;モルホリンなどの環状アミン類などを挙げることができる。
架橋剤(B):
本発明の水性塗料組成物は、カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)、並びにトリアジン核構造を有し、かつトリアジン核1モルあたり1モル未満、好ましくは0.2〜1モル未満のイミノ基のモル数(注1)を有するアミノ樹脂(b1)と数平均分子量1,500以上でかつ40,000未満のオキサゾリン基含有化合物(b2)とを含む架橋剤(B)を樹脂成分として含有し、該樹脂成分が水性媒体中に安定に溶解ないしは分散されてなるものである。
イミノ基のモル数:アミノ樹脂(b1)のイミノ基のモル数は、アミノ樹脂(b1)
をt−ブタノールで希釈して凍結乾燥し、ジメチルスルホキシド-d6に溶かして、プロトンNMRを測定した。次に、測定結果においてプロトンピークの積分値を読み取って、官能基量に変換して求めた。詳細は、高分子分析ハンドブック、社団法人日本分析化学会編、1995年1月12日初版第1刷発行、株式会社紀伊国屋書店、p795〜800に記載の方法による。
なおアミノ樹脂(b1)としては、トリアジン核1モルあたり1モル未満のイミノ基を有するメチロール化メラミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂、トリアジン核1モルあたり1モル未満のイミノ基を有するメチロール化ベンゾグアナミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。
アミノ樹脂(b1)は上記のごとき各種アミノ樹脂を1種もしくは2種以上を併用して使用できる。アミノ樹脂(b1)の中でも、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂を用いることが、耐レトルト後の塗膜硬度向上の為に好ましい。
アミノ樹脂(b1)のトリアジン核1モルあたりのイミノ基モル数が1以上になると、カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)と反応するメチロール基やアルコキシメチル基数が少なくなる為、架橋性が劣る。このことから耐レトルト後の塗膜硬度が低下して、レトルト時の樹脂溶出量も多くなる。
なお、アミノ樹脂(b1)の溶解性パラメーター(注2)は、塗料粘度と塗装作業性の面から11.1〜15.0、好ましくは11.2〜14.0の範囲であることが望ましい。
(注2)溶解性パラメーター(solubility parameter、SP値):液体分子の分子間相互作用の尺度を表す。樹脂のSP値は、濁点滴定によって測定することができ、具体的には、下記のK.W.SUH及びJ.M.CORBETTの式(Journal of Applied Polymer Science,12,2359,1968参照)に準じて算出することができる。
Figure 0005221048
式中、Vはn−ヘキサンの容積分率であり、Vは脱イオン水の容積分率であり、δはn−ヘキサンのSP値であり、δDは脱イオン水のSP値である。
濁点滴定は、乾燥した供試樹脂0.5g(固形分)をアセトン10mlに溶解した樹脂のアセトン溶液中に、n−ヘキサンを徐々に加え、濁点での滴定量H(ml)を測定し、同様に樹脂のアセトン溶液中に脱イオン水を徐々に加え、濁点における滴定量D(ml)を測定することにより行うことができ、これらの測定値を下記式に適用してVH、VD、δ及びδを算出することができる。なお、アセトンのSP値は9.75であり、n−ヘキサンのSP値は7.24であり、脱イオン水のSP値は23.43である。
=H/(10+H)
=D/(10+D)
δ=9.75×10/(10+H)+7.24×H/(10+H)
δ=9.75×10/(10+D)+23.43×D/(10+D)
さらに、架橋剤(B)のオキサゾリン基含有化合物としては、下記一般式(3)
Figure 0005221048
式(3)
(式(3)中、R 、R、R 、R10はそれぞれ同一または異なって水素、ハロ
ゲン、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、または置換アリール基を示し、R11はアルケニル基またはシクロアルケニル基を示す。)で表される付加重合性オキサゾリンを必須成分として含む単量体成分を重合することによって得られる。
付加重合性オキサゾリンとは、R11の部分にラジカル付加重合可能な二重結合を有するものであり、具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種あるいは2種以上の混合物を使用することができる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手し易く好適である。
オキサゾリン基含有化合物は、上記付加重合性オキサゾリンを必須成分として含む単量体成分から合成されるが、単量体成分に必要に応じて含まれる付加重合性オキサゾリン以外の重合性単量体としては、付加重合性オキサゾリンと共重合可能で、かつカルボキシル基を含有しないものであれば、特に制限されず用いることができる。
具体的には、前述のカルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)を製造する際に必要に応じて用いられる単量体成分として例示した単量体を1種または2種以上用いることができる。合成方法もカルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)を合成する手段と同様の方法を用いることができる。なお、単量体成分中の付加重合性オキサゾリンの割合は、5〜100重量%とすることが、耐水性、密着性、加工性に優れる塗膜を得るためにも好ましい。
上記オキサゾリニル基含有化合物は、数平均分子量を1,500以上 40,000未満とすることが好ましい。重合反応を行う際に、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、四塩化炭素等の連鎖移動剤や調整剤を用いれば、数平均分子量の調節ができる。数平均分子量が1,500より小さいと、塗膜の加工性と硬度のバランスを取ることが難しくなる。また、数平均分子量が 40,000以上になると、塗料として適正な粘度に希釈するための多量の有機溶剤や水が必要となり、塗料固形分が低くなり過ぎて有効な膜厚が得られない。
本発明の水性塗料組成物において、カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)と架橋剤(B)との配合比率は、通常、カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)と架橋剤(B)との合計固形分100質量部中、カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)が30〜80質量部、さらに好ましくは40〜70質量部の範囲内であり、架橋剤(B)が20〜70質量部、さらに好ましくは30〜60質量部の範囲内である。
さらに架橋剤(B)として、アミノ樹脂(b1)とオキサゾリン基含有化合物(b2)を併用することによって、カルボキシル基含ビニル共重合体樹脂(A)における水酸基及びカルボキシル基と架橋反応が十分に行なわれ、レトルト処理における樹脂溶出量が少なくなり、缶の搬送過程(特に、レトルト後の熱い状態)で傷つき難い塗膜を得ることができる。
この場合、架橋剤(B)の固形分合計に対し、アミノ樹脂(b1):オキサゾリン基含有化合物(b2)=99:1(質量%)〜50:50(質量%)程度用いることが好ましい。
ジェミニ型界面活性剤(C):
本発明の水性塗料組成物は、ジェミニ型界面活性剤(C)を配合することによって、ウェットインキ上でのヌレ性が良好な為に仕上り性に優れる塗膜を得ることができる。なお本発明の水性塗料組成物におけるジェミニ型界面活性剤(C)の含有量は、カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜3質量部含有することによって、ウェットインキ上でのヌレ性向上やレトルト処理後の耐水白化や塗膜硬度の低下を防ぐ面からも好ましい。
具体的には、ジェミニ型界面活性剤(C)とは、1分子中に複数の親水基と複数の疎水基を有する多鎖多親水基型の界面活性剤のことであり、例えば下記一般式(2)で表されるシリコーン系添加剤が挙げられる。
Figure 0005221048
式(2)
(式(2)中、Rは炭素数1〜4個のアルキル基又はアリル基で、Rは下記式(3)を表し、
Figure 0005221048
式(3)
(Rは水素原子又はアルキル基、Rは水素原子又はアルキル基又はカルボキシル基
a=1〜3 b=0〜2 c=1〜20、d=0〜50、e=0〜50の整数を表す)
ジェミニ型界面活性剤(C)の市販品としては、ジェミサーフα142、ジェミサーフα102、ジェミサーフα182、(以上、中京油脂社製、商品名)、Twin4000(TEGO社製、商品名)、フローレンTW4000(共栄社化学社製、商品名)等、が挙げられる。
[水性塗料組成物]
本発明の水性塗料組成物は、特定組成のカルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)と架橋剤(B)、適宜にジェミニ型界面活性剤(C)を配合し、水性媒体中に安定に溶解ないしは分散させたものであり、中和に使用される塩基性化合物は特に制限されるものではないが、一般的には揮発性を有するアミン類、なかでも3級アミンが好適に使用される。
上記3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、モルホリン等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)の中和程度は、塩基性化合物/カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)のカルボキシル基=1.1〜2.0(当量比)の割合で中和することが、架橋剤(B)として使用するオキサゾリン基含有化合物(b2)との水性塗料組成物の貯蔵時における反応を抑制するためにも好ましい。
本発明の水性塗料組成物は、さらに必要に応じて、光干渉成分(D)、硬化触媒、香料、反応性希釈剤、付着性付与剤、消泡剤、潤滑剤、表面張力調整剤等を添加することができる。
上記光干渉成分(D)としては、例えば、蒸着アルミニウム薄膜、酸化アルミニウムフレーク、雲母フレーク、酸化チタン被覆雲母フレーク、酸化鉄被覆雲母フレーク、コレステック液晶ポリマー粉体(ヘリコーンHC、商品名、ドイツ ワッカーケミー社製 )などが挙げられる。これら光干渉成分(D)の中でも、加工性の面からコレステック液晶ポリマーが好ましい。
その添加量としては下地であるインキ層が透けて見える程度が好ましく、カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分合計100質量部あたり、0.001〜20質量部、好ましくは0.01〜15質量部、さらに好ましくは0.02〜10重量部の範囲がよい。なお光干渉成分(D)を含有した塗膜は、インキ層からの反射光に干渉色を生じさせ、例えば、立体感のある光沢感やキラリ感、真珠の表面のように見る方向によって虹色のような様々な色彩を呈することができる。
本発明の水性塗料組成物を塗装する被塗物は、特に限定されるものではないが、缶用途に使用する場合には、アルミニウム、ブリキ、ティンフリースチールなど缶の基材として使用される金属類及びこれらの金属類の表面に塗膜形成もしくはフィルム貼付けした塗装金属類やこれら金属類又は塗装金属類に印刷を施したものなどを好適に使用できる。被塗物の形状は成形された缶状であっても、成形前のシート状であっても良い。また塗装物への塗装手段としては、ロールコート、カーテンフローコート、スプレー塗装、静電スプレー塗装などの公知の手段により行うことが出来る。
本発明の水性塗料組成物を用いてクリア塗膜を缶外面に形成するには、必要に応じてホワイトコートやインキが施された缶外面(缶状に加工した缶外面又は缶外面となるシート)に乾燥膜厚が約2〜15μmとなるように塗装し、通常素材到達温度が、140〜260℃となる条件で10秒〜20分間程度焼き付ける。
本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
[カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)]
製造例1 共重合体A−1溶液の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素導入口を備えた4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル110部、3−メトキシ−3−ブタノール40部を加え、窒素ガスを導入しつつかき混ぜながら、125℃に加熱した。次にN−n−ブトキシメチルアクリルアミド20.0部、アクリル酸6.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、スチレン5.0部、メタクリル酸メチル31.0部、アクリル酸エチル28.0部、2,2‘−アゾビスエチルバレロニトリル8部の混合物を滴下槽から3時間にわたって滴下した。滴下終了後、同温で0.5時間保持した後、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル4部に2,2’−アゾビスエチルバレロニトリル0.5部を溶解した溶液4.5部を30分間かけて滴下した。ついで2時間熟成した後、脱溶剤工程を経て固形分70%の共重合体A−1溶液を得た。得られた共重合体A−1は、重量平均分子量5,000を有していた。
製造例2〜12 共重合体A−2〜A−12溶液の製造
表1の配合内容とする以外は、製造例1と同様にして共重合体溶液A−2〜A−12溶液を得た。
製造例13 共重合体A−13溶液の製造
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素導入口を備えた4つ口フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル100部を加え、窒素ガスを導入しつつかき混ぜながら、105℃に加熱した。
次にN−n−メトキシメチルアクリルアミド20.0部、アクリル酸8.0部、スチレン20.0部、アクリル酸エチル52.0部、過酸化ベンゾイル5部の混合物を滴下槽から3時間にわたって滴下した。滴下終了後、同温で1時間保持した後、過酸化ベンゾイル1部を添加しさらに1時間反応させた。ついで120℃に昇温し、フタル酸0.2部を加え、メタノールを留去しながら1時間反応し、N−n−メトキシメチルアクリルアミドに由来するメトキシ基の50%を、2−ブトキシエチレングリコールとのエーテル交換により2−ブトキシエチルエーテル(−O−CHCH−O−C)とし、これを減圧下100℃にて不揮発分が70%になるまでメタノールおよびエチレングリコールモノブチルエーテルを除去して固形分70%の共重合体A−13溶液を得た。得られた共重合体A−13は、重量平均分子量19,200を有していた。
Figure 0005221048
[架橋剤(B)]
製造例14 アミノ樹脂b1−1溶液の製造
温度計、攪拌機、還流冷却器、滴下槽、窒素ガス吹込管を備えた四つ口フラスコに、ベンゾグアナミン374部、92%パラホルムアルデヒド391.3部、メタノール640部を仕込み、25%水酸化ナトリウム水溶液0.7部を添加後、60℃で3時間加熱した。その後、50%硫酸水溶液をpH3.5になるまで仕込み引き続き60℃で2時間反応した。反応終了後、25%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後メタノール水を減圧除去した後、減圧濾過した。エチレングリコールモノイソプロピルエーテルで固形分を80%に調整して、アミノ樹脂b1−1溶液を得た。
製造例15〜17 アミノ樹脂b1−2〜b1−4溶液の製造
製造例14に準じて表2に示したベンゾグアナミン、パラホルムアルデヒド、メタノールの量で反応させ、アミノ樹脂b1−2〜アミノ樹脂b1−4溶液を得た。
製造例18 アミノ樹脂b1−5溶液の製造
温度計、攪拌機、還流冷却器、滴下槽、窒素ガス吹込管を備えた四つ口フラスコに、ベンゾグアナミン187部、92%パラホルムアルデヒド163部、メタノール320部を仕込み、30%水酸化ナトリウム水溶液でpHを10.5に調整した後、70℃で1時間加熱した。その後冷却し、50%硫酸水溶液をpH1.0になるまで仕込み引き続き40℃で1時間反応した。反応終了後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpHを10.5にした後ホルマリン、メタノール水を減圧除去した。次にイソプロパノール300部を仕込み、50%硫酸水溶液でpHを1.0に調整し、70℃で1時間反応を行なった。その後30%水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.5に調整し、減圧下でイソプロパノールおよび水を除去した後。析出する塩類を濾別しエチレングリコールモノイソプロピルエーテルで固形分を80%に調整し、アミノ樹脂b1−5溶液を得た。
表2に併せて、製造例14〜18におけるベンゾグアナミン、パラホルムアルデヒド、メタノール、イソプロパノールの配合量と、得られたアミノ樹脂b1−1〜アミノ樹脂b1−5のイミノ基量および溶解性パラメーターの分析値を示す。
Figure 0005221048
製造例19 オキサゾリン基含有樹脂b2−1溶液製造
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管の付いた四つ口フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル66.7部を仕込み、100℃まで昇温した。そこへ窒素ガスを吹き込みながら、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン25部、メチルメタクリレート40部、スチレン20部、エチルアクリレート5部、ブチルアクリレート10部およびアゾビスイソブチロニトリル2.0部からなる混合物を2時間に亘って滴下ロートより滴下し、さらに100℃で4時間保持した後、室温まで冷却してオキサゾリン基含有樹脂b2−1溶液を得た。
製造例20 オキサゾリン基含有樹脂b2−2溶液の製造
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管の付いた四つ口フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル66.7部を仕込み、100℃まで昇温した。そこへ窒素ガスを吹き込みながら、2−ビニル−2−オキサゾリン6部、メチルメタクリレート10部、スチレン10部、エチルアクリレート50部、ブチルアクリレート24部およびアゾビスイソブチロニトリル2.0部からなる混合物を2時間に亘って滴下ロートより滴下し、さらに100℃で4時間保持した後、室温まで冷却してオキサゾリン基含有樹脂b2−2溶液を得た。
実施例1
製造例1で得た共重合体A−1溶液を50部(固形分)に、ジメチルアミノエタノールを5.56部(1.5当量に相当)、製造例14で得たアミノ樹脂b1−1を40部(固形分)、製造例19で得られたオキサゾリン基含有樹脂b2−1を10部(固形分)及びBYK345(注5)1.0部(固形分)、NACURE5225(注7)0.5部(固形分)、脱イオン水を混合して調整し、固形分45質量%の缶用塗料No.1を得た。
実施例2〜16
表3の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして実施例2〜16の缶用塗料No.2〜No.16を得た。
Figure 0005221048
(注3)サイメル350:日本サイテックインダストリーズ社製、ヘキサメトキシメチロールメラミン、イミノ基量0、溶解性パラメーター12.2。
(注4)フローレンTW4000:共栄社化学社製、商品名、ジェミニ型界面活性剤。
(注5)BYK−345:BYKケミージャパン社製、商品名、シリコーン系添加剤。
(注6)HELICONE HC SLM90220:ワッカーケミー社製、商品名、樹脂系の光干渉成分。
(注7)NACURE5225:キングインダストリイズ社製(アメリカ)、アミンブロックしたドデシルベンゼンスルフォン酸溶液、硬化触媒。
比較例1〜11
表4の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして比較例1〜11の缶用塗料No.17〜No.27を得た。
Figure 0005221048
試験板の作成
板厚0.26mmのアルミニウム板に、油変性ポリエステル樹脂をビヒクルの主成分とするインキを印刷(1μm)し、インキが未乾燥の状態で上記水性塗料組成物をロールコート法によって乾燥膜厚が5μmになるように塗装し、アルミニウム板温が200℃で90秒間保持されるように焼付して試験板を得た。試験条件は、下記の内容に従って行った。
実施例の結果を表3に、比較例の結果を表4に併せて示す。
(注8)耐レトルト性:
試験板をオートクレーブ中にて125℃で30分間加圧蒸気処理(レトルト処理)を行い、処理後の塗膜について塗膜のブリスター、白化状態の観察を行った。塗膜の状態は、下記基準にて評価した。
◎は、塗膜にブリスター、白化は全く認められない。
○は、塗膜にブリスター、白化はほとんど認められない。
△は、塗膜にブリスター、白化の塗面異常のいずれかが認められる
×は、塗膜にブリスター、白化の少なくとも1つの塗面異常が著しい。
(注9)レトルト処理後の鉛筆硬度:
試験板をオートクレーブ中にて125℃で30分間加圧蒸気処理(レトルト処理)を行い、処理後の塗膜についてJIS K 5600−5−4(1999)に規定する鉛筆引っかき試験を三菱ユニ(鉛筆引っかき値試験用、三菱鉛筆社製)を用いて80℃の温水中で行った。評価はやぶれ法の下記基準で行った。
○は、塗膜硬度が2B以上である
△は、塗膜硬度が4B以上2B未満
×は、塗膜硬度が5Bを下回る。
(注10)レトルト処理後の加工部密着性:
塗装板を直径25mm×高さ10mmのキャップ状に打ち抜き加工し、オートクレーブ中にて125℃で30分間加圧蒸気処理(レトルト処理)を行った後のキャップ胴部の塗膜にセロテープ(登録商標)を付着させ、ついで該セロテープ(登録商標)を剥離し、塗膜の剥離状態を下記基準で評価した。
○は、塗膜の剥離が全く認められない
△は、塗膜の剥離が少し認められる
×は、塗膜の剥離が著しい。
(注11)ロール目仕上り性:試験板の未乾燥インキ上でのロール目の仕上り性を、下記基準で目視評価した。
○は、ロール目が目立たなく、良好な仕上り性である。
△は、ロール目がやや目立つ
×は、ロール目がはっきり分かり、外観を著しく損う。
(注12)インキ上でのレベリング性:試験板の未乾燥インキ上でのレベリング状態を、下記基準で評価した。
○は、塗面の異常がなく、良好である
△は、塗面がゆず肌状となり、異常が認められる。
×は、塗面のゆず肌が著しく、外観を損う。
(注13)レトルト処理時の溶出量:
試験板をオートクレーブ中にて125℃で30分間加圧蒸気処理(レトルト処理)し、レトルト前後の塗膜重量の変化からレトルト処理時の塗膜の溶出量を算出した。
アルミニウム板の質量を測定した。 ・・・(1)
試験板に各塗料を乾燥膜厚5μmとなるように塗装し、設定温度200℃、処理時間90秒の条件で熱処理した試験板の重量を測定した。・・・(2)
125℃で30分間加圧蒸気処理(レトルト処理)を行った試験板を、130℃で1時間乾燥して水分を揮散させて重量を測定した。 ・・・(3)
レトルト処理時の塗膜の溶出量(%)を下記式に従って測定した。
レトルト処理後の溶出量(%)=[(2)−(3)/(2)−(1)]×100
○は、溶出量が1.5%未満のもの
△は、溶出量が1.5%以上2%未満のもの
×は、溶出量が2%以上2.5%未満のもの
××は、溶出量が2.5%以上のもの。
(注14)貯蔵安定性:各缶用塗料を40℃で1ヵ月貯蔵後の塗料状態を下記基準で評価した。
◎は、異常のないもの
○は、やや濁りの見られるもの
△は、少量の沈降物があるもの
×は、多量の沈降物があるもの。
(注15)光輝感:塗膜の外観を目視評価した。評価基準は、次の通りである。
Aは、塗面に、メタリック調又はパール調の奥行き感や立体感がある。
Bは、塗面に、メタリック調又はパール調の奥行き感や立体感がない。
レトルト処理後の樹脂分溶出量が少なく廃水処理が容易で、塗装作業性、加工性、付着性及びレトルト処理後の搬送過程で傷つき難い高硬度の塗膜で、耐擦り傷性に優れた塗膜を形成できる缶体を提供できる。

Claims (6)

  1. 構成する単量体成分の合計に対して、下記式(1)で表される窒素含有ラジカル重合性
    不飽和単量体(a1)を10〜30質量%、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単
    量体(a2)3〜10質量%、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a3)3〜20
    質量%を含む単量体成分をラジカル重合反応してなる重量平均分子量が6000未満のカ
    ルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)、並びにトリアジン核1モル当たり0.2〜
    1モル未満のイミノ基を有するトリアジン核構造を有するアミノ樹脂(b1)と数平均分
    子量が1,500以上で、かつ40,000未満のオキサゾリン基含有化合物(b2)を
    含む架橋剤(B)、かつカルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)と架橋剤(B)の
    固形分合計100質量部に対して下記式(2)で表されるシリコーン系のジェミニ型界面活性剤(C)を0.1〜10質量部含むことを特徴とする水性塗料組成物。
    Figure 0005221048
    式(1)
    (式(1)中、R、Rは同一又は相異なってもよい水素原子又は炭素数1〜4個のアルキル基を表す。)
    Figure 0005221048

    式(2)
    (式(2)中、Rは炭素数1〜4個のアルキル基又はアリル基で、Rは下記
    式(3)を表し、
    Figure 0005221048
    式(3)
    (Rは水素原子又はアルキル基、Rは水素原子又はアルキル基又はカルボキシル基
    a=1〜3、b=0〜2、c=1〜20、d=0〜50、e=0〜50の整数を表す)
  2. アミノ樹脂(b1)の溶解性パラメーターが11.1〜15.0であることを特徴とす
    る請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. カルボキシル基含有ビニル共重合体樹脂(A)が、塩基性化合物/カルボキシル基含有
    ビニル共重合体樹脂(A)のカルボキシル基=1.1〜2.0(当量比)の割合で中和さ
    れてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  4. 光干渉成分(D)を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水性塗料組成物が、缶体外面に塗装されることを
    目的とする缶用塗料組成物。
  6. 金属被塗物にインキを施し、該未硬化面に請求項1〜項に記載の缶用塗料組成物を2
    〜15μm塗装し、素材到達温度が140〜260℃となる条件で10秒〜20分間焼付
    けてなる塗膜形成方法。
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