JPH07150111A - 金属缶用塗料組成物 - Google Patents

金属缶用塗料組成物

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JPH07150111A
JPH07150111A JP30051093A JP30051093A JPH07150111A JP H07150111 A JPH07150111 A JP H07150111A JP 30051093 A JP30051093 A JP 30051093A JP 30051093 A JP30051093 A JP 30051093A JP H07150111 A JPH07150111 A JP H07150111A
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JP
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group
coating composition
carboxyl group
polymer
containing polymer
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JP30051093A
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Yoshiyuki Yokota
善行 横田
Takahiro Aoyama
孝浩 青山
Kohei Hori
耕平 堀
Kiyoshi Kawamura
清 川村
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒュームの原因である塗料組成物中の揮発性
低分子量物の含有量が少なく、かつ優れた密着性、耐レ
トルト性、耐加工性を有する高硬度な塗膜を形成し得る
金属缶用塗料組成物を提供する。 【構成】 カルボキシル基含有単量体(a)を必須成分
として含有する単量体成分(A)を共重合して得られる
重合体(X)、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(Y)、および前記重合体(X)と前記ポリエステル樹
脂(Y)との反応物(XY)よりなる群から選択される
1種以上のカルボキシル基含有重合体(P)と、下記一
般式(I) 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ同一または
異なって水素、ハロゲン、アルキル基、アラルキル基、
シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、
または置換アリール基を示し、R5 はアルケニル基また
はシクロアルケニル基を示す。)で表される付加重合性
オキサゾリンを必須成分として含む単量体成分(B)を
重合してなるオキサゾリニル基含有重合体(R)を含有
する金属缶用塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属缶用塗料組成物に関
するものである。詳細には、焼付硬化の際に、焼付炉内
や炉内通過設備上へ堆積して缶外観不良等の不都合を与
える、塗料組成物中の揮発性低分子量物(ヒュームとい
うことがある)の少ない金属缶用塗料組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】金属缶の外面用塗料組成物としては、ア
クリル樹脂またはポリエステル樹脂をエポキシ樹脂やア
ミノ樹脂等の硬化剤で焼付硬化させるシステムが主流で
ある。焼付工程は180〜240℃の比較的高温で行わ
れることが多いが、塗料組成物が3次元硬化して塗膜化
する前に、組成物中の低分子量物が有機溶剤と共に揮発
して、炉内の低温部に凝縮すると問題が起こっている。
これらの揮発性低分子量物(ヒューム)は炉内天井部分
や炉内通過設備上へ蓄積されていくが、長時間高温にさ
らされるため次第に硬化反応が進み、最終的には固化す
る。これらのヒュームは焼付炉の振動で落下し、金属缶
内外面を汚染するため歩留低下につながると共に、炉内
洗浄を頻繁に行わなければならなかった。
【0003】これらのヒュームは、主に硬化剤であるア
ミノ樹脂やエポキシ樹脂中に多く存在しているため、ヒ
ューム減少の目的で比較的高分子量のアミノ樹脂やエポ
キシ樹脂を使用する改良策も検討されているが、これら
の樹脂の分子量を大幅に上げると、主剤であるアクリル
樹脂やポリエステル樹脂との相溶性が悪くなったり、水
性塗料として使用する場合の水溶性が悪化したりすると
いう問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ヒュ
ーム原因である塗料組成物中の揮発性低分子量物の含有
量が少なく、かつ優れた密着性、耐レトルト性、耐加工
性を有する高硬度な塗膜を形成し得る金属缶用塗料組成
物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明は、金属缶用塗料組成物が、カルボキシル基含有単
量体(a)を必須成分として含有する単量体成分(A)
を共重合して得られる重合体(X)、カルボキシル基含
有ポリエステル樹脂(Y)および前記重合体(X)と前
記ポリエステル樹脂(Y)との反応物(XY)よりなる
群から選択される1種以上のカルボキシル基含有重合体
(P)と、下記一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞ
れ同一または異なって水素、ハロゲン、アルキル基、ア
ラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
アリール基、または置換アリール基を示し、R5 はアル
ケニル基またはシクロアルケニル基を示す。)で表され
る付加重合性オキサゾリンを必須成分として含む単量体
成分(B)を重合してなるオキサゾリニル基含有重合体
(R)を含有するところに要旨を有する。
【0008】
【作用】本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、カルボキ
シル基含有重合体(P)とオキサゾリニル基含有重合体
(R)を含む塗料組成物が、前記目的を達成し得るもの
であることを見出し、本発明に到達した。以下本発明を
詳細に説明する。
【0009】本発明におけるカルボキシル基含有重合体
(P)は、カルボキシル基含有単量体(a)を必須成分
として含有する単量体成分(A)を共重合して得られる
重合体(X)、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(Y)、および前記重合体(X)と前記ポリエステル樹
脂(Y)との反応物(XY)よりなる群から選択される
1種以上のカルボキシル基含有重合体である。
【0010】カルボキシル基含有単量体(a)として
は、(メタ)アクリル酸、ケイ皮酸およびクロトン酸等
の不飽和モノカルボン酸や、マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸等の不飽和ジカルボン酸もしくはそのモノエス
テル等を挙げることができ、これらの1種以上を用いる
ことができる。
【0011】上記単量体成分(A)中の前記(a)以外
の単量体成分は、前記(a)と共重合可能でかつオキサ
ゾリニル基を含有しないものであれば特に限定されない
が、具体的に例示すると、スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、スチレン
スルホン酸およびその塩等のスチレン誘導体類;(メ
タ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリル
アミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アク
リルアミド誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸とC1 〜C18のアルコールのエステル化によ
り合成される(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とポリプロ
ピレングリコールもしくはポリエチレングリコールとの
モノエステル等のヒドキシル基含有(メタ)アクリレー
ト類;エチレン、プロピレン、n−ブテン等のオレフィ
ン類;2−スルホン酸エチル(メタ)アクリレートおよ
びその塩、ビニルスルホン酸およびその塩等の不飽和ス
ルホン酸類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステア
リン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロ
ニトリル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル
のビニルエーテル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリド
ン等の塩基性不飽和単量体類;(メタ)アクリル酸とエ
チレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アル
コールとのエステル等の分子内に重合性不飽和基を2個
以上有する多官能(メタ)アクリレート類;N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)ア
クリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ビニルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、トリ
メトキシシリルプロピルアリルアミン等の有機ケイ素含
有不飽和単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート、
2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグ
リシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性単量体類;
(メタ)アクリロイルアジリジン、2−アジリジニルエ
チル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有重合
性単量体類;弗化ビニル、弗化ビニリデン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタ
レート;4−(メタ)アクロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクロイル
アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4
−(メタ)アクロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペ
ンタメチルピペリジン等の重合性紫外線安定性単量体類
等が挙げられ、これらの1種以上を使用することができ
る。
【0012】単量体成分(A)をラジカル共重合するこ
とによって、カルボキシル基含有重合体(X)を合成す
ることができる。ラジカル共重合は周知の方法によるこ
とができ、例えば溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合
法、乳化重合法等が挙げられる。溶液重合法を採用する
場合、重合溶媒としては、トルエン、キシレン等の高沸
点の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソル
ブアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル等のアルキレングリコールエーテル類を単独も
しくは混合で用いることができる。
【0013】重合開始剤としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビス2−メチルブチロニトリル等のアゾ
系化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ(ターシャリ
ーブチル)パーオキサイド等の過酸化物系化合物等のラ
ジカル重合開始剤を用いることができ、重合性単量体成
分総量に対して0.1〜10重量%の使用が好ましい。
反応温度は通常室温から200℃、好ましくは40〜1
50℃の範囲である。また重合反応を行う際に、数平均
分子量を調整する目的で、ラウリルメルカプタン、2−
メルカプトエタノール、四塩化炭素等の連鎖移動剤や調
整剤を用いてもよい。
【0014】カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(P)は、公知の不飽和ポリエステルであってカルボキ
シル基が残存しているものである。不飽和多塩基酸とし
ては、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタ
コン酸が利用でき、飽和多塩基酸としては、無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸や、コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカンカルボン酸等から選
ばれる1種以上が主に用いられる。
【0015】また、多価アルコール成分としては、ネオ
ペンチルグリコール、2,2’−ジエチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオール、2,2’−ジ−n−ブチル−1,
3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル
−1,3−プロパンジオール、2,2’−ジ−n−ヘキ
シル−1,3−プロパンジオール等の他、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0016】3価以上のポリカルボン酸としては、トリ
メリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン
酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸
等を挙げることができ、3価以上のポリオール成分とし
ては、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
等が挙げられる。ポリエステル化反応は公知の方法に従
って、150〜240℃で縮合反応を行い、生成した水
を系外へ除きながら行えばよい。反応の進行に従って、
反応物の酸価が減少するので、目的の酸価になったとこ
ろで反応を終了することによって、結果カルボキシル基
含有ポリエステル樹脂(Y)を得ることができる。
【0017】本発明では、カルボキシル基含有重合体
(P)として、前述の重合体(X)、上記ポリエステル
樹脂(Y)の他に、この両者の反応物(XY)を利用す
ることもできる。重合体(X)とポリエステル樹脂
(Y)の反応は、(Y)中の不飽和基に重合体(X)の
構成成分である単量体成分(A)を重合させる方法、不
飽和基が存在しない(Y)に対して水素引抜のみで重合
体(X)を重合させる方法、または(Y)中のカルボキ
シル基と反応し得る官能基、例えばグリシジル基を有す
る重合体(X)と合成しておいて(Y)と反応させる方
法等を採用することができる。
【0018】カルボキシル基含有重合体(P)は、上述
の様に、重合体(X)、ポリエステル樹脂(Y)、両者
の反応物(XY)よりなる群から選択される1種以上で
あるが、後述のオキサゾリニル基との反応のための官能
基であるカルボキシル基は、重合体(P)中の酸価とし
て10〜200mgKOH/gとすることが好ましい。
従って、それぞれの化合物のカルボキシル基含有量を適
宜選択して、重合体(P)としての酸価が上記規定範囲
内とする様にする。(P)中の酸価が10mgKOH/
gより少ないと、オキサゾリニル基の反応に有効量とな
り得ず、得られる塗膜の密着性、加工性、耐衝撃性が劣
る。しかし、酸価が200mgKOH/gを超えると耐
水性が悪化するため好ましくない。
【0019】カルボキシル基含有重合体(P)は、塩基
性化合物でカルボキシル基を中和しておくことが好まし
い。この時の(P)中のカルボキシル基の中和量は、目
的に応じて適宜設計変更すればよいが、カルボキシル基
の一部、全部もしくは過剰に中和される様に、理論中和
量の0.3〜3倍モルの範囲の量の塩基性化合物で中和
する。0.3倍モルより少ない中和量では、オキサゾリ
ニル基とカルボキシル基が常温で反応してしまうためポ
ットライフが短過ぎるという不都合がある。3倍モルを
超えて中和すると、、硬化反応性や耐候性似悪影響を及
ぼす。なお、水溶性塗料として使用するためには、中和
は必須である。
【0020】重合体(P)を中和するために用いられる
塩基性化合物としては、アンモニア;メチルアミン等の
一級アミン;ジメチルアミン等の二級アミン;トリエチ
ルアミン等の三級アミン;ジメチルエタノールアミン、
n−ブチルアミン、ジエチルアミン等の脂肪族アミン;
シクロヘキシルアミン等の環状脂肪族アミン;ピペリジ
ン、モルホリン、N−エチルピペリジン、N−エチルモ
ルホリン、ピリジン等のヘテロ環状アミン;ベンジルア
ミン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン
等の芳香族アミン;テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラエチルアンモニウムクロライド等のテトラア
ルキルアンモニウムハライド;酢酸テトラメチルアンモ
ニウム等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩;硫酸
水素テトラメチルアンモニウム、硫酸水素テトラエチル
アンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム無機酸
塩;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、モノヒドロキシエチル
トリメチルアンモニウムヒドロキシド等の(ヒドロキ
シ)アルキルアンモニウムヒドロキシド;ナトリウム、
カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;バリウム、スト
ロンチウム、カルシウム、ランタン等の遷移金属の水酸
化物;[Pt(NH36 ](OH)4 等の錯塩の遊離
塩等を挙げることができ、これらの1種または2種以上
の混合物を使用できる。
【0021】本発明では、上述のカルボキシル基含有重
合体(P)の反応相手として、オキサゾリニル基含有重
合体(R)が用いられなければならない。オキサゾリニ
ル基含有重合体(R)は、下記一般式(I)
【0022】
【化3】
【0023】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞ
れ同一または異なって水素、ハロゲン、アルキル基、ア
ラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
アリール基、または置換アリール基を示し、R5 はアル
ケニル基またはシクロアルケニル基を示す。)で表され
る付加重合性オキサゾリンを必須成分として含む単量体
成分(B)を重合することによって得られる。付加重合
性オキサゾリンとは、R 5 の部分にラジカル付加重合可
能な二重結合を有するものであり、具体例としては、2
−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル
−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オ
キサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、
2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、
2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、
2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等
を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種ある
いは2種以上の混合物を使用することができる。中で
も、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に
入手し易く好適である。
【0024】重合体(R)は、上記付加重合性オキサゾ
リンを必須成分として含む単量体成分(B)から合成さ
れるが、単量体成分(B)に必要に応じて含まれる、付
加重合性オキサゾリン以外の重合性単量体としては、付
加重合性オキサゾリンと共重合可能で、かつカルボキシ
ル基を含有しないものであれば、特に制限されず用いる
ことができる。具体的には、前述の重合体(A)を製造
する際に必要に応じて用いられる単量体成分(a)とし
て例示した単量体を1種または2種以上用いることがで
きる。合成方法も前述の重合体(A)を合成する手段と
同様でよい。なお、単量体成分(B)中の付加重合性オ
キサゾリンの割合は、5〜100重量%とすることが好
ましい。5重量%より少ないと、カルボキシル基含有重
合体(P)との反応に実質有効量となり得ず、耐水性、
密着性、加工性に劣った塗膜しか得られない。
【0025】上記カルボキシル基含有重合体(P)とオ
キサゾリニル基含有重合体(R)は、いずれもその数平
均分子量を1500以上 40000未満とすることが好ましい。
重合反応を行う際に、ラウリルメルカプタン、2−メル
カプトエタノール、四塩化炭素等の連鎖移動剤や調整剤
を用いれば、数平均分子量の調節ができる。数平均分子
量が1500より小さいと、ヒュームの原因である低分子量
化合物が多くなり本発明の目的に反する上、塗膜の加工
性と硬度のバランスを取ることが難しくなる。また、数
平均分子量が 40000以上になると、塗料として適正な粘
度に希釈するための多量の有機溶剤や水が必要となり、
塗料固形分が低くなり過ぎて有効な膜厚が得られない。
希釈剤の存在は資源的にも無駄である。
【0026】本発明の金属缶用塗料組成物は、カルボキ
シル基含有重合体(P)とオキサゾリニル基含有重合体
(R)を主成分として含有するが、両者の配合比は、R
を1とした場合に、Pが0.1〜20(重量比)となる
様にするのが好ましい。この範囲外では、PとRの量が
不均等となって、得られる塗膜の架橋密度が不充分とな
り、厳しい耐水性や耐レトルト性が要求される、例えば
乳製品やお茶缶等の分野での使用が制限されるため好ま
しくない。
【0027】本発明の金属缶用塗料組成物には、ヒュー
ムの増加に悪影響を及ぼさないような程度でアルキルエ
ーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂を併用してもよ
い。アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂と
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール等の炭素数1〜4の低級
アルキルアルコールによってアルキルエーテル化された
ホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデヒド等と、
尿素、N,N−エチレン尿素、ジシアンアミド、アミノ
トリアジン等との縮合生成物であり、具体的には、メト
キシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロール−N,N
−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンアミ
ド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロ
ールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミ
ン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン等が挙げら
れ、単独または混合して用いることができる。加工性の
面から望ましいのは、メトキシ化メチロールメラミン、
ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロール
ベンゾグアナミン等である。
【0028】本発明の金属缶用塗料組成物には、
(P)、(R)の必須成分の他に、種々のフィラー、顔
料分散剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、流れコ
ントロール剤、界面活性剤、および他の配合添加剤を所
望により用いてもよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。実施例中に特にことわらない限り、
%は重量%、部は重量部を示す。
【0030】参考例1(カルボキシル基を含有する重合
体(X)の合成) 撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管の付いた四つ口フラスコにブチルセロソルブ66.
7部を仕込み、100℃まで昇温した。そこへ窒素ガス
を吹込みながら、メタクリル酸10部、ヒドロキシエチ
ルアクリレート10部、スチレン10部、エチルアクリ
レート50部、ブチルアクリレート20部およびアゾビ
スイソブチロニトリル2.0部からなる混合物を2時間
に亘って滴下ロートより滴下し、さらに100℃で4時
間保持した後、室温まで冷却して、カルボキシル基を含
有する重合体(X−1)の溶液を得た。
【0031】参考例2〜5 参考例1において重合性単量体の組成を表1に示した通
りとする他は参考例1と同様の操作を繰返して、重合体
(X−2)〜(X−5)の溶液を得た。
【0032】
【表1】
【0033】参考例6(オキサゾリニル基を含有する重
合体(R)の合成) 撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管の付いた四つ口フラスコにブチルセロソルブ66.
7部を仕込み、100℃まで昇温した。そこへ窒素ガス
を吹き込みながら、2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン25部、メチルメタクリレート40部、スチレン2
0部、エチルアクリレート5部、ブチルアクリレート1
0部およびアゾビスイソブチロニトリル2.0部からな
る混合物を2時間に亘って滴下ロートより滴下し、さら
に100℃で4時間保持した後、室温まで冷却してオキ
サゾリニル基含有重合体(R−1)の溶液を得た。
【0034】参考例7〜10 参考例6において重合性単量体の組成を表2に示した通
りとする他は参考例6と同様の操作を繰返して、重合体
(R−2)〜(R−5)の溶液を得た。
【0035】
【表2】
【0036】参考例11(カルボキシル基含有ポリエス
テル樹脂(Y)の合成) 撹拌機、温度計、油水分離器を備えた還流冷却器付き四
つ口フラスコに、トリメチロールプロパン6.5部、ネ
オペンチルグリコール5.1部、1,6−ヘキサンジオ
ール34.5部、イソフタル酸12.1部、セバチン酸
39.4部、無水マレイン酸2.4部および共沸還流の
ためのトルエン5部を仕込み、窒素ガス気流下で加熱し
た。フラスコ内のグリコール成分が溶解した時点で撹拌
を開始し、縮合反応によって生成した水を系外に除きな
がら反応を続け、固形分の酸価が20mgKOH/gに
なったところで反応を終了させ、ブチルセロソルブで8
0%に希釈し、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂溶
液(Y−1)を得た。
【0037】参考例12(重合体(X)とポリエステル
樹脂(Y)との反応物の合成) 参考例1で用いた四つ口フラスコにブチルセロソルブ5
2.3部を仕込み、100℃まで昇温した。そこへ窒素
ガスを吹き込みながら、参考例11で得たポリエステル
樹脂溶液(Y−1)18部、メタクリル酸10部、ヒド
ロキシエチルアクリレート10部、スチレン10部、エ
チルアクリレート35.6部、ブチルアクリレート20
部およびアゾビスイソブチロニトリル3.0部からなる
混合物を2時間に亘って滴下ロートより滴下し、さらに
100℃で6時間保持した後室温まで冷却して、アクリ
ル変性ポリエステル樹脂溶液(XY−1)を得た。
【0038】実施例1〜16、比較例1〜4 表3に示した配合組成で、カルボキシル基含有重合体
(P)に相当する、重合体(X−1)〜(X−5)、ポ
リエステル樹脂(Y−1)、重合体(X)とポリエステ
ル樹脂の反応物(XY−1)と、オキサゾリニル基含有
重合体(R−1)〜(R−5)を配合し、ブチルセロソ
ルブで塗装粘度まで希釈して塗料組成物を作成した。実
施例1〜16では、塩基性化合物であるジエチルエタノ
ールアミンでカルボキシル基の中和を行っている。ま
た、実施例15および16は、実施例1および7と同配
合であるが、希釈剤としてブチルセロソルブの代わりに
水を用いている。また、サイメル303(三井東圧化学
社製:ヘキサメトキシメチル化メラミン樹脂)を表3の
様に適宜混合している。
【0039】これらの塗料用組成物を厚さ0.23mm
の電気めっきブリキ板にロールコート法で乾燥後の膜厚
が7μmとなる様に塗工し、ガスオーブンにて雰囲気温
度190℃で10分間焼付けて、塗装パネルを作成し
た。下記に示した方法で塗膜性能試験を行い、結果を表
4に示した。
【0040】耐水性試験 :オートクレーブ中で塗装パ
ネルを130℃の熱水中に30分浸漬した後の、ブリス
ター(ふくれ)発生や白化度合いを下記基準で目視評価
した。 ◎:ブリスター、白化は全く見られない。 ○: 〃 ほとんど見られない。 △:若干ブリスターまたは白化が認められる。 ×:ブリスターまたは白化がかなり認められる。 加工性試験 :エリクセン試験を行った。 耐衝撃性試験:デュポン式、 1/2インチ、500g荷重
で行った。 鉛筆硬度 :JIS K5400 に準じて鉛筆硬度
試験を行った。 密着性試験 :ゴバン目剥離試験で評価した。 光沢 :公知の白色塗料の焼付塗膜板上に、各塗
料組成物を塗布して190℃10分間焼付けた後、60
°鏡面反射率を測定した。 加熱減率試験:厚さ0.23mmのブリキ板を15×2
0cmに切って精秤し(これをW1 とする)、試験塗料
を10g/m2 となる様に塗布し、100℃で60分間
乾燥して精秤する(W2 )。さらに200℃で10分乾
燥して精秤し(W3 )、次式より加熱減率Mを算出し
て、ヒューム発生量の評価基準とした。 M=100×(W2 −W3 )/(W2 −W1
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】オキサゾリニル基含有重合体とカルボキ
シル基含有重合体との組合せによる金属缶用塗料組成物
は、ヒュームの発生が少ないため、焼付炉内や炉内通過
設備へのヒューム堆積物を減少させることができる。こ
のため、堆積物落下による缶内外面の汚染が可及的に防
止されると共に、炉内設備の洗浄サイクルを長時間に引
き伸ばすことができ、大幅な生産性向上につながった。
また、塗膜性能にも優れており、加工性と硬度の両方を
満足する上、耐久性、耐候性、耐水性、耐溶剤性、耐熱
性、基材への密着性を有した硬化塗膜を与えるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 清 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有単量体(a)を必須
    成分として含有する単量体成分(A)を共重合して得ら
    れる重合体(X)、カルボキシル基含有ポリエステル樹
    脂(Y)、および前記重合体(X)と前記ポリエステル
    樹脂(Y)との反応物(XY)よりなる群から選択され
    る1種以上のカルボキシル基含有重合体(P)と、 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ同一または
    異なって水素、ハロゲン、アルキル基、アラルキル基、
    シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、
    または置換アリール基を示し、R5 はアルケニル基また
    はシクロアルケニル基を示す。)で表される付加重合性
    オキサゾリンを必須成分として含む単量体成分(B)を
    重合してなるオキサゾリニル基含有重合体(R)を含有
    することを特徴とする金属缶用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 上記カルボキシル基含有重合体(P)の
    酸価が10〜200mgKOH/gである請求項1に記
    載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記カルボキシル基含有重合体(P)の
    カルボキシル基が、理論中和量の0.3〜3倍モルの塩
    基性化合物によって中和されたものである請求項1記載
    の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記カルボキシル基含有重合体(P)
    と、前記オキサゾリニル基含有重合体(R)の数平均分
    子量が、いずれも1500以上40000 未満である請求項1記
    載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 前記付加重合性オキサゾリンを必須成分
    として含む単量体成分(B)のうち、該付加重合性オキ
    サゾリンの含有量が5〜100重量%である請求項1記
    載の塗料組成物。
  6. 【請求項6】 前記カルボキシル基含有重合体(P)
    と、前記オキサゾリニル基含有重合体(R)を、R1に
    対してPが0.1〜20(重量比)となる様に配合した
    ものである請求項1記載の塗料組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007269889A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Kansai Paint Co Ltd 缶用水性塗料組成物
JP2008038101A (ja) * 2006-08-10 2008-02-21 Kansai Paint Co Ltd 缶用水性塗料組成物
JP2008208273A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物
JPWO2021187126A1 (ja) * 2020-03-19 2021-09-23

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