JP3421162B2 - 水性被覆組成物 - Google Patents

水性被覆組成物

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JP3421162B2
JP3421162B2 JP08581195A JP8581195A JP3421162B2 JP 3421162 B2 JP3421162 B2 JP 3421162B2 JP 08581195 A JP08581195 A JP 08581195A JP 8581195 A JP8581195 A JP 8581195A JP 3421162 B2 JP3421162 B2 JP 3421162B2
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達志 福住
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は常温硬化が可能な1液タ
イプの水性被覆組成物に関するものであり、造膜性が良
好で、かつ、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、顔料分散性が
良好で、金属、プラスチック、木、紙などへの密着性良
好な皮膜を形成することのできる水性被覆組成物に関す
るものであり、水性塗料等に広く利用されるものであ
る。 【0002】 【従来の技術】近年、環境上の観点より、水系の被覆用
組成物のニーズは非常に高まっており、各種の水性被覆
組成物が開発されている。 【0003】例えば、エマルション、ディスパージョン
等の水性分散液は、重合体が水中に分散して存在するの
で、分子量が高くなってもあまり大きな粘度上昇が生じ
ないため、高分子量の重合体を使用することが可能であ
るという特徴を有している。このため、塗装後の塗膜物
性が非常に良好な水性被覆用組成物を調製できるという
利点を有している。 【0004】しかし、これらの水性分散液は、良好な造
膜性能を保持させることが難しいという欠点を有する。
分散体粒子から塗膜が形成される場合、その塗膜連続性
は粒子間の融合挙動に依存し、重合体の二次転移温度
(以下、Tgという)よりも高い温度の雰囲気でなけれ
ば造膜しないと言われているが、造膜性向上のためにT
gを低くすると、形成される塗膜の硬度や耐ブロッキン
グ性が低下するという問題点を有する。一方、塗膜の硬
度や耐ブロッキング性を改善させるためにTgを高くし
ようとする場合には、造膜助剤や可塑剤の添加が必要と
なり、塗膜の乾燥性や耐水性が低下するという問題点を
有する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】この点を改良するため
には、架橋剤を併用するのが最良の方法と考えられてき
た。例えば、特公昭58−20991号公報には、カル
ボニル基を含有する単量体を共重合させて得られたカル
ボニル基含有樹脂水性エマルジョンに、分子中に少なく
とも2個のヒドラジン残基を有する化合物を配合してな
る樹脂水性エマルジョンが提案されており、常温硬化性
一液型という優れた特性を有している。 【0006】しかし、特公昭58−20991号公報に
開示されているような水性エマルジョンから形成される
被膜は、鉄、アルミ等の金属系基材への密着性が低いと
いう問題点を有している。 【0007】以上のように、塗膜性能および基材への密
着性が充分な、常温硬化性一液型の水性被覆組成物は未
だに得られておらず、その開発が望まれている。 【0008】 【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記課題を解決することを目的として、鋭意検討した結
果、特定のカルボキシル基含有単量体をビニル系重合体
の必須成分とすることによって、上記課題を解決する水
性被覆組成物が得られることを見いだし、本発明を完成
した。その要旨とするところは、一般式(1)に示す構
造を持つカルボキシル基含有ビニル系単量体(a)1〜
20重量% 【0009】 【化2】 【0010】(XはHまたはCH3、Rは4〜30の炭
素を含有する基を示す。)カルボニル基あるいはアルデ
ヒド基含有ビニル系単量体(b)1〜20重量%、その
他の共重合可能なビニル系単量体(c)60〜98重量
%を有するビニル系重合体[I]の水分散体と、2個以
上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン誘導体[I
I]とを含有することを特徴とする水性被覆組成物にあ
る。 【0011】一般式(1)に示す構造を持つカルボキシ
ル基含有ビニル系単量体(a)は、該単量体を共重合し
たビニル系重合体[I]の水分散体を含む水性被覆組成
物より形成した塗膜の基材への密着性を付与するための
成分であり、式中Rの部分の炭素原子の数が4〜30の
範囲である必要がある。炭素原子の数が4未満であると
形成される塗膜の密着性が低下する傾向にあり好ましく
なく、炭素原子の数が30を越えると形成される塗膜の
耐溶剤性が低下する傾向にあり好ましくない。 【0012】一般式(1)に示す構造を持つカルボキシ
ル基含有ビニル系単量体(a)の具体例としては、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、5−メチル−1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フタル酸モノヒドロキシプロピルアクリレート、シ
ュウ酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が
挙げられるが、なかでも、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸モノヒドロキシエチルメタクリレートやフタル
酸モノヒドロキシエチルメタクリレートが特に好まし
い。これら成分(a)は二種以上を混合して使用するこ
とも可能である。より好ましくは、一般式(2)に示す
構造を有するものであり、 【0013】 【化3】【0014】(XはHまたはCH3、Yは2〜28の炭
素を含有する基を示す。)さらに好ましくは、一般式
(3)に示す構造を有するものである。 【0015】 【化4】 【0016】(XはHまたはCH3、Zは脂環式炭化水
素基または芳香族炭化水素基を示す。) 該単量体(a)のビニル系重合体[I]中への共重合量
は、1〜20重量%、より好ましくは2〜8重量%の範
囲である。この単量体(a)の共重合量が1重量%未満
であると、塗膜の基材への密着性が低下する傾向にあ
り、この共重合量が20重量%を越えたビニル系重合体
[I]を含む水性被覆組成物より形成した塗膜は、形成
される塗膜の耐候性が低下する傾向にあり好ましくな
い。 【0017】カルボニル基あるいはアルデヒド基含有ビ
ニル系単量体(b)とは、分子中にカルボン酸基、エス
テル基、アミド基以外の少なくとも1個のケト基もしく
はアルデヒド基と、重合可能な二重結合を有する単量体
である。このような単量体(b)は、用いる他の単量体
成分と共重合可能であればとくに限定されるものではな
く、ビニル系共重合体[I]中に1〜20重量%、好ま
しくは2〜13重量%となる範囲で共重合される。カル
ボニル基あるいはアルデヒド基含有ビニル系単量体
(b)の共重合量が1重量%未満であると、得られる塗
膜の耐溶剤性、耐候性が不十分となる傾向にあり、この
共重合量が20重量%を越えると、水性被覆組成物のポ
ットライフが短くなり、一液化が困難になる傾向にあり
好ましくない。カルボニル基あるいはアルデヒド基含有
ビニル系単量体(b)の具体例としては、アクロレイ
ン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロ−ル、
ビニルアルキルケトン等を挙げることができ、好ましく
は炭素原子数4〜7個のビニルメチルケトン、ビニルエ
チルケトン、ビニルイソブチルケトンなどのほか、一般
式(4)で表される(メタ)アクリルオキシアルキルプ
ロパナ−ル 【0018】 【化5】 【0019】(式中、R1は水素原子またはメチル基、
2は水素原子または1〜3個の炭素原子を有するアル
キル基、R3は水素原子または1〜3個の炭素原子を有
するアルキル基、R4は1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基を示す。)、(メタ)アクリルアミドピバリン
アルデヒド、ジアセトン(メタ)アクリレ−ト、アセト
ニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ−
トアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メ
タ)アクリレート、ブタンジオ−ル−1,4−アクリレ
ート−アセチルアセテート、アクリルアミドメチルアニ
スアルデヒドなどが用いられるが、中でもアクロレイ
ン、ジアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケトンが
特に好ましい。これら成分(b)は二種以上を混合して
使用することも可能である。 【0020】また、その他の共重合可能なビニル系単量
体(c)は、ビニル系重合体[I]中に60〜98重量
%、好ましくは65〜90重量%の範囲で用いられ、少
なくとも1個の重合可能なビニル基を有するものの中か
ら目的に応じて任意に選ぶことができる。ビニル系単量
体(c)の共重合量が60重量%未満であると、水性被
覆組成物の一液化が困難になり、得られる塗膜の耐候性
が低下する傾向にあり、98重量%を越えると、得られ
る塗膜の基材への密着性や、耐溶剤性、耐候性が低下す
る傾向にあり好ましくない。ビニル系単量体(c)の具
体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート等の炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレンおよびベンジル(メタ)ア
クリレート等の芳香族ビニル化合物類、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
グリコールジ(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ(メタ)
アクリレート;およびジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートメチルクロライド塩、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、(メタ)アクリロニトリル等の公知の重合性ビ
ニル単量体が挙げられる。これら成分(c)は二種以上
を混合して使用することも可能である。 【0021】ビニル系重合体[I]を製造する際の重合
方法としては、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法、
塊状重合法等が適用できるが、特に乳化重合により製造
されるのが好ましい。 【0022】ビニル系重合体[I]を乳化重合法で得る
場合には、乳化剤を使用して水溶性の重合開始剤により
重合を行なわせる方法や、過硫酸カリウムのような無機
過酸化物とチオ硫酸ナトリウム等の還元剤のレドックス
系開始剤を用いてソープフリー重合により重合を行なわ
せることも可能である。また、連鎖移動剤の使用も可能
である。乳化剤としては、アニオン性、カチオン性及び
ノニオン性のもの、さらには高分子乳化剤が挙げられ
る。モノマーの重合系中への供給方法は、従来公知の方
法が利用できる。また、乳化重合により得られる重合体
分散液は、重合後塩基により系のpHを中性から弱アル
カリ性すなわち6.5〜9.5に設定することが系の安
定性の面より好ましい。塩基の例としては、アンモニ
ア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミ
ン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチル
アミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエ
チルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノー
ル、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−
プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノー
ル、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロ
ピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミ
ノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が挙げられる。 【0023】ビニル系重合体[I]を溶液重合法により
得る際に用い得る溶剤としては、本発明で用いる単量体
および重合体を共に溶解させるものなら特に制限を受け
ず、その具体例としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール
類;エチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチル
カルビトール;プロピレングリコールメチルエーテル等
のグリコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エス
テル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類等が挙げられる。また、重合開始剤として
は、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、ベ
ンゾイルパーオキサイドのごとき過酸化物系開始剤等、
従来公知の開始剤を適宜選択して用いるのがよい。ま
た、ビニル系重合体[I]の分子量を調節するには、分
子量調節剤としてn−ドデシルメルカプタン、t−ドデ
シルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の連
鎖移動剤を用いるのがよい。単量体の重合系内への供給
方法は、従来公知の方法が利用できる。 【0024】ビニル系重合体[I]の二次転移温度(以
下、Tgという)は、DSC法による測定で−10〜5
0℃の範囲が好ましく、より好ましくは0〜35℃であ
る。Tgが−10℃未満のビニル系重合体[I]を用い
た塗膜は、耐汚染性が不足したり、耐ブロッキング性が
低下する傾向にあり好ましくない。また、Tgが50℃
を越えたビニル系重合体[I]を用いた塗膜は、塗膜が
硬くなり過ぎ、基材に対する密着性が低下する傾向にあ
り好ましくない。ビニル系重合体[I]の分子量はGP
C法により測定される重量平均分子量が10,000〜
2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは
100,000〜1,500,000の範囲である。分
子量が10,000未満のビニル系重合体[I]を用い
た塗膜では、塗膜が脆く、耐水性、耐衝撃性が低下する
等の種々の欠点が生ずる傾向にあり好ましくない。一
方、分子量が2,000,000を越えるビニル系重合
体[I]を用いた場合は、造膜性が著しく低下する傾向
にあり好ましくない。さらに、このビニル系重合体が水
溶性である場合には水性被覆組成物の粘度が高くなり、
塗料の作業性が低下する傾向にあり好ましくない。 【0025】また、ビニル系重合体[I]の酸価(フェ
ノールフタレインの変色点を基準とし、ビニル系重合体
水溶液にエタノールを溶解したKOHを滴下して滴定
し、ビニル系重合体1gを中和するに必要なKOHのm
g数で示した値)は、7〜130mgKOH/gの範囲
が好ましく、より好ましくは10〜50mgKOH/g
の範囲である。酸価が7mgKOH/g未満であると、
塗膜の硬化が不十分となる傾向にあり、酸価が130m
gKOH/gを越えると、水性被覆組成物の貯蔵安定性
が低下し、形成される塗膜の耐水性が不足する傾向にあ
り好ましくない。 【0026】ビニル系重合体[I]の水分散体は、有機
ヒドラジン誘導体[II]を添加することによって、水性
被覆組成物として使用することができる。 【0027】本発明に用いられる2個以上のヒドラジン
残基を有する有機ヒドラジン誘導体[II]は、ビニル系
重合体[I]中のカルボニル基のモル数(i)と[II]
中のヒドラジン残基のモル数(ii)の比率が、0.1/
1≦(i)/(ii)≦1/0.1の範囲となるように加
えるのが好ましい。より好ましくは、0.8/1≦
(i)/(ii)≦1/0.5の範囲である。(i)/
(ii)が0.1/1未満である場合には、得られる水性
被覆組成物のポットライフが短くなりすぎ、使用が困難
になる傾向にあり、1/0.1を越える場合には、形成
される塗膜の耐溶剤性が不十分になる傾向にあり好まし
くない。有機ヒドラジン誘導体[II]の具体例として
は、2〜10個、特に4〜6個の炭素原子を含有するジ
カルボン酸ジヒドラジド、例えば、シュウ酸ジヒドラジ
ド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グ
ルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバ
シン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル
酸ジヒドラジドおよびイタコン酸ジヒドラジドや、2〜
4個の炭素原子を有する脂肪族の水溶性ジヒドラジン、
例えば、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン
−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラ
ジンなどを挙げることができる。これらの中でもアジピ
ン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシ
ン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドが好ましい。
また、これらは2種以上を併用してもよい。 【0028】このようにして得られる本発明の水性被覆
組成物は、コーティング材料としての高度の性能を発現
させるために、顔料、消泡剤、顔料分散剤、防腐剤等の
添加剤を添加して用いることも可能である。 【0029】本発明の水性被覆組成物を用いて各種材料
の表面に塗膜を形成する際の塗布方法としては、噴霧コ
ート法、ローラーコート法、バーコート法、エアーナイ
フコート法、流延法、刷毛塗り法、ディッピング法等が
挙げられるが、とくに限定されない。 【0030】本発明の水性被覆組成物をコーティング材
料として用いる場合には、通常、室温〜70℃の温度範
囲で10秒〜10時間乾燥して塗膜が形成される。 【0031】以下に、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、実施例中の「部」および「%」は、それぞ
れ「重量部」および「重量%」を示す。 【0032】 【実施例】 (1)ビニル系重合体[I]−1の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備えて、加温と冷却がい
ずれも可能である重合装置中に、脱イオン水100部に
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、過硫酸ナ
トリウム1部を加え、攪拌しながら70℃に加熱し、こ
の中に、メチルメタクリレート(以下MMAと略す)5
0部、スチレン(以下Stと略す)20部、2−エチル
ヘキシルアクリレート(以下EHAと略す)20部、化
合物1のカルボキシル基含有ビニル系単量体5部、 【0033】 【化6】 【0034】ジアセトンアクリルアミド(以下DAAM
と略す)5部の混合物を4時間かけて滴下し、その後反
応温度を80℃に維持するように3時間反応させ、さら
に95℃に昇温しこの状態を1時間維持し反応を終了さ
せた。これを室温まで冷却した後にアンモニアを添加
し、系のpHを9.0に調節した。得られたビニル系重
合体の水分散体は、固形分49.7%、粘度100cp
sであった。 【0035】(2)ビニル系重合体[I]−2〜[I]
−13の製造 ビニル系重合体[I]−1の製造方法と同様の操作で、
表1および表2に示すビニル系単量体組成物をそれぞれ
重合し、ビニル系重合体[I]−2〜[I]−13を得
た。得られた重合体の特性値を表3に示した。 【0036】 【表1】 【0037】 【表2】【0038】 【化7】 【0039】 【化8】 【0040】 【化9】 【0041】 【化10】【0042】 【化11】 【0043】 【化12】 【0044】 【化13】 【0045】・記号の説明 MMA :メチルメタクリレート St :スチレン n−BA:ノルマルブチルアクリレート HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート :2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセ
テート :ジアセトンアクリルアミド :ビニルメチルケトン 【0046】 【表3】 【0047】(3)ビニル系重合体[I]−14の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備えて、加温と冷却がい
ずれも可能である重合装置中にイソプロピルアルコール
(以下i−PAと略す)100部を加え攪拌を開始し、
80℃に昇温し、MMA28部、St20部、n−BA
30部、化合物1のカルボキシル基含有ビニル系単量体
5部、DAAM17部の混合物を4時間かけて滴下し、
滴下終了後1時間おきにアゾビスイソブチロニトリル
(以下AIBNと略す)を0.2部添加しながら、温度
を80℃に4時間維持し重合を終了し、固形分51%、
粘度10,000cps、重量平均分子量180,00
0のビニル系重合体[I]−14のi−PA溶液を得
た。その後、この溶液にトリエチルアミン2.0部を加
え、30分後に脱イオン水80部を加えさらに30分攪
拌した。得られた白濁溶液の固形分は41%、粘度は
1,000cpsであった。 【0048】[実施例1](1)で得たビニル系重合体
[I]−1の水分散体に、有機ヒドラジン誘導体[II]
としてイソフタル酸ジヒドラジドをビニル系重合体
[I]−1中に含有されるカルボニル基のモル数(i)
とヒドラジン残基のモル数(ii)の比率が(i)/(i
i)=1/1となるように添加し、水性被覆組成物(P
−1)を得た。 【0049】この水性被覆組成物(P−1)をバーコー
ター30番にて鋼板、アルミ板、ブリキ板に塗布した
後、室温で7日間乾燥させて塗膜を得た。得られた塗膜
について以下の評価を行い、表4に示す結果を得た。 【0050】[塗膜の密着性]各基材への密着性をゴバ
ン目セロハンテープ剥離試験を行い、以下の基準で採点
した。 【0051】0点:はがされる部分が90%以上である
もの 1点:はがされる部分が50%以上90%未満であるも
の 2点:はがされる部分が10%以上50%未満であるも
の 3点:はがされる部分が10%未満であるもの 上記採点を合計し、合計点により下記の評価を行う。 【0052】◎:9点 ○:6〜8点 ×:5点以下 [塗膜の耐溶剤性]鋼板に塗布した塗装面をMEKを浸
したガーゼにて200g/cm2の荷重下でラビングを
行う。 【0053】◎:100回ダブルラビングで鋼板面まで
溶解されない ○:70〜100回のダブルラビングで鋼板面まで溶解
される ×:70回未満のダブルラビングで鋼板面まで溶解され
る [塗膜の耐候性]鋼板に塗布した塗装面をサンシャイン
ウエザーオメーターにて500時間暴露する。 【0054】◎:70%以上の初期光沢が維持される ○:50〜70%の初期光沢が維持される ×:50%未満の初期光沢が維持される [ポットライフ]ビニル系重合体[I]の水性分散体と
有機ヒドラジン誘導体[II]を混合し、混合直後の粘度
と混合7日後の粘度をB型粘度計にて測定する。また、
それぞれの混合物を鋼板に塗布し、7日間乾燥させて得
られた塗膜について耐溶剤性の評価を行う。 【0055】◎:混合直後の粘度/混合7日後の粘度≦
0.1であるもの ○:0.1<混合直後の粘度/混合7日後の粘度<10
であり、かつ、耐溶剤性が混合直後および混合7日後と
もに○または◎であるもの ×:上記以外のもの [実施例2〜10および比較例1〜9]実施例1と同様
に、表4に示すビニル系重合体[I]と有機ヒドラジン
化合物[II]を混合し調製した水性被覆組成物につき、
実施例1と同様の手法により評価した(表4)。 【0056】 【表4】 【0057】 【発明の効果】本発明により得られる水性被覆組成物
は、常温硬化型として使用可能であり、長いポットライ
フを有することにより一液化が可能である。また、従来
の架橋型水性樹脂に比べて、得られる塗膜の密着性、耐
溶剤性、耐候性が良好である。本発明により得られる水
性被覆組成物は、これらの特性を両立させるのものであ
り、工業上非常に有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 216/36 C08F 216/36 (56)参考文献 特開 平5−51559(JP,A) 特開 平6−190332(JP,A) 特開 昭63−89572(JP,A) 特開 昭60−221469(JP,A) 特開 平5−39454(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/06 C09D 5/00 C09D 133/14 C09D 133/20 C08F 216/34 C08F 216/36

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式(1)に示す構造を持つカルボキシ
    ル基含有ビニル系単量体(a)1〜20重量% 【化1】 (XはHまたはCH3、Rは4〜30の炭素を含有する
    基を示す。)カルボニル基あるいはアルデヒド基含有ビ
    ニル系単量体(b)1〜20重量%、その他の共重合可
    能なビニル系単量体(c)60〜98重量%を含有する
    ビニル系重合体[I]の水分散体と、2個以上のヒドラ
    ジン残基を有する有機ヒドラジン誘導体[II]とを含有
    することを特徴とする水性被覆組成物。
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