JP2970448B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP2970448B2 JP31694394A JP31694394A JP2970448B2 JP 2970448 B2 JP2970448 B2 JP 2970448B2 JP 31694394 A JP31694394 A JP 31694394A JP 31694394 A JP31694394 A JP 31694394A JP 2970448 B2 JP2970448 B2 JP 2970448B2
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雅也 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐酸性雨性、耐候性、
耐擦傷性、耐水性、耐溶剤性、塗膜外観、被塗基材への
密着性に優れ、また、貯蔵安定性に優れるとともに比較
的低温で硬化塗膜を得ることができる一液型の硬化性樹
脂組成物に関し、特に自動車外板の上塗り塗料組成物と
して有用な硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車上塗り塗料用樹脂組成物として、
アクリル・メラミン樹脂系やポリエステル・メラミン樹
脂系などが一液型として使用でき、耐候性、耐薬品性、
耐溶剤性および高光沢で仕上がり外観の優れた塗膜が形
成できるため広く用いられている。しかしながら、近年
地球的規模で問題となっている硫黄酸化物や窒素酸化物
などの大気汚染物質が原因の酸性雨は、自動車の外板に
形成された上述のメラミン樹脂系の上塗り塗膜に対して
シミやクラックを生じさせる事が知られている。上記塗
膜の耐酸性雨性の悪さは、メラミン樹脂中のトリアジン
環に起因するものと考えられており、メラミン樹脂を用
いる限りこの欠点が付随してしまう。
【0003】一方、ポリイソシアネート化合物を架橋剤
とするウレタン塗料は優れた耐酸性雨性を示すが、二液
型であるため作業が煩雑になるといった欠点がある。ま
た、ブロックドポリイソシアネート化合物を架橋剤に用
いれば、一液型にする事は可能であるが、ブロック剤の
解離温度が高く現行の塗装ラインの焼付温度(140〜
150℃)では塗膜の硬化が不十分であるといった問題
がある。
【0004】カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有
樹脂からなる樹脂組成物(特開平1−165670号、
特開平1−139653号)、さらに、これらにメラミ
ン樹脂が含まれる樹脂組成物(特開昭63−11308
7号、特開平1−139655号、特開平3−2690
71号、特開平4−117471号)も塗料として知ら
れているが、これらの塗料は、塗膜の耐酸性雨性はある
程度改善されているものの、耐酸性雨性や耐溶剤性をさ
らに向上させるためにカルボキシル基やエポキシ基を多
く導入すると、カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含
有樹脂との相溶性が低下するといった欠点があり、ま
た、エポキシ基とカルボキシル基は高い反応性を有する
ため、塗料の貯蔵安定性が悪いという実用上の問題があ
った。
【0005】さらに、エポキシ基および水酸基含有樹脂
と酸無水物基のモノエステルを含有する樹脂から成る熱
硬化性樹脂組成物(特開平3−287650号)が提案
されている。この組成物は、上記欠点をある程度解消し
て優れた塗膜性能を示すものの、貯蔵安定性、耐酸性雨
性、耐水性、耐候性、低温硬化性等のさらなる向上が望
まれている。
【0006】また、オキサゾリニル基含有重合体とカル
ボキシル基含有重合体との組み合わせにより、低温にお
いて架橋樹脂が得られることが、米国特許第3,50
9,235号公報に記載されている。しかし、オキサゾ
リニル基とカルボキシル基との反応性が高いため、一液
型硬化性樹脂組成物としての貯蔵安定性は悪く、工業的
には二液型として利用されており、ウレタン塗料の場合
と同様に、作業が煩雑になるといった問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の従来技術の問題点を解決して、耐酸性雨性、耐候性、
耐擦傷性、耐水性、耐溶剤性、塗膜外観、被塗基材への
密着性に優れ、また、貯蔵安定性に優れるとともに比較
的低温で硬化塗膜を得ることができる一液型の硬化性樹
脂組成物を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の硬化性樹脂組成
物は、ラジカル重合によって得られた重合体(A)と、
ラジカル重合によって得られた重合体(B)とを含む硬
化性樹脂組成物であって、前記重合体(A)は、エチレ
ン性不飽和ジカルボン酸無水物、該ジカルボン酸無水物
のモノエステル化物および該ジカルボン酸無水物のモノ
アミド化物から選択される1種以上のモノマー(a)を
必須繰り返し単位として含む酸価50〜200mgKO
H/gの重合体であり、 前記重合体(B)は、下記一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同
一または異なってもよい水素、ハロゲン、アルキル基、
アラルキル基、シクロアルキル基、アリール基、置換ア
リール基を示し、R5はアルケニル基またはシクロアル
ケニル基を示す。)で表される付加重合性オキサゾリン
(b−1)および水酸基含有モノマー(b−2)を、オ
キサゾリニル基1.0当量に対し水酸基が0.5〜2.
0当量となるように必須繰り返し単位として含む重合体
であり、前記重合体(A)と前記重合体(B)とを、重
合体(A)中の全ての酸無水物基がモノエステル化され
たときに存在する全てのカルボキシル基1.0当量に対
して、重合体(B)のオキサゾリニル基が0.3〜2.
0当量となるように含み、さらに、アミン化合物(C)
を、重合体(A)中の全ての酸無水物基がモノエステル
化されたときに存在する全てのカルボキシル基1.0当
量に対して0.3〜3.0当量となるように含むもので
あるところに要旨を有するものである。
【0011】さらに、一価アルコール、下記一般式(I
I)で表されるβ−ジケトンおよびオルソカルボン酸エ
ステルよりなる群から選択される1種以上の化合物
(D)を含む硬化性樹脂組成物は、一液型の該組成物と
しての貯蔵安定性をより顕著にするため、好ましく採用
される。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R6 ,R7 はそれぞれ同一または
異なってもよいアルキル基またはアリール基を示す。) また前記重合体(A)が、前記モノマー(a)と、1種
以上のアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはス
チレンとの共重合体であるこ、前記重合体(B)が、前
記付加重合性オキサゾリン(b−1)および前記水酸基
含有モノマー(b−2)と、1種以上のアルキル(メ
タ)アクリレートおよび/またはスチレンとの共重合体
であることが、得られる硬化塗膜の性能の点からより好
ましい。さらに前記水酸基含有モノマー(b−2)が、
水酸基含有(メタ)アクリレートであることも推奨され
る。本発明の硬化性樹脂組成物は、特に自動車外板の上
塗り塗料組成物として有用である。
【0014】重合体(B)が、前記付加重合性オキサゾ
リン(b−1)および前記水酸基含有モノマー(b−
2)と、1種以上のアルキル(メタ)アクリレートおよ
び/またはスチレンとの共重合体であることは、硬化塗
膜特性の点からより好ましい実施態様である。
【0015】本発明の硬化性樹脂組成物に含まれるアミ
ン化合物(C)は、前記重合体(A)の全ての酸無水物
基がモノエステル化されたときに存在する全カルボキシ
ル基1.0当量に対して0.3〜3.0当量添加されて
いる必要がある。一価アルコール、前記一般式(II)で
表されるβ−ジケトンおよびオルソカルボン酸エステル
よりなる群から選択される1種以上の化合物(D)が含
まれている場合には、前記重合体(A)の全ての酸無水
物基がモノエステル化されたときに存在する全カルボキ
シル基1.0当量に対して1.0当量以上添加されてい
るものであることが好ましい。
【0016】
【作用】本発明の硬化性樹脂組成物は、必須成分とし
て、ラジカル重合によって得られた重合体(A)、同じ
くラジカル重合によって得られた重合体(B)、および
アミン化合物(C)を含むものである。なお以下の説明
で「重合体」とあるのは、ホモポリマーだけでなく、2
種以上の複数のモノマーからなるコポリマーを含むもの
とする。
【0017】まず重合体(A)は、エチレン性不飽和ジ
カルボン酸無水物、該ジカルボン酸無水物のモノエステ
ル化物および該ジカルボン酸無水物のモノアミド化物か
ら選択される一種以上のモノマー(a)を必須の繰り返
し単位として含み、上記一種以上のモノマー(a)を必
須成分として含むモノマー成分を重合するか、あるいは
エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物のみを必須成分と
して含むモノマー成分を重合し、重合中または重合後
に、該不飽和ジカルボン酸無水物基の一部もしくは全部
をモノエステル化もしくはモノアミド化することによっ
て得られるものである。
【0018】前記モノマー(a)として用いられるの
は、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン
酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物、およびこ
れらのモノエステル化物あるいはモノアミド化物が挙げ
られる。
【0019】重合体(A)中の酸無水物基を、重合中ま
たは重合後にモノエステル化するためには、モノエステ
ル化剤を反応させれば良い。モノエステル化剤として
は、低分子量のアルコール類、例えばメタノール、エタ
ノール、i−プロパノール、t−ブタノール、i−ブタ
ノール、メチルセルソルブ、ジメチルアミノエタノー
ル、ジエチルアミノエタノール、アセトール等が挙げら
れる。同様に、モノアミド化もモノアミド化剤を用いて
行うことができ、モノアミド化剤としては低分子量のア
ミン類、例えばモノエチルアミン、モノブチルアミン、
ジエチルアミン、アニリン等が挙げられる。これらの中
で特に好ましい化合物としてはメタノール、n−ブタノ
ール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタ
ノール、アセトールである。
【0020】モノエステル化あるいはモノアミド化反応
は、通常の方法に従い、室温から120℃の温度で、場
合によっては3級アミンを触媒として用いて行われる。
また、重合中に行う場合には、重合用の溶剤中に上述の
モノエステル化剤もしくはモノアミド化剤を必要量添加
すれば、酸無水物基の一部または全部が開環してモノエ
ステル化もしくはモノアミド化反応を行うことができ
る。
【0021】重合体(A)は、上記モノマー(a)を必
須繰り返し単位として含むことが重要である。また、重
合体(A)中の全ての酸無水物基を例えばモノエステル
化したとき、重合体(A)中の全てのカルボキシル基の
量を表す数値である酸価が50〜200mgKOH/g
となる様に上記モノマー(a)を重合させなければなら
ない。50mgKOH/g未満では塗膜にした時の架橋
密度が不十分となり、耐溶剤性、耐酸性雨性、耐候性が
著しく劣ってしまう。また200mgKOH/gを超え
ると貯蔵安定性に悪影響を与えたり、耐水性が要求され
る用途での使用が難しくなる。より好ましい酸価は、6
0〜150mgKOH/gである。
【0022】重合体(A)を製造するには、必須成分で
あるモノマー(a)の他に、硬化後の塗膜物性を向上さ
せるために、その他のモノマー(a−2)を含んだモノ
マー成分をラジカル重合させることが好ましい。その他
のモノマー(a−2)の使用量は、重合体(A)の酸価
が上記範囲になる様に調整することで適宜決定される。
【0023】その他のモノマー(a−2)として利用で
きるのは、具体的は、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン、クロルメチルスチレン、スチレンスル
ホン酸及びその塩などのスチレン誘導体類;(メタ)ア
クリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N −ジ
メチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル
アミド誘導体類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸など
のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メ
タ)アクリル酸とC1 −C18のアルコールのエステル化
により合成されるアルキル(メタ)アクリレート類;エ
チレン、プロピレン、n−ブテンなどのオレフィン;
(メタ)アクリル酸2−スルホン酸エチル及びその塩、
ビニルスルホン酸及びその塩などの不飽和スルホン酸
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニルなどのビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリ
ル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オ
クチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルのビニ
ルエーテル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ビニル
ピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドンなど
の塩基性モノマー類;(メタ)アクリル酸と、エチレン
グリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,6-ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスルトー
ル、ジペンタエリスルトールなどの多価アルコールとの
エステルなどの分子内に重合性不飽和基を2個以上有す
る多官能(メタ)アクリレート類;N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)アクリルア
ミドなどの(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリ
ル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシ
ジル、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有
モノマー類;4-(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,
6 −ペンタメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイル
アミノ−1,2,2,6,6 −ペンタメチルピペリジンなどの重
合性紫外線安定性モノマー;弗化ビニル、弗化ビニリデ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン、
ジアリルフレートなどを挙げることができる。
【0024】本発明では、上記モノマー(a−2)の1
種以上を前記モノマー(a)と共に使用でき、特に、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シ
クロヘキシルなどのアルキル(メタ)アクリレート類が
好ましく使用される。また、硬化塗膜の高外観が要求さ
れる場合にはスチレンの使用が望ましく、高耐候性が要
求される場合には4-(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,
2,6,6 −ペンタメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロ
イルアミノ−1,2,2,6,6 −ペンタメチルピペリジンなど
の重合性紫外線安定性モノマーを用いることが推奨され
る。また、モノマー(a)として無水マレイン酸を用い
る場合には、無水マレイン酸はアルキル(メタ)アクリ
レートと共重合しにくいためスチレンをアルキル(メ
タ)アクリレートと共に用いることが好ましい。
【0025】本発明における重合体(B)は、必須繰り
返し単位として、一般式(I)で表わされる付加重合性
オキサゾリン(b−1)と水酸基含有モノマー(b−
2)を必須繰り返し単位として含む重合体である。
【0026】
【化5】
【0027】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞ
れ同一または異なってもよい水素、ハロゲン、アルキル
基、アラルキル基、シクロアルキル基、アリール基、置
換アリール基を示し、R5 はアルケニル基またはシクロ
アルケニル基を示す。)すなわち重合体(B)は、付加
重合性オキサゾリン(b−1)と水酸基含有モノマー
(b−2)を必須成分として含むモノマー成分をラジカ
ル重合して得られるものである。
【0028】上記一般式(I)で表される付加重合性オ
キサゾリン(b−1)は、R5 の部分でラジカル付加重
合を行うモノマーであり、重合体(B)中にオキサゾリ
ン環、すなわちオキサゾリニル基を導入するために使用
される。
【0029】具体例としては、2−ビニル−2−オキサ
ゾリン,2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン,
2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン,2−イソ
プロペニル−2−オキサゾリン,2−イソプロペニル−
4−メチル−2−オキサゾリン,2−イソプロペニル−
5−メチル−2−オキサゾリン,2−イソプロペニル−
5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、
これらの群から選ばれる1種あるいは2種以上の混合物
を使用することができる。
【0030】重合体(B)のもうひとつの必須構成成分
である水酸基含有モノマー(b−2)の具体例として
は、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)ア
クリル酸1−メチル−2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリ
ル酸−4−ヒドロキシブチル、カプロラクトン変性(メ
タ)アクリレート(例えば商品名プラクセルFM、FA
シリーズ;ダイセル化学工業(株)製)、フタル酸とプ
ロピレングリコールから得られるポリエステルジオール
のモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マ
レイン酸などの不飽和カルボン酸とモノエポキシド化合
物(例えば商品名カージュラーE;分岐状脂肪族モノカ
ルボン酸のグリシジルエステル;油化シェルエポキシ
(株)製)の付加物などの水酸基含有(メタ)アクリレ
ートがあげられる。
【0031】重合体(B)を製造する際にも、重合体
(A)を製造する場合と同様に、付加重合性オキサゾリ
ン(b−1)と水酸基含有モノマー(b−2)に、その
他のモノマー(b−3)をラジカル重合させることが好
ましい。その他のモノマー(b−3)としては重合体
(A)を構成することのできるその他のモノマー(a−
2)として例示したモノマーがそのまま使用できる。ま
た、重合体(B)においてもその他のモノマー(b−
3)として、特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどのアルキル(メ
タ)アクリレート類、スチレン、4-(メタ)アクロイル
オキシ−1,2,2,6,6 −ペンタメチルピペリジン、4-(メ
タ)アクロイルアミノ−1,2,2,6,6 −ペンタメチルピペ
リジンなどの重合性紫外線安定性モノマーなどが、塗膜
性能の点から好ましく使用される。
【0032】付加重合性オキサゾリン(b−1)と水酸
基含有モノマー(b−2)の構成比率は、重合体(B)
中のオキサゾリニル基1.0当量に対して水酸基が0.
5〜2.0当量となるようにする。その他のモノマー
(b−3)も使用する場合は、(b−1)と(b−2)
の比率が上記範囲になるようにすると共に、重量%で、
(b−1):10〜60重量%、(b−2):10〜6
0重量%、(b−3):80重量%以下とすることが好
ましい。
【0033】重合体(A)および重合体(B)を製造す
る際には、公知のラジカル重合が利用される。ラジカル
重合としては、例えば溶液重合、塊状重合、懸濁重合、
乳化重合等が挙げられる。溶液重合を採用する際に使用
できる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ソル
ベッソ#100(エッソ社製)などの芳香族炭化水素
類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどの酢
酸エステル類;メチルエチルケトンなどのケトン類;プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートな
どのアルキレングリコールのエーテル類;メチルアルコ
ール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールな
どのアルコール類を挙げることができ、単独または混合
溶媒として使用される。
【0034】また、重合開始剤としてはアゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビス(2−メチル)ブチロニトリル
などのアゾ系化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ
(ターシャリーブチル)パーオキサイドなどの過酸化物
系の化合物等通常のラジカル重合開始剤を挙げることが
できる。これらの開始剤は、モノマーの総量に対して
0.1〜10重量%の範囲で使用される。反応温度は室
温から200℃、好ましくは40〜150℃の範囲であ
る。また、重合反応を行う際に、数平均分子量を調整す
る目的で、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタ
ノール、四塩化炭素などの連鎖剤や調節剤を用いても良
い。本発明の重合体(A)と重合体(B)を組み合わせ
た一液型の硬化性樹脂組成物は、以下の様な硬化挙動を
示す。
【0035】まず重合体(A)中の、酸無水物基がモノ
エステル化されて(あるいはモノアミド化されて)生成
したエステル基(あるいはアミド基)とカルボキシル基
は、硬化温度(70〜140℃)において再び閉環し、
酸無水物基に一旦戻る。次いでこの重合体(A)中の酸
無水物基は、重合体(B)中の水酸基とモノエステル化
反応し、再びエステル基とカルボキシル基を形成する。
ここで生成したカルボキシル基が、重合体(B)中のオ
キサゾリニル基と反応し、硬化が速やかに進行する。す
なわちこの硬化反応は、重合体(A)中のジカルボン酸
無水物基が、重合体(B)中のオキサゾリニル基と水酸
基の二つの官能基とそれぞれ反応して結合することによ
って進行するため、硬化物は強固なネットワーク構造と
なる。このため、得られる硬化塗膜は、耐候性、耐酸性
雨性、耐薬品性に優れたものとなる。
【0036】重合体(A)と重合体(B)の配合比率
は、重合体(A)中の全ての酸無水物基をモノエステル
化した時の全てのカルボキシル基1.0当量に対して、
重合体(B)のオキサゾリニル基が0.3〜2.0当量
の範囲とする。優れた硬化塗膜を得られるからである。
また、水酸基は0.1〜3.0当量の範囲であることが
好ましい。従って、本発明の硬化性樹脂組成物は、上記
当量比になるように重合体(A)と(B)をそれぞれの
組成に応じて適宜配合すれば良い。オキサゾリニル基が
0.3当量未満あるいは水酸基が0.1当量未満であれ
ば、架橋硬化反応に際してこれらの官能基量が実質有効
量とならない。また逆にオキサゾリニル基が2.0当量
あるいは水酸基が3.0当量を超えても実質有効量とな
り得ない。オキサゾリニル基が、0.7〜1.3当量の
範囲、水酸基が0.5〜2.0当量の範囲がより好まし
い範囲である。
【0037】アミン化合物(C)と、一価アルコール、
一般式(II)で表されるβ−ジケトン類およびオルソカ
ルボン酸エステルよりなる群から選択される化合物
(D)は、いずれも一液型での硬化性樹脂組成物の貯蔵
安定性を向上させる働きを有する。アミン化合物(C)
は、重合体(A)中のカルボキシル基を中和してブロッ
クすることによって、オキサゾリニル基との反応を阻害
して、貯蔵安定性向上に役立つ。架橋反応進行時(70
〜140℃)には、アミン化合物(C)は加熱によって
揮発してしまうため、架橋反応が阻害されることはな
い。
【0038】アミン化合物(C)の具体例としては、ア
ンモニア;メチルアミンなどの一級アミン;ジメチルア
ミンなどの二級アミン;トリエチルアミン、ジメチルア
ミノエタノール、ジエチルヒドロキシアミンなどの三級
アミン;n−ブチルアミン、ジエチルアミンなどの脂肪
族アミン;シクロヘキシルアミンなどの環状脂肪族アミ
ン;ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジン、
N−エチルモルホリン、ピリジンなどのヘテロ環状アミ
ン;ベンジルアミン、N−メチルアニリン、N,N−ジ
メチルアニリンなどの芳香族アミンなどのアミン化合物
を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混
合物を使用できる。
【0039】アミン化合物(C)は、重合体(A)の酸
無水物基がモノエステル化された時に存在する全てのカ
ルボキシル基1.0当量に対して0.3〜3.0当量の
範囲で使用する。0.3当量未満であると十分な貯蔵安
定性が得られず、3.0当量を超えると架橋硬化性や硬
化物の耐候性等の物性に悪影響をもたらすため好ましく
ない。0.5〜2.0当量の範囲で使用するのがより好
ましい。
【0040】一価アルコール、一般式(II)で表される
β−ジケトン、オルソカルボン酸エステルよりなる群か
ら選択される化合物(D)の中で、一価アルコール、β
−ジケトンは、重合体(A)中の酸無水物基が開環して
モノエステル基になっている場合(開環モノエステル化
反応は閉環反応と可逆平衡反応である)、このエステル
基とエステル交換反応を行って安定化させることによっ
て、重合体(B)中の水酸基とのエステル化反応が起き
るのを抑制する。またオルソカルボン酸エステルは水分
と反応する水結合剤であり、モノエステル基が加水分解
してカルボキシル基になることを防ぐ働きを有する。い
ずれの化合物も加熱によって揮発するため、その後の架
橋反応を阻害することはなく、貯蔵安定性をより顕著に
する。
【0041】一価アルコールとしては、一価の低分子量
のアルコールであれば特に制限されない。例えば、溶液
重合の溶媒として前記したアルコール系溶剤や、酸無水
物基のモノエステル化に利用できるアルコールとして前
記したアルコール等を用いることができ、具体例で示す
とメタノール、エタノール、n−ブタノール、i−プロ
パノール、t−ブタノール、i−ブタノール、メチルセ
ロソルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノ
エタノール、アセトール、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、トリフルオロエタノールなどである。下記一般式
(II)で表されるβ−ジケトンとしては、
【0042】
【化6】
【0043】(式中、R6、R7はそれぞれ同一または異
なっていてもよいアルキル基またはアリール基を示
す。)。例えば、アセチルアセトンの他、下記化学式の
化合物が使用できる。
【0044】
【化7】
【0045】オルソカルボン酸エステルは、RC(O
R’)3 として示され、具体例としては、オルソギ酸メ
チル、オルソギ酸エチル、オルソ酢酸メチル、オルソ酢
酸エチル等を挙げることができる。
【0046】上記一価アルコール、β−ジケトン、オル
ソカルボン酸エステルよりなる群から選択される化合物
(D)は、重合体(A)の全ての酸無水物基がモノエス
テル化された時に存在する全カルボキシル基1.0当量
に対して1.0当量以上使用するのが好ましい。1.0
当量未満であると十分な貯蔵安定性が得られない。ま
た、安定性向上のために、塩基性化合物(C)と上記化
合物(D)を併用する場合には、両者の合計が、重合体
(A)の全ての酸無水物基がモノエステル化された時に
存在する全カルボキシル基1.0当量に対して1.0当
量以上とすることが好ましい。
【0047】本発明の硬化性樹脂組成物は、重合体
(A)、重合体(B)、アミン化合物(C)を必須成分
として含み、必要に応じて、一価アルコール、β−ジケ
トンおよびオルソカルボン酸エステルよりなる群から選
択される化合物(D)を混合して得られるものである
が、実用上は、有機溶剤および/または水に、溶解もし
くは分散して、塗料組成物として使用することが望まし
い。有機溶剤としては通常の塗料用有機溶剤を用いるこ
とができる。さらに、必要に応じて、塗料組成物に慣用
される他の成分、例えば、有機モンモリロナイト、ミク
ロゲル、ポリアミド、ポリエチレンワックスのような粘
度調整剤、シリコーン系、アクリル系の有機高分子の表
面調整剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、アミノ樹脂、
ブロックドポリイソシアネート化合物等を配合すること
ができる。
【0048】また硬化反応を促進する触媒として、第4
級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩を配合しても
よい。これらの硬化触媒は、重合体(A)および(B)
の総重量に対して0.01〜3重量%使用することが好
ましい。第4級アンモニウム塩としては、テトラメチル
アンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムク
ロライドなどのテトラアルキルアンモニウムハライド;
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチル
アンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモ
ニウムヒドロキシドが挙げられ、第4級ホスホニウム塩
としては、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライ
ド、テトラフェニルホスホニウムクロライド等が挙げら
れる。
【0049】本発明の硬化性樹脂組成物は、クリヤーコ
ート塗料組成物に有用である。またクリヤーコートに少
量の顔料を配合して完全な隠蔽性が発現しない程度に着
色して用いても良い。あるいはまた、着色顔料、メタリ
ック顔料、干渉顔料などを配合して着色塗料組成物とし
て用いても良い。着色顔料の具体例としては、二酸化チ
タン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛、カーボンブラ
ック等の無機顔料、フタロシアニンブルーおよびフタロ
シアニングリーン等の有機顔料が挙げられる。メタリッ
ク顔料の具体例としては、アルミニウムフレーク、銅ブ
ロンズフレークおよびマイカ等が挙げられる。
【0050】本発明の硬化性樹脂組成物を用いた塗料組
成物を塗装する方法としては、スプレー塗装、刷毛塗り
塗装、浸漬塗装、ロール塗装、流れ塗装等のいずれの塗
装方法を用いても良い。なお、本発明の樹脂組成物を自
動車用のクリヤートップ塗料として用いる場合の塗装方
法は、通常の方法でも良いが、基材上にベースコート塗
料を塗布した後、ウェット・オン・ウェット法(ベース
コート塗料塗布後に数分のみ乾燥し、すぐに次の塗料を
塗装して、焼付を行う方法)でベースコート上に塗装し
ても良い。もちろん本発明の硬化性樹脂組成物を、上述
の自動車用ベースコート塗料に用いても良く、さらに、
ソリッドカラー塗料にも使用可能である。また、コイル
コーティングや、家電製品、電気材料や他の種々の塗装
を必要とするものの塗料として利用可能である。
【0051】本発明の硬化性樹脂組成物は、一液型で保
存しても充分な安定性を示し、硬化に際しては、比較的
低温で速やかに強固な硬化塗膜を形成する。得られる塗
膜は、耐酸性雨性、耐候性、耐擦傷性、耐水性、耐溶剤
性、塗膜外観、被塗基材への密着性に優れたものであ
る。従って本発明の硬化性樹脂組成物は、上記あらゆる
塗料分野において有用である。
【0052】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。例中に特にことわらない限り、%は重量%、部
は重量部を示す。
【0053】製造例1(重合体(A)の合成) 撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び窒素ガス導入
管の付いた四つ口フラスコに 酢酸ブチル33.3部お
よびキシレン33.3部を仕込み、125℃まで昇温し
た。そこへ窒素ガスを吹き込みながら、無水マレイン酸
13.1部、メチルメタクリレート37.1部、スチレ
ン30部、ブチルアクリレート19.8部及びアゾビス
(2−メチル)ブチロニトリル1.0部からなる混合物
を4時間かけて滴下ロートから滴下し、更に90℃で4
時間保持した後、室温まで冷却して酸無水物基を含有す
る重合体(A)(これをA−1とする)の溶液(固形分
60.2%)を得た。
【0054】製造例2(モノエステル化反応) 製造例1で得られた重合体(A−1)100部に、メタ
ノール10部、トリエチルアミン1部を加え、60℃で
2時間反応させた。反応生成物の赤外線吸収スペクトル
を測定したところ、酸無水物基の吸収(1785c
-1)が消失しており、全ての酸無水物基がモノエステ
ル化されたことが確認された。このモノエステル化され
た重合体を、重合体(A−2)とする。
【0055】製造例3(モノアミド化反応) 製造例1で得られた重合体(A−1)100部に、ジエ
チルアミン12部、を加え、60℃で2時間反応させ
た。反応生成物の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、酸無水物基の吸収(1785cm-1)が消失してお
り、全ての酸無水物基がモノアミド化されたことが確認
された。このモノアミド化重合体を、重合体(A−3)
とする。
【0056】製造例4(モノアミド化反応) 製造例1で得られた重合体(A−1)100部に、ジメ
チルアミノエタノール12部を加え、60℃で2時間反
応させた。反応生成物の赤外線吸収スペクトルを測定し
たところ、酸無水物基の吸収(1785cm-1)が消失
しており、全ての酸無水物基がモノアミド化されたこと
が確認された。このモノアミド化重合体を、重合体(A
−4)とする。
【0057】製造例5〜7(重合体(A)の合成) 製造例1においてモノマー組成および溶剤組成を表1に
示したものに変え、その他は実施例1と同様の操作を繰
り返して、重合体(A−5)、(A−6)、(A−7)
の溶液を得た。
【0058】
【表1】
【0059】製造例8(重合体(B)の合成) 撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び窒素ガス導入
管の付いた四つ口フラスコに、酢酸ブチル33.3部お
よびn−ブタノール33.3部を仕込み、95℃まで昇
温した。そこへ窒素ガスを吹き込みながら、2−イソプ
ロペニル−2−オキサゾリン20部、メチルメタクリレ
ート18.7部、ブチルアクリレート41.8部、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート19.5部およびt−
ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)(日本
油脂社製)3.0部からなる混合物を3時間にわたって
滴下ロートから滴下し、更に95℃で8時間保持した
後、室温まで冷却して重合体(B)(これをB−1とす
る)の溶液(固形分60.2%)を得た。
【0060】製造例9〜11および比較製造例1〜2
(重合体(B)の合成) 製造例8においてモノマー組成を表2に示した様に変
え、その他は製造例8と同様の操作を繰り返して、重合
体(B−2)、(B−3)、(B−4)、および比較用
共重合体(B’−1)、(B’−2)の溶液を得た。
【0061】
【表2】
【0062】実施例1〜11および比較例1〜5 表3に示した配合組成で、重合体(A)、重合体(B)
と、アミン化合物(C)、一価アルコールまたはβ−ジ
ケトンまたはオルソカルボン酸エステルよりなる群から
選択される化合物(D)と溶剤を混合し、硬化性樹脂組
成物(1)〜(11)および比較用硬化性樹脂組成物
(1)〜(5)を製造した。
【0063】得られた硬化性樹脂組成物の50℃で30
日間の貯蔵安定性を表3に示した。本発明の硬化性樹脂
組成物は良好な貯蔵安定性を示していることがわかる。
特に、アミン化合物(C)と、一価アルコールまたはβ
−ジケトンまたはオルソカルボン酸エステルのうちのひ
とつの化合物(D)を併用した実施例は、卓越した貯蔵
安定性を示した。なお、貯蔵安定性は、硬化性樹脂組成
物を、Ford Cup#4で20℃で25秒の粘度に
なる様に、ソルベッソ#100(希釈溶剤、エッソ社
製)50部およびソルベッソ#150(希釈溶剤、エッ
ソ社製)50部を混合した混合溶剤で希釈調製し、50
℃で30日間保存する。その後、FordCup#4で
20℃での粘度を測定した時の粘度の上昇度合いを以下
の基準で判断した。 ◎(優秀)…粘度上昇が5秒以内 ○(良好)…粘度上昇が5−10秒 △(普通)…粘度上昇が10−15秒 ×(不良)…保存中にゲル化
【0064】
【表3】
【0065】実施例12〜17および比較例6〜7 実施例1〜3、5、9、10および比較例1、4で得た
硬化性樹脂組成物(1)〜(3)、(5)、(9)、
(10)および比較用硬化性樹脂組成物(1)、(4)
を選択し、これらの組成物それぞれに、樹脂固形分に対
して0.1重量%のBYK−300(表面調製剤、ビッ
クケミ社製)および2.0重量%のチヌビン900(紫
外線吸収剤、チバガイギー社製)を加えて撹拌機で撹拌
した。続いて、ソルベッソ#100(希釈溶剤、エッソ
社製)50部およびソルベッソ#150(希釈溶剤、エ
ッソ社製)50部を混合した混合溶剤で、Ford C
up#4にて20℃で25秒の粘度に希釈調製し、クリ
ヤー塗料とした。
【0066】リン酸亜鉛処理、電着塗装および中塗り塗
装が施された軟鋼板[JIS G−3141(SPCC
−SB)]に、下記メタリック塗料を塗装し(硬化膜厚
20μm)、室温で5分放置後すぐに上記クリヤー塗料
を塗布(ウェット・オン・ウェット;硬化膜厚40μ
m)し、140℃で20分間加熱して、評価用塗膜を得
た。塗膜評価結果を表4に示した。 メタリック塗料: アクリル樹脂(日本触媒社製、アロセット5835)
100部 ブチル化メラミン樹脂(三井東圧社製、ユーバン20S
E−60)60部 アルミペースト(東洋アルミ社製、アルミペースト55
−519)10部 上記をソルベッソ#100(エッソ社製)50部および
ソルベッソ#150(エッソ社製)50部の混合溶剤
で、Ford Cup#4で20℃で25秒の粘度に調
製した。
【0067】なお、表4および表5における各塗膜評価
方法および評価基準は以下の通りである。 貯蔵安定性:前記の通り 耐酸性:40%硫酸水溶液を滴下し、50℃で2時間放
置した後の表面状態 ◎…変化なし ○…少し跡がつく ×…強く跡がつく 耐水性:40℃の温水に10日浸漬した後の表面状態 ◎…変化なし ○…少し艶引け ×…全面ブリスター 耐溶剤性:ガソリンに常温で60分浸漬した後の状態 ◎…変化なし ○…艶引け ×…塗膜が溶解消失
【0068】鉛筆硬度:JIS K5400による鉛筆
引っかき試験結果 光沢:60゜の入射光で、光沢計(日本電色工業社製)
で測定 仕上がり外観:目視にて判定 耐候性:サンシャインウェザーメーター(サンシャイン
スーパーロングライフウエザーメーター、WEL-SUN-HC-B
-TYPE スガ試験工業社製)での3000時間後の塗膜状
態 耐擦傷性:テーバー摩耗試験をASTM D−1044
CS−10に準じて行い、荷重は500gとした。 仕上がり外観、耐候性、耐擦傷性はいずれも下記基準で
評価した。 ◎…優秀 ○…良好 △…普通 ×…不良
【0069】
【表4】
【0070】実施例18〜21および比較例8、9 実施例6、7、8、4および比較例2、5で得られた硬
化性樹脂組成物(6)、(7)、(8)、(4)および
比較用硬化性樹脂組成物(2)、(5)を用い、固形分
中の顔料濃度が40重量%になるようにタイペークCR
−95(石原産業社製、二酸化チタン)を配合し、ボー
ルミルで混練した。さらに、樹脂固形分に対して0.1
重量%のBYK−300(ビックケミ社製)および2.
0重量%のチヌビン900(チバガイギー社製)を加え
て撹拌し、ソルベッソ#100(エッソ社製)50部お
よびソルベッソ#150(エッソ社製)50部からなる
混合溶剤で、Ford Cup#4で20℃で25秒の
粘度になるまで希釈調製し、ソリッドカラー塗料を得
た。
【0071】実施例22 実施例6で得た硬化性樹脂組成物(6)を用い、固形分
中の顔料濃度が40重量%になるようにタイペークCR
−95(石原産業社製、二酸化チタン)を配合しボール
ミルで混練した。さらに、樹脂固形分に対して0.1重
量%のBYK−300(ビックケミ社製)、2.0重量
%のチヌビン900(チバガイギー社製)および0.5
重量%のベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド
(硬化触媒)を加えて撹拌し、ソルベッソ#100(エ
ッソ社製)50部およびソルベッソ#150(エッソ社
製)50部の混合溶剤で、Ford Cup#4で20
℃で25秒の粘度になるまで希釈調製し、ソリッドカラ
ー塗料を得た。
【0072】リン酸亜鉛処理、電着塗装および中塗り塗
装が施された軟鋼板[JIS G−3141(SPCC
−SB)]に、上記ソリッドカラー塗料を塗装(硬化膜
厚40μm)し、140℃で20分間加熱し、評価用塗
膜を得た。塗膜評価結果を表5に示した。
【0073】
【表5】
【0074】表5から明らかなように本発明の硬化性樹
脂組成物を用いた塗料は優れた塗膜性能を示した。
【0075】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、一液型で
保存しても充分な安定性を示し、硬化に際しては、比較
的低温で速やかに強固な硬化塗膜を形成する。得られる
塗膜は、耐酸性雨性、耐候性、耐擦傷性、耐水性、耐溶
剤性、塗膜外観、被塗基材への密着性に優れたものであ
る。従って自動車用の上塗り塗料として最適である。ま
たソリッドカラー塗料としても利用できる。さらに、コ
イルコーティングや、家電製品、電気材料や他の種々の
塗装を必要とするものの塗料として利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 39/04 C08L 39/04 // C09D 135/00 C09D 135/00 139/04 139/04 157/04 157/04 (72)発明者 川村 清 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 高分子研究所内 (56)参考文献 特開 平5−25361(JP,A) 特開 昭62−280249(JP,A) 特開 平5−295275(JP,A) 特開 平2−1772(JP,A) 特開 平6−212081(JP,A) 特開 昭51−10837(JP,A) 特開 昭52−19727(JP,A) 特開 平2−115283(JP,A) 特開 平2−115238(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 35/00 - 35/08 C08L 39/04 C08L 57/04 - 57/12 C09D 135/00 - 135/08 C09D 139/04 C09D 157/04 - 157/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合によって得られた重合体
    (A)と、ラジカル重合によって得られた重合体(B)
    とを含む硬化性樹脂組成物であって、 前記重合体(A)は、 エチレン性不飽和ジカルボン酸無
    水物、該ジカルボン酸無水物のモノエステル化物および
    該ジカルボン酸無水物のモノアミド化物から選択される
    1種以上のモノマー(a)を必須繰り返し単位として含
    酸価50〜200mgKOH/gの重合体であり、前記重合体(B)は、 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一または異な
    ってもよい水素、ハロゲン、アルキル基、アラルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基を
    示し、R5はアルケニル基またはシクロアルケニル基を
    示す。)で表される付加重合性オキサゾリン(b−1)
    および水酸基含有モノマー(b−2)を、オキサゾリニ
    ル基1.0当量に対し水酸基が0.5〜2.0当量とな
    るように必須繰り返し単位として含む重合体であり、 前記重合体(A)と前記重合体(B)とを、重合体
    (A)中の全ての酸無水物基がモノエステル化されたと
    きに存在する全てのカルボキシル基1.0当量に対し
    て、重合体(B)のオキサゾリニル基が0.3〜2.0
    当量となるように含み、 さらに、アミン化合物(C)を、重合体(A)中の全て
    の酸無水物基がモノエステル化されたときに存在する全
    てのカルボキシル基1.0当量に対して0.3〜3.0
    当量となるように含むことを特徴とする硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 さらに、一価アルコール、下記一般式
    (II)で表されるβ−ジケトンおよびオルソカルボン酸
    エステルよりなる群から選択される1種以上の化合物
    (D)を含むものである請求項1に記載の硬化性樹脂組
    成物。 【化2】 (式中、R6、R7はそれぞれ同一または異なってもよい
    アルキル基またはアリール基を示す。)
  3. 【請求項3】 前記重合体(A)が、前記モノマー
    (a)と、1種以上のアルキル(メタ)アクリレートお
    よび/またはスチレンとの共重合体である請求項1また
    は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記重合体(B)が、前記付加重合性オ
    キサゾリン(b−1)および前記水酸基含有モノマー
    (b−2)と、1種以上のアルキル(メタ)アクリレー
    トおよび/またはスチレンとの共重合体である請求項1
    または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記水酸基含有モノマー(b−2)が、
    水酸基含有(メタ)アクリレートである請求項1または
    2に記載の硬化性樹脂組成物。
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