JPH093361A - 滑性付与塗料組成物 - Google Patents

滑性付与塗料組成物

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JPH093361A
JPH093361A JP14993395A JP14993395A JPH093361A JP H093361 A JPH093361 A JP H093361A JP 14993395 A JP14993395 A JP 14993395A JP 14993395 A JP14993395 A JP 14993395A JP H093361 A JPH093361 A JP H093361A
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JP
Japan
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ether
silicone
coating composition
resin
slipperiness
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JP14993395A
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English (en)
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Noribumi Watanabe
紀文 渡辺
Yoshiko Suzuki
美子 鈴木
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塗膜表面に優れた滑り性を付与し、塗料として
安定であり、塗工、塗膜適性の良好な滑性付与塗料組成
物の提供。 【構成】カルボキシル基またはエポキシ基を有するシリ
コ−ンと末端に水酸基を有するポリオキシアルキレンア
ルキル(フェニル)エーテルとの反応物を含有すること
を特徴とする滑性付与塗料組成物。 【効果】本発明により、塗膜の表面状態を損なうことな
く、塗膜に良好な滑り性を付与することが可能になっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜表面に優れた滑
性、低摩耗性を付与する滑性付与塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塗膜表面に滑性の機能を付与すること
は、その塗膜を有する製品、加工品の使用環境において
耐久性の向上、傷付き防止、或いは、これらの生産過程
においても耐摩耗性、擦り傷防止の役割りがある。特
に、生産過程においては生産性、生産スピード等の向上
に大きく寄与している。塗膜が表面に塗工される基材と
しては、プラスチック、ガラス、金属、木材等がある。
これに滑り性を付与するために、塗料中に予め滑性付与
物を単独で、或いは他の塗料用組成物と混合、反応させ
添加したり、主体となる塗膜を形成後、その塗膜を直
接、間接的に滑性付与物を含有する塗膜で被覆すること
が行われている。特に、前者の方法は、作業の簡素化、
主体となる塗膜との一体化による強固な滑性付与膜の形
成ができることから産業上に於いて重要な技術である。
【0003】滑性付与物が適用される典型的な塗料とし
て金属缶用塗料がある。塗装金属板を缶に成型、加工す
る時、塗膜自体の適度な硬度、可とう性等は勿論のこ
と、その成型、加工過程で傷付きを防止したり、離型性
を良くするために塗膜表面が適度な滑り性、耐摩耗性を
有していることが極めて重要である。また、缶に加工し
た後も缶外面塗膜の滑り性が十分でないと内容物を充填
した缶がライン上を流れる時、缶同士、或いは缶とライ
ンとの摩擦により缶の流れが滞留し、生産性の低下が起
こる。このため、滑性付与物は添加剤の中でも重要な位
置付けにある。
【0004】塗料に滑性付与物を添加する場合、経時安
定性、塗工性等の塗料としての数々の適性を満足する必
要がある。そのため、溶媒組成、樹脂組成に見合った滑
性付与物を選択することが必要となるが、この様な諸適
性を満足することは極めて困難であった。従来、滑性付
与物としては多様の化学構造を有するシリコ−ン系化合
物が用いられているが、その多くはポリジメチルシロキ
サンの変性体であり、溶剤型塗料には主としてアルキ
ル、ポリエステル変性物が、水性塗料には主としてポリ
オキシアルキレン変性物が用いられてきた。
【0005】しかしながら、これら変性物は、特開平2-
272021号公報に開示されるように、化学構造的には、低
表面自由エネルギーを有し、他の有機化合物との相溶性
に乏しいシリコーン鎖に疎水性および/または親水性基
を結合させたものが殆どである。そのため、この種のシ
リコーン化合物の合成においては、シリコーン鎖に対す
る変性部位および変性程度を塗料の諸適性に見合うよう
コントロールすることが要求される。しかしながら、実
際にはこれら変性シリコーン化合物の塗料樹脂や塗料溶
媒との相溶性、溶解性のバランスの取り方が難しく、滑
り性と塗工、塗膜適性を両立させることは極めて困難で
あった。
【0006】一方、近年の環境保全、衛生上の観点よ
り、塗料の溶剤型から水性型への転換が進んでいる。従
来の技術では、水性塗料用としてシリコーン鎖に親水性
部のみ或いは親水性部および疎水性部を結合させたもの
があるが、シリコーン鎖に対する親水性部および疎水性
部のバランスの取り方が難しく、塗料化が困難であり、
塗膜物性の低下を招くことが多かった。このように、従
来の技術では、様々な溶媒組成、樹脂組成、他の添加剤
との組み合わせにおいても塗工性、塗膜適性があり、し
かも優れた滑り性を付与する滑性付与塗料組成物はなか
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗膜表面に
優れた滑り性を付与し、塗料として安定であり、塗工、
塗膜適性の良好な滑性付与塗料組成物を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、カ
ルボキシル基またはエポキシ基を有するシリコ−ンと末
端に水酸基を有するポリオキシアルキレンアルキル(フ
ェニル)エーテルとの反応物を含有することを特徴とす
る滑性付与塗料組成物を提供する。
【0009】カルボキシル基またはエポキシ基を有する
シリコ−ンの骨格としては、ポリジメチルシロキサン、
ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキ
サン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン等がある
が、滑性付与の点からポリジメチルシロキサンが好まし
い。シリコ−ン骨格の分子量は、適度な滑性付与および
良好な塗工、塗膜適性を得るために、 800以上 40000以
下であることが好ましい。シリコ−ン骨格の分子量が 4
0000を超えると、塗工、塗膜適性が得られない。一方、
800未満では、シリコ−ン系化合物の特徴である滑り性
が充分に得られない。
【0010】反応性官能基であるカルボキシル基または
エポキシ基は、シリコーン骨格の片末端、両末端、側
鎖、両末端かつ側鎖に存在する。特に好適に用いられる
のは、両末端または側鎖に、カルボキシル基またはエポ
キシ基を有するシリコーンである。両末端に反応性官能
基を有するシリコーンは、ポリオキシアルキレンアルキ
ル(フェニル)エーテルとの反応により、対称的な化学
構造の化合物となる。
【0011】具体的には、両末端カルボキシル変性シリ
コ−ン(東レ・ダウコ−ニング社製「BY16-750」、信越
化学社製「X-22-162A,162C」、チッソ社製「PS563
」)、側鎖カルボキシル変性シリコ−ン(東レ・ダウ
コ−ニング社製「SF8418」、信越化学社製「X-22-3701
E」)、両末端エポキシ変性シリコ−ン(東レ・ダウコ
−ニング社製「BY16-855,855B,854,854B」、信越化学社
製「X-22-163A,163B,163C,169AS,169B」、チッソ社製
「B2405,PX103 」)、片末端エポキシ変性シリコ−ン
(信越化学社製「X-22-173B 」、チッソ社製「FM052
1」)、側鎖エポキシ変性シリコ−ン(東レ・ダウコ−
ニング社製「SF8413,8411,BY16-839」、信越化学社製
「KF-100T,101,102,103 」、チッソ社製「PS920,PS922
」)等が挙げられる。
【0012】末端に水酸基を有するポリオキシアルキレ
ンアルキル(フェニル)エーテルは、親水性部と疎水性
部を併せ持つ界面活性剤構造を有する化合物であり、塗
料の樹脂組成、溶媒組成等により、アルキル基、アルキ
ルフェニル基、ポリオキシアルキレン基を変えることが
可能である。例えば、有機溶剤を溶媒とした溶剤型塗料
においては、適度なアルキル基またはアルキルフェニル
基が必要である。また、水、或いは水と水に可溶な有機
溶剤を溶媒とした水性塗料においては、適度なポリオキ
シアルキレン基が、水への溶解性を上げる点で必要であ
る。ポリオキシアルキレンとしてはポリオキシエチレ
ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン/プロ
ピレン等があるが、水性塗料に用いる場合には、オキシ
エチレンの付加数は、10〜100 にすることが好ましい。
【0013】末端に水酸基を有するポリオキシアルキレ
ンアルキル(フェニル)エーテルのうち、アルキルエ−
テル型としては、ポリオキシエチレンラウリルエ−テル
(日本乳化剤社製「Newcol 1105,1100,1110,1120」、花
王社製「エマルゲン 106,123P,147,130K」)、ポリオキ
シエチレンセチルエ−テル(日本乳化剤社製「Newcol16
10,1620」、花王社製「エマルゲン 220」)、ポリオキ
シエチレンステアリルエ−テル(日本乳化剤社製「Newc
ol 1807,1820」、花王社製「エマルゲン 306P,320
P」)、ポリオキシエチレンオレイルエ−テル(日本乳
化剤社製「Newcol 1203,1204,1208,1210」、花王社製
「エマルゲン 408,420,430」)が挙げられる。また、ア
ルキルフェニルエ−テル型としては、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエ−テル(日本乳化剤社製「Newcol
860,862,864,865,804,806,808」、花王社製「エマルゲ
ン 810,840S 」)、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エ−テル(日本乳化剤社製「Newcol 560,562,563,564,5
65,566,568,504,506,509,512,516,520」、花王社製「エ
マルゲン 903,909,913,930,950」)等が挙げられる。
【0014】カルボキシル基またはエポキシ基を有する
シリコ−ンと末端に水酸基を有するポリオキシアルキレ
ンアルキル(フェニル)エーテルとの反応は、通常の反
応条件で充分であるが、シリコ−ン骨格の分子量が大き
い場合には、重合時間をより長くする必要がある。反応
に用いられる溶媒としては、両者を良く溶解する溶媒が
好ましい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、エチルセロソ
ルブ、イソプロピルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、
酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、シクロヘキサン等が挙げられるが、ケトン系溶媒
が好ましい。水酸基を有する溶媒は、反応に溶媒が関与
し易いことから好ましくない。
【0015】カルボキシル基またはエポキシ基を有する
シリコ−ンと末端に水酸基を有するポリオキシアルキレ
ンアルキル(フェニル)エーテルとの反応は、無触媒で
も可能であるが、その場合収率良く反応させるには、 1
00〜250 ℃の高温で長時間反応させなければならない。
触媒を用いる場合には、通常のカルボキシル基、エポキ
シ基と水酸基との反応に用いられる触媒を用いて 150℃
以下で反応させる。触媒としては、カルボキシル基との
反応には、硫酸、P−トルエンスルホン酸等が、エポキ
シ基との反応には、水酸化カリウム、塩化スズ、ジ−テ
トラフルオロホウ素亜鉛等が用いられる。
【0016】カルボキシル基またはエポキシ基を有する
シリコ−ンと末端に水酸基を有するポリオキシアルキレ
ンアルキル(フェニル)エーテルとの反応物を塗料に含
有させることにより、本発明の滑性付与塗料組成物が得
られる。上記反応物を含有させる塗料としては、油性塗
料や、エマルジョン型塗料、コロイダルデイスパージョ
ン型塗料、水溶解型塗料等の水性塗料がある。含有させ
る方法としては、上記反応物をそのまま塗料に添加する
方法、上記反応物をよく溶解する溶媒中に予め溶解せし
め溶液として塗料に添加する方法、上記反応物を水に分
散せしめ分散液として塗料に添加する方法等が可能であ
る。また、水性塗料に含有させる場合には、水とこれに
良く混合する有機溶媒との混合溶媒に、上記反応物を溶
解、分散せしめ塗料に添加する方法も可能である。
【0017】カルボキシル基またはエポキシ基を有する
シリコ−ンと末端に水酸基を有するポリオキシアルキレ
ンアルキル(フェニル)エーテルとの反応物の含有量
は、塗料組成物に含まれる樹脂の固形分に対して0.0001
〜10.0重量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜2.0 重
量%である。0.0001重量%よりも含有量が少ないと充分
な滑り性が得られず、耐摩耗性、傷付き防止の点からも
良くない。一方、含有量が10.0重量%を超えると塗工、
塗膜適性が悪くなり、塗料としての経時安定性、塗膜表
面のハジキ、成膜性の不良といった問題が生じ易くな
る。
【0018】本発明の滑性付与塗料組成物に用いられる
ベース樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、
アミノ樹脂等が挙げられる。本発明の滑性付与塗料組成
物が金属缶用途の場合には、アクリル樹脂/アミノ樹
脂、エポキシ樹脂/フェノ−ル樹脂、ポリエステル樹脂
/アミノ樹脂、アクリル樹脂/エポキシ樹脂、アルキッ
ド樹脂/アミノ樹脂等が組み合わせて用いられるが、特
にアクリル樹脂/アミノ樹脂が良く用いられる。
【0019】アクリル樹脂を構成するアクリルモノマー
としては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸(ブチル)、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブ
チル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジエ
チルアミノプロピル、アクリルアミド、N−メチロ−ル
アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、
N−ブトキシメチルアクリルアミド、スチレン、α−メ
チルスチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。水性
塗料組成物には、上記モノマーより合成されたアクリル
樹脂を、カルボン酸のアミン、アンモニア中和等の公知
技術により水性化した樹脂が用いられる。
【0020】フェノール樹脂としては、例えば、塩基性
触媒の存在下に1種若しくは2種類以上のフェノール類
とアルデヒド類を反応させて得られるものが用いられ
る。水性のフェノール樹脂としては、日立化成社製「ヒ
タノール 7007H」がある。エポキシ樹脂としては、シェ
ル化学社製「エピコート 1001,1002,1004,1007,1009,81
5,828,834,836 」、大日本インキ化学社製「エピクロン
1050,4050,7050,7055」等の市販の樹脂が用いられる。
水性塗料組成物には、例えば、特開昭 53-1228号公報に
記載の方法、エポキシ樹脂の存在下でカルボキシル基を
含むアクリルモノマ−を過酸化物開始剤によりグラフト
重合させ、塩基で中和し、水性媒体中に分散させる方
法、特公昭63-41934号公報に開示されるようにエポキシ
樹脂をカルボキシル基含有モノマ−とエステル化、グラ
フト化し、塩基で中和し、水性媒体中に安定に分散せし
める方法等により水性化した樹脂が用いられる。
【0021】アミノ樹脂としては、メラミン樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂、スピログアナミン樹脂等が挙げら
れ、未反応イミノ基、メチロ−ル基を有するものの他、
イミノ基、メチロ−ル基をメチルエ−テル、ブチルエ−
テル等のアルキルエ−テルで変性したものも硬化物性、
溶媒に対する溶解性等の観点から用いられる。水性塗料
組成物には、未反応メチロール基の多いもの、メチルエ
ーテルで変性したものが好適に用いられる。市販のアミ
ノ樹脂としては、三井サイアナミッド社製「サイメル23
5,254,266,272,285,300,301,303,325,327,350,370,701,
703,738,1123,1128,1156」、住友化学社製「スミマール
M-30W,40W,50W,M-100,100C,66B,MC-1」、三井東圧化学
社製「ユーバン 20SB,22R,28-60,2020」等がある。
【0022】本発明の滑性付与塗料組成物中には、上記
ベ−ス樹脂の他に、添加剤、充填剤、助剤、例えば、消
泡剤、可塑剤、コロイダルシリカ、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、帯電防止剤、着色剤等を含有させることができ
る。本発明の滑性付与塗料組成物は、金属、ガラス、セ
ラミックス、プラスチックス、木材類等の基板上に直
接、或いはアンダ−コ−トを介して塗布、塗工される。
基板として具体的には、缶用金属基板、セラミックス成
形品、感熱転写リボンの背面、磁気テ−プ、テ−プ類、
キャッシュカ−ド、磁気カ−ドが挙げられる。
【0023】本発明の滑性付与塗料組成物を金属缶に適
用する場合には、通常、金属基板上にアンダ−コ−ト、
例えば、ホワイトコ−チングを施し、その上に文字、図
表等を印刷し、更にその上に、トップコ−トとして塗工
する場合が多い。本発明の滑性付与塗料組成物を被塗装
物に適用する時の塗膜厚は、塗膜自身の適性塗膜厚の範
囲内で充分にその機能を発現するが、 0.1〜100 μmの
厚さが好ましい。
【0024】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。なお、以下の実施例中の「部」は
「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。実
施例に先立ち、塗料組成物に用いるベース樹脂の調合を
行った。
【0025】(ベース用アクリル樹脂の合成1)撹拌
機、冷却コンデンサ−、滴下ロ−ト、窒素導入管及び温
度計を取り付けた500mlの4ツ口フラスコにメチルイソ
ブチルケトン 140部を仕込んだ。次に、撹拌下、窒素ガ
スを導入しつつ反応フラスコの内温を80℃に昇温した。
次いでスチレン36部、メチルメタクリレ−ト40部、n-ブ
チルアクリレート20部、2-ヒドロキシエチルメタクリレ
−ト14部、N-ブトキシメチルアクリルアミド10部、アゾ
ビスイソブチロニトリル 3部、メチルイソブチルケトン
130部を混合したものを滴下ロ−トより1時間かけて滴
下した。滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル 0.5
部をメチルイソブチルケトン10部に溶解させ滴下し、80
℃で更に3時間重合させ反応を終了した。反応終了後、
溶剤を必要量留去しシクロヘキサノン、キシレンを添加
することにより、固形分30%のアクリル樹脂Aを得た。
【0026】(ベース用アクリル樹脂の合成2)撹拌
機、冷却コンデンサ−、滴下ロ−ト、窒素導入管及び温
度計を取り付けた500mlの4ツ口フラスコにイソプロピ
ルアルコール 140部を仕込んだ。次に、撹拌下、窒素ガ
スを導入しつつ反応フラスコの内温を80℃に昇温した。
次いでスチレン36部、メチルメタクリレ−ト40部、n-ブ
チルアクリレート20部、2-ヒドロキシエチルメタクリレ
−ト14部、N-メトキシメチルアクリルアミド 4部、アク
リル酸 6部、アゾビスイソブチロニトリル 3部、イソプ
ロピルアルコール 130部を混合したものを滴下ロ−トよ
り1時間かけて滴下した。滴下終了後、アゾビスイソブ
チロニトリル 0.5部をイソプロピルアルコール10部に溶
解させ滴下し、80℃で更に3時間重合させ反応を終了し
た。反応終了後に中和当量の 1.2倍のアンモニア水と蒸
留水を加えた。撹拌しながら溶剤を留去することによ
り、固形分30%の水性アクリル樹脂Bを得た。
【0027】(ベ−ス樹脂の調合)表1に示す組成でベ
−ス樹脂を調合した。溶剤型(No.1,2)にはキシレン/メ
チルイソブチルケトン/シクロヘキサノン=40/30/30、
水性型(No.3)には水/イソプロピルアルコ−ル=90/10
の混合溶媒を用いて、固形分は全て30%にした。
【0028】
【表1】 *1 三井サイアナミッド社製「サイメル 238」 *2 シェル化学社製「エピコート1007」 *3 日立化成社製「ヒタノール 7007H」 *4 三井サイアナミッド社製「サイメル 325」
【0029】〔実施例1〕撹拌機、冷却コンデンサ−、
窒素導入管、水トラップ及び温度計を取り付けた500ml
の4ツ口フラスコに、両末端にカルボキシル基を有する
シリコ−ン(信越化学社製「X-22-162A 」)250部、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本乳化剤社
製「Newcol 562」)100部を仕込んで分散、溶解せしめ、
更に反応触媒としてP-トルエンスルフォン酸1部を添加
して 130℃に昇温し、5時間反応させた。n-ヘキサンお
よび水で精製し、両末端ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル変性のシリコーンを得た。ベース樹脂1
に、得られた変性シリコーンを樹脂固形分に対して 0.1
%添加し、塗料を調合した。
【0030】〔実施例2〕ベース樹脂2に、実施例1で
得た変性シリコーンを樹脂固形分に対して 0.1%添加
し、塗料を調合した。
【0031】〔実施例3〕撹拌機、冷却コンデンサ−、
窒素導入管及び温度計を取り付けた 500mlの4ツ口フラ
スコに、両末端にエポキシ基を有するシリコ−ン(信越
化学社製「X-22-163C 」)250部、ポリオキシエチレンス
テアリルエーテル(日本乳化剤社製「Newcol1807」)100
部を仕込んで分散、溶解せしめ、更に反応触媒として水
酸化カリウム1部を添加して 100℃に昇温し、5時間反
応させた。n-ヘキサンおよび水で精製し、両末端ポリオ
キシエチレンステアリルエーテル変性のシリコーンを得
た。ベース樹脂1に、得られた変性シリコーンを樹脂固
形分に対して 0.1%添加し、塗料を調合した。
【0032】〔実施例4〕撹拌機、冷却コンデンサ−、
窒素導入管及び温度計を取り付けた 500mlの4ツ口フラ
スコに、両末端にエポキシ基を有するシリコ−ン(信越
化学社製「X-22-163C 」)250部、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル(日本乳化剤社製「Newcol 50
9」)100部を仕込んで分散、溶解せしめ、更に反応触媒
として水酸化カリウム1部を添加して 100℃に昇温し、
5時間反応させた。n-ヘキサンおよび水で精製し、側鎖
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル変性のシリ
コーンを得た。ベース樹脂2に、得られた変性シリコー
ンを樹脂固形分に対して 0.1%添加し、塗料を調合し
た。
【0033】〔実施例5〕撹拌機、冷却コンデンサ−、
窒素導入管、水トラップ及び温度計を取り付けた500ml
の4ツ口フラスコに、側鎖にカルボキシル基を有するシ
リコ−ン(東レ・ダウコーニング社製「SF8418」)250
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本
乳化剤社製「Newcol 509」)180部を仕込んで分散、溶解
せしめ、更に反応触媒としてP-トルエンスルフォン酸1
部を添加して 130℃に昇温し、5時間反応させた。n-ヘ
キサンおよび水で精製し、側鎖ポリオキシエチレンノニ
ルエーテル変性のシリコーンを得た。ベース樹脂3に、
得られた変性シリコーンを樹脂固形分に対して 0.1%添
加し、塗料を調合した。
【0034】〔比較例1〕ベース樹脂1に、アルキル変
性シリコーン(信越化学社製「KF-413」)を樹脂固形分
に対して 0.1%添加し、塗料を調合した。 〔比較例2〕ベース樹脂3に、ポリオキシアルキレン変
性シリコーン(信越化学社製「KF-354」)を樹脂固形分
に対して 0.1%添加し、塗料を調合した。
【0035】実施例および比較例で得られた塗料につい
て、経時安定性、塗膜の表面状態、滑り性を評価した。
各評価方法は以下の通りである。結果を表2に示す。 a)経時安定性 塗料を50℃の恒温槽中に入れ1週間静置し、安定性を目
視で評価した。 ○ 分離、析出物がない。 △ 分離、析出物が僅かに生じる。 × 分離、析出物がかなり生じる。
【0036】b)塗膜の表面状態 塗膜の表面状態を目視で評価した。 ○ ハジキ、クレ−タを全く生じない。 △ ハジキ、クレ−タを僅かに生じる。 × ハジキ、クレ−タをかなり生じる。
【0037】c)滑り性 表面測定装置(ヘイドン)にて、下記の条件で動摩擦係
数を測定した。 ボ−ル圧子: SUSボ−ル、10mm 荷重: 200g 引っ張り速度: 100cm/分 温度: 25℃ 湿度: 50%RH
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明により、塗膜の表面状態を損なう
ことなく、塗膜に良好な滑り性を付与することが可能に
なった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基またはエポキシ基を有する
    シリコ−ンと末端に水酸基を有するポリオキシアルキレ
    ンアルキル(フェニル)エーテルとの反応物を含有する
    ことを特徴とする滑性付与塗料組成物。
  2. 【請求項2】金属缶用途であることを特徴とする請求項
    1記載の滑性付与塗料組成物。
  3. 【請求項3】水性であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の滑性付与塗料組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10212343A (ja) * 1997-01-30 1998-08-11 Kansai Paint Co Ltd 紫外線硬化型缶用塗料組成物
JP2007269889A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Kansai Paint Co Ltd 缶用水性塗料組成物
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US7482625B2 (en) * 2004-11-10 2009-01-27 Electronics And Telecommunications Research Institute Composition for thermosetting organic polymeric gate insulating layer and organic thin film transistor using the same

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