JP2005307040A - 塗料組成物及びそれを用いてなる金属板または金属缶 - Google Patents

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秀和 池田
Takeshi Tsuyama
武志 津山
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周也 篠原
Katsunori Sekiya
勝則 関谷
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Abstract

【課題】 高硬度を維持しつつ、加工性及び耐レトルト性にも優れる塗膜を短時間で形成し得る塗料組成物の提供。
【解決手段】 本発明はP−OHの酸価として40〜100(mgKOH/g)の酸価の燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)、及び下記式で表される官能基を有する樹脂(B)を含有することを特徴とする塗料組成物である。

Description

本発明は、特定酸価の燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)とN−アルコキシメチル基を有する樹脂(B)とを含有する塗料組成物に関する。詳しくは、硬度、加工性、密着性、耐水性に優れた塗膜を形成し得る塗料組成物に関するものである。
家庭電化製品、缶等のプレコートメタル用に使用される塗料は、下地金属の耐腐食性や美観の向上等に貢献している。
製缶業界においても、年々要求される品質が向上する中で、低コスト化が叫ばれており、塗料が缶にコーティングされる際、乾燥・硬化時間をより短くすることが求められるようになった。しかし、塗料の短時間硬化と、形成された塗膜の硬度、加工性、耐レトルト性等を同時に十分満足させる塗膜は得られていないのが現状であった。
ところで、缶用塗料にはアミノ樹脂が汎用されており、アミノ樹脂を硬化・架橋する際にはスルホン酸系等の酸性触媒が使用されるのが一般的であった。しかし、缶用の塗料のうち銀インキの上に設けられる仕上げニス塗料の場合、スルホン酸等の酸性触媒を用いるとレトルト処理によって銀インキが変色するという問題が生じた。
そこで、銀インキの上に設けられる仕上げニス塗料には、スルホン酸系ではなく、燐酸系の化合物を触媒として用いることが提案された(特許文献1:特開平7−48534号公報参照)。
確かに特許文献1に開示される燐酸系の化合物の使用はレトルト処理による銀インキの変色を抑制でき、しかも多量に使用すると硬化時間を短縮することもできる。しかし、硬化時間を短縮できても、加工性と耐レトルト性とを同時に満足する塗膜は得られていない。
また、遊離カルボン酸を含有する特定酸価の燐酸変性水性エポキシ樹脂を使用する塗料も開示されている(特許文献2:特開平5−320568号公報参照)。
しかし、特許文献2に開示されている燐酸変性水性エポキシ樹脂は、カルボキシル基を有するとはいうもののP−OH由来の酸価が少なく、これではレトルト処理後十分な加工性を有する塗膜は得られなかった。
さらに、ノボラック型エポキシ樹脂を原料とする燐酸エステル化変性エポキシ樹脂を含有する缶用塗料が特許文献3:特開2002−97345号公報に開示されている。
しかし、特許文献3に開示される燐酸エステル化変性エポキシ樹脂は、低酸価であり、塗料を短時間で硬化することはできなかった。
特開平7−48534号公報 特開平5−320568号公報 特開2002−97345号公報
本発明は、上記問題に鑑み成されたものであって、その目的とするところは高硬度を維持しつつ、加工性及び耐レトルト性にも優れる塗膜を短時間で形成し得る塗料組成物を提供することにある。
本発明は、N−アルコキシメチル基の硬化・架橋反応に対するP−OHの触媒効果を利用するものである。
即ち、本発明は、P−OHの酸価として40〜100(mgKOH/g)の酸価の燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)、及び下記式で表される官能基を有する樹脂(B)を含有することを特徴とする塗料組成物に関する。
Figure 2005307040
また、本発明は、樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)及びアミノ樹脂(B2)からなる樹脂より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記発明に記載の塗料組成物に関し、
さらに本発明は、アクリル樹脂(B1)のガラス転移温度が20℃〜120℃であり、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイドを構成成分とすることを特徴とする上記発明に記載の塗料組成物に関し、
さらにまた、本発明は、ポリエステル樹脂をさらに有することを特徴とする上記発明のいずれか記載の塗料組成物に関する。
また本発明は、燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)が、燐酸エステル化変性ノボラック型エポキシ樹脂(A1)であることを特徴とする上記発明のいずれかに記載の塗料組成物に関する。
さらに本発明は、飲料用ないし食品用の缶被覆用であることを特徴とする上記発明のいずれかに記載の塗料組成物に関し、
また本発明は、缶の外面被覆用であることを特徴とする上記発明に記載の塗料組成物に関する。
さらにまた本発明は、上記発明のいずれかに記載の塗料組成物を金属板または金属缶に塗布し、硬化してなることを特徴とする被覆金属に関する。
本発明により、高硬度を維持しつつ、加工性及び耐レトルト性にも優れる塗膜を短時間で形成し得る塗料組成物を提供することができるようになった。
<燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)>
本発明において用いられる燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)は、芳香族系エポキシ樹脂を燐酸でエステル化変性したものであり、種々の方法で得ることができ、燐酸に由来するP−OHの酸価として40〜100(mgKOH/g)であることが重要である。
P−OHの酸価が40(mgKOH/g)未満の場合、塗料を短時間で、例えば200℃で30秒程度の乾燥条件では硬化できない。一方、P−OHの酸価が100(mgKOH/g)を超えると、短時間硬化は可能ではあるが、その反面反応が迅速すぎて、塗膜の加工性、特にレトルト処理後の加工性が確保できない。
燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)の原料の芳香族系エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール共縮合型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びこれらの共重合型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのなかではノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAD型、テトラメチルビスフェノールA型、テトラメチルビスフェノールF型、テトラメチルビスフェノールS型、テトラメチルビスフェノールAD型、テトラブロモビスフェノールA型及びこれらの共重合型等が挙げられる。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、パラターシャリーブチルフェノールノボラック型、パラオクチルフェノールノボラック型、ノニルフェノールノボラック型及びこれらの共縮合型等が挙げられる。
ノボラック型エポキシ樹脂を燐酸でエステル化変性する場合、ノボラック型エポキシ樹脂は多官能、燐酸は三価の酸であり、直接反応するとゲル化が避けられない。そこで、ノボラック型エポキシ樹脂を一価の活性水素化合物にてエポキシ基を部分封止し、エポキシ官能基を減らせた変性ノボラック型エポキシ樹脂を得、次いで該変性ノボラック型エポキシ樹脂を燐酸によりエステル化して、燐酸エステル化変性ノボラック型エポキシ樹脂を得ることが好ましい。
変性ノボラック型エポキシ樹脂を得る際に用いられる一価の活性水素化合物としては、例えば一価のフェノール類、一塩基酸類、水、一価のアルコール類、第2級アミン類等が挙げられる。これらのなかでは一価のフェノール類が好ましい。これらの一価の活性水素化合物は単独で、或いは二種以上混合して使用することができる。
一価のフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2−sec−ブチルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−オクチルフェノール、ノニルフェノール等が挙げられる。これらのなかではフェノール、4−tert−ブチルフェノールが好ましい。
一塩基酸の例としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸
バーサチック酸等のアルキルモノカルボン酸類、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸等のアルケニルモノカルボン酸類、安息香酸等の芳香族モノカルボン酸類等が挙げられる。これらのなかではバーサチック酸、安息香酸が好ましい。
上記の方法によって得られる変性ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は250〜4000g/eqであることが好ましく、300〜3000g/eqであることがより好ましい。エポキシ当量が250g/eq未満だと後述するエポキシ基と燐酸とのエステル化反応の際にゲル化し易い。他方エポキシ当量が4000g/eqを超えると、エポキシ基と燐酸とのエステル化反応の生成物中のP−OH基が少なくなり、その結果塗料の硬化性向上があまり期待できない。
本発明において用いられる燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)のうちノボラック型のものは、上記の変性ノボラック型エポキシ樹脂と燐酸とを反応させて得られた変性ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基に対し、燐酸のP−OHを0.5〜3.0の当量比で反応させることが好ましく、1を越え2以下の当量比とすることがより好ましい。
このようなノボラック型の燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)は具体的には以下のようにして得ることができる。
まず、一段目にノボラック型エポキシ樹脂と一価の活性水素化合物化合物を反応容器に仕込み、触媒の存在下、不活性ガス雰囲気中で攪拌しながら加熱して反応させて変性ノボラック型エポキシ樹脂を得る。また、必要に応じて反応溶媒を用いて反応させても良い。二段目には得られた変性ノボラック型エポキシ樹脂を溶媒に溶解し、この樹脂溶液中に燐酸をさらに添加してエステル化反応をさせノボラック型の燐酸エステル化エポキシ樹脂を得ることができる。
一段目のノボラック型エポキシ樹脂と一価の活性水素化合物の反応時の触媒としては、特に制限されるものではなく、例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物類、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の第3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド等の第4級アンモニウム塩類、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の第3級ホスフィン類、n−ブチル−トリフェニルホスフォニウムブロマイド、エチル−トリフェニル−ホスフォニウムアイオダイド等の第4級ホスフォニウム塩類等が挙げられる。これらの触媒は一種または必要に応じて二種以上組み合わせてもよく、その使用量は使用する触媒の種類に応じて、ノボラック型エポキシ樹脂と一価の活性水素化合物との合計量に対して0.005から3%の範囲が好ましい。また、反応温度は50から250℃、好ましくは100から200℃であり、実質的に一価の活性水素化合物が残存しなくなるまで反応を行う。
二段目の燐酸エステル化反応は、一段目で得られた変性ノボラック型エポキシ樹脂を溶媒に溶解し、室温〜90℃に保ち、75%燐酸水溶液を一括或いは1時間程度かけて添加し、実質的にエポキシ基が残存しなくなるまでエステル化反応を行わせる。
また、必要に応じて触媒を使用してもかまわない。この場合、使用できる触媒としては、前述した触媒が挙げられる。
エステル化反応時の反応溶媒としては特に制限はなく、エポキシ樹脂を溶解することができる溶媒を使用することができる。
<樹脂(B)>
次に本発明において用いられる樹脂(B)について説明する。樹脂(B)は、下記式で表される官能基を有するものである。樹脂(B)中の下記官能基の硬化・架橋が、上述の燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)中のP−OH基によって促進され、塗膜の短時間硬化が可能となる。
Figure 2005307040
このような樹脂(B)としては、アクリル樹脂(B1)、アミノ樹脂(B2)が好ましく、これらを併用することもできる。
アクリル樹脂(B1)は、例えば、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイドと、その他のモノマーとを常法に従い、共重合して得ることができる。
その他のモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリクリレートをこれと共重合可能なモノマーと共重合してなるポリマーである。ここで用いられる共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のモノカルボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等のジカルボン酸及びそれらの無水物;モノメチルマレート、モノエチルマレート、モノブチルマレート、モノ−2−エチルヘキシルマレート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノブチルフマレート、モノ−2−エチルヘキシルフマレート、モノメチルイタコネート、モノエチルイタコネート、モノブチルイタコネート、モノ−2−エチルヘキシルイタコネート等のジカルボン酸のモノアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;「プラクセルFA−1〜FA−5」、「プラクセルFM−1〜FM−5」〔ダイセル化学工業(株)製品〕等のように末端水酸基を有するカプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のような(メタ)アクリルアミド類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のようなN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド類;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,iso−)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、iso−)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のようなN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド類等のカルボキシル基以外の架橋性官能基を有するビニル系単量体が挙げることができる。
その他の共重合可能なビニル系単量体として、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、n−ブトキシメチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジブチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−2−エチルヘキシルイタコネート等のジカルボン酸のジアルキルエステル;ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、ビニルバーサテート等のカルボン酸のビニルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニルなどのような各種のビニルエステル類;ビニルピロリドンなどのような各種の複素環式ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、ビニルピロリドン、ビニルエーテル、ビニルケトンなど;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのような各種のハロゲン化ビニリデン化合物;エチレン、プロピレンなどのような各種のα−オレフィン類等が挙げられるが、勿論、単独使用でも、2種以上の併用でもよい。
また、水性アクリル樹脂は、上記のカルボキシル基含有ビニル単量体を必須成分としたビニル系単量体混合物をラジカル重合し、得られた共重合体をアンモニアもしくは揮発性有機アミンで完全もしくは部分中和し、水あるいは水可溶溶媒との混合物に溶解あるいは分散させて得られるものである。
上記有機アミンを例として挙げるならば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、イソブチルアミン、ジプロピルアミンのような各種のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような各種のアミノアルコール類;モルホリンなどのような各種の有機アミン類であり、なかでもトリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなど80〜180℃の沸点を有する有機アミンが特に好ましいが、樹脂の水性化能を調節するというために、上掲したような種々の化合物を、適宜、組み合わせて用いることもできる。
このようにして得られるアクリル樹脂(B1)のガラス転移温度は、0℃〜100℃であることが好ましく、30〜70℃であることがより好ましい。0℃未満の場合、塗膜の硬度が不足する。100℃を越えると、製罐時の加工に耐えられなくなる。また重量平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、5000〜20000であることがより好ましい。1000未満の場合、塗膜の架橋性が低下し、レトルト処理時の塗膜の劣化が著しくなる。100000を越えると、塗料粘度が上がり、塗工適性が不良となる。
本発明において用いられるアミノ樹脂(B2)としては、いわゆるイミノ基型のアミノ樹脂であり、Rが水素であるN−メチロール基を有するものと、Rがアルキル基であるN−アルコキシメチル基を有するものとがある。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、メチル基、ブチル基が好ましい。このようなアミノ樹脂(B2)は常法に従い得ることができる。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂が有する架橋性官能基と反応可能な架橋性官能基を有するアミノ樹脂としては、例えば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、アセトグアナミン、フタログアナミン、2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−ベンゾイックアシッド、3−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−ベンゾイックアシッド、4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−ベンゾイックアシッド等のような、いわゆるアミノ基含有化合物を、アルデヒド化合物と付加縮合せしめると同時に、1価アルコールでエーテル化せしめて得られるという形の化合物などが挙げられる。
上記アミノ基含有化合物のうち、耐レトルト性、乾燥炉内のヤニ発生量の低減化ならび光沢性の面から、ベンゾグアナミンを必須成分とするものが特に望ましい。
次いで、アミノ樹脂の合成において使用される、アルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキザール等が挙げられる。
当該アルデヒド化合物なる成分もまた、コストならびに反応性などの面からは、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザールが、単独で以て、あるいはそれらの併用の形で、好ましく使用される。
次いで、アミノ樹脂の合成において使用される、前記した1価アルコールは、アミノ基を有する化合物(アミノ基含有化合物)と、アルデヒド基を有する化合物(アルデヒド化合物)とからの反応生成物を安定化せしめるというために必要なるものであり、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ(iso−)プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル;アリルアルコールなどが挙げられるが、それらのいずれもが、通常は、単独で以て、あるいはこれらの併用の形で以て使用される。
中でも、反応性、コストならびに得られるアミノ樹脂の架橋性などの面でも、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコールが、特に望ましく使用される。
本発明において使用されるアミノ樹脂を得るには、公知慣用の種々の製造方法を利用することができ、例えば、アミノ基含有化合物の1.0モルに対して、アルデヒド化合物が1.5〜8.0モルとなる割合で、1価アルコールが、4.0〜20.0モルとなる割合で、それぞれ使用し、1価アルコールに、アルデヒド化合物を加えた形の溶液に対して、さらに、アミノ基含有化合物を、酸性触媒の存在下において、40〜120℃なる温度で、20〜300分間反応せしめ、縮合反応ならびにエーテル化反応を、同時に行うというようにすればよい。
ところで、アミノ樹脂には、イミノ基を全く有しないで、N−メチロール基のみを有するものや、N−メチロール基とN−アルコキシメチル基とを有するものや、N−アルコキシメチル基のみを有するものもある。しかし、イミノ基を有しない場合、上述の燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)と組み合わせても、硬化性は向上しない。
本発明に用いられるアミノ樹脂(B2)は、例えばサイメル325(三井サイテック社製)やマイコート106(三井サイテック社製)のようなイミノ基タイプのアミノ樹脂が好適に用いられる。サイメル303(三井サイテック社製)のような完全アルキル化タイプのアミノ樹脂は本発明の効果が得られにくい。
本発明においては、上記アクリル樹脂(B1)、アミノ樹脂(B2)の他にポリエステル樹脂をさらに有することができる。
ポリエステル樹脂としては、油脂、脂肪酸、多塩基酸、及び多価アルコールの重縮合反応(エステル化反応)により合成される、塗料用として公知慣用のものである。この重縮合反応は、常圧下、減圧下の何れで行ってもよく、又分子量の調節は多塩基酸と多価アルコールとの仕込比によって行うことができる。
本発明のポリエステル樹脂の合成に使用できる二塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等の芳香族二塩基酸類、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族二塩基酸類、又(無水)コハク酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ハイミック酸等の脂肪族二塩基酸類が挙げられる。また多塩基酸としては、(無水)トリメリット酸、トリメシン酸、(無水)ピロメリット酸等が挙げられる。合成に際しては、生成樹脂の分岐度、分子量を制御するために多塩基酸の量を調整し、又塗膜の硬度と可撓性を勘案して二塩基酸の種を適宜選択して使用することができる。
また二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、キシレングリコール、ダイマージオール〔東亞合成(株);品名ベスポールHP−1000〕等の脂肪族二価アルコール、又バーサチック酸グリシジルエステル、ε−カプロラクトン等の二価アルコール相当化合物が挙げられ、塗膜の硬度と可撓性を勘案してこれらのうちから適宜選択して使用することができる。また3価以上のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。合成に際しては、生成樹脂の分岐度、分子量を制御するために多価アルコールの量を調整し、又塗膜の硬度と可撓性とを勘案して、多価アルコールの種を適宜選択すれば良い。
上記重縮合反応で得られたポリエステル樹脂は、溶剤に溶解した溶液の形で塗料調製に供されるのが作業性の点で好ましい。この溶剤にはポリエステル樹脂を希釈可能なものであれば制限なく使用できる。たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、セロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系等の各種溶剤が挙げられる。ポリエステル樹脂溶液の固形分濃度は、通常20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。樹脂溶液の取扱の点では70重量%以下が好ましく、調製した塗料の粘度が低くなりすぎない点では、20重量%以上が好ましい。
又、上記ポリエステル樹脂を用いて水性塗料を得るには、ポリエステル樹脂として、エステル化反応終点の酸価を10−70KOHmg/gしたときに所定の分子量が得られるように配合設計された合成反応、或いは所定の分子量の酸価0〜30KOHmg/gのポリエステル樹脂へ所定量の無水フタル酸、無水トリメリット酸等の無水酸物の付加反応によって得られた生成物を、アルコール系溶剤のような親水性溶剤にて希釈し、揮発性有機アミンで完全もしくは部分中和した後に、水に溶解あるいは分散させて得られるものを用いることが好ましい。
尚、上記のようなポリエステル樹脂にN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイドとさらに必要に応じてその他のモノマーとをグラフト重合してなる、アクリル変性ポリエステル樹脂も本発明において用いることができる。この場合アクリル変性ポリエステル樹脂は、N−メチロール基ないしN−アルコキシメチル基を有するので、上述のアクリル樹脂(B1)に含めることとする。
本発明の塗料組成物は、燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)、樹脂(B)を必須の成分とするものであり、その他に塗料の硬化・架橋をさらに促進するための硬化触媒、各種添加剤等を含むことができ、これらが有機溶剤や水に溶解ないし分散している状態にある。これらの樹脂組成物には、アミノ樹脂による硬化を促進するために、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸等の酸触媒あるいはこれらアミン塩を硬化触媒として使用しても良く、樹脂固形分100部に対して0.1〜1.0部添加が好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて顔料、可塑剤、着色剤、流動調整剤等の多種の添加物を適量添加することが可能である。
本発明の塗料組成物は、塗料固形分100重量%中に、燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)を0.5〜10重量%、樹脂(B)を90〜99.5重量%含有することが好ましく、燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)を1〜5重量%、樹脂(B)を95〜99重量%含有することがより好ましい。樹脂(A)の含有量が0.5重量%未満の場合、塗膜の硬化速度が遅くなり、10重量%を越えると塗膜の耐水性が低下する。
また、樹脂(B)として、アクリル樹脂(B1)とアミノ樹脂(B2)とを併用する場合には、(B1)と(B2)の重量比率が20/80から80/20、より好ましくは、40/60から60/40である。20/80未満の場合、アミノ樹脂濃度が高すぎて塗膜が脆くなりやすい。80/20を越えると、塗料粘度が高くなり、塗工適性が不良となる。
本発明の水性塗料組成物が塗装される下地基材としては、アルミニウム板、錫メッキ鋼板、クロム処理鋼板、ニッケル処理鋼板または、ポリエステル、ポリオレフィンなどのプラスチックフィルムで被覆された鋼板、又は、これらのものを円筒形に成型加工された金属缶(飲料缶)および、これらの金属板、プラスチックフィルムで被覆された鋼板および金属缶に塗装又は、印刷したものなどが挙げられる。
以下実施例によって本発明を説明する。例中部とは重量部を、%とは重量%をエポキシ当量及び酸価は固形分換算した値としてそれぞれ表し、数平均分子量はゲルパ−ミェイションクロマトグラフィ−(以下GPCと略す)で測定し、ポリスチレン換算
した値を示す。
製造例1 燐酸エステル化変性芳香族エポキシ樹脂(A1)の製造
攪拌装置、窒素導入管、温度計、滴下ロート及びコンデンサーを装備した反応装置に、エポトートYDCN−701(東都化成(株)製O−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 エポキシ当量200g/eq、軟化点65℃):1000部、4−tert−ブチルフェノール:300部、メチルイソブチルケトン:100部及びn−ブチルホスホニウムブロマイド:1.3部を仕込み、窒素雰囲気下140℃まで加熱して5時間反応を行った。得られた変性ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は430g/eqであった。この樹脂溶液にブチルセロソルブ:700部を添加して稀釈し、70℃まで冷却した。さらに75%燐酸水溶液:185部を30分かけて添加し、70℃を保ちながら2時間燐酸エステル化反応を行った。反応終了後、ブチルセロソルブ:110部で固形分濃度調整を行い、固形分濃度60%、酸価48mgKOH/gの燐酸変性ノボラック型エポキシ樹脂(A1)を得た。
製造例2 燐酸エステル化変性芳香族エポキシ樹脂(A2)の製造
製造例1と同様の装置にエポトートYDCN−701:1000部、フェノール:141部、メチルイソブチルケトン:100部及びn−ブチルホスホニウムブロマイド:2.3部を仕込み、窒素雰囲気下140℃まで加熱して6時間反応を行った。得られた変性ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は330g/eqであった。この樹脂溶液にブチルセロソルブ:660部を添加して稀釈し70℃まで冷却した。さらに75%燐酸水溶液:230部を40分かけて添加し、70℃を保ちながら3時間反応を行った。反応終了後、ブチルセロソルブ:57部で濃度調整を行い、固形分60%、酸価78mgKOH/gの燐酸変性ノボラック型エポキシ樹脂(A2)を得た。
製造例3 燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A3)の製造
製造例1と同様の装置にエポトートYDCN−703(東都化成(株)製o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 エポキシ当量205g/eq、軟化点81℃):1025部、4−tert−ブチルフェノール:375部及びテトラメチルアンモニウムクロライド50%水溶液:1.4部を仕込み、窒素雰囲気下180℃まで加熱して3時間反応を行った。得られた変性ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は562g/eqであった。この変性ノボラック型エポキシ樹脂にブチルセロソルブ:425部を添加して稀釈し70℃まで冷却した。さらに75%燐酸水溶液:265部を50分かけて添加し、70℃を保ちながら4時間反応を行った。反応終了後、ブチルセロソルブ:775部で濃度調整を行い、固形分60%、酸価91mgKOH/gの燐酸変性ノボラック型エポキシ樹脂(A3)を得た。
製造例4 燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A4)の製造
製造例1と同様の装置にエポトートYDCN−703:1025部、4−tert−ブチルフェノール:450部及びテトラメチルアンモニウムクロライド50%水溶液:1.5部を仕込み、窒素雰囲気下140℃まで加熱して7時間反応を行った。得られた変性ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は739g/eqであった。この変性ノボラック型エポキシ樹脂にエチレングリコールジメチルエーテル:2200部を添加して稀釈し70℃まで冷却した。さらに75%燐酸水溶液:16部を60分かけて添加し、70℃を保ちながら9時間反応を行った。反応終了後、エチレングリコールジメチルエーテル:988部で濃度調整を行い、固形分60%、酸価0.5mgKOH/gの燐酸変性ノボラック型エポキシ樹脂(A4)を得た。
製造例5 燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A5)の製造
製造例1と同様の装置にエポトートYDCN−701:1000部、フェノール:141部、メチルイソブチルケトン:100部及びn−ブチルホスホニウムブロマイド:2.3部を仕込み、窒素雰囲気下140℃まで加熱して6時間反応を行った。得られた変性ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は330g/eqであった。この樹脂溶液にエチレングリコールジメチルエーテル:660部を添加して稀釈し70℃まで冷却した。さらに75%燐酸水溶液:160部を30分かけて添加し、70℃を保ちながら5時間反応を行った。反応終了後、エチレングリコールジメチルエーテル:41部で濃度調整を行い、固形分60%、酸価10mgKOH/gの燐酸変性ノボラック型エポキシ樹脂(A5)を得た。
製造例6 燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A6)の製造
75%燐酸量を165部とした以外は製造例5と同様の操作を行い固形分60%、酸価20mgKOH/gの燐酸変性ノボラック型エポキシ樹脂(A6)を得た。
製造例7 燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A7)の製造
75%燐酸量を297部とした以外は製造例3と同様の操作を行い固形分60%、酸価148mgKOH/gの燐酸変性ノボラック型エポキシ樹脂(A7)を得た。
製造例8 燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A8)の製造
製造例1と同様の装置にエポトートYD−128(東都化成(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポキシ当量187g/eq):1870部を仕込み、窒素雰囲気下、105℃まで昇温した。次にジブチルホスフェート:200部を50分かけて滴下し、さらに1時間反応を行った。この燐酸エステル変性エポキシ樹脂の酸価は0.7mgKOH/gであった。
これに無水トリメリット酸:241部を添加して120℃で3時間反応を行った。反応終了後、ブチルセロソルブ:1540部で稀釈して、固形分60%、酸価61mgKOH/gの燐酸エステル化変性芳香族エポキシ樹脂(A8)を得た。
製造例9 アクリル樹脂(B1)溶液の製造
攪拌羽、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた装置に、ブチルセロソルブ:1551部を入れ、110℃に昇温し、そこへエチルアクリレ−ト:330部、ラウリルメタアクリレ−ト:330部、スチレン:330部、N−(メトキシメチル)アクリルアミド:495部、アクリル酸:165部、パ−ブチル0(重合開始剤:日本油脂社製商品名)99部の混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後反応温度120℃で6時間反応させた。90℃に冷却した後、N,N−ジメチルアミノエタノ−ル163部を加えて中和し、さらに脱イオン水480部を加えて固形分42%、重量平均分子量1.6万のアクリル樹脂(B1)溶液を得た。
製造例10 アクリル樹脂(B2)溶液の製造
製造例9と同様の合成装置に、ブチルセロソルブ:1551部を入れ、110℃に昇温し、そこへブチルアクリレ−ト:660部、2−エチルヘキシルアクリレート:330部、メチルメタクリレート:412.5部、2−ヒドロキシアクリレート165部、アクリル酸:82.5部、パ−ブチル0(重合開始剤:日本油脂社製商品名)99部の混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後反応温度120℃で6時間反応させた。90℃に冷却した後、N,N−ジメチルアミノエタノ−ル102部を加えて中和し、さらに脱イオン水500部を加えて固形分55%、重量平均分子量1.5万のアクリル樹脂(B2)溶液を得た。
製造例11 ポリエステル樹脂(B3)溶液の製造
製造例9と同様の装置に、ジエチレングリコ−ル:151部、2−ブチル、2−エチル1,3プロパンジオ−ル:224部、アジピン酸:146部、1,4−シクロヘキシルジアシッド:172部を仕込み、220℃に加熱した。酸価が5以下になった後、120℃まで冷却し、無水フタル酸を104部添加し180℃に加熱する。酸価が50になった時点で冷却を開始し、120℃においてエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル:200部を添加し、数平均分子量:1500、固形分80%のポリエステル樹脂(B3)溶液を得た。
実施例1〜4、比較例1〜6
表1に示す処方(固形分換算の重量%)に従って、エチレングリコールモノブチルエーテルで粘度を調整し、塗料組成物を得た。
尚、表中アミノ樹脂(C1)は、ベンゾグアナミン1個当たりの官能基(−NHが2個、−NHとしては4個)100%中、イミノ基が50%、メトキシメチレン基が40%、メチロール基が5%、縮合部が5%のベンゾグアナミン樹脂である。
アミノ樹脂(C2)は、メトキシメチレン基が95%、メチロール基が2%、縮合部が3%のベンゾグアナミンである。
また、表中のポリオ−ル樹脂は、数平均分子量が2000のポリプロピレングリコ−ルである。
[塗料の硬化性]
板厚0.23mmの電気メッキブリキ板に乾燥膜厚が5μmになるように、得られた各塗料組成物を塗布し、200℃で30秒間乾燥させる。次にメチルエチルケトンを十分に含ませたガーゼを2ポンドの重さのハンマーに巻き付け、上記乾燥塗膜上を往復させ、下地金属が露出するまでの回数で評価する。
○:50回以上
△:10〜50回
×:10回未満
[塗膜性能評価]
<試験片>
板厚0.23mmの電気メッキブリキ板に乾燥膜厚が5μmになるように、得られた各塗料組成物を塗布した後、200℃−3分、加熱し、被覆金属板(試験片)を得た。
各試験片について以下の物性を調べた。結果を表1に示す。
<密着性>
試験片を130℃の蒸気中に30分間放置した後、塗膜をナイフでクロスカットし、その部分にセロハン粘着テ−プを圧着させた後剥離し、その剥離面積を目視で評価する。
○:0%
△:0〜20%
×:40%以上
<鉛筆硬度>
JIS規格(JISNo.K5400)に準じて行った。
<レトルト後の塗膜白化試験>
試験片を130℃の水蒸気中に30分間放置した後、塗膜の白化状態を目視で評価した。
○:変化なし。
△:部分的にうっすら白化する。
×:部分的または全体的に濃く白化する。
<レトルト後の加工性試験(デュポン式)>
撃芯径1/2インチ、荷重300gの重りを20cmの高さから試験片の塗膜面に落下させた後、試験片を130℃の水蒸気中に30分間放置した。その後塗膜の状態を目視で評価した。
○:変化なし。
△:多少ヒビが入る。
×:全体にヒビが入る。
Figure 2005307040

Claims (8)

  1. P−OHの酸価として40〜100(mgKOH/g)の酸価の燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)、及び下記式で表される官能基を有する樹脂(B)を含有することを特徴とする塗料組成物。
    Figure 2005307040
  2. 樹脂(B)が、アクリル樹脂(B1)及びアミノ樹脂(B2)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の塗料組成物。
  3. アクリル樹脂(B1)のガラス転移温度が20℃〜120℃であり、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアマイドを構成成分とすることを特徴とする請求項2記載の塗料組成物。
  4. ポリエステル樹脂をさらに有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項に記載の塗料組成物。
  5. 燐酸エステル化変性芳香族系エポキシ樹脂(A)が、燐酸エステル化変性ノボラック型エポキシ樹脂(A1)であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の塗料組成物。
  6. 飲料用ないし食品用の缶被覆用であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載の塗料組成物。
  7. 缶の外面被覆用であることを特徴とする請求項6記載の塗料組成物。
  8. 請求項1ないし5のいずれかの項に記載の塗料組成物を金属板または金属缶に塗布し、硬化してなることを特徴とする被覆金属。
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