JP2015067764A - 塗料組成物及びそれを用いた塗装体 - Google Patents

塗料組成物及びそれを用いた塗装体 Download PDF

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Abstract

【課題】梱包資材の痕跡が残り難い塗膜を形成することが可能な塗料組成物を提供する。
【解決手段】塗料組成物であって、(i)該塗料組成物により形成される乾燥塗膜は、ガラス転移温度が50℃〜90℃であり、(ii)該塗料組成物により形成される膜厚20μmの乾燥塗膜上に、ガーゼを置き、直径40mm重量1500gの円柱形の重りをガーゼ上に載せ、温度45℃及び湿度80%の条件下で24時間放置させた後、重り及びガーゼを乾燥塗膜から取り除いたとき、該乾燥塗膜にガーゼの痕跡が残らないことを特徴とする塗料組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物及び該塗料組成物を用いた塗装体に関し、特には、梱包資材の痕跡が残り難い塗膜を形成することが可能な塗料組成物に関するものである。
従来、洗濯機、冷蔵庫等の家電製品や自動販売機を船便でコンテナ輸送する際、通常、運搬の際の塗膜の傷防止のため、家電製品や自動販売機の塗装面は、発泡スチロール、段ボール及びそれらの組み合わせによる梱包資材で保護されている。しかしながら、輸送時間が数か月間にわたる等長時間を要する場合、梱包資材が塗膜表面に長時間強く押し付けられることによって、塗装表面に梱包資材の痕跡(以下、梱包痕ともいう)が残ってしまうことがある。また、特に船便でのコンテナ輸送の場合、コンテナ内は高温多湿となりやすく、それらが原因で上述の梱包痕が生じやすい傾向にあり、課題となっていた。
特に船便でのコンテナ輸送の場合、コンテナ内の温度や湿度等の諸条件と梱包資材の塗膜表面への押し付け条件等のいくつかの要因によって、梱包痕が生じるのであり、それら梱包痕を実験室で容易に再現することは困難であった。
特開平10−323615号公報(特許文献1)には、ポリエステル樹脂系、ウレタン樹脂系又はアクリル樹脂系塗料であって、ポリオレフィン系樹脂粒子を含む塗料を開示しており、該塗料は、塗装後の乾燥焼付けにより表層と付着面との二層に分離し、表層側には、強固な保護皮膜が形成され、梱包資材の痕跡が残ることを防止できると記載されている。
特開平10−323615号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明によると、上記強固な保護皮膜は、輸送後に剥離させることが必要になるため、作業工程を増やすことになり、また、剥離後の廃棄物を燃焼等で処理する際に排気ガスが発生したり、燃焼残存物処理によって環境等に関する問題が生じたりする。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、梱包資材の痕跡が残り難い塗膜を形成することが可能な塗料組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、梱包資材の痕跡が残り難い塗膜を備える塗装体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、(i)塗料組成物により形成される乾燥塗膜のガラス転移温度を50℃〜90℃に調整し、(ii)塗料組成物により形成される乾燥塗膜にガーゼを置き、その上に特定の荷重を特定の時間かけても、ガーゼの痕跡が残らないようにすることによって、梱包資材の痕跡が残り難い塗膜を形成可能な塗料組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の塗料組成物は、
(i)該塗料組成物により形成される乾燥塗膜は、ガラス転移温度が50℃〜90℃であり、
(ii)該塗料組成物により形成される膜厚20μmの乾燥塗膜上に、ガーゼを置き、直径40mm重量1500gの円柱形の重りをガーゼ上に載せ、温度45℃及び湿度80%の条件下で24時間放置させた後、重り及びガーゼを乾燥塗膜から取り除いたとき、該乾燥塗膜にガーゼの痕跡が残らないことを特徴とする。
本発明の塗料組成物は、ガラス転移温度40℃〜70℃のアクリル樹脂を含むことが好ましく、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を更に含むことが更に好ましく、前記アクリル樹脂、前記メラミン樹脂及び前記エポキシ樹脂の合計に占める前記アクリル樹脂の含有量が60〜80質量%であり、前記メラミン樹脂の含有量が10〜30質量%であり、前記エポキシ樹脂の含有量が1〜10質量%であることが一層好ましい。
また、本発明の塗装体は、基材と、該基材表面に形成された塗膜とを備えており、該塗膜が、上記の塗料組成物により得られたことを特徴とする。
本発明の塗料組成物によれば、梱包資材の痕跡が残り難い塗膜を形成することが可能な塗料組成物を提供することができる。
本発明の塗装体によれば、梱包資材の痕跡が残り難い塗膜を備える塗装体を提供することができる。
以下に、本発明の塗料組成物を詳細に説明する。本発明の塗料組成物は、該塗料組成物により形成される乾燥塗膜のガラス転移温度が、50℃〜90℃であることを要し、70〜85℃であることが好ましい。乾燥塗膜のガラス転移温度が50℃未満では、輸送時に梱包資材の痕跡が塗膜に残りやすく好ましくない。また、乾燥塗膜のガラス転移温度が90℃を超えると、乾燥塗膜は、固すぎで、柔軟性がなく、耐カッピング性が劣るため好ましくない。なお、塗膜の乾燥は、140℃〜190℃の温度にて10〜30分かけて行われ、塗膜のガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析(DTA)によって測定される。
本発明の塗料組成物により形成される乾燥塗膜のガラス転移温度を上記特定した範囲に調整するためには、例えばガラス転移温度が40℃〜70℃の範囲の樹脂、好ましくはアクリル樹脂を塗料組成物中に配合することが好ましい。
本発明の塗料組成物は、該塗料組成物により形成される膜厚20μmの乾燥塗膜上に、ガーゼを置き、直径40mm重量1500gの円柱形の重りをガーゼ上に載せ、温度45℃及び湿度80%の条件下で24時間放置させた後、重り及びガーゼを乾燥塗膜から取り除いたとき、該乾燥塗膜にガーゼの痕跡が残らないことを要する。上記試験後にガーゼの痕跡が残らない乾燥塗膜であれば、輸送時に梱包資材が塗膜表面に押し付けられたとしても、塗膜表面には梱包資材の痕跡が残り難い。なお、塗膜の乾燥は、140℃〜190℃の温度にて10〜30分かけて行われ、ガーゼは、医療用ガーゼであれば特に限定されるものではないが、例えば、JIS K5600−3−3に記載されているガーゼ(単繊維のポリアミドで織られたもので、繊維の直径が0.120mmでガーゼの目開きが約0.2mmのもの)を使用した方が好ましい。
上記試験後にガーゼの痕跡が残らない乾燥塗膜を得るためには、例えば、無機顔料である二酸化チタンや体質顔料を塗料組成物中に配合したり、塗料組成物中に配合される樹脂のガラス転移温度を高くしたりすることが望ましい。
本発明の塗料組成物は、樹脂を含むことが好ましい。樹脂は、塗膜の母材を構成したり、顔料が含まれる場合には結合剤として作用したりする。ここで、本発明の塗料組成物に用いる樹脂は、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、本発明の塗料組成物中において、樹脂の含有量は、30〜60質量%であることが好ましい。
上記アクリル樹脂は、塗膜の耐候性を向上させ、また、塗膜の硬度を高めることができる。上記樹脂中におけるアクリル樹脂の含有量は、60〜80質量%が好ましい。なお、本発明の塗料組成物に用いる樹脂がアクリル樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含む場合、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂の合計に占めるアクリル樹脂の含有量は、60〜80質量%が好ましい。上記アクリル樹脂の含有量が60質量%未満では、塗膜の耐候性が低下する傾向にあり、一方、80質量%を超えると、塗膜の硬度が低くなる傾向にある。
上記アクリル樹脂は、例えば、1種若しくは複数種のアクリル系モノマーを重合させて得られる重合体、又は1種若しくは複数種のアクリル系モノマーと該アクリル系モノマー以外の1種若しくは複数種のモノマーとを共重合させて得られる共重合体が挙げられる。アクリル系モノマーとしては、例えば、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC2〜C24ヒドロキシアルキルエステル及びN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸のモノ−又はジ−C1〜C18ヒドロキシアルキルアミドなどの水酸基含有アクリル系モノマーや、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート等のアクリル酸のC1〜C24アルキルエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等のメタクリル酸のC1〜C24アルキルエステル及びグリシジルメタクリレートなどの水酸基を有しないアクリル系モノマーが挙げられる。塗料組成物に用いる架橋剤にメラミン樹脂を用いる場合、メラミン樹脂との架橋点として機能する観点から、水酸基含有アクリル系モノマーをモノマーの一部又は全部に用いることが好ましい。また、アクリル系モノマー以外のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマーや、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
上記アクリル樹脂の調製に用いる重合方法は、特に限定されず、公知の方法が使用できる。また、上記アクリル樹脂は、そのまま塗料組成物中に配合することもできるが、有機溶剤中に溶解させた溶液の形態で使用してもよいし、有機溶剤中に分散させた分散液の形態で使用してもよい。
上記アクリル樹脂は、ガラス転移温度40℃〜70℃のアクリル樹脂であることが好ましい。アクリル樹脂のガラス転移温度が40℃〜70℃であれば、本発明の塗料組成物により形成される乾燥塗膜のガラス転移温度を50℃〜90℃に容易に調整することができる。なお、アクリル樹脂のガラス転移温度は、使用するモノマーの種類や使用量を適宜選択することによって調整できる。
上記メラミン樹脂は、塗膜の加工性を向上させ、また、塗膜の硬度を高めることができる。上記樹脂中におけるメラミン樹脂の含有量は、10〜30質量%が好ましい。なお、本発明の塗料組成物に用いる樹脂がアクリル樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含む場合、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂の合計に占めるメラミン樹脂の含有量は、10〜30質量%が好ましい。上記メラミン樹脂の含有量が10質量%未満では、塗膜の硬度が低くなる傾向にあり、一方、30質量%を超えると、塗膜の加工性が低下する傾向にある。
上記メラミン樹脂は、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のアミノ成分と、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等のアルデヒドとの反応によって得られる樹脂や、アルデヒドがアミノ成分に付加した部分を、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール等のアルコールによって、エーテル化した樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、塗膜の基材に対する付着性を向上させることができる。上記樹脂中におけるエポキシ樹脂の含有量は、1〜10質量%が好ましい。なお、本発明の塗料組成物に用いる樹脂がアクリル樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含む場合、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂の合計に占めるエポキシ樹脂の含有量は、1〜10質量%が好ましい。上記エポキシ樹脂の含有量が1質量%未満では、基材に対する付着性が低下する傾向にあり、一方、10質量%を超えると、塗膜の耐候性が低下する傾向にある。
上記エポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するものが好ましい。また、エポキシ当量は、150〜700であることが好ましく、300〜600のものが更に好ましい。上記エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂等の従来から公知のものが挙げられる。これらエポキシ樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の塗料組成物には、必要に応じて、着色顔料、体質顔料等の顔料、有機溶剤、塗面調整剤、硬化触媒、顔料分散剤等の添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することもできる。
上記着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、鉛白、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、朱、カドミウム赤、アンチモン朱、ベンガラ、紺青、群青、コバルト青、酸化クロム緑、ギネー緑、クロム緑、亜鉛緑、酸化鉄等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系等の有機顔料が挙げられる。また、体質顔料としては、塗膜の光沢値を調節したり、塗膜の堅さを調節したりする目的で、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ粉、微粉珪酸、珪藻土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト等が好適に挙げられる。これら顔料は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明の塗料組成物中において、顔料の含有量は、例えば1〜40質量%であることが好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類等が挙げられ、具体的にはトルエン、キシレン、メチルナフタレン、ナフサ、ミネラルスピリット、シクロヘキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、グリコールモノエチルエーテル、グリコールモノブチルエーテル、グリコールモノメチルエーテルアセテート、グリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これら有機溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明の塗料組成物中において、有機溶剤の含有量は、例えば30〜50質量%であることが好ましい。
本発明の塗料組成物は、必要に応じて適宜選択される樹脂や各種添加剤を混合することにより調製できる。
本発明の塗料組成物の塗装方法は、特に限定されるものではないが、浸漬塗装、刷毛塗り塗装、スピンコーター塗装、エアレススプレー塗装、エアスプレー塗装、静電塗装等の塗装方法が可能である。
また、本発明の塗料組成物の乾燥温度は、例えば140℃〜190℃であり、好ましくは150℃〜170℃である。本発明の塗料組成物の乾燥時間は、乾燥温度が140℃〜190℃である場合、例えば10分〜30分である。
次に、本発明の塗装体を詳細に説明する。本発明の塗装体は、上述した本発明の塗料組成物により得られる塗膜を備えることを特徴とし、該塗膜には梱包資材の痕跡が残り難い。
本発明の塗装体の一の実施態様は、基材と、該基材表面に形成された塗膜とを備えており、該塗膜が、上述した本発明の塗料組成物により得られたことを特徴とする。ここで、基材としては、特に限定されるものではないが、塗膜の乾燥温度が高い場合であっても使用できるため、金属基材が好ましい。例えば、アルミ板、亜鉛板、ステンレス板、鉄板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板等が挙げられ、更には、プライマー塗装、好ましくはエポキシ樹脂系塗料によるプライマー塗装がなされた金属基材等も含まれる。また、塗装体の乾燥塗膜の膜厚は、例えば5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることが更に好ましい。乾燥塗膜の膜厚が5μm未満では、塗膜が薄過ぎて、連続した均一の膜が得られ難く、また、基材の色を完全に隠蔽することが困難である。一方、乾燥塗膜の膜厚が40μmを超えると、乾燥時に所謂ワキやタレといった不具合が発生し易くなり、正常な乾燥塗膜を得難い傾向となる。更に、塗装体の乾燥塗膜は、樹脂の含有量が40〜98質量%であることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(アクリル樹脂分散液Aの調製例)
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応容器に、キシレン35質量部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達してから、メチルメタクリレート26質量部、n−ブチルアクリレート10質量部、メタクリル酸0.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.2質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.33質量部(重合開始剤)の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を100℃に保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.07質量部とキシレン1.6質量部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃で1時間撹拌を続け、その後、冷却した。得られた混合物にキシレン23質量部を加えて希釈し、固形分濃度40.4質量%のアクリル樹脂分散液Aを得た。分散液A中のアクリル樹脂は、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)9,900、酸価12.9mgKOH/g、水酸基価34.2mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)45.0℃であった。
(アクリル樹脂分散液Bの調製例)
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応容器に、キシレン35質量部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達してから、メチルメタクリレート28質量部、n−ブチルアクリレート8質量部、メタクリル酸0.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.2質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.33質量部(重合開始剤)の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を100℃に保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.07質量部とキシレン1.6質量部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃で1時間撹拌を続け、その後、冷却した。得られた混合物にキシレン23質量部を加えて希釈し、固形分濃度40.2質量%のアクリル樹脂分散液Bを得た。分散液B中のアクリル樹脂は、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)9,500、酸価13.2mgKOH/g、水酸基価33.9mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)54.7℃であった。
(アクリル樹脂分散液Cの調製例)
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応容器に、キシレン35質量部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達してから、メチルメタクリレート30質量部、n−ブチルアクリレート6質量部、メタクリル酸0.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.2質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.33質量部(重合開始剤)の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を100℃に保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.07質量部とキシレン1.6質量部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃で1時間撹拌を続け、その後、冷却した。得られた混合物にキシレン23質量部を加えて希釈し、固形分濃度40.1質量%のアクリル樹脂分散液Cを得た。分散液C中のアクリル樹脂は、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)9,800、酸価13.3mgKOH/g、水酸基価34.1mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)65.7℃であった。
(アクリル樹脂分散液Dの調製例)
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応容器に、キシレン35質量部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達してから、メチルメタクリレート21質量部、n−ブチルアクリレート15質量部、メタクリル酸0.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.2質量部及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.33質量部(重合開始剤)の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を100℃に保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.07質量部とキシレン1質量.6部との混合物である追加触媒溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃で1時間撹拌を続け、その後、冷却した。得られた混合物にキシレン23質量部を加えて希釈し、固形分濃度40.2質量%のアクリル樹脂分散液Dを得た。分散液D中のアクリル樹脂は、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)10,100、酸価12.8mgKOH/g、水酸基価34.2mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)22.7℃であった。
<塗料組成物の調製例>
表1に示す配合処方に従って原料を混合し、塗料1〜8を調製した。
Figure 2015067764
上記表1に記載される配合剤は、下記の通りである。
※メラミン樹脂分散液:DIC社製、商品名スーパーベッカミン L117−60、ブチル化メラミン、固形分濃度60質量%
※エポキシ樹脂分散液:DIC社製、商品名エピクロン1050−70、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ等量450〜490、固形分濃度70質量%
※有機溶剤A:キシレン
※有機溶剤B:ブタノール
※顔料A:テイカ社製、商品名TITANIX JR−602S、二酸化チタン
※顔料B:DIC社製、商品名FASTOGEN SUPER RED 5B、キナクリドン
※顔料C:DIC社製、商品名SYMULER FAST ORANGE 4183H、ベンツイミダゾロン
※表面調整剤A:楠本化成社製、商品名ディスパロンLC−915、シリコーン及びビニル系重合物
<塗装体の作製例>
厚さ7mm、大きさ300×300mmの熱間圧延鋼板(SS−400材)に、下塗塗料としてエポキシ樹脂系の塗料(大日本塗料株式会社製、商品名:AFプライマーHB)を乾燥塗装膜厚が15μmとなるように塗装し、120℃で20分間乾燥させた。その後、各塗料1〜8をエアスプレー塗装により乾燥塗装膜厚が20μmとなるように塗装し、160℃で20分間焼付乾燥を行い、塗装体を作製した。
<塗膜のガラス転移温度>
示差熱分析(DTA)によって測定した。
<ガーゼ痕跡の評価>
上記塗装体の塗膜上に50mm四方のガーゼ(日本薬局法に規定されているもの)を置き、ガーゼの中央に直径40mm重量1500gの円柱形の重りを載せ、温度45℃及び湿度80%の条件下で24時間放置させた後、重り及びガーゼを塗膜から取り除いた。塗膜上のガーゼ痕跡を下記基準に従い目視にて評価した。
○:塗膜表面にガーゼ痕跡が全く残らない。
△:塗膜表面にガーゼ痕跡が僅かに見える。
×:塗膜表面にガーゼ痕跡がはっきりと見える。
<塗膜硬度>
JIS K5600−5−4に従い、三菱ハイユニ鉛筆を用いて、塗装体の塗膜表面を引っかき、塗膜に傷が生じなかった最も硬い鉛筆硬度を確認し、塗膜硬度を以下の基準に従い評価した。
〇:H以上
△:HB〜F
×:B以下
<耐カッピング性>
JIS K 5600−5−2の耐カッピング性試験方法に従って、温度23℃及び湿度50%の雰囲気下で、塗装体の塗膜にクラックが発生するまで、試験機を押し込み、押込み深さ(mm)を測定し、該押し込み深さを以下の基準に従い評価した。
〇:4.0mm以上
△:3.5mm以上4.0mm未満
×:3.5mm未満
<促進耐候性試験>
JIS K5600−7−7に従い、光源としてキセノンアークランプを用いた促進耐候性試験を240時間実施し、塗装体の光沢保持率を測定し、光沢保持率を以下の基準に従い評価した。なお、光沢保持率は促進耐候性試験を実施する前の光沢値を100%とした時の値とした。
〇:90%以上
△:85〜90%未満
×:85%未満
<基材に対する付着性>
JIS K5600−5−6に従い、1mm幅の直角の格子パターンを用いて、塗装体の塗膜を素地まで貫通する切りこみを入れ、素地からの塗膜の剥離を確認し、剥離の程度を以下の基準に従い評価した。
〇:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
△:カットの縁に沿った、又は交差点における塗膜の部分的なはがれがある。
×:カットの縁に沿った、又は交差点における塗膜の全面的なはがれがある。
Figure 2015067764

Claims (5)

  1. 塗料組成物であって、
    (i)該塗料組成物により形成される乾燥塗膜は、ガラス転移温度が50℃〜90℃であり、
    (ii)該塗料組成物により形成される膜厚20μmの乾燥塗膜上に、ガーゼを置き、直径40mm重量1500gの円柱形の重りをガーゼ上に載せ、温度45℃及び湿度80%の条件下で24時間放置させた後、重り及びガーゼを乾燥塗膜から取り除いたとき、該乾燥塗膜にガーゼの痕跡が残らないことを特徴とする塗料組成物。
  2. ガラス転移温度40℃〜70℃のアクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  3. メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の塗料組成物。
  4. 前記アクリル樹脂、前記メラミン樹脂及び前記エポキシ樹脂の合計に占める前記アクリル樹脂の含有量が60〜80質量%であり、前記メラミン樹脂の含有量が10〜30質量%であり、前記エポキシ樹脂の含有量が1〜10質量%であることを特徴とする請求項3に記載の塗料組成物。
  5. 基材と、該基材表面に形成された塗膜とを備えており、該塗膜が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物により得られたことを特徴とする塗装体。
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