JPH10287789A - 水性樹脂組成物及び水性塗料組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物及び水性塗料組成物

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JPH10287789A
JPH10287789A JP9541297A JP9541297A JPH10287789A JP H10287789 A JPH10287789 A JP H10287789A JP 9541297 A JP9541297 A JP 9541297A JP 9541297 A JP9541297 A JP 9541297A JP H10287789 A JPH10287789 A JP H10287789A
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glass transition
resin
aqueous
acid
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JP9541297A
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Toshiyuki Mochida
利之 持田
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、親水性塗膜でありながら、
良好なインキ転移性を持ち、塗膜の耐水性、加工性、付
着性、耐傷付き性に優れ、且つ、塗装性、貯蔵安定性、
作業性に優れる、水性樹脂組成物及び塗料組成物を提供
することである。 【解決手段】 ガラス転移温度が−80〜75℃である
少なくとも2種類の水性アクリル系樹脂(A)、(B)
を含有し、係る水性アクリル系樹脂のうちの1種(A)
のガラス転移温度Tg(A)と他の1種の水性アクリル系樹
脂(B)のガラス転移温度との差が少なくとも45℃以
上であることを特徴とする水性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性樹脂組成物に
関し、詳しくは水性塗料組成物に関する。更に詳しく
は、塗膜の耐水性、加工性、付着性、耐傷付き性に優
れ、且つ、塗装性、貯蔵安定性、作業性に優れる、イン
キ転移性の良好な水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】清涼飲料水等を収容する飲料缶及び食品
を包装する食缶の外面は、美的商品価値の付与や説明的
な事項の表示のための図柄・文字が印刷されている。こ
の印刷は下地金属に対するインキの転移性があまり良く
ないことから、それを改善する目的で、予め前工程とし
て、ベース塗料が塗装されているのが通常である。この
ベース塗料は、その他の役割として缶材の腐食防止や装
飾デザインの美術要素も併せ持っているが、近年、生産
性の向上を目的とした製缶速度の高速化が進められる
中、先に挙げたインキ転移性の改善を目的としたベース
塗料の役割は益々重要となってきている。従来は、エポ
キシ/アミノ系樹脂、アクリル/アミノ系樹脂、ポリエ
ステル/アミノ系樹脂等の有機溶剤溶液がベース塗料と
して、ロールコーターにて塗装され、ガスオーブンにて
焼付硬化されている。しかし、これらの塗料は焼付時に
多量の溶剤揮散をもたらし、大気汚染の原因となり、省
資源の点からも好ましくないことから、水性塗料への移
行が望まれている。しかしながら、ベース塗料が水性塗
料に移行することにより、インキの転移性不良が新たな
問題となった。これはベース塗膜が従来よりも親水性に
富むために、比較的疎水性であるインキとの親和性が低
下することに起因すると考えられる。
【0003】公知の水性塗料には水分散性と水溶性の2
タイプあり、水分散性塗料に使用される樹脂は通常、界
面活性剤を用いて乳化重合法で合成されるものが多く、
一方、界面活性剤を使用しないで有機溶剤中で酸分(カ
ルボキシル基)を含む樹脂を合成し、揮発性塩基で該樹
脂中の酸分(カルボキシル基)を中和せしめることによ
って該樹脂を分散体ないしは水溶性とする方法もある。
いずれのタイプにせよ従来の溶剤型塗料に比べ水に対す
る親和性を確保するために、樹脂骨格はより親水性に設
計する必要がある。インキの転移性を改善するには、ベ
ース塗料の樹脂骨格をなるべく疎水性に設計することが
望ましいが、一方ベース塗料の樹脂骨格を疎水性にする
と水に対する親和性の低下は必至であり、良好な作業性
および貯蔵安定性を維持することは非常に困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは親
水性塗膜でありながら、良好なインキ転移性を持ち、塗
膜の耐水性、加工性、付着性、耐傷付き性に優れ、且
つ、塗装性、貯蔵安定性、作業性に優れる、水性樹脂組
成物及び塗料組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭利研究を
重ねた結果、ガラス転移温度の異なる少なくとも2種類
の水性アクリル樹脂を含有せしめることによって塗膜の
良好なインキ転移性と塗膜の耐水性とを両立し得ること
を見出し本発明に到達した。すなわち、第1の発明は、
ガラス転移温度が−80〜75℃である少なくとも2種
類の水性アクリル系樹脂(A)、(B)を含有し、係る
水性アクリル系樹脂のうちの1種(A)のガラス転移温
度Tg(A)と他の1種の水性アクリル系樹脂(B)のガラ
ス転移温度との差が少なくとも45℃以上であることを
特徴とする水性樹脂組成物である。
【0006】第2の発明は、水性アクリル系樹脂のうち
の1種(A)のガラス転移温度Tg(A)が0〜75℃であ
ることを特徴とする第1の発明記載の水性樹脂組成物で
ある。
【0007】第3の発明は、水性アクリル系樹脂のうち
の他の1種(B)のガラス転移温度Tg(B)が−80〜−
25℃であることを特徴とする第1の発明又は第2発明
記載の水性樹脂組成物である。
【0008】第4の発明は、水性アクリル系樹脂のうち
の1種(A)100重量部に対して水性アクリル系樹脂
のうちの他の1種(B)を5〜45重量部含有すること
を特徴とする第1の発明ないし第3の発明いずれか記載
の水性樹脂組成物である。
【0009】第5の発明は、第1の発明ないし第4の発
明いずれか記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴
とする水性塗料組成物である。
【0010】第6の発明は、飲食料用の缶外面を被覆す
るためのベース塗料であることを特徴とする第5の発明
記載の水性塗料組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水性アクリル
系樹脂(A)(B)としては、ヒドロシキアルキル(メ
タ)アクリレートおよびN−アルコキシアルキル置換ア
ミドの中から選ばれる少なくとも1種のモノマーとα・
βモノエチレン性不飽和カルボン酸およびこれらモノマ
ーと共重合可能なビニルモノマーの共重合物を塩基性物
質で中和せしめることによって水中に可溶ないし分散せ
しめたものである。
【0012】ヒドロシキアルキル(メタ)アクリレート
としては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシアミル(メタ)アクリレート等が例示でき、
【0013】N−アルコキシアルキル置換アミドとして
は、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N
−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド等が例示できるが、これら
に限定されるものではない。これらのヒドロシキアルキ
ル(メタ)アクリレートおよびN−アルコキシアルキル
置換アミドは、1種類あるいは2種類以上の混合物とし
て用いることができる。
【0014】α・βモノエチレン性不飽和カルボン酸
は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸等を例として挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。これらのα・β
モノエチレン性不飽和カルボン酸は1種類あるいは2種
類以上の混合物として用いることができる。
【0015】上記モノマーと共重合可能なビニルモノマ
ーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル
酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メ
タ)アクリル酸のアルキルエステル、またはスチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル
化合物、または酢酸ビニル、ビニルエチルエーテル、ま
たはN,N−ジメチルエチルアミノ(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルエチルアミノ(メタ)アクリレー
ト等のアルキルアミノ(メタ)アクリレート、またはグ
リシジル(メタ)アクリレート等を例として挙げること
ができるがこれらに限定されるものではない。これらの
ビニルモノマーは、1種類あるいは2種類以上の混合物
として用いることができる。
【0016】上記説明したビニルモノマーは、通常の方
法によりラジカル重合し共重合体を得る。例えば、重合
開始剤の存在下、少量づつモノマーを滴下しながら加熱
することにより、ラジカルを発生せしめ、共重合を進行
させる。重合条件に特に制限はないが、通常、重合温度
は50〜150℃、重合開始剤はビニルモノマー全体に
たいして0.1〜10重量%程度添加して行われる。共
重合に要する時間は、反応温度にもよるが通常2〜8時
間程度である。また、共重合において、粘度調整、反応
制御等のために有機溶剤を併用することができる。共重
合終了後、必要に応じて有機溶剤の除去を減圧加熱下で
行い、塩基性物質で水中に可溶ないし分散せしめる。
【0017】重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキ
サイド、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ3,3,
5−トリ−メチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブ
チルパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシジ−イ
ソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3等の過
酸化物系ラジカル重合開始剤、アゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系ラジカル重合
開始剤等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0018】有機溶剤としては、水可溶性溶剤が好まし
く、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ
イソプロピルルエーテル、エチレングリコールモノ−n
−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイ
ソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−
ブチルエーテル、ジエチレングリコール−iso−ブチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル等のグリコールエーテル類、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノー
ル等のアルコール類等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0019】塩基性物質としては、特に制限はないが、
塗膜の耐水性に鑑み用意に揮散させることができるもの
が好ましく、例えば、アンモニア、またはモノエタノー
ルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノール
アミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等の有
機アミンが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0020】以上のようにして得られる水性アクリル系
樹脂のガラス転移温度は−80〜75℃であり、2種類
の水性アクリル系樹脂(A)、(B)のガラス転移温度
の差が45℃以上でなければならない。ガラス転移温度
が−80℃よりも低い場合には、塗膜の十分な耐水性が
得られず、75℃よりも高い場合には、塗膜の十分な加
工性が得られず、ガラス転移温度の差が45℃未満だと
良好なインキ転移性が得られない。
【0021】また、本発明において2種類の水性アクリ
ル系樹脂(A)、(B)のうちガラス転移温度の低い方
の水性アクリル系樹脂(B)のガラス転移温度は−80
〜−25℃の範囲であることが好まし、またガラス転移
温度の高い方の水性アクリル系樹脂(A)のガラス転移
温度は0〜75℃の範囲であることが好ましい。ガラス
転移温度の低い方の水性アクリル系樹脂(B)のガラス
転移温度が−80℃よりも低い場合には、塗膜の耐水性
が不十分になり、−25℃よりも高い場合には良好なイ
ンキ転移性が得難くなる。ガラス転移温度の高い方の水
性アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が0℃よりも
低い場合には、塗膜の十分な耐水性が得られ難く、75
℃よりも高い場合には、塗膜の十分な加工性が得られな
い。
【0022】ガラス転移温度の異なる2種類の水性アク
リル系樹脂を含有せしめることによって、中間のガラス
転移温度の水性アクリル系樹脂を1種類だけ含有せしめ
る場合には発現し得ない程インキの転移性や耐水性に優
れる詳細な理由は良く分かってはいないが、ガラス転移
温度の低い方の水性アクリル系樹脂(B)は比較的鎖長
の長いアルキル(メタ)アクリレートを共重合してなる
ものであり、係る水性アクリル系樹脂(B)はアルキル
基の鎖長が比較的長いために疎水性に富むので、塗装後
の塗膜中においてガラス転移温度の低い方の水性アクリ
ル系樹脂(B)は塗膜の表面近傍に配向し、このために
インキの転移性を向上し得たものであり、塗装後の塗膜
中においてガラス転移温度の高い方の水性アクリル系樹
脂(A)は塗膜の基材側に配向することによって塗膜の
耐水性等を確保し得たものと考えられる。
【0023】さらに、本発明において水性アクリル系樹
脂(A)100重量部に対して、水性アクリル系樹脂
(B)を5〜45重量部併用することが好ましい。水性
アクリル系樹脂(B)が5重量部より少ない場合は、イ
ンキ転移性が不十分となりやすく、また45重量よりも
多い場合は、塗膜の耐水性が不十分となりやすい。
【0024】本発明の水性塗料組成物には、上記水性樹
脂組成物の他、硬化剤として水性アミノ樹脂もしくは水
性エポキシ樹脂を用いることができ、それら単独あるい
は両者を併用しても構わない。また、得られるべき塗膜
物性に照らし、水性ポリエステル樹脂を用いることもで
きる。
【0025】水性アミノ樹脂としては、水性媒体中に溶
解もしくは分散可能なアミノ樹脂であって、尿素樹脂、
メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミンベンゾ
グアナミン共宿合樹脂、フェニレン核に2個のトリアジ
ン環の結合したジグアナミン樹脂、グリコールウリル樹
脂、スピログアナミン樹脂、これらアミノ樹脂の部分又
は完全メチロール化物、あるいはこれらアミノ樹脂の部
分又は完全メチルエーテル化物や部分又は完全メチル・
ブチル混合エーテル化物等が挙げられる。
【0026】水性エポキシ樹脂としては、例えば、ビス
フェノールAジグリシジルエーテルビスフェノールAジ
−β−メチル−ジグリシジルエーテル、テトラヒドロキ
シフェニルメタンテトラグリシジルエーテル、ノボラッ
クグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオ
キサイド付加物のジグリシジルエーテル等のビスフェノ
ール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のエポ
キシ基に多価カルボン酸もしくはその無水物を付加し、
塩基性物質により水中に可溶ないし分散せしめたものが
ある。
【0027】また、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂
やノボラック型エポキシ樹脂と過リン酸、メタリン酸、
三リン酸、四リン酸等のリン酸類とを反応させたエポキ
シホスフェートや、上記のエポキし樹脂中のエポキシ基
の一部とジエチルホスフェート、ジブチルホスフェー
ト、ジオクチルホスフェート、ブチルアシッドホスフェ
ート、イソブチルアシッドホスフェート等のモノヒドロ
キシリン酸ジエステルもしくはジヒドロキシリン酸モノ
エステルと反応せしめた後、モノヒドロキシリン酸ジエ
ステルもしくはジヒドロキシリン酸モノエステルに由来
するリン酸エステルの部分をカルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和単量体中のカルボキシル基と反応せしめエポ
キシ基とエチレン性不飽とを有する化合物を得、次いで
係るエポキシ基とエチレン性不飽和結合とを有する化合
物と、種々のエチレン性不飽和単量体とを付加重合せし
めてなるリン酸変性エポキシ樹脂を、塩基性物質により
水中に可溶ないし分散せしめたものなどがある。また、
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポ
キシ樹脂にアンモニア、第一級アミン、第二級アミン等
の直接窒素原子と結合する活性水素を少なくとも一つ持
つアミンを付加してなるアミン変性エポキシ樹脂などが
ある。
【0028】水性ポリエステル樹脂としては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、トリエチレングリコール、(水素化)
ビスフェノールA等の2価アルコール、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメ
チルアミノメタン、ペンタエリスリット、ジペンタエリ
スリット、ジグリセリン等の2価以上のアルコール等を
アルコール成分とし、(無水)フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバチン酸、テトラヒドロ(無水)フタル
酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)ハイミッ
ク酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
(無水)トリメリット酸メチレンシクロヘキセントリカ
ルボン酸(無水物)、(無水)ピロメリット酸等の多価
カルボン酸もしくはその無水物、および必要に応じて併
用する安息香酸やt−ブチル安息香酸などの一塩基酸を
酸成分として、縮合してなるオイルフリーポリエステル
樹脂、またはヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、サフラワ
ー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油等、および
それらの脂肪酸のうちの一種もしくは二種以上の混合物
である油成分を、上記酸成分およびアルコール成分に加
えて、三成分を反応して得られるアルキッド樹脂、ま
た、不飽和結合を有するポリエステル樹脂にアクリル樹
脂をグラフトにより変性したグラフト変性ポリエステル
樹脂を塩基性物質により水中に可溶ないし分散せしめた
ものなどがある。いずれの塩基性物質も先の水性アクリ
ル樹脂のそれと同様のものを用いることができる。
【0029】本発明の水性塗料組成物は、必要に応じて
硬化助剤としてアミンでブロックした酸触媒、例えばp
−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ジ
ノニルナフタレンジスルホン酸等を樹脂固形分100部
に対し0.1〜1.0部を添加して塗料化する。さら
に、種々の架橋剤を添加することにより、皮膜強度、耐
薬品性に優れた硬化皮膜を形成することができる。例え
ば、ポリアジリジン化合物、ポリカルボジイミド化合
物、金属キレート化合物、ポリオキサゾリン化合物ポリ
イソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート等など
が架橋剤として使用できる。
【0030】本発明の水性塗料組成物には、他の慣用の
成分、例えば有機溶剤、着色顔料、染料、乳化剤、消泡
剤、界面活性剤、分散助剤、増粘剤、熱安定剤、レベリ
ング剤、クレーター防止剤、沈降防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤などを添加することができる。さらに必要に
応じて、水溶性樹脂、水分散性樹脂である、マレイン化
脂肪酸、マレイン化ブタジエン樹脂、ポリエステルポリ
オール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂を混合するこ
ともできる。
【0031】本発明の水性塗料組成物は、ロールコー
ト、スプレー、はけ塗り等の公知の手段により基材に塗
装することができる。基材としては、電気錫メッキ鋼
板、ティンフリースチール、アルミニウムなどの金属基
材がある。また、本発明の水性塗料組成物は、150〜
200℃−10分程度の焼き付けから250℃−5分程
度の高温短時間焼き付けまで幅広い焼き付け条件で硬化
させることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を具体的に説明す
るが、これらは本発明に何等制限を与えるものではな
い。なお、以下の製造例、実施例および比較例におい
て、特に断らない限り「部」は重量部を、「%」は重量
%を意味する。
【0033】製造例1 水性アクリル樹脂(A1)分散
体の製造 温度計、攪拌機、還流冷却器、滴下槽、窒素ガス吹込管
を備えた四口フラスコにエチレングリコールモノ−n−
ブチルエーテル、100部を仕込み、窒素ガスを導入し
つつかき混ぜながら温度を105℃に保ち、滴下槽から
メタアクリル酸メチル30%、アクリル酸10%、2−
ヒドロキシメタアクリレート15%、メタアクリル酸ラ
ウリル20%、アクリル酸2−エチルヘキシル25%の
混合物100部にベンゾイルパーオキサイド5部を溶解
させたものを3時間にわたって滴下した。その後105
℃に保ち1時間反応しベンゾイルパーオキサイド0.5
部を添加し更に1時間反応させて終了した。得られた水
性アクリル樹脂(A1)のガラス転移温度は−10℃で
あった。これを減圧下、100℃でエチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテルを不揮発分83%になるまで
留去し、その後、ジエタノールアミン14.6部と水を
入れ不揮発分50%、残留エチレングリコールモノ−n
−ブチルエーテル10%の透明で粘調な水性アクリル樹
脂(A1)分散体を得た。
【0034】製造例2 水性アクリル樹脂(A2)分散
体の製造 製造例1に従って、メタアクリル酸40%、アクリル酸
10%、2−ヒドロキシメタアクリレート15%、メタ
アクリル酸ラウリル10%、アクリル酸2−エチルヘキ
シル25%のモノマー組成にて同様に重合させ、ガラス
転移温度が6℃である水性アクリル樹脂(A2)の分散
体を得た。
【0035】製造例3 水性アクリル樹脂(A3)分散
体の製造 製造例1に従って、メタアクリル酸50%、アクリル酸
10%、2−ヒドロキシメタアクリレート15%、メタ
アクリル酸ラウリル25%、のモノマー組成にて同様に
重合させ、ガラス転移温度が35℃である水性アクリル
樹脂(A3)の分散体を得た。
【0036】製造例4 水性アクリル樹脂(A4)分散
体の製造 製造例1に従って、メタアクリル酸60%、アクリル酸
10%、2−ヒドロキシメタアクリレート20%、メタ
アクリル酸ラウリル5%、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル5%のモノマー組成にて同様に重合させ、ガラス転移
温度が64℃である水性アクリル樹脂(A4)分散体を
得た。
【0037】製造例5 水性アクリル樹脂(A5)分散
体の製造 製造例1に従って、メタアクリル酸65%、アクリル酸
10%、2−ヒドロキシメタアクリレート20%、メタ
アクリル酸ラウリル5%、のモノマー組成にて同様に重
合させ、ガラス転移温度が80℃である水性アクリル樹
脂(A5)の分散体を得た。
【0038】製造例6 水性アクリル樹脂(B1)分散
体の製造 製造例1に従って、アクリル酸5%、2−ヒドロキシメ
タアクリレート5%、アクリル酸2−エチルヘキシル9
0%のモノマー組成にて同様に重合させ、ガラス転移温
度が−76℃である水性アクリル樹脂(B1)の分散体
を得た。
【0039】製造例7 水性アクリル樹脂(B2)分散
体の製造 製造例1に従って、アクリル酸5%、2−ヒドロキシメ
タアクリレート5%、メタアクリル酸ラウリル25%、
アクリル酸2−エチルヘキシル65%のモノマー組成に
て同様に重合させ、ガラス転移温度が−71℃である水
性アクリル樹脂(B2)の分散体を得た。
【0040】製造例8 水性アクリル樹脂(B3)分散
体の製造 製造例1に従って、メタアクリル酸5%、アクリル酸5
%、2−ヒドロキシメタアクリレート20%、メタアク
リル酸ラウリル20%、アクリル酸2−エチルヘキシル
50%のモノマー組成にて同様に重合させ、ガラス転移
温度が−50℃である水性アクリル樹脂(B3)の分散
体を得た。
【0041】製造例9 水性アクリル樹脂(B4)分散
体の製造 製造例1に従って、メタアクリル酸20%、アクリル酸
10%、2−ヒドロキシメタアクリレート15%、メタ
アクリル酸ラウリル15%、アクリル酸2−エチルヘキ
シル40%のモノマー組成にて同様に重合させ、ガラス
転移温度が−29℃である水性アクリル樹脂(B4)の
分散体を得た。
【0042】製造例10 水性アクリル樹脂(B5)分
散体の製造 製造例1に従って、メタアクリル酸35%、アクリル酸
5%、2−ヒドロキシメタアクリレート15%、メタア
クリル酸ラウリル20%、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル25%のモノマー組成にて同様に重合させ、ガラス転
移温度が−10℃である水性アクリル樹脂(B5)の分
散体を得た。
【0043】実施例1〜12、比較例1〜5 樹脂固形分による各成分の配合比を示した表1に従っ
て、上記製造例で示した水性アクリル樹脂、イミノ型ベ
ンゾグアナミン樹脂(三井サイナミド(株)社製)およ
びリン酸変性エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)
社製、エピコート828のエポキシ基に対して0.5モ
ルのオルトリン酸を混合し、130℃でエポキシ当量が
11,000になる迄反応させたもの)を混合した後、
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルおよび水
を添加して塗料中の有機溶剤量を10%、固形分40%
に調整し、これにp−トルエンスルホン酸アミン塩0.
3%、シリコーン系レベリング剤を0.3%添加して水
性塗料を得た。実施例および比較例で作成した塗料の貯
蔵安定性および塗膜物性について調べた結果を表2に示
した。
【0044】表2における各試験方法は下記の通りであ
る。 ○貯蔵安定性試験 塗料を2ヵ月間常温で保存した後、塗料中の樹脂のゲル
化、分離の状態を観察した。 ○塗装板作成条件 板厚0.23mmの電気メッキブリキにロールコート塗
装により乾燥後塗膜7μになるように塗装し、ガスオー
ブンにて雰囲気温度190℃において10分間焼き付け
塗装板を作成した。 ○インキ転移性試験 塗装板の塗膜面に印刷機によりインキを転移させた時の
印刷色濃度、色むら、色鮮明度を評価した。 ○耐水性試験 塗装板を水中に浸漬し、125℃−30分熱処理を行っ
た後、塗膜の白化および水ぶくれ状態を評価した。 ○加工性試験 JIS Z−2247に準じて、エリクセン試験を行っ
た。 ○付着性試験 JIS K−5400に準じて、碁盤目剥離試験を行っ
た。 ○硬度試験 JIS K−5400に準じて、鉛筆引っかき試験を行
った。 ○耐傷付性試験 市販飲料缶に塗装板を塗膜面が外側になるように巻き付
け、缶同士を接触振動させた後、塗膜の傷付程度を評価
した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の水性塗料組成物は、インキ転移
性に優れ、且つ、貯蔵安定性および塗膜の耐水性、加工
性、付着性、硬度、耐傷付性等に優れており、その用途
としては、清涼飲料水等を収容する飲料缶及び食品を包
装する食缶の外面用ベースコート塗料等として、十分な
性能を発揮することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度が−80〜75℃である
    少なくとも2種類の水性アクリル系樹脂(A)、(B)
    を含有し、係る水性アクリル系樹脂のうちの1種(A)
    のガラス転移温度Tg(A)と他の1種の水性アクリル系樹
    脂(B)のガラス転移温度との差が少なくとも45℃以
    上であることを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 水性アクリル系樹脂のうちの1種(A)
    のガラス転移温度Tg(A)が0〜75℃であることを特徴
    とする請求項1記載の水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 水性アクリル系樹脂のうちの他の1種
    (B)のガラス転移温度Tg(B)が−80〜−25℃であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の水性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 水性アクリル系樹脂のうちの1種(A)
    100重量部に対して水性アクリル系樹脂のうちの他の
    1種(B)を5〜45重量部含有することを特徴とする
    請求項1ないし3いずれか記載の水性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の水性樹
    脂組成物を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 飲食料用の缶外面を被覆するためのベー
    ス塗料であることを特徴とする請求項5記載の水性塗料
    組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020020600A (ko) * 2000-09-09 2002-03-15 황성호 수용성 제관외면 도료용 수지조성물의 제조방법
JP2011144279A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Dic Corp 水性塗料組成物

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