JP2011142318A - 有機光電変換素子及び有機光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、大面積化が可能で、高耐久性なフレキシブル透明電極基板を用いた、光電変換効率に優れた有機光電変換素子を提供することにある。
【解決手段】第一の電極と第二の電極の間に有機光電変換層を有する有機光電変換素子において、前記第一の電極が、少なくとも導電性繊維層と、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層、とを有しており、且つ該導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層の少なくとも一部が架橋されていることを特徴とする有機光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、大面積化にも対応できる光電変換効率に優れた高耐久性な有機光電変換素子に関する。
近年、有機光電変換素子からなる有機薄膜太陽電池は、塗布法で形成できることから大量生産に適した太陽電池として注目され、多くの研究機関で盛んに研究がなされている。
有機薄膜太陽電池は、電子ドナー材料と電子アクセプタ材料を混合した、所謂、バルクヘテロジャンクション構造を採用することにより、課題であった電荷分離効率を向上させている(例えば、特許文献1参照。)。近年では、光電変換効率は5〜6%台まで向上してきており、実用化に向けた研究がより活発化してきた分野と言える。しかしながら、今後の実用化に向けた有機光電変換素子においては、より高い効率で発電する有機光電変換素子の開発が望まれている。
また、有機薄膜太陽電池を、フレキシブル基板を用いた塗布プロセスで製造する場合、所謂、ロール・ツー・ロールプロセスによって従来のシリコーン系太陽電池では実現し得ない製造コストで、安価な太陽電池を製造することが可能である。しかしながら、実用化に向けては、安価で高性能なフレキシブル透明電極基板の開発が大きな課題のひとつになっている。
従来、透明電極としては、ガラスや透明なプラスチックフィルム等の透明基材上に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜を、真空蒸着法やスパッタリング法で製膜した、ITO透明電極が主に使用されてきた。しかし、真空蒸着法やスパッタリング法を用いて形成した透明電極は生産性が悪く、製造コストが高いことや、可撓性に劣るため、フレキシブル性が求められるデバイス用途には適用できないことが問題であった。
生産性に優れた透明電極の作製方法として、カーボンナノチューブ(CNT)や金属ナノワイヤのような導電性繊維を用いる技術も開示されており、導電性繊維の一部を透明樹脂膜で基板に固定し、かつ導電性繊維の一部を透明樹脂膜表面に突起させて電極を形成することが提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。しかし、このような構成の電極は、表面に導電性繊維が突起した部分にしか導電性がないため、面電極としての機能を有しておらず、加えて、表面に導電性繊維が突起しているため、突起部分に過度の抵抗がかかるため、突起部分からの劣化が生じ素子全体の耐久性が劣るといった課題を有していた。
米国特許第5,331,183号明細書 特表2006−519712号公報 米国特許出願公開第2007/0074316号明細書
本発明の目的は、前記事情に鑑みてなされたものであり、大面積化が可能で、高耐久性なフレキシブル透明電極基板を用いた、光電変換効率に優れた有機光電変換素子またその製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の手段によって達成される。
1.第一の電極と第二の電極の間に有機光電変換層を有する有機光電変換素子において、
前記第一の電極が、少なくとも導電性繊維層と、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層、とを有しており、且つ該導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層の少なくとも一部が架橋されていることを特徴とする有機光電変換素子。
2.前記水系バインダーが下記(繰り返し)単位構造を有するポリマー(A)を含有することを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
Figure 2011142318
(式中、X〜Xはそれぞれ水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数5以下のアルキレン基を表す。p、mおよびnは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表し、50≦p+m+n≦100である。)
3.前記ポリアニオンが、アニオン性基として、スルホ基を有することを特徴とする前記1または2に記載の有機光電変換素子。
4.導電性繊維が、金属繊維であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
5.前記第一の電極が、少なくとも金属繊維層と、前記π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーおよび前記(繰り返し)単位構造を有するポリマー(A)含有する透明導電層を含み、形成されていることを特徴とする前記2〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
6.導電性繊維含有液を塗設し乾燥させた後、前記π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーおよび下記(繰り返し)単位構造を有するポリマー(A)含有液を塗設し、第一の電極を形成したのち、有機光電変換層及び第二の電極を形成することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
Figure 2011142318
(式中、X〜Xはそれぞれ水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数5以下のアルキレン基を表す。p、mおよびnは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表し、50≦p+m+n≦100である。)
7.前記第一の電極を構成する前記透明導電層に、導電性微粒子が共存することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
本発明により、高耐久性で、フレキシブルな透明電極基板が得られ、これを用いて大面積化が可能な光電変換効率に優れた有機光電変換素子を得ることができる。
本発明の第一電極の構成を示す模式図である。 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池の一例を示す断面図である。 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。
本発明者らは、塗布プロセスで形成しうる透明導電膜、及びそれを用いた有機光電変換素子の効率向上の課題に関して鋭意検討を行った結果、透明基板上に、該透明基板に近い順から、透明電極である第一の電極と、有機光電変換層と、第二の電極とを有する有機光電変換素子において、該第一の電極が、導電性繊維層と、導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層から構成され、且つ該導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層の少なくとも一部が架橋してなることにより、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子を実現でき、更には透明電極と有機光電変換層を塗布で製造することで製造コストを大幅に軽減出来る、有機光電変換素子の製造方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
本発明で規定する構成を採ることにより、本願発明の目的効果が得られる理由については、本発明者らは以下のように推測している。
有機光電変素子においては、塗布型透明電極として導電性繊維を用いることが報告されている。しかし、これら導電性繊維を用いた電極では、導電性繊維の一部を透明樹脂膜表面に突起させて電極を形成することが必要であり、このような電極では突起部分に過度な抵抗が生じ、電極が劣化してしまい素子全体の耐久性が低下するといった問題があるのが実情である。
本発明の有機光電変換素子は、第一の電極に導電性繊維と、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーと水系バインダーからなる(内部に架橋を有する)透明導電層を有することを特徴とする。この透明導電層により導電性繊維からなる電極表面の突起や異物を透明導電層に埋め込むことができる。
また、この機構の詳細は不明であるが、膜厚を厚くしても、本発明の導電性ポリマーと水系バインダーからなる透明導電層は非水系バインダーのように透明導電層の平滑性が損なわれることがない。これについては、水溶性バインダーが導電性ポリマーと適度にインタラクションがあり、乾燥過程で、ある程度溶媒が揮発すると固形分の移動が抑えられ、乾燥して滑らかな膜を形成できるためと考えている。
以上の突起や異物の埋め込みと、透明導電層の平滑化により、デバイスの電極間のリーク等の有機機能層へのダメージが軽減され、さらには有機光電変換素子の局部的な劣化が抑制されることで、素子全体の耐久性が向上すると考えられる。
さらに、本発明では、導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層の少なくとも一部が架橋した構造をとっている。
この架橋により、透明導電層のミクロな不純物の移動が制限され、膜中の不純物の拡散が抑制されるだけでなく、層の耐水性、耐溶媒性が向上し、透明導電層の湿式洗浄が可能となる。洗浄により膜表面の不純物や異物等を除去でき高平滑な導電層が得られる。このような理由からも、有機光電変換素子の耐久性が向上しているものと考えられる。
また、本発明においては第一の電極を構成する導電性ポリマー層にさらに導電性微粒子を共存させることで、光電変換効率がより向上することを見出している。これは、導電性ポリマー部分に高屈折率を有する微粒子を共存させることで、一度光電変換層内に入射した光を素子内に閉じ込める光閉じ込め効果が発現し、入射光の光路長が長くなり、しいては光電変換層に到達する光量が増えることで、光電変換効率が向上するものと考えられる。
〔第一の電極〕
本発明に係る導電性繊維と、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーおよび前記水系バインダーを有する、第一の電極は有機光電変換素子においては陽極となる。
本発明に係る導電性繊維と、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーおよび水系バインダーを有する第一電極の構成の模式図を図1に示す。本発明に係る第一の電極5は、透明基材4上に少なくとも導電性繊維層1とπ共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーおよび水系バインダーからなる内部に架橋を含む透明導電層2を含んでおり、好ましい構成として、透明基材に近い側に導電性繊維があり、導電性繊維を完全に埋め込むように透明導電層2が積層されており、透明導電層2の中に光を散乱させる透明微粒子3が含まれていることである。
本発明に係る第1電極5においては、全光線透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。全光透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。また、本発明の第1電極部の電気抵抗値としては、表面抵抗率として50Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましく、3Ω/□以下であることが特に好ましい。50Ω/□を越えると受光面積の広い有機光電変換素子では光電変換効率が劣る場合がある。前記表面抵抗率は、例えば、JIS K 7194:1994(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)などに準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
本発明に係る透明電極の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的に10μm以下であることが好ましく、厚みが薄くなるほど透明性や柔軟性が向上するためより好ましい。
〔導電性繊維〕
本発明に係る導電性繊維層とは、導電性繊維により構成された細線パターン(線状構造体)である場合と、バインダー中に導電性繊維が分散されてとふされた層である場合を意味する。
本発明に係る導電性繊維としては、金属でコーティングした有機繊維や無機繊維、導電性金属酸化物繊維、金属繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ等を用いることができるが、金属繊維が好ましい。
一般に、金属繊維とは、金属元素を主要な構成要素とする線状構造体のことをいう。特に、本発明における金属繊維とはnm〜μmサイズの直径を有するものをいう。
本発明に係る金属細線パターンにおいては、パターン形状としては特に制限はないが、例えば、三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、(正)六角形、(正)八角形等を組み合わせた幾何学図形からなるメッシュ状のパターンを挙げることができる。また、複数の平行なラインからなるストライプ状であっても良い。例えば、線幅10〜200μm、線間隔が200〜3000μmのストライプや格子状を挙げることができる。金属細線パターンの高さは、導電性ポリマー含有層の関係を満たすことができれば特に制限はないが、本発明の関係を容易に満足するには100nm以上、1000nm以下であることが好ましく、150nm以上、800nm以下であることがより好ましい。
導電性細線パターンは、導電性ポリマー含有層を併用しない単独のフィルムで、30Ω/□以下の導電性を有することが好ましく、さらに5Ω/□以下であることが好ましく、1Ω/□以下であることが最も好ましい。
本発明に係る金属繊維が分散されて塗布された層としては、1つの金属繊維で長い導電パスを形成するために、また、適度な光散乱性を発現するために、平均長さが3μm以上であることが好ましく、さらには3〜500μmが好ましく、特に3〜300μmであることが好ましい。併せて、長さの相対標準偏差は40%以下であることが好ましい。また、平均直径は、透明性の観点からは小さいことが好ましく、一方で、導電性の観点からは大きい方が好ましい。本発明においては、金属繊維の平均直径として10〜300nmが好ましく、30〜200nmであることがより好ましい。併せて、直径の相対標準偏差は20%以下であることが好ましい。
本発明に係る金属繊維の金属組成としては特に制限はなく、貴金属元素や卑金属元素の1種または複数の金属から構成することができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)及び鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から少なくとも銀を含むことがより好ましい。また、導電性と安定性(金属繊維の硫化や酸化耐性、及びマイグレーション耐性)を両立するために、銀と、銀を除く貴金属に属する少なくとも1種の金属を含むことも好ましい。
本発明に係る金属繊維が2種類以上の金属元素を含む場合には、例えば、金属繊維の表面と内部で金属組成が異なっていてもよいし、金属繊維全体が同一の金属組成を有していてもよい。
本発明において、金属繊維の製造手段には特に制限はなく、例えば、液相法や気相法等の公知の手段を用いることができる。また、具体的な製造方法にも特に制限はなく、公知の製造方法を用いることができる。金属繊維の一例である金属ナノワイヤの製造方法としては、例えば、Agナノワイヤの製造方法としては、Adv.Mater.,2002,14,833〜837;Chem.Mater.,2002,14,4736〜4745等、Auナノワイヤの製造方法としては特開2006−233252号公報等、Cuナノワイヤの製造方法としては特開2002−266007号公報等、Coナノワイヤの製造方法としては特開2004−149871号公報等を参考にすることができる。特に、上述した、Adv.Mater.及びChem.Mater.で報告されたAgナノワイヤの製造方法は、水系で簡便にAgナノワイヤを製造することができ、また銀の導電率は金属中で最大であることから、本発明に係る金属繊維の製造方法として好ましく適用することができる。
本発明においては、金属繊維が互いに接触し合うことにより3次元的な導電ネットワークを形成し、高い導電性を発現するとともに、金属繊維が存在しない導電ネットワークの窓部を光が透過することが可能となり、さらに、金属繊維の散乱効果によって、有機光電変換層部からの発電を効率的に行うことが可能となる。
〔第1電極の金属繊維以外の構成について〕
本発明においては、第一の電極に金属繊維を含有させることで、金属繊維の光を散乱させる効果に加えて、金属繊維が高い導電性を有しているので導電性を劣化させることなく他の比較的低屈折率の樹脂等を併用することが可能となり、これによって第一の電極の屈折率を光電変換層部よりも低く抑えることが可能となって、基材、第一の電極、光電変換層部の各界面の反射を抑制し、光電変換層部に有効に光を到達させることができる。この効果を有効に発現させるためには、第一の電極の平均の屈折率が光電変換層部の平均の屈折率よりも低いことが好ましい。
本発明に係る第一の電極は金属繊維を含有するが、金属繊維を保持するために何らかの透明樹脂や透明無機材料などと併用することが好ましく、前述の屈折率の関係を満足するように材料を適宜選択すればよい。こうした材は特に限定はないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ブチラール系樹脂等を単独あるいは複数併用して用いることができる。また、UV硬化樹脂であってもよい。
〔微粒子〕
本発明においては、第一の電極部に金属繊維を含有させることで、金属繊維の光を散乱させる効果に加えて、金属繊維が高い導電性を有しているので導電性を劣化させることなく他の比較的高屈折率の微粒子や樹脂等の第二の透明成分を透明導電層中に併用することが可能となる。これによって第一の電極部の屈折率を光電変換層部よりも高くすることが可能となり、これらの相乗効果によって第一の電極部に効果的に光を閉じ込めることが可能となる。
この効果を有効に発現させるためには、第一電極部の平均の屈折率が有機光電変換層部の平均の屈折率よりも高いことが必要である。このような第二の透明成分としては透明導電性金属酸化物を好ましく用いることができる。導電性ポリマーあるいは透明導電性金属酸化物を用いることで金属繊維の存在しない窓部の微小領域にも通電することが可能となり完全な面電極として機能させることが可能となる。このように完全な面電極として働かせるためは、導電材料単独での面抵抗が1010Ω/□よりも小さいことが必要で、10Ω/□以下であることがより好ましい。
また、透明導電性金属酸化物としては、ZrO、CeO、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO、V等の金属酸化物微粒子やこれらの複合酸化物微粒子や異種原子をドーピングした複合金属酸化物微粒子、あるいはこれらの金属酸化物ゾルを挙げることができ、中でも、さらに、導電性や透明性の点から、錫や亜鉛をドープした酸化インジウム(ITO、IZO)、アルミニウムやガリウムをドープした酸化亜鉛(AZO、GZO)、フッ素やアンチモンをドープした酸化錫(FTO、ATO)等の微粒子やゾルを好ましく用いることができる。これらは単独で用いても良いが、他の樹脂成分と併用しても良い。
粒子径は0.05から5μmであることが好ましく、0.05から2μmであることがより好ましい。0.05μm未満では光を散乱、屈折させる効果が小さく、5μmよりも大きいと平滑性が問題となる。粒子の屈折率は1.7から3.0であることが好ましく、1.75から2.3であることがより好ましい。この範囲であれば光を後方散乱する成分が多く、透過率の低下を抑えながら光閉じ込め効率を向上できる。
〔導電性ポリマー〕
本発明に係る導電性ポリマーはπ共役系導電性高分子とポリアニオン(ポリ陰イオン)とを含んで成る導電性ポリマーである。こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
(π共役系導電性高分子)
本発明に用いるπ共役系導電性高分子としては、特に限定されず、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェンであることが最も好ましい。
(π共役系導電性高分子前駆体モノマー)
前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
(ポリアニオン)
ポリアニオンは、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものである。
このポリアニオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。また、ポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。特にスルホ基が好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にFを有するポリアニオンであっても良い。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Du pont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)などをあげることができる。
これらのうち、スルホン酸を有する化合物であると、導電性ポリマー含有層を塗布、乾燥することによって形成した後に、100℃以上200℃以下の温度で5分以上の加熱処理を施した場合、この塗布膜の洗浄耐性や溶媒耐性が著しく向上することから、より好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリ陰イオンは、水系バインダーとの相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くできる。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリアニオン塩である場合には、ポリアニオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
こうした導電性ポリマーは市販の材料も好ましく利用できる。
例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、H.C.Starck社からCleviosシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSSの483095、560596として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明において、こうした剤も好ましく用いることが出来る。
2nd.ドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。本発明で用いることができる水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物などが挙げられる。前記水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどが挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
〔水系バインダー〕
本発明に係る水系バインダーは、導電性ポリマーとともに透明導電層を形成する。本発明に係る透明導電層の少なくとも一部は架橋されている。本発明において、透明導電層の少なくとも一部が架橋されているとは、水系バインダーの一部が架橋構造をとる場合と、水系バインダーと導電性ポリマーとが架橋構造をとる場合がある。本発明においては、どちらでも、両者併用でも本発明の効果を奏する。これにより、透明導電層のミクロな不純物の移動が制限され、膜中の不純物の拡散が抑制され、有機光電変換阻止の耐久性が改善される。
また、この機構の詳細は不明であるが、膜厚を厚くしても、本発明に係る導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層は非水系バインダーのように透明導電層の平滑性が損なわれることがなく、その結果からしても、有機光電変換素子の寿命や保存性が改善される。
本発明において、水系バインダーは、水系溶媒に溶解或いは分散できるポリマーマトリクス樹脂が好ましい。ここで、水系溶媒とは、50質量%以上が水である溶媒を表す。もちろん、純水であっても良い。水以外の成分としては、水に相溶する溶剤であれば特に制限はないが、アルコール系の溶媒を好ましく用いることができる。
また、本発明において、水系バインダーは、導電性ポリマーまたは水系バインダー自身、または後述する架橋剤と反応する反応基を含むものである。これらの水系バインダーとしては各種樹脂を用いることができ、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂等を単独あるいは複数併用して用い、反応基は以下に限定されないが、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミド基などの反応基を持てばよく、このうちでも水酸基もつものが好ましい。
水系バインダーは少なくとも一部において、導電性ポリマーと、また、水系バインダー自身と架橋をもつため、透明導電層中には水系バインダーの架橋剤を含んでいてもよく、架橋剤としては、バインダー樹脂との相溶性があり、架橋構造を作ることができれば特に限定されない。例えば架橋剤として、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、ホルムアルデヒド系架橋剤等を単独あるいは複数併用して用いることができる。
これら架橋剤のうち、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤を特に好ましく用いることができる。
エポキシ系架橋剤としては、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物であり、例としては、例えばデナコールEX313、EX614B、EX521、EX512、EX1310、EX1410、EX610U、EX212、EX622、EX721(以上、ナガセケムテックス製)等がある。
メラミン系架橋剤としては、分子内に2つ以上のメチロール基を有する化合物であり、例として、ヘキサメチロールメラミンが挙げられる。また、市販のメラミン系架橋剤の例としては、ベッカミンM−3、ベッカミンFM−180、ベッカミンNS−19(以上、DIC(株)製)が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例としては、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等がある。市販のイソシアネート、スミジュールN3300(住化バイエルウレタン製)、コロネートL、ミリオネートMR−400(以上、日本ポリウレタン工業製)等を利用することも可能である。
透明導電層中の架橋構造として、水系バインダーと導電性ポリマーとが架橋構造をとる場合が好ましく、この方法だと、別に架橋剤を用いずに、透明導電層内部に架橋構造を導入することが出来る。
特に、導電性ポリマーの陰イオン成分が複数のスルホン酸基をもつポリアニオンであり、前記水系バインダーの反応基が水酸基(OH基)を有するとき、導電性ポリマーの陰イオン成分と水系バインダーの反応基が架橋する。ポリアニオン酸を有する導電性ポリマー、例えば、市販の導電性ポリマーであるPEDOT−PSSは、ドーパントとしてスルホン酸基を有するポリアニオンを含有しており、水溶液のpHは強酸性(pH1〜3)でああるため、酸触媒として作用し、水酸基(OH基)を有する水系バインダーと反応し架橋する。これにより導電性ポリマーが、安定化し、乖離を抑えるため、有機電子デバイスが長寿命化し好ましい。さらに、導電性ポリマーの陰イオン成分がスルホン酸基であり、水系バインダーとして、前記ポリマー(A)のような構造をとるポリマーマトリクス樹脂を用いると、ポリマー(A)が導電性をアシストする効果があり、透明導電層の導電性と透過率を損なうことがない。
また、本発明において、架橋は水系バインダーに含まれる反応基である、例えば水酸基の一部が、導電性ポリマーのポリアニオンがスルホン酸基を有するポリアニオンである場合、導電性ポリマーは強酸性であるため、ポリアニオンが触媒となり親水性ポリマーのOH基同士が脱水反応することで、エーテル結合を形成してポリマー分子を架橋することができる。加熱処理等を行うことも好ましい。
これらの架橋については、透明導電層のガラス転移温度やナノインデンテーション弾性率の変化、さらにFTIR測定による官能基の変化により測定できる。さらに、スルホン酸基が存在する場合、スルホン酸基と水系バインダーの反応基が結合して、安定化しスルホン酸基の乖離を抑えることができる。
これらによれば、架橋剤に比べて、余計な剤を添加することなく膜を緻密に架橋でき、未反応、失活した剤が悪影響をすることがなくより好ましい方法である。
本発明においては、前記架橋反応を進めるために、追加の熱処理をすることが好ましい。熱処理の条件としては、剤にもよるが、例えば、100℃以上200℃以下の温度で5分以上の追加の加熱処理を施すことが好ましい。処理温度としては110℃以上160℃以下であることがより好ましく、処理時間としては15分以上であることがより好ましい。処理時間の上限は特にないが、生産性を考えると120分以下であることが好ましい。
(ポリマー(A))
ポリマー(A)は主たる共重合成分が下記モノマー1〜3で表されるモノマーであり、共重合成分の50mol%以上の成分が下記モノマー1〜3のいずれか、あるいは、下記モノマー1〜3の成分の合計が50mol%以上ある共重合ポリマーである。下記モノマー1〜3の成分の合計が80mol%以上であることがより好ましく、さらに、下記モノマー1〜3いずれか単独のモノマーから形成されたホモポリマーであっても良く、また、好ましい実施形態である。
モノマー1
CH=CX−O−R−OH
モノマー2
CH=CX−COO−R−OH
モノマー3
CH=CX−CONH−R−OH
式中、X、X、X、R、R、Rは、それぞれ、前記ポリマー(A)のX、X、X、R、R、Rと同義の基を表す。
ポリマー(A)においては、他のモノマー成分が共重合されていてもかまわないが、親水性の高いモノマー成分であることがより好ましい。
また、ポリマー(A)は数平均分子量において、1000以下の含有量が0〜5%以下であることが好ましい。低分子成分が少ないことで、デバイスの保存性や、透明導電層に対して垂直方向に電荷をやりとりする際の、層に対して垂直方向に障壁があるような挙動をより低下させることができる。
モノマー1の例としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等が挙げられ、モノマー2としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、等、モノマー3の例としては、N−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等があげられる。
このポリマー(A)の数平均分子量において、1000以下の含有量が0〜5%以下とする方法としては、再沈殿法、分取GPCにより、また、リビング重合による単分散のポリマーを合成等により、低分子量成分を除去する、または低分子量成分の生成を抑制する方法を用いることができる。再沈殿法は、ポリマーが溶解可能な溶媒へ溶解し、ポリマーを溶解した溶媒より溶解性の低い溶媒中へ滴下することにより、ポリマーを析出させ、モノマー、触媒、オリゴマー等の低分子量成分を除去する方法である。また、分取GPCは例えばリサイクル分取GPCLC−9100(日本分析工業社製)、ポリスチレンゲルカラムで、ポリマーを溶解した溶液をカラムに通すことにより分子量で分けることができ、所望の低分子量をカットすることができる方法である。リビング重合は、開始種の生成が経時で変化せず、また停止反応等の副反応が少なく、分子量の揃ったポリマーが得られる。分子量はモノマーの添加量により調整できるため、例えば分子量を2万のポリマーを合成すれば、低分子量体の生成を抑制することができる。生産適性から、再沈殿法、リビング重合が好ましい。
本発明に係る水系バインダーの数平均分子量、重量平均分子量の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行うことができる。分子量分布は(重量平均分子量/数平均分子量)の比で表すことができる。使用する溶媒は、水系バインダーが溶解すれば特に制限はなく、THF、DMF、CHClが好ましく、より好ましくはTHF、DMFであり、更に好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
本発明に係るポリマー(A)の数平均分子量は、3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは4,000〜500,000、更に好ましくは5000〜100000の範囲内である。
本発明に係るポリマー(A)は、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、分子量分布の分散度Mw/Mnは1.01〜1.30が好ましく、より好ましくは1.01〜1.25である。
数平均分子量1000以下の含有量はGPCにより得られた分布において、数平均分子量1000以下の面積を積算し、分布全体の面積で割ることで割合を換算した。
リビングラジカル重合溶剤は、反応条件下で不活性であり、モノマー、生成するポリマーを溶解できれば特に制限はないが、アルコール系溶媒と水の混合溶媒が好ましい。リビングラジカル重合温度は、使用する開始剤によって異なるが、一般に−10〜250℃、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜100℃で実施される。
導電性ポリマーとポリマー(A)の比率は、導電性ポリマーを100質量部とした時、ポリマー(A)が30質量部から900質量部であることが好ましく、リーク防止、ポリマー(A)の導電性アシスト効果、透明性の視点からは、ポリマー(A)が100質量部以上であることがより好ましい。
〔透明導電層〕
本発明において、透明導電層は、少なくとも導電性ポリマーと水系バインダーからなる混合液を、第一の透明電極上に塗布、乾燥することで形成することを特徴とする。また、塗布液中の固形分の濃度は0.5質量%から30質量%であることが好ましく、1質量%から20質量%であることが、液の停滞安定性、塗布膜の平滑性や、リーク防止効果の発現の視点で、より好ましい。
塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。
透明導電層の乾燥膜厚は30nmから2000nmであることが好ましい。本発明の導電層は100nmを切る領域では導電性の低下が大きくなることから100nm以上であることがより好ましく、リーク防止効果をより高める視点からは200nm以上であることがさらに好ましい。また、高い透過率を維持する視点から1000nm以下であることがより好ましい。
塗布した後、適宜乾燥処理を施す。乾燥処理の条件として特に制限はないが、基材や導電性ポリマー含有層が損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。例えば、80から150℃で10秒から30分の乾燥処理をすることができる。
特に、ポリアニオンがスルホン酸を有するポリ陰イオンである場合、塗布乾燥により、膜を形成した後に、100℃以上200℃以下の温度で5分以上の追加の加熱処理を施すことが好ましい。これにより、透明導電層の洗浄耐性、溶媒耐性が著しく向上する。また、保存性も向上する。100℃未満では効果が小さく、200℃を超える場合も別な反応も増えるためか、効果が小さくなる。処理温度としては110℃以上160℃以下であることがより好ましく、処理時間としては15分以上であることがより好ましい。処理時間の上限は特にないが、生産性を考えると120分以下であることが好ましい。
また、濡れ性の観点から、透明導電層は表面処理を施してもよく、表面処理については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
本発明では、第一の電極を形成する導電性繊維層と有機機能層の間に透明導電層を有することが好ましく、この層構成により、電極の一部に局所的な抵抗がかかることが軽減され、有機光電変換素子の耐久性が向上するものと考えられる。
(パターニング)
本発明に係る第一の電極はパターニングされていても良い。パターニングの方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。例えば、離型面上にパターニングされた金属繊維や導電性ポリマーあるいは透明導電性金属酸化物を含む層を形成した後、透明基材上に転写することによってパターニングされた透明電極を形成することができ、具体的には、以下のような方法を好ましく用いることができる。
i)離型性基板上に印刷法を用いて金属繊維や導電性ポリマー及び水系バインダーを含む層をパターン様に直接形成する方法
ii)離型性基板上に金属繊維や導電性ポリマー及び水系バインダーまた透明導電性金属酸化物を含む層を一様に形成した後、一般的なフォトリソプロセスを用いてパターニングする方法
iii)例えば紫外線硬化型樹脂を含む金属繊維や導電性ポリマー及び水系バインダーあるいは透明導電性金属酸化物を含む層を一様に形成した後、フォトリソプロセス様にパターニングする方法
iv)離型性基板上に予めフォトレジストで形成したネガパターン上に本発明に係る金属繊維や導電性ポリマー及び水系バインダーまた透明導電性金属酸化物を含む層を一様に形成し、リフトオフ法を用いてパターニングする方法。
上記のいずれの方法においても、離型性基板上でパターニングした金属繊維や導電性ポリマー及び水系バインダーまた透明導電性金属酸化物を含む層を透明基材上に転写することにより、パターニングされた透明電極を形成することができる。
(有機光電変換素子及び太陽電池の構成)
図2は、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池の一例を示す断面図である。図2において、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10は、基板11の一方面上に、陽極12、正孔輸送層17、バルクヘテロジャンクション層の光電変換部14、電子輸送層18及び陰極13が順次積層されている。
基板11は、順次積層された陽極12、光電変換部14及び陰極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11は、この光電変換される光を透過させることが可能な、すなわち、この光電変換すべき光の波長に対して透明な部材である。基板11は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は、必須ではなく、例えば、光電変換部14の両面に陽極12及び陰極13を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。
光電変換部14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
図2において、基板11を介して陽極12から入射された光は、光電変換部14のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、陽極12と陰極13の仕事関数が異なる場合では陽極12と陰極13との電位差によって、電子は、電子受容体間を通り、また正孔は、電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。例えば、陽極12の仕事関数が陰極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は陽極12へ、正孔は陰極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば、電子と正孔はこれとは逆方向に輸送される。また、陽極12と陰極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
なお図2には記載していないが、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層、あるいは平滑化層等の他の層を有していてもよい。
さらに好ましい構成としては、前記光電変換部14が、いわゆるp−i−nの三層構成となっている構成(図3)である。通常のバルクヘテロジャンクション層は、p型半導体材料とn型半導体層が混合した、14i層単体であるが、p型半導体材料単体からなる14p層、及びn型半導体材料単体からなる14n層で挟むことにより、正孔及び電子の整流性がより高くなり、電荷分離した正孔・電子の再結合等によるロスが低減され、一層高い光電変換効率を得ることができる。
さらに、太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。図4は、タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。タンデム型構成の場合、基板11上に、順次陽極12、第1の光電変換部14′を積層した後、電荷再結合層15を積層した後、第2の光電変換部16、次いで陰極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の光電変換部16は、第1の光電変換部14′の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。また第1の光電変換部14′、第2の光電変換部16がともに前述のp−i−nの三層構成であってもよい。
(電子ブロック層(EBL))
電子ブロック層に用いる材料としては、電子供与性有機材料を好ましく用いることができる。電子供与性化合物でなくとも、十分な電子ブロック性を有する化合物であれば用いることは可能である。ここで、電子ブロック性とは、光電変換層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりもエネルギー準位が浅いLUMO準位を有することで、光電変換層で発生した電子を第1の電極側に輸送せず、結果として優れた整流特性を示す素子ができる。このような整流特性を電子ブロック能とも呼ぶ。
前記光電変換層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位と、電子ブロック層を成す材料のLUMO準位とのエネルギー準位差は、0.5eV以上電子ブロック層が浅ければよく、好ましくは1.0eV以上、最も好ましくは1.5eV以上浅いことが本発明において好ましい態様である。
ここで電子ブロック層に好ましく用いることが出来る材料と、正孔輸送層に好ましく用いる材料の区別は、主に素子の直列抵抗に対する膜厚依存性の大きさから判断される。特に、電子ブロック層に好ましく用いられる材料は、HOMO準位とLUMO準位の間に中間順位(内部欠陥準位や不純物準位)の存在量が少なく電子ブロック能には優れるが、一般的には膜厚に大きく依存して厚くなる程、極端に素子の直列抵抗が増大する。
具体例としては、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン(TPD)や4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物やその誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4′,4″−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポルフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体等を好ましく用いることができる。
電子ブロック層の好ましい膜厚範囲としては、0.5nm以上〜20nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上〜10nm以下、最も好ましくは1.5nm以上〜10nm以下である。0.5nm以上あれば、膜厚を安定的に得ることができ、20nm以内であれば、素子の直列抵抗が上昇するのを十分に抑えられるため本発明において好ましい形態である。
(正孔輸送層(HTL))
本発明において、正孔輸送層(HTL)を構成する材料としては、電子供与性材料を好ましく用いることができる。ホールの移動度を高めるために、様々なドープが施された材料も本発明では好ましく用いることができる。
ここで正孔輸送層に好ましく用いることが出来る材料と、電子ブロック層に好ましく用いる材料の区別は、主に素子の直列抵抗に対する膜厚依存性の大きさから判断される。特に、正孔輸送層に好ましく用いられる材料は、電子ブロック能が比較的高くなくても、膜厚に対して直列抵抗値が大きく変化せず、高いホール輸送性を有していることが好ましい。
具体例としては、スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP等のPEDOT−PSS、ポリアニリン及びそのドープ材料などを用いることができる。更に、正孔輸送層に用いられる材料は、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いるp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。バルクヘテロジャンクション層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
正孔輸送層の好ましい膜厚範囲としては、5nm以上〜100nm以下が好ましく、10nm以上〜70nm以下がより好ましく、15nm以上〜50nm以下が最も好ましい。5nm以上あれば、正孔輸送層を安定して製膜でき、100nm以下であれば、素子の直列抵抗が上昇するのを抑制できるため本発明において好ましい形態である。
更に本発明の好ましい態様として、前記正孔輸送層の膜厚をa、前記電子ブロック層の膜厚をb、としたときに、50>a>3×bの関係が成り立つことが本発明において更に好ましい。
(正孔ブロック層(HBL))
正孔ブロック層には、電子受容性有機材料を用いることができる。電子受容性化合物でなくとも、十分な正孔ブロック性を有する化合物であれば用いることは可能である。ここで、正孔ブロック性とは、光電変換層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりもエネルギー準位が深いHOMO準位を有することで、光電変換層で発生した正孔を第2の電極側に輸送せず、結果として優れた整流特性を示す素子ができる。このような整流特性を正孔ブロック能とも呼ぶ。
前記光電変換層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位と、正孔ブロック層を成す材料のHOMO準位とのエネルギー準位差は、0.5eV以上正孔ブロック層が深ければよく、好ましくは1.0eV以上、最も好ましくは1.5eV以上深いことが本発明において好ましい態様である。
ここで正孔ブロック層に好ましく用いることが出来る材料と、電子輸送層に好ましく用いる材料の区別は、主に素子の直列抵抗に対する膜厚依存性の大きさから判断される。特に、正孔ブロック層に好ましく用いられる材料は、HOMO準位とLUMO準位の間に中間順位(内部欠陥準位や不純物準位)の存在量が少なく正孔ブロック能には優れるが、一般的には膜厚に大きく依存して厚くなる程、極端に素子の直列抵抗が増大する。
本発明に好ましく用いることができる正孔ブロック層の材料例として、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、及びこれらの誘導体、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール化合物誘導体、及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。
また、電子受容性有機材料でなくとも、十分な電子輸送性を有する材料ならば使用することは可能である。ポルフィリン系化合物や、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、DCM(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(4−(ジメチルアミノスチリル))−4Hピラン)等のスチリル系化合物、4Hピラン系化合物を用いることができる。
正孔ブロック層の好ましい膜厚範囲としては、0.5nm以上〜20nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上〜10nm以下、最も好ましくは1.5nm以上〜10nm以下である。0.5nm以上あれば、膜厚を安定的に得ることができ、20nm以内であれば、素子の直列抵抗が上昇するのを十分に抑えられるため本発明において好ましい形態である。
(電子輸送層ETL)
本発明において、電子輸送層ETLを構成する材料としては、電子受容性材料を好ましく用いることができる。ここで電子輸送層に好ましく用いることが出来る材料と、正孔ブロック層に好ましく用いることが出来る材料の区別は、主に素子の直列抵抗に対する膜厚依存性の大きさから判断される。特に、電子輸送層に好ましく用いられる材料は、正孔ブロック能が比較的高くなくても、膜厚に対して直列抵抗値が大きく変化せず、高い電子輸送性を有していることが好ましい。
電子輸送層に好ましく用いることができる材料例としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、WO2006/019270号、WO2007/146250号等に記載のシアン化合物、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物、また、バルクヘテロジャンクション層に用いるn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。
これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。このとき、電子輸送層の塗布によって、下層のバルクヘテロジャンクション層が溶解しないように、耐リンス性の高い溶媒種や材料を適宜選択し用いることが本発明において好ましい。
電子輸送層の好ましい膜厚範囲としては、5nm以上〜100nm以下が好ましく、10nm以上〜70nm以下がより好ましく、15nm以上〜50nm以下が最も好ましい。5nm以上あれば、電子輸送層を安定して製膜でき、100nm以下であれば、素子の直列抵抗が上昇するのを抑制できるため本発明において好ましい形態である。
更に本発明の好ましい態様として、前記電子輸送層の膜厚をc、前記正孔ブロック層の膜厚をd、としたときに、50>c>3×dの関係が成り立つことが本発明において更に好ましい。
(光電変換層・バルクヘテロジャンクション層)
光電変換層は正孔を輸送するp型半導体材料と、電子を輸送するn型半導体材料を含有する。光吸収によって発生した励起子を効率よく電荷分離させるために、これらp型半導体材料とn型半導体材料との、2層構造を有することが基本となる。更に、本発明においては、光電変換層の1層に該p型半導体材料とn型半導体材料とを混合した状態のバルクヘテロジャンクション構造を形成させることが光電変換効率の点で好ましい。
更には、p型半導体材料とn型半導体材料単体からなる層でバルクヘテロジャンクション構造の光電変換層を挟み込むような構成(p−i−n構成ともいう)であっても良い。
通常のバルクヘテロジャンクション層は、p型半導体材料とn型半導体層が混合した、i層単体であるが、p型半導体材料単体からなるp層、およびn型半導体材料単体からなるn層で挟むことにより、正孔及び電子の整流性がより高くなり、電荷分離した正孔・電子の再結合等によるロスが低減され、一層高い光電変換効率を得ることができる。
本発明においては、発電に寄与するp型半導体材料もしくはn型半導体材料を用いた場合、p−i−n構造を形成する材料は明確に光電変換層の一部として機能する層として用いられる。
(p型半導体材料)
本発明において、光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマー・オリゴマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17, Fukuoka, Japan, 2007, P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008/000664号に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv Mater,2007p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
また、光電変換層上に電子輸送層を塗布で製膜する場合、電子輸送層溶液が光電変換層を溶かしてしまうという課題があるため、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料を用いても良い。
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号、および特開2008−16834号等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料などを挙げることができる。
(n型半導体材料)
本発明において、バルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
上述したn型半導体材料の中で、特にp型半導体材料との相互作用において、高い電荷分離能(〜50fsの高速な電子注入)が期待できるフラーレン誘導体が最も好ましい。
フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でも[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7329709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
(その他の機能層)
光電変換層14に外部光を入射させるためには、前記基板11及び第1の電極(陽極12)、もしくは第2の電極(陰極13)が発電に寄与する光の波長域に対して実質透明であることが好ましい。基板11と第1の電極(陽極12)が透明で、且つ、第2の電極(陰極13)が、第1の電極側から入射して光電変換層14を透過してきた光を反射させる構成であることがより好ましい。また、基板及び第1の電極(陽極12)、第2の電極(陰極13)が共に透明である構成も、本発明において好ましく用いることができる。
第1の電極が正極である場合は、正孔と電子からなるキャリアの内、正孔を主に取り出す構成のため、上述した様に、第1の電極と光電変換層の間に正孔輸送層を有することが好ましい。同様に、第2の電極が陰極である場合は電子を主に取り出す構成のため、第2の電極と光電変換層との間に電子輸送層を有することが好ましい。
さらに、太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。積層されたそれぞれの光電変換層は、同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。
太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、図2に示す光電変換素子10におけるサンドイッチ構造に替わって、一対の櫛歯状電極上に素子を形成させたバックコンタクト型の有機光電変換素子が構成とすることもできる。
更には図2には記載していないが、エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層、平滑化層等などを挙げることができる。
(第二の電極(対電極))
本発明において、第2の電極(対電極)は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用しても良い。対電極の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子の取り出し性能及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。対電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
対電極の導電材として金属材料を用いれば対電極側に来た光は反射されて第1の電極側に反射され、この光が再利用可能となり、光電変換層で再度吸収され、より光電変換効率が向上し好ましい。
また、対電極は、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤ、ナノ構造体であってもよく、ナノワイヤの分散物であれば、透明で導電性の高い対電極を塗布法により形成でき好ましい。
また、対電極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対電極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、上記透明電極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性対電極とすることができる。
(基板)
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
(光学機能層)
本発明の有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していて良い。光学機能層としては、たとえば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、陰極で反射した光を散乱させて再度光電変換層に入射させることができるような光拡散層などを設けても良い。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
また光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属または各種無機酸化物などのナノ粒子・ナノワイヤ等を無色透明なポリマーに分散した層などを挙げることができる。
(製膜方法・表面処理方法)
電子受容体と電子供与体とが混合された光電変換層、および輸送層・電極の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、光電変換層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また塗布法は、製造速度にも優れている。
この際に使用する塗布方法に制限は無いが、例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。さらには、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法でパターニングすることもできる。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、光電変換層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、光電変換層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)14は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。
(封止)
作製した有機光電変換素子が大気中の酸素、水分等で劣化しないために、有機光電変換素子だけでなく有機エレクトロルミネッセンス素子などで公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)または有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
更に本発明においては、エネルギー変換効率と素子寿命向上の観点から、素子全体を2枚のバリア付き基板で封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター等を同封した構成であることが本発明においてより好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
[ポリマーAの合成例]
〈ATRP(Atom Transfer Radical Polymerization)法を用いたリビングラジカル重合〉
〔開始剤1の合成〕
合成例1(メトキシキャップされたオリゴエチレングリコールメタクリレートの合成)
50ml三口フラスコに2−ブロモイソブチリルブロミド(7.3g、35mmol)とトリエチルアミン(2.48g、35mmol)及びTHF(20ml)を加え、アイスバスにより内温を0℃に保持した。この溶液内にオリゴエチレングリコール(10g、23mmol、エチレングリコールユニット7〜8、Laporte Specialties社製)の33%THF溶液30mlを滴下した。30分攪拌後、溶液を室温にし、更に4時間攪拌した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧除去後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、分液ロートに移した。水を加えエーテル層を3回洗浄後、エーテル層をMgSOにより乾燥させた。エーテルをロータリーエバポレーターにより減圧留去し、開始剤1を8.2g(収率73%)得た。
〔リビング重合(ATRP)による水溶性バインダー樹脂の合成〕
合成例2(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合成)
開始剤1(500mg、1.02mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(4.64g、40mmol、東京化成社製)、50:50 v/v% メタノール/水混合溶媒5mlをシュレンク管に投入し、減圧下液体窒素に10分間シュレンク管を浸した。シュレンク管を液体窒素から出し、5分後に窒素置換を行った。この操作を3回行った後、窒素下で、ビピリジン(400mg、2.56mmol)、CuBr(147mg、1.02mmol)を加え、20℃で攪拌した。30分後、ろ紙とシリカを敷いた4cm桐山ロート上に反応溶液を滴下し、減圧で反応溶液を回収した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量13100、分子量分布1.17、数平均分子量<1000の含量0%、のポリマー(A)からなる水溶性バインダー樹脂1を2.60g(収率84%)得た。
構造、分子量は各々H−NMR(400MHz、日本電子社製)、GPC(Waters2695、Waters社製)で測定した。
〈GPC測定条件〉
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
得られた水溶性バインダー樹脂1を純水に溶解し、固形分20%の水溶性バインダー樹脂1水溶液を調製した。
次いで、下記のようにして導電性高分子含有バインダー液を調製した。
(導電性高分子含有バインダー液b−1)
水溶性バインダー樹脂1水溶液(固形分20%水溶液) 0.35g
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
《第一の電極の作製》
〔TC−11の作製:本発明〕
以下に示す方法に従って、第一の電極TC−11を作製した。
金属繊維として、Adv.Mater.,2002,14,833〜837に記載の方法を参考に、ポリビニルピロリドンK30(分子量5万;ISP社製)を利用して、平均短径75nm、平均長さ35μmの銀ナノワイヤを作製し、限外濾過膜を用いて銀ナノワイヤを濾別、水洗処理した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH−50(信越化学工業社製)を銀に対し25質量%加えた水溶液に再分散し、銀ナノワイヤ分散液NW−1を調製した。
上記の方法で作製した銀ナノワイヤ分散液NW−1を、銀ナノワイヤの目付け量が70mg/mとなるように、PEN基板上にスピンコーターを用いて塗布し、120℃で20分熱処理を施した後、1cm幅にパターニングし、次いで銀ナノワイヤの塗布層にカレンダー処理を行った。次に、得られた銀ナノワイヤ電極上に、先に調製した導電性高分子含有バインダー液b−1を、乾燥膜厚が300nmとなるようスピンコーターを用いて塗布し120℃で20分熱処理を施した。その後、塗布フィルムを50mm×50mm角に裁断し、第一の電極TC−11を作製した。
熱処理後にFTIRにて、1140cm−1にエーテル由来の吸収の生成を、また1180cm−1にスルホン酸エステル由来の吸収の生成によって架橋が確認された。また、ナノインデンテーション(AFMを用いた弾性率測定)弾性率の向上によっても架橋を確認した。
平滑性の評価として、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM) SPI3800Nプローブステーション及びSPA400多機能型ユニット(セイコーインスツル社製)を用い、導電性評価で用いたサンプルの表面粗さRaを測定した。カンチレバーは、SI−DF20(セイコーインスツル社製)を用い、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/m、DFMモード(Dynamic Force Mode)にて、測定領域10μm角を、走査周波数1Hzで測定した。JIS B601(1994)に準じて求めた算術平均粗さRaで平滑性を評価した。透明電極としては、50nm以下であることが好ましい。測定の結果、TC−11はRa=46nmであった。
〔TC−12の作製:比較例〕
TC−11の作製において、導電性高分子含有バインダー液b−1の代わりにPEDOT−PSS CLEVIOUS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製)を乾燥膜厚が100nmになるように塗布した以外はTC−11と同様にしてTC−12を作製した。
原子間力顕微鏡による平滑性の測定の結果、TC−12はRa=89nmであった。
〔TC−13の作製:比較例〕
(溶液1の調製)
溶剤としてのシクロヘキサノン100%に、熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂の粉末を7質量部と、多層カーボンナノチューブ(Tsinghua−Nafine Nano−Powder Commercialization Engineering Centerの製品、平均外径10nm)を0.5%(目付け量14mg/m)と、分散剤として酸性ポリマーのアルキルアンモニウム塩溶液を0.2%とを添加し、溶液1とした。
(TC−13の作製)
この溶液1を、PEN基板の表面に塗布し、塗液を120℃20分加熱し乾燥硬化させた後、温度120℃、圧力2.942MPaでプレスして、厚さ190nmの導電層を有する第一の電極TC−13を得た。
原子間力顕微鏡による平滑性の測定の結果、TC−13はRa=81nmであった。
〔TC−14の作製:本発明〕
(溶液2の調製)
〈変性水性ポリエステルAの合成〉
重縮合用反応容器に、テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホ−イソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を投入し、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04質量部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。その後、さらに反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し、最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、変性水性ポリエステルAの前駆体を得た。前駆体の固有粘度は0.33であった。
攪拌翼、環流冷却管、温度計を付した2Lの三つ口フラスコに、純水850mlを入れ、攪拌翼を回転させながら、150gの上記前駆体を徐々に添加した。室温でこのまま30分間攪拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるように加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置して、固形分濃度が15質量%の溶液を調製した。
攪拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付した3Lの四つ口フラスコに、上記前駆体溶液1900mlを入れ、攪拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱した。この中に、過硫酸アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、単量体混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、さらに3時間反応を続けた。その後、30℃以下まで冷却し、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルAの溶液を調製した(ポリエステル成分/アクリル成分=80/20)。
〈溶液2の調製〉
TiO粒子((株)石原産業製TTO−55、固形分98%) 30g
化合物(UL−1) 0.2g
変性ポリエステルA(固形分18%) 30g
水で1000mlに仕上げる。
Figure 2011142318
(導電性高分子含有バインダー液b−2)
水溶性バインダー樹脂1水溶液(固形分20%水溶液) 0.35g
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
溶液2 0.60g
TC−11の作製において、PEDOT/PSSの代わりに上記透明性無機成分含むバインダー液b−2を用いて、その乾燥膜厚を300nmとした以外は同様にして第一の電極TC−14を作製した。
原子間力顕微鏡による平滑性の測定の結果、TC−14はRa=72nmであった。
〔TC−15の作製:本発明〕
(溶液3の調製)
SnOゾル((株)多木化学社製セラメースS−8、固形分8%) 160g
化合物(UL−1) 0.2g
変性ポリエステルA(固形分18%) 30g
水で1000mlに仕上げる。
(導電性高分子含有バインダー液b−3)
水溶性バインダー樹脂1水溶液(固形分20%水溶液) 0.35g
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)
(H.C.Starck社製) 1.59g
溶液3 0.60g
TC−11の作製において、導電性高分子含有バインダー液b−1の代わりに上記透明性無機成分含む導電性高分子含有バインダー液b−3を用いて、その乾燥膜厚を300nmとした以外は同様にして第一の電極TC−15を作製した。
原子間力顕微鏡による平滑性の測定の結果、TC−15はRa=64nmであった。
〔TC−16の作製:本発明〕
インクジェット用銀ナノペースト NPS−J(ハリマ化成社製)を、グラビア印刷機(松尾産業製 K303マルチコーター)を用いて、3cm角のPEN基材上に線幅50μm、線間隔950μmの金属細線パターンを形成し、120℃で30分の加熱処理をした。
次に、塗布幅1cm、ギャップ間隔100μmのバーコーターを用いて、1cm幅の範囲の金属細線パターン上を通るように、先に調製した導電性高分子含有バインダー液b−1を乾燥膜厚が300nmになるように塗布し、80℃の温風で1分乾燥し、さらに、120℃のオーブンで30分の熱処理を施し、有機電子デバイス用の第一の電極TC−16とした。
以上作製した第一の電極TC−11〜TC−16において、FTIR測定により、導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層の少なくとも一部が架橋されていることを確認した。
〔屈折率の測定〕
PETフィルム上に各成分の透明導電層の単独膜を形成して、J.A.ウーラム社製分光エリプソメータVASEを用いて入射角45〜75°を5°おきに、波長245〜1000nmを1.6nmおきにエリプソメトリパラメータψ(プサイ)、Δ(デルタ)を計測した。得られたデータをJ.Aウーラム社製の解析ソフトウエアを用いて解析し、屈折率を求めた。なお、屈折率は550nmでの値を用いた。
《有機光電変換素子の作製》
〔有機光電変換素子SC−11の作製〕
第一の電極TC−11上に、正孔輸送層(HTL)として導電性高分子であるPEDOT/PSS(Baytron P4083、H.C.Starck社製)を30nmの膜厚でスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
これ以降は、上記導電性高分子層を有するTC−11をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。
まず、窒素雰囲気下で上記TC−11を120℃で3分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにP3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン)(リーケメタル社製;Mn=45000、レジオレギュラータイプ、高分子p型半導体材料)1.0質量%、PCBM(フロンティアカーボン:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)(Mw=911、低分子n型半導体材料)を1.0質量%溶解した液を調製し、0.45μmのフィルタでろ過しながら500rpmで60秒、ついで2200rpmで1秒間のスピンコートを行い、室温で30分放置後、140℃で30分加熱した。
次に、上記一連の有機光電変換層を成膜した試料を真空蒸着装置内に設置した。1cm幅のシャドウマスクが透明電極と直交するように素子をセットし、10−3Pa以下に真空蒸着機内を減圧した後、蒸着速度2nm/秒で、フッ化リチウムを5nm、Alを80nm蒸着し、1cm角のサイズの有機光電変換素子SC−11を得た。得られた有機光電変換素子SC−11は、陽極(第一の電極)及び陰極(第二の電極)の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き陰極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
〔有機光電変換素子SC−12の作製〕
有機光電変換素子SC−11の作製において、第一の電極に用いたTC−11の代わりにTC−12を用いた以外は有機光電変換素子SC−11の作製法と同様にして、SC−12を得た。得られた有機光電変換素子SC−12は、陽極及び陰極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除きカソード電極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
〔有機光電変換素子SC−13の作製〕
有機光電変換素子SC−11の作製において、第一の電極に用いたTC−11の代わりにTC−13を用いた以外は有機光電変換素子SC−11の作製法と同様にして、SC−13を得た。得られた有機光電変換素子SC−13は、陽極及び陰極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き陰極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
〔有機光電変換素子SC−14の作製〕
有機光電変換素子SC−11の作製において、第一の電極に用いたTC−11の代わりにTC−14を用いた以外は有機光電変換素子SC−11の作製法と同様にして、SC−14を得た。得られた有機光電変換素子SC−14は、陽極及び陰極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き陰極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
〔有機光電変換素子SC−15の作製〕
有機光電変換素子SC−11の作製において、第一の電極に用いたTC−11の代わりにTC−15を用いた以外は有機光電変換素子SC−11の作製法と同様にして、SC−15を得た。得られた有機光電変換素子SC−15は、陽極及び陰極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き陰極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
〔有機光電変換素子SC−16の作製〕
有機光電変換素子SC−11の作製において、第一の電極に用いたTC−11の代わりにTC−16を用いた以外は有機光電変換素子SC−11の作製法と同様にして、SC−16を得た。得られた有機光電変換素子SC−16は、陽極及び陰極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き陰極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
〔屈折率の測定〕
上記各有機光電変換素子を構成する有機光電変換層の屈折率を、上記透明導電層の屈折率の測定と同様の方法で、単独膜を形成して測定した結果、有機光電変換素子SC−11〜SC−16は、全て1.72であった。
《エネルギー変換特性評価》
上記方法で作製した有機光電変換素子について、ソーラーシミュレーターを用いたAM1.5Gフィルタ、100mW/cmの強度の光を照射し、マスクを受光部に重ね、I−V特性を評価し、特性値として、短絡電流密度Jsc(mA/cm)及び開放電圧Voc(V)、フィルファクターffから式1を用いてエネルギー変換効率η(%)を得た。
(式1) Jsc(mA/cm)×Voc(V)×ff=η(%)
《光耐久性の評価》
各試料から横一列に断裁し、有機PV太陽電池パネルを、100mW/cmのメタルハロゲンランプの光(擬似太陽光)に1000時間暴露し、暴露後のエネルギー変換効率を、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、それぞれ算出した値の平均値を求めた。
Figure 2011142318
表1に記載の結果より、本発明の構成のように金属繊維電極を透明導電層に埋め込み、表面を平滑化させた第一の電極有する有機光電変換素子は、電極自体が面電極化し電極の一部に抵抗がかかることが無いため温湿度サイクル後の光電変換効率の低下が少ないことが分かる。さらに、第一の電極の透明導電層内に屈折率を高める微粒子を混合することにより、光閉じ込め効果が生じ光電変換効率が向上していることが分かる。
1 導電性繊維層
2 透明導電層
3 透明微粒子
4 透明基材
5 第一の電極
10 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子
11 基板
12 陽極
13 陰極
14 光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)
14p p層
14i i層
14n n層
14′ 第1の光電変換部
15 電荷再結合層
16 第2の光電変換部
17 正孔輸送層
18 電子輸送層

Claims (7)

  1. 第一の電極と第二の電極の間に有機光電変換層を有する有機光電変換素子において、
    前記第一の電極が、少なくとも導電性繊維層と、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層、とを有しており、且つ該導電性ポリマーと水系バインダーを含有する透明導電層の少なくとも一部が架橋されていることを特徴とする有機光電変換素子。
  2. 前記水系バインダーが下記(繰り返し)単位構造を有するポリマー(A)を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2011142318
    (式中、X〜Xはそれぞれ水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数5以下のアルキレン基を表す。p、mおよびnは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表し、50≦p+m+n≦100である。)
  3. 前記ポリアニオンが、アニオン性基として、スルホ基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の有機光電変換素子。
  4. 導電性繊維が、金属繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  5. 前記第一の電極が、少なくとも金属繊維層と、前記π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーおよび前記(繰り返し)単位構造を有するポリマー(A)含有する透明導電層を含み、形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  6. 導電性繊維含有液を塗設し乾燥させた後、前記π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーおよび下記(繰り返し)単位構造を有するポリマー(A)含有液を塗設し、第一の電極を形成したのち、有機光電変換層及び第二の電極を形成することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
    Figure 2011142318
    (式中、X〜Xはそれぞれ水素原子又はメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数5以下のアルキレン基を表す。p、mおよびnは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表し、50≦p+m+n≦100である。)
  7. 前記第一の電極を構成する前記透明導電層に、導電性微粒子が共存することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
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