JP5527060B2 - 有機光電変換素子、その製造方法及び太陽電池 - Google Patents

有機光電変換素子、その製造方法及び太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、有機光電変換素子、その製造方法及び太陽電池に関し、詳しくは、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子、その製造方法及びその有機光電変換素子を用いた太陽電池に関する。
近年の化石エネルギーの高騰によって、自然エネルギーから直接電力を発電できるシステムが求められており、単結晶・多結晶・アモルファスのSiを用いた太陽電池、GaAsやCIGS(銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)からなる半導体材料)等の化合物系の太陽電池、あるいは色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)等が提案・実用化されている。
しかしながら、これらの太陽電池で発電するコストは、未だ化石燃料を用いて発電・送電される電気の価格よりも高いものとなっており、普及の妨げとなっていた。また、基板に重いガラスを用いなければならないため、設置時に補強工事が必要であり、これらも発電コストが高くなる一因であった。
このような状況に対し、化石燃料による発電コストよりも低い発電コストを達成しうる太陽電池として、透明電極と対電極との間に電子供与体層(p型半導体層)と電子受容体層(n型半導体層)とが混合された光電変換層を挟んだバルクへテロジャンクション型光電変換素子が提案され、5%を超える効率が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
これらのバルクへテロジャンクション型に代表される有機薄膜太陽電池においては、透明電極・対極以外は塗布プロセスで形成されているため、高速かつ安価な製造が可能であると期待され、前述の発電コストの課題を解決できる可能性がある。さらに、上記のSi系太陽電池・化合物半導体系太陽電池・色素増感太陽電池等と異なり、有機薄膜太陽電池は160℃以上の高温プロセスや真空プロセスを用いずに、より低温・脱真空の簡易プロセスで安価に軽量なプラスチック基板で作成することも可能であると期待される。
上述のように、より安価な太陽電池を提供するためには、全構成要素を生産性の低い真空系プロセスを用いず、いわゆるロール・ツー・ロールと言われる全塗布プロセス化することが望ましいが、バルクへテロジャンクション型有機光電変換素子においても、多くは電極を真空蒸着によって形成されているのが現状であり、対電極となる金属電極形成時の脱真空プロセス化が強く求められている。加えて、有機薄膜太陽電池の品質性能は未だ不十分なものであり、光電変換効率、耐久性の向上が求められている。
金属電極は蒸着法、スパッタ法、印刷法等により形成されることができるが、より高い光電変換効率を得るためには、均一な金属膜による高導電性や高反射性の利点から蒸着法が用いられることが一般的である。蒸着法で形成された金属電極は均一な金属膜による高導電性を得られるばかりではなく、光反射率の高い鏡面構造を取ることができ、有機太陽電池の透明電極から入射した光が金属電極で発電層側に反射し戻されることで、発電層の見かけの光路長を稼ぎ、いわゆる光閉じ込め効果を得ることができると考えられる。一方、透明導電基板上に発電層、電荷輸送層、金属電極等の全工程を脱真空プロセスとなるロール・ツー・ロール塗布プロセスにより形成することで、設備コストや製造コストを下げることで発電コストの低減させることが課題となっている。
このような課題に対し、貼合によるプロセス技術(例えば、特許文献1参照)や、導電性ポリマーによる対極形成技術(例えば、特許文献2参照)が試みられているが、有機層との接合や、導電性の不足といった課題があり、必ずしも高い効率を得られていない。
導電性の高い電極を塗布によって形成するには、導電性微粒子を含有するペーストを塗布する方法が知られているが、導電性微粒子の分散性確保のために有機物からなる分散安定剤が添加されていることが一般的であるが、導電性微粒子のペーストを塗布・乾燥・ベークして形成された塗膜で導電性を確保するためには、通常180℃以上のベーク処理が必要とされており、高価な耐熱性プラスチック基板を用いる必要があった。また、金属ペースト塗布によって対電極を形成する有機光電変換素子が開示されているが(例えば、非特許文献2、特許文献3参照)、高い効率のものは得られていない。
一方、通常の有機薄膜太陽電池を逆の順番に積層し、透明電極側から電子を取り出し、仕事関数の深い安定な金属電極側から正孔を取り出す、いわゆる逆層構成の有機薄膜太陽電池が提案されている(例えば、特許文献4、非特許文献3参照)。このような構成とすることで、不安定で酸化されやすい浅い仕事関数の金属を使用する必要がなくなり、電極起因の劣化が抑制され、大幅に寿命を向上できることが開示されているが、全層塗布プロセスで高い効率のものは得られていない。
また、導電性金属微粒子の形成方法においては、銀化合物とアンモニウムカルバメート系/アンモニウムカーボネート系/アンモニウムバイカーボネート系化合物を反応させた銀錯体を形成した後、還元剤と反応させて銀ナノ粒子を形成する製造方法(例えば、特許文献5参照)や、シュウ酸銀とオレインアミンを反応させたシュウ酸架橋銀アルキルアミン錯体の加熱分解による銀微粒子の製造方法(例えば、特許文献6参照)が開示されている。しかしながら、上記の導電性金属微粒子を従来知られている有機薄膜太陽電池の構成に用いただけでは、十分な光電変換効率と寿命の向上が得られなかった。
特開2003−34756号公報 WO2004−051756号 WO2007149835号 特開2009−146981号公報 特表2010−500475号公報 特開2008−214695号公報
Nature Mat.,vol.6(2007),p497、A.Heegerら Solar Energy Materials & Solar Cells(2008),92(7),715 Applied Physics Letters,89,P143517,Shaheenら
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安価なプラスチック基板上にも高い導電性かつ高い生産性を有する常圧下の塗布プロセスで電極を形成することが可能で、かつ、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子、その製造方法及びその有機光電変換素子を用いた太陽電池を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも一方が光透過性を有する第1電極と第2電極の間に、p型半導体材料とn型半導体材料を含有する発電層と、正孔または電子のどちらかを主に輸送する電荷輸送層を少なくとも有する有機光電変換素子の製造方法において、
1)発電層、電荷輸送層、第2電極の順に形成し、
2)電荷輸送層は、架橋構造を形成し得る化合物を含有する塗布液を用いたウエットプロセスで形成し、
3)第2電極は、有機金属錯体の熱分解もしくは還元反応で形成された、表面保護基が表面に吸着した金属微粒子の分散物を含有する塗布液を用いたウエットプロセスで形成する
ことを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
2.前記電荷輸送層の塗布液が、前記第2電極の塗布液中の金属微粒子の表面保護基と相互作用する官能基を有する化合物を含有することを特徴とする前記1記載の有機光電変換素子の製造方法。
3.前記有機金属錯体が、シュウ酸架橋アルキルアミン金属錯体からなることを特徴とする前記1または2記載の有機光電変換素子の製造方法。
4.前記金属微粒子が銀微粒子であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法。
5.前記電荷輸送層の塗布液が下記一般式で表される単位構造を少なくとも分子内に有するポリマー(A)を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法。
(式中、Xは水素原子またはメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキレン基を表す。l、m、nは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表し、50≦l+m+n≦100である。)
6.前記電荷輸送層の塗布液が、さらにπ共役系高分子及びポリアニオンを含有することを特徴とする前記5記載の有機光電変換素子の製造方法。
7.前記1〜6のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法により得られたことを特徴とする有機光電変換素子。
8.前記7に記載の有機光電変換素子を用いたことを特徴とする太陽電池。
本発明により、安価なプラスチック基板上にも高い導電性かつ高い生産性を有する常圧下の塗布プロセスで電極を形成することが可能で、かつ、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子、その製造方法及びその有機光電変換素子を用いた太陽電池を提供することができた。
本発明の好ましい光電変換素子の断面構造を示す模式図である。
本発明者らは、鋭意検討の結果、少なくとも一方が光透過性を有する第1電極と第2電極の間に、p型半導体材料とn型半導体材料を含有する発電層と、正孔または電子のどちらかを主に輸送する電荷輸送層を少なくとも有する有機光電変換素子の製造方法において、1)発電層、電荷輸送層、第2電極の順に形成し、2)電荷輸送層は、架橋構造を形成し得る化合物を含有する塗布液を用いたウエットプロセスで形成し、3)第2電極は、有機金属錯体の熱分解もしくは還元反応で形成された、表面保護基が表面に吸着した金属微粒子の分散物を含有する塗布液を用いたウエットプロセスで形成することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法により、上記課題を達成できることを見出し、本発明を成すに至った。
本発明で規定する構成を採ることにより、本願発明の目的効果が得られる理由については、本発明者らは以下のように推測している。
本発明の有機光電変素子においては、第2電極が有機金属錯体の熱分解もしくは還元反応で形成された、表面保護基が表面に吸着した金属微粒子の分散物を含有する塗布液のウエットプロセスで形成される。また、第2電極の形成に用いられる金属微粒子の表面保護基と、電荷輸送層の化合物が表面保護基と相互作用する官能基を有する。さらに、該電荷輸送層は架橋構造を有することが特徴である。
すなわち、本発明の金属微粒子は、その表面保護基となる化合物を選定することによって、ベーク処理での蒸発反応を促進することができ、成膜された第2電極層中金属微粒子の融着が促進され、鏡面反射を有す導電性の高い電極を形成することができる。一方、発電層と第2電極の間に設けられる電荷輸送層は架橋構造を有し、第2電極塗布液中の溶媒の浸透や、金属微粒子の金属成分のマイグレーションを抑制することができる。また、該電荷輸送層の塗布液は、第2電極塗布液中の金属微粒子の表面保護基と相互作用する官能基を有する化合物を含有するため、第2電極形成に用いられる金属微粒子の表面保護基を第2電極側の電荷輸送層の界面近傍でトラップすることができ、しいてはキャリア伝達阻害物質の拡散及び浸透を抑制する。
さらに、本発明の電荷輸送層に一般式で表される単位構造を少なくとも分子内に有するポリマー(A)を用いた場合には、上記効果に加えて電荷輸送層の透明性を向上することができる。すなわち、素子内部に入射した光のうち、第2電極からの反射光を増大させ、発電層内部の光路長を伸ばし、しいては発電量を増大させることができるものと考えられる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
(有機光電変換素子及び太陽電池の構成)
本発明の有機光電変換素子は、第1電極と第2電極と、両者に挟まれた発電層(p型半導体とn型半導体が混合された層であり、バルクヘテロジャンクション層、またはBHJ層、i層とも言う)が少なくとも1層以上あり、光を照射すると電流を発生する素子である。
本発明に係る有機光電変換素子の好ましい形態について図1を用いて説明するが、これに限定されるものではない。
図1は本発明の好ましい光電変換素子の断面構造を示す模式図である。
図1において、光電変換素子10は図示しない基板上に、第1電極101、正孔阻止層(または電子輸送層)102、発電層103(p型半導体材料103aとn型半導体材料103bとのバルクヘテロジャンクション構造)、電子阻止層(または正孔輸送層)104、第2電極105を積層した構造を示している。
本発明の有機光電変換素子は、第1電極101が透明電極である。また、発電層と第2電極の間に設けられる電荷輸送層は架橋構造を有すことが必要である。該電荷輸送層は下記一般式で表されるポリマー(A)を含むことが好ましく、前記ポリマー(A)、π共役系高分子及びポリアニオンを含むことがさらに好ましい。
〈第2電極〉
本発明の第2電極は、有機金属錯体の熱分解もしくは還元反応で形成された金属微粒子を含む塗布液を用いた塗布プロセスで形成されることが特徴である。
〔金属微粒子〕
本発明の金属微粒子は、表面保護基が表面に吸着した金属微粒子である。その表面保護基となる化合物の炭素数は、1〜18のものを選定することが好ましい。このような化合物の選定によって、160℃以下のベーク処理での蒸発反応を促進することができ、成膜された第2電極層中に、当該表面保護基となる化合物はほとんど存在することなく形成できる他、金属微粒子の融着が促進され、鏡面反射を有す導電性の高い電極を形成することができる。
本発明の効果をより発現させるためには、有機金属錯体がアルキルアミン錯体、シュウ酸架橋アルキルアミン錯体からなることが好ましく、有機金属錯体から生成した金属微粒子は銀微粒子であることが好ましい。
本発明の導電性金属微粒子の形成方法においては、特許文献5(特表2010−500475号公報)記載の銀化合物とアンモニウムカルバメート系/アンモニウムカーボネート系/アンモニウムバイカーボネート系化合物を反応させた銀錯体を形成した後に還元剤と反応させて銀ナノ粒子を形成する製造方法や、特許文献6(特開2008−214695号公報)記載のシュウ酸銀とオレインアミンを反応させたシュウ酸架橋銀アルキルアミン錯体の加熱分解による銀微粒子の製造方法を用いることができるが、本発明の効果を得るためにはシュウ酸銀とオレインアミンを反応させたシュウ酸架橋銀アルキルアミン錯体の加熱分解による銀微粒子を用いることがより好ましい。
(原料)
金属微粒子の原料としては、銀アルキルアミン錯体やシュウ酸アルキルアミン錯体を用いることができる。
シュウ酸銀の自己熱分解の場合、シュウ酸イオンが二酸化炭素として除去されて金属銀が得られる。シュウ酸銀の場合には、(1)銀含有率が高い、(2)150℃以下の温度で低温分解しやすい、(3)還元剤を必要としないため不純物が残留しにくいといった利点が挙げられるが、形成される微粒子が凝集した多孔体となりやすい。
オレイルアミンは、シュウ酸銀と反応して、銀と少なくともオレイルアミンとシュウ酸イオンを含む錯化合物(シュウ酸アルキルアミン錯体)を形成する。この錯化合物を形成してから加熱分解することにより、極めて微細で高分散性の銀微粒子が得られるため好ましい。このような効果は、シュウ酸銀とオレイルアミンを反応させず、単に混合しただけでは得られない。
錯化合物の熱分解で生成する銀微粒子の場合にはオレイルアミンが被着しており、これが金属微粒子の表面保護基として作用することで、粒子成長や凝集を抑制するとともに、分散安定性を保つことが可能となる。またオレイルアミンは200℃以下で揮発または分解して金属微粒子から除去されるので、より低温の焼結性を発現させることができる。
また本発明においては、好ましくはオレイルアミンに加えて飽和脂肪族アミンを反応させることもできる。飽和脂肪族アミンはオレイルアミンと共に錯化合物を形成する。飽和脂肪族アミンを併用することで収率よく金属微粒子を製造することもできる。
飽和脂肪族アミンとしては特に制限はないが、オレイルアミンと同じかそれより短い炭素鎖を有するものが好ましく、すなわち炭素数18以下のものを使用することが好ましい。例えばオクチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ステアリルアミン等が炭素数18以下のものとして挙げられる。このような鎖長の短い飽和脂肪族アミンは、オレイルアミンと同様、生成する金属微粒子の優れた表面保護基となり、低温で分解除去できるため好ましい形態である。表面保護基となる化合物の炭素数を1〜18のものを選定することによって、160℃以下のベーク処理での蒸発反応を促進することができ、成膜された第2電極層中にはほとんど存在することなく、金属微粒子の融着を促進することができる。オレイルアミンと飽和脂肪族アミンの比率は、モル比でおよそ5:1〜1:2の範囲であることが好ましい。この範囲では最も高収率で金属微粒子を製造することができる。飽和脂肪族アミンがこの範囲を超えて多くなると錯化合物を形成するオレイルアミンの比率が低下するため、粒径の揃った高分散性金属微粒子が得られなくなる。
更に、前記飽和脂肪族アミンの一部又は全部を予めシュウ酸銀に被着させておくと、オレイルアミンと反応させる段階においてシュウ酸銀とアミンとの反応がより起こりやすくなるので好ましく、飽和脂肪族アミンの被着量はシュウ酸銀に対して0.1〜20質量%であることが好ましい。0.1質量%以下では効果が小さく、また20質量%を超えるとシュウ酸銀が熱的に不安定となって取扱いが困難になる場合がある。
本発明においては、シュウ酸銀と前記アミンを反応させて錯化合物を形成する際、脂肪酸を存在させることもできる。
脂肪酸としては特に制限はなく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれも使用することができる。特に炭素数が6〜18のものが好ましく、例えばヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミトレイン酸、エライジン酸等が挙げられる。
脂肪酸の量は、好ましくは反応に使用されるオレイルアミンと飽和脂肪族アミンの総量に対して0.5〜20質量%程度である。この範囲で、粒径のばらつきが極めて小さく、分散性が極めて高い微細な銀超微粒子を安定して製造することができ、かつ得られた金属微粒子の低温焼結性が優れている。
次に、上述した化合物を用いて本発明に係る金属微粒子の製造方法について、好ましい形態である銀微粒子を例に挙げて説明する。
まず、シュウ酸銀もしくはシュウ酸銀のシュウ酸イオンの一部を炭酸イオン、硝酸イオン、酸化物イオンの1種以上で置換したシュウ酸銀と、オレイルアミンもしくはオレイルアミンと飽和脂肪族アミンとを混合し、攪拌して錯化合物を形成する。脂肪酸を使用する場合は、前記シュウ酸銀等とオレイルアミン等の混合物に混合し、同時に反応させて錯化合物を形成する。このとき、例えばメタノール、エタノール、水等の溶媒を添加してもよい。シュウ酸銀は固体であり、オレイルアミンと単に混合しただけではアミンや溶媒には溶けないが、錯化合物が形成されると溶解する。
シュウ酸銀等とオレイルアミン等の混合比率はモル比で1:1〜1:15の範囲とすることが好ましい。混合する際の温度は0〜90℃の範囲であればよく、10〜40℃が好ましい。
次いで、必要により溶媒及び未反応物を分離した後、生成した錯化合物を、加熱して分解させる。加熱によりシュウ酸イオンが分解、脱離し、自己還元により銀を析出するが、析出した銀はオレイルアミン等、またはオレイルアミン等と脂肪酸とで保護されるため、凝集を起こさず、平均粒径1〜50nm、特に5〜20nm程度で粒径の揃った、アミンが被着した金属微粒子の高分散体が得られる。
加熱は100〜180℃程度の温度で行うことが好ましく、特に120〜160℃程度が好ましい。
なお本発明に係る金属微粒子の粒子径は本発明の効果を発現するためには、1〜50nmが好ましく、3〜20nmがより好ましい。金属微粒子の粒子径が50nmより大きい場合には、第2電極の塗布液における金属微粒子の分散安定性が悪くなり、形成された第2電極中の金属微粒子間の隙間空間が大きくなり、緻密な電極が形成されず、良好な電気伝導度が得られにくくなる。
得られた金属微粒子を反応溶液から回収する場合には、通常の濾過装置や遠心分離機等を用いて濾過、又は分離して捕集する。捕集して得られた金属微粒子は、微粒子同士の凝集が起こりにくく、取り扱いが容易で、再分散性も極めて優れている。必要により濾過、分離に先立って精製、洗浄を行う。例えば、ヘキサン等を用いて未反応物を除去することができる。洗浄には例えば水やメタノール等のアルコールを用いる。捕集した銀超微粒子は、所望により、減圧乾燥して粉末状とすることができる。
捕集して得られた金属微粒子粉末は、別の分散媒に分散させて使用することができる。分散媒としては、限定されるものではなく、通常使用される水や、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、テルペン系溶剤、石油系溶剤、炭化水素系溶剤等の溶剤類、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂類、これらの混合物等が使用される。用途に応じて適切な分散媒を用いることにより、分散性、安定性、塗布性等諸特性の極めて優れたペースト状、塗装状又はインク状分散液を得ることができる。必要により樹脂や可塑剤等により粘土特性を調整したり、他の金属粉末や、ガラス粉末、界面活性剤、その他この種の分散液に通常使用される添加剤を配合してもよい。
<電荷輸送層>
本発明の電荷輸送層は、発電層と第2電極の間に、架橋構造を形成し得る化合物を含有する塗布液を用いたウエットプロセスで形成されることが必要である。
本発明に係る架橋構造を形成し得る化合物は、π共役系導電性高分子とポリアニオン、および水酸基含有非導電性ポリマーからなる塗布液であることが好ましい。本発明においては、ポリアニオンをはじめとする酸触媒を用いて、水酸基含有非導電性ポリマーの架橋反応を促進、完了させることができる。酸触媒としては、塩酸、硫酸や硫酸アンモニウムを用いることができる。また導電性ポリマーにドーパントとして用いるポリアニオンにおいて、スルホ基含有ポリアニオンを使用することで、ドーパントと触媒を兼用することができる。さらに本発明に電荷輸送層の塗布液には、本発明の効果を得る範囲において、さらに他の架橋剤を含有してもよい。
〔ポリマー(A)〕
本発明の電荷輸送層には、上述の水酸基含有非導電性ポリマーとして、下記一般式で示される単位構造を少なくとも分子内に有するポリマー(A)を含むことが好ましい。
式中、Xは水素原子またはメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキレン基を表す。l、m、nは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表し、50≦l+m+n≦100である。構成比は70≦m≦100の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明においては、前記電荷輸送層にポリマー(A)を含むことで、膜の導電性を低下させずに透過率を向上させることが可能となり、好ましい実施形態である。
本発明に用いるポリマー(A)は、水系溶媒(後述)に溶解、あるいは、分散できるポリマーで、親水性のポリマーバインダーであることが好ましく、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を挙げることができる。具体的な化合物としては、例えば、ポリエステル系樹脂としてバイロナールMD1200、MD1400、MD1480(以上、東洋紡社製)を挙げることができる。
本発明に係る親水性のポリマーバインダーとしては、架橋剤と反応する基を有する化合物が好ましい。こうした親水性のポリマーバインダーとしては、架橋剤と反応する基としては架橋剤によって異なるが、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基等を挙げることができる。中でも、側鎖にヒドロキシ基を有することが最も好ましい。
本発明に用いられる架橋剤としては水酸基含有非導電性ポリマーの架橋剤が好ましく、例えばオキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、阻止イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、正孔ムアルデヒド系架橋剤等を単独あるいは複数併用して用いることができる。
本発明に係る親水性のポリマーバインダーの具体的な化合物としては、ポリビニルアルコールPVA−203、PVA−224、PVA−420(以上、クレハ社製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH−06、60SH−50、60SH−4000、90SH−100(以上、信越化学工業社製)、メチルセルロースSM−100(信越化学工業社製)、酢酸セルロースL−20、L−40、L−70(以上、ダイセル化学工業社製)、カルボキシメチルセルロースCMC−1160(ダイセル化学工業社製)、ヒドロキシエチルセルロースSP−200、SP−600(以上、ダイセル化学工業社製)、アクリル酸アルキル共重合体ジュリマーAT−210、AT−510(以上、東亞合成社製)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート等を挙げることができる。
前記電荷輸送層が親水性のポリマーバインダーとして上記ポリマー(A)を一定量含む場合、導電性高分子含有層、すなわちπ共役系高分子を含有する層の導電性を向上させることが可能で、さらに、導電性高分子との相溶性も良好で高い透明性と平滑性が達成できる。さらに、ポリアニオンがスルホ基を有する場合は、上記ポリマー(A)であれば、スルホ基が効果的に脱水触媒として働き、架橋剤等の追加の剤を利用しなくても、緻密な架橋層を形成できることからより好ましい実施形態である。
ポリマー(A)の主たる共重合成分は、下記(a1)〜(a3)で表されるモノマーであり、共重合成分の50mol%以上の成分が下記(a1)〜(a3)のいずれか、あるいは、下記(a1)〜(a3)の成分の合計が50mol%以上ある共重合ポリマーである。下記(a1)〜(a3)の成分の合計が80mol%以上であることがより好ましく、さらに、下記(a1)〜(a3)いずれか単独のモノマーから形成されたホモポリマーであることが好ましい。
式中、Xは水素原子またはメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキレン基を表す。l、m、nは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表す。
ポリマー(A)においては、水系溶媒に可溶である範囲において、他のモノマー成分が共重合されていてもかまわないが、親水性の高いモノマー成分であることがより好ましい。また、ポリマー(A)は数平均分子量が1000以下の含有量が0〜5%であることが好ましい。
このポリマー(A)の数平均分子量1000以下の含有量を0〜5%以下とする方法としては、再沈殿法、分取GPC、リビング重合による単分散のポリマーを合成等により、低分子量成分を除去する、または低分子量成分の生成を抑制する方法を用いることができる。再沈殿法は、ポリマーが溶解可能な溶媒へ溶解し、ポリマーを溶解した溶媒より溶解性の低い溶媒中へ滴下することにより、ポリマーを析出させ、モノマー、触媒、オリゴマー等の低分子量成分を除去する方法である。また、分取GPCは、例えばリサイクル分取GPCLC−9100(日本分析工業社製)、ポリスチレンゲルカラムで、ポリマーを溶解した溶液をカラムに通すことにより分子量で分けることができ、所望の低分子量をカットすることができる方法である。リビング重合は、開始種の生成が経時で変化せず、また停止反応等の副反応が少なく、分子量の揃ったポリマーが得られる。分子量はモノマーの添加量により調整できるため、例えば分子量を2万のポリマーを合成すれば、低分子量体の生成を抑制することができる。生産適正から、再沈殿法、リビング重合が好ましい。
親水性のポリマーバインダーの数平均分子量、重量平均分子量の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行なうことができる。分子量分布は(重量平均分子量/数平均分子量)の比で表すことができる。使用する溶媒は、親水性のポリマーバインダーが溶解すれば特に制限はなく、THF、DMF、CHClが好ましく、より好ましくはTHF、DMFであり、さらに好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
本発明に係るポリマー(A)の数平均分子量は3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは4,000〜500,000、さらに好ましくは5000〜100000の範囲内である。ポリマー(A)の分子量分布は1.01〜1.30が好ましく、より好ましくは1.01〜1.25である。
数平均分子量1000以下の含有量はGPCにより得られた分布において、数平均分子量1000以下の面積を積算し、分布全体の面積で割ることで割合を換算した。
リビングラジカル重合溶剤は、反応条件化で不活性であり、モノマー、生成するポリマーを溶解できれば特に制限はないが、アルコール系溶媒と水の混合溶媒が好ましい。リビングラジカル重合温度は、使用する開始剤によって異なるが、一般に−10〜250℃、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜100℃で実施される。
〔π共役系高分子〕
本発明に好ましく用いられるπ共役系高分子としては、特に限定されないが、所謂導電性高分子であることが好ましい。さらには、π共役系高分子とポリアニオンとを有してなることがより好ましい。こうした高分子は、後述するπ共役系高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
本発明に用いることができるπ共役系高分子としては、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類、の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。さらにはポリエチレンジオキシチオフェン類であることが好ましい。
本発明のπ共役系高分子を形成する前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にも、その主鎖にπ共役系が形成されるものである。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
〔ポリアニオン〕
本発明で好ましく用いられるポリアニオンは特に限定されないが、アニオン性基として、スルホ基を有することがより好ましい。本発明においては、電荷輸送層の塗布液が第2電極塗布液中の金属微粒子の表面保護基と相互作用する官能基を有する化合物を含有することが好ましいが、金属微粒子の表面保護基が上述のオレイルアミン等の場合にはポリアニオンが相互作用する化合物となる。
具体的なポリアニオンの例としては、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものが好ましい。
このポリアニオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。また、ポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にFを有するポリアニオンであってもよい。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)等を挙げることができる。
これらのうち、スルホン酸を有する化合物であると、導電性ポリマー含有層を塗布、乾燥することによって形成した後に、100〜200℃で5分以上の加熱処理を施した場合、この塗布膜の溶媒耐性が著しく向上することから、より好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、バインダー樹脂との相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くできる。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/または重合触媒の存在下で、酸化重合またはラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/または重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有しない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリアニオン塩である場合には、ポリアニオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
こうした導電性ポリマーは市販の材料も好ましく利用できる。例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、H.C.Starck社からCLEVIOSシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PASS483095、560598として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明において、こうした剤も好ましく用いることができる。
第2のドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。本発明で用いることができる水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。
前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、ヒドロキシ基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物等が挙げられる。前記ヒドロキシ基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、等が挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
〔電荷輸送層の形成〕
本発明において前記電荷輸送層が、前記ポリマー(A)と、π共役系高分子とポリアニオンとを少なくとも含むことがより好ましい。例えば、ポリマー(A)を含む親水性のポリマーバインダー成分と、π共役系高分子成分と、ポリアニオン成分と、溶媒とを少なくとも含んでなる塗布液を塗布、乾燥することで形成することができる。
溶媒としては、水系溶媒を好ましく用いることができる。ここで、水系溶媒とは、50質量%以上が水である溶媒を表す。もちろん、他の溶媒を含有しない純水であってもよい。水系溶媒の水以外の成分は、水に相溶する溶剤であれば特に制限はないが、アルコール系の溶媒を好ましく用いることができ、中でも、沸点が比較的水に近いイソプロピルアルコールを用いることが形成する膜の平滑性等には有利である。
塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。
前記電荷輸送層の乾燥膜厚は、30〜2000nmであることが好ましい。本発明に係る電荷輸送層は、電極形成時のダメージ抑制の観点から100nm以上の膜厚がより好ましく、リーク防止効果をより高める視点からは200nm以上の膜厚であることがさらに好ましい。また、高い透過率と膜としての抵抗低減を維持する視点から1000nm以下の膜厚であることがより好ましい。
塗布した後、溶媒を揮発させるために、適宜乾燥処理を施す。乾燥処理の条件として特に制限はないが、基板や導電性ポリマー含有層が損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。例えば、80〜150℃で10秒から10分の乾燥処理をすることができる。
本発明の電荷輸送層において、乾燥膜に含まれるポリマー(A)の固形分比率が10〜90質量%であることがより好ましい。15質量%以上であれば、添加量に応じて膜の透過率を向上させることができより好ましく、また70質量%以下であれば膜抵抗が低く保てるため本発明において好ましい。
〔架橋構造の形成〕
本発明者らの鋭意検討の結果、本発明の電荷輸送層において、ポリアニオンとしてスルホ基を有するポリマーと、上記ポリマー(A)を含む場合、水酸基の脱水反応による製膜後の架橋反応によって、膜強度が大幅に高くなることが分かり、電極形成時の有機層へのダメージを低減する効果が期待できより好ましい構成である。
本発明では、架橋反応を促進する目的で、製膜乾燥後に追加の加熱処理をする架橋反応工程を有することが好ましい。加熱処理の条件に制約はないが、基板や他の層が損傷しない範囲の温度で処理することが好ましい。例えば、80〜150℃で2〜120分の乾燥処理をすることができる。また、40〜100℃程度の比較的低温で10〜200時間程度の長時間の処理を施してもよい。さらに、加熱処理の方法としては、一般的な熱風によるドライヤー加熱の他に、IRヒーターやIHヒーター、マイクロウェーブによる加熱、またはこれらを併用することで、より短時間で架橋反応を起こすことができるが、脱水反応を伴うため、熱風による加熱を少なくとも用いることが好ましい。
[ナノインデンテーション弾性率]
本発明の架橋反応による膜強度の向上は、ナノインデンテーション法を用いた弾性率により評価することができる。本発明におけるナノインデンテーション弾性率とは、特殊なSPMのカンチレバーを一定荷重で対象膜に押し付け、カンチレバーのへこみ具合から、弾性率を算出する手法である。
本発明の電荷輸送層へのダメージを低減させるために、前記の弾性率は4〜10GPaであることが好ましい。弾性率が4GPa以上あれば電極形成時のダメージを抑制することができ、また10GPa以下であれば、適度なフレキシブル性により変形やクラックを抑制でき好ましい。より好ましい弾性率としては、上記の観点から5〜8GPaが最も好ましい。
〈電荷輸送層:正孔輸送層、電子輸送層〉
電荷輸送層の本来の機能として、発電層で発生した正孔または電子のみを電極まで輸送し、反対のキャリアの輸送を阻止する阻止層としての役割がある。この場合、正孔輸送層を電子阻止層、電子輸送層を正孔阻止層と言い換えることができる。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、より詳しくは電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで、電子と正孔の電極上での再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係る正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発電層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、より詳しくは正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。
上述のように、本発明の電荷輸送層の乾燥膜厚は、30〜2000nmであることが好ましい。特に後から電極形成する側の電荷輸送層(例えば、図1中104)は、電極形成時のダメージ抑制の観点から100nm以上の膜厚がより好ましく、リーク防止効果をより高める視点からは200nm以上の膜厚であることがさらに好ましい。また、高い透過率と膜としての抵抗低減を維持する視点から1000nm以下の膜厚であることがより好ましい。
一方、基板側の電荷輸送層(例えば、図1中102)は5〜500nmであることが好ましく、膜抵抗及び透過率の観点から7〜200nmがより好ましく、さらには10〜100nmが最も好ましい。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC、酸化ニッケル、酸化モリブデン等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters,80(2002),p.139)に記載されているような所謂、p型正孔輸送材料を用いることもできる。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
また、n型の伝導性を有する無機酸化物(酸化チタン、酸化亜鉛等)も用いることができる。
具体例としては、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン(TPD)や4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物やその誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4′,4″−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体等を用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体等を好ましく用いることができる。
〈p型半導体材料〉
本発明の発電層(バルクへテロジャンクション層)に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基を持ったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol.127,No.14,p4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123,p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008),No.9,p2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008000664に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv.Mater.,2007,p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.,vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。また、発電層上に電子輸送層を塗布で製膜する場合、電子輸送層溶液が発電層を溶かしてしまうという課題があるため、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料を用いてもよい。
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号明細書、及び特開2008−16834号公報等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料等を挙げることができる。
〈n型半導体材料〉
本発明のバルクへテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
しかし、本発明のチオフェン含有縮合環を有する材料をp型半導体材料として用いる場合、効率的な電荷分離を行えるフラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、及びこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でも[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7329709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
〈第1電極(透明電極)〉
有機光電変換素子における第1電極(透明電極)としては、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。電荷輸送層との接合構成に応じて最適な仕事関数の材料組成を選択できる。仕事関数が浅い組成としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等の極薄膜が挙げられる。また、仕事関数の深い組成としては、金、銀、白金等の極薄膜、またはそれらのナノ粒子・ナノワイヤー層、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性金属酸化物材料、及び導電性ポリマー等が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
さらには、このような金属薄膜、ナノ粒子・ナノワイヤー、金属酸化物材料を併用して高透過率と高導電性を両立した透明電極とすることも本発明の好ましい態様である。
透明電極のシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、50Ω/□がさらに好ましく、15Ω/Ω以下がさらに好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは100〜200nmの範囲で透過率/抵抗の観点から選ばれる。
透明電極側から電子を取り出す構成の場合、より好ましくは上述の透明導電性酸化膜等に仕事関数を浅くする処理をすることが好ましい。例えば、WO2008/134492号パンフレット記載のように窒素、リン、硫黄等を分子内に有する組成物を酸化膜上に形成する方法や、APPLIED PHYSICS LETTERS 92,173303(2008)、または、Adv.Mater.,2008,20,415−419に記載の炭酸塩、フッ化セシウム、Cs(acac)等を酸化膜上に形成する方法等を好ましく用いることで、発電層で発生した電子を効率よく取り出すことができより好ましい。
(その他の機能層)
太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、図1に示すような第1電極及び第2電極間でサンドイッチした構造に替わり、一対の櫛歯状電極上に素子を形成させたバックコンタクト型の有機光電変換素子が構成とすることもできる。
さらには図1には記載していないが、エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層、平滑化層等を挙げることができる。
対電極の導電材として金属材料を用いれば対電極側に来た光は反射されて第1電極側に反射され、この光が再利用可能となり、光電変換層で再度吸収され、より光電変換効率が向上し好ましい。
(基板)
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。
本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
(その他の光学機能層)
本発明の有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していてよい。光学機能層としては、たとえば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、陰極で反射した光を散乱させて再度発電層に入射させることができるような光拡散層等を設けてもよい。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
また光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属または各種無機酸化物等のナノ粒子・ナノワイヤー等を無色透明なポリマーに分散した層等を挙げることができる。
(製膜方法・表面処理方法)
電子受容体と電子供与体とが混合された光電変換層、及び輸送層・電極の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、光電変換層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また塗布法は、製造速度にも優れている。
この際に使用する塗布方法に制限はないが、例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。さらには、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法でパターニングすることもできる。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、光電変換層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、光電変換層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
発電層(バルクヘテロジャンクション層)は、p型半導体とn型半導体とが混在された層で構成してもよいが、それぞれ混合比が膜厚方向で異なる複数層または混合比のグラデーション構成でもよい。
(パターニング)
本発明に係る電極、発電層、正孔輸送層、電子輸送層、ブロック層等をパターニングする方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。
光電変換層、輸送層等の可溶性の材料であれば、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取ってもよいし、製膜後に炭酸レーザー等を用いてアブレーションする方法、スクライバで直接削り取る方法等でパターニングしてもよいし、インクジェット法やスクリーン印刷、グラビア印刷等の各種印刷方法を使用して直接パターニングしてもよい。
電極材料等の不溶性の材料の場合は、真空蒸着法や真空スパッタ法、プラズマCVD法、電極材料の微粒子を分散させたインキを用いたスクリーン印刷法やグラビア印刷法、インクジェット法等の各種印刷方法、蒸着膜に対しエッチングまたはリフトオフする等の公知の方法、また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成してもよい。
(封止)
作製した有機光電変換素子が大気中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)または有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
さらに本発明においては、エネルギー変換効率と素子寿命向上の観点から、素子全体を2枚のバリア付き基板で封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター、酸素ゲッター等を同封した構成であることが本発明においてより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〔銀微粒子塗布液AG−101の調製〕
特開2009−270146号公報,p9,実施例8に記載の方法で銀ナノ粒子を作製した。
すなわち、オレイルアミン3.57g(13.3mmol)とオクチルアミン3.45g(26.7mmol)及びオレイン酸0.38g(オレイルアミンとオクチルアミンの総量に対して5.4質量%)をメタノール5mlと混合し、この混合溶液にシュウ酸銀1.519g(5mmol)を添加し、さらに水1mlを添加して室温で2時間攪拌し、錯化合物を生成させた。その後、エバポレータを使用して40℃でメタノールを除去し、次いで、150℃に加熱して1時間攪拌した。褐色の液体が得られた。これにヘキサン30mlを加えて約30分攪拌し、遠心分離機で分離させ上澄みを濾過した。この操作を3回繰り返した。さらに、エバポレータを使用して45℃でヘキサンを除去した後、メタノール20mlを加えて遠心分離機で分離させ上澄みを除去した。この操作も3回繰り返し、その後、減圧乾燥により生成物として粒径が12.7nmの粒度の揃った球状の単分散微粒子からなる粉末を得た。
次に得られた粉末を固形分濃度40%になるようにトルエンに分散して銀微粒子塗布液AG−101を調製した。
〔銀微粒子塗布液AG−102の調製〕
特開2009−270146公報,p9,実施例9に記載の方法で銀ナノ粒子を作製した。
すなわち、オレイルアミン5.35g(20mmol)とオクチルアミン2.58g(20mmol)をメタノール5mlと混合し、この混合溶液にシュウ酸銀1.519g(5mmol)を添加し、さらに水1mlを添加して室温で2時間攪拌して銀、シュウ酸イオン、オレイルアミン及びオクチルアミンを含む錯化合物を生成させ完全に溶解させた。その後、エバポレータを使用して40℃でメタノールを除去し、次いで、150℃に加熱して1時間攪拌した。その後の精製工程は上記銀微粒子塗布液AG−101の調製と同様に行い、生成物として粒径が13.7nmの粒度の揃った球状の単分散微粒子の粉末を得た。
次に得られた粉末を固形分濃度40%になるようにトルエンに分散して銀微粒子塗布液AG−102を調製した。
〔PHEA(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート))の合成〕
ポリマー(A)として、PHEA(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート))を合成した。
まず、開始剤を合成すべく、50ml三口フラスコに2−ブロモイソブチリルブロミド(7.3g、35mmol)とトリエチルアミン(2.48g、35mmol)及びTHF(20ml)を加え、アイスバスにより内温を0℃に保持した。この溶液内にオリゴエチレングリコール(10g、23mmol、エチレングリコールユニット7〜8、Laporte Specialties社製)の33%THF溶液30mlを滴下した。30分攪拌後、溶液を室温にし、さらに4時間攪拌した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧除去後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、分液ロートに移した。水を加えエーテル層を3回洗浄後、エーテル層をMgSOにより乾燥させた。エーテルをロータリーエバポレーターにより減圧留去し、開始剤を8.2g(収率73%)得た。
続いて、上記合成した開始剤(500mg、1.02mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(4.64g、40mmol、東京化成社製)、50:50v/v%メタノール/水混合溶媒の5mlをシュレンク管に投入し、減圧下液体窒素に10分間シュレンク管を浸した。シュレンク管を液体窒素から出し、5分後に窒素置換を行なった。この操作を3回行なった後、窒素下で、ビピリジン(400mg、2.56mmol)、CuBr(147mg、1.02mmol)を加え、20℃で攪拌した。30分後、ろ紙とシリカを敷いた4cm桐山ロート上に反応溶液を滴下し、減圧で反応溶液を回収した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量13100、分子量分布1.17、数平均分子量<1000の含量0%、のPHEA(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート))を2.60g(収率84%)得た。構造、分子量は各々H−NMR(400MHz、日本電子社製)、GPC(Waters2695、Waters社製)で測定した。
(P−1:ポリヒドロキシエチルビニルエーテルの合成)
前記ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合成において、モノマーとしてヒドロキシエチルビニルエーテルを用いた以外は同様にして、ポリヒドロキシエチルビニルエーテル(数平均分子量約2万、数平均分子量<1000の含量0%)を得た。
構造、分子量は各々H−NMR(400MHz、日本電子社製)、GPC(Waters2695、Waters社製)で測定した。
〈GPC測定条件〉
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
〔架橋構造による弾性率向上確認〕
ナノインデンテーション法による弾性率の測定を以下に従って行った。
Hysitron社製Triboscopeを用いて、エスアイアイナノテクノロジー社製SPI3800Nに装着し測定した。測定には、圧子としてベルコビッチ型圧子(先端稜角142.3°)と呼ばれる三角錘型ダイヤモンド製圧子で、先端曲率半径75〜100nmのものを用いた。表面に直角に当て、徐々に圧印加し、最大荷重到達後に荷重を0にまで徐々に戻す。この時の最大荷重Pを圧子接触部の投影面積Aで除した値P/Aを硬度として算出し、この値(硬度=P/A(GPa))を、ナノインデンテーション弾性率を表す指標として示す。
《有機光電変換素子の作製》
〔有機光電変換素子SC−101の作製〕
PEN基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗12Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と湿式エッチングとを用いて10mm幅にパターニングし、第1電極を形成した。パターン形成した第1電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
この透明基板上に、イソプロパノールに溶解したポリエチレンイミンと、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテルの混合溶液を塗布し、ホットプレート上で120℃10分間乾燥させ、正孔阻止層を製膜した。
続いて、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン、HOMO:−5.5eV、LUMO:−3.4eV)とPCBM(フロンティアカーボン社製:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル、HOMO:−6.1eV、LUMO:−4.3eV)を3.0質量%になるように1:0.8で混合した液を調製し、フィルタでろ過し乾燥膜厚が約200nmになるよう前記基板上に発電層を製膜した。続いて、導電性高分子及びポリアニオンからなるPEDOT−PSS(Baytron P4083、スタルクヴィテック社製、IP(HOMO):−5.0eV)、イソプロパノールを含む液を調液し、乾燥膜厚が約100nmになるように塗布乾燥した。そのあと、150℃で10分間加熱処理し正孔輸送層を製膜した。
次に、上記の銀微粒子塗布液AG−101を乾燥膜厚が300nmになるように塗布乾燥し、ベーク処理140℃15minを施すことで第2電極AG101を形成した。得られた有機光電変換素子を窒素チャンバーに移動し、封止用キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が10×10mmサイズの有機光電変換素子SC−101を作製した。
〔有機光電変換素子SC−102の作製〕
有機光電変換素子SC−101の作製において、発電層まで同様にして機能層を製膜した。続けて、導電性高分子及びポリアニオンからなるPEDOT−PSS(Baytron P4083、スタルクヴィテック社製、IP(HOMO):−5.0eV)、花王ケミカル株式会社製エマルゲン、イソプロパノールに加え、上記合成したPHEA(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート))を乾燥膜の固形分で5質量%含むよう調液し、乾燥膜厚が約100nmになるように塗布乾燥した。その後、150℃で10分間加熱処理し正孔輸送層を製膜した。
上述の正孔輸送層製膜以外は、有機光電変換素子SC−101と同様にして有機光電変換素子SC−102を作製した。
なお、有機光電変換素子SC−102の正孔輸送層について、弾性率を測定したところ、3.6MPaであった。
〔有機光電変換素子SC−103の作製〕
有機光電変換素子SC−102の作製において、正孔輸送層にPHEA(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート))を乾燥膜の固形分で30質量%含むようにした以外は同様にして有機光電変換素子SC−103を作製した。
〔有機光電変換素子SC−104の作製〕
有機光電変換素子SC−102の作製において、正孔輸送層にPHEA(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート))を乾燥膜の固形分で50質量%含むようにした以外は同様にして有機光電変換素子SC−104を作製した。
〔有機光電変換素子SC−105の作製〕
PEN基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗12Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と湿式エッチングとを用いて10mm幅にパターニングし第1電極を形成した。パターン形成した第1電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
導電性高分子及びポリアニオンからなるPEDOT−PSS(Baytron P4083、スタルクヴィテック社製、IP(HOMO):−5.0eV)、イソプロパノールを含む液を調液し、乾燥膜厚が約50nmになるように塗布乾燥した。その後、150℃で10分間加熱処理し正孔輸送層を製膜した。
続いて、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン、HOMO:−5.5eV、LUMO:−3.4eV)とPCBM(フロンティアカーボン社製:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル、HOMO:−6.1eV、LUMO:−4.3eV)を3.0質量%になるように1:0.8で混合した液を調製し、フィルタでろ過し乾燥膜厚が約200nmになるよう前記正孔輸送層上に発電層を製膜した。
続いて、イソプロパノールに溶解したポリエチレンイミン(PEI)と、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、ポリアニオンとしてナフィオン(Nafion、ポリフッ化スルホン)に加え、乾燥膜の固形分濃度が50質量%になるようPHEA(ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート))を溶解し、乾燥膜厚が20nmになるように塗布乾燥した。その後、120℃で30分間加熱処理し、正孔阻止層を製膜した。
次に、上記の銀微粒子塗布液AG−101を乾燥膜厚が300nmになるように塗布乾燥し、ベーク処理140℃15minを施すことで第2電極を形成した。得られた有機光電変換素子を窒素チャンバーに移動し、封止用キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が10×10mmサイズの有機光電変換素子SC−105を作製した。
〔有機光電変換素子SC−106の作製〕
有機光電変換素子SC−104の作製において、銀微粒子塗布液AG−101を銀微粒子塗布液AG−102に変更し、第2電極AG102を形成した以外は同様にして、有機光電変換素子SC−106を作製した。
〔有機光電変換素子SC−107の作製〕
有機光電変換素子SC−106の作製において、電荷輸送層の塗布液に用いるPHEAをP−1に変更し、電荷輸送層を形成した以外は同様にして、有機光電変換素子SC−107を作製した。
《有機光電変換素子の評価》
上記作製した有機光電変換素子について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を1cmにしたマスクを受光部に重ね、IV特性を評価することで、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)及びフィルファクターFFを、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定した。ここで、Jsc及びFFは有機光電変換素子SC−101のJsc及びFFを100とした相対値で表す。
なお、第2電極と形成するプロセスよりも前の各機能層を製膜した基板を別途作製し、ナノインデンテーション法を用いて弾性率を測定したところ、本発明外となる有機光電変換素子SC−101の場合には弾性率が1.8GPaであったのに対して、本発明の有機光電変換素子の場合にはいずれも弾性率が3.0GPaとなっており、本発明構成では架橋反応による弾性率向上が確認された。
評価の結果を表1に示す。
表1から明らかなように、従来の有機光電変換素子SC−101に対して、本発明の有機光電変換素子SC−102〜SC−107は、Jsc及びFFの優れた結果を示し、本発明の効果が明らかとなった。
実施例2
〔銀微粒子塗布液AG−201の調製〕
特開2010−500475号公報、p23、実施例17に記載の方法で銀ナノ粒子を作製した。
すなわち、モル比で7:3の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとブチルアンモニウムブチルカルバメートとが混合されている粘性の液体34.89gを入れて、酸化銀12.03gを添加して、常温で2時間撹拌しながら反応した。反応が進行するにつれて、最初に黒色懸濁液から、錯化合物が生成されるにつれて色が濃くなり、最終的に黄色の透明な液状銀錯体を得た。
次いで、上記銀錯化物40.0gとイソプロピルアルコール23.1gを添加して、常温で10分間撹拌し、第1溶液を調製した。そして、別容器にヒドラジンハイドレート1.2gとイソプロピルアルコール50gを添加して、第2溶液を調製した。第1溶液と第2溶液をそれぞれ液量20g/minの速度で混合、撹拌し、緑色の懸濁液を得た。得られた懸濁液を自然沈降して、フィルタ濾過した後、イソプロピルアルコールで3回洗浄し、緑色のナノ粉体を得た。
上記で得られた銀錯体20gと緑色ナノ粉体20gを高沸点溶媒としてテルピネオール0.6gを添加して10分間撹拌した後、1−アミノ−2プロパノール0.6gを添加して再び10分間撹拌した。その後、3本ロールミルを3回通過させて、銀含量59質量%の銀微粒子塗布液AG−201を調製した。
《有機光電変換素子の作製》
〔有機光電変換素子SC−201の作製〕
実施例1の有機光電変換素子SC−101の作製において、銀微粒子塗布液AG−101を銀微粒子塗布液AG−201に変更し、第2電極AG201を形成した以外は同様にして有機光電変換素子SC−201を作製した。
〔有機光電変換素子SC−202の作製〕
実施例1の有機光電変換素子SC−104の作製において、銀微粒子塗布液AG−101を銀微粒子塗布液AG−201に変更し、第2電極AG201を形成した以外は同様にして有機光電変換素子SC−202を作製した。
《有機光電変換素子の評価》
得られた有機光電変換素子を実施例1と同様に評価した。ここで、Jsc及びFFは有機光電変換素子SC−201のJsc及びFFを100とした相対値で表す。
評価の結果を表2に示す。
表2から明らかなように、従来の有機光電変換素子SC−201に対して、本発明の有機光電変換素子SC−202は、Jsc及びFFの優れた結果を示し、本発明の効果が明らかとなった。
10 光電変換素子
101 第1の電極
102 正孔阻止層(または電子輸送層)
103 発電層
103a p型半導体材料
103b n型半導体材料
104 電子阻止層(正孔輸送層)
105 第2の電極

Claims (9)

  1. 少なくとも一方が光透過性を有する第1電極と第2電極の間に、p型半導体材料とn型半導体材料を含有する発電層と、正孔または電子のどちらかを主に輸送する電荷輸送層を少なくとも有する有機光電変換素子の製造方法において、
    1)発電層、電荷輸送層、第2電極の順に形成し、
    2)電荷輸送層は、下記一般式で示される単位構造を少なくとも分子内に有するポリマー(A)(ただし、多官能アクリルアミノモノマー由来の構成単位を含まない)を含有する塗布液を用いたウエットプロセスで形成し、
    (式中、Xは水素原子またはメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキレン基を表し;l、m、nは、当該ポリマー(A)を構成する全モノマーのモル数の合計を100としたときのそれぞれの構成率(モル%)を表し、50≦l+m+n≦100である)
    3)第2電極は、有機金属錯体の熱分解もしくは還元反応で形成された、表面保護基が表面に吸着した金属微粒子の分散物を含有する塗布液を用いたウエットプロセスで形成する
    ことを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
  2. 前記電荷輸送層の塗布液が、前記第2電極の塗布液中の金属微粒子の表面保護基と相互作用する官能基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の有機光電変換素子の製造方法。
  3. 前記有機金属錯体が、シュウ酸架橋アルキルアミン金属錯体からなることを特徴とする請求項1または2記載の有機光電変換素子の製造方法。
  4. 前記金属微粒子が銀微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法。
  5. 前記ポリマー(A)は、下記(a1)〜(a3)いずれか単独のモノマーから形成されたホモポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法:
    式中、Xは水素原子またはメチル基、R〜Rはそれぞれ炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキレン基を表す。
  6. 前記電荷輸送層の塗布液が、さらにπ共役系高分子及びポリアニオンを含有することを特徴とする請求項5記載の有機光電変換素子の製造方法。
  7. 前記水酸基含有非導電性ポリマーの数平均分子量は、3,000〜2,000,000であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の有機光電変換素子の製造方法により得られたことを特徴とする有機光電変換素子。
  9. 請求項8に記載の有機光電変換素子を用いたことを特徴とする太陽電池。
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